JP2006079791A - 相変化型光記録媒体 - Google Patents

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Kazunori Ito
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Mikiko Abe
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Abstract

【課題】 DVD−ROMと同容量でDVD8倍速以上の高線速度で繰返し記録が可能であり、反射層と硫化防止層との密着性を向上させることにより、繰返し記録後あるいは過酷な環境下で長期保存した後でも、膜浮き等によるディスク欠陥が生じ難い相変化型光記録媒体の提供。
【解決手段】 透明基板上に、少なくとも第1保護層、相変化記録層、第2保護層、硫化防止層、及び反射層がこの順に積層され、情報の記録が、レーザー光の照射による相変化記録層の結晶状態及び非晶質状態の可逆的な相変化によりなされるものであると共に、相変化記録層がSnSbGaGe系合金を主成分とする材料、第1保護層と第2保護層がZnSとSiOの混合物、硫化防止層がTiCとTiOの混合物、反射層がAg又はAgを主成分とする合金からなることを特徴とする相変化型光記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、書換え可能な相変化型光記録層を有する高密度記録用の光記録媒体、(例えばDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM等)に関する。
現在、DVD系の光記録媒体は、4倍速(記録線速度=14m/s)で記録可能なシステムが既に市販されており、更に高速記録の要求が高まってきている。これらの技術は、具体的には記録層にSbTe系を採用している。SbTe系の記録層としては、高速記録に対応するために、Sbの含有量をCD−RW対応の記録層より多くしたものが用いられているが、Sbの含有量を多くすると結晶化速度は促進されるものの、結晶化温度が低下し、保存信頼性の悪化につながるため、現在のところ、この材料系を用いた4倍速以上の高速記録が可能な光記録媒体の実現には至っていない。
また、高速記録を実現するためには、更に高いパワーで記録しなければならないため、保存信頼性が従来より厳しくなる。熱伝導率の高いAgを反射層に用いる場合、保護層のZnS−SiOのSと結合しAgSを形成するため、反射層と保護層との間に硫化防止層を設ける必要があるが、高いパワーで記録することによりAg反射層と硫化防止層の界面で剥離が生じ易くなり、繰り返し記録後や過酷な環境下での長期保存後にディスク欠陥が生じ易いという問題が起こる。
関連する公知技術としては、特許文献1に、Ag反射層と接する中間層に酸化タンタル、タンタル、ニッケルを用い、記録層にMw(SbzTe1−z)1−w、但し、0≦w≦0.3、0.5≦z≦0.9を用いた発明が開示されているが、本発明の硫化防止層とは構成元素が異なる上に、記録はCDの2倍速(2.4m/s)と本発明より低速低密度で行なっている。
また、本出願人の出願に係る特許文献2には、Ag反射層と接する硫化防止層にSi,SiC,Ge,GeCrを用い、記録層にGaαGeβInγSbδTeε(但し、0<α<7、0<β<10、0<γ<5、60<δ<80、0<ε<5)を用いた発明が開示されているが、本発明の硫化防止層とは構成元素が異なる上に、記録は最大20m/sと本発明より低速で行なっている。
また、特許文献3には、GeSbInからなる記録層を用いた発明が開示されているが、記録は2.4〜9.6m/sと本発明より低速で行なっている。
また、本出願人の先願に係る特願2004−29923では、SnSbGaGeからなる記録層を用いた発明を提案しており、DVD8倍速以上の高速記録を実現しているが、長期保存後の膜浮き等によるディスク欠陥の防止を考慮した設計は行なっていない。
同じく、特願2002−334303、特願2003−88952では、第二誘電体層の反射層に接触する側に、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo及びWから選ばれる少なくとも一つの金属を含む炭化物と酸化物の混合物で構成されたバリア層を設ける発明を提案しているが、高速記録を考慮した設計は行なっていない。
特許第3494044号公報 特開2003−248967号公報 特開2001−39031号公報
本発明は、DVD−ROMと同容量でDVD8倍速以上の高線速度で繰返し記録特性が良好であり、反射層と硫化防止層との密着性を向上させることにより、繰返し記録後あるいは過酷な環境下で長期保存した後でも、膜浮き等によるディスク欠陥が生じ難い相変化型光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜8)の発明によって解決される。
1) 透明基板上に、少なくとも第1保護層、相変化記録層、第2保護層、硫化防止層、及び反射層がこの順に積層され、情報の記録が、レーザー光の照射による相変化記録層の結晶状態及び非晶質状態の可逆的な相変化によりなされるものであると共に、相変化記録層がSnSbGaGe系合金を主成分とする材料、第1保護層と第2保護層がZnSとSiOの混合物、硫化防止層がTiCとTiOの混合物、反射層がAg又はAgを主成分とする合金からなることを特徴とする相変化型光記録媒体。
2) 第2保護層と硫化防止層の合計膜厚が7〜20nmであることを特徴とする1)記載の相変化型光記録媒体。
3) 第2保護層と硫化防止層の合計膜厚が7〜15nmであることを特徴とする2)記載の相変化型光記録媒体。
4) 硫化防止層の組成が、(TiC)p(TiO)100−p、50≦p≦80(pは重量%)であることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
5) SnSbGaGe系合金が、組成式をSnαSbβGaγGeδ〔但し、α、β、γ、δはそれぞれの元素の組成比(原子%)、α+β+γ+δ=100〕として、次の関係を満たすことを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
5≦α≦20、 60≦β≦91、 2≦γ≦10、 2≦δ≦10
6) SnSbGaGe系合金が、組成式をSnαSbβGaγGeδTeε〔但し、α、β、γ、δ、εはそれぞれの元素の組成比(原子%)、α+β+γ+δ+ε=100〕として、次の関係を満たすことを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
5≦α≦20、60≦β≦91、2≦γ≦10、2≦δ≦10、1≦ε≦10
7) 第2保護層と硫化防止層の間に、ZrO−Y−TiO混合物からなる膜厚2〜8nmの層を有することを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
8) 第1保護層と相変化記録層の間に、SiOからなる膜厚2〜4nmの層を有することを特徴とする1)〜7)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
図1に本発明の光記録媒体の層構成例を示す。透明基板上に、ZnSとSiOの混合物からなる第1保護層、SnSbGaGe系合金を主成分とする相変化記録層、ZnSとSiOの混合物からなる第2保護層、TiCとTiOの混合物からなる硫化防止層及びAg合金からなる反射層がこの順に積層された構成である。ここで主成分とは、少なくとも記録再生が可能な量の合金を含むことを意味するが、通常は不純物は別として合金のみからなる記録層とする。
情報の記録・消去は、基板側からレーザー光を照射し、相変化記録層の結晶及び非晶質状態の可逆的な相変化により行なう。DVD+RWなどでは未記録時は結晶状態であり、変調したレーザー光を照射し、記録層を急冷させることにより非晶質マークを形成する。このとき、直接非晶質マークの繰返し記録を行なうには、高速記録になるほど短時間で非晶質マークを結晶化させる必要があり、結晶化速度の速い相変化記録材料が要求される。また、結晶化速度の速い材料を用いると、非晶質マーク形成直後にマーク周辺から再結晶化が進行してマークが小さくなってしまう。再結晶化領域を小さくするには冷却速度の速い急冷構造とするのが良いので、反射層に熱伝導率の高いAg又はAgを主成分とする合金を用いる必要がある。ここで主成分とは、Agを90原子%以上含有することを意味する。またAgと合金を形成する元素としては、Cu、Pd、Ti、Cr、Taなどが挙げられる。反射層の膜厚は、100〜300nmが適しており、100nmより薄いと高速記録を行ったときに変調度が小さくなり、300nmより厚いと膜剥離が生じ易くなる。
しかしAgは膜中を移動し易い性質をもつ上、Sと結合しAgSを生成し易い。これまでは、Agの拡散を防ぐため、拡散防止層としてSiC、Si等が用いられてきたが、ZnS−SiOやAgとの密着性が十分ではなく、プロセス上トラブルが発生した場合に膜剥がれなどによるディスク欠陥が発生し易いという問題を抱えていた。特に、高速記録になるほど高いパワーで記録するので、低速記録用光記録媒体よりも繰返し記録時に膜剥がれが発生し易かった。SiCの密着性が十分でなかった理由としては、AgとSiCの熱膨張係数が大きく違うため、初期化時や記録時に膜の内部応力が大きくなって膜剥がれが起き易くなるためである。
そこで、本発明では、Agと熱膨張係数が近く密着性の良いTiOとAgの拡散を防止する効果のあるTiCの混合物をAg反射層と第2保護層の間の硫化防止層に用い、第2保護層と硫化防止層の合計膜厚を7〜20nmとし、記録層には高速記録に適したSnSbGaGe系合金を用いることにより、変調度が大きく高速記録に適した光記録媒体を提供できることを見出した。より好ましくは、前記2層の合計膜厚を7〜15nmとすることにより、良好な繰り返し記録特性が得られる。高速記録では、記録層の冷却速度によって記録特性が大きく変わるので、冷却速度に大きくかかわる反射層と記録層に挟まれた層である第2保護層と硫化防止層の合計膜厚が重要である。
硫化防止層の組成は、(TiC)p(TiO)100−p、50≦p≦80(pは重量%)とするのが好ましい。pが80以下では大きな変調度が得られ、50以上では良好な繰り返し記録特性が得られる。pが大きいほど熱伝導率が大きくなるが、硫化防止層の熱伝導率が大きすぎると変調度が小さくなってしまい、小さすぎると熱が篭り易くなり特に繰り返し記録特性が悪くなる。高速記録では特に反射層と記録層に挟まれた層の熱伝導率及び膜厚の違いの影響を受け易いため、適切な範囲にしなければ書き換え型の光ディスクシステムが実現できる良好な記録特性を得ることができない。
相変化記録層に主成分として用いるSnSbGaGe系合金は、その組成式をSnαSbβGaγGeδ〔但し、α、β、γ、δはそれぞれの元素の組成比(原子%)、α+β+γ+δ=100〕として、5≦α≦20、60≦β≦91、2≦γ≦10、2≦δ≦10を満たすものが好ましい。この材料は、SbTe系よりも結晶化温度が高いので非晶質マークの安定性が良く、また結晶化速度が速いので高速記録に適している。高速結晶化には主にSnとSbが寄与している。
Snが少なくなるほど結晶化速度は遅くなるので、DVD8倍速の記録を行なうには、5≦αとすることが好ましい。一方、Snが多くなりすぎるとシェルフ特性(長期保存後の記録特性)が悪化するので、α≦20とすることが好ましい。また、Sbが少なくなるほど結晶化速度は遅くなり、Sbが多くなりすぎると初期結晶化が困難になるので、60≦β≦91の範囲とすることが好ましい。Gaはアモルファスマーク形成のし易さに寄与する。Gaを含むことによりアモルファスマークを安定して形成することができるので、マークのばらつき度合いを示すジッタ特性が良好となる。但し、Gaが多くなりすぎると結晶化速度が遅くなりすぎてしまうので、2≦γ≦10の範囲とすることが好ましい。Geは結晶の安定性に寄与し、Gaと同様に多くなりすぎると結晶化速度が遅くなりすぎてしまうので2≦γ≦10の範囲とすることが好ましい。また、前記四元合金に対してTeを1〜10原子%含んでも良い。Teは初期結晶化のし易さに寄与する。更に、種々の特性改善の目的でIn、Zn、Ag、Cuなどの元素を加えても良い。
記録層の膜厚は、10〜20nmとするのが良い。高速記録になるほど、記録層の薄膜化が重要となる。記録層を薄膜化すると加熱する体積が小さくなり、少ないエネルギーで溶融することが可能となるので、記録感度を上げることができる。但し、薄膜化しすぎると、結晶と非晶質の反射率差が小さくなり変調度が小さくなってしまう。
第1保護層と第2保護層には、内部応力が小さくかつ吸収率の小さいZnSとSiOの混合物を用いるのが良い。ZnSは熱伝導が小さく記録時の熱拡散を抑制できるので、記録感度を上げることができるが、初期化や記録時に結晶に変化してしまい記録層の安定性に悪影響を及ぼすので、ZnSの結晶化を阻害するSiOを混合したものを用いる。組成は、ZnS:SiO=60〜90:40〜10(モル%)とすることが好ましい。
第1保護層の膜厚は、50〜250nmが適しており、50nmより薄いと耐熱保護層としての機能が失われ、250nmより厚いと界面剥離が生じ易くなる。
第2保護層の膜厚は、2〜10nmが好ましく、2nmより薄いと記録感度が悪くなり、10nmより厚いと熱が篭りすぎてしまう。
また、第2保護層と硫化防止層の間にZrO−Y−TiO混合物からなる層を厚さ2〜8nm設けても良い。硫化防止層にTiCとTiOの混合物を用いるとSiCを用いた場合よりも変調度が小さくなり易いが、上記混合物層を設けることにより、変調度を大きくすることができる。組成は、ZrOを60モル%以上、TiOを10モル%以上混合することが好ましい。
また、第1保護層と相変化記録層との間にSiOからなる厚さ2〜4nmの界面層を設けることが好ましい。これにより、高パワーで記録したときに基板が受けるダメージを減らすことができるため、高パワー記録での繰返し記録特性が良好となり、記録パワーマージンを広くすることができる。厚さが2nm未満では均一なSiO膜を形成することが困難であり、4nmを超えると、記録感度が悪くなり変調度が小さくなってしまう。
透明基板としては、例えば表面にトラッキング用の案内溝を有し、直径12cm、厚さ0.6mmのディスク状で、加工性、光学特性に優れたポリカーボネート基板が好適である。トラッキング用の案内溝は、ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.4μm範囲内の蛇行溝であることが好ましい。特に溝を深くすることにより、記録媒体の反射率が下がり変調度を大きくすることができる。
本発明1によれば、DVD−ROMと同容量で記録線速がDVD8倍速以上の高線速度で繰返し記録特性が良好であり、反射層と硫化防止層との密着性を向上させ、繰返し記録後や過酷な環境下で長期保存した後でも膜浮き等によるディスク欠陥が生じに難い相変化型光記録媒体を提供できる。
本発明2によれば、変調度が大きい光記録媒体を提供できる。
本発明3によれば、ジッタが十分に低い光記録媒体を提供できる。
本発明4によれば、変調度が大きく、繰り返し記録特性が良好な光記録媒体を提供できる。
本発明5によれば、更に非晶質マークの安定性及び結晶の安定性が良い光記録媒体を提供できる。
本発明6によれば、更に初期結晶化が良好であり、DVD8倍速でのDOW1ジッタ上昇の小さい相変化型光記録媒体を提供できる。
本発明7によれば、更に記録特性が良好であり、変調度が大きい光記録媒体を提供できる。
本発明8によれば、更に高記録パワーでの繰返し記録特性が良好な光記録媒体を提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜7)
トラックピッチ0.74μm、溝深さ27nm、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板上に、スパッタリング法により、第1保護層、相変化記録層、第2保護層、硫化防止層、反射層を順に製膜した。
第1保護層は、(ZnS)80(SiO20(モル%)をターゲットに用い、膜厚を60nmとした。
相変化記録層は、Sn18Sb68GaGe(原子%)をターゲットに用い、膜厚を16nmとした。
第2保護層は、(ZnS)80(SiO20(モル%)をターゲットに用い、膜厚は表1のようにした。
硫化防止層は、(TiC)70(TiO)30(重量%)をターゲットに用い、膜厚は表1のようにした。
反射層は、Agをターゲットに用い、膜厚を180nmとした。
続いて、反射層上にスピンコーティング法でアクリル系硬化樹脂(大日本インキ社製、SD318)を厚さ約8μm塗布した後、N雰囲気中で紫外線硬化させて樹脂保護層を形成した。
更にその上に、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を接着剤を用いて貼り合せ、ディスク状の光記録媒体を得た。
続いて、出力波長830nm、幅約1μm、長さ75μm、最大出力2Wのレーザー光にフォーカシング機能を付加したレーザーヘッドを有する初期化装置(日立CP社製POP120−7AH)を用いて初期化を行なった。初期化条件は、レーザー出力1500mW、走査速度20m/s、ヘッド送り50μmで一定とした。
Figure 2006079791
上記のようにして作製した光記録媒体に対し、波長650nm、NA0.65のピックアップを有する光ディスク評価装置(パルステック社製DDU−1000)を用いて記録再生の評価を行った。記録線速は28m/s(DVD8倍速相当)とし、EFM+変調方式でランダムパターンを10回繰返し記録したときのジッター(data to clock jitter:σを検出窓幅Twで規格化した値)及び変調度を表2に示す。記録ストラテジは最適化し、再生は全て線速3.5m/s、パワー0.7mWで行った。
Figure 2006079791
表2から分るように、第1保護層と硫化防止層の合計膜厚が特に7〜20nmの場合、繰り返し記録10回後の変調度がDVD−ROMの規格値である60%以上が得られた。更に、合計膜厚が7〜15nmの場合、繰り返し記録10回後のジッターが規格値である9%以内と良好な繰り返し記録特性が得られた。合計膜厚が7nm未満の場合、変調度が小さくジッターは9%以上であった。これは、記録層に熱が十分にかからず溶融領域が狭く形成されたマークが小さいためである。また、合計膜厚が20nmを超えた場合も変調度が小さくジッターは9%以上であったが、これは、溶融領域は広いが、再結晶化が起こる温度範囲に保持されている時間が長いため、マーク周辺から再結晶化が進み、形成されたマークが小さくなるためである。
更に、上記の各光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、何れもピンホールは発生していなかった。
(実施例8〜12)
記録層材料をSn13Sb72GaGeに変え、第1保護層の膜厚を8nm、硫化防止層の膜厚を5nmとし、硫化防止層の組成を表3のように変化させた点以外は、実施例1と同様にしてディスク状の光記録媒体を作製した。
これらの光記録媒体に対し、波長650nm、NA0.65のピックアップを有する光ディスク評価装置(パルステック社製DDU−1000)を用いて記録再生の評価を行った。記録線速は28m/s(DVD8倍速相当)とし、EFM+変調方式でランダムパターンを10回繰返し記録したときの変調度及び1000回繰り返し記録したときのジッターを調べた。ジッターが9%以上の場合は×、9%以下の場合は○とし、表3に結果を示す。
表3から分るように、TiCが80(重量%)以下の場合、DOW10の変調度は60%以上であった。また、TiCが40(重量%)の場合、変調度は大きかったが、DOW1000のジッターが9%以上であった。
Figure 2006079791
(実施例13)
記録層材料を、Sn20Sb65GaGe10(原子%)に変えた点以外は、実施例3と同様にしてディスク状の光記録媒体を作製した。
この光記録媒体に対し、波長650nm、NA0.65のピックアップを有する光ディスク評価装置(パルステック社製DDU−1000)を用いて記録再生の評価を行った。記録線速は28m/s(DVD8倍速相当)とし、記録パワーPwは32mW、ボトムパワーPbは0.1mW、消去パワーPeは5〜10mWで最適化した。EFM+変調方式でランダムパターンを繰返し記録しジッター(data to clock jitter:σを検出窓幅Twで規格化した値)を評価した。記録ストラテジは最適化し、再生は全て線速3.5m/s、パワー0.7mWで行った。
更に、この光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、同じ条件で記録した。それぞれの結果を図2に示す。
図2から分るように、80℃85%RH環境下に100時間保存した後も大きなジッタの劣化は見られなかった。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、ピンホールは発生していなかった。
(実施例14)
記録層材料をSn20Sb65GaGeTe(原子%)に変え、第2保護層の膜厚を10nmに変えた点以外は、実施例13と同様にしてディスク状の光記録媒体を作製し、実施例13と同様にして記録したところ、実施例13よりもDOW1ジッタが改善された。Teを添加したことにより初期結晶化が均一になったため、DOW1ジッタ上昇が抑えられたからと考えられる。
更に、この光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、同じ条件で記録した。それぞれの結果を図3に示す。
図3から分るように、80℃85%RH環境下に100時間保存した後も大きなジッタの劣化は見られなかった。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、ピンホールは発生していなかった。
(実施例15)
記録層材料をSn16Sb70GaGe(原子%)に変え、第2保護層の膜厚を5nmに変え、硫化防止層のターゲットを(TiC)60(TiO)40(重量%)に、膜厚を3nmに変えた点以外は実施例13と同様の条件で光記録媒体を作製し、実施例13と同様にして記録したところ、実施例13よりもジッタが0.5%下がった。
更に、この光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、同じ条件で記録したところ、大きなジッタの劣化は見られなかった。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、ピンホールは発生していなかった。
(実施例16)
第1保護層の膜厚を70nmに、記録層の材料をSn19Sb63GaGe(原子%)に、膜厚を14nmに、第2保護層の膜厚を4nmに、硫化防止層のターゲットを(TiC)50(TiO)50(重量%)に、膜厚を4nmに変え、第2保護層と硫化防止層の間に膜厚3nmのZrO−Y−TiO混合物の膜を設けた点以外は実施例13と同様の条件で光記録媒体を作製し、実施例13と同様にして記録したところ、実施例13と同等のジッタ特性が得られ、変調度が2%大きくなった。
更に、この光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、同じ条件で記録したところ、大きなジッタの劣化は見られなかった。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、ピンホールは発生していなかった。
(実施例17)
第1保護層の膜厚を58nmに変え、第1保護層と相変化記録層の間に膜厚2nmのSiO膜を設け、記録層の材料をSn14Sb68Ga10Ge(原子%)に、膜厚を14nmに、第2保護層の膜厚を4nmに、硫化防止層の膜厚を6nmに変えた点以外は実施例13と同様の条件で光記録媒体を作製し、実施例13と同様にして記録したところ、実施例13よりも高パワーで記録したときの繰返し記録特性が改善された。
更に、この光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、同じ条件で記録したところ、大きなジッタの劣化は見られなかった。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、ピンホールは発生していなかった。
(比較例1)
第2保護層の膜厚を10nmに、硫化防止層の材料をSiCに変えた点以外は実施例13と同様の条件で光記録媒体を作製し、実施例13と同様にして記録したところ、実施例13と同等のジッタ特性が得られた。しかし、この光記録媒体を80℃85%RH環境下に100時間保存した後、同じ条件で記録したところ、2%のジッタ上昇が見られた。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したところピンホールが観察された。
(比較例2)
記録層材料をAgInSb65Te25(原子%)に、第2保護層の膜厚を10nmに変えた点以外は実施例13と同様の条件で光記録媒体を作製し、実施例13と同様にして記録したところ、繰返し記録することができなかった。この保存試験後の光記録媒体をランプにかざして目視で観察したが、ピンホールは発生していなかった。
本発明の光記録媒体の層構成例を示す図。 実施例1の光記録媒体の評価結果を示す図。 実施例2の光記録媒体の評価結果を示す図。

Claims (8)

  1. 透明基板上に、少なくとも第1保護層、相変化記録層、第2保護層、硫化防止層、及び反射層がこの順に積層され、情報の記録が、レーザー光の照射による相変化記録層の結晶状態及び非晶質状態の可逆的な相変化によりなされるものであると共に、相変化記録層がSnSbGaGe系合金を主成分とする材料、第1保護層と第2保護層がZnSとSiOの混合物、硫化防止層がTiCとTiOの混合物、反射層がAg又はAgを主成分とする合金からなることを特徴とする相変化型光記録媒体。
  2. 第2保護層と硫化防止層の合計膜厚が7〜20nmであることを特徴とする請求項1記載の相変化型光記録媒体。
  3. 第2保護層と硫化防止層の合計膜厚が7〜15nmであることを特徴とする請求項2記載の相変化型光記録媒体。
  4. 硫化防止層の組成が、(TiC)p(TiO)100−p、50≦p≦80(pは重量%)であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
  5. SnSbGaGe系合金が、組成式をSnαSbβGaγGeδ〔但し、α、β、γ、δはそれぞれの元素の組成比(原子%)、α+β+γ+δ=100〕として、次の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
    5≦α≦20、 60≦β≦91、 2≦γ≦10、 2≦δ≦10
  6. SnSbGaGe系合金が、組成式をSnαSbβGaγGeδTeε〔但し、α、β、γ、δ、εはそれぞれの元素の組成比(原子%)、α+β+γ+δ+ε=100〕として、次の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
    5≦α≦20、60≦β≦91、2≦γ≦10、2≦δ≦10、1≦ε≦10
  7. 第2保護層と硫化防止層の間に、ZrO−Y−TiO混合物からなる膜厚2〜8nmの層を有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
  8. 第1保護層と相変化記録層の間に、SiOからなる膜厚2〜4nmの層を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
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