JP2006075977A - 機械基部を有する工作機械 - Google Patents

Abstract

【課題】工作機械および切屑コンベヤ据付用の所要スペースを高めることなく切屑コンベヤ配置時に一層大きな柔軟性が可能となるように工作機械を改良する。
【解決手段】機械基部（１１）と、内部で工作物（１３）が加工される作業空間（１４）と、工作物（１３）の加工時に発生する切屑（２４）を作業空間（１４）から受容し転送する装置（２５）とを有する工作機械（１０）において、切屑コンベヤ（３８）の一方の末端（３９）を受容すべく設けられる少なくとも１つのトンネル（３１、３３）が機械基部（１１）内に設けられており、このトンネルが少なくとも装置（２５）の下にまで延びかつそこで上向きに開口（２８）させて構成されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、機械基部と、内部で工作物が加工される作業空間と、工作物の加工時に発生する切屑を作業空間から受容し転送する装置とを有する工作機械に関する。

このような工作機械が例えば特許文献１または特許文献２により公知である。

公知の工作機械は機械基部を有し、この機械基部で走行コラムは互いに直交する２方向において、やはり機械基部に固着された工作物テーブルに対して移動可能である。走行コラムに工具主軸頭が高さ調整可能に配置されており、この工具主軸頭が工具主軸を担持しており、工作物テーブル上で固定された工作物を加工するための工具は工具主軸内に固定することができる。工作物の加工は、相応する外装によって工作機械の可動部材に対して密封された作業空間内で行われる。

作業空間の下方にいわゆる切屑槽が配置されており、工作物の加工時に発生する切屑と工具および工作物冷却のために作業空間内に噴霧される冷却剤は斜めに延びる薄板を介してこの切屑槽内に達する。こうして切屑と冷却剤は作業空間から排出されるが、両方の刊行物は切屑を切屑槽からどのように除去するのかを不明のままとしている。

しかしこのような工作機械の背後または横にいわゆる切屑コンベヤを配置することは一般に知られており、それらは例えば特許文献３に述べられている。このような切屑コンベヤは水平に延びるコンベヤ区域と斜め上方に延びて切屑投下部に通じた区域とを有する。コンベヤ区域上に達した切屑はこうして一層高い位置に置かれた切屑投下部へと運ばれ、そこから、切屑の搬出に役立つ搬送容器内に落下する。

切屑が切屑槽から切屑コンベヤ上に達するように、出願人には公知の工作機械ではシュートが設けられており、これらのシュートを介して切屑は機械基部から横に取り出され、そこに据付けられた切屑コンベヤ上に落下する。

工作機械の横に設置された切屑コンベヤはこうしていつでも整備措置のため接近可能であり、整備措置が頻繁に必要となるのは、特に、切屑を搬送するために切屑コンベヤが特許文献４により公知の搬送ウォームを利用する場合特に、切屑が互いに絡み合い、切屑コンベヤが詰まるからである。

しかし搬送ベルトを有する前記特許文献３に述べられたような切屑コンベヤも、頻繁な整備を必要とする。

このような工作機械では一般に、工作機械および切屑コンベヤの据付用に必要な所要スペースが比較的大きいことが欠点と感じられ、さらに、切屑槽から切屑コンベヤへと切屑を搬送するための措置を講じなければならないことによって工作機械の構造が複雑になる。

工作機械の片側に切屑コンベヤを配置したこのような工作機械では、工作機械用電気式および空圧式制御装置を受容した制御盤が工作機械の裏面に配置される。制御盤はいつでも接近可能でなければならないので、このような工作機械ではこの場合、スペース上の理由からそれがしばしば望ましいではあろうが、工作機械の背後に切屑コンベヤを配置することが可能でない。

技術の現状から公知の工作機械および付属する切屑コンベヤでは、一般に各工作機械に独自の切屑コンベヤを付設せねばならない事実、しかしまたは前記特許文献４に詳しく述べられたように切屑を搬出するための複雑な搬送ウェブを利用せねばならない事実が他の欠点と感じられる。
欧州特許出願公開第０８７９６７１号明細書 独国特許出願公開第１９７２６９５２号明細書 国際公開第２００４／０５４７５６号パンフレット 欧州特許出願公開第０４１７１３７号明細書

本発明の課題は、工作機械および切屑コンベヤ据付用の所要スペースを高めることなく切屑コンベヤ配置時に一層大きな柔軟性が可能となるように工作機械を改良することである。

この課題は、本発明によれば、工作機械において、切屑コンベヤの一方の末端を受容すべく設けられる少なくとも１つのトンネルが機械基部内に設けられており、このトンネルが少なくとも装置の下にまで延びかつそこで上向きに開口させて構成されていることによって解決される。

発明の実施の形態

本発明の根底にある課題が前述のようにして完全に解決される。

つまり本願発明者が認識したのは、作業空間から切屑を受容し排出するための装置の直接下に切屑コンベヤの一方の末端、つまり主にそのコンベヤ区域を配置することが可能であることであり、このため本発明によれば機械基部内に少なくとも１つのトンネルが設けられている。

意外なことに機械基部内のこのようなトンネルは安定性を、従って工作機械で達成可能な加工精度を、最初に懸念されたほどには損なわない。つまり、作業空間の下にまで通じたトンネルを機械基部内に設けることが可能であり、このトンネルは作業空間内を向く開口部を上側に有し、この開口部を通して切屑は挿入された切屑コンベヤのコンベヤ区域上に直接落下できる。

こうして新規な工作機械の構造はきわめて単純であり、作業空間から切屑を排出するための装置は実質的に下側で作業空間に設けられた開口部と落下する切屑用の場合によって斜めに配置される案内薄板とからなる。

切屑コンベヤがいまや大部分工作機械の機械基部内にあるので、工作機械および切屑コンベヤ据付用の全所要スペースは切屑コンベヤが完全に工作機械の横に設置される場合よりも少ない。

切屑コンベヤはいつでもトンネルから引き出して所要の整備作業を行うことができる。切屑コンベヤが工作機械と強固にねじ止めされていないのでこれは問題なく実現することができ、切屑コンベヤを引き出すのに必要な所要スペースは、２台またはそれ以上の工作機械によってさえ相応する所要スペースを交互に利用できるように、２台の工作機械を相応に配置することによって選択しておくことができる。

１構成において、少なくとも１つのトンネルが機械基部内を横切って延び、かつ工作機械の両方の長辺面に、切屑コンベヤの一方の末端を挿入するための各１つの開口部を有すると好ましい。

この措置では有利なことに、切屑コンベヤは左または右のいずれかから工作機械に挿入することができ、工作機械を並べて配置した場合それぞれ２台の工作機械は切屑コンベヤを引き出すための所要スペースを相互間に有し、左側工作機械内に切屑コンベヤは右から、右側工作機械内に切屑コンベヤは相応に左から挿入される。

しかし機械基部内を横切ったトンネルは、切屑排出に関して複数台の工作機械を互いに連結する他の可能性を提供する。例えば、トンネルがそれぞれ互いに一直線に並ぶように並置された複数の工作機械内に搬送ベルトを挿通させることが可能であり、この搬送ベルトはいわば切屑コンベヤのきわめて長いコンベヤ区域として働きかつ切屑を切屑投下部へと運び、そこで複数台の工作機械から切屑が一緒に集められ搬出される。

こうして個々の工作機械の所要スペースは、それぞれ個別の切屑コンベヤを有する公知工作機械に比べていま一度かなり減少している。

他方で、少なくとも１つのトンネルが工作機械の縦方向に延び、その裏面に、切屑コンベヤの一方の末端を挿入するための１つの開口部を有すると好ましい。

この措置では利点として、切屑コンベヤは後方から工作機械に挿入することができ、工作機械の横には切屑コンベヤ用のスペースを設ける必要がまったくない。ふつう工作機械の裏面に配置される制御盤はこの場合例えば工作機械の横に配置しておくことができ、そこで制御盤は、そこに配置される切屑コンベヤが占めるであろうよりも少ないスペースを占める。

しかし、トンネルの開口部に上からＵ形に被さる制御盤が工作機械の裏面に配置されていると好ましい。

この場合利点として、制御盤は工作機械の裏面に留めることができる。しかしトンネルはいわばなお制御盤内に通して延設することもでき、この目的のために制御盤は下向きに開口したＵとして構成されている。

こうして、制御装置用に制御盤内で利用可能なスペースが低減することがあるが、しかしこれはさしたる問題とはならない。というのも幾つかの制御装置は工作機械のハウジング内に別の態様でも配置しておくことができるからである。

少なくとも１つのトンネルが漏斗状に開口部に向かって広がっていると一般に好ましい。

この措置の利点として、工作機械の横または背後で切屑コンベヤを引き出しまた挿入するのに必要なスペースがさらに減少する。というのも切屑コンベヤは機械基部から斜めに引き出すことができ、このために必要となるスペースは切屑コンベヤが工作機械に垂直に引き出される場合よりも少ないからである。

少なくとも１つのトンネルが少なくとも部分的に下向きに開口させて構成されていると一般になお好ましい。

この措置では利点として、ローラを備えて土台上を走行できる通常の切屑コンベヤは、新規な工作機械のトンネルに挿入するのに設計変更なしに使用することができる。トンネルが切屑コンベヤの内側末端を案内し、この末端は自動的に、つまり調整作業なしに、開口部の下で作業空間の側にくる。

これに関連して、機械基部内を横切って延びるトンネルと、工作機械の裏面へと延びてそこで漏斗状に開口した他のトンネルが設けられていると特別好ましい。

こうして、切屑コンベヤを左または右からまたは後方から新規な工作機械に挿入することが選択的に可能となり、こうして工作機械はさまざまなスペース事情用に装備されている。

本出願人のもとでの実験から、このようなトンネルを装備した機械基部もなお安定しており、この機械基部上に構成された工作機械の加工精度は厳しい要件も満足することが判明した。

その際、工作機械が工具を受容するための少なくとも１つの工具主軸と工作物を固定するための１つの工作物テーブルとを有し、少なくとも１つの工具主軸と工作物テーブルが互いに相対的に移動可能であると一般に好ましく、その際好ましくは少なくとも１つの工具主軸は移動機構を介して機械基部上で支承されている。

本出願の発明者達は、特にこのような「走行コラム機」の場合裏面を横切って延びるトンネルも、また裏面に沿って延びるトンネルも、このような工作機械の加工精度を損なうことなく設けることができることを認識した。

その他の利点は明細書および添付した図面から明らかとなる。

自明のことであるが、前記特徴および以下になお説明する特徴はその都度明示した組合せにおいてだけでなく、別の組合せや単独でも、本発明の枠から逸脱することなく応用可能である。

本発明の実施例が図面に示してあり、以下の明細書で詳しく説明される。

図１において符号１０は略側面図で示す工作機械である。この工作機械１０が機械基部１１を含み、機械基部の前部に工作物テーブル１２が配置されており、この工作物テーブル上で固定された工作物１３が作業空間１４内で加工される。

工作物１３の加工は工具１５によって行われ、この工具が工具主軸１６によって担持される。工具主軸１６はそれ自体周知の如くに主軸頭を介して高さ調整可能に走行コラム１７で支承されており、この走行コラムはやはり第１送り台１８に座着され、この送り台は図１において図示平面を水平に移動可能である。第１送り台１８は、図１の図示平面に垂直に移動することのできる第２送り台１９に座着されている。

走行コラム１７と送り台１８、１９が１つの移動機構２０を形成し、この移動機構でもって工具１５は工作物１３に対して作業空間１４内で移動することができる。

なお触れておくなら、送り台１９は架枠部材２１を介して機械基部１１と結合されている。

工作物１３を工具１５で加工する間、略示した洗浄管から冷却剤２３が作業空間１４内に放出され、工作物１３および工具１５が冷却され、発生した切屑２４が洗い落とされ、切屑は下方に装置２５内に落下する。この装置は斜めに配置される薄板２７を含み、この薄板によって切屑は開口部２８を介して作業空間１４から下方に落下する。

開口部２８の下には工作機械１０内を横切って延びるトンネル３１が設けられており、このトンネルは図１に認めることのできる開口部３２を有する。

機械基部１１内にさらに他のトンネル３３が開口部２８から後方に延び、そこでこのトンネルはその後側区域３４が漏斗状に開口部３５へと広がっている。

工作機械１０の裏面になお制御盤３６が配置されており、制御盤の下をトンネル３３が通過している。

トンネル３１内にもトンネル３３内にもいまや切屑コンベヤを挿入することができ、そのことは以下で図２の斜視図を基に説明される。

図２には工作機械１０が略示されているだけであり、実質的にそのハウジング３７と制御盤３６を認めることができる。

開口部３５内に符号３８で示唆した切屑コンベヤが挿入されており、そのコンベヤ区域３９はトンネル３３内で開口部２８の下に達している。コンベヤ区域３９に、切屑コンベヤ３８の場合高い位置に置かれる切屑投下部４１が続いており、開口部２８を通してコンベヤ末端３９上に落下して切屑投下部４１へと搬送された切屑は切屑投下部から図面には図示しない搬送容器内に落下する。

図２でさらに認めることができるように、制御盤３６は２つの扉４２、４３を有し、全体として下向きに開口したＵ形状であり、図１にも略示した自由空間４４が生じる。

この配置によって、切屑コンベヤ３８がトンネル３３内に挿入されるときにも扉４２、４３を開口することが可能である。

図２に一点鎖線で示唆したように、スペース事情がそのことを必要とする場合、切屑コンベヤ３８は横から開口部３２を通してトンネル３１内に挿入することもできる。

図１と図２の工作機械１０で使用されるような機械基部１１が図３に略平面図で示してある。

トンネル３１が機械基部１１を横切って通過し、その開口部３２が長辺面４５にある一方、反対側の長辺面４６には開口部４７を有するのを認めることができる。こうして、切屑コンベヤを左または右から機械基部１１内に挿入し、または並置された工作機械１０を連結して、それらの切屑が一緒に横方向でトンネル３１を通して搬出されるようにすることが可能である。

最後に、トンネル３３はその後側区域３４が漏斗状に、裏壁４８に設けられる開口部３５へと広がっていることをなお認めることができる。こうして、切屑コンベヤ３８を工作機械１０の縦方向だけでなく、これに対して斜めにも機械基部１１から引き出すことが可能であり、切屑コンベヤ３８を引き出すための所要スペースは切屑コンベヤが直線的に引き出されねばならないであろう場合よりも少ない。

トンネル３１を開口部３２、４７に向けて漏斗状に広げることも当然に可能である。

トンネル３１もトンネル３３も下向きに開口しており、切屑コンベヤ３８は土台上を走行するそのローラで工作機械１０内に直接挿入することができ、そこでその内側末端はトンネル３１、３３を通して開口部２８の下で心出しされる。

本発明に係る工作機械の略側面図である。 本発明に係る工作機械の斜視図である。 図１、図２の工作機械で使用することのできる略示した機械基部の平面図である。

符号の説明

１０ 工作機械
１１ 機械基部
１２ テーブル
１３ 工作物
１４ 作業空間
１５ 工具
１６ 工具主軸
１７ 走行コラム
１８ 第１送り台
１９ 第２送り台
２１ 架枠部材
２４ 切屑
２５ 装置
２７ 薄板
２８、３２、３５、４７ 開口部
３１、３３ トンネル
３６ 制御盤
３７ ハウジング
３８ 切屑コンベヤ
３９ コンベヤ区域
４１ 切屑投下部
４２、４３ 扉
４４ 自由空間
４５、４６ 長辺面
４７ 開口部
４８ 裏壁

Claims (8)

1. 機械基部（１１）と、内部で工作物（１３）が加工される作業空間（１４）と、工作物（１３）の加工時に発生する切屑（２４）を作業空間（１４）から受容し転送する装置（２５）とを有する工作機械において、切屑コンベヤ（３８）の一方の末端（３９）を受容すべく設けられる少なくとも１つのトンネル（３１、３３）が機械基部（１１）内に設けられており、このトンネルが少なくとも装置（２５）の下にまで延びかつそこで上向きに開口（２８）させて構成されていることを特徴とする工作機械。
2. 少なくとも１つのトンネル（３１）が機械基部（１１）内を横切って延び、かつ工作機械（１０）の両方の長辺面（４５、４６）に、切屑コンベヤ（３８）の一方の末端（３９）を挿入するための各１つの開口部（３２、４７）を有することを特徴とする、請求項１記載の工作機械。
3. 少なくとも１つのトンネル（３３）が工作機械（１０）の縦方向に延び、工作機械の裏面（４８）に、切屑コンベヤ（３８）の一方の末端（３９）を挿入するための１つの開口部（３５）を有することを特徴とする、請求項１または２記載の工作機械。
4. 少なくとも１つのトンネル（３３）が漏斗状（３４）に開口部（３５）に向かって広がっていることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項記載の工作機械。
5. 開口部（３５）に上からＵ形（４４）に被さる制御盤（３６）が工作機械の裏面（４８）に配置されていることを特徴とする、請求項３または４記載の工作機械。
6. 少なくとも１つのトンネル（３１、３３）が少なくとも部分的に下向きに開口させて構成されていることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項記載の工作機械。
7. 工作機械が、工具（１５）を受容するための少なくとも１つの工具主軸（１６）と工作物（１３）を固定するための１つの工作物テーブル（１２）とを有し、少なくとも１つの工具主軸（１６）と工作物テーブル（１２）が互いに相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１項記載の工作機械。
8. 少なくとも１つの工具主軸（１６）が移動機構（２０）を介して機械基部（１１）上で支承されていることを特徴とする、請求項７記載の工作機械。
   
   

Images