JP2006073883A - レーザ装置の高精度波長制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的あるいは熱的経時変化があっても、レーザ発振波長を所望の波長に高精度に変更できるレーザ装置の波長制御方法。
【解決手段】狭帯域化ボックス内の波長選択光学素子のいずれかを、ステッピングモータユニットあるいは圧電素子ユニットで構成された回転駆動手段を用いて、必要時においてタイミングよく経時変化を補正しながら回転駆動することでグレーティングへのレーザ光の入射角度を高精度に制御する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザ装置用の波長制御方法に関する。
従来から、エキシマレーザ装置等から発振したレーザ光を狭帯域化し、その中心波長を所望の値に制御する波長制御技術が知られており、例えば後掲する特許文献1や特許文献2に示されている。以下、上記文献に基づいて従来技術を説明する。
図4において、エキシマレーザ装置10は、レーザ媒質であるレーザガスを封入し、両端部にパルスレーザ光21を透過するウィンドウ22,23を取着したレーザチャンバ20を備えている。レーザチャンバ20の内部では、図示しない放電電極間に電源24から高電圧が入力され、パルス放電によってレーザガスを励起し、パルスレーザ光21を発生させる。発生したパルスレーザ光21は、狭帯域化ユニット30に入射し、狭帯域化ボックス31内に配置された2個のプリズムビームエキスパンダ32、32によって拡大され、波長選択ミラー34によって反射されて、平行溝が紙面垂直方向に多数形成されたグレーティング33に入射する。グレーティング33に所定の入射角度φで入射したレーザ光21は、ここで中心波長λc及びその近傍の特定波長帯域内の光のみが回折され、入射方向とほぼ同じ方向に出射される。
波長選択ミラー34はあとで詳しく述べる可動ホルダ50に搭載されており、矢印54で示した回転方向に可動自在に回転できる。波長選択ミラー34を回転させると、グレーティング33に対するパルスレーザ光21の入射角度φが変わり、グレーティング33で回折されるパルスレーザ光21の中心波長λcが変化する。逆に、波長選択ミラー34を回転させることで、発振するパルスレーザ光21の中心波長λcを、所望する目標波長λoに波長変更することが可能である。
また、エキシマレーザ装置10は、パルスレーザ光21の一部をビームスプリッタ25で取り出し、波長モニタ26によってパルスレーザ光21の中心波長λcをモニタリングしている。レーザコントローラ28は、モニタリングした中心波長λcに基づき、回転駆動手段40に指令信号を出力して波長選択ミラー34を回転させ、パルスレーザ光21の中心波長λcが所望の目標波長λoになるように波長変更制御をしている。
目標波長λo近傍の特定波長で狭帯域化されたパルスレーザ光21は、レーザチャンバ20内で増幅され、中心波長λcを有するパルスレーザ光21として、同図の右側前方にある露光機27に入射する。
次に、回転駆動を行う可動ホルダ50周辺の構造を説明する。
図5に、可動ホルダ50の平面断面図を示す。
可動ホルダ50は、ステッピングモータユニット41とピエゾ素子ユニット42で構成された回転駆動手段40、ミラー支持台51、支持部材52、回転部材53を主な構成要素としている。
ステッピングモータユニット41は、図4のレーザコントローラ28から受信したパルス信号のパルス数に応じて、ステッピングモータ41Aを所定量だけ回転させる。ステッピングモータ41Aには、ネジ山が精密加工されたボールネジユニット41Cを取着したリニアアクチュエータ41Bが接続されており、このボールネジユニット41Cは、ガイド部品41Eでガイドされ、回転しながら前後方向にスムーズに直進(ストローク)運動を行なう。また、ピエゾ素子ユニット42は、入力された電圧Vの大きさに応じた長さだけ、図の上下方向に伸縮する。
ピエゾ素子ユニット42はピエゾ素子本体42Aと駆動軸42Bからなっており、図4のレーザコントローラ28から受信した電圧値に応じて前進後退の動作を行うことができる。駆動軸42Bの下端部42Cは球状になっており、精密研磨された平面を有する前記ボールネジユニット41Cの上端部41Dと、スプリング41Fで所定の付勢力を与えられながら当接している。従って、ボールネジユニット41Cが回転しながら上下動したとき、ピエゾ素子ユニット42は回転せずにスムーズに上下動することができる。
ミラー支持台51は、図の右側端部を支持部材52で取着されている。またミラー支持台51の中央部下面に設けた図示しないバネで狭帯域化ボックス31の内側表面31A側に付勢されている。支持部材52の上端部はミラー支持台51の回転軸52Aとして機能する。すなわち、紙面に垂直方向を軸方向とする回転軸52Aを中心軸にして、回転部材53に連結させたピエゾ素子ユニット42の上端部42Dを図の上下矢印42E方向に変位させて、ミラー支持台51を図中の矢印54方向に回転させることができる。よって、ミラー支持台51に支持された波長選択ミラー34も矢印54方向に回転するので、グレーティング33へのレーザ光21の入射角度φを変更することができる。
特開2003−23198号公報 特開2003−31881号公報
上記したように、ステッピングモータは入力するパルス数に応じてモータを回転させるモータである。上記可動ホルダ50の場合、リニアアクチュエータ41Bを用いてステッピングモータ41の回転を前後動へ変換している。この前進後退距離が波長選択ミラー34の設置角度、つまり波長選択ミラー34へのレーザ光入射角度及びグレーティング33へのレーザ光入射角度φを決め、これにより中心波長λc(レーザ発振波長)を決めている。従って、レーザ発振波長を正確に制御するためには、波長変更するためにステッピングモータユニット41に入力したパルス数が同じなら、それに対応する前進後退距離の変化量も常に同じになる必要がある。
しかし、実際には上記入力したパルス数に対する前進後退距離が常に一定の関係を有するとは限らない。同じパルス数をステッピングモータユニット41に入力しても前進後退距離が異なる場合がある。この原因としては、ステッピングモータユニット41の前進後退動作の繰返しによる磨耗等から生じた機械的経時変化が考えられる。
また、パルス数と前進後退距離との関係がたとえ一定であったとしても、中心波長λcを変更するために所定のパルス数を入力したにもかかわらず、波長選択ミラー34の回転角度が所定の回転角度にならない場合がある。この原因としては、温度変化に伴う部品の伸縮等で生じた熱的経時変化が考えられる。
たとえば、ウェーハやレチクルの入れ替えなどのために一定時間にわたって放電を停止し、レーザ発振を休止した場合には、温度変化により狭帯域化ボックス31内の部品が伸縮する。すると、波長選択ミラー34の設置角度が変動し、グレーティング33へのレーザ光の入射角度φも変動してしまうため、それに伴って中心波長λcがずれてしまう。このような、レーザ発振の休止中に起きる中心波長λcのずれを「休止ドリフト」という。
また、ピエゾ素子の場合は、入力した電圧値に応じてピエゾ素子が伸縮する動作がそのまま前進後退動作を引き起こす。上記可動ホルダ50の場合、この前進後退距離が波長選択ミラー34の設置角度、つまり波長選択ミラー34へのレーザ光入射角度及びグレーティング33へのレーザ光入射角度φを決め、これによりレーザ発振波長(中心波長λc)を決めている。従って、レーザ発振波長を正確に制御するためには、ピエゾ素子ユニット42に入力した電圧値が同じなら、それに対応する前進後退距離の変化量も常に同じになる必要がある。
しかし、実際には入力した電圧値に対する前進後退距離が常に一定の関係を有するとは限らない。同じ電圧値をピエゾ素子ユニット42に入力しても前進後退距離が異なる場合がある。
また、電圧値と前進後退距離との関係がたとえ一定であったとしても、中心波長λcを変更するために所定の電圧値を入力したにもかかわらず、波長選択ミラー34の回転角度が所定の回転角度にならない場合がある。
これらの原因もまた、ピエゾ素子ユニット42の前進後退動作の繰返しによる磨耗(機械的経時変化)や狭帯域化ボックス31内の温度変化に伴う部品の伸縮(熱的経時変化)と考えられる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、たとえこのような経時変化があってもレーザ発振波長を高精度に変更できるレーザ装置の波長制御方法を課題としている。
以上のような目的を達成するために、第1発明においては、レーザ媒質から出射したレーザ光を、少なくとも1個のプリズムビームエキスパンダに入射させて、前記プリズムビームエキスパンダで前記レーザ光を拡大し、前記拡大したレーザ光を、グレーティングに形成した複数の平行溝の方向と前記レーザ光の拡大方向とが直交する態様で前記グレーティングに入射させ、レーザ光の入射光軸方向と略同一の光軸方向へ特定の波長帯域のレーザ光を反射させるにあたって、前記平行溝方向に平行な所定の回転軸を中心にして、回転駆動手段を用いて前記少なくとも1個のプリズムビームエキスパンダを回転駆動させ、前記回転駆動手段の駆動値に応じて、前記グレーティングへのレーザ光の入射角度を変化させて、特定波長帯域の中心波長を変更するレーザ装置の高精度波長制御方法において、前記回転駆動手段の駆動値と前記プリズムビームエキスパンダの回転角との関係を補正して前記特定波長帯域の中心波長を変更することを特徴としている。
第2発明は、第1発明において、前記回転駆動手段がステッピングモータユニットであり、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数であることを特徴としている。
第3発明は、第1発明において、前記回転駆動手段がピエゾ素子ユニットであり、前記駆動値が前記ピエゾ素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴としている。
第4発明は、第1発明において、前記回転駆動手段が前記ステッピングモータユニットと前記ピエゾ素子ユニットとで構成され、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数または前記ピエゾ素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴としている。
第5発明は、レーザ媒質から出射したレーザ光を、少なくとも1個のプリズムビームエキスパンダに入射させ、前記プリズムビームエキスパンダで前記レーザ光を拡大し、前記拡大したレーザ光を、グレーティングに形成した複数の平行溝の方向と前記レーザ光の拡大方向とが直交する態様で、波長選択ミラーを介して前記グレーティングへ入射させ、レーザ光の入射光軸方向と略同一の光軸方向へ特定の波長帯域のレーザ光を反射させるにあたって、前記平行溝方向に平行な所定の回転軸を中心にして、回転駆動手段を用いて前記波長選択ミラーを回転駆動させ、前記回転駆動手段の駆動値に応じて、前記グレーティングへの入射角度を制御して特定波長帯域の中心波長を変更するレーザ装置の高精度波長制御方法において、前記回転駆動手段の駆動値と、前記波長選択ミラーの回転角との関係を補正しながら前記特定波長帯域の中心波長を変更することを特徴としている。
第6発明は、第5発明において、前記回転駆動手段がステッピングモータユニットであり、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数であることを特徴としている。
第7発明は、第5発明において、前記回転駆動手段がピエゾ素子ユニットであり、前記駆動値が前記ピエゾ素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴としている。
第8発明は、第5発明において、前記回転駆動手段が前記ステッピングモータユニットと前記ピエゾ素子ユニットとで構成され、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数または前記ピエゾ素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴としている。
第1発明によれば、前記回転駆動手段の駆動値と前記プリズムビームエキスパンダの回転角との関係を補正して前記特定波長帯域の中心波長を変更することで、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第2発明によれば、第1発明において、駆動値をステッピングモータの補正したパルス数として、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第3発明によれば、第1発明において、駆動値をピエゾ素子の補正した電圧値として、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第4発明によれば、第1発明において、駆動値を適宜ステッピングモータの補正したパルス数またはピエゾ素子の補正した電圧値とすることで、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第5発明によれば、前記波長選択ミラーの回転角との関係を補正しながら前記特定波長帯域の中心波長を変更することで、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第6発明によれば、第5発明において、駆動値をステッピングモータの補正したパルス数として、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第7発明によれば、第5発明において、駆動値をピエゾ素子の補正した電圧値として、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
第8発明によれば、第5発明において、駆動値を適宜ステッピングモータの補正したパルス数またはピエゾ素子の補正した電圧値とすることで、経時変化があっても中心波長を所定の波長に正確に変更することができる。
以下に、本発明に係わるレーザ装置の高精度波長制御方法について、図面を参照して説明する。
まず、ステッピングモータユニットおよびピエゾ素子ユニットの機械的経時変化の補正(キャリブレーション)の考え方を説明し、そのあとキャリブレーションを用いた波長制御例について説明する。
(ステッピングモータユニットのキャリブレーション)
以下に、ステッピングモータユニットのキャリブレーションについて説明する。
図4において、レーザ装置10を用いて狭帯域レーザ発振を繰り返した後、その時点でのレーザ発振波長を波長モニタ26によってモニタリングした波長をλrとする。次に、レーザコントローラ28に対して、レーザ発振波長をλrとは異なる目標波長λoを与える。
するとレーザコントローラ28は、両波長λr、λoの差、すなわち、|λr−λo|(≠0)の値に基づいて、レーザ発振波長をλoに変更するために必要なステッピングモータユニット41のパルス数を計算し、計算したパルス数Npcをステッピングモータユニット41に入力してストローク位置を変更し、波長変更制御を行わせる。
波長変更制御後、レーザ発振波長を波長モニタ26でモニタリングすると、ステッピングモータ41の機械的経時変化のために、目標波長λoではなくλoeとなってしまっている。
よって、この時点におけるステッピングモータユニット41のパルス数Npcとレーザ発振波長とは以下の関係があることがわかる。
パルス当り絶対波長変化量ΔSp=|λr−λoe|/Npc (1)
従って、現在のモニタリング波長λrから目標波長λoにレーザ発振波長を変更するために必要な真のパルス数Npは、以下のようにして求めることができる。
真のパルス数Np=|λr−λo|/ΔSp
=(|λr−λo|/|λr−λoe|)xNpc (2)
よって、関係式(2)をレーザコントローラ28に記憶させておき、その後の目標波長変更の際に、関係式(2)で計算したパルス値をステッピングモータユニット41に入力することで、キャリブレーション済みの波長変更制御を行うことができる。
たとえば関係式(2)をレーザコントローラ28に記憶させた後、波長λoでレーザ発振すべきときに、波長が変動してλtになったことが波長モニタ26でモニタリングされた場合や、レーザ波長の目標値をλoからλo′へ変更する必要がある場合等に、上記関係式を用いて正確な波長変更制御をただちに行うことができる。
なお、関係式(1)、(2)におけるパルス当りの変化量ΔSpとして、M回(M>2)の波長変更動作を行い、それぞれの変更動作で得られたパルス当りの変化量ΔSpi(i=1〜M)の平均値から求めてもよい。
(ピエゾ素子ユニットのキャリブレーション)
次に、ピエゾ素子ユニットのキャリブレーションの考え方を説明する。
基本的考え方は、上述したステッピングモータユニットのキャリブレーションと同様である。
図4において、レーザ装置10を用いて狭帯域レーザ発振を繰り返した後、その時点でのレーザ発振波長を波長モニタ26によってモニタリングした値をλrとする。ここで、レーザコントローラ28に対してλrとは異なる目標波長λoを与える。
すると、レーザコントローラ28は両波長λr、λoの差、すなわち、|λr−λo|(≠0)の値に基づいて、レーザ発振波長をλoに変更するために必要なピエゾ素子ユニット42の電圧値を計算し、計算した電圧値Vpcをピエゾ素子ユニット42に入力して、変更動作を行わせる。
変更動作後、レーザ発振波長を波長モニタ26でモニタリングすると、ピエゾ素子ユニット42の機械的経時変化のために、目標波長λoではなく、λoeとなっている。
よって、この時点におけるピエゾ素子ユニット42の電圧値Vpcとレーザ発振波長とは以下の関係があることがわかる。
ボルト当り絶対波長変化量ΔSv=|λr−λoe|/Vpc (3)
従って、現在の波長λrから目標波長λoにレーザ発振波長を変更するために必要な真の電圧値Vpは、以下のようにして求めることができる。
真の電圧値Vp=|λr−λo|/ΔSv
=(|λr−λo|/|λr−λoe|)xVpc (4)
よって、関係式(4)をレーザコントローラ28に記憶させておき、その後の目標波長変更の際に、関係式(4)で計算した駆動値をピエゾ素子ユニット42に入力することで、ピエゾ素子ユニット42によるキャリブレーション済みの波長変更制御を行うことができる。
たとえば関係式(4)を記憶させた後、波長λoでレーザ発振すべきときに、波長が変動してλtになったことが波長モニタ26でモニタリングされた場合や、レーザ波長の目標値をλoからλo′へ変更する必要がある場合等に、上記関係式を用いて正確な波長変更制御をただちに行うことができる。ただし、上記変動量や変更量は、ピエゾ素子ユニット42のストローク長で対応できる範囲の小さなものとする。
なお、関係式(3)、(4)におけるパルス当りの変化量ΔSvとして、M回(M>2)の波長変更動作を行い、それぞれの変更動作で得られたパルス当りの変化量ΔSvi(i=1〜M)の平均値から求めてもよい。
上記関係式(2)および(4)を必要時に応じて求め、それによりステッピングモータユニット41およびピエゾ素子ユニット42をキャリブレーションすることが可能である。これを「キャリブレーションモード」という。
ここでいう「必要時」は様々に定義することができる。たとえば、半導体露光処理の休止中、レーザ発振動作中の一定経過時間毎(たとえば3時間毎)、レーザ発振動作中の一定パルス発振数毎、レーザガス交換直後のレーザ調整発振時等が考えられる。また、キャリブレーションの要求をレーザ装置10から露光機27に送って、露光処理を停止した後にキャリブレーションを行うこともできる。
以下において、上記キャリブレーションモードを用いた実施例を、ステッピングモータユニット41のみで行った場合(実施例1)、ピエゾ素子ユニット42のみで行った場合(実施例2)、ステッピングモータユニット41とピエゾ素子ユニット42を同時に用いて行った場合(実施例3)とに分けて説明する。
なお、ピエゾ素子ユニット42の前進後退のストローク長はステッピングモータユニット41のそれに比べてはるかに小さい。そこで、実施例1では、ステッピングモータユニット41の長ストロークを利用して、新たな目標波長に一気に近づける波長制御について説明する。実施例2では、短ストロークのピエゾ素子ユニット42のみを用いて高精度の波長制御を行う波長制御について説明する。また実施例3では、ステッピングモータユニット41の長ストロークとピエゾ素子ユニット42の短ストロークを利用して新たな目標波長に近づけ、最後にピエゾ素子ユニットの特徴を利用して新たな目標波長へ高精度に近づける波長制御について説明する。
なお、前述したように、レーザ発振中は、波長モニタ26でモニタリングした中心波長λcに基づき、ピエゾ素子ユニット42に指令電圧Vを出力して波長制御が行われており、中心波長が目標波長に略一致しているものとする。
本実施例では、図4のエキシマレーザ装置10において、レーザ発振中に、露光機27からコントローラ28を通じて狭帯域化ユニット30に目標波長λoを変更する目標波長変更指令が来た場合の制御について説明する。
図1において、図1(a)は、露光機からの発振指令Sであり、図1(b)は、目標波長変更指令Tを示すタイミングチャートであり、図1(c)は、ステッピングモータユニット41のストローク位置Pを示すタイミングチャートであり、図1(d)は、キャリブレーションモードを用いた時の中心波長λcの変動(実線A)とキャリブレーションモードを用いない時の中心波長の変動(一点鎖線B)とを対比させて示すタイミングチャートである。なお、時刻t11から時刻t13までは、レーザ発振を行っておらず、モニタリングを行えないため、その間の中心波長の推定値λcを示すチャートは図1(d)の破線Dで表されている。
図1(a)に示すように、時刻t11までは発振指令信号SがONとなっており、時刻t11から時刻t13までは発振が休止(OFF)しており、時刻t13から発振が再開(ON)となっている。
図1(d)に示すように、時刻t11までは発振指令信号SがONとなっているので、モニタリングによる波長制御により、中心波長λcが目標波長λo1に略一致している。時刻t11に発振が休止すると、波長モニタ26によるモニタリングは行われず、図に示さないピエゾ素子ユニット42の指令電圧Vはそのまま維持される。
ここで、図1(b)に示すように、発振休止中の時刻t12に、露光機27からレーザコントローラ28に、以降の発振から、目標波長λo1を新たな目標波長λo2に変更する目標波長変更指令Tが出力されるとする。なおここでは、λo2>λo1とし、λo1とλo2の差(ずれ)はピエゾ素子ユニット42のストローク長で制御できる範囲より大きいものとする。
そこで目標波長変更指令Tを受けたコントローラ28は、時刻t11以前の上記キャリブレーションモードで記憶しておいた関係式(2)で計算したパルス値を、発振再開時刻t13に、ステッピングモータユニット41に出力する。するとステッピングモータユニット41は、目標波長を変更すべく、図1(c)に示すように、ストローク位置PをPo1からPo2に変更し、可動ホルダ50を駆動して波長選択ミラー34を回転させ、時刻t14に回転を終了させる。
その結果、図1(d)の実線Aに示すように、上記キャリブレーションモードを用いた場合、ステッピングモータユニット41に出力した駆動値がキャリブレーションされているので、時刻t14において、目標波長λo2に略等しいλaに波長変更されている。よって、発振再開後に行われる波長モニタ26によるモニタリングに基づいて、ピエゾ素子ユニット42を駆動する波長制御によって、短時間で(時刻t15に)中心波長λcを目標波長λo2に略一致させることができる。
一方、キャリブレーションモードを用いない従来の場合は、図1(d)の一点鎖線Bに示すように、ステッピングモータユニット41に出力する駆動値がキャリブレーション済みでないので、時刻t14における波長λbが目標波長λo2より大幅に大きくなってしまっている(場合によっては小さくなることもある)。そのため、発振再開後に行われる波長モニタ26によるモニタリングに基づいて、ピエゾ素子ユニット42を駆動する波長制御によって、中心波長λcを目標波長λo2に近づけるまでに時間がかかり、時刻t15より遅れた時刻t16において、中心波長λcを目標波長λo2に略一致させることができる。
以上のように、キャリブレーションモードを用いると、ステッピングモータユニット41による波長変更制御を正確に行うことができるため、目標波長変更後、短時間で中心波長を目標波長に略一致させることができる。
本実施例では、図4のエキシマレーザ装置10において、レーザ発振の休止中に、露光機27からコントローラ28を通じて狭帯域化ユニット30に目標波長λoを変更する波長変更指令がなされず、単に休止ドリフト補正を行う場合の制御について説明する。
図2において、図2(a)は、露光機27からの発振指令信号Sを示すタイミングチャートであり、図2(b)は、休止中の休止ドリフト補正を行わない場合の中心波長λcの変動を示すタイミングチャートであり、図2(c)は、キャリブレーションモードを用いて休止ドリフト補正を行った場合の中心波長λc′の変動(一点鎖線E)とキャリブレーションモードを用いずに休止ドリフト補正を行った場合の中心波長λc′の変動(2点鎖線F)とを対比させて示すタイミングチャートである。なお、時刻t21から時刻t24までは、実際にレーザ発振を行ってはおらず、モニタリングを行えないため、図2(b)において、その間の中心波長の推定値λcを示すチャートは破線Dで示してある。また、同様の理由から、図2(c)において、時刻t21から時刻t24までの中心波長の推定値λc′を示すチャートを破線D′で示してある。
図2(a)に示すように、時刻t21までは発振指令信号SがONとなっており、時刻t21から時刻t24までは発振が休止(OFF)しており、時刻t24から発振が再開(ON)となっている。
休止ドリフト補正を行わない場合、図2(b)のように波長制御される。
時刻t21までは、モニタリングによる波長制御により、中心波長λcは目標波長λo1に略一致している。
時刻t21に、発振指令信号SがOFFになり、発振が停止する。これに伴い、図の破線Dに示すように、休止ドリフトのために、中心波長λcは、時刻t21から、次第に1方向に動いてゆき、発振が再開される時刻t24には、目標波長λo1より大幅に大きい波長λdとなっている。なお、ここでは、波長が長波長側へ休止ドリフトするものとして説明するが、短波長側へ休止ドリフトする場合もある。そして時刻t24にレーザ発振が再開されると同時に波長制御も再開される。この波長制御によって、中心波長λcを目標波長λo1に近づけることができ、時刻t27に中心波長λc′を目標波長λo1に略一致させることができる。
一方、休止ドリフト補正を行う場合は、図2(c)のように波長制御される。
レーザコントローラ28は、所定経過時間後の時刻t22において、中心波長λc′が休止前の目標波長λo1からどの程度ずれが生じたかを推定する。この推定は、たとえばこれまでにレーザ発振がどのようなパターンで行われたかという情報や、現在の狭帯域化ボックス31内の温度、さらには時刻t21から時刻t22までの経過時間等に基づいて行われる。なお、所定経過時間はあらかじめレーザコントローラ28に設定しておく。
キャリブレーションモードを用いる休止ドリフト補正の場合、レーザコントローラ28は、上記ずれを補正して、発振再開直後に中心波長λc′を目標波長λo1にできるだけ近づけるため、キャリブレーションモードで記憶しておいた関係式(4)で計算した電圧信号Vをピエゾ素子ユニット42に出力する。これにより、時刻t22から、ピエゾ素子ユニット42が可動ホルダ50を駆動して波長選択ミラー34を回転させ、時刻t23に回転を終了させる。
ピエゾ素子ユニット42に出力した上記駆動値がキャリブレーション済みなので、図2(c)の一点鎖線Eで示すように、波長選択ミラー34が回転するともに、中心波長λc′は目標波長λo1に近づき、回転が終了する時刻t23には、中心波長λc′が目標波長λo1に略一致したλpに波長変更されている。その後、時刻t23から発振再開の時刻t24まで休止ドリフトが発生するが、その変動は小さく、時刻t24における中心波長λc′は目標波長λo1近傍におさまっている。よって、時刻t24以降に行われる波長制御によって、短時間で(時刻t25に)中心波長λc′を目標波長λo1に略一致させることができる。
一方、キャリブレーションモードを用いない従来の休止ドリフト補正の場合、図2(c)の2点鎖線Fで示すように、ピエゾ素子ユニット42に出力した駆動値がキャリブレーションされていないので、時刻t23における波長λqが目標波長λo1より大きくなってしまっている(場合によっては小さくなることもある)。その後、時刻t23から時刻t24まで休止ドリフトが発生するので、時刻t24における中心波長λc′と目標波長λo1との差(ずれ)がさらに大きくなってしまう。
そのため、時刻t24以後の波長制御において、中心波長λc′を目標波長λo1近傍に合わせるまでに時間がかかり、時刻t25より遅れた時刻t26において、中心波長λc′を目標波長λo1に略一致させることができる。
以上のように、キャリブレーションモードを用いて休止ドリフト補正を行うと、ピエゾ素子ユニット42による波長変更制御を正確に行うことができるため、波長変更後、短時間で中心波長を目標波長に略一致させることができる。
本実施例では、図4のエキシマレーザ装置10において、レーザ発振の休止中に、露光機27からレーザコントローラ28を通じて狭帯域化ユニット30に目標波長λoの変更指令がなされるとともに、休止ドリフト補正を行う場合の制御について説明する。
すなわち本実施例では、熱的経時変化が小さく、しかもレーザ発振波長の目標値が一定のときは、短ストロークのピエゾ素子ユニットのみを用いて高精度の波長制御を行い、レーザ発振波長の目標値に大きな変更があったときは、長ストロークのステッピングモータユニットを用いて、新たな目標波長に一気に近づけ、最後にピエゾ素子ユニットの特徴を利用して新たな目標波長へ高精度に近づけるという波長制御を行っている。
図3において、図3(a)は、露光機27からの発振指令信号Sを示すタイミングチャートであり、図3(b)は、休止中に休止ドリフト補正と波長変更を行わない場合の中心波長λcの変動を示すタイミングチャートであり、図3(c)は、時刻t32から時刻t35の間、キャリブレーションモードを用いて、休止ドリフト補正と波長変更を行った場合の中心波長λc′の変動(一点鎖線G)と、キャリブレーションモードを用いずに、休止ドリフト補正と波長変更を行った場合の中心波長λc′の変動(2点鎖線H)とを対比させて示すタイミングチャートであり、図3(d)は、ピエゾ素子ユニット42に出力される指令電圧Vを示すタイミングチャートであり、図3(e)は、目標波長変更指令Tを示すタイミングチャートであり,図3(f)は、ステッピングモータユニット41のストローク位置Pを示すタイミングチャートである。なお、時刻t31から時刻t36までは、実際にレーザ発振を行ってはおらず、モニタリングを行えないため、図3(b)において、その間の推定中心波長を示すチャートは破線Dで示してある。また、同様の理由から、図3(c)において、時刻t31から時刻t36までの推定中心波長を示すチャートを破線D′で示してある。
図3(a)に示すように、時刻t31までは発振指令信号SがONとなっており、時刻t31から時刻t36までは発振が休止(OFF)しており、時刻t24から発振が再開(ON)となっている。
休止ドリフト補正と波長変更を行わない場合は、図3(b)のように制御される。図3(b)において、時刻t31までは、レーザコントローラ28は、波長モニタ26でモニタリングした中心波長λcに基づき、ピエゾ素子ユニット42に指令電圧Vを出力して波長制御を行っており、中心波長λcが目標波長λo1に略一致している。
時刻t31に発振指令信号SがOFFになり、レーザ発振が停止する。これに伴い、図3(b)に示すように、休止ドリフト補正を行わない場合の中心波長λcは、時刻t31から、温度経時変化によって次第に1方向に動いていく。なお、ここでは、波長が長波長側へ休止ドリフトする場合を例にとって説明するが、短波長側へ休止ドリフトする場合もある。時刻t36において、中心波長λcは波長λdにドリフトする。図に示すように、休止ドリフト補正と波長変更を行っていないので、波長λdと目標波長λo2との差が大きい。
図3(e)に示すように、時刻t33に、露光機27からレーザコントローラ28に、目標波長λo1を新たな目標波長λo2に変更する目標波長変更指令Tが出力されている。
図3(b)において、時刻t36にレーザ発振が再開されると、波長モニタ26のモニタリングに基づいた波長制御が再開される。そこでレーザコントローラ28は、中心波長λcを新たな目標波長λo2に近づけてゆく。しかし、時刻t36における中心波長λcと目標波長λo2との差が大きいために、時刻t39に、中心波長λcを目標波長λo2に略一致させることができる。
一方、休止ドリフト補正と波長変更を行う場合は、図3(c)のように制御される。
レーザコントローラ28は、所定経過時間後の時刻t32において、中心波長λc′が休止前の目標波長λo1からどの程度ずれが生じたか推定する。この推定は、たとえばこれまでにレーザ発振がどのようなパターンで行われたかという情報や、現在の狭帯化ボックス31内部の温度、さらには時刻t31から時刻t32までの経過時間等に基づいて行われる。なお、所定経過時間はあらかじめレーザコントローラ28に設定しておく。
レーザコントローラ28は、上記ずれを補正して、発振再開直後に中心波長λc′を目標波長λo1にできるだけ近づけるため、ピエゾ素子ユニット42を駆動する電圧信号Vを計算し、この電圧信号Vをピエゾ素子ユニット42に出力する。これにより、時刻t32から、ピエゾ素子ユニット42が可動ホルダ50を駆動して波長選択ミラー34を回転させ、時刻t35に回転を終了させる。よって、この回転が終了した時刻t35に、中心波長λc′を目標波長λo1に略一致させることができる。
図3(e)に示すように、時刻t33において、露光機27からコントローラ28に、目標波長λo1を新たな目標波長λo2に変更する目標波長変更指令Tが来るものとする。なお、λo2>λo1とし、かつ、λo1とλo2との差は大きく、ピエゾ素子ユニット42で制御できる範囲を越えるものとする。
そこでレーザコントローラ28は、ピエゾ素子ユニット42に対する電圧指令Vを変更することなく、時刻t33から時刻t34まで、ステッピングモータユニット41に対して、目標波長λo1をλo2に変更するための波長変更パルス値を出力する。するとステッピングモータユニット41は、図3(f)に示すように、時刻t33から時刻t34の間にストローク位置Po1からPo2への変更を行う。すなわち、本実施例の場合、短ストロークで高精度のピエゾ素子ユニット42で休止ドリフトを補正しながら、その間に長ストロークのステッピングモータユニット41で目標波長の変更を一気に行っている。
その後、時刻t35まではピエゾ素子ユニット42による休止ドリフト補正が続行される。さらに、時刻t35から波長制御が再開される時刻t36まで、休止ドリフトによる中心波長λc′の1方向への変動が続くが、本実施例ではその変動量は大きくなく、再度の休止ドリフト補正は行わないものとする。
(イ)キャリブレーションモードを用いた波長制御の場合
まず時刻t31以前に、キャリブレーションモードで、ステッピングモータユニット41とピエゾ素子ユニット42の機械的経時変化を補正した関係式(2)と(4)を得ておく。次に、図3(c)の一点鎖線Gで示すように、上記関係式(4)で計算したキャリブレーション済みの駆動値をピエゾ素子ユニット42に出力して休止ドリフト補正を行い、上記関係式(2)で計算したキャリブレーション済みの駆動値をステッピングモータユニット41に出力して波長変更を行うことで、時刻t35に、目標波長λo2に略等しいλmに中心波長λc′を変更することができる。その後、時刻t36まで休止ドリフトが発生するが、上述したように、その変動は小さく、時刻t36における中心波長λc′は目標波長λo2近傍におさまっている。
時刻t36にレーザ発振が再開されると、レーザコントローラ28は波長モニタ26によってモニタリングした中心波長に基づき、波長制御を行う。よって、図3(c)において、時刻t36における中心波長λcは新たな目標波長λo2に近い値となっているので、短時間で(時刻t37に)中心波長λc′を新たな目標波長λo2と略一致させることができる。
(ロ)キャリブレーションモードを用いない波長制御の場合
機械的経時変化を補正していないピエゾ素子ユニット42とステッピングモータユニット41で休止ドリフト補正および波長変更を行った場合は、図3(c)の、2点鎖線Hで示すように、時刻t35で、目標波長λo2より大きめの波長λnになっている(小さめになる場合もある)。なお、時刻t35から波長制御が再開される時刻t36まで、休止ドリフトによる中心波長λc′の1方向への変動が続くので、時刻t36における中心波長λc′と目標波長λo2とのずれはさらに大きくなる。このずれがあまり大きいと、時刻t36以後の最後の微調整のためのピエゾ素子ユニット42のストロークが、最長ストロークを超えるほどに長くなるという不都合を生じてしまう。
時刻t36にレーザ発振が再開されたときには、レーザコントローラ28は波長モニタ26によってモニタリングした中心波長に基づき、波長制御を行う。上述したように、時刻t36における中心波長λc′は目標波長λo2よりはるかに大きいため、時刻t37より遅い時刻t38において、中心波長λc′を目標波長λo2に略一致させることができる。
以上のように、キャリブレーションモードを用いた上記3個の実施例によれば、露光機27では、所望の目標波長λoのレーザ光をレーザ発振後短時間に得ることができるので、ウェーハ等の露光の歩留まりを大幅に向上させることができる。
なお、上記実施例では、ただ1回だけピエゾ素子ユニット42を大きく動かすことにより、目標波長に合わせるように説明しているが、休止時間が長くなるような場合には、ピエゾ素子ユニット42を繰り返し微小距離駆動することにより、補正を行うことができる。従って、その場合は、ピエゾ素子ユニット42が数度にわたって動作と停止を繰り返す間、ステッピングモータも動き続け、目標波長の変更を行っている。
なお、以下に述べるように、ステッピングモータユニットのキャリブレーションと異なり、レーザ発振中はピエゾ素子ユニットで絶えず波長制御を行っているので、波長制御中にピエゾ素子ユニットのキャリブレーションを行うことがいつでも可能である。
図4において、波長制御中に波長モニタ26によってモニタリングした波長がλr、合わせるべき目標波長がλoであったとする。そこでレーザコントローラ28は、モニタリングした波長が目標波長λoになるべく、ピエゾ素子ユニット42にある電圧値Vを出力して、ピエゾ素子ユニット42による波長変更を実施する。波長変更直後にモニタリングした波長がλoeであったとすれば、キャリブレーションした真の電圧値Vは関係式(4)からそのまま求められる。よって、その後に行われるピエゾ素子ユニット42による波長変更制御においては、関係式(2)で計算した電圧値Vを出力すれば、ピエゾ素子ユニット42の機械的経時変化を補正した高精度の波長変更制御を行うことができる。
なお、上記実施例から明らかなように、ステッピングモータユニット41とピエゾ素子ユニット42のキャリブレーションを同時に行うべきか、異なるタイミングで行うべきか、キャリブレーションする頻度をどうするかは全く任意である。
上記実施例では、回転駆動手段40として、ステッピングモータユニット41とピエゾ素子ユニット42を連結した場合を説明したが、回転駆動手段40の構成はこれに限られるものではない。たとえばステッピングモータユニット単体でもピエゾ素子ユニット単体でも本発明は適用可能であり、必要に応じてこれらのユニットを複数個組み合わせて回転駆動手段40を構成することもできる。
上記実施例の場合、波長選択ミラー34を回転駆動して波長変更を行う説明を行った。しかしながら本発明は、それに限られるものではなく、回転駆動される光学素子はかならずしも波長選択ミラー34である必要はない。たとえばグレーティング33またはプリズムビームエキスパンダ32,32のいずれかであってもよい。また、波長選択ミラー34を設置せずに、狭帯域化ボックス31内の波長変更光学素子を、グレーティング33およびプリズムビームエキスパンダ32,32とすることもできる。この場合、波長変更のために回転駆動される光学素子は、グレーティング33又はプリズムビームエキスパンダ32のいずれかである。
また、上記実施例においては、電圧値で制御する回転駆動手段としてピエゾ素子ユニットを用いたが、それに限られるものではなく圧電素子ユニットであればよい。
レーザ装置の高精度制御を行うことにより、半導体露光装置等に於けるウェーハ露光量の制御を歩留まりよく行うことが可能になる。
本発明の実施例1を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施例2を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施例3を説明するためのタイミングチャートである。 従来のレーザ発振波長の狭帯域化を行うレーザ装置の概念図である。 可動ホルダ周辺の断面図である。
符号の説明
10 エキシマレーザ装置
20 レーザチャンバ
21 レーザ光
24 高圧電源
26 波長モニタ
27 露光機
28 レーザコントローラ
30 狭帯域化ユニット
31 狭帯域化ボックス
32 プリズムビームエキスパンダ
33 グレーティング
34 波長選択ミラー
40 回転駆動手段
41 ステッピングモータユニット
42 ピエゾ素子ユニット
50 可動ホルダ
51 ミラー支持台
52 支持部材
53 回転部材

Claims (8)

  1. レーザ媒質から出射したレーザ光を、少なくとも1個のプリズムビームエキスパンダに入射させて、前記プリズムビームエキスパンダで前記レーザ光を拡大し、前記拡大したレーザ光を、グレーティングに形成した複数の平行溝の方向と前記レーザ光の拡大方向とが直交する態様で前記グレーティングに入射させ、レーザ光の入射光軸方向と略同一の光軸方向へ特定の波長帯域のレーザ光を反射させるにあたって、前記平行溝方向に平行な所定の回転軸を中心にして、回転駆動手段を用いて前記少なくとも1個のプリズムビームエキスパンダを回転駆動させ、前記回転駆動手段の駆動値に応じて、前記グレーティングへのレーザ光の入射角度を変化させて、特定波長帯域の中心波長を変更するレーザ装置の高精度波長制御方法において、前記回転駆動手段の駆動値と前記プリズムビームエキスパンダの回転角との関係を補正して前記特定波長帯域の中心波長を変更することを特徴とするレーザ装置の高精度波長制御方法。
  2. 前記回転駆動手段がステッピングモータユニットであり、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置の高精度波長制御方法。
  3. 前記回転駆動手段が圧電素子ユニットであり、前記駆動値が前記ピエゾ素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置の高精度波長制御方法。
  4. 前記回転駆動手段が前記ステッピングモータユニットと前記ピエゾ素子ユニットとで構成され、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数または前記圧電素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置の高精度波長制御方法。
  5. レーザ媒質から出射したレーザ光を、少なくとも1個のプリズムビームエキスパンダに入射させ、前記プリズムビームエキスパンダで前記レーザ光を拡大し、前記拡大したレーザ光を、グレーティングに形成した複数の平行溝の方向と前記レーザ光の拡大方向とが直交する態様で、波長選択ミラーを介して前記グレーティングへ入射させ、レーザ光の入射光軸方向と略同一の光軸方向へ特定の波長帯域のレーザ光を反射させるにあたって、前記平行溝方向に平行な所定の回転軸を中心にして、回転駆動手段を用いて前記波長選択ミラーを回転駆動させ、前記回転手段の駆動値に応じて、前記グレーティングへの入射角度を変化させて、特定波長帯域の中心波長を変更するレーザ装置の高精度波長制御方法において、前記回転駆動手段の駆動値と、前記波長選択ミラーの回転角との関係を補正しながら前記特定波長帯域の中心波長を変更することを特徴とするレーザ装置の高精度波長制御方法。
  6. 前記回転駆動手段がステッピングモータユニットであり、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数であることを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置の高精度波長制御方法。
  7. 前記回転駆動手段が圧電素子ユニットであり、前記駆動値が前記ピエゾ素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置の高精度波長制御方法。
  8. 前記回転駆動手段が前記ステッピングモータユニットと前記ピエゾ素子ユニットとで構成され、前記駆動値が前記ステッピングモータユニットに入力するパルス数または前記圧電素子ユニットに入力する電圧値であることを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置の高精度波長制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022085111A1 (ja) * 2020-10-21 2022-04-28 ギガフォトン株式会社 レーザ装置及び電子デバイスの製造方法
JP2023529807A (ja) * 2020-06-09 2023-07-12 サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー 中心波長を制御するためのシステム及び方法

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