JP2006070956A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Shigeo Kamamoto
繁夫 鎌本
Nobuki Fukui
伸樹 福井
Shinji Yasuhara
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Abstract

【課題】油圧力を用いてプーリの溝幅を変更することで、伝動節の巻き掛け半径を変更する動力伝達装置において、共振の発生を抑制すること。
【解決手段】無段変速機Aは、第1および第2の可変径プーリ3,4と、これらプーリ3,4間に巻き回されたチェーン5とを備えている。第1の可変径プーリ3は、可動シーブ7および固定シーブ6を含んでいる。可動シーブ7は、油室8およびばね36で発生する付勢力によって固定シーブ6側に付勢されている。第2の可変径プーリ4は、可動シーブ22および固定シーブ21を含んでいる。可動シーブ22は、油室23およびばね48で発生する付勢力によって固定シーブ21側に付勢されている。第1の可変径プーリ3のばね36と、第2の可変径プーリ4のばね48とは、互いに異なるばね定数を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置には、駆動プーリと、従動プーリと、これらのプーリ間に掛け渡されるVベルトとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。駆動プーリおよび従動プーリのそれぞれには、固定シーブと可動シーブとが含まれている。そして、駆動プーリおよび従動プーリのそれぞれにおいて、可動シーブを固定シーブに対して移動させることにより、プーリ幅を変更し、これにより、各プーリにおけるVベルトの巻き掛け半径を変更するようになっている。
上記駆動プーリおよび従動プーリのプーリ幅の変更は、例えば、油圧力を用いて行われる(例えば、特許文献2,3参照)。具体的には、各プーリの可動シーブの隣に油室を設け、油室に油を供給することで、油室内に油圧力を発生させて可動シーブを移動し、可動シーブと固定シーブとの相対距離を変更する。
また、特許文献2では、従動プーリの可動シーブを固定シーブ側へ付勢するスプリングを設けている。これにより、車両のエンジンを止めて油圧が作用しなくなったときに、スプリングの働きで従動プーリの可動シーブを移動させて、その結果、従動プーリの有効径を最大にするようにしてある。
さらに、特許文献3では、駆動プーリの可動シーブを固定シーブ側へ付勢する第1のスプリングと、従動プーリの可動シーブを固定シーブ側へ付勢する第2のスプリングとを設けている。これにより、車両のエンジンを止めて油圧が作用しなくなったときに、各スプリングが可動シーブを移動させて、各プーリの幅を初期位置に戻すようにしてある。
特開平5−149402号公報 特開平7−54945号公報 特開2004−92883号公報
ところで、各プーリの可動シーブは、これが取り付けられる回転軸に対して軸方向に移動可能となっている。このため、これらの可動シーブが回転軸に対して軸方向に振動する場合があるが、各プーリは、Vベルトを介して互いに連結されているので、何れかの可動プーリが振動を起こすと、他方の可動シーブも連動して振動する。これにより、各プーリの可動シーブが共振を起こし、さらにはこれらの可動シーブに油圧力を供給するための油圧回路に共振が生じるおそれがある。共振は、騒音等の原因となり、好ましくない。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、共振の発生を抑制することのできる動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の可変径プーリからなる駆動プーリと、第2の可変径プーリからなる従動プーリと、駆動プーリおよび従動プーリの間に巻き回された巻き掛け伝動節とを備え、駆動プーリおよび従動プーリのそれぞれは、回転軸と、回転軸の周囲を取り囲んで配置され軸方向に相対移動可能な一対のシーブと、少なくとも一方のシーブを他方のシーブ側へ付勢する付勢力を発生させるための油室およびばねとを備え、駆動プーリおよび従動プーリのばねは、互いに異なるばね定数を有することを特徴とする動力伝達装置を提供するものである。
本発明によれば、各プーリにおいて、油室で発生する付勢力とばねで発生する付勢力とによって、一対のシーブを互いに近接させて伝動節を挟持することができる。これにより、各プーリと伝動節との間で動力を伝達することができ、第1および第2の可変径プーリ間の動力の伝達が可能となっている。また、各プーリのシーブのばねに関して、互いのばね定数を異ならせることで、互いの共振周波数を異ならせることができる。これにより、ばねに付勢された駆動プーリのシーブと従動プーリのシーブに関して、伝動節を介した共振の発生を抑制されている。その結果、プーリのシーブに関連して設けられた油室を含む油圧回路において、共振が生じることを抑制でき、低騒音化を実現できる。
また、本発明において、上記駆動プーリおよび従動プーリのばねの少なくとも一方は、複数のばね要素が組み合わされた組み合わせばねを含む場合がある。この場合、複数のばね要素を用いることで、ばねによるシーブの付勢をより確実にして、振動抑制効果をより確実に発揮することができる。
また、本発明において、上記組み合わせばねの複数のばね要素は互いに異なるばね定数を有する場合がある。この場合、各ばね要素の互いの共振周波数を異ならせることができ、ばねに付勢されたシーブの共振をより確実に抑制することができる。
また本発明において、上記組み合わせばねの複数のばね要素は、互いに逆向きに巻かれた一対のコイルばね要素を含む場合がある。この場合、一対のコイルばね要素のねじれ方向を互いに異ならせることで、シーブの共振をより一層確実に抑制できる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかる動力伝達装置としての無段変速機の概略断面図である。
図1を参照して、本無段変速機Aは、回転軸としての入力軸1と出力軸2にそれぞれ第1および第2の可変径プーリ3,4を配設し、これら第1および第2の可変径プーリ3,4間に、無端状の巻き掛け伝動節(伝動体、伝達体ともいう)としてのチェーン5を巻き回してある。本実施の形態は、無段変速機を自動車のトランスミッションに適用した例であり、入力軸1は、例えば自動車のエンジンのクランク軸であり、出力軸2は例えば前輪の車軸である。入力軸1および出力軸2はトランスミッションのハウジング100によりそれぞれ一対の軸受101,102を介して回転自在に支持されている。各軸受101,102は、例えば転動体を含む転がり軸受からなり、転動体内に振動減衰効果の高い制振部材が充填されている。この制振部材としては、後述する座金37と同様の部材を例示することができる。
入力軸1側の第1の可変径プーリ3は、駆動プーリであり、入力軸1に例えば一体に形成され入力軸1に対する軸方向移動が規制された固定シーブ6と、入力軸1に一体回転可能で且つ軸方向に移動可能に係合された可動シーブ7と、可動シーブ7を固定シーブ6側へ付勢する付勢力を発生させるための油室8とを備える。
固定シーブ6および可動シーブ7は、それぞれ入力軸1の周囲を取り囲んで配置されており、入力軸1の軸方向に相対移動可能である。これら対をなす固定シーブ6および可動シーブ7は、相対向する伝動面9,10をそれぞれ有し、伝動面9,10間にチェーン5が挟持されている。伝動面9,10は、互いに逆向きに傾斜するテーパ状をなし、互いの間に、いわゆるV形溝を区画している。チェーン5は、対応するシーブ6,7の伝動面9,10にそれぞれ係合する伝動面5a,5bを有している。
可動シーブ7は、上記伝動面10を形成する環状の主体部11を備える。この主体部11の内周と入力軸1の外周との間はシール部材12により封止されている。主体部11の外周から固定シーブ6と反対側へ筒状部13が延設されている。筒状部13は可動シーブ7の主体部11と単一の部材で一体に形成されている。
筒状部13と入力軸1との間には環状の隔壁部材14が介在している。隔壁部材14は環状板15と環状板15の内周に形成されたボス16とを備える。環状板15の外周は筒状部13の内周13aに液密的に嵌合し、ボス16は入力軸1の外周に液密的に嵌合している。
また、可動シーブ7の筒状部13は環状の連結部材17を介して入力軸1と一体回転可能に連結されている。具体的には、連結部材17は、入力軸1の外周にスプライン嵌合された環状板18と、環状板18の外周から延設され筒状部13の外周13bにスプライン嵌合された環状フランジ19とを備える。
隔壁部材14のボス16は、連結部材17の環状板18を介して対応する軸受102の内輪によって受けられ、これにより、隔壁部材14は入力軸1の軸方向に位置決めされている。
油室8は、可動シーブ7の筒状部13の内周13aと入力軸1の外周との間に形成される環状の室を、可動シーブ7の伝動面10の背面10aとこれに対向する隔壁部材14の環状板15の壁面15aとによって軸方向に仕切ることにより形成されている。
入力軸1に形成される油路20を通して油室8内に油が供給されることにより、可動シーブ7が固定シーブ6側へ移動し、チェーン5に関する第1の可変径プーリ3の有効径が小さくなるようになっている。油は、例えば、油圧ポンプ(図示せず)によって油室8内に供給される。
一方、出力軸2側の可変径プーリ4は、従動プーリであり、入力軸1側の第1の可変径プーリ3とほぼ同様の構成をしている。具体的には、第2の可変径プーリ4は、出力軸2に例えば一体に形成され出力軸2に対する軸方向移動が規制された固定シーブ21と、出力軸2に一体回転可能で且つ軸方向に移動可能に係合された可動シーブ22と、可動シーブ22を固定シーブ21側へ付勢する付勢力を発生させるための油室23とを備える。
固定シーブ21および可動シーブ22は、それぞれ出力軸2の周囲を取り囲んで配置されており、出力軸2の軸方向に相対移動可能である。これら対をなす固定シーブ21および可動シーブ22は、相対向する伝動面24,25をそれぞれ有し、伝動面24,25間にチェーン5が挟持されている。伝動面24,25は、互いに逆向きに傾斜するテーパ状をなし、互いの間に、いわゆるV形溝を区画している。
可動シーブ22は、上記伝動面25を形成する環状の主体部26を備える。この主体部26の内周と出力軸2の外周との間はシール部材27により封止されている。主体部26の外周から固定シーブ21と反対側へ筒状部28が延設されている。筒状部28は可動シーブ22の主体部26と単一の部材で一体に形成されている。
筒状部28と出力軸2との間には環状の隔壁部材29が介在している。隔壁部材29は環状板30と環状板30の内周に形成されたボス31とを備える。環状板30の外周は筒状部28の内周28aに液密的に嵌合し、ボス31は出力軸2の外周に液密的に嵌合している。
また、可動シーブ22の筒状部28は環状の連結部材32を介して出力軸2と一体回転可能に連結されている。具体的には、連結部材32は、出力軸2の外周にスプライン嵌合された環状板33と、環状板33の外周から延設され筒状部28の外周28bにスプライン嵌合された環状フランジ34とを備える。
隔壁部材29のボス31は、連結部材32の環状板33を介して対応する軸受102の内輪によって受けられ、これにより、隔壁部材29は出力軸2の軸方向に位置決めされている。
油室23は、可動シーブ22の筒状部28の内周28aと出力軸2の外周との間に形成される環状の室を、可動シーブ22の伝動面25の背面25aとこれに対向する隔壁部材29の環状板30の壁面30aとによって軸方向に仕切ることにより形成されている。
出力軸2に形成される油路35を通して油室23内に油が供給されることにより、可動シーブ22が固定シーブ21側へ移動し、チェーン5に関する第2の可変径プーリ4の有効径が小さくなるようになっている。油は、例えば、油圧ポンプ(図示せず)によって油室8内に供給される。
図2は、図1の油室8周辺の拡大図である。図2を参照して、第1の可変径プーリ3の油室8内には、ばね36および座金37が収容されている。ばね36は、第1の可変径プーリ3の可動シーブ7と隔壁部材14との間に介在しており、可動シーブ7を固定シーブ側に付勢する付勢力を発生している。具体的には、ばね36は、一対のばね要素としての第1および第2のばね要素38,39を含む複数のばね要素が組み合わされた、組み合わせばねからなる。
第1のばね要素38は、ばね定数が所定の値Bに設定された右巻きの圧縮コイルばねからなる。この第1のばね要素38は、入力軸1の外周を取り囲むように配置されている。第1のばね要素38の一端が、座金37を介して可動シーブ7の背面10aによって受けられ、他端が、隔壁部材14の壁面15aによって受けられている。これにより、第1のばね要素38は、常時圧縮されて付勢力(弾性反発力)を生じている。
第2のばね要素39は、ばね定数が所定の値Cに設定された左巻きの圧縮コイルばねからなる。すなわち、第1のばね要素38と第2のばね要素39とは、互いのばね定数B,Cが異なっている(B≠C)と共に、互いの巻き方向が逆となっている。
この第2のばね要素39は、入力軸1の外周、および第1のばね要素38の外周を取り囲むように配置されている。第2のばね要素39の一端が、座金37を介して可動シーブ7の背面10aによって受けられ、他端が、隔壁部材14の壁面15aによって受けられている。これにより、第2のばね要素39は、常時圧縮されて付勢力(弾性反発力)を生じている。
第1および第2のばね要素38,39は、並列に配置されており、これら第1および第2のばね要素38,39の合成のばね定数、すなわちばね36のばね定数は、所定の値D(D=B+C)である。
座金37は、振動減衰効果の高い制振部材からなる。この制振部材としては、鋳鉄、Fe−Al合金、Mn−Cu合金、Cr合金、Siキルド鋼、Mg−Zr合金を例示することができる。座金37は、入力軸1を取り囲む環状板からなり、ばね36の第1および第2のばね要素38,39の一端を受ける座面41を有する主体部42と、主体部42の外周から軸方向に筒状に延設され第1および第2のばね要素38,39の一端の外周を遊嵌させて案内する案内部43とを含んでいる。
主体部42の一部は、可動シーブ7の背面10aに形成された環状凹部44に収容されている。主体部42は、入力軸1の外周面に当接する内径当接部45と、環状凹部44の外周を区画する周壁部によって形成される環状段部46に当接する外径当接部47とを含んでいる。すなわち、座金37の主体部42は、可動シーブ7および入力軸1によって径方向に挟持されている。
内径当接部45と入力軸1との嵌合は、しまりばめであってもよいし、すきまばめであってもよい。外径当接部47と環状段部46との嵌合についても同様である。
図1を参照して、第1の可変径プーリ3の油室8内に収容されたばね36および座金37と同様、第2の可変径プーリ4の油室23内には、ばね48および座金49が収容されている。
具体的には、図1の油室23周辺の拡大図である図3を参照して、ばね48は、第2の可変径プーリ4の可動シーブ22と隔壁部材29との間に介在しており、可動シーブ22を固定シーブ側に付勢する付勢力を発生している。具体的には、ばね48は、一対のばね要素としての第1および第2のばね要素50,51を含む複数のばね要素が組み合わされた、組み合わせばねからなる。
第1のばね要素50は、ばね定数が所定の値Eに設定された右巻きの圧縮コイルばねからなる。この第1のばね要素50は、出力軸2の外周を取り囲むように配置されている。第1のばね要素50の一端が、座金49を介して可動シーブ22の背面25aに受けられ、他端が、隔壁部材29の壁面30aによって受けられている。これにより、第1のばね要素50は、常時圧縮されて付勢力(弾性反発力)を生じている。
第2のばね要素51は、ばね定数が所定の値Fに設定された左巻きの圧縮コイルばねからなる。すなわち、第1のばね要素50と第2のばね要素51とは、互いのばね定数E,Fが異なっている(E≠F)と共に、互いの巻き方向が逆となっている。
この第2のばね要素51は、出力軸2の外周、および第1のばね要素50の外周を取り囲むように配置されている。第2のばね要素51の一端が、座金49を介して可動シーブ22の背面25aによって受けられ、他端が、隔壁部材29の壁面30aによって受けられている。これにより、第2のばね要素51は、常時圧縮されて付勢力(弾性反発力)を生じている。
第1および第2のばね要素50,51は、並列に配置されており、これら第1および第2のばね要素50,51の合成のばね定数、すなわち、ばね48のばね定数は、所定の値G(G=E+F)である。
また、図1を参照して、第1の可変径プーリ3のばね36のばね定数Dと、第2の可変径プーリ4のばね48のばね定数Gとは、相異なっている(D≠G)。
図3を参照して、座金49は、振動減衰効果の高い制振部材からなる。この制振部材としては、前述した第1の可変径プーリの座金と同様のものを例示することができる。座金49は、出力軸2を取り囲む環状板からなり、ばね48の第1および第2のばね要素50,51の一端を受ける座面53を有する主体部54と、主体部54の外周から軸方向に筒状に延設され第1および第2のばね要素50,51の一端の外周を遊嵌させて案内する案内部55とを含んでいる。
主体部55の一部は、可動シーブ22の背面25aに形成された環状凹部56に収容されている。主体部55は、出力軸1の外周面に当接する内径当接部57と、環状凹部56の外周を区画する周壁部によって形成される環状段部58に当接する外径当接部59とを含んでいる。すなわち、座金49の主体部54は、可動シーブ22および出力軸2によって径方向に挟持されている。
内径当接部57と出力軸2との嵌合は、しまりばめであってもよいし、すきまばめであってもよい。外径当接部59と環状段部58との嵌合についても同様である。
以上の概略構成を有する無段変速機Aは、主として以下のような動作を行う。すなわち、図1を参照して、第1の可変径プーリ3の油室8内に高圧の油が供給され且つ第2の可変径プーリ4の油室23内の油が排出されることで、第1の可変径プーリ3の有効径が拡大すると共に第2の可変径プーリ4の有効径が縮小する。その結果、入力軸1の回転数に対して出力軸2の回転数が相対的に大きくなる。
逆に、第2の可変径プーリ4の油室23内に高圧の油が供給され且つ第1の可変径プーリ3の油室8内の油が排出される場合には、入力軸1の回転数に対して出力軸2の回転数が相対的に小さくなる。
ここで、各プーリ3,4の可動シーブ7,22は、対応する入力軸1および出力軸2に対してその軸方向に移動可能となっている。これにより、これらの可動シーブ7,22は、対応する入力軸1および出力軸2に対して、例えば、その軸方向に振動する場合がある。
この場合、各プーリ3,4は、チェーン5を介して互いに連結されているので、上記各可動シーブ7,22は、互いに連動して振動し、共振しようとする傾向にある。しかしながら、これらの可動シーブ7,22は、ばね定数(共振周波数)の相異なるばね36,48によってそれぞれ付勢力を与えられており、共振を起こすことを抑制されている。
これにより、可動シーブ7,22や、油室8,23を含む油圧回路に、共振が生じることを抑制している。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の可変径プーリ3において、油室8で発生する付勢力とばね36で発生する付勢力とによって、一対のシーブ6,7を互いに近接させてチェーン5を挟持することができる。同様に、第2の可変径プーリ4において、油室23で発生する付勢力とばね48で発生する付勢力とによって、一対のシーブ21,22を互いに近接させてチェーン5を挟持することができる。これにより、各プーリ3,4とチェーン5との間で動力を伝達することができ、第1および第2の可変径プーリ3,4間の動力の伝達が可能となっている。
また、例えば、油圧ポンプ(油圧回路)の故障により油室8,23で付勢力を発生できなくなっても、ばね36,48が各プーリ3,4の対応する可動シーブ7,22を対応する固定シーブ6,21側に付勢することで、各プーリ3,4によるチェーン5の圧接を維持して、少なくとも必要最低限の動力(車軸をごく低速で回転することができるだけの動力)の伝達を行うことができる。これにより、例えば、踏切内で車両が停止し、且つ油室8,23による付勢力が低下したときでも、エンジンの出力を前輪に伝達でき、車両が自走して踏切から脱出することが可能となり、フェールセーフの点で好ましい。
さらに、ばね36,48に関して、互いのばね定数D,Gを異ならせることで、互いの共振周波数を異ならせることができる。これにより、ばね36,48に付勢された可動シーブ7,22に関して、チェーン5を介した共振の発生を抑制されている。その結果、第1および第2の可変径プーリ3,4に関連して設けられた油室8,23を含む油圧回路において、共振が生じることを抑制でき、低騒音化を実現できる。
また、ばね36,48のそれぞれに複数のばね要素を用いることで、ばね36,48による可動シーブ7,22の付勢をより確実にして、振動抑制効果をより確実に発揮することができる。また、動力をより確実に伝達することができるので、フェールセーフの点で好ましい。
さらに、ばね36の第1および第2のばね要素38,39のばね定数B,Cを互いに異ならせているので、これら第1および第2のばね要素38,39の互いの共振周波数を異ならせることができ、ばね36に付勢された可動シーブ7の共振をより確実に抑制できる。同様に、ばね48の第1および第2のばね要素50,51のばね定数E,Fを互いに異ならせているので、これら第1および第2のばね要素50,51の互いの共振周波数を異ならせることができ、ばね48に付勢された可動シーブ22の共振をより確実に抑制できる。
また、ばね36の第1および第2のばね要素38,39を逆向きに巻いて、これら第1および第2のばね要素38,39のねじれ方向を互いに異ならせることで、シーブの共振をより一層確実に抑制できる。同様に、ばね48の第1および第2のばね要素50,51を逆向きに巻いて、これら第1および第2のばね要素50,51のねじれ方向を互いに異ならせることで、シーブの共振をより一層確実に抑制できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、座金37を廃止して、ばね36の第1および第2のばね要素38,39の一端を、可動シーブ7の背面10aに直接当接させてもよい。同様に、座金49を廃止して、ばね48の第1および第2のばね要素50,51の一端を、可動シーブ22の背面25aに直接当接させてもよい。
また、ばね36の第1および第2のばね要素38,39の巻き方向を、入れ換えてもよいし、同じにしてもよい。ばね48の第1および第2のばね要素50,51の巻き方向についても同様である。
さらに、ばね36のばね要素の数は、1つのみであってもよいし、3つ以上であってもよい。ばね48のばね要素の数についても同様である。
また、ばね36の各ばね要素のばね定数は、全て同じであってもよいし、一部のみ同じでもよいし、全て異なっていてもよい。ばね48の各ばね要素のばね定数についても同様である。さらに、各ばね要素として、竹の子ばね等の他のばねを用いてもよい。
また、可変径プーリ3の固定シーブ6に代えて、可動シーブ7と同様の可動シーブを設け、この可動シーブを可動シーブ7と同様にばねで付勢するようにしてもよい。同様に、可変径プーリ4の固定シーブ21に代えて、可動シーブ22と同様の可動シーブを設け、この可動シーブを可動シーブ22と同様にばねで付勢するようにしてもよい。
さらに、伝動節として、ベルトを用いてもよい。また、本発明を、自動車以外の他の一般の装置に備えられる動力伝達装置に適用してもよい。
本発明の一実施の形態にかかる動力伝達装置としての無段変速機の概略断面図である。 図1の油室周辺の拡大図である。 図1の油室周辺の拡大図である。
符号の説明
1 入力軸(回転軸)
2 出力軸(回転軸)
3 第1の可変径プーリ(駆動プーリ)
4 第2の可変径プーリ(従動プーリ)
5 チェーン(巻き掛け伝動節)
6 固定シーブ(一対のシーブの他方)
7 可動シーブ(一対のシーブの一方)
8 油室
21 固定シーブ(一対のシーブの他方)
22 可動シーブ(一対のシーブの一方)
23 油室
36 ばね
38 第1のばね要素
39 第2のばね要素
48 ばね
50 第1のばね要素
51 第2のばね要素
A 無段変速機(動力伝達装置)
B (第1の可変径プーリの第1のばね要素の)ばね定数
C (第1の可変径プーリの第2のばね要素の)ばね定数
D (第1の可変径プーリのばねの)ばね定数
E (第2の可変径プーリの第1のばね要素の)ばね定数
F (第2の可変径プーリの第2のばね要素の)ばね定数
G (第2の可変径プーリのばねの)ばね定数

Claims (4)

  1. 第1の可変径プーリからなる駆動プーリと、
    第2の可変径プーリからなる従動プーリと、
    駆動プーリおよび従動プーリの間に巻き回された巻き掛け伝動節とを備え、
    駆動プーリおよび従動プーリのそれぞれは、回転軸と、回転軸の周囲を取り囲んで配置され軸方向に相対移動可能な一対のシーブと、少なくとも一方のシーブを他方のシーブ側へ付勢する付勢力を発生させるための油室およびばねとを備え、
    駆動プーリおよび従動プーリのばねは、互いに異なるばね定数を有することを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、上記駆動プーリおよび従動プーリのばねの少なくとも一方は、複数のばね要素が組み合わされた組み合わせばねを含むことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2において、上記組み合わせばねの複数のばね要素は互いに異なるばね定数を有することを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項2または3において、上記組み合わせばねの複数のばね要素は、互いに逆向きに巻かれた一対のコイルばね要素を含むことを特徴とする動力伝達装置。
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