JP2011127657A - 捩じり振動減衰機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディファレンシャル装置の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせ捩じり振動を有効に減衰させることのできる捩じり振動減衰機構を提供する。
【解決手段】ディファレンシャル装置20に装備される捩じり振動減衰装置であって、デフケース22が、リングギヤ21が固定された駆動側ケース部材41と、ピニオンギヤ23a、23bを回転自在に支持するとともに一対のサイドギヤ24a、24aを収納する被駆動側ケース部材42とによって構成され、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との間には、両ケース部材41、42を特定の相対回転位置に付勢する弾性部材と、両ケース部材41、42の相対回転角度に応じ両ケース部材41、42の間の摩擦トルクを変化させるカム押圧機構60と、がそれぞれ介装されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、捩じり振動減衰機構、特に動力伝達をなす2つの回転要素間に摩擦材と弾性部材を介在させてヒステリシストルクを生じさせる捩じり振動減衰機構に関する。
車両の動力伝達経路中における捩じり振動減衰機構として、2つの回転要素間に摩擦材と弾性部材を介在させてヒステリシストルクを生じさせるものがあり、この捩じり振動減衰機構は、通常、エンジン側からの動力を変速機側に伝達する機構の一部として設けられている。
この種の捩じり振動減衰機構としては、例えば捩り角に応じて変化するヒステリシストルクが要求される場合に、その要求を満足させるべく、2つの回転体間で動力伝達を行い得るよう一方の回転体に摩擦係合するプレートと他方の回転体に駆動結合したハブとをばね緩衝下で回転係合させ、それらプレートとハブとの相対回転に対し摩擦力によってヒステリシストルクを与えるようにしたクラッチディスクにおいて、プレートおよびハブの相対回転に応じて前記摩擦力を変更するカム機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ハイブリット車両のエンジン側から変速および動力分割機構(遊星歯車機構)側への動力伝達装置にダンパ機構と共に可変ヒステリシス機構を設けて、相対捩れ角が所定角以下であるときに小ヒステリシスが生じ、相対捩れ角が所定角を超えたときには大ヒステリシスが生じるようにするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、前記所定角の前後で伝達トルクのヒステリシスが小ヒステリシスから大ヒステリシスにあるいはその逆に急激に変化するようなものでは、伝達トルクがその大小のトルク設定の間で変動するときにその変動を十分に減衰させることができないという懸念から、大小の異なる大きさのヒステリシスの間でヒステリシスを変更する際に変更前のヒステリシスから変更後のヒステリシスに連続的に変化させるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
その他、異なる複数のカム面を捩じれ角度位置を変えて配設することで、所定捩じれ角度域内で複数の異なった勾配を持つヒステリシス特性を得るようにしたもの(例えば、特許文献4参照)、あるいは、入力側回転体の正側作動時と負側作動時とで、ヒステリシストルクを発生させる摩擦部材の摩擦面数を変化させる手段を備え、正側作動時と負側作動時とで異なるヒステリシストルクが安定的に得られるようにしたもの(例えば、特許文献5参照)が知られている。
なお、車両の動力伝達経路において、2つの回転要素の間に摩擦材を介在させる他の機構として、摩擦力によって差動制限を行うリミティッドスリップディファレンシャルがある。
特開平6−129444号公報 特開2006−29363号公報 特開2007−327615号公報 特開平01−158225号公報 実開平(実全平)5−45259号公報
しかしながら、上述のような従来の捩じり振動減衰機構にあっては、いずれも、クラッチ機構やダンパ機構のように動力伝達系路上で隣り合う2つの回転要素の相対回転が生じる部分には容易に設けることができるが、それら2つの回転要素に相対回転が生じない部分には設けることができなかった。
そのため、特に動力伝達経路の下流側、特に左右のドライブシャフト間の差動を許容するディファレンシャル装置に動力を入力する機構部分にヒステリシストルクを生じさせるような捩じり振動減衰機構を設けることはできず、ディファレンシャル装置側で駆動系の捩じり共振ピークを減衰させたり高周波トルク変動を減衰させたりすることができなかった。
特に、このようなディファレンシャル装置の入力歯車軸やそれと噛合するリングギヤ等には高支持剛性が要求されることから、そのような捩じり振動減衰機構の採用は考えられなかった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、ディファレンシャル装置の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせ捩じり振動を有効に減衰させることのできる捩じり振動減衰機構を提供することを目的とする。
本発明に係る捩じり振動減衰機構は、上記目的達成のため、(1)回転動力を入力するリングギヤと、前記リングギヤが固定されたデフケースと、前記デフケース内に回転自在に支持されたピニオンギヤと、それぞれ前記ピニオンギヤに噛合するとともに前記デフケースに差動可能に収納された一対のサイドギヤと、を備えたディファレンシャル装置に装備される捩じり振動減衰装置であって、前記デフケースが、前記リングギヤが固定される駆動側ケース部材と、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するとともに前記一対のサイドギヤを収納する被駆動側ケース部材とによって構成され、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材との間には、両ケース部材を特定の相対回転位置に付勢する弾性部材と、前記特定の相対回転位置からの両ケース部材の相対回転角度に応じて両ケース部材の間の摩擦トルクを変化させるカム押圧機構と、がそれぞれ介装されていることを特徴とするものである。
この構成により、デフケースが、リングギヤ側の駆動側ケース部材と、ピニオンギヤ側の被駆動側ケース部材とに分割されて両ケース部材の相対回転が可能になり、ディファレンシャル装置に回転動力を入力するリングギヤを高支持剛性で支持できる一方で、両ケース部材の間に介装される弾性部材、摩擦部材およびカム押圧機構によって、ディファレンシャル装置の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせる捩じり振動減衰機構が構成されることになる。したがって、ディファレンシャル装置側で駆動系の捩じり共振ピークを減衰させたり高周波トルク変動を減衰させたりすることが可能になる。なお、カム押圧機構は、両ケース部材の間にリングギヤの回転中心軸線方向の押圧力を作用させるとともにその押圧力を変化させるものであるのがよい。
上記(1)に記載の捩じり振動減衰機構は、好ましくは、(2)前記カム押圧機構が、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とのうちいずれか一方のケース部材に前記リングギヤおよび前記駆動側ケース部材の回転方向に延在するよう形成されたカム係合部と、前記カム係合部に係合する転動カム部材と、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とのうちいずれか他方のケース部材に対し回転方向に一体に係合するとともに前記転動カム部材を前記他方のケース部材側から前記一方のケース部材側に付勢する付勢部材と、によって構成され、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とが前記特定の相対回転位置にあるとき、前記転動カム部材が前記カム係合部の延在方向の中央部に位置し、前記カム係合部が、前記延在方向の中央部と前記延在方向の両端側とで前記リングギヤの回転中心軸線方向の位置が異なる係合面を有しているものである。
この構成により、駆動側ケース部材と被駆動側ケース部材との特定の相対回転位置からの相対回転に応じて摩擦部材による摩擦トルクを所要の条件で変化させることができるとともに、カム押圧機構側の各部材の摩耗を抑えることができる。なお、カム係合部は、溝状に形成されてもよいし、突条状に形成されてもよい。
上記(2)に記載の捩じり振動減衰機構においては、(3)前記カム係合部が、前記延在方向の一端側と他端側とで前記リングギヤの回転中心軸線方向の位置が異なる係合面を有していることが好ましい。
この構成により、例えば加速時の特定の高周波トルク変動に有効な高ヒステリシストルクと減速時の捩じり共振に有効な低ヒステリシストルクとの大きさを相違させることができ、それぞれの捩じり共振に対し有効なヒステリシストルクを設定することで、異なる捩じり共振に対して有効な減衰特性が得られることになる。
上記(2)、(3)に記載の捩じり振動減衰機構においては、(4)前記付勢部材と前記転動カム部材との間に、前記リングギヤの回転中心軸線方向で前記一方のケース部材に対向するとともに前記一方のケース部材と協働して前記転動カム部材を保持する保持部材が介装され、該保持部材が、前記カム係合部の延在方向に延在するとともに前記カム係合部に対向する対向係合部を有することが好ましい。
この構成により、転動カム部材が保持部材と一方のケース部材の間に確実に保持される一方、転動カム部材のリフト量がカム係合部および対向係合部に分担可能になる。また、対向係合部をカム係合部と同一形状とすれば、両ケース部材の相対回転時における転動カム部材の安定した転動状態が得られる。
上記(4)に記載の捩じり振動減衰機構においては、(5)前記カム係合部および前記対向係合部のうち少なくとも一方の係合面が、前記リングギヤの回転中心軸線から一定半径の断面上において弧状に湾曲しているのがよい。
この構成により、駆動側ケース部材と被駆動側ケース部材との特定の相対回転位置からの相対回転時に、リングギヤの回転中心軸線方向(スラスト方向)におけるカム押圧機構の押圧力をカム係合部または/および対向係合部の係合面形状に応じて的確に変化させることができるとともに、両ケース部材の相対回転範囲(捩じれ角度)を規定できる。
上記(5)に記載の捩じり振動減衰機構においては、(6)前記保持部材が、前記付勢部材または前記他方のケース部材に対して前記回転方向に一体に係合しているのが好ましい。
この構成により、保持部材が他方のケース部材に直接に回転方向一体に係合していれば、保持部材と付勢部材の係合部位で両者を回転方向一体に係合させるだけで付勢部材を間接的に他方のケース部材に回転方向一体に係合させることができ、保持部材が付勢部材に直接に回転方向一体に係合していれば、付勢部材と他方のケース部材の係合部で両者を回転方向一体に係合させるだけで保持部材を間接的に他方のケース部材に回転方向一体に係合させることができる。
上記(1)〜(6)に記載の捩じり振動減衰機構においては、(7)前記転動カム部材が、周方向に離間する複数の凸部または凹部を有し、前記一方のケース部材が、前記転動カム部材の前記凸部または凹部に係合する複数の係合凹部または係合凸部を有するものであってもよい。
この構成により、駆動側ケース部材と被駆動側ケース部材との特定の相対回転位置からの相対回転角度に応じて、転動カム部材の確実な転動が得られる。
上記(1)〜(7)に記載の捩じり振動減衰機構においては、(8)前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とが、前記特定の相対回転位置から予め設定された過大な相対回転角度に達するときに相互に前記相対回転の方向に当接し、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材との前記過大な相対回転角度を超える相対回転が規制されるのが好ましい。
この構成により、カム押圧機構に何らかの異常が生じたとしても、駆動側ケース部材と被駆動側ケース部材との過度の相対回転が確実に規制されることになる。
本発明によれば、デフケースを、相対回転可能なリングギヤ側の駆動側ケース部材とピニオンギヤ側の被駆動側ケース部材とに分割し、両ケース部材の間に介装される弾性部材、摩擦部材およびカム押圧機構によって、ディファレンシャル装置の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせる捩じり振動減衰機構を構成しているので、ディファレンシャル装置に回転動力を入力するリングギヤを高支持剛性で支持できるとともに、ディファレンシャル装置側で駆動系の捩じり共振ピークを減衰させたり高周波トルク変動を減衰させたりすることができる捩じり振動減衰機構を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る捩じり振動減衰機構を装備したディファレンシャル装置の概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る捩じり振動減衰機構を装備したディファレンシャル装置の要部拡大半断面図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る捩じり振動減衰機構におけるカム押圧機構のボールカム部の断面図、(b)は(a)のIIIB−IIIB矢視断面図である。 図2のIV−IV矢視断面図である。 図2のV−V矢視断面図である。 図5のVI矢視図である。 (a)は図2に示す第1実施形態の捩じり振動減衰機構におけるカム押圧機構のボールカム部の拡大断面図、(b)は(a)のVIIB−VIIB矢視図である。 本発明の第1実施形態に係る捩じり振動減衰機構を装備したディファレンシャル装置の伝達トルクのヒステリシス特性図である。 本発明の第2実施形態に係る捩じり振動減衰機構を装備したディファレンシャル装置におけるカム押圧機構のボールカム部の拡大断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図7に、本発明の一実施形態に係る捩じり振動減衰機構とこれを装備するディファレンシャル装置の概略構成を示している。なお、本実施形態のディファレンシャル装置は、車両(例えば、ハイブリッド車両)のパワーユニットに一体化されている。
図1に示すケース11は、トランスミッションケースの一部を構成しており、図示しないが、このトランスミッションケース内には、変速機構および動力分割機構を構成するとともにそのリングギヤにカウンタドライブギヤが外装された遊星歯車機構が収納されている。また、ケース11には、前記カウンタドライブギヤに噛合するカウンタドリブンギヤ13がスプライン結合したカウンタシャフト14が一対のテーパころ型の軸受16を介して回転自在に支持されており、このカウンタシャフト14にはファイナルドライブギヤ15が一体に形成されている。さらに、ファイナルドライブギヤ15は、ディファレンシャル装置20を介して、左右のドライブシャフト31、32に連結された左右の駆動車輪を駆動するようになっている。
図1および図2に示すように、ディファレンシャル装置20は、左右のドライブシャフト31、32に対してそれらの間での差動を許容しつつ回転動力を伝達することができる差動機構を構成しており、一対のテーパころ型の軸受17を介してケース11に回転自在に支持されている。
このディファレンシャル装置20は、ファイナルドライブギヤ15からの回転動力を入力するリングギヤ(ディファレンシャルリングギヤ)21と、リングギヤ21が固定されたデフケース(ディファレンシャルケース)22と、デフケース22内に回転自在に支持された例えば1対のピニオンギヤ(ディファレンシャルピニオンギヤ)23a、23bと、それぞれピニオンギヤ23a、23bに噛合する一対のサイドギヤ(ディファレンシャルサイドギヤ)24a、24bとを備えている。なお、複数のギヤ13、15、22、23a、23b、24a、24b等による減速や差動といったディファレンシャル装置20の一般的な機能については、公知であり、ここでは詳述しない。
本実施形態においては、デフケース22は、リングギヤ21が固定ボルト26により締結・固定される駆動側ケース部材41と、ピニオンギヤ23a、23bを回転自在に支持するとともに一対のサイドギヤ24a、24bを収納するキャリア相当の被駆動側ケース部材42とに分割されて構成されている。
駆動側ケース部材41は、軸方向一方側の第1ケース部材43と軸方向他方側の第2ケース部材44とを複数のボルト45によって一体に締結・結合してなる。ここで、第1ケース部材43は、被駆動側ケース部材42の軸方向の一方側部分を放射外方および軸方向一端側から被蔽する第1有底筒状部43aと、一方のドライブシャフト31が挿入される第1ハブ部43bと、リングギヤ21が締結・固定されたフランジ部43cとを有している。また、第2ケース部材44は、被駆動側ケース部材42の軸方向の他方側部分を放射外方および軸方向他端側から被蔽する第2有底筒状部44aと、他方のドライブシャフト32が挿入される第2ハブ部44bとを有している。
被駆動側ケース部材42は、サイドギヤ24a、24bを取り囲む筒状部42aと、その筒状部42aの軸方向両端側に位置する内向きのフランジ部42b、42cと、筒状部42aの軸方向中央部に等角度間隔に設けられた複数のピニオンシャフト支持部42dとを有しており、本実施形態では、一対のピニオンシャフト支持部42dにピニオンシャフト25の両端部が支持され、そのピニオンシャフト25に一対のピニオンギヤ23a、23bが対向配置されている。なお、これらピニオンギヤ23a、23bに噛合するサイドギヤ24a、24bは、被駆動側ケース部材42に回転自在に対向配置された状態で、ドライブシャフト31、32の内端部31a、32aにスプライン嵌合しており、ドライブシャフト31、32は、それぞれの内端側で駆動側ケース部材41の第1ハブ部43bおよび第2ハブ部44bに差動可能に保持されるとともに、ケース11の軸穴11h、11iに挿通されている。
図4および図5に示すように、駆動側ケース部材41には、被駆動側ケース部材42に向かって放射内方に突出する縦方向の内側突条部41rが等角度間隔に、例えば6つ互いに平行に設けられて形成されており、被駆動側ケース部材42には、駆動側ケース部材41に向かって放射外方に突出する縦方向の外側突条部42rが等角度間隔に、例えば5つ互いに平行に設けられている。
また、図5および図6に示すように、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との間には、両ケース部材41、42を図5に示す特定の相対回転位置に付勢する少なくとも一対の、例えば複数対の圧縮コイルばね51a、51b(弾性部材)が介装されている。
さらに、図2に示すように、リングギヤ21の回転中心軸線Cgの方向(以下、単に回転中心軸線方向という)で両ケース部材41、42の間には、その両面53a、53bで両ケース部材41、42に摩擦するよう接触し、両ケース部材41、42の相対回転時に両ケース部材41、42の間に摩擦トルクを生じさせる摩擦部材53が介装されている。
一方、リングギヤ21の回転中心軸線方向で被駆動側ケース部材42に対し摩擦部材53とは反対側に位置するように、両ケース部材41、42の間には、ボールカム機構に押圧手段を組み合わせたカム押圧機構60が介装されている。
このカム押圧機構60は、図5に示す特定の相対回転位置からの両ケース部材41、42の相対回転角度に応じて両ケース部材41、42の間の摩擦トルクを変化させるように、両ケース部材41、42をリングギヤ21の回転中心軸線方向のいずれか一方側、例えば図2中で左向きとなる方向に押圧するようになっている。
具体的には、カム押圧機構60は、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42とのうちいずれか一方のケース部材、例えば被駆動側ケース部材42に、図3(b)に示すようにリングギヤ21および駆動側ケース部材41の回転方向に延在するよう形成された円弧状のカム溝部61(カム係合部)と、カム溝部61に係合する例えば鋼球製の転動カム部材62と、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42とのうちいずれか他方のケース部材、例えば駆動側ケース部材41に対し回転方向に一体に係合するとともに転動カム部材62を駆動側ケース部材41側から被駆動側ケース部材42側に付勢する歯付皿ばね状の付勢部材63と、この付勢部材63と転動カム部材62との間に介装され、リングギヤ21の回転中心軸線方向で被駆動側ケース部材42に対向するとともに被駆動側ケース部材42のカム溝部61と協働して転動カム部材62を保持する保持部材64とによって構成されている。
ここで、被駆動側ケース部材42のカム溝部61は、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42とが特定の相対回転位置にあるとき、転動カム部材62をカム溝部61の延在方向の中央部に位置させるべく、その延在方向の中央部で深く延在方向の両端側で浅くなるように形成されている(図3(a)参照)。すなわち、カム溝部61は、その延在方向の中央部と両端側ではリングギヤ21の回転中心軸線方向における転動カム部材62との係合位置が異なる内底面61a(係合面)を有している。ここでのカム溝部61の延在方向各位置における深さや溝幅は、転動カム部材62のリフト量に対応するものであり、カム溝部61の深さや溝幅の変化によって、摩擦部材53により発生させる駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42の捩じり角度に応じた摩擦トルクとそれによるトルク伝達時のヒステリシス特性とを変化させることができる。そして、カム溝部61の深さや溝幅が狭くなると、摩擦部材53により発生させるヒステリシストルクが増大することになる。本実施形態のカム押圧機構60では、圧縮コイルばね51a、51bの組付け荷重およびばね定数の設定値等に基づいて、摩擦部材53により発生させる摩擦トルクが、駆動系の捩じり共振周波数が生じ易い捩じり振動周波数および高周波トルク変動が生じ易い捩じり振動周波数においてそれぞれそのときの捩じり振動に対して有効な減衰効果を生じさせ得るヒステリシストルクとなるように、カム溝部61の深さや溝幅が設定されている。
また、保持部材64は、カム溝部61の延在方向に延在するとともにカム溝部61に対向する対向溝部65を有しており、カム溝部61と対向溝部65は、例えば互いに同一の開口形状および延在方向各位置における同一の深さを有している。すなわち、対向溝部65についても、カム溝部61と同様に、駆動系の捩じり共振周波数や高周波トルク変動が生じ易い周波数で、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42の間に、捩じり振動に対して有効な減衰効果を生じさせ得るヒステリシストルクとなるように、その深さや溝幅が設定されている。
より具体的には、カム溝部61および対向溝部65のうち少なくとも一方の内底面、例えば双方の内底面61a、65a(係合面)は、リングギヤ21の回転中心軸線Cgから一定半径の断面(図3(a)に示す断面)上において溝深さ方向(図3(a)中の上下方向のいずれか)に凸となる弧状に湾曲している。なお、内底面61a、65aが深さ方向に緩やかに湾曲した弧状断面を有するのでなく、2つの傾斜面を有する略V字側の断面を有するものであってもよい。
ところで、図3においては、便宜上、カム溝部61および対向溝部65の内底面61a、65aを略円弧状に図示しており、カム溝部61および対向溝部65の深さが延在方向の両側で同様に変化しているように見えるが、厳密には、両内底面61a、65aは、それぞれの長さ方向(延在方向)の一端側と他端側とでその溝深さや溝幅(リングギヤ21の回転中心軸線方向における転動カム部材62との係合位置)の異なるものに設定されている。
すなわち、加速時における駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42の間の捩じれ方向である正方向(加速側)と、減速時における駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42の間の捩じれ方向である負方向(減速側)とでは、特定の相対回転位置からの捩じれ角が同一であっても、カム押圧機構60で発生する摩擦部材53の押圧力が相違し得るように、その捩じれ角の加速側と減速側とに対応する内底面61a、65aの延在方向の一端側と他端側とでは形状が相違している。
また、図7に示すように、保持部材64には、少なくとも各対向溝部65の背面側に位置する(さらに隣り合う対向溝部65の間にあってもよい)略方形の背面凹部64v、64wが形成されており、駆動側ケース部材41には、保持部材64の背面凹部64v、64wの近傍に位置するよう内底凹部41vが形成されている。
一方、歯付皿ばね状の付勢部材63には、保持部材64の背面凹部64v、64wに対応する略方形形状で外周側に突出する複数、例えば複数対の外突片部63aと、駆動側ケース部材41の内底凹部41vに対応する略方形形状で内周側に突出する複数の内突片部63bとが、それぞれ設けられている。
そして、付勢部材63の内突片部63bと駆動側ケース部材41の内底凹部41vとの係合部位で両者が回転方向一体に凹凸係合していることから、保持部材64はその背面凹部64v、64wで付勢部材63の複数対の外突片部63aに直接に回転方向一体に凹凸係合することで、間接的に駆動側ケース部材41に回転方向一体に係合している。
なお、保持部材64が駆動側ケース部材41に直接に回転方向一体に係合していれば、保持部材64と付勢部材63の係合部位で両者を回転方向一体に係合させるだけで、付勢部材63を間接的に駆動側ケース部材41に回転方向一体に係合させることができる。
また、図2および図6に示すように、被駆動側ケース部材42の一対のピニオンシャフト支持部42dは、被駆動側ケース部材42の外周面から放射外方に突出するとともに、駆動側ケース部材41の外周壁部を開口させた外壁穴部(内向きの凹部でもよい)41hに遊挿されている。これにより、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42とは、特定の相対回転位置から予め設定された或る過大な相対回転角度に達するときに、一対のピニオンシャフト支持部42dを駆動側ケース部材41の外壁穴部41hの内壁面に係合させることで、互いに相対回転方向に当接させ、両ケース部材41、42の前記過大な相対回転角度を超える相対回転が規制され得るようになっている。
なお、サイドギヤ24a、24bと被駆動側ケース部材42のフランジ部42b、42cとの間にはスラストワッシャ71a、71bが、被駆動側ケース部材42の筒状部42aとピニオンギヤ23a、23bとの間にはワッシャ72a、72b(図1参照)が、それぞれ設けられており、サイドギヤ24a、24bに差動が生じるとき、ドライブシャフト31、32の一方が空転し得るような状態であっても、サイドギヤ24a、24b等の背面側に生じるスラスト方向の力が増大することで、その差動が適宜制限され得る。
次に、作用について説明する。
本実施形態においては、ディファレンシャル装置20が一体化されたパワーユニットを搭載した車両が走行駆動されるとき、ファイナルドライブギヤ15からディファレンシャル装置20のリングギヤ21に回転動力が入力される。このとき、リングギヤ21の減速回転によりデフケース22が回転し、その内部のピニオンシャフト25と共にピニオンギヤ23a、23bおよびサイドギヤ24a、24bが回転し、左右のドライブシャフト31、32(出力軸)に回転駆動力が伝達される。また、車両旋回時等に左右のドライブシャフト31、32に回転角度(角速度)の差が生じるときには、一対のピニオンギヤ23a、23bを介して差動可能に結合されたサイドギヤ24a、24bが相対回転し、左右のドライブシャフト31、32の差動回転が許容される。
このような車両の走行駆動状態において、ディファレンシャル装置20に回転動力を入力するリングギヤ21は、高支持剛性でデフケース22の駆動側ケース部材41に支持された状態である。また、デフケース22においては、リングギヤ側の駆動側ケース部材41と、ピニオンギヤ23a、23b側の被駆動側ケース部材42との間に介装された圧縮コイルばね51a、51b、摩擦部材53およびカム押圧機構60によって、ディファレンシャル装置20の入力機構部分において両ケース部材41、42の捩じれ角度に応じたヒステリシストルクが生じ得る状態となっている。
このとき、カム押圧機構60は、両ケース部材41、42の捩じれ角度に応じた摩擦トルクを両ケース部材41、42の間で摩擦部材53により発生させるが、カム溝部61や対向溝部65の溝幅や溝深さの設定により、図8に点線で示すヒステリシストルク特性Aのように、加速側の相対回転時の摩擦トルクと減速側の相対回転時で摩擦トルクを同様にすることもできるが、本実施形態では、例えば図8に実線で示す特性Bのように、加速側の相対回転時の伝達トルクと減速側の相対回転時の伝達トルクを適宜相違させる設定とすることで、例えば高変速段での高周波トルク変動に対する減衰効果が高まるとともに、中・低変速段で駆動系の捩じり共振のピークが有効に抑制され得る。すなわち、捩じれ角の加速側と減速側とではカム押圧機構60で発生する摩擦部材53の押圧力が相違し得るように、その加速側と減速側とに対応する内底面61a、65aの延在方向の一端側と他端側とで溝形状が相違しているので、例えば高変速段での高周波トルク変動に有効な高ヒステリシストルクと、中・低変速段での減速時の捩じり共振に有効な低ヒステリシストルクとを両立させることができる。
したがって、車両のパワートレーンにおいて下流側となるディファレンシャル装置20側で、高変速段での高周波のトルク変動に対する高減衰特性を発揮させるとともに、中・低変速段で駆動系の捩じり共振のピークを抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42とが特定の相対回転位置にあるとき、転動カム部材62がカム溝部61の延在方向の中央部に位置し、カム溝部61が、延在方向の中央部で深く延在方向の両端側で浅く形成されているので、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との特定の相対回転位置からの相対回転に応じて摩擦部材53による摩擦トルクを所要の条件で変化させることができるとともに、転動カム部材62を有するカム押圧機構60側での各部材の接触部における摩耗を抑えることができる。
また、転動カム部材62が保持部材64と被駆動側ケース部材42の間に確実に保持される一方、カムとなる転動カム部材62のリフト量がカム溝部61および対向溝部65に分担されることから、カム溝部61を有する被駆動側ケース部材42と対向溝部65を有する保持部材64との耐久性が向上する。また、対向溝部65をカム溝部61と同一形状とすれば、両ケース部材41、42の相対回転時における転動カム部材62の安定した転動状態が得られる。
さらに、保持部材64を付勢部材63に回転方向一体に係合させ、付勢部材63を介して間接的に駆動側ケース部材41に回転方向一体に係合させるので、回り止めのために構成が複雑にならずに済み、部品加工も容易となる。
加えて、本実施形態では、カム溝部61および対向溝部65の内底面61a、65aがリングギヤの回転中心軸線から一定半径の断面上において溝深さ方向に凸となる弧状に湾曲しているので、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との特定の相対回転位置からの相対回転時に、リングギヤ21のスラスト方向におけるカム押圧機構60の押圧力をカム溝部61および対向溝部65の内底面61a、65aの形状に応じて的確に変化させることができるとともに、両ケース部材41、42の相対回転の許容範囲(捩じれ角度範囲)を明確に規定できることになる。
また、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42とが、特定の相対回転位置から予め設定された過大な相対回転角度に達するときに相互に相対回転の方向に当接可能であり、両ケース部材41、42の過大な相対回転が規制されるので、仮にカム押圧機構60に何らかの異常が生じたとしても、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との過度の相対回転が確実に規制されることになる。
このように、本実施形態においては、デフケース22を、相対回転可能なリングギヤ側の駆動側ケース部材41とピニオンギヤ側の被駆動側ケース部材42とに分割し、両ケース部材41、42の間に介装される圧縮コイルばね51a、51b、摩擦部材53およびカム押圧機構60によって、ディファレンシャル装置20の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせる捩じり振動減衰機構を構成しているので、ディファレンシャル装置20に回転動力を入力するリングギヤ21を高支持剛性で支持できるとともに、動力伝達経路の下流側に位置するディファレンシャル装置20側で駆動系の捩じり共振ピークを減衰させたり高周波トルク変動を減衰させたりすることができる捩じり振動減衰機構を提供することができる。
なお、本実施形態では、転動カム部材は、鋼球製、すなわち球状のものとしたが、略円筒形(緩いテーパがついたころ状のもの)や樽形等のころ状のものであってもよい。さらに、カム溝部61と対向溝部65が同一形状の開口(溝幅や長さ)あるいは深さを有する必要はなく、必要なヒステリシストルク特性が得られれば、カム溝部61と対向溝部65とのうちいずれか一方が同一の溝幅または/および溝深さであってもよい。
(第2実施形態)
図9に、本発明の第2実施形態に係る捩じり振動減衰機構の要部断面を示す。
なお、本実施形態は、上述の第1実施形態とほぼ同様なディファレンシャル装置において、転動カム部材とそれに係合するカム溝部および対向溝部との形状を第1実施形態とは相違させたものである。したがって、上述の第1実施形態とほぼ同様の構成については、図1〜図7に示したそれらの符号を用いて、相違点についてのみ詳述する。
本実施形態では、転動カム部材82が、周方向に離間する複数の歯82t(凸部または凹部;詳細は図示していない)を有する緩いテーパ状あるいは樽状の部材、例えばピニオン(歯車)として構成されている。そして、被駆動側ケース部材42のカム係合部81が、転動カム部材82の歯82tに係合するラック状の歯81t(係合凹部または係合凸部)を有し、保持部材64が、カム係合部81に対向しつつ転動カム部材82に噛合する対向係合部85を有しており、この対向係合部85は、ラック状の歯81tに対向しつつ転動カム部材82の歯82tに係合するラック状の対向歯85t(係合凹部または係合凸部)を有している。
ここで、カム係合部81および対向係合部85は、それぞれの延在方向の中央部と両端側とでリングギヤ21の回転中心軸線方向における転動カム部材82との係合位置(図9中に一点鎖線で示す)が異なる係合面Cp1、Cp2(同図中に一点鎖線で示す)を有している。なお、転動カム部材82の歯82tは、その歯すじが転動カム部材82の軸線に対し平行であっても傾斜していてもよいし、湾曲していてもよく、任意である。
本実施形態においても、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との間に介装される圧縮コイルばね51a、51b、摩擦部材53およびカム押圧機構60によって、ディファレンシャル装置20の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせる捩じり振動減衰機構を構成しているので、ディファレンシャル装置20に回転動力を入力するリングギヤ21を高支持剛性で支持できるとともに、動力伝達経路の下流側に位置するディファレンシャル装置20側で駆動系の捩じり共振ピークを減衰させたり高周波トルク変動を減衰させたりすることができる捩じり振動減衰機構を提供することができる。
しかも、本実施形態では、ピニオン状の転動カム部材82を被駆動側ケース部材42のラック状のカム係合部81と保持部材64の対向係合部85とに噛合させるので、駆動側ケース部材41と被駆動側ケース部材42との特定の相対回転位置からの相対回転角度に応じて、転動カム部材の確実な転動が得られることになる。
なお、本実施形態では、転動カム部材82をピニオン形状としたが、外周部に周方向に等間隔に離間する複数の凸部または凹部を有しているものであれば、その凸または凹形状が限定されるものではない。同様に、ラック状のカム係合部81および対向係合部85も、ラック状の歯81t、85tに代えて、それぞれの長さ方向に離間する複数の凹部または凸部を有しているものであってもよい。
また、上述の各実施形態においては、内燃エンジンと電動機とを併有するハイブリッド車両のパワーユニットに一体化されたディファレンシャル装置として説明したが、内燃エンジンとトランスミッションを有するパワーユニットに一体化されてもよいことは勿論である。また、プロペラシャフトからの回転動力をドライブピニオンを介してリングギヤに入力するリヤディファレンシャル装置であっても、本発明は適用可能である。
さらに、転動カム部材は、球状のものやピニオン上のものに限らず、テーパころ状のものであってもよい。
以上説明したように、本発明に係る捩じり振動減衰機構は、デフケースのリングギヤ側の駆動側ケース部材とピニオンギヤ側の被駆動側ケース部材との間に介装される弾性部材、摩擦部材およびカム押圧機構によってディファレンシャル装置の入力機構部分においてヒステリシストルクを生じさせる捩じり振動減衰機構を構成しているので、ディファレンシャル装置に回転動力を入力するリングギヤを高支持剛性で支持できるとともに、ディファレンシャル装置側で駆動系の捩じり共振ピークを減衰させたり高周波トルク変動を減衰させたりすることができる捩じり振動減衰機構を提供することができるという効果を奏するものであり、動力伝達をなす2つの回転要素間に摩擦材と弾性部材を介在させてヒステリシスを生じさせる捩じり振動減衰機構全般に有用である。
11 ケース
15 ファイナルドライブギヤ
20 ディファレンシャル装置
21 リングギヤ(ディファレンシャルリングギヤ)
22 デフケース(ディファレンシャルケース)
23a、23b ピニオンギヤ(ディファレンシャルピニオンギヤ)
24a、24b サイドギヤ(ディファレンシャルサイドギヤ)
31、32 ドライブシャフト
41 駆動側ケース部材
41h 外壁穴部
41r 内側突条部
41v 内底凹部
42 被駆動側ケース部材
42r 外側突条部
43 第1ケース部材
44 第2ケース部材
51a、51b 圧縮コイルばね(弾性部材)
53 摩擦部材
60 カム押圧機構
61 カム溝部(カム係合部)
61a、65a 内底面(係合面)
62 転動カム部材
63 付勢部材
63a 外突片部
63b 内突片部
64 保持部材
64v、64w 背面凹部
65 対向溝部
65t 対向歯
81 カム係合部
81t ラック状の歯(係合面)
82 転動カム部材
82t 歯

Claims (8)

  1. 回転動力を入力するリングギヤと、前記リングギヤが固定されたデフケースと、前記デフケース内に回転自在に支持されたピニオンギヤと、それぞれ前記ピニオンギヤに噛合するとともに前記デフケースに差動可能に収納された一対のサイドギヤと、を備えたディファレンシャル装置に装備される捩じり振動減衰装置であって、
    前記デフケースが、前記リングギヤが固定される駆動側ケース部材と、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するとともに前記一対のサイドギヤを収納する被駆動側ケース部材とによって構成され、
    前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材との間には、
    両ケース部材を特定の相対回転位置に付勢する弾性部材と、
    前記特定の相対回転位置からの両ケース部材の相対回転角度に応じて両ケース部材の間の摩擦トルクを変化させるカム押圧機構と、がそれぞれ介装されていることを特徴とする捩じり振動減衰装置。
  2. 前記カム押圧機構が、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とのうちいずれか一方のケース部材に前記リングギヤおよび前記駆動側ケース部材の回転方向に延在するよう形成されたカム係合部と、前記カム係合部に係合する転動カム部材と、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とのうちいずれか他方のケース部材に対し回転方向に一体に係合するとともに前記転動カム部材を前記他方のケース部材側から前記一方のケース部材側に付勢する付勢部材と、によって構成され、
    前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とが前記特定の相対回転位置にあるとき、前記転動カム部材が前記カム係合部の延在方向の中央部に位置し、
    前記カム係合部が、前記延在方向の中央部と前記延在方向の両端側とで前記リングギヤの回転中心軸線方向の位置が異なる係合面を有していることを特徴とする請求項1に記載の捩じり振動減衰装置。
  3. 前記カム係合部が、前記延在方向の一端側と他端側とで前記リングギヤの回転中心軸線方向の位置が異なる係合面を有していることを特徴とする請求項2に記載の捩じり振動減衰装置。
  4. 前記付勢部材と前記転動カム部材との間に、前記リングギヤの回転中心軸線方向で前記一方のケース部材に対向するとともに前記一方のケース部材と協働して前記転動カム部材を保持する保持部材が介装され、該保持部材が、前記カム係合部の延在方向に延在するとともに前記カム係合部に対向する対向係合部を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の捩じり振動減衰装置。
  5. 前記カム係合部および前記対向係合部のうち少なくとも一方の係合面が、前記リングギヤの回転中心軸線から一定半径の断面上において弧状に湾曲していることを特徴とする請求項4に記載の捩じり振動減衰装置。
  6. 前記保持部材が、前記付勢部材または前記他方のケース部材に対して前記回転方向に一体に係合していることを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の捩じり振動減衰装置。
  7. 前記転動カム部材が、周方向に離間する複数の凸部または凹部を有し、
    前記一方のケース部材が、前記転動カム部材の前記凸部または凹部に係合する複数の係合凹部または係合凸部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載の捩じり振動減衰機構。
  8. 前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材とが、前記特定の相対回転位置から予め設定された過大な相対回転角度に達するときに相互に前記相対回転の方向に当接し、前記駆動側ケース部材と前記被駆動側ケース部材との前記過大な相対回転角度を超える相対回転が規制されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか1の請求項に記載の捩じり振動減衰機構。
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