JP2018179275A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト式無段変速機と同軸にクラッチおよび動力伝達部材が配設された車両用動力伝達装置において、プーリ回転軸の共振によるNV性能の悪化を抑制する。
【解決手段】クラッチピストン112の押圧部130に凸部および凹部が設けられ、ベルト走行用クラッチC2の係合時に凸部のみがクラッチプレートに当接させられるため、プーリ回転軸62と一体的に回転するクラッチC2および出力軸30を含むプーリ回転系136の全体の剛性が、第3軸線S3まわりにおいて凸部が設けられた部分では高くなり、凹部が設けられた部分では低くなる。プーリ回転系136の剛性が、第3軸線S3まわりにおいて変化すると、プーリ回転系136の1回転の中で剛性の変化に応じて共振周波数が変化するため、共振周波数が分散されて共振による振動レベルのピークが低くなり、共振による振動増幅が抑制されてNV性能が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は車両用動力伝達装置に係り、特に、ベルト式無段変速機と動力伝達部材とを断接するクラッチを有する車両用動力伝達装置の改良に関するものである。
(a) 固定シーブと、固定シーブに設けられたプーリ回転軸に相対回転不能且つ軸方向の移動可能に配設された可動シーブと、可動シーブを挟んで前記固定シーブと反対側において前記プーリ回転軸に配設され、可動シーブとの間の油圧室に供給される油圧に応じて可動シーブを固定シーブに対して接近する方向へ押圧するプーリ油圧部と、を共通の軸線上に有する可変プーリを備えているベルト式無段変速機と、(b) 前記可変プーリの前記プーリ油圧部側に同軸に配設された動力伝達部材と、(c) 前記プーリ油圧部と前記動力伝達部材との間に同軸に配設され、それ等のプーリ油圧部と動力伝達部材とを断接する摩擦係合式のクラッチと、を有する車両用動力伝達装置が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、ベルト式無段変速機(CVT40、40B)の一方の可変プーリ(セカンダリプーリ45)と動力伝達部材(カウンタドライブギヤ71)との間がクラッチ(80、80B)によって断接されるようになっている(図1〜図3参照)。
WO2014/126205号公報
ところで、このような車両用動力伝達装置においては、寸法誤差や負荷変形などに起因して動力伝達歯車の噛み合い時や、ベルト式無段変速機の伝動ベルトが可変プーリのV溝に噛み込むベルト噛み込み時等に微小振動が発生する一方、ベルト式無段変速機のプーリ回転軸は、ベルト張力によって撓み変形させられた状態で回転させられることにより振動が発生する。このため、上記微小振動が起振源となってプーリ回転軸が所定の共振周波数で共振させられると、共振により振動が増幅されて軸受等から収容ケースに伝達され、更に空気中へ伝播されることによりギヤノイズやベルトノイズとして発音し、NV〔Noise(騒音) 、Vibration(振動) 〕性能が悪化することがあった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ベルト式無段変速機と同軸にクラッチおよび動力伝達部材が配設された車両用動力伝達装置において、プーリ回転軸の共振によるNV性能の悪化を抑制することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、(a) 固定シーブと、固定シーブに設けられたプーリ回転軸に相対回転不能且つ軸方向の移動可能に配設された可動シーブと、可動シーブを挟んで前記固定シーブと反対側において前記プーリ回転軸に配設され、可動シーブとの間の油圧室に供給される油圧に応じて可動シーブを固定シーブに対して接近する方向へ押圧するプーリ油圧部と、を共通の軸線上に有する可変プーリを備えているベルト式無段変速機と、(b) 前記可変プーリの前記プーリ油圧部側に同軸に配設された動力伝達部材と、(c) 前記プーリ油圧部と前記動力伝達部材との間に同軸に配設され、それ等のプーリ油圧部と動力伝達部材とを断接(接続・遮断)する摩擦係合式のクラッチと、を有する車両用動力伝達装置において、(d) 前記クラッチは、軸方向へ駆動される円環形状のクラッチピストンと、前記プーリ油圧部および前記動力伝達部材の一方および他方にそれぞれ相対回転不能に配設されるとともに、前記クラッチピストンにより押圧されて互いに摩擦係合させられる複数の円環形状のクラッチプレートと、を有する一方、(e) 前記クラッチピストンは、前記クラッチプレートを押圧する押圧部が軸線まわりにおいて複数に分割され、交互に軸方向の凸部および凹部が設けられていることを特徴とする。
このような車両用動力伝達装置においては、クラッチピストンの押圧部が軸線まわりにおいて複数に分割され、交互に凸部および凹部が設けられており、クラッチの係合時に凸部と凹部とで押圧荷重が相違するため、プーリ回転軸と一体的に回転するクラッチおよび動力伝達部材を含むプーリ回転系の全体の剛性が、軸線まわりにおいて凸部が設けられた部分では高くなり、凹部が設けられた部分では低くなる。プーリ回転系の剛性が軸線まわりにおいて相違すると、プーリ回転系の1回転の中で剛性の変化に応じて共振周波数が変化するため、共振周波数が分散されて共振による振動レベルのピークが低くなり、プーリ回転系の共振による振動増幅が抑制されてギヤノイズやベルトノイズが低減され、NV性能が向上する。
本発明が適用された車両用動力伝達装置の一例を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置の第3軸線S3上に配設されたセカンダリプーリ、ベルト走行用クラッチ、および出力軸等の具体的構成を説明する断面図である。 図2のセカンダリプーリのプーリ油圧部、およびベルト走行用クラッチの近傍部分を拡大して示した断面図である。 ベルト張力Fによる第3軸線上の配設部材の撓み変形を説明する図である。 図3のベルト走行用クラッチのクラッチピストンを単独で示した断面図である。 図5のクラッチピストンを右側から見た正面図で、押圧部に設けられた凸部を黒く塗り潰して示した図である。 ベルト走行用クラッチの係合時における振動レベル特性を説明する図である。 クラッチピストンの押圧部に設けられる凸部および凹部の他の態様を説明する図で、図6に対応する正面図である。 クラッチピストンの押圧部に設けられる凸部および凹部の更に別の態様を説明する図で、図6に対応する正面図である。 クラッチピストンの押圧部に設けられる凸部および凹部の更に別の態様を説明する図で、図6に対応する正面図である。
ベルト式無段変速機は、可変プーリとしてプライマリプーリおよびセカンダリプーリを有し、例えばセカンダリプーリと出力軸(動力伝達部材)とがクラッチにより断接される場合に適用されるが、プライマリプーリと入力軸(動力伝達部材)とがクラッチにより断接される場合にも適用され得る。プーリ油圧部は、例えばプーリ回転軸に固設された固定ピストンが可動シーブに設けられた円筒部の内側に嵌合され、固定ピストンに対して可動シーブが軸方向へ移動させられるように構成されるが、プーリ回転軸に固設されたシリンダ内に可動シーブに設けられたピストン部が嵌合されても良い。
クラッチは、例えば可変プーリのプーリ油圧部とクラッチピストンとの間に形成される油圧室内に油圧が供給されることにより、クラッチピストンがプーリ油圧部から離間する方向へ駆動されてクラッチプレートを押圧するように構成されるが、クラッチプレートを挟んでプーリ油圧部と反対側にクラッチピストンが配設され、クラッチピストンがプーリ油圧部に接近する方向へ駆動されてクラッチプレートを押圧するように構成することも可能である。クラッチは、例えばプーリ油圧部側および動力伝達部材側にクラッチプレートがそれぞれ複数枚ずつ配設される多板式クラッチが適当であるが、プーリ油圧部側および動力伝達部材側にクラッチプレートがそれぞれ1枚ずつ設けられる単板式クラッチであっても良い。
クラッチピストンの押圧部の軸線まわりの分割数、すなわち凸部および凹部の合計数は、押圧部の径寸法等に応じて適宜定められるが、例えば2〜12程度が適当で4〜10程度が望ましい。個々の凸部および凹部の軸線まわりの角度幅は、例えば30°以上で定められる。凸部および凹部は、例えば等角度幅で設けられるが、不等角度幅で設けることも可能である。不等角度幅で設ける場合、凹部の合計角度幅は、例えば全周の1/3(120°)〜2/3(240°)程度の範囲内、すなわち凸部の合計角度幅が全周の2/3(240°)〜1/3(120°)程度の範囲内、となるように設定することが望ましい。凸部と凹部との軸方向の段差は、例えば凸部のみがクラッチプレートに当接させられるように定められるが、弾性変形等によって凹部の一部がクラッチプレートに接触させられても良い。凹部がクラッチプレートに接触させられる場合でも、凸部とは押圧荷重が相違するため剛性が相違し、目的とする効果が得られる。
本発明は、例えば遊星歯車式の前後進切換装置および歯車式変速機構を介して動力を伝達する第1動力伝達経路と、ベルト式無段変速機を介して動力を伝達する第2動力伝達経路とを有する車両用動力伝達装置に適用されるが、特許文献1に記載のように第1動力伝達経路を備えず、ベルト式無段変速機と直列に前後進切換装置が設けられた車両用動力伝達装置等にも適用され得る。遊星歯車式の前後進切換装置は、サンギヤ、プラネタリギヤを回転可能に支持しているキャリア、およびリングギヤの3つの回転要素を有し、回転速度が中間の回転要素が固定回転要素として用いられ、後進用ブレーキによって回転停止させられることにより後進ギヤ段が成立させられる。具体的には、シングルピニオン型の遊星歯車装置の場合、キャリアが固定回転要素として用いられ、ダブルピニオン型の遊星歯車装置の場合、リングギヤが固定回転要素として用いられる。また、3つの回転要素の何れか2つが前進用クラッチによって係合させられることにより前進ギヤ段が成立させられる。車両の走行用駆動源としては、内燃機関にて構成されるエンジンの他、電動モータ、エンジンおよび電動モータなど、種々の駆動源を採用できる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10の一例を説明する骨子図で、互いに平行な複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した図である。この車両用動力伝達装置10は、複数の軸が車両幅方向に沿って配置される横置き型のトランスアクスルで、本実施例ではFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に搭載される。走行用駆動源である内燃機関等のエンジン12の出力は、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14から自動変速機16を介して差動歯車装置18に伝達され、左右の前輪(駆動輪)20L、20Rへ分配される。車両用動力伝達装置10は、車両幅方向と略平行な第1軸線S1〜第5軸線S5を備えており、エンジン12およびトルクコンバータ14は第1軸線S1上に配設されており、差動歯車装置18は第5軸線S5上に配設されている。トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、および自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行う。
自動変速機16は、トルクコンバータ14の出力回転部材であるタービン軸と一体的に設けられた入力軸22、入力軸22に連結されたベルト式無段変速機24、同じく入力軸22に連結されてベルト式無段変速機24と並列に設けられた前後進切換装置26および歯車式変速機構28、ベルト式無段変速機24および歯車式変速機構28の共通の出力回転部材である出力軸30、減速歯車装置32を備えており、その減速歯車装置32の小径ギヤ34が差動歯車装置18のリングギヤ36と噛み合わされている。入力軸22、前後進切換装置26、およびベルト式無段変速機24のプライマリプーリ60は第1軸線S1上に配設されており、歯車式変速機構28は第1軸線S1と第2軸線S2とに跨がって配設されており、ベルト式無段変速機24のセカンダリプーリ64および出力軸30は第3軸線S3上に配設されており、減速歯車装置32は第3軸線S3と第4軸線S4とに跨がって配設されている。このように構成された自動変速機16においては、エンジン12の出力が、トルクコンバータ14からベルト式無段変速機24を介して出力軸30へ伝達され、或いはベルト式無段変速機24を介することなく前後進切換装置26および歯車式変速機構28を介して出力軸30へ伝達され、更に減速歯車装置32および差動歯車装置18を経て左右の前輪20L、20Rへ伝達される。減速歯車装置32は、出力軸30に設けられた小径ギヤ31と、出力軸30と平行なカウンタ軸33に設けられて小径ギヤ31と噛み合わされた大径ギヤ35とを備えており、カウンタ軸33に前記小径ギヤ34が設けられている。
すなわち、本実施例の自動変速機16は、エンジン12の出力を入力軸22から前後進切換装置26および歯車式変速機構28を介して出力軸30へ伝達する第1動力伝達経路TP1と、エンジン12の出力を入力軸22からベルト式無段変速機24を介して出力軸30へ伝達する第2動力伝達経路TP2と、を備えているのであり、車両の走行状態に応じてそれ等の動力伝達経路TP1、TP2が切り換えられる。このため、自動変速機16は、上記第1動力伝達経路TP1における動力伝達を断接(接続・遮断)する第1断接装置としての前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1と、第2動力伝達経路TP2における動力伝達を断接する第2断接装置としてのベルト走行用クラッチC2とを備えている。第1動力伝達経路TP1には更に、前進用クラッチC1および歯車式変速機構28に対して直列に、具体的にはそれ等よりも下流側に、噛合い式断接装置として噛合い式クラッチCdが設けられている。
前後進切換装置26は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置27を主体として構成されており、キャリア27cが入力軸22に一体的に連結され、サンギヤ27sが入力軸22に対して同軸に相対回転可能に配設された小径ギヤ42に連結されている一方、リングギヤ27rが後進用ブレーキB1を介して選択的に回転停止させられるとともに、キャリア27cおよびサンギヤ27sが前進用クラッチC1を介して選択的に連結されるようになっている。そして、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されると、入力軸22が小径ギヤ42に直結されて前進用動力伝達状態(前進ギヤ段)が成立させられ、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、小径ギヤ42は入力軸22に対して逆方向へ回転させられ、後進用動力伝達状態(後進ギヤ段)が成立させられる。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、動力伝達を遮断するニュートラル状態となる。上記前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、何れも複数の摩擦材が油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の摩擦係合装置である。リングギヤ27rは、後進ギヤ段を成立させる際に固定される固定回転要素に相当する。
歯車式変速機構28は、小径ギヤ42と、第2軸線S2と同軸に配置された変速軸44に相対回転不能に設けられて小径ギヤ42と噛み合わされた大径ギヤ46と、変速軸44に対して同軸に相対回転可能に設けられた小径のアイドラギヤ48とを備えている。そして、変速軸44とアイドラギヤ48との間に、噛合い式クラッチCdが設けられており、それ等の間の動力伝達が断接される。噛合い式クラッチCdは、シンクロナイザリング等のシンクロメッシュ機構(同期機構)を備えており、クラッチハブスリーブ50が、油圧シリンダ等のクラッチ切換装置により図1の左方向である接続方向へ移動させられると、シンクロナイザリングを介してアイドラギヤ48が変速軸44と同期回転させられるようになり、クラッチハブスリーブ50が更に移動させられると、そのクラッチハブスリーブ50の内周面に設けられたスプライン歯を介してアイドラギヤ48が変速軸44に連結される。
上記アイドラギヤ48は、出力軸30に設けられた大径のドリブンギヤ58と噛み合わされており、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の何れか一方が係合させられ且つ噛合い式クラッチCdが接続されることにより、エンジン12の出力が入力軸22から前後進切換装置26、歯車式変速機構28、アイドラギヤ48、およびドリブンギヤ58を順次経由して出力軸30に伝達されるようになり、第1動力伝達経路TP1が成立させられる。ドリブンギヤ58は被動部に相当する。なお、小径のアイドラギヤ48とドリブンギヤ58との間でも変速(減速)が行なわれ、それ等を含めて歯車式変速機構28が構成されていると見做すこともできる。
ベルト式無段変速機24は、入力軸22に連結された有効径が可変のプライマリプーリ60と、出力軸30と同軸のプーリ回転軸62を有する有効径が可変のセカンダリプーリ64と、それ等の一対のプーリ60、64の間に巻き掛けられた伝動ベルト66とを備えており、一対のプーリ60、64と伝動ベルト66との間の摩擦を介して動力伝達が行われる。一対のプーリ60、64は、固定シーブ60a、64aと、固定シーブ60a、64aに対して軸まわりの相対回転不能かつ軸方向の移動可能に設けられた可動シーブ60b、64bと、それらの間のV溝幅を変更するように可動シーブ60b、64bを固定シーブ60a、64aに対して接近する方向へ押圧するプーリ油圧部60c、64cとを備えて構成されている。そして、例えばプライマリプーリ60側のプーリ油圧部60cへ供給されるプライマリ油圧が制御されることにより、両プーリ60、64のV溝幅が変化して伝動ベルト66の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γが連続的に変化させられる。また、セカンダリプーリ64側のプーリ油圧部64cへ供給されるセカンダリ油圧が制御されることにより、伝動ベルト66が滑りを生じないようにベルト挟圧力が調整される。
出力軸30は、セカンダリプーリ64のプーリ回転軸62に対して同軸に相対回転可能に配設されており、その出力軸30とセカンダリプーリ64との間に設けられた前記ベルト走行用クラッチC2により、それ等の出力軸30とセカンダリプーリ64との間の動力伝達が断接される。このベルト走行用クラッチC2が係合させられると、エンジン12の出力が入力軸22からベルト式無段変速機24を経由して出力軸30に伝達されるようになり、第2動力伝達経路TP2が成立させられる。
このような車両用動力伝達装置10は、エンジン12に一体的に固設されるとともに取付ブラケット等を介して車体に取り付けられるトランスアクスルケース70を収容ケースとして備えている。トランスアクスルケース70は、ハウジング72、ケース74、およびリヤカバー76の3つの部材にて構成されており、それぞれの軸方向の端部に設けられた外向きフランジが互いに重ね合わされて多数のボルトにより一体的に締結されるようになっている。ハウジング72は、エンジン12に一体的に固設されるとともに、エンジン12との間にトルクコンバータ14を収容する第1収容空間78が形成される。ケース74は、筒形状の外筒壁80と、その外筒壁80の軸方向の中間位置から内周側へ延び出すように、前記第1軸線S1〜第5軸線S5と略直交する姿勢で設けられた仕切り壁82とを一体に備えており、ハウジング72と仕切り壁82との間に、前記前後進切換装置26、歯車式変速機構28、減速歯車装置32、および差動歯車装置18等を収容する第2収容空間84が形成される。また、リヤカバー76と仕切り壁82との間には、前記ベルト式無段変速機24、ベルト走行用クラッチC2、およびドリブンギヤ58等を収容する第3収容空間86が形成される。
図2は、第3軸線S3上に配設されたセカンダリプーリ64、ベルト走行用クラッチC2、および出力軸30等の具体的構成を説明する断面図で、第3軸線S3よりも上側はベルト式無段変速機24の変速比γが最小(増速側)の状態であり、第3軸線S3よりも下側は変速比γが最大(減速側)の状態である。図2から明らかなように、プーリ回転軸62は、セカンダリプーリ64の固定シーブ64aに一体に設けられているとともに、可動シーブ64b、プーリ油圧部64c、およびベルト走行用クラッチC2の中心部を挿通させられて出力軸30の中間位置に達している。出力軸30は、一対の軸受90、92を介して第3軸線S3まわりに回転可能にトランスアクスルケース70によって支持されており、プーリ回転軸62の一端部は、出力軸30に対して第3軸線S3まわりに相対回転可能に、軸受94を介して出力軸30によって支持されている。プーリ回転軸62の他端部は、軸受96を介して第3軸線S3まわりに回転可能にトランスアクスルケース70によって支持されている。
図3は、セカンダリプーリ64の可動シーブ64b、プーリ油圧部64c、およびベルト走行用クラッチC2の近傍部分を拡大して示した断面図であり、可動シーブ64bは、プーリ回転軸62に対して相対回転不能且つ軸方向の移動可能に、プーリ回転軸62の外周側にスプライン嵌合されている。プーリ油圧部64cは、可動シーブ64bを挟んで固定シーブ64aと反対側においてプーリ回転軸62に固設された固定ピストン100と、可動シーブ64bに一体に設けられて固定ピストン100の外周側に嵌合された円筒部102とを有し、固定ピストン100と可動シーブ64bとの間の油圧室104内に供給されるセカンダリ油圧に応じて可動シーブ64bが固定シーブ64aに対して接近する方向へ押圧される。
ベルト走行用クラッチC2は、プーリ油圧部64cの固定ピストン100と出力軸30との間、具体的には出力軸30にスプライン等を介して一体的に配設されたドリブンギヤ58との間に、第3軸線S3と同軸に配設され、プーリ油圧部64cと出力軸30との間の動力伝達を断接する摩擦係合式のクラッチである。すなわち、本実施例ではセカンダリプーリ64が可変プーリで、出力軸30が動力伝達部材である。ベルト走行用クラッチC2は、固定ピストン100を挟んで前記油圧室104と反対側に油圧室110が形成されるように、その固定ピストン100に隣接して軸方向の移動可能に配設された円環形状のクラッチピストン112を備えており、油圧室110内に供給されるクラッチ係合油圧に応じてクラッチピストン112が固定ピストン100から離間する方向、すなわち図3における右方向へ駆動されることにより、円環形状の多数のクラッチプレート114、116が互いに摩擦係合させられる。クラッチプレート114および116は、軸方向において交互に複数枚ずつ設けられているとともに、クラッチプレート114は、固定ピストン100に溶接等で一体的に固設された円筒部材118の内周面に軸方向の移動可能且つ相対回転不能にスプライン嵌合されている一方、クラッチプレート116は、ドリブンギヤ58に溶接等で一体的に固設された円筒部材120の外周面に軸方向の移動可能且つ相対回転不能にスプライン嵌合されている。したがって、これ等のクラッチプレート114および116がクラッチピストン112によって押圧され、円筒部材118に設けられたストッパ122との間で挟圧されて互いに摩擦係合させられることにより、プーリ油圧部64cと出力軸30とが動力伝達可能に一体的に接続される。クラッチプレート114および116の少なくとも一方には摩擦材が設けられ、互いに密着するように押圧されることにより摩擦係合させられるようになっている。
図5は、上記クラッチピストン112を単独で示した断面図で、図6は、図5の右側から見たクラッチピストン112の正面図である。これ等の図に示されるように、クラッチピストン112は、クラッチプレート114に当接させられて押圧する外周部の押圧部130が第3軸線S3まわりにおいて複数に分割され、軸方向の突出寸法が変化させられることにより交互に凸部132および凹部134が設けられており、凸部132のみがクラッチプレート114に当接させられる。本実施例では45°の等角度幅で8分割されており、凸部132および凹部134の角度幅が何れも45°で、交互に4つずつ設けられており、凸部132および凹部134のそれぞれの合計の角度幅は180°(全周の1/2)ずつである。凸部132と凹部134との間の軸方向の段差は、凸部132のみがクラッチプレート114に当接させられるように適宜定められる。図6は、凸部132と凹部134とを明確に区別できるように、凸部132を塗り潰して示した図である。図5および図6は、クラッチピストン112を単独で示した図であり、S3はクラッチピストン112の軸線(中心線)であるが、組付状態では第3軸線S3と一致するためS3をそのまま用いている。
このような本実施例の車両用動力伝達装置10においては、クラッチピストン112の押圧部130に凸部132および凹部134が設けられ、ベルト走行用クラッチC2の係合時に凸部132のみがクラッチプレート114に当接させられるため、プーリ回転軸62と一体的に回転するベルト走行用クラッチC2および出力軸30を含むセカンダリプーリ64側のプーリ回転系136の全体の剛性が、第3軸線S3まわりにおいて凸部132が設けられた部分では出力軸30が一体化されて高くなる。これに対し、凹部134が設けられた部分では、クラッチプレート114との間に隙間があり、出力軸30が一体化されていないため、局部的に剛性が低くなる。
このようにプーリ回転系136の剛性が、回転中心である第3軸線S3まわりにおいて変化すると、プーリ回転系136の1回転の中で剛性の変化に応じて共振周波数が変化するため、共振周波数が分散されて共振による振動レベルのピークが低くなる。すなわち、本実施例の車両用動力伝達装置10においては、寸法誤差や負荷変形などに起因して小径ギヤ31の噛み合い時や、伝動ベルト66の金属ブロック(エレメント)がセカンダリプーリ64のV溝に噛み込むベルト噛み込み時等に微小振動が発生する一方、プーリ回転軸62を中心とするプーリ回転系136は、ベルト張力Fによって図4に示すように撓み変形させられた状態で回転させられることにより振動が生じるため、上記微小振動が起振源となってプーリ回転系136が所定の共振周波数で共振させられる。その場合に、本実施例ではプーリ回転系136の1回転の中で剛性が変化するため、例えば図7に実線および一点鎖線で示すように、剛性が高い部分と剛性が低い部分とで異なる振動レベル特性となり、その共振周波数が相違するため、共振周波数が分散されて共振による振動レベルのピークが低くなるのである。これにより、その共振による振動増幅が抑制され、軸受90や96からトランスアクスルケース70に伝達されて、更にトランスアクスルケース70から空気中へ伝播されることによって発音するギヤノイズやベルトノイズが低減され、NV性能が向上する。
これに対し、押圧部130が全周に亘ってクラッチプレート114に当接させられる従来の場合には、第3軸線S3まわりにおいてプーリ回転系136の剛性が一定であるため、図7に破線で示されるように共振周波数が一つで振動レベルのピークが高くなり、共振による振動増幅によってトランスアクスルケース70から発音するギヤノイズやベルトノイズが大きくなり、NV性能が損なわれる場合があった。
なお、上記実施例ではクラッチピストン112の押圧部130が45°の等角度幅で8分割され、凸部132および凹部134の角度幅が何れも45°で、交互に4つずつ設けられていたが、例えば図8に示すクラッチピストン140のように押圧部142を180°の等角度幅で2分割し、角度幅が180°の凸部144および凹部146を一つずつ設けるだけでも良い。また、図9に示すクラッチピストン150のように押圧部152を90°の等角度幅で4分割し、角度幅が90°の凸部154および凹部156を交互に2つずつ設けても良いし、図10に示すクラッチピストン160のように押圧部162を不等角度幅で4分割し、角度幅がそれぞれ異なる凸部164および凹部166を交互に2つずつ設けても良い。この場合、凸部164の合計角度幅および凹部166の合計角度幅がそれぞれ120°〜240°の範囲内になるように分割することが望ましく、図10では2つの凸部164の角度幅はそれぞれ約138°と約55°で合計角度幅は約193°であり、2つの凹部166の角度幅はそれぞれ約80°と約87°で合計角度幅は約167°である。図8〜図10は、何れも図6に対応する図で、クラッチピストン140、150、160の正面図である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用動力伝達装置 24:ベルト式無段変速機 30:出力軸(動力伝達部材) 62:プーリ回転軸 64:セカンダリプーリ(可変プーリ) 64a:固定シーブ 64b:可動シーブ 64c:プーリ油圧部 112、140、150、160:クラッチピストン 114、116:クラッチプレート 130、142、152、162:押圧部 132、144、154、164:凸部 134、146、156、166:凹部 136:プーリ回転系 C2:ベルト走行用クラッチ(クラッチ) S3:第3軸線(軸線)

Claims (1)

  1. 固定シーブと、該固定シーブに設けられたプーリ回転軸に相対回転不能且つ軸方向の移動可能に配設された可動シーブと、該可動シーブを挟んで前記固定シーブと反対側において前記プーリ回転軸に配設され、該可動シーブとの間の油圧室に供給される油圧に応じて該可動シーブを該固定シーブに対して接近する方向へ押圧するプーリ油圧部と、を共通の軸線上に有する可変プーリを備えているベルト式無段変速機と、
    前記可変プーリの前記プーリ油圧部側に同軸に配設された動力伝達部材と、
    前記プーリ油圧部と前記動力伝達部材との間に同軸に配設され、該プーリ油圧部と該動力伝達部材とを断接する摩擦係合式のクラッチと、
    を有する車両用動力伝達装置において、
    前記クラッチは、軸方向へ駆動される円環形状のクラッチピストンと、前記プーリ油圧部および前記動力伝達部材の一方および他方にそれぞれ相対回転不能に配設されるとともに、前記クラッチピストンにより押圧されて互いに摩擦係合させられる複数の円環形状のクラッチプレートと、を有する一方、
    前記クラッチピストンは、前記クラッチプレートを押圧する押圧部が軸線まわりにおいて複数に分割され、交互に軸方向の凸部および凹部が設けられている
    ことを特徴とする車両用動力伝達装置。
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