JP2006070841A - 動弁装置およびこれを備えた内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い精度で、しかも手間がかからずにタペット調整を行える動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】カム高さとカム作用角がカムシャフト11方向に沿って連続的に変化する立体カム13と、立体カム13のカム面に押圧されてバルブ30を進退させるバルブリフタとの相対移動により、バルブ30のリフト特性を連続可変する。バルブリフタはスイングアーム17上にタペットローラ16を有し、スイングアーム17のピボット軸心21Aを変位させることにより、タペット隙間を調整可能にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動二輪車あるいは自動車などにおける内燃機関において、アクセル開度に応じてバルブのリフト量、リフトタイミングおよび作用角を可変制御する動弁装置に関するものである。
最近の内燃機関において、可変位相とカム切換の組合せが出始め、その後作用角およびリフト量を連続可変する3次元カムを使用する方式の動弁装置が提案されている。たとえば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせることにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがある。
この種の動弁装置において気筒あたり2つの吸気バルブと、2つの排気バルブを備え、さらにロッカーアームやスイングアームを用いるものも知られている。このような動弁装置においてタペット隙間を調整する場合、左右一対のバルブに対してスイングアームが一体化されているものでは、タペットシムの選択段階分だけ隙間公差が発生してしまう。
これに対して一対のバルブを天秤式に駆動するスイングアームでは、一対のバルブのバルブステム頂点位置の公差の平均値が、タペット隙間部の公差になる。このため段階的なタペットシムを用いて調整した場合でも、その半分の公差に縮小することができる。
しかしながら、たとえばインテーク側はアイドリング時のタペットリフト量がかなり小さくなり、上述のように縮小された公差であっても気筒間のバラツキとしては無視し得ない値となる。また、タペット隙間を調整するには、その度にカムシャフトを取り外して行わなければならず、タペット隙間調整に手間がかからざるを得なかった。
本発明はかかる実情に鑑み、高い精度で、しかも手間がかからずにタペット調整を行える動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提供することを目的とする。
本発明による動弁装置は、カム高さとカム作用角がカムシャフト方向に沿って連続的に変化する立体カムと、前記立体カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとの相対移動により、前記バルブのリフト特性を連続可変するようにした動弁装置であって、 前記バルブリフタはスイングアーム上にタペットローラを有し、前記スイングアームのピボット軸心を変位させることにより、タペット隙間を調整可能にしたことを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記ピボット軸を偏心軸とし、その位相を可変することにより前記ピボット軸のピボット軸心を変位させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記ピボット軸にアーム部を付設し、該アーム部をアジャストスクリューにて回転調整することにより前記ピボット軸の位相を無段階に可変することを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記アジャストスクリューを相互に反対方向に固定可能に設けたことを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記スイングアームに天秤アームを設け、該天秤アームの端部に一対のバルブステムの頂点に対する接点を設けたことを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記立体カムにおけるカム山部以外のベースサークル部の径を基準値よりも小径に設定するとともに、前記スイングアームの前記立体カムへ向う揺動量を調整規制するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記スイングアームに当接してその揺動量を規制する調整ネジを有することを特徴とする。
また、本発明の動弁装置において、前記調整ネジが当接する当接部を前記スイングアームの先端部に設けたことを特徴とする。
また、本発明の内燃機関は、吸気バルブおよび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、吸気側または排気側に上記いずれかの動弁装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、アジャストスクリューの操作によりピボット軸の位相を可変することにより、その軸心を変位させる。スイングアームが外嵌するピボット軸を変位させることでタペット隙間の調整公差を略ゼロにすることができる。
この場合、ピボット軸を偏心軸とすることで、極めて高い精度で、しかも簡単に行うことができる。タペット隙間調整は、アジャストスクリューの回転によるアーム部の回動操作であり、ピボット軸の位相を無段段に調整することができる。
以下、図面に基づき、本発明による動弁装置およびこれを備えた内燃機関の好適な実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
本発明による動弁装置は、自動二輪車あるいは四輪自動車に搭載される各種のガソリンエンジンに対して有効に適用可能であり、この実施形態ではたとえば図1に示すように自動二輪車のエンジンの例とする。
ここで先ず、本実施形態に係る自動二輪車100の全体構成を説明する。図1において、鋼製あるいはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の両端にグリップ105を有する。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されるとともに、前輪106の上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有している。
車体フレーム101の後部には、スイングアーム109が揺動可能に設けられるとともに、車体フレーム101とスイングアーム109の間にリヤショックアブソーバ110が装架される。スイングアーム109の後端には後輪111が回転可能に支持され、後輪111はチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して、回転駆動されるようになっている。
車体フレーム101に搭載されたエンジンユニット1(実線部)には、エアクリーナ114に結合する吸気管115から混合気が供給されるとともに、燃焼後の排気ガスが排気管116を通って排気される。エアクリーナ114は容量確保のためにエンジンユニット1の後方、かつ燃料タンク117およびシート118の下方にある大きなスペース内に設置される。そのため吸気管115はエンジンユニット1の後部側に結合させ、排気管116はエンジンユニット1の前部側に結合される。また、エンジンユニット1の上方には、燃料タンク117が搭載され、燃料タンク117の後方にシート118およびシートカウル119が連設される。
ここで、エンジンユニット1におけるシリンダヘッド2乃至シリンダヘッドカバー2aの所定部位には、後述するアクセルモータが装着される。アクセルモータは、たとえばシリンダヘッドカバー2aの側部に突設されるが、燃料タンク117やその他エンジン周辺の部品もしくは部材と相互に干渉しないように配置される。
さらに図1において、120はヘッドランプ、121はスピードメータ、タコメータあるいは各種インジケータランプ等を含むメータユニット、122はステー123を介してハンドルバー104に支持されるバックミラーである。また、車体フレーム101の下部にはメインスタンド124が揺動自在に取付けられ、後輪111を接地させたり地面から浮かせたりできる。車体フレーム101は、前部に設けたヘッドパイプ102から後斜め下方へ向けて延設され、エンジンユニット1の下方を包むように湾曲した後、スイングアーム109の軸支部であるピボット109aを形成してタンクレール101aおよびシートレール101bに連結している。
この車体フレーム101には、フロントフェンダ107との干渉を避けるべく車体フレームと平行にラジエータ125が設けられるとともに、このラジエータ125から車体フレーム101に沿って冷却水ホース126が配設され、排気管116と干渉することなくエンジンユニット1に連通している。
つぎに、図2はこの実施形態における動弁装置を示す要部側断面図、図3は図2のA−A線およびA−B線に沿う断面図、図4はバルブリフタまわりを示す平面図である。内燃機関であるエンジンユニット1のシリンダ内でピストンが上下に往復動するとともに、ピストンの上部に配置されたシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。本実施形態で説明するエンジンユニット1は並列2気筒(車幅方向)エンジンであって、各気筒において吸気側(IN)および排気側(EX)にそれぞれ2つのバルブを有する。
本実施形態の動弁装置10は、カム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットの下側または側方に配置されるバルブリフタユニットと、吸気側および排気側においてそれぞれ吸気制御および排気制御するバルブユニットとを含む。
さらに、アクセル開度に応じてカム/カムシャフトユニットのカムを変位させるアクセルシャフトユニットを含むが、この実施形態では2気筒に対して単一のアクセルシャフトが使用される。
吸気側のカム/カムシャフトユニットにおいて、図3に示すようにシリンダヘッド2内でベアリング12を介して回転自在に支持されるカムシャフト11を備える。なお、この例ではカムシャフト11は2気筒にまたがって延設される。カムシャフト11の一端にはスプロケット15が固着し、このスプロケット15とクランクシャフト(図示せず)の一端に固着するドライブスプロケット3(図6参照)との間には、カムチェーン4が巻回装架される。なお、図6に示されるようにカムチェーン4まわりにはチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
カムシャフト11には各気筒に対して、その軸方向にカム13がスライド可能に装着される。この例ではカムシャフト11とカム13との間にボール14が介在するスプラインが構成され、カム13とカムシャフト11の相対回転が規制されるとともに、カム13が直線運動(リニアモーション)するようになっている。なお、カムシャフト11は概して中空構造を有し、その中空内部が潤滑油路となってスプライン部分等に注油することができる。
ここで、カム13は「3次元カム」として構成され、この場合吸気側カム部13Aと排気側カム部13Bが一体化されている。この例では吸気側カム部13Aは、長手方向(カムシャフト11の軸方向)に傾斜するカム面を有し、バルブリフト量を連続的に変化させる形状とされる。この場合、カム高さと同時にカム作用角およびリフトタイミングも変化し、すなわちバルブリフト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、さらにはバルブのリフトタイミングも変化させ得るように設定される。
なお、排気側カム13Bはフラットなカム面、すなわち長手方向(カムシャフト11の軸方向)に傾斜しない、あるいは僅かに傾斜するカム面を有するものであってよい。
吸気側のバルブリフタユニットにおいて、外周面が球状面に形成されたタペットローラ16を備え、該外周面がカム13の吸気側カム部13Aに接触する。タペットローラ16は、後述するピボット軸のまわりに揺動可能に支持されるスイングアーム17上に支持される。スイングアーム17は、タペットローラ16を収容する収容孔17aを有し、この収容孔17a内にピン18を介してタペットローラ16を回転可能に支持する。
スイングアーム17の端部には図4にも示されるように、支持部17bに回転可能に支持される天秤アーム19が取り付けられる。天秤アーム19の両端部には、後述する一対のバルブステムの頂点に対する接点を設けた当接部19aを有する。タペットローラ16はカム13(吸気側カム部13A)のカム面に押圧されることにより、スイングアーム17を揺動させ、これにより天秤アーム19の各当接部19aがバルブを進退させる。
特に本発明において、スイングアーム17のピボット軸心を変位させることにより、タペット隙間を調整可能にしたものである。そのためにピボット軸を偏心軸とし、その位相を可変することによりピボット軸のピボット軸心を変位させるようになっている。
具体的構成において、カムシャフト11の下方にはこれと平行にスイングアームシャフト20が配置される。なお、このスイングアームシャフト20の内部には、スイングアーム17の揺動可動部等に給油するための油路20aが形成されている。スイングアームシャフト20にはピボットシャフト21が回転可能に外嵌し、さらにピボットシャフト21にスイングアーム17の基部が外嵌する。ピボットシャフト21の嵌合孔21aは、偏心して形成されており、その軸心21Aはスイングアームシャフト20に対して所定量だけ偏倚している。この例では軸心21AをVバンク内側方向へ偏心させている。
ピボットシャフト21には図5、側面視にて略その直径方向に沿って、相互に反対方向に延出するアーム部22A,22Bが付設される。これらのアーム部22A,22Bは、図4のように比較的至近位置にあるシリンダヘッド2の側壁適所まで延出する。シリンダヘッド2の側壁には、アーム部22A,22Bの各端部に対応して支持部23A,23Bが突設されており、各支持部23A,23Bにアジャストスクリュー24A,24Bが螺着する。
各アジャストスクリュー24A,24Bは、ロックナット25A,25Bによって固定される。アジャストスクリュー24Aは図5に示されるように、アーム部22Aの時計方向の回動を規制し、アジャストスクリュー24Bはアーム部22Bの反時計方向の回動を規制するが、ロックナット25A,25Bによって相互に反対方向に固定可能に設けられる。
排気側のバルブリフタユニットにおいて、外周面が球状面に形成されたタペットローラ26を備え、該外周面がカム13の排気側カム部13Bに接触する。タペットローラ26は、スイングアームシャフト27のまわりに揺動可能に支持されるスイングアーム28の一端側に支持される。この場合、スイングアーム17はその一端側にて、ピン29を介してタペットローラ26を回転可能に支持する。
スイングアーム28はスイングアームシャフト27を挟んで、タペットローラ26とは反対側の他端側へ延出する。スイングアーム28の他端側には、後述する排気側における一対のバルブステムの頂点(バルブシム)に対する接点を設けた当接部28aを有する。タペットローラ26はカム13(排気側カム部13B)のカム面に押圧されることにより、スイングアーム28を揺動させ、これにより各当接部28aがバルブを進退させる。
吸気側のバルブユニットにおいて、図2に示されるようにバルブステム30aがバルブガイド31によってガイドされる2つの吸気バルブ30を備える。吸気バルブ30がリフトすることにより、吸気ポート8を介してエアクリーナ114(図1)から導かれる空気と吸気ポート8の下流側に配置されるインジェクタ(図示せず)から噴霧される燃料との混合気が各気筒の燃焼室に導入される。
各バルブステム30aの端部にはバルブリテーナ32が設けられ、バルブリテーナ32にはバルブシート33との間に装着されたバルブスプリング34の弾性力が作用する。さらに、バルブステム30aの上端が、天秤アーム19の当接部19aにより押圧されるようになっている。
なお、排気側のバルブユニットは、図2に示されるように吸気側のバルブユニットと基本構成が同様であり、対応部材には同一符号を付して図示する。この場合、バルブステム30aの上端にシム35が装着され、このシム35がスイングアーム28の当接部28aにより押圧される。
アクセルシャフトユニットにおいて、図2あるいは図3に示すようにカムシャフト11の上方で平行に配置されたアクセルシャフト36と、アクセルシャフト36に支持されるとともにカム13に連結するアクセルフォーク37とを備える。
アクセルシャフト36はその一端部にて、ドリブンギヤ38と一体構成された送りネジ39と螺合し、軸方向にスライド可能(図3、矢印C)に支持される。ドリブンギヤ38は、シリンダヘッド2に回転自在に支持される。一方、シリンダヘッド2の側部付近には図2に示されるようにアクセルモータ40が搭載支持され、その出力軸に固着するドライブギヤ41がドリブンギヤ38と噛合する。したがって、アクセルモータ40の作動により、アクセルシャフト36を軸方向に所望量スライド移動させることができる。
アクセルフォーク37は、アクセルシャフト37と直交方向にカムシャフト11側へ延出し、二股状の先端部を有する。また、カム13の端部には、ベアリング42を介して回転自在にされたフォークガイド43を備える。アクセルフォーク37の二股状の先端は、フォークガイド43の係合溝に係合し、この係合溝に沿って移動可能である。これによりアクセルシャフト36がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、カム13がカムシャフト11に沿ってスライドする。
上記の場合、図3に示されるようにシリンダヘッド2の適所に、カム位相センサ44が搭載される。このカム位相センサ44は、たとえばカムシャフト11の他端側に植設したピン45を検知して、カム13の位相を検出するようになっている。
また、各気筒に対して設けられるプラグホール46は、図2に示されるようにアクセルフォーク37等と干渉しないように適度に傾斜して配置される。プラグホール46の底部には点火プラグ47が装着される。
上記構成においてアクセルグリップ(もしくはアクセルペダル)を操作すると、アクセルモータ40が作動し、アクセルモータ40の出力軸の回転によってドリブンギヤ38を介してアクセルシャフト36がスライドする。各気筒において、カム13はアクセルフォーク37を介して、アクセルシャフト36の動きに連動してカムシャフト11に沿ってスライドする。この実施形態では吸気側においてアクセル開度に応じてバルブリフト量および作用角を無段階可変制御する。
このように吸気量をアイドル回転域から全開域までコントロールすることで、エンジン回転数(または車両速度)に最も適した吸気を行うことができる。たとえばエンジン低速時にはタペットローラ16は吸気側カム部13Aのカム面に対してカム高さの比較的低い部位に当接する。この状態で加速、すなわちアクセルを開くと、アクセルモータ40の作動によりドリブンギヤ38が回転して、アクセルシャフト36は図3の右方向にスライドする。カム13はアクセルフォーク37を介して、アクセルシャフト41の動きに連動してカムシャフト11に沿って同様にスライドする。吸気側カム部13Aのスライドによりタペットローラ16は、次第にカム高さの比較的高い部位に当接し、バルブリフト量が増大する。一方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動作でバルブリフト量を減少させる。
本発明において特に、ピボットシャフト21は、スイングアームシャフト20に対して偏心している。アジャストスクリュー24A,24Bの操作によりピボットシャフト21の位相を可変することにより、その軸心21Aが変位する。スイングアーム17が外嵌するピボットシャフト21を、このように変位させることでタペット隙間の調整公差を略ゼロにすることができる。
この場合、ピボットシャフト21を偏心軸とすることで、極めて高い精度で、しかも簡単に行うことができる。タペット隙間調整は、アジャストスクリュー24A,24Bの回転によるアーム部22A,22Bの回動操作で行われ、ピボットシャフト21の位相を無段段に調整することができる。
また、アジャストスクリュー24A,24Bは相互に反対方向に固定可能に配設され、スイングアームシャフト20およびピボットシャフト21のクリアランスを一方向にゼロにすることができ、運転時のガタつきを小さくする。
ここで、図2あるいは図3等に示すように天秤アーム19の当接部19aとバルブステム30aの上端との接点P1、カム13の吸気側カム部13Aとタペットローラ16との接点P2、ピボットシャフト21の軸心21Aの位置を軸心位置P3とする。前述のように天秤アーム19の端部に左右の当接部19aを設けることで、左右の接点P1の公差を吸収し、その平均値が接点P2の実質的な公差となる。つまりピボットシャフト21の位相調整を行うだけで、左右バルブのタペット隙間調整を行うことができる。また、天秤アームを構成することで、左右のバルブスプリング34のばね特性に差をつけることにより、バルブリフト特性に左右差を持たせることができる。これにより特に低リフト域でスワール流およびタンブル流を強化することができる。
(第2の実施形態)
つぎに、本発明による動弁装置の第2の実施形態を説明する。
図7は本発明の第2の実施形態に係る動弁装置の要部側断面図、図8は本発明に係るバルブリフタまわりを示す平面図、図9は図7のD−D線に沿う断面図である。この実施形態における基本構成は実質的に、前述した第1の実施形態の場合と同様であり、同一または対応する部材には同一符号を用いるものとする。
第2の実施形態においても動弁装置は、車幅(左右)方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニットと、カム/カムシャフトユニットにおけるカムのカム面に押されてバルブを進退させるバルブリフタユニットと、吸排気を制御するバルブユニットと、アクセル開度に応じてカムをカムシャフトの軸方向にスライド変位させるアクセルシャフトユニットとを含んでいる。
第2の実施形態において特に、カム13(吸気側カム部13A)におけるカム山部以外のベースサークル部の径を基準値よりも小径に設定するとともに、スイングアーム17のカム13へ向う揺動量を調整規制するようになっている。
具体的構成において、スイングアーム17の所定部位に当接して、その揺動量を規制する調整ネジ48を有する。スイングアーム17の先端部には、調整ネジ48が当接する当接部49が設けられる。シリンダヘッド2の側壁には支持部50が突設されており、当接部49の対応位置まで延出する支持部50の先端部に調整ネジ48が螺着する。調整ネジ48は、ロックナット51によって固定される。
第2の実施形態においてタペット隙間調整を行う場合、まず、カム13のベースサークル径と2倍のタペット隙間との合計寸法(ベースサークル径+2×タペット隙間)のカム治具を用いて、2つのタペットアジャストスクリューで規定トルクになるように接点P1および接点P2(図2および図3参照)を接触させる。そして、アジャストスクリュー24A,24Bの調整操作によりタペット隙間がゼロとなるまでピボットシャフト21の軸心21A(軸心位置P3)させ、ロックナット25A,25Bによって固定する。
その後、調整ネジ48を調整して、規定トルクで調整ネジ48と当接部49との接点(接点P4;図9参照)を隙間ゼロとし、ロックナット51によって固定する。つぎに、カム治具を取り外して正規のカムを組み付ける。
カム13のベースサークル部の径を基準値よりも小径に設定するとともに、調整ネジ48によってスイングアーム17の揺動量を規制することにより、カム13(吸気側カム部13A)におけるベースサークル部を無加工化することができる。また、このベースサークル部とタペットローラ16の接点部におけるフレッティングコロージョン磨耗を防止することができる。
調整ネジ48によってスイングアーム17の揺動量を規制することで、その調整量を無段階にしかも精度よく調整することができる。
また、スイングアーム17の先端部に当接部49を設けることで、接点P1および接点P4のアーム比によって、調整ネジ48の調整代(ネジピッチ)よりもタペット隙間変化量が小さくなるので調整精度を高くすることができる。
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば上記実施形態で説明した具体的な数値例等は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更可能である。また、各実施形態において、2気筒エンジンの場合の例を説明したが、本発明は3気筒以上の多気筒エンジンに対しても有効に適用可能である。また、吸気側に限らず、排気側に対しても上記と同様に本発明を適用可能である。
本発明の適用例に係るエンジンまわりを含む自動二輪車の構成例を示す図である。 本発明の実施形態における動弁装置の側断面図である。 図2のA−A線およびB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるバルブリフタまわりを示す平面図である。 本発明の実施形態におけるバルブリフタまわりを示す側断面図である。 本発明の動弁装置に係るクランクシャフト駆動系を示す図である。 本発明の第2の実施形態における動弁装置の側断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるバルブリフタまわりを示す平面図である。 図7のD−D線に沿う断面図である。
符号の説明
1 エンジンユニット
2 シリンダヘッド
10 動弁装置
11 カムシャフト
13 カム
16 タペットローラ
19 天秤アーム
20 スイングアームシャフト
21 ピボットシャフト
22A,22B アーム部
23A,23B 支持部
24A,24B アジャストスクリュー
26 タペットローラ
30 吸気バルブ
30a バルブステム
36 アクセルシャフト
37 アクセルフォーク
40 アクセルモータ
100 自動二輪車

Claims (9)

  1. カム高さとカム作用角がカムシャフト方向に沿って連続的に変化する立体カムと、前記立体カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとの相対移動により、前記バルブのリフト特性を連続可変するようにした動弁装置であって、
    前記バルブリフタはスイングアーム上にタペットローラを有し、前記スイングアームのピボット軸心を変位させることにより、タペット隙間を調整可能にしたことを特徴とする動弁装置。
  2. 前記ピボット軸を偏心軸とし、その位相を可変することにより前記ピボット軸のピボット軸心を変位させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  3. 前記ピボット軸にアーム部を付設し、該アーム部をアジャストスクリューにて回転調整することにより前記ピボット軸の位相を無段階に可変することを特徴とする請求項2に記載の動弁装置。
  4. 前記アジャストスクリューを相互に反対方向に固定可能に設けたことを特徴とする請求項3に記載の動弁装置。
  5. 前記スイングアームに天秤アームを設け、該天秤アームの端部に一対のバルブステムの頂点に対する接点を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の動弁装置。
  6. 前記立体カムにおけるカム山部以外のベースサークル部の径を基準値よりも小径に設定するとともに、前記スイングアームの前記立体カムへ向う揺動量を調整規制するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の動弁装置。
  7. 前記スイングアームに当接してその揺動量を規制する調整ネジを有することを特徴とする請求項6に記載の動弁装置。
  8. 前記調整ネジが当接する当接部を前記スイングアームの先端部に設けたことを特徴とする請求項7に記載の動弁装置。
  9. 吸気バルブおよび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、
    吸気側または排気側に請求項1〜8のいずれか1項に記載の動弁装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008045434A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Honda Motor Co Ltd 可変動弁装置を備えた内燃機関
JP2014034913A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Suzuki Motor Corp 内燃機関の動弁装置

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JP2008045434A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Honda Motor Co Ltd 可変動弁装置を備えた内燃機関
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