JP2004124794A - 動弁装置及びこれを備えた内燃機関 - Google Patents

動弁装置及びこれを備えた内燃機関 Download PDF

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山内 幸作
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Abstract

【課題】動弁装置としての性能特性を向上させる。
【解決手段】カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフト11と一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカム13と、カム13のカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、カム13がカムシャフト11の軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、ドリブンギヤ43の回転を規制する規制ユニット60を設け、ピン68が規制溝69の端部に当接することによってカム13のスライド方向両終端位置が決められるようにしている。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車或いは自動車等における動弁装置及びこれを備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関において、最近では可変位相とカム切替の組合せが出始め、その後作用角及びリフト量を連続可変する3次元カムを使用する方式が提案されている。例えば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせることにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがある。
【0003】
この種の3次元カムは、長手方向(カムシャフトの軸方向)に傾斜するカム部が延設され、バルブリフト量を連続的に変化させる形状に成形されている。この場合に、所望のリフトカーブを持つようにカム高さと同時にカム作用角及びリフトタイミングも変化するように設定されている。このようなカムをカムシャフトに沿って移動させることにより、吸気バルブのリフト量、作用角及びリフトタイミングを無段階に可変制御することができる。
【0004】
かかる3次元カムを吸気バルブに適用することにより、混合気を形成するためのスロットルバルブを廃止し、いわゆるノンスロットルバルフエンジンを実現することができる。スロットルバルブをなくすことにより、吸気ポート内の吸気圧は、脈動を平均して大気圧ないしそれに近い負圧となるため、例えば機関回転数に対する吸気バルブのリフト量や開口時期及び時間が異なる。これは、従来のエンジンではスロットルバルブがあることを前提に開発されており、気筒内への吸気量をまずスロットルバルブで流量(圧力)を調整した後、吸気バルブで調節するものである。その中に吸気バルブの動作を若干変更するものはあるが、スロットルバルブにて吸気通路を絞ることに依存して回転制御や出力制御しており、スロットルバルブをなくしてしまうと全く制御できない。本発明は、吸気ポート内の吸気圧といった条件が異なるため、各部の寸法や設定は全く異なるものである。説明の便宜上、同じ名称で説明してあっても果たす役割が全く異なるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−187807号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の動弁装置において3次元カムのスライド駆動機構、3次元カムと接触しバルブを進退させる機構等を持つことから、性能特性の向上を図る、例えば運動を高効率化させることや、装置の軽量化、コンパクト化、耐久性の向上を図ること等が重要である。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、3次元カムがカムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御するように構成された動弁装置にあって、動弁装置としての性能特性を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の動弁装置は、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、駆動源の駆動力が伝達される駆動側部材と、前記駆動側部材に螺合し、前記駆動側部材の駆動に従動して前記カムをスライドさせる従動側部材と、前記駆動側部材の駆動を規制して前記カムのスライド方向両終端位置を決める規制ユニットとを備えた点に特徴を有する。
【0009】
また、前記規制ユニットは前記駆動側部材の駆動を減速させるギヤを含む点に特徴を有する。
【0010】
本発明の他の動弁装置は、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、前記バルブリフタは、揺動可能に支持されるとともに、前記カムのカム面に押圧されて前記カムシャフトと略平行を保ったまま移動して両端部でそれぞれバルブを進退させる天秤状腕部を有し、前記天秤状腕部の一端にバルブの隙間調整のためのアジャスタ機構を設けた点に特徴を有する。
【0011】
また、前記天秤状腕部の他端の移動を規制することにより当該他端側のバルブを休止させるバルブ休止ユニットを備えた点に特徴を有する。
【0012】
本発明の他の動弁装置は、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された排気制御用のカムと、前記カムのカム面に押圧されて、1気筒に設けられた複数の排気バルブを進退させるバルブリフタとを備え、前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、前記1気筒に設けられた複数の排気バルブのうち一部を休止させるバルブ休止手段を設けるとともに、前記1気筒に設けられた複数の排気バルブそれぞれに独立した排気管路を連通させる点に特徴を有する。
【0013】
また、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された吸気制御用のカムと、前記カムのカム面に押圧されて、1気筒に設けられた複数の吸気バルブを進退させるバルブリフタとを備え、前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とし、前記1気筒に設けられた複数の吸気バルブのうち一部を休止させるバルブ休止手段を設けるとともに、前記1気筒に設けられた複数の吸気バルブそれぞれに独立した吸気管路を連通させる点に特徴を有する。
【0014】
本発明の他の動弁装置は、カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、前記バルブリフタは、前記カムのカム面に追従する球状面を有する接触子を有し、前記カムのカム高さ頂点のスライド方向軌跡が曲線状になっている点に特徴を有する。
【0015】
また、前記曲線のうち平坦な領域を常用域とする点に特徴を有する。
【0016】
本発明の内燃機関は、吸気バルブ及び排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、上記本発明の動弁装置を備えた点に特徴を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、図面に基づいて、本発明による好適な実施形態を説明する。本発明による動弁装置は、自動二輪車或いは自動車に搭載される各種のガソリンエンジンに対して有効に適用可能であり、本実施形態では例えば図1に示すように自動二輪車のエンジンを例とする。
【0018】
まず、本実施形態に係る自動二輪車100の全体構成について説明する。図1において、鋼製或いはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の両端にグリップ105が設けられる。
【0019】
フロントフォーク103の下部には前輪106が回転自在に支持されるとともに、前輪106の上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有する。
【0020】
車体フレーム101の後部にはスイングアーム109が揺動可能に設けられ、車体フレーム101とスイングアーム109の間にリヤショックアブソーバ110が装架される。
【0021】
スイングアーム109の後端には後輪111が回転自在に支持され、後輪111はチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して回転駆動されるようになっている。
【0022】
車体フレーム101に搭載されたエンジンユニット1には、エアクリーナ114に結合する吸気管115から混合気が供給されるとともに、燃焼後の排気ガスが排気管116を通って排気される。エアクリーナ114は容量確保のためにエンジンユニット1の後方、かつ燃料タンク117及びシート118の下方にある大きなスペース内に設置される。そのため吸気管115はエンジンユニット1の後部側に結合させ、排気管116はエンジンユニット1の前部側に結合される。
【0023】
また、エンジンユニット1の上方には燃料タンク117が搭載され、燃料タンク117の後方にシート118及びシートカウル119が連設される。
【0024】
ここで、エンジンユニット1のシリンダヘッド2のシリンダヘッドカバー2a所定部位には、後述するアクセルモータ45が装着される。その場合、燃料タンク117の下部に設けた凹部内にアクセルモータ45部分が配設されるようになっており、燃料タンク117とシリンダヘッド2とは相互に干渉しないように配置される。
【0025】
さらに図1において、120はヘッドランプ、121はスピードメータ、タコメータ或いは各種インジケータランプ等を含むメータユニット、122はステー123を介してハンドルバー104に支持されるバックミラーである。また、車体フレーム101の下部にはメインスタンド124が揺動自在に取り付けられ、後輪111を接地させたり、地面から浮かせたりできる。
【0026】
車体フレーム101は、前部に設けたヘッドパイプ102から後斜め下方へ向けて延設され、エンジンユニット1の下方を包むように湾曲した後、スイングアーム109の軸支部であるピボット109aを形成してタンクレール101a及びシートレール101bに連結する。
【0027】
この車体フレーム101には、フロントフェンダ107との干渉を避けるべく車体フレームと平行にラジエータ125が設けられるとともに、このラジエータ125から車体フレーム101に沿って冷却水ホース126が配設され、排気管116と干渉することなくエンジンユニット1に連通する。
【0028】
図2は動弁装置の要部を示す断面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB−B線に沿う断面図、図5は図4のC−C線断面図である。内燃機関であるエンジンユニット1のシリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。本実施形態で説明するエンジンユニット1は並列2気筒エンジンであって、各気筒ごとに吸気側(IN)及び排気側(EX)にそれぞれ2つのバルブ(つまり4バルブ)を有する。
【0029】
本実施形態の動弁装置は、吸気側において、気筒の列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニット10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配置されるタペットユニット20と、吸気制御するバルブユニット30と、必要に応じて各気筒の2つの吸気バルブ31のうち一方の吸気バルブ31を休止させるバルブ休止ユニット50とを含む。
【0030】
また、排気側において、吸気側と実質的に同様に構成されたカム/カムシャフトユニット10EXと、カム/カムシャフトユニット10EXの下側に配置されるタペットユニット20EXと、排気制御するバルブユニット30EXとを含む。なお、排気側においてバルブ休止ユニットは含まれない。
【0031】
また、アクセル開度に応じてカム/カムシャフトユニット10、10EXのカム13、13EXを変位させるアクセルシャフトユニット40を含むが、この実施形態では吸気側のカム/カムシャフトユニット10と排気側のカム/カムシャフトユニット10EXの間に配置され、吸気側及び排気側で共用される。
【0032】
カム/カムシャフトユニット10(及びカム/カムシャフトユニット10EX)において、シリンダヘッド2内でカムシャフト11がベアリング12を介して回転自在に支持される。
【0033】
カムシャフト11にはその軸方向にカム13がスライド可能に装着される。この例ではカムシャフト11がボールスプライン11aを有し、そのガイドによってカム13がボール14を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。なお、カムシャフト11は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成してカム13等に注油することができる。
【0034】
カムシャフト11の一端にはスプロケット15が固着する。図6に示すように、吸気側のスプロケット15と、同じく排気側のカムシャフト11EXの一端に固着するスプロケット15EXと、クランクシャフト(図示せず)の一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される。また、チェーンガイド5、チェーンテンショナ6、及びテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0035】
ここで、カム13は「3次元カム」として構成され、各気筒の吸気側及び排気側に1つずつ設けられる。図3、4に示すように長手方向(カムシャフト11の軸方向)に傾斜するカム部を有し、バルブリフト量を連続的に変化させる形状とされている。この場合、カム高さと同時にカム作用角及びリフトタイミングも変化し、すなわちバルブリフト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、さらにはバルブのリフトタイミングも変化させ得るように設定されている。
【0036】
タペットユニット20(及びタペットユニット20EX)において、外周面が球状面とされたタペットローラ21を備え、その球状面がカム13のカム面に接触する。タペットローラ21を支持するピン22はカムシャフト11とは平行にスライダ23に固定されており、ニードルベアリングを介してタペットローラ21を回転自在に支持する。なお、タペットローラ21はピン22の軸方向にはスライドしないように、スライダ23の内側に配置される。スライダ23は矩形の断面形状を持ち、タペットホルダ24に形成されたガイド孔24aにスライド可能に嵌合する。
【0037】
ガイド孔24aはバルブステムの軸方向に沿って形成されており、これによりタペットローラ21は、スライダ23を介してタペットホルダ24内部に収容されるかたちで浮動保持され、バルブステムの軸方向にのみ移動可能となる。このタペットローラ21がカム13のカム面に押されることにより、タペットユニット20がバルブを進退させるバルブリフタとして機能する。
【0038】
スライダ23の下部にはピン22と直交してピン25が軸支され、このピン25にニードルベアリングを介して天秤状腕部26(スイングアーム)が揺動可能に保持される。天秤状腕部26の両端にはタペットシム33と当接する押圧部26aが設けられるとともに、特に吸気側においては天秤状腕部26の片端の外側面に後述するバルブ休止ユニット50のタペットストッパ51との係合部として構成された嵌合凹部26bが形成される。
【0039】
この例では天秤状腕部26の揺動支点であるピン25は、タペットローラ21の中心(ピン22)に対して下方にオフセットして配置される。このようにオフセットすることにより、天秤状腕部26は図3に示されるように下方に凸に湾曲した形態となっている。天秤状腕部26はタペットストッパ51によって規制されていないときには、カムシャフト11とほぼ平行を保ったまま上下動する。また、タペットストッパ51によって規制されているときには、嵌合凹部26bを支点として揺動可能となる。
【0040】
なお、タペットユニット20のタペットホルダ24は、図4に示すように、この例では4つのボルト27によってシリンダヘッド2に固定される。この場合、2つのボルト27に対してアジャスタ28が装着され、その偏心カムによりタペットホルダ24をカムシャフト11の軸方向に位置調整し得るようになっている。
【0041】
バルブユニット30(及びバルブユニット30EX)において、バルブステム31aがバルブガイド32によってガイドされる2つの吸気バルブ31を備える。各バルブステム31aの端部には、天秤状腕部26の押圧部26aと当接するタペットシム33を有し、バルブリテーナ34とスプリングシート35の間にバルブスプリング36が装着される。
【0042】
なお、排気側におけるカム/カムシャフトユニット10EX、タペットユニット20EX、及びバルブユニット30EXは、吸気側の各ユニットと基本構成は同様であるが、カム/カムシャフトユニット10EXのカム13EXの具体的な諸元についてはカム13と異なる。
【0043】
アクセルシャフトユニット40において、カムシャフト11及びカムシャフト11EXと平行に配置されたアクセルシャフト41と、アクセルシャフト41に固着するとともにカム13及びカム13EXに連結するアクセルフォーク42とを備える。
【0044】
アクセルシャフト41はその軸方向にスライド可能に支持され、一端側で送りネジ41aを介してドリブンギヤ43(ホイール)と螺合する。ドリブンギヤ43はシリンダヘッド2に回転自在に支持され、アクセルモータ45の出力軸に固着したドライブギヤ46(ウォーム)と噛合する。従動側部材であるアクセルシャフト41側から力が作用しても、送りネジのリードを鉄の動摩擦係数以下とすることで駆動側部材であるドリブンギヤ43が動かないようにして、アクセル駆動エネルギ(アクセルモータ45の電力)を節約し、燃費の更なる向上を図ることができる。
【0045】
アクセルフォーク42は、アクセルシャフト41と直交方向にカムシャフト11及びカムシャフト11EX側へ延出し、それぞれ二股状の先端部がベアリング47を介して、カム13及びカム13EXの端部に回転自在に装着されたフォークガイド48と係合する。これによりアクセルシャフト41がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、カム13及びカム13EXがカムシャフト11及びカムシャフト11EXに沿ってそれぞれスライドする。
【0046】
バルブ休止ユニット50において、2つの吸気バルブ31の一方の吸気バルブ31を休止させるように構成されたタペットストッパ51を備える。タペットストッパ51は、シリンダヘッド2に装着されたスリーブ52のガイド孔52aに内挿され、カムシャフト11と平行にスライド可能である。
【0047】
タペットストッパ51の一端には天秤状腕部26の嵌合凹部26bに係合可能な球状のストッパ部51aが設けられ、他端には後述するフォークが係合するフォークガイド53が取り付けられる。ガイド孔52aには、ストッパ部51aを天秤状腕部26の嵌合凹部26b側へ付勢するリターンスプリング54が装着される。
【0048】
タペットストッパ51を駆動(後退駆動)するための駆動装置55は、カムシャフト11と平行に配置された駆動シャフト56を進退させる。駆動シャフト56にはフォーク57が結合しており、このフォーク57はタペットストッパ51のフォークガイド53と係合する。2つのタペットストッパ51は相互に、駆動シャフト56によって連結されており、同期作動するようになっている。
【0049】
ここで、図4、図7(図4のD−D線に沿う断面図)、図8(図4のE−E線に沿う断面図)に示すように、アクセルシャフトユニット40のドリブンギヤ43(ホイール)には、アクセルシャフト41と反対方向に延出する軸部61が形成されている。軸部61の先端には径方向に突出するアーム部62が形成されており、アーム部62の端部にアクセルシャフト41と平行に配置されたシャフト63が圧入固定され、シャフト63により遊星ギヤ64が回転自在に支持されている。
【0050】
また、シリンダヘッド2には、軸部61と同軸上に配置された軸65が固定されている。軸65により第1のギヤ66が圧入固定された状態で支持されており、遊星ギヤ64に噛合する。また、第1のギヤ66に隣り合うように軸65により第2のギヤ67が回転自在に支持されており、遊星ギヤ64に噛合する。第2のギヤ67にはピン68が突設されており、図8に示すように、そのピン68が第1のギヤ66の側面に形成された長孔形状の規制溝69に係合する。
【0051】
このようにした規制ユニット60では、アクセルモータ45が作動してドリブンギヤ43が回転すると、アーム部62の回転により遊星ギヤ64が第1のギヤ66の周りを公転するとともに自転する。そして、遊星ギヤ64の回転により第2のギヤ67が減速された状態で回転して、ピン68が規制溝69内を移動する。かかる構造においては、ピン68が規制溝69の端部に当接することによりドリブンギヤ43の回転が規制されることになる。
【0052】
以上述べた構成の動弁装置において、アクセルグリップ(もしくはアクセルペダル)を操作するとアクセルモータ45が作動し、その出力軸の回転によりドリブンギヤ43を介してアクセルシャフト41がスライドする。カム13及びカム13EXはアクセルフォーク42を介して、アクセルシャフト41の動きに連動してカムシャフト11及びカムシャフト11EXに沿ってスライドする。この実施形態では吸気側に加えて排気側においてもアクセル開度に応じてバルブリフト量及び作動角を無段階可変制御する。
【0053】
このように吸排気量をアイドル回転域から全開域までコントロールし、エンジン回転数(又は車両速度)に最も適した吸排気を行うことができる。例えば、エンジン低速時には、タペットローラ21はカム13に対してカム高さの低い部位に当接する。この状態で加速、すなわちアクセルを開くと、アクセルモータ45の作動によりドリブンギヤ43が回転して、アクセルシャフト41は図中右方にスライドする。カム13はアクセルフォーク42を介して、アクセルシャフト41の動きに連動してカムシャフト13に沿って、同様に図中右方にスライドする。カム13のスライドによりタペットローラ21は次第にカム高さの高い部位に当接し、バルブリフト量が増大する。一方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動作でバルブリフト量を減少させる。
【0054】
なお、エンジンの低中速回転域において、バルブ休止ユニット50のタペットストッパ51によって天秤状腕部26を規制し、一方の吸気バルブ31を休止させる。これによって、天秤状腕部26が嵌合凹部26bを支点として揺動して他方の吸気バルブ31のみをリフトさせて、燃焼室内に吸気スワール流を生成し、いわゆるリーンバーン化が可能となる。この場合、燃料の注入速度を速くすることで出力アップを図ることができる。
【0055】
バルブ休止時には天秤状腕部26が揺動するので、両方の吸気バルブ31をリフトさせる通常のバルブリフト量に対して、他方の吸気バルブ31のバルブリフト量が増大する。バルブ休止時には片方の吸気ポートによる吸気となるから、そのこと自体では吸気抵抗が高くなるが、リフト量の増大により実行バルブ開口面積は拡大する。これによりバルブ休止のON/OFF切替時におけるバルブ開口面積や吸気抵抗による吸気量の差を実質的になくし、あるいは僅少にしてスムーズな切替を行うことができる。
【0056】
ところで、アクセルモータ45が作動してアクセルシャフト41がスライドし、カム13(13EX)をカムシャフト11(11EX)に沿ってスライドさせる構造にあって、特にアクセルモータ45を安価に大駆動力とするために一般的なブラシ付きモータとする場合、カム13(13EX)のスライド方向両終端(全閉〜全開)間で高速駆動するとオーバシュートすることがある。そのため、図9に示すように、カム13(13EX)の全閉側及び全開側にそれぞれクリアランスを持たせる必要がある。
【0057】
このようにカム13(13EX)の全閉側と全開側とにそれぞれクリアランスを持たせると、カム13(13EX)のストロークがその分少なくなるため、カム部の傾斜をきつくしなければならず、タペットローラ21の幅を大きくする等の必要が生じ、高回転化の妨げとなりメカロスも増加する。また、万が一送りネジ41aがロックするまでオーバシュートすると、送りネジ41aの摩擦力でロック解除するのに大電力と時間を要することになり、消費電力が増加し、スムーズな運転の妨げにもなる。
【0058】
そこで、本実施形態では、上述したようにドリブンギヤ43の回転を規制する規制ユニット60を設け、ピン68が規制溝69の端部に当接するタイミング(ドリブンギヤ43の回転規制タイミング)が、全閉、全開側のロックより早く働くようにしている。すなわち、カム13(13EX)のスライド方向両終端位置が規制ユニット60により決められる。このようにした規制ユニット60を設けることにより、全閉側及び全開側のクリアランスを狭くすることができ、カム部の傾斜をきつくしなくてもよく、タペットローラ21の幅を大きくする等の必要がないので、慣性重量を軽くしてメカロスを低減させて高回転化が可能となる。また、送りネジ41aがロックするまでオーバシュートするのを規制することができるので、省電力化とスムーズな運転が可能となる。
【0059】
なお、従動側部材であるアクセルシャフト41側から力が作用しても駆動側部材であるドリブンギヤ43が動かないようするとともにアクセルモータ45の小さな駆動トルクを回転数で補う点から、ドリブンギヤ43側からアクセルシャフト41側に大きな減速比が必要となる。そのため、カム13(13EX)の全閉〜全開間でドリブンギヤ43は数回転するが、そのままで摩擦力が働かずに回転規制することができない。そこで、上述のように遊星ギヤ64、第1、2のギヤ66、67を用いて減速させ、第2のギヤ67が1回転以下となるようにすることで、ピン68と規制溝69とを用いた規制が可能となる。
【0060】
また、遊星ギヤ64としていわゆる不思議遊星ギヤ(ベアリングを使わず、ギヤのみの構造で大きなトルクを出すことができる)を用いれば、大きな減速比を確保しつつコンパクト化を図ることができ、図4に示すように第1、2のギヤ66、67を隣り合わせて配置することが可能となり、全体のコンパクト化、高精度化を実現することができる。
【0061】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、タペットユニット20(20EX)の天秤状腕部26(26EX)にバルブの隙間調整のためのアジャスタ機構を設けている。なお、動弁装置の基本構成は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、以下では上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0062】
以下、吸気側を図示する図10を参照して説明するが、排気側においても同様である。図10に示すように、タペットユニット20の天秤状腕部26の図中左端には押圧部26aが設けられるが、上記第1の実施形態で説明したタペットシム33をなくして、押圧部26aが直接バルブリテーナ34と当接するようにしている。なお、吸気側においては、天秤状腕部26の図中左端をやや大きめにして、その外側面にバルブ休止ユニット50のタペットストッパ51との係合部として構成された嵌合凹部26bが形成される。
【0063】
一方、天秤状腕部26の図中右端にはネジ穴71が形成されている。ネジ穴71には下方から挿入されるアジャスタボルト72が螺合し、天秤状腕部26の上面においてアジャスタボルト72の先端にアジャスタナット73が設けられる。すなわち、天秤状腕部26の図中右端では、押圧部26aが設けられるのではなく、アジャスタボルト72のボルト頭がバルブステム31の頂部と当接する。
【0064】
図3に示すようにタペットシム33を用いる場合、天秤状腕部26の両端側のうち一方の端部側のシム厚を固定しておき、他方の端部側のシム厚を調整することで各気筒2バルブの隙間調整を行う。この場合、タペットシム33の出し入れが可能なようにタペットローラ21やタペットホルダ24の位置をずらす必要がある。
【0065】
それに対して、本実施形態では、タペットローラ21やタペットホルダ24を組み付けた状態のままで、アジャスタナット73を回転させてアジャスタボルト72の位置を変更することにより各気筒2バルブの隙間調整を行うことができ、隙間調整のための作業時間の短縮化を図ることができる。
【0066】
しかも、アジャスタボルト72による調整となるので、隙間交差を小さくすることができる。したがって、特に吸気側においては、バルブ休止時のリフト量を非休止時の約2倍に近づけることができ、バルブ休止、非休止時における燃焼状態間の変化を小さくすることができる。
【0067】
さらに、図10に示すように、アジャスタ機構(アジャスタボルト72、アジャスタナット73)を、バルブ休止ユニット50との係合部(嵌合凹部26b)と反対側に配置することにより、やや大きめにした天秤状腕部26の図中左端と、アジャスタ機構を設けた天秤状腕部26の図中右端とに作用する重量バランスを同程度にすることができる。
【0068】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、排気側においても、必要に応じて各気筒の2つの吸気バルブ31EXのうち一方の吸気バルブ31EXを休止させるバルブ休止ユニット50EXを含む。バルブ休止ユニット50EXの具体的構成については吸気側のバルブ休止ユニット50と同様である。なお、動弁装置の基本構成は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、以下では上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0069】
図11、12に示すように、1気筒の2つの吸気バルブ31にそれぞれ独立した吸気ポート8が連通する。上述したように、エンジンの低中速回転域においてバルブ休止ユニット50によって一方の吸気バルブ31を休止させることにより、1気筒あたりの管路断面積が約1/2となるので吸気速度を速くすることができる。そして、下式(1)
L≒π/2・√(L’V/F)  …(1)
ただし、L:等価管長[m]
L’:実管長+管端補正長[m]
V:行程容積[m
F:1気筒あたりの管路断面積[m
からも理解されるように等価管長Lを約√2倍長くすることができるので、エンジンの低中速回転域において最大慣性効果を得ることができ、出力アップによる燃費向上を図ることができる。
【0070】
さらに、本実施形態では、1気筒の2つの排気バルブ31EXにそれぞれ独立した排気ポート8EXが連通する。また、シリンダヘッド2には排気管80が固定されており、排気ポート8EXにそれぞれ独立した排気管80が接続する。吸気側と同様に、エンジンの低中速回転域においてバルブ休止ユニット50EXによって一方の排気バルブ31EXを休止させることにより、1気筒あたりの管路断面積が約1/2となるので吸い出し効果を得ることができる。そして、上式(1)にも示したように、等価管長Lを約√2倍長くすることができるので、エンジンの低中速回転域において最大慣性効果が得られ、出力アップによる燃費向上を図ることができる。
【0071】
なお、独立とは、完全な独立を意味するのではなく、上記の効果が得られる程度の長さに設定された管路が独立に構成されていればよい。例えば、1気筒の各吸気ポート8はエアクリーナ114に接続するが、エアクリーナ114に対して独立したまま接続してもよいし、途中から1本の管路をなす状態で接続してもよい。
【0072】
また、バルブを休止させるための手段として、上述したバルブ休止ユニット50、50EX以外のものを用いてもかまわない。例えば、バルブスプリング36の代わりにバネ定数を変化させられるような付勢部材を使用し、エンジンの低中速回転域において吸気側、排気側の片側のバルブがリフトしないようにする構成とすれば、コストダウン及び軽量化を図ることができる。
【0073】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、カム13のカム部の傾斜に特徴を有する。なお、動弁装置の基本構成は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、以下では上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0074】
図13に示すように、カム13は、エンジンの低速回転域から高速回転域に対応する領域13aと、エンジンの極低速回転(アイドリング)域に対応する領域13bとを有する。
【0075】
図14には、カム13の3次元カム構成諸元の一具体例を示す。カム13の領域13aにおいては、エンジンの低速回転域ではカム高さが低く、高速回転域になるに従いカム高さが高くなるよう設定される。かかるカム13をカムシャフト11の軸方向にスライドさせることにより、吸気バルブ31のリフト量、作用角及びリフトタイミングを無段階に可変制御することができる。
【0076】
ここで、例えば図14に示すバルブリフトカーブ特性を実現させるためには、カム13のカム面に、リフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点a〜aをスライド方向に順に配置する必要がある。この場合に、図13の実線に示すように、カム高さ頂点a〜aのスライド方向軌跡を直線状、すなわちカム高さ頂点a〜aと軸方向寸法とが比例するようにすれば、カム設計は容易である。
【0077】
ところが、カム高さ頂点a〜aのスライド方向軌跡が直線状である場合、各カム高さ頂点a〜a付近でのタペットローラ21のころがり接触点(線)が常に同じ個所(直線に対して垂直に接触する個所)となってしまう。カム高さ頂点a〜a付近では、バルブスプリング36の荷重によるヘルツ応力が最大となるため、その応力がタペットローラ21の同じ個所に常に作用すると寿命が短くなってしまう。
【0078】
そこで、図13のTYPE1〜3に示すように、リフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点のスライド方向軌跡を曲線状、すなわちカム高さ頂点と軸方向寸法とが比例しないように設計する。例えば、TYPE1でいえば、リフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点b〜b(カム高さ頂点a〜aと同じ高さ)が図中右側に偏在する。逆に、TYPE3でいえば、符号は省略するが、リフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点(カム高さ頂点a〜aと同じ高さ)が図中左側に偏在する。
【0079】
このようにリフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点のスライド方向軌跡が曲線状であれば、各カム高さ頂点a〜a付近でのタペットローラ21のころがり接触点(線)が変化する。TYPE1で具体的に説明すれば、カム高さ頂点b〜bあたりでは急峻なので、タペットローラ21の球状面の端部付近がころがり接触点(線)となるが、カム高さ頂点b〜bあたりでは平坦になる(平坦に近くなる)ので、タペットローラ21の球状面の中央付近(ローラ最大径頂点付近)がころがり接触点(線)となる。このようにころがり接触点(線)が変化するので、応力がタペットローラ21の同じ個所に集中するのを避けて、寿命を長くすることができる。
【0080】
平坦な領域とは、カム軸を軸の剪断方向から見たときにおいて、カム山のカム山頂点、カム山中腹等において複数箇所で想像できるカム軸方向の接線がカム軸中心となす角が小さい、すなわち、カム軸中心に限りなく平行な形状であるカム面をさす。
【0081】
ところで、TYPE1ではリフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点b〜bあたりが平坦になるのに対して、TYPE2ではリフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点あたりが平坦になり、TYPE3ではリフトカーブ頂点T〜Tを得るためのカム高さ頂点あたりが平坦になる。一方で、タペットローラ21のローラ最大径頂点付近がころがり接触点(線)となるほうが、カム13に対する接触周期が長くなることから耐久性という点では望ましい。
【0082】
上記の点から、TYPE1〜3のいずれを選択するかは車種等に応じて決めればよい。すなわち、リフト量が大きい状態を常用する場合、例えばレース用の車種等では、高リフト側(カム高さ頂点b〜b)で平坦となるTYPE1を採用すればよい。また、リフト量が中程度の状態を常用する場合、例えば高速道路が発達し車速が比較的高いヨーロッパ市場の車種やハーフ開度使用度が高い船外機等では、中リフト側で平坦となるTYPE2を採用すればよい。また、リフト量の小さい状態を常用する場合、例えば高速道路での車速が低く街中走行の多いアジア市場の車種等では、低リフト側で平坦となるTYPE3を採用すればよい。このようにTYPE1〜3を選択すれば、長い時間使用される常用域において、タペットローラ21のローラ最大径頂点付近がころがり接触点(線)となるので、寿命を長くすることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、吸気側のカム13に対して本発明を適用したが、排気側のカム13EXに適用することもできる。
【0084】
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、各実施形態において2気筒エンジンの場合の例を説明したが、本発明は単気筒のエンジンや3気筒以上のエンジンに対しても有効に適用可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、3次元カムがカムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御するように構成された動弁装置にあって、動弁装置としての性能特性を向上させることができる。
【0086】
すなわち、駆動側部材の駆動を規制してカムのスライド方向両終端位置を決める規制ユニットを設けることにより、カムのスライド方向両終端位置側のクリアランスを狭くすることができるので、カム部の傾斜をきつくしなくてもよく、タペットローラの幅を大きくする等の必要がないので、慣性重量を軽くしてメカロスを低減させて高回転化が可能となる。また、従動側部材と駆動側部材の螺合がロックするまでモータ等の駆動源がオーバシュートするのを規制することができるので、省電力化とスムーズな運転が可能となる。
【0087】
また、天秤状腕部の一端にバルブの隙間調整のためのアジャスタ機構を設けることにより、隙間調整のための作業の容易化、時間短縮化を図ることができる。
【0088】
また、1気筒に設けられた複数の排気バルブのうち一部を休止させるバルブ休止手段を設けるとともに、1気筒に設けられた複数の排気バルブそれぞれに独立した排気管路を連通させることにより、例えばエンジンの低中速回転域において一部の排気バルブを休止させたときに、1気筒あたりの管路断面積が小さくなるので吸い出し効果を得ることができる。また、等価管長を長くすることができるので、最大慣性効果が得られ、出力アップによる燃費向上を図ることができる。
【0089】
また、カムのカム高さ頂点のスライド方向軌跡を曲線状とすることにより、カムのカム面に追従する球状面のころがり接触点(線)が変化するので、応力が同じ個所に集中するのを避けて、寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用例に係るエンジンまわりを含む自動二輪車の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態の動弁装置の要部を示す断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図4のC−C線に沿う断面図である。
【図6】動弁装置の回転駆動系を示す図である。
【図7】図4のD−D線に沿う断面図である。
【図8】図4のE−E線に沿う断面図である。
【図9】規制ユニットのない動弁装置の要部を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態の動弁装置の要部を示す断面図である。
【図11】第3の実施形態の動弁装置の要部を示す断面図である。
【図12】図11のP方向から見た管路(吸気ポート8、排気ポート8EX及び排気管80)の配置関係を示す図である。
【図13】第4の実施形態におけるカム13のカム高さ頂点のスライド方向軌跡を表す図である。
【図14】カム13の3次元カム構成諸元の一具体例を示す図である。
【符号の説明】
1       エンジンユニット
2       シリンダヘッド
8       吸気ポート
EX      排気ポート
10(10EX) カム/カムシャフトユニット
11(11EX) カムシャフト
13(13EX) カム
20(20EX) タペットユニット
21(21EX) タペットローラ
26(26EX) 天秤状腕部
30(30EX) バルブユニット
31      吸気バルブ
31EX     排気バルブ
40      アクセルシャフトユニット
41      アクセルシャフト
41a     送りネジ
43      ドリブンギャ
45      アクセルモータ
50(50EX) バルブ休止ユニット
60      規制ユニット
64      遊星ギヤ
66      第1のギヤ
67      第2のギヤ
68      ピン
69      規制溝
71      ネジ穴
72      アジャスタボルト
73      アジャスタナット
80      排気管

Claims (9)

  1. カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、
    前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、
    前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、
    駆動源の駆動力が伝達される駆動側部材と、
    前記駆動側部材に螺合し、前記駆動側部材の駆動に従動して前記カムをスライドさせる従動側部材と、
    前記駆動側部材の駆動を規制して前記カムのスライド方向両終端位置を決める規制ユニットとを備えたことを特徴とする動弁装置。
  2. 前記規制ユニットは前記駆動側部材の駆動を減速させるギヤを含むことを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  3. カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、
    前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、
    前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、
    前記バルブリフタは、揺動可能に支持されるとともに、前記カムのカム面に押圧されて前記カムシャフトと略平行を保ったまま移動して両端部でそれぞれバルブを進退させる天秤状腕部を有し、
    前記天秤状腕部の一端にバルブの隙間調整のためのアジャスタ機構を設けたことを特徴とする動弁装置。
  4. 前記天秤状腕部の他端の移動を規制することにより当該他端側のバルブを休止させるバルブ休止ユニットを備えたことを特徴とする請求項3に記載の動弁装置。
  5. カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された排気制御用のカムと、
    前記カムのカム面に押圧されて、1気筒に設けられた複数の排気バルブを進退させるバルブリフタとを備え、
    前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、
    前記1気筒に設けられた複数の排気バルブのうち一部を休止させるバルブ休止手段を設けるとともに、前記1気筒に設けられた複数の排気バルブそれぞれに独立した排気管路を連通させることを特徴とする動弁装置。
  6. カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成された吸気制御用のカムと、
    前記カムのカム面に押圧されて、1気筒に設けられた複数の吸気バルブを進退させるバルブリフタとを備え、
    前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とし、
    前記1気筒に設けられた複数の吸気バルブのうち一部を休止させるバルブ休止手段を設けるとともに、前記1気筒に設けられた複数の吸気バルブそれぞれに独立した吸気管路を連通させることを特徴とする請求項5に記載の動弁装置。
  7. カム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、
    前記カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備え、
    前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量及びバルブ作動角を無段連続に可変制御する構成とした動弁装置であって、
    前記バルブリフタは、前記カムのカム面に追従する球状面を有する接触子を有し、
    前記カムのカム高さ頂点のスライド方向軌跡が曲線状になっていることを特徴とする動弁装置。
  8. 前記曲線のうち平坦な領域を常用域とすることを特徴とする請求項7に記載の動弁装置。
  9. 吸気バルブ及び排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の動弁装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8955476B2 (en) 2009-11-25 2015-02-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Variable valve operating apparatus for internal combustion engine

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