JP2006070413A - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】低密度で不透明度、剛度が良好であり、更に低白紙光沢にもかかわらず高い印刷光沢度を有する印刷用塗工紙を提供することである。
【解決手段】 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、填料として軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有した原紙上に、顔料粒子の粒径分布が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる顔料を有する塗工層を設けることを特徴とする印刷用塗工紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷用塗工紙に関し、特に低密度で印刷適性の優れた印刷用塗工紙に関するものである。
近年、印刷物に対し、写真や図案を多用し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達しようとする要望が高い。一方、省資源、輸送コストなどの点から印刷物の軽量化に対しても強い要望がある。この二つの要望は相反する物であって、視覚に訴えるのに適するグレードの塗工紙は、原紙坪量、塗工量共に多くなる傾向にある。
一般に塗工紙は、高光沢塗工紙と艶消し塗工紙に大別される。高光沢塗工紙は、従来高級印刷に用いられてきたアート紙、スーパーアート紙、コート紙などであり、印刷仕上がりは、白紙光沢も印刷光沢も高いグロス調である。艶消し塗工紙は白紙光沢と印刷光沢によりダル調、マット調がある。マット調は、白紙面、印刷面共に光沢が低くフラットで落ち着いた感じの印刷物で、ダル調は、白紙光沢度は低いが、印刷光沢度は高いという、グロス調とマット調の中間のものである。マット調は、従来のグロス調に比べて印刷後の文字部が読みやすく、近年需要が増えている。高光沢塗工紙、ダル調塗工紙、マット調塗工紙は印刷前の白紙光沢度に差はあるものの、いずれにおいても、印刷後の光沢度が高いこと、またインキ着肉性が良好であることが求められている。
また、塗工紙は原紙に100%化学パルプを使用した上質塗工紙と、一部機械パルプを使用した中質塗工紙に分けられる。中質塗工紙は、機械パルプを含むため、上質塗工紙と比較して白色度に劣るが、白色度が高いことも、印刷物の内容を視覚に訴えるためには重要な要素の一つであり改善を必要としている。
近年、雑誌および書籍は重厚なものから軽いものが好まれるようになってきた。これに伴い、紙にも軽量化が求められてきている。また環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上でも紙の軽量化は避けて通れない問題であり、印刷用塗工紙の分野においても、軽量化の傾向にある。
従来の印刷用塗工紙に軽量化を試みた場合、原紙坪量を相対的に低くする必要があり、それに伴い、低坪量化にともない塗工量も減少させざるをえなくなるため、従来の技術に基づき印刷用塗工紙を生産した場合、不透明度、剛直性に劣り、印刷光沢度などの印刷適性も低下する。
また、塗工原紙を嵩高にし、低塗工量で原紙被覆性を良好にする方法もある。
原紙の低密度化の方法として、紙の主原料である製紙用パルプの検討があげられる。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されている。低密度化のためのパルプとしては、化学薬品により繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプより、薬品は使用せずリファイナーやグラインダーで木材を磨り潰すことにより製造される機械パルプの方が繊維は剛直であり、低密度化には有利である。その中でもグランドパルプ(GP)は低密度化への寄与は大きい。しかしながら、機械パルプを多く配合する場合、白色度、塗工適性等に劣る問題がある。通常製紙用パルプは叩解処理によって繊維を柔軟にし、フィブリル化するが、叩解処理は低密度化とは相反する処理であり、出来るだけ行わないことが低密度化のためには望ましい。
パルプ化樹種の選択によっても、紙の密度は大きく影響を受ける。すなわち、木材繊維自体が粗大な方が低密度化が可能である。例えば広葉樹材においては、比較的低密度化が可能な樹種としてはガムウッド、メープル、バーチなどが上げられる。しかしながら、現在の環境保護気運の高まりの中では特にこれら樹種のみを特定して集荷しパルプ化することは困難である。
近年の環境保護気運の高まりや、資源保護の必要性から古紙パルプの配合増が求められている。古紙パルプは上質紙、新聞紙、雑誌、チラシ、塗工紙等その紙質上から明確に分類してパルプ化される場合は少なく、混合されたままパルプ化されるため、パルプの性質としてバージンの機械パルプと比較して密度は高くなる傾向にある。この理由として古紙パルプの繊維分は化学パルプ、機械パルプの混合物であることがあげられる。
以上のように、従来の手法をベースにパルプのみを変更して印刷用塗工原紙を得たとしても、不透明度および剛直性は十分なものでは無く、この手法のみでは軽量化された印刷用塗工紙を得ることは困難である。
抄造時における低密度化の検討としては、抄造時にはそのプレス行程で出来るだけプレス圧を低くすること、また紙の表面に平滑性を付与するために行われるカレンダー処理は行わない方がよい。
このようなパルプ化、抄造時の工夫のほかに、塗工原紙に対してパルプに次いで多く配合されている填料分の検討も行われている。例えば、填料分として中空の合成有機物のカプセルを配合することにより低密度化を達成する方法が知られている。また、抄紙時のドライヤー部での熱にて膨張することにより低密度化を達成する合成有機発泡性填料(例えば商品名:EXPANSEL、日本フィライト株式会社製)も提案されている。しかしながら、これらの合成有機発泡性填料を用いる方法では抄紙時の乾燥条件が難しく、またこの手法のみで変更して印刷用塗工紙を得た場合においても、低密度かつ印刷適性が優れた印刷用塗工紙の製造は困難である。
また、填料分ではないが、微細フィブリル化セルロースを添加する方法も提案されている(特許文献1参照)。この微細フィブリル化セルロースを用いる方法では、微細セルロースを特別に調整する必要があり、さらに抄紙時にパルプのフリーネスをCSF400ml以上、好ましくはCSF500ml以上にする必要があり、機械パルプなどを多く配合した紙料では、フリーネスを調節することが困難であった。
上記の方法を組み合わせて嵩高原紙を抄造したとしても、嵩高原紙は一般の原紙と比較して空隙量が多いため、顔料と接着剤を含有する塗工液は原紙内部に浸透しやすく、原紙被覆性は一般原紙に塗工する場合と比較して劣る。塗工液の原紙被覆性が劣る場合、印刷光沢度などの印刷適性も劣る。また、原紙にしみ込みにくい塗工液を塗工した場合においても、低密度で剛度、不透明度等が良好なものを得ることは不十分であった。
印刷適性を向上させる手法として、平滑性を付与する手法が考えられるが、一般的な方法である高線圧でスーパーカレンダー処理した場合、塗工層表面は平滑になるが、塗工紙密度が高くなる。
印刷方式の多様化にともない、印刷用塗工紙に対する品質の要求も高くなり、それに伴い様々な技術が開発されている。例えば、表面の平滑性を上げ、印刷品質を高める方法として広く知られる、カレンダ仕上げ方法においても、従来のスーパーカレンダーに代わり、高温カレンダによる方法が多数提案されており、仕上げ速度の高速化とともに、印刷光沢度、不透明度および剛度等が相対的に向上されることが報告されているが、この手法のみを変更して印刷用塗工紙を得た場合においても、低密度のものを得ることは困難である。
例えば無定型シリカを特定量内添した嵩高原紙に、顔料粒子が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布を有する顔料の塗工層を設けて、ソフトカレンダー処理することにより、低密度で原紙被覆性が良好になり、印刷光沢度などの印刷適性に優れる印刷用塗工紙が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、不透明度、剛度等が十分に満足できるものではなかった。
以上のように、従来の技術においては、低密度で、不透明度、剛度が良好であり、低白紙光沢にもかかわらず高い印刷光沢度を有する印刷適性等に優れた印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
特開平8−13380号公報 特開2000−345493号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、低密度で不透明度、剛度が良好な印刷用塗工紙を得ることである。また、低密度で不透明度、剛度が良好であり、更に低白紙光沢にもかかわらず高い印刷光沢度を有する印刷用塗工紙を提供することである。
本発明は、原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、原紙に軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有し、顔料として、顔料粒子の粒径分布が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる顔料を有することにより、低密度で紙厚があり、不透明度と剛度を良好に保つことができ、白紙光沢度は低いままで、相対的に印刷光沢度が高い画像を得ることができる。本発明において、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が紙中填料として1〜25重量%含有していることが好ましい。また、原紙の製紙用パルプとして機械パルプを全パルプ中10重量%以上含有することが好ましい。また、塗工紙を剛性ロールの温度が100℃以上のソフトニップカレンダーで処理することが好ましい。また、原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、填料として、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有した原紙上に、塗工層を設けることにより、低密度で紙厚があり、不透明度と剛度が高く良好な印刷用塗工紙を得ることができる。
本発明により、低密度で不透明度、剛度が良好であり、更に低白紙光沢にもかかわらず高い印刷光沢度を有する印刷用塗工紙を得ることができる。
本発明においては、特定の填料を含有する低密度の原紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗工層を原紙上に設けて、印刷用塗工紙を得るものである。
本発明においては、塗工用顔料として体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布の顔料を使用することが重要である。体積基準で0.4〜4.2μmの範囲が入る粒子が65%以下であって、体積分布粒径が小さい粒子を多く含む顔料を使用した場合、白紙光沢度は高くなるが、体積分布粒径が大きい粒子が多い顔料を使用した場合と比較して、印刷光沢度は低く、原紙被覆性も劣る。そのため、体積分布粒径が小さい粒子が多い顔料を使用し、塗工量を減らした場合、たとえ原紙坪量を増やしたとしても優れた白紙外観と印刷適性を備えた嵩高な印刷用塗工紙を製造することは困難である。また、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に入る粒子が65%以下であって、体積分布粒径が大きい粒子を多く含む顔料を使用した場合、印刷光沢度及び原紙被覆性は良好になるが、体積分布粒径が小さい粒子が多い顔料を使用した場合と比較して白紙光沢度が低くなりすぎ、やはり優れた白紙外観と印刷適性を備えた嵩高な印刷用塗工紙を製造することは困難である。尚、顔料粒子が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる顔料とは、塗工層に使用する全顔料の粒度分布をMALVERN Instruments社製Laser Diffraction粒度分布測定器を用いて、レーザー法による体積分布粒径分布を測定し、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれることである。
本発明で用いられる顔料の種類は、上記の条件を満たす物であれば特に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの無機顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。本発明においては、印刷適性等を向上させるために、エンジアードカオリンを好ましくは顔料100重量部当たり50重量部以上、より好ましくは70重量部以上含有することが好ましい。
本発明の塗工層に用いられる接着剤としては、発明の目的を損なわない範囲で複数の接着剤を併用することができる。接着剤としては塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいは無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉などの通常の塗工紙用接着剤1種以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤の総量は、印刷適性、塗工適性の点から、顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で使用される
本発明の塗工液には、分散剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使用しても良い。本発明においては、保水性を向上させる場合は、アクリル系合成保水剤、ヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましく、会合型のアクリル系合成保水剤を使用するのがより好ましい。会合型アクリル系合成保水剤は、塗工液の保水性を向上させ、かつ塗工液の高ずり粘度を低くする働きがある。そのため、高速塗工に適するとともに、塗工時に塗料が塗工原紙内部に押し込まれず、原紙上の塗工層を嵩高にし、塗工層のクッション性が向上する。尚、アクリル系合成保水剤および/またはヒドロキシエチルセルロースを用いる場合、配合量としては、顔料100重量部に対して0.1〜1.0重量部が好ましい。
本発明において、原紙を構成するパルプは、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることできるが、機械パルプを10重量%以上含有させることが好ましい。機械パルプは化学パルプに比べ繊維が剛直なので、機械パルプを配合した原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れることが少なく、全体として嵩高になるから、原紙内部の空隙量が増し、不透明度が向上し、同時に剛度も大きくなる。機械パルプの中でもグランドパルプは低密度化への寄与が高く好ましく用いることができる。機械パルプの配合量が10重量%未満では、填料やカレンダー条件を最適化しても相対的に不透明度および剛度が劣る。機械パルプは白色度や塗工適正等の点から製紙用パルプの60重量%以下とすることが好ましい。特に古紙パルプの使用は、資源の有効使用及び環境に優しいという点で好ましい。
本発明においては、原紙に用いる填料として、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を全量または一部に使用することにより、塗工紙密度は低く、十分な剛度を備えた塗工紙を製造することができる。この軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は、紙を低密度化する効果に優れ、吸油量が大きく、不透明度を向上させる効果に優れるという特性を有する粒子である。また、カレンダー処理を行った後でも、従来の填料と比較して低密度を維持しやすいといった効果にも優れる。このため、従来の填料では、塗工紙の嵩を維持するためにカレンダー線圧を低く抑えなければならなかったため平滑性は低く、紙の嵩高性と引き替えに印刷適性が劣るという欠点があった。しかし、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を用いることにより、従来の填料ではなしえなかった高平滑度、低密度といった相反する性質を発揮することができる。本発明においては、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を紙中填料として1〜25重量%の割合で含有していることが好ましく、3〜20重量%がより好ましく、更に好ましい範囲は3〜15重量%である。該紙中填料が1固形分重量%未満では、印刷用塗工紙の密度低下と不透明度向上効果は十分ではなく、25重量%を超えた場合は、層間強度が十分ではなくなり、印刷時に層間剥離現象が生じる場合があり、好ましくない。
本発明においては、軽質カルシウム−シリカ複合物を含有した低密度の原紙に、特定の顔料を含有する塗工液を塗工することにより、塗工液が原紙に浸透しにくくなり、塗工量を減らしても原紙被覆性が良好なため、インキ着肉性、印刷光沢度などの印刷適性等に優れ、白色度、剛度、不透明度にも優れ、更なる低密度化をはかることが可能になる。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は、軽質炭酸カルシウムを含んでいるため、紙を酸性抄紙で抄造する場合には、その酸性によって粒子内部の軽質炭酸カルシウムが分解または溶解する可能性がある。従って、中性抄紙〜アルカリ性抄紙で紙を抄造することが好ましい。
本発明の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造方法は、炭酸カルシウムを生成する過程でケイ酸を反応させる方法や、生成した炭酸カルシウムの表面にケイ酸を反応させる方法などがある。
本発明においては、特に生成した炭酸カルシウムの表面にケイ酸を反応させる方法が、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム複合粒子が得られ、嵩高、不透明度、剛度等の品質のバランスが良好になるために好ましい。以下のこの方法について説明する。
最初に軽質炭酸カルシウムを水中に分散させる。この炭酸カルシウムの結晶形態はカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。なお、ロゼッタ型とは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子が毬栗状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。また軽質炭酸カルシウムは粉砕処理を施して使用しても良い。
この軽質炭酸カルシウムの反応原液中の濃度は、後述の軽質炭酸カルシウムとケイ酸の配合比率が重要であるため、ケイ酸濃度の影響も加味しなくてはならないが、1〜20重量%が好ましい。1%未満の低濃度であると、1バッチあたりの生産量が少なく、生産性に問題がある。また20%を超える高濃度とすると分散性が悪く、また軽質炭酸カルシウム量と比較して、反応に用いるケイ酸アルカリ濃度が低くなるため、反応時の粘度が上昇し、操業性に問題がある。
ついでこの軽質炭酸カルシウムスラリーに、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ溶液に分解した形のケイ酸を加える。一般的に工業用に用いられるものは、ケイ酸ソーダ(ナトリウム)もしくはケイ酸カリウムであるが、ケイ酸アルカリのモル比はいずれでも良い。3号ケイ酸はSiO:NaO=3〜3.4:1程度のモル比の物であるが、一般に入手しやすく、適度に使用される。軽質炭酸カルシウムとケイ酸アルカリとの仕込み量比は、生産する軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物中の炭酸カルシウムとシリカの重量比が目標とする範囲に入るように仕込む。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の炭酸カルシウムとシリカの重量比は、CaCO/SiO=30/70〜70/30が好ましい。
このスラリーをアジテータ、ホモミキサー、ミキサー等で攪拌、分散させるが、これは軽質炭酸カルシウムが水に十分分散し、軽質炭酸カルシウムの粒子が極端に凝集してなければ問題ない。
次に酸を用いた中和反応を行う。この場合、酸は鉱酸ならいずれでも良く、さらには鉱酸中に硫酸バンドや硫酸マグネシウムのような酸性金属塩を含む酸でも使用できる。工業的には硫酸、塩酸等の比較的安価で購入できる酸が好ましい。高濃度の酸を用いた場合、酸による中和時の攪拌が不十分であると、高濃度の酸の添加により部分的にpHの低い部分ができ、軽質炭酸カルシウムが分解するため、酸添加口でホモミキサー等を用いた強攪拌を行う必要がある。一方、あまり希薄な酸を用いると、酸添加により全体的な容量が極端に増えてしまうので好ましくない。この面からも、0.05N以上の濃度の酸を用いることが適当である。鉱酸または酸性金属塩水溶液の添加は、アルカリ性であるケイ酸金属塩水溶液と軽質炭酸カルシウムとの混合物の沸点以下の温度で行う。この中和処理によりケイ酸塩を析出させ、非晶質ケイ酸を形成し、これが軽質炭酸カルシウム粒子の表面を被覆する。
さらに、この酸添加は数回に分けて行っても良い。酸添加後、熟成を行っても良い。なお、熟成とは酸添加を一時中止し、攪拌のみを施して放置しておくことを指す。この熟成中に強攪拌や粉砕を行い、粒子の形態をコントロールすることも可能である。
次に、上記酸添加によるスラリーの中和はpH=7〜9を目標に行う。析出してきたケイ酸分により軽質炭酸カルシウムが被覆されていくが、酸性側(pH7未満)にすると、軽質炭酸カルシウムが分解してしまう。一方、pHが高い(9.0超)状態で中和を終了すると、ケイ酸分の析出が十分に行われず、スラリー中に未反応のケイ酸分が残り、ケイ酸分のロスが多くなり、工業的には好ましくない。そのため、目標pHは7〜9で中和を終了させる。
このようにして製造された軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物は、軽質炭酸カルシウム粒子表面をシリカが被覆した懸濁液の状態となる。この懸濁液のまま抄紙工程に使用しても良いが、生産規模が小規模の場合には濾紙やメンブランフィルター等の濾過設備、中規模以上の場合にはベルトフィルターやドラムフィルター等を用いた濾過、または遠心分離機を用いた遠心分離を行うことによって固液分離を行い、中和反応で生成した余分な副生成物である塩を極力取り除いた方が好ましい。これは余分な塩が残存していると、抄紙工程においてこの塩が難溶性の金属塩(例えば硫酸カルシウム)に変化し、これを原因としたスケーリングの問題を発生するおそれがあるためである。さらにこの固液分離を行った固形分濃度10〜50%のケーキ状複合物を、水またはエタノールにより再分散後、再び固液分離を行い、さらに余分なケイ酸や副生成物である塩を取り除いても良い。
得られた軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物は、目的粒子径より大きい組成物を取り除くため、スクリーン等を用いて、100μm以上の粒子を除去する。
軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の平均粒子径の調整は、前述のように、熟成中に強攪拌や粉砕を行うことにより粒子の形態をコントロールすることも可能であるが、中和反応終了または反応終了後の固液分離したものを、湿式粉砕機を用いて目的の平均粒子径に調整しても良い。また、この組み合わせにより平均粒子径を調整しても良い。
粗大粒子を除去した後、あるいは粗大粒子除去後さらに強攪拌や粉砕処理を施した軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物の平均粒子径は、30μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは1〜10μmである。
また本発明においては、填料として軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他の無機、有機填料を使用することができる。その種類については、無定型シリカ、無定型シリケート、タルク、カオリン、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができ、填料の配合量は、パルプ重量に対して1〜25重量%程度である。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用したマシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、新聞古紙から得られる回収古紙パルプを含む中質原紙も使用できる。また、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレスを使用して、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用できる。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が30〜400g/m、好ましくは、30〜200g/m程度、特に好ましくは原紙の不透明性や通紙性が問題となってくる80g/m以下のものが適宜用いられる。本発明おいて原紙の密度は、0.3g/cm以上0.8g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは密度が0.3g/cm以上0.6g/cm以下である。密度が0.3g/cm以上0.8g/cm以下の原紙ものを用いて、本発明で規定した塗工液を塗工することにより、塗工量を減らしても原紙被覆性が良好なため、インキ着肉性に優れ、更なる低密度化をはかることが可能になる。
塗工原紙に調整された塗工液を塗工する方法としては、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工する。塗工量は、所望の特性に応じて決定されるが、本発明の場合はおよそ原紙坪量が60g/m以下の場合、片面当たり6〜10g/m、40g/m以下の場合5〜8g/mの少ない塗工量で、充分な被覆性と、印刷光沢度を得ることができる。
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
本発明においては、上述した塗工原紙に塗工液を塗工乾燥して得られた塗工紙は、スーパーカレンダーやソフトカレンダーなどのカレンダー処理をすることができる。特に、低密度、剛度、印刷適性をバランスよく向上させるためには、弾性ロールと100℃以上に加熱した剛性ロールからなる高温ソフトニップカレンダーで表面仕上げを行うことが好ましく、より好ましくは、剛性ロールの温度が150℃以上である。塗工紙の含有水分が適当であれば、剛性ロール温度が高いほど低いニップ圧あるいは短いニップ滞留時間で原紙あるいは塗工層を平滑化することができるが、100℃未満ではこの効果が小さい。従来のスーパーカレンダーを使用して得られる、同程度の白紙光沢度及び印刷光沢度を、高温ソフトニップカレンダーで得るには、低ニップ圧且つ短いニップ滞留時間とすることができるから、塗工層及び原紙の密度は低くなり、不透明度が高く、剛度がある低密度で嵩高な塗工紙となり、その上従来のスーパーカレンダーより処理速度が速く、巻き取りの枠替えなどが省略できるため、効率よく生産でき操業性に優れる。
また、高温ソフトニップカレンダーは、温度のみならずニップ滞留時間も重要である。この点から、実際の操業では、ロール相当径300mm以上、弾性ロールのショアーD硬度80〜100、好ましくは85〜95であって、ロール相当径500mmに換算した場合、通紙速度400〜3000m/分、線圧30〜500kg/cm、カレンダー前塗工水分5〜8%で、カレンダーニップ数2以上で処理を行うことが好ましい。尚、ろーる相当径とは、A.V.Lyonsらが下記の計算式で示した(1990 TAPPI Finishing and Converting, P5)ロール相当径(equivalent diameter)を指す。
(ロール相当径)=(ソフトロール径)×(ヒートロール径)/{(ソフトロール径)+(ヒートロール径)}
尚、本発明においては、塗工紙の密度が0.90〜0.40g/cmのあるいは白紙光沢度が50%以下の印刷用塗工紙について効果が顕著である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。尚、塗工液および得られた印刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
〈評価方法〉
(1)内添填料の平均粒子径:軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物のスラリーを、分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2%を添加した純水中に滴下混合して均一分散体とし、レーザー法(MALVERN Instruments社製、粒度測定機マスターサイザーS型)で測定した、体積累積分布の50%部分を平均粒径とした。
(2)塗工顔料の体積粒度分布測定:顔料スラリーを、分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2%を添加した純水中に滴下混合して均一分散体とし、レーザー法(MALVERN Instruments社製Laser Diffraction粒度分布測定器)で体積分布粒径分布を測定した。測定後、粒径が0.40〜4.20の範囲に入る部分の含有量を求めた。
(3)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(4)印刷光沢度:RI−II型印刷試験機を用い、東洋インキ製造株式会社製オフセット印刷用枚葉プロセスインキ(TKハイエコー紅 MZ)を0.30cc使用して印刷を行い、一昼夜放置後、得られた印刷物の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(5)強度:RI−II型印刷試験機を用い、東洋インキ製造株式会社製特殊インキ(SMXタックグレード15)を0.40cc使用して印刷を行い、裏取りを行い、剥けの状態を以下の基準で目視評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(6)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(7)不透明度:JIS P 8138に基づいて測定し、評価は以下の基準で行った。
○:良好、△:やや劣る
(8)剛度:JIS P 8143に基づいて測定し、評価は以下の基準で行った。
◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(9)塗工適性:ブレード塗工時のストラクタイト、ストーリーク、スクラッチの発生状況を目視で評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
〈軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの製造方法〉
(製造例1:軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物Aの調製)
反応容器中に市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名 アルバカー5970 SMI社製)10部を水に分散し、ここにSiO2濃度18.0wt/wt%、Na20濃度6・1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を57部加えた後、水を加え、全量を200部とした。この混合スラリーをアジテータで十分に撹拌しながら加熱し、85℃としたスラリーに、10%硫酸溶液を撹拌しながら添加した。添加方法は、温度一定を保ち、硫酸添加後の最終pHは8・0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加し、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aスラリーを得た。このときの軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの平均粒子径は3.4μmであった。
[実施例1]
エンジニアードカオリン(Engelhard社製ECLIPS,体積分布平均粒径0.40〜4.20:65.3%)80部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−90、体積分布平均粒径0.40〜4.20:71.9%)20部からなる顔料(体積分布平均粒径0.40〜4.20:66.6%)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加して(対無機顔料 0.2部)セリエミキサーで分散し、固形分濃度70%の顔料スラリーを調整した。この様にして得られた顔料スラリーに、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度20℃、ゲル含量85%)10部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)6部を加えた後、さらに水を加えて濃度60%の塗工液を得た。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物A(軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70、平均粒子径3.4μm)を原紙重量あたり10%含有し、製紙用パルプとして機械パルプを25%、化学パルプを50%、古紙パルプを25%含有する坪量50g/mの中質紙を用いた。
上記の原紙に、前述の塗工液を片面当たりの塗工量が7g/mになる様に、1000m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工を行い、塗工紙水分が5.5%となる様に乾燥した。
乾燥後、ロール相当径400mm、ロール温度150℃、2ニップ、カレンダー線圧40kg/cm、通紙速度1000m/分でソフトニップカレンダー処理を行い印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、ロール温度70℃、2ニップ、カレンダー線圧100kg/cm、通紙速度1000m/分でソフトニップカレンダー処理を行った以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、エンジニアードカオリン(Engelhard社製ECLIPS,体積分布平均粒径0.40〜4.20:65.3%)80部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−90、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.9%)20部の代わりに、ブラジル産カオリン(IMERIS社製Capim DG, 体積分布平均粒径0.40〜4.20:68.4%)70部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−75、体積分布平均粒径0.40〜4.20:69.5%)30部からなる顔料(体積分布平均粒径0.40〜4.20:68.7%)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において、エンジニアードカオリン(Engelhard社製ECLIPS,体積分布平均粒径0.40〜4.20:65.3%)80部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−90)20部の代わりに、デラミネーテッドクレー(IMERIS社製 DBプレート、体積分布平均粒径0.40〜4.20:48.1%)25部、2級クレー(IMERIS社製DB コート, 体積分布平均粒径0.40〜4.20:57.6%)25部、微粒クレー(カダム社製 AMAZON、体積分布平均粒径0.40〜4.20:58.3%)、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−75、体積分布平均粒径0.40〜4.20:71.9%)25部からなる顔料(体積分布平均粒径0.40〜4.20:57.9%)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの代わりに、含水ケイ酸アルミニウムソーダ(Rhodia社製TIXOLEX17)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの代わりに、軽質炭酸カルシウム(Speciality Minerals社製アルバカー5970)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの代わりに、ホワイトカーボン(Rhodia Silica Korea社製Tixolex17)に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物Aの代わりに、ホワイトカーボン(Rhodia Silica Korea社製Tixolex17)と軽質炭酸カルシウム(Speciality Minerals社製アルバカー5970)の70:30の混合物に変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
以上の結果を表1に示した。
Figure 2006070413
実施例1〜3より、低密度で不透明度、剛度が高く良好であり低白紙光沢にもかかわらず高い印刷光沢度を有し、塗工適性に優れた印刷用塗工紙を得ることができる。また、実施例4より、低密度で不透明度、剛度が高く良好であり、塗工適性に優れた印刷用塗工紙を得ることができる。

Claims (5)

  1. 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、填料として軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有した原紙上に、顔料粒子の粒径分布が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる顔料を有する塗工層を設けることを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が紙中填料として1〜25重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 原紙の製紙用パルプとして機械パルプを全パルプ中10重量%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 剛性ロールの温度が100℃以上のソフトニップカレンダーで処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  5. 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、填料として、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有した原紙上に、塗工層を設けることを特徴とする印刷用塗工紙。
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