JP2006069754A - エレベータかごの締結方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エレベータのかご側壁部のパネルの組み立てをかごの内側のみの作業で全て行う。
【解決手段】 パネル10A,10Bを、化粧板22、心材26から成る木部と鋼板製パネル11で構成し、心材26にほぞ26aとこれに嵌合する溝26bを設け、パネル10Aにピン45と押圧プレート44を設け、パネル10Bに斜面を有する切欠き22と傾斜部43を有する楔形ブラケット41を設け、ピン45に係合可能な長穴と切欠き22の傾斜面と傾斜部43に係合可能な切欠きとを有する締結ブラケット51を用意し、締結ブラケット51をその長穴をピン45に嵌合させて取付け、パネル10B上部に設けられているねじを回わして締結ブラケットを押し下げることにより、締結ブラケットの切欠きの上縁で楔形ブラケットの斜面を押圧して10A,10Bを締結する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、エレベータかごの三辺に形成される側壁部を鋼鉄製パネルに他の材質よりなるパネルを貼り付けた表面部と鋼板部を有するパネルを用いてかご内の作業で組立てることができるようにしたエレベータかごの締結方法に関する。
従来、エレベータかごの三辺に形成される側壁部を図10に示す。この側壁部101は複数枚の鋼板製のパネル110で形成されており、図11に示すようにパネル110の長手方向の側端部111は直角に曲げ形成されており、連接するパネル110の側端部111には隣接どうしで互いに対面する縦方向の変形長穴112とボルト113が所定の間隔で複数個設けられている。115はパネル110の補強板である。側壁部101の組立ては、まず、隣接する一方のパネル110の側端部111の変形長穴112の拡径穴部112aに隣接する他方のパネル110の側端部111のボルト113を合わせて挿入し、図12に示すように、立設すべきパネル110の上下動にてボルト113を長穴部112bに移動させて位置調節を行い、隣接するパネル110,110を連結している。(例えば、特許文献1参照)。また、従来木製パネルでは裏面に設けられている鋼板パネルに締結用の折曲部を設けて木製パネルをボルトで締結している。また、パネルの段差や隙間を隠すため目地を取付けることもある。
特開2002−46963号公報
上記従来の木製パネルをボルトで締結する方式は、かご外側でボルトを締める作業と、かご内側でパネルの段差、隙間を確認する作業が必要となる。また、エレベータ昇降路の省スペース化に伴い、かご外からの組み立てが難しくなっている。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、エレベータのかご側壁部のパネルの組み立てをかごの内側のみの作業で全て行うことができ、かつ板金の精度が関係しない表面部と鋼板部を有するパネルにも適用可能なエレベータかごの締結方法を提供することを目的とする。
本発明は、エレベータかごの側壁部を複数のパネルを連結して作成するエレベータかごの締結方法であって、隣合う他方のパネルの鋼板部の側部段状立上り部分に斜面を有する楔形ブラケットを設ける共に、このパネルの上部に締結ブラケットを押し下げるための押下げ部材を設け、両端が前方に折り曲げられ幅がパネル鋼板部の側部段状部の幅の2つ分より少し大きく形成され、その一方の折曲部に上記一方のパネルを上下移動可能に係止し、その他方の折曲部に上記他方のパネルの楔形ブラケットが挿通可能でかつ楔形ブラケットの斜面を押圧可能な切欠きを有する締結ブラケットを用意し、立設されている一方のパネルに隣接するように他方のパネルを立て、他方のパネル上部に設けられている押下げ部材で締結ブラケットを押し下げることにより、締結ブラケットの切欠きの上縁で他方のパネルの楔形ブラケットの斜面を押圧して隣接するパネルを締結することを特徴とする。
この発明によれば、パネル上部に設けられている押下げ部材で締結ブラケットを押し下げることにより、締結ブラケットの切欠きの上縁で他方のパネルの楔形ブラケットの斜面を押圧して隣接するパネルを締結することができるので、エレベータかごの側壁部の組み立て作業は全てかごの外側に出ることなく行うことができる。
また、本発明は、請求項2のように、隣合うパネルの対向する側部心材に嵌合可能なほぞと溝を設け、パネルの前面が揃うようにすることが望ましい。。
また、本発明は、請求項3のように、上記一方のパネル鋼板部の側部後面に他方のパネル鋼板部の側部後面を押圧可能なプレートを設け、ほぞの厚みより溝の幅が大きくても締結時に化粧パネル面が揃うようにすることが望ましい。
また、本発明は、請求項4のように、上記楔形ブラケットの先端部に傾斜部を設け、締結ブラケットを押し下げたとき締結ブラケットの上記切欠きのある方の端部がパネルに押付けられて安定するようにすることが望ましい。
また、本発明は、請求項5のように、上記締結ブラケットを一方のパネルに上下移動可能に係止する方法として、一方のパネルの鋼板部の側部段状部の立上がり部分にピンを設け、締結ブラケットの一方の折曲部に上記一方のパネルのピンに嵌合する長穴を有し、締結ブラケットをその長穴を上記ピンに嵌合させて取り付けるようにし、締結ブラケットをかご外に出ないで取付けうるようにすることが望ましい。
また、本発明は、請求項6のように、上記パネルを、化粧パネルの裏面の周囲に心材が取付けられた表面パネルを周辺部が段状に折曲された鋼板製パネルに張り合わせた表面部と鋼板部とにより構成し、鋼板部の板金精度が締結精度に影響しないようにすることが望ましい。
また、本発明は、請求項7のように、上記化粧パネルは、木材あるいは石膏ボードまたは樹脂で構成する。
本発明によれば、締結精度は鋼板製パネルの板金精度は関係しない。締結されたパネルに段差や隙間ができないので、締結時に段差や隙間を確認する作業を必要としない。作業は全てかごの内側のみですることができるので、作業時間が短縮されると共に一人作業が可能になる。
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1に示すように、エレベータかごは、方形板状のプラットホームの三辺にパネル10を立設固定してかご側壁部1が形成される形式で、側壁部1は、上下の枠2、3の間にパネル10の複数枚が三辺に立設して正面が開口した箱状体を形成している。
パネル10は、図2に示すように、鋼板製パネル(パネル鋼板部)11と表面パネル(パネル表面部)21および天井との縫付け用ブラケット31と床との縫付け用ブラケット34とにより構成されている。上記パネル表面部21は、火山性ガラス質複層板からなる基材の表面に天然木化粧単板を貼り付けた化粧パネル22とこの化粧パネル22の裏面の周縁部に貼り付けられた心材26、27、28および下部補強材29などにより構成されており、パネル鋼板部11は、このパネル表面部21の裏面の形状に沿うように周縁部に心材26、27、28が入る段状縁部12,13,14が形成されると共にパネル表面部21取付け用の複数の木ねじ挿通穴16,17,18などが穿設され、裏面に縦方向の補強板19が設けられている。なお、上記パネル表面部の化粧パネルの材質は、上記以外に石膏ボード、樹脂等にすることも可能である。
上記天井との縫付け用ブラケット31は、パネル鋼板部11の段状縁部13とパネル表面部21の上部心材27との間に設けられ、パネル鋼板部11の木ねじ挿通穴17と一致する木ねじ挿通穴32と天井板37とボルトで連結するためのボルト挿通穴33を有し、上記床板との縫付け用ブラケット34は、パネル鋼板部11の段状縁部14とパネル表面部21の下部補強材29との間に設けられ、パネル鋼板部11の下端部の木ねじ挿通穴18と一致する木ねじ挿通穴35と床板38とボルトで連結するためのボルト挿通穴36を有し、上記天井との縫付け用楔形ブラケット31と上記床板との縫付け用ブラケット34は、パネル鋼板部11にパネル表面部21を木ねじで取付けるとき同時に取付けられるようになっている(図9)。なお、図5に示すように、心材26の内側面と平行なパネル鋼板部11の段状縁部12の立ち上がり部12bとの間には、略3mmの隙間gが形成されている。また、パネル10のパネル表面部21は、心材26の側面が化粧板22の側縁より僅かへこむように構成されており、パネル鋼板部11の側面はパネル表面部21の心材26の側面より僅かへこむように構成されている。
図3〜図9について、隣り合うパネル1.0A,10Bの左右の心材26,26の対抗する面には、それぞれ縦方向に所定の間隔で複数のほぞ(凸部)26aおよびほぞ26aが嵌合可能な溝(凹部)26bが設けられている。なお、パネル10A,10Bの表面からほぞ26aおよび溝26bまでの寸法a,bは等しくなるようにしてある(図5)。また、隣り合うパネル10A,10Bは、両側端部が前方に直角に折り曲げられた細長い断面U字状の締結ブラケット51を用いて締結する(図3、図4)。締結ブラケット51の幅は、図6(A)に示すように、パネル10A,10Bの端面が少し離れている状態でパネル10A,10Bの段状縁部12,12が締結ブラケット51の中に入るように、締結ブラケット51の幅は、パネルの段状縁部12の幅2つ分より少し大きくしてある。
隣り合うパネル10A,10Bをかごの外に出ることなく締結できるようにするため、パネル10Aのパネル鋼板部11の段状縁部12の立ち上り部12bには、傾斜面42aを有する切欠き42と先端に上部がパネル裏面外方に折曲した傾斜部43を有するパネル締付け用の楔形ブラケット41が縦方向に所定間隔で複数設けられている(図3、図7、図8)。また、パネル10A,10Bのパネル面を揃えるため、パネル10Bのパネル鋼板部11の段状縁部12の後面12aには、パネル10Aのパネル鋼板部11の段状縁部の後面12aをかご内方向に押圧する押圧プレート44が取付けられている(図6)。
また、締結ブラケット51を上下動可能に取付けるため、パネル10Bのパネル鋼板部11の段状縁部12の立ち上がり部12bにピン45が縦方向に複数取付けられており、締結ブラケット51のパネル10B側に位置する折曲部52には、上記ピン45の胴部45aが挿通する溝穴54aとこの溝穴54aの下部に連設されたピン45の頭部45bが挿通する拡径丸穴54bからなる長穴54が形成されており、丸穴54bにピン45の頭部45bを通すと溝穴54aにピン45の胴部45aが係合して、締結ブラケット51がパネル10Bのパネル鋼板部11の段状縁部12の立ち上がり部12bに対し上下方向に移動可能に取付けられる構成となっている(図7(a))。
また、締結ブラケット51のパネル10A側に位置する折曲部53の先端にはパネル後面と平行するように直角に曲げられた折曲部53aが設けられており、折曲部53には締結ブラケット51を取付けるときパネル10Aに設けられている上記楔形ブラケット41をよけるように切欠き55が形成されており、切欠き55の折曲部53b側に位置する上縁部55aは、締結ブラケット51を下方に移動させたとき上記楔形ブラケット41の傾斜面42aを押圧して楔形ブラケット41をパネル締結方向に移動させるように設けられており、切欠き55の折曲部53a側に位置する上縁部55bは、締結ブラケット51を下方に移動させたとき、楔形ブラケット41の傾斜部43の上面を滑り締結ブラケット51をパネル鋼板部11側へ押しつけ得るようにしてある。(図7、図8)。
また、締結ブラケット51の折曲部53aの上部には被押圧面56aを有する断面コ字状の被押圧部材56が溶接されており、また、パネル10Aのパネル鋼板部11の上部段状縁部13の上記被押圧部材56と対向する位置の下にナット57が溶接されており、パネル10Aの上部からボルト58をナット57に螺合させ、ボルト58を回してその下端で上記被押圧部材56を押圧して締結ブラケット51を下方に押し下げ得るようにしてある(図8(A))。
次に、上記隣り合うパネル10A,10Bの締結方法について説明する。図3にパネル10A,10Bの締結前の状態を示す。ここではパネル10BにパネルAを締結する場合について説明する。作業は全てかご内にいて行う。まず、パネル10Aを下枠3(図1)に嵌めて既に下枠3に立設されているパネル10Bに近づけ、図6(A)に示すように、締結ブラケット51をその長穴54をパネル10Bに取付けられているピン45に嵌合させて取付ける。この状態では締結ブラケット51の折曲部53aはパネル10Aの背面から少し浮いた状態にあり、折曲部53a切欠き55の上縁部55bは楔形ブラケット41の傾斜部43の上にある。また折曲部53a切欠き55の上縁部55aは楔形ブラケット41の傾斜面42aの上方にある(図8)。
この状態において、締結ブラケット51を手で上から押し下げて、パネル10Aの背面から少し浮いた状態にある折曲部53aを楔形ブラケット41の傾斜部43の斜面で押し、パネル10A側に押しつけて安定させる。次いで,パネル10Aの上部に設けてあるボルト58を回してボルト58の下端で締結ブラケット51に設けられている被押圧部材56を押圧して締結ブラケット51を押し下げる。締結ブラケット51が押し下げられると、締結ブラケット51の折曲部53bの切欠き上縁部55aが楔形ブラケット41の傾斜面42aを押圧し楔形ブラケット41をパネル10Bの方向に押す。そのためパネル10Aは楔形ブラケット41と共にパネル10B方向に移動し、図6(B)に示すように、パネル10Aのほぞ26aがパネル10Bの溝26bに嵌合すると共に、パネル10A,10Bの化粧板22,22の端面が当接しパネル10A,10Bは隙間なく締結される。また、締結時にパネル10Aはパネル10Bに設けられた押圧プレート44により前方に押圧されているので、ほぞ26aと溝26bの嵌合が緩くともパネル10A,10Bの化粧面が一致する。パネル締結後に上枠2を取付けて図1に示すかご側壁部1を完成させる。
以上のように、本発明によれば、エレベータかごの側壁部のパネルを取付けて締結する作業を全てかご内で一人で行うことができる。なお、上記締結ブラケットを用いた締結方法は貼り合せ式でないパネルにも適用可能である。
本発明に係るエレベータのかご側壁部を示す斜視図。 かご側壁部のパネルの分解斜視図。 パネル締結前の状態を示す斜視図。 パネル締結後の状態を示す斜視図。 (A)はほぞ付パネルの要部横断面図、(B)はほぞ嵌合溝付パネルの要部横断面図。 (A)はパネル締結前の状態を示す断面図。(B)はパネル締結後の状態を示す断面図。 (A)、(B)は締結ブラケットの左右の要部構造を示す斜視図。 (A)はパネル締結部の上部構造を示す斜視図。(B),(C)は楔形ブラケットの動作説明図。 パネルの要部縦断面図。 従来例に係るエレベータのかご側壁部を示す斜視図。 (A)はかご側壁部のパネルを示す斜視図,(B)はパネル側端部の結合部の拡大斜視図。 (A)はパネル側端部の結合部の正面図、(B)はパネルル結合部の断面図。
符号の説明
1…エレベータのかご側壁部、2,3…かご側壁部上下の枠、10…かご側壁部のパネル、11…パネル鋼板部(鋼板製パネル)、21…パネル表面部(表面パネル)、22…パネル表面部の化粧パネル、26〜28……パネル表面部の心材、31…天井との縫い付け用ブラケット、34…床との縫い付け用ブラケット、41…楔形ブラケット、42…傾斜面を有する切欠き、43…傾斜部、44…凹圧用プレート、45…ピン、51…締結ブラケット、54…長穴、55…切欠き、56…被押圧部、58…押圧用ボルト(押下げ部材)。

Claims (7)

  1. エレベータかごの側壁部を複数のパネルを連結して作成するエレベータかごの締結方法であって、
    隣合う一方のパネルの鋼板部の側部段状立上り部分に斜面を有する楔形ブラケットを設けると共に、このパネルの上部に締結ブラケットを押し下げるための押下げ部材を設け、
    両端が前方に折り曲げられ幅がパネル鋼板部の側部段状部の幅の2つ分より少し大きく形成され、その一方の折曲部に上記他方のパネルを上下移動可能に係止し、その他方の折曲部に上記一方のパネルの楔形ブラケットが挿通可能でかつ楔形ブラケットの斜面を押圧可能な切欠きを有する締結ブラケットを用意し、
    立設されている他方のパネルに隣接するように一方のパネルを立て、
    一方のパネル上部に設けられている押下げ部材で締結ブラケットを押し下げることにより、締結ブラケットの切欠きの上縁で一方のパネルの楔形ブラケットの斜面を押圧して隣接するパネルを締結することを特徴とするエレベータかごの締結方法。
  2. 隣合うパネルの対向する側部心材に嵌合可能なほぞと溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの締結方法。
  3. 上記他方のパネル鋼板部の側部後面に一方のパネル鋼板部の側部後面を押圧可能なプレートを設け、締結時に化粧パネル面が揃うようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータかごの締結方法。
  4. 上記楔形ブラケットの先端部に傾斜部を設け、締結ブラケットを押し下げられたとき締結ブラケットの上記切欠きのある方の端部がパネルに押しつけられるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータかごの締結方法。
  5. 上記締結ブラケットを他方のパネルに上下移動可能に係止する方法として、他方のパネルの鋼板部の側部段状部の立上がり部分にピンを設け、締結ブラケットの一方の折曲部に上記他方のパネルのピンに嵌合する長穴を有し、締結ブラケットをその長穴を上記ピンに嵌合させて取り付けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレベータかごの締結方法。
  6. 上記パネルは、化粧パネルの裏面の周囲に心材が取付けられた表面パネルを周辺部が段状に折曲された鋼板製パネルに張り合わせた表面部と鋼板部とからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエレベータかごの締結方法。
  7. 上記化粧パネルは、木材、石膏ボードまたは樹脂のいずれかから構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエレベータかごの締結方法。
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