JP2006069446A - パワーアシスト付き搬送装置の制御方法及びパワーアシスト付き搬送装置 - Google Patents

パワーアシスト付き搬送装置の制御方法及びパワーアシスト付き搬送装置 Download PDF

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邦亮 川越
Mitsunori Inaba
光則 稲葉
Katsuya Shigematsu
克也 重松
Michio Takahashi
道夫 高橋
Junya Hirano
純也 平野
Takahiko Okane
貴彦 大兼
Tatsuya Shimada
竜也 嶋田
Takuro Hatsukari
卓郎 初雁
Masato Shimokawa
真人 下川
Hiroki Kazuno
裕樹 数野
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Abstract

【課題】熟練者でなくとも意図した形に搬送装置の挙動を制御し得る搬送装置の制御方法を提供する。
【解決手段】ベッドを曲進させる際、左右のハンドルの操作方向の相対的な関係に基づき、内輪側となる駆動輪をハンドルの操作方向や操作量に関わらず制御可能とする。左右のハンドルの操作方向が異なる場合(S7,S15)、内輪側駆動輪に対し回生制動力を付与する(S17)。回生制動力はハンドルの操作量に応じて変化する。左右のハンドルのうち一方のみが操作されている場合、内輪側駆動輪を惰走可能な状態で停止させる(S16)。左右のハンドルの操作方向が同じ場合、両ハンドルの操作量の差が所定値以下のときは、ハンドル操作量の平均値に基づいて走行補助力を制御し(S6)、ハンドル操作量の差が所定値よりも大きいときは、ハンドル操作量に基づいて左右の駆動輪を個別に独立制御する(S4)。
【選択図】図7

Description

本発明は、病弱者や荷物等の移動に使用される搬送装置に関し、特に、電動モータによって移動時のアシスト力を供給する搬送装置の制御技術に関する。
病院や介護施設、工場、倉庫等においては、電動のベッドやストレッチャー、給食運搬用台車、荷役用電動台車など、モータによりパワーアシストされる搬送装置が多数使用されている。このような搬送装置は、四隅にキャスターが配置された本体フレームに、電動モータによって駆動される駆動輪が取り付けられており、この駆動輪によって移動時のアシスト力が供給される。本体フレームにはさらに、電動モータや電源用のバッテリ、モータ制御用のコントローラなどが取り付けられる。本体フレーム上には、ベッドであればマットが載置され、台車であれば荷台が設けられる。
この種の搬送装置では、駆動輪は電動のアクチュエータによって昇降可能に設置されている。駆動輪によってアシスト力を得るには、床面と駆動輪との間に適切な摩擦力が必要であり、駆動輪を適度な押圧力で床面に接触させる必要がある。このため、本体フレームと搬送装置との間にはバネを用いた押圧機構が設けられており、このバネの反発力によって駆動輪は所定の荷重で床面に押接され、床面と駆動輪との間に摩擦力が発生する。
また、パワーアシスト付きの搬送装置には一般に操作用のハンドルが設けられているが、特開平11-262111号公報には、このハンドルに加わる力を検出してアシスト力を制御する構成が開示されている。そこでは、ハンドルの左右基部に操作量を検出するセンサが設けられており、搬送装置を動かす際にハンドルに加えられる力がハンドル操作量という形で検出される。そして、検出された左右のハンドル操作量に基づき、装置の両側部に配置された左右の駆動輪の回転を調整し、搬送装置のアシスト力や走行方向を適宜制御している。
図10は、ハンドル操作量に応じてアシスト力が制御される搬送装置におけるハンドル作動状態を示す説明図、図11はハンドル操作量と搬送装置の駆動力との関係を示す説明図、図12はハンドル操作方向と搬送装置の動作との関係を示す表である。図10〜12において、+は前進方向、−は後進方向、0は中立位置をそれぞれ示している。このような搬送装置は、ハンドル51を前方に押し倒すと搬送装置が前進し、手前側へ引くと搬送装置は後進する。中立位置ではアシスト力は0であり、図10,11に示すように、中立位置(0)の前後には約5°ずつ不感帯52が設けけられている。ハンドル51が不感帯52内にあるときは、中立位置と同様にアシスト力の付与は行われない。
ハンドル51の傾倒角度に比例してアシスト力は増大する。図11に示すように、ハンドル傾倒角度が一定以上となると、アシスト力は一定値となり搬送装置の駆動力に対するアシスト力の比率が低下する。搬送装置の駆動力は、操作者装置が押す力とアシスト力との和であり、ハンドル操作量に応じて際限なくアシスト力を増大させると、駆動力が大きくなり、結果として搬送装置の速度が上がり過ぎるおそれがあるためである。
図12の(a)に示すように、左右の両ハンドルを+とすると、搬送装置は前進する。このとき、左右のハンドルの傾倒角度を異ならせると、左右の駆動輪の回転数に差が生じ、搬送装置は曲進する。例えば、左側ハンドルを強く押し、その傾倒角度を右側よりも大きくすると、左側の駆動輪の回転数が右側よりも多くなり、搬送装置は右方向にカーブしながら前進する。逆に、右側ハンドルの傾倒角度を左側よりも大きくすると、右側の駆動輪の回転数が左側よりも多くなり、搬送装置は左方向にカーブしながら前進する。
また、一方のハンドルを中立位置(0)に置いたまま、他方のハンドルを傾倒させることにより、搬送装置を旋回させることもできる。例えば、図12の(b)のように、左側ハンドルを+、右側ハンドルを0とすると、右側の駆動輪が停止した状態で左側の駆動輪が前進方向に作動し、搬送装置は右側の駆動輪を内輪として右方向に旋回する。ハンドルを引く動作でも同様に搬送装置を旋回させることができ、例えば、図12の(f)のように、左側ハンドルを−、右側ハンドルを0とすると、右側の駆動輪が停止した状態で左側の駆動輪が後進方向に作動し、搬送装置は右側の駆動輪を内輪として左方向に旋回する。
さらに、左右のハンドルを逆方向に操作することにより、搬送装置をその場にて旋回させたり、旋回角度を狭めて旋回動作を行わせたり(以下、これらの動作をその場旋回や小角度旋回と略記する)することもできる。例えば、図12の(h)のように、左側ハンドルを+、右側ハンドルを−とすると、右側の駆動輪を内輪として、搬送装置は右方向にその場旋回や小角度旋回を行う。逆に、図12の(i)のように、左側ハンドルを−、右側ハンドルを+とすると、左側の駆動輪を内輪として、搬送装置は左方向にその場旋回や小角度旋回を行う。
実開昭48-44793号公報 特開昭60-122561号公報 特開平7-257387号公報 特開平8-175381号公報 特開平10-35499号公報 特開平11-262111号公報 特願2004-23883号
しかしながら、このようなハンドル操作によって走行状態を制御可能な搬送装置にあっては、コーナリングや旋回等を行う曲進動作の際に次のような問題があった。まず第1に、搬送装置を旋回させる際、ハンドル操作量に応じてどの程度装置が旋回するのかが熟練した操作者でないと把握できず、意図するように搬送装置を旋回させることができないという問題があった。特に、図12(h,i)のように、左右のハンドルを反対方向に操作して搬送装置をその場旋回や小角度旋回させる場合には、搬送装置の挙動が把握しずらい。また、ある程度の速度が出ている状態でこのような左右逆操作が行われた場合、駆動輪をハンドル操作量に応じて作動させてしまうと、操作者の想像以上に搬送装置が曲がるおそれがあり、その改善が求められていた。
また、第2点として、左右のハンドルを反対方向に操作してその場旋回や小角度旋回をさせた後、搬送装置を改めて直進させようとすると、搬送装置の挙動が不安定となるという問題もあった。この場合、搬送装置を旋回から直進に転ずる際には、内輪側の駆動輪を後進回転から前進回転に切り替える必要がある。ところが、この際、内輪側の駆動輪による後進力が残存している状態で駆動輪の回転方向が急激に逆回転されるため、挙動が不安定となり搬送装置を制御しにくいという問題が生じる。
さらに、第3点として、駆動輪の回転方向を急激に転換すると、モータやその駆動回路にも多くの電流が流れ、それらにかかる負担が大きくなるという問題もあった。また、このような負担が断続的に続くと、モータや駆動回路のみならず、減速装置等の駆動部にも悪影響が及び、搬送装置の使用寿命が低下するという問題が生じる。
本発明の目的は、熟練者でなくとも意図した形に搬送装置の挙動を制御し得る搬送装置の制御方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、その場旋回や小角度旋回の状態から直進状態にスムーズに移行可能な搬送装置の制御方法を提供することにある。
本発明のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法は、電動モータにて駆動される左右の駆動輪と、センサ手段に取り付けられたハンドルとを備え、前記センサ手段によって検知された前記ハンドルの操作方向と操作量に基づいて、前記駆動輪によって付与される走行補助力を制御するパワーアシスト付き搬送装置の制御方法であって、前記搬送装置を曲進させる際、前記ハンドルの操作方向に基づき、内輪側となる前記駆動輪を該駆動輪側の前記ハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能としたことを特徴とする。
本発明にあっては、搬送装置を曲進させる際、内輪側となる駆動輪をハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能としたので、曲進時に例えば、内輪側駆動輪にブレーキを掛けたり、惰走させたり、出力を落として駆動させたり等、種々の制御形態を採ることができ、内輪側駆動輪の急激な動作を抑えることが可能となる。このため、曲進時における搬送装置の挙動が安定し、スムーズな曲進動作が可能となる。なお、ここで言う曲進には、曲がりながら前進する動作のみならず、小回転半径で旋回することや、内輪側を中心に前後進動作を伴うことなく旋回することも含まれる。
前記パワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記内輪側駆動輪の作動を停止させると共に、前記電動モータにより該駆動輪に対し回生制動力を付与することを特徴とするようにしても良い。この場合、前記回生制動力を、前記ハンドルの操作量に応じて変化させるようにしても良い。
本発明にあっては、曲進時に内輪側駆動輪にブレーキが掛かるので、搬送装置は内輪側駆動輪を回転中心として曲進し、必要以上のその場旋回や小角度旋回が抑えられる。また、曲進動作から直進動作に移行する際も、内輪側駆動輪が停止状態から駆動され、回転方向の切り替えにより搬送装置の挙動が不安定になるのを防止できる。さらに、駆動輪の急反転が行われないため、モータやその駆動回路、駆動部等への悪影響も低減され、搬送装置の使用寿命も向上する。加えて、回生制動により、運動エネルギを電気エネルギとして回収することもでき、電源寿命も長くなる。
前記パワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記内輪側駆動輪を惰走可能な状態で停止させるようにしても良い。また、前記ハンドルの操作量の平均値に基づいて前記駆動輪を制御するようにしても良い。さらに、前記ハンドルの操作量に基づいて前記左右の駆動輪を個別に独立制御するようにしても良い。加えて、搬送装置が走行中の場合、前記ハンドルの操作方向が該搬送装置の進行方向と異なる側の前記駆動輪を内輪側とするようにしても良い。
前記パワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記搬送装置の走行速度を検出する速度検出手段を前記搬送装置に設けても良い。搬送装置に速度検出手段を設けることにより、装置が停止しているか駆動しているかが判断でき、その駆動状態に適した安全な駆動制御を行うことが可能となる。
本発明のパワーアシスト付き搬送装置は、電動モータにて駆動される駆動輪と、センサ手段に接続され、前記センサ手段によりその操作量が検出されるハンドルと、前記センサ手段によって検出されたハンドル操作量に基づいて前記走行補助力を制御すると共に、前記搬送装置を曲進させる際、前記ハンドルの操作方向に基づき、内輪側となる前記駆動輪を該駆動輪側の前記ハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能な制御手段とを有することを特徴とする。
なお、前記パワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記ハンドルを前記搬送装置の左右に取り付け、前記左右のハンドルの操作方向の相対的な関係に基づいて前記内輪側駆動輪を制御するようにしても良い。この場合、前記左右のハンドルの操作方向が異なる場合、前記内輪側駆動輪の作動を停止させると共に、前記電動モータにより該駆動輪に対し回生制動力を付与するようにしても良い。また、前記左右のハンドルのうち一方のみが前記駆動輪を作動させる状態に操作されている場合、前記内輪側駆動輪を惰走可能な状態で停止させるようにしても良い。
さらに、前記左右のハンドルの操作方向が同じ場合、前記両ハンドルの操作量の差が所定値以下のときは、前記左右のハンドルの操作量の平均値に基づいて前記駆動輪を制御するようにしても良い。加えて、前記左右のハンドルの操作方向が同じ場合、前記両ハンドルの操作量の差が所定値よりも大きいときは、前記左右のハンドルの各操作量に基づいて前記左右の駆動輪を個別に独立制御するようにしても良い。さらにまた、搬送装置が走行中の場合、前記左右のハンドルの何れか一方の操作方向が該搬送装置の進行方向と異なるときは、ハンドル操作方向が該搬送装置の進行方向と異なる側の前記駆動輪を内輪側とするようにしても良い。
本発明のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法によれば、電動モータにて駆動される左右の駆動輪と、センサ手段に取り付けられたハンドルとを備え、ハンドルの操作方向と操作量に基づいて走行補助力を制御するパワーアシスト付き搬送装置にて、搬送装置を曲進させる際、ハンドルの操作方向に基づき、内輪側となる駆動輪をハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能としたので、曲進時に例えば、内輪側駆動輪にブレーキを掛けたり、惰走させたり、出力を落として駆動させたり等、種々の制御形態を採ることができ、内輪側駆動輪の急激な動作を抑えることが可能となる。このため、曲進時における搬送装置の挙動が安定し、スムーズな曲進動作が可能となる。
また、内輪側駆動輪の作動を停止させると共に、電動モータにより該駆動輪に対し回生制動力を付与することにより、曲進時に内輪側駆動輪にブレーキが掛かるので、内輪側駆動輪を回転中心として搬送装置をスムーズに曲進させることが可能となる。このため、必要以上のその場旋回や小角度旋回が抑えられ、コーナリングや旋回動作を容易かつ安全に行うことが可能となり、操作性の向上が図られる。従って、熟練した操作者でなくとも、意図するように搬送装置を移動させることが可能となる。また、曲進動作から直進動作に移行する際も、内輪側駆動輪が停止状態から駆動されるため、回転方向の切り替えにより搬送装置の挙動が不安定になるのを防止できる。さらに、駆動輪の急反転が行われないため、モータやその駆動回路への負担も軽減され、駆動部への悪影響も低減され、搬送装置の使用寿命も向上する。加えて、回生制動により、運動エネルギを電気エネルギとして回収することもでき、電源寿命も長くなる。
本発明のパワーアシスト付き搬送装置によれば、電動モータにて駆動される駆動輪と、センサ手段に接続され、このセンサ手段により操作量が検出されるハンドルと、ハンドル操作量に基づいて走行補助力を制御すると共に、搬送装置を曲進させる際、ハンドルの操作方向に基づき、内輪側となる駆動輪をハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能な制御手段とを設けたので、曲進時に例えば、内輪側駆動輪にブレーキを掛けたり、惰走させたり、出力を落として駆動させたり等、種々の制御形態を採ることができ、内輪側駆動輪の急激な動作を抑えることが可能となる。このため、曲進時における搬送装置の挙動が安定し、スムーズな曲進動作が可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の制御方法が適用される病院用電動ベッド(搬送装置)の一例を示す正面図、図2は図1の電動ベッドの概要を示す平面図である。本実施例の病院用電動ベッドは、駆動部1とベッド部2とから構成される。駆動部1にはモータや各種アクチュエータが収容され、ベッド部2にはマット3が載置される。ベッド部2は、駆動部1に取り付けられたアーム4によって支持されている。アーム4は駆動部1によって駆動され、アーム4の上下動によりベッド部2の高さや姿勢を変えられるようになっている。
ベッド部2の両側部には安全柵5が取り付けられている。ベッド部2の前端側(使用者の頭部側)には、ベッド移動用のハンドル6が取り付けられている。なお、ここでは前後とはベッドの長手方向を意味し、側部とは長手方向に直交する幅方向(左右方向)の両端を意味する。図3に示すように、ハンドル6は左右それぞれ1個ずつ設けられており(6L,6R)、ベッド部2の前端部に設けられたハンドル操作力センサ7(7L,7R、以下、センサ7と略記する)と接続されている。ハンドル6の間にはコントロールパネル8が配置されており、電源スイッチ8aや非常停止スイッチ8b、ベッド昇降スイッチ8c、LED表示パネル8dなどが設けられている。
センサ7は、ベッドの移動に際しハンドル6に加えられる操作荷重を検出する。ハンドル6はセンサ7内の図示しないトーションバーに接続されており、ハンドル6の操作力に応じてトーションバーにはねじり変位が生じる。センサ7では、このねじり変位の方向と量をポテンショメータを用いて計測し、この計測値に基づきハンドル6に付与された操作力の方向と大きさが算出される。センサ7は、左右のセンサ7L,7Rにて個別にハンドル操作力を検出し、その検出値に基づいてベッドの走行方向の制御も行われる。
例えば、ベッドを前進させるべく操作者がハンドル6を押すと、ハンドル6の押圧力によってトーションバーが一方向にねじられ、この際のねじれ方向からベッドの走行方向が検出される。また、強くハンドル6を押せばトーションバーのねじり角も大きくなるなど、ハンドル押圧力によってねじり角が変化するため、これに基づいてベッドを押す力の変化も検出できる。さらに、センサ7L,7Rの出力を比較し、左側のハンドル6Lを押す力が大きいことが検知された場合には、操作者はベッドを右方向に曲げようとしていると判断される。逆に、右側のハンドル6Rを押す力が大きい場合には、操作者はベッドを左方向に曲げようとしていると判断される。
図4は、駆動部1の構成を示す斜視図である。駆動部1は、鋼製のフレーム11に、駆動ユニット12や昇降アクチュエータ13等を配備した構成となっている。鋼製のフレーム11は、前後方向に延びるメインフレーム11aと、メインフレーム11a間を接続するように設けられ幅方向に延びる連結バー11bとから構成される。メインフレーム11aの両端部には下面側には、それぞれキャスター14が取り付けられている。フレーム11には、図1に示すように合成樹脂製のカバー15が取り付けられており、図4はこのカバー15を取り外した状態を示している。
駆動ユニット12は、モータベース16上に載置されている。駆動ユニット12内には、DCモータ17(17L,17R)及び減速機構18(18L,18R)が2組装備されている。駆動ユニット12の左右には2本の回転軸19が突設されており、モータ17の回転は減速機構18によって減速されて回転軸19に出力される。各回転軸19には駆動輪21(21L,21R)が固定されている。駆動輪21は、回転軸19に固定されたホイール22とゴムタイヤ23とから構成されている。
駆動ユニット12にはさらに、電動ベッドの走行速度を検出する車速センサ39(39L,39R;速度検出手段、以下、センサ39と略記する)が設けられている。センサ39は、モータ17の回転軸に取り付けられた多極着磁マグネットと、このマグネットの近傍に配設され、磁極変化に伴ってパルス信号を出力する磁気検出素子とから構成されている。モータ17が回転すると、モータ回転速度に応じて磁気検出素子から回転パルス信号が出力される。モータ17の回転速度と駆動輪21の回転速度は相関関係があり、センサ39によってモータ回転速度を検出することにより、駆動輪21の回転速度、すなわちベッドの走行速度(車速)を検出できる。
モータベース16にはタワー24が立設されている。タワー24は昇降アクチュエータ13と接続されており、昇降アクチュエータ13の動作により駆動ユニット12が上下移動し、駆動輪21が床面(走行面)25に接触・離間するようになっている。図5は、駆動ユニット12と昇降アクチュエータ13の接続構造を示す説明図である。図5に示すように、タワー24の基部24aは、ピボット26にてアーム27に回動自在に支持されている。アーム27は連結バー11bに固定されており、モータベース16はピボット26を中心に上下方向(図5のX方向)に揺動可能な状態でフレーム11に支持されている。
タワー24の上部には長孔28が形成されている。長孔28には、プランジャ29に取り付けられたピン31が前後方向(図中左右方向)に移動可能に挿入されている。プランジャ29はタワー24の上部に前後方向に移動可能に取り付けられ、バネ32を介して昇降アクチュエータ13のプランジャ33と接続されている。昇降アクチュエータ13はDCモータ34によって駆動され、DCモータ34の回転に伴ってプランジャ33は図5のY方向に動作する。昇降アクチュエータ13の図中左端部は、連結バー11bに固定されたブラケット35に揺動可能に支持されている。
このようにモータベース16は、バネ32を介して昇降アクチュエータ13と接続される。昇降アクチュエータ13が作動しプランジャ33が延びると、バネ32,プランジャ29,ピン31を介してタワー24が押され、モータベース16はピボット26を中心に図5において右回りに回動する。これにより、駆動輪21は床面25側に移動し、所定の接地荷重にて床面25に押し付けられる。一方、プランジャ33が縮むと、モータベース16はピボット26を中心に左回りに回動する。これにより、駆動輪21は床面25から離脱・上昇し、床面25から離間した位置に格納される。
フレーム11にはさらに、電源用のバッテリ36や、モータ制御用のコントローラ37(制御手段)、ベッド姿勢制御用のアクチュエータ38などが設けられている。バッテリ36は、モータ17,34、コントローラ37、アクチュエータ38等に電源供給を行う。コントローラ37はコントロールパネル8と接続されており、操作者の入力指示に従って各モータやアクチュエータ等の駆動制御を行う。
図6は、コントローラ37の制御系の構成を示すブロック図である。コントローラ37には、CPU41を中核として、入力回路42,43、駆動出力回路44、電源回路45及び電源入力回路46が設けられている。入力回路42(42L,42R)はそれぞれセンサ7L,7Rに接続されており、左右のハンドル6の操作力を示すトルク信号が入力される。入力回路43(43L,43R)はそれぞれセンサ39L,39Rに接続されており、左右の駆動輪21の回転速度を示す車速信号が入力される。
駆動出力回路44(44L,44R)は左右のモータ17L,17Rに接続されている。モータ17L,17RはCPU41によってPWM制御されており、駆動出力回路44に対してはCPU41よりPWMduty指令値が出力される。駆動出力回路44は、これを受けてモータ17に対し指令値に応じたパルス電圧を供給する。電源回路45はバッテリ36と接続されており、CPU41に対してはバッテリ36から電源回路45及び電源入力回路46を介して電力が供給される。
このような病院用電動ベッドでは、コーナリングや旋回の際のベッドの挙動を安定させるべく、次のような制御が行われる。図7は本発明による制御方法の処理手順を示すフローチャートであり、停止時からの駆動制御形態を示している。図7に示すように、ここではまず、ステップS1にてL側とR側の入力の比較が行われる。ハンドル6L,6Rからの入力はハンドル傾倒角度に応じて変化し、ハンドル操作量が大きい側からの入力信号の方が大きくなる。
ステップS1にてL側入力がR側入力以上の場合には、R側を内輪とする動作、すなわち、右方向へのコーナリングや旋回が意図されていると推認され、ステップS2以下の処理が行われる。これに対し、L側入力がR側入力より小さい場合には、L側を内輪とする動作、すなわち、左方向へのコーナリングや旋回が意図されていると推認され、ステップS11以下の処理が行われる。
L側入力がR側入力以上の場合にはステップS2に進み、L側とR側の入力方向(前進方向か、後進方向か)が確認される。すなわち、ハンドル6L,6Rの操作方向が判断される。両者の入力方向が同じ場合には、ステップS3に進み、L側入力がR側入力よりも所定値(α)以上大きいか否かが判断される。L側入力がR側入力+αを超えている場合にはステップS4に進み、モータ17L,17Rの出力が各々独立して演算される。モータ17の出力は、ハンドル6からの入力値や駆動輪21の回転速度(車軸速度)に基づいて演算される。その後、ステップS5に進み、駆動部1に対し演算結果に基づく駆動指示が行われルーチンを抜ける。このとき、駆動輪21は、21Lが21Rよりも大きな回転数で回転し、ベッドは右側に曲がりながら前進又は後進する。
ステップS3にて、L側入力がR側入力+αを超えていない場合は、ステップS6に進む。ステップS6では、この場合は左右のハンドル操作量に余り差がなく、操作者は大きく曲がろうとする意思は少ないと判断し、ハンドル6L,6Rからの入力の平均値に基づいてモータ17L,17Rの出力が決定される。その後、ステップS5に進んで駆動指示が行われルーチンを抜ける。このとき、駆動輪21は、21Lと21Rが同じ回転数で回転し、ベッドは直進状態で前進又は後進する。
このように、ベッドを発進させる場合、ハンドル6が進行方向と同じ方向に操作されているときは、左右のハンドル操作量の差に応じて駆動輪21の制御形態が変化する。つまり、ハンドル操作量の差が大きいときは左右の駆動輪21を別個独立に制御し、小さいときは両ハンドルの操作量を平均して駆動輪21を左右同様に駆動する。
一方、ステップS2にて、L側とR側の入力方向が異なる場合には、ステップS7に進み、内輪側(R側)のハンドル6Rが外輪側(L側)のハンドル6Lと逆に引かれているか否かが判断される。ハンドル6Rがハンドル6Lとは逆に引かれていない場合は、ハンドル6Lのみが操作されており、操作者はその場での旋回を意図してると判断され、ステップS7からステップS8に進む。ステップS8では、外輪側(L側)はハンドル6Lからの入力に応じた駆動出力に設定される。これに対し、内輪側(R側)は出力0に設定され惰走状態となる。
ステップS8にてL側,R側の出力を前述のように決定した後、ステップS5に進み、その設定に基づいて駆動指示が行われルーチンを抜ける。このとき、駆動輪21は、外輪側の21Lのみがハンドル操作量に応じて回転し、内輪側の21Rはフリー状態となる。従って、内輪側の駆動輪21Rが回転の中心となり、スムーズな回転動作が可能となる。これにより、ベッドの急激な動作が抑制され、コーナリングや旋回動作を容易かつ安全に行うことができ、操作性の向上が図られる。なお、ハンドル6Lが前進方向に操作されている場合はベッドは右旋回状態、逆に後進方向に操作されている場合はベッドは左旋回状態となる。
これに対し、ハンドル6R,6Lが逆に引かれている場合には、操作者は右方向にその場旋回や小角度旋回を意図してると判断され、ステップS9に進む。ステップS9では、外輪側(L側)はハンドル6Lからの入力に応じた駆動出力に設定され、内輪側(R側)はハンドル6Rからの入力に応じた回生制動に設定される。ステップS9にてL側,R側の出力をこのように決定した後、ステップS5に進み、その設定に基づいて駆動指示が行われルーチンを抜ける。
このとき、駆動輪21Lはハンドル操作量に応じて回転する。一方、内輪側の駆動輪21Rにはハンドル操作量に応じたブレーキが掛かる。すなわち、ブレーキ力は内輪側のハンドル6Rの傾倒角度に比例し、ハンドル6Lをより大きく傾倒させると大きなブレーキ力が掛かる。また、ハンドル6Lを中立位置に戻して行くと、中立位置に近付くに従って回生制動力が徐々に低下し、不感帯ではブレーキ力は0になる。
ここで、駆動輪21を駆動させるモータ17は、4個のFETを用いたHブリッジ回路にて正逆転制御される。その際、各FETはPWM制御され、ハンドル6からの入力に応じてPWMdutyを調整することにより、モータ17の出力が制御される。図8は、モータ17の制御形態を示す説明図であり、(a)は正転時(前進時)、(b)は逆転時(後進時)、(c)は回生制動時の状態をそれぞれ示している。
ベッド前進時(モータ正転時)は、図8(a)に示すように、FET3がOFF、FET4が常時ONの状態で、FET1がduty制御される。このとき、FET2はFET1とは反転した状態で100%dutyにて駆動される。バッテリ36からモータ17に対しては、矢印のように電流が流れモータ17は正転方向に駆動される。これに対し、ベッド後進時(モータ逆転時)は、図8(b)に示すように、FET1がOFF、FET2が常時ONの状態で、FET3がduty制御される。このとき、FET4はFET3とは反転した状態で100%dutyにて駆動され、バッテリ36から矢印のように電流がモータ17は逆転方向に駆動される。
一方、ステップS9にて内輪側に設定されるような回生制動時には、図8(c)に示すように、FET1,3がOFFされた状態で、FET2,4がduty制御される。このとき、モータ17に対してはバッテリ36からは電力供給は行われず、駆動輪21の回転によってモータ17が回転されると電力が回生され、FET2,4のdutyに応じたブレーキ力が発生する。モータ17による回生電力は、電力量が小さいときはモータ内にて熱エネルギとなって消費され、電力量が大きいときはFET1,3の寄生ダイオードを介してバッテリ36に回生される。
従来、左右のハンドルが逆操作されると、内輪側はハンドル操作量に応じて駆動輪21が逆転駆動されるため、必要以上にベッドが旋回したり、直進移行時にベッドの挙動が不安定になるおそれがあった。これに対し、本発明による制御では、ハンドル6R,6Lが逆に引かれている場合には、ステップS9にて内輪側が回生制動モードとされ、旋回時に内輪側の駆動輪21Rにブレーキが掛けられる。従って、内輪側の駆動輪21Rが回転の中心となり、ベッドはハンドル6Lの操作量に応じてスムーズ旋回し、必要以上のその場旋回や小角度旋回が抑えられる。
このように、本発明による制御によれば、ベッドの急激な動作が抑制され、ベッドがハンドル操作量に応じた状態で旋回するので、コーナリングや旋回動作を容易かつ安全に行うことが可能となり、操作性の向上が図られる。従って、熟練した操作者でなくとも、意図するようにベッドを移動させることが可能となる。また、コーナリングや旋回動作の後に直進動作に移行する際も、内輪側駆動輪は停止状態から駆動されるため、回転方向の切り替えによりベッドの挙動が不安定になるのを防止できる。従って、動作移行の際の挙動が安定し、ベッドの移動操作が容易となる。さらに、駆動輪の急反転が行われないため、モータやその駆動回路への負担も軽減され、駆動部への悪影響も低減する。このため、ベッドの使用寿命も向上し、コスト低減も図られる。加えて、回生制動により、運動エネルギを電気エネルギとして回収することもでき、バッテリ36の寿命も長くなる。
一方、図7の制御では、ステップS1にてR側入力がL側入力以上の場合には、ステップS11に進む。ステップS11以下では、先のステップS2以下と同様の処理がL側を内輪として行われる。すなわち、ステップS11にてL側とR側の入力方向が確認され、両者の入力方向が同じ場合にはステップS12に進み、L側入力がR側入力よりも所定値(α)以上大きいか否かが判断される。
L側入力がR側入力+αを超えている場合にはS12からステップS13に進み、左右独立にモータ出力が演算され、ステップS5に進んで駆動部1に対し駆動指示が行われルーチンを抜ける。ステップS12にてL側入力がR側入力+α以下の場合はステップS14に進み、ハンドル6L,6Rからの入力の平均値に基づいてモータ17L,17Rの出力が決定され、ステップS5に進んで駆動指示が行われルーチンを抜ける。
ステップS11にて、L側とR側の入力方向が異なる場合には、ステップS15に進み、内輪側(L側)のハンドル6Lが外輪側(R側)のハンドル6Rと逆に引かれているか否かが判断される。ハンドル6Lがハンドル6Rとは逆に引かれていない場合は、ステップS16に進み、外輪側(R側)がハンドル6Rからの入力に応じた駆動出力に設定され、内輪側(L側)は出力0に設定され、ステップS5に進んで、その設定に基づいて駆動指示が行われルーチンを抜ける。ハンドル6R,6Lが逆に引かれている場合には、ステップS15からステップS17に進み、外輪側(R側)はハンドル6Rからの入力に応じた駆動出力に設定され、内輪側(L側)はハンドル6Lからの入力に応じた回生制動に設定され、ステップS5に進み、その設定に基づいて駆動指示が行われルーチンを抜ける。
次に、ベッド移動中の制御形態について説明する。図9はその処理手順を示すフローチャートである。ここではまず、ステップS21にて、L側とR側の入力方向がベッドの進行方向を同じかどうかが確認される。入力方向がL側,R側共にベッドの進行方向と同じ場合にはステップS22に進み、L側とR側の入力の比較が行われる。L側入力がR側入力を超えている場合にはステップS23に進み、L側入力がR側入力よりも所定値(α)以上大きいか否かが判断され、その後は図7のS3〜S6と同様の処理が行われる。
すなわち、L側入力がR側入力+αを超えている場合にはステップS24に進み、各モータ17L,17Rの出力が、各ハンドル6L,6Rからの入力値に基づいて各々独立して演算される。その後、ステップS25に進み、駆動部1に対し演算結果に基づく駆動指示が行われルーチンを抜ける。ステップS23にてL側入力がR側入力+αを超えていない場合はステップS26に進み、ハンドル6L,6Rからの入力の平均値に基づいてモータ17L,17Rの出力が決定され、ステップS25に進んで駆動指示が行われルーチンを抜ける。
ステップS22にて、L側入力がR側以下の場合にはステップS27に進み、R側入力がL側入力よりも所定値(α)以上大きいか否かが判断される。R側入力がL側入力+αを超えている場合にはステップS28に進み、左右独立にモータ出力が演算され、ステップS25に進んで駆動部1に対し駆動指示が行われルーチンを抜ける。ステップS27にてR側入力がL側入力+α以下の場合はステップS29に進み、ハンドル6L,6Rからの入力の平均値に基づいてモータ17L,17Rの出力が決定され、ステップS25に進んで駆動指示が行われルーチンを抜ける。
ステップS21にてL側とR側の何れかの入力方向がベッドの進行方向と異なる場合にはステップS31に進み、L側とR側の何れの側を内輪とするかが決定される。この場合、ハンドル6からの入力がベッド進行方向と同じ側を外輪、反対側を内輪とする。内外輪を決定した後、ステップS32に進み、内輪側のハンドル6が外輪側のハンドル6と逆に引かれているか否かが判断され、その後は図7のS7〜S9と同様の処理が行われる。
すなわち、左右のハンドルが逆に引かれていない場合は、ステップS33に進み、外輪側をハンドル6からの入力に応じた駆動出力に設定すると共に、内輪側を出力0(惰走)に設定する。これにより、例えば床面の凹凸によってベッドの進行方向が斜めになった場合も、内輪が外輪に追従するため、容易にコースの修正を行うことができ、ベッドの操作性が向上する。その後、ステップS25に進んで、先に設定に基づいて駆動指示を行ってルーチンを抜ける。左右のハンドルが逆に引かれている場合には、ステップS32からステップS34に進み、外輪側をハンドル6からの入力に応じた駆動出力に設定する一方、内輪側をハンドル6Lからの入力に応じた回生制動に設定する。そして、ステップS5に進み、その設定に基づいて駆動指示が行われルーチンを抜ける。
このように、ベッド移動中の場合、ハンドル6が進行方向と同じ方向に操作されているときは、左右の操作量の差に応じて、ハンドル操作量の差が大きいときは左右の駆動輪21を別個独立に制御し、小さいときは両ハンドルの操作量を平均して駆動輪21を左右同様に駆動する。また、ハンドル6が進行方向と異なる方向に操作された場合には、ハンドル操作方向によって内外輪を判断し、内輪側を惰走又は回生制動に設定する。
従来、走行時に左右のハンドルが逆操作されると、内輪側はハンドル操作量に応じて駆動輪21が逆転駆動されるため、ベッドの挙動が非常に不安定になるおそれがある。これに対し、本発明による制御では、走行中にハンドル6R,6Lが逆に引かれた場合には、ステップS34にて内輪側に回生制動力が付与され、ハンドル操作量に応じてブレーキが掛けられる。このため、駆動状態の駆動輪21が急逆転されず、ベッドは駆動輪21を回転の中心として外輪側ハンドルの操作量に応じてスムーズに旋回し、ベッドの急激な動作が抑制される。従って、熟練した操作者でなくとも、意図するように走行中のベッドをコーナリングさせたり旋回させたりすることができ、操作性の向上が図られる。
また、ベッド走行中に駆動輪が急反転されないため、モータやその駆動回路への負担も軽減され、駆動部への悪影響も低減する。このため、ベッドの使用寿命も向上し、コスト低減も図られる。さらに、この場合も、回生制動により運動エネルギを電気エネルギとして回収することができる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、本発明の搬送装置を病院用ベッドに適用した例を示したが、その適用対象はベッドには限定されず、ストレッチャーや給食運搬用台車、車椅子、荷役用電動台車等、パワーアシストを行う搬送装置一般に広く適用可能である。また、前述の実施例では、1個のモータベース16上に駆動ユニット12を配し、単一の昇降アクチュエータ13によって駆動輪21の昇降動作を行う構成を示したが、各駆動輪21ごとに個別の駆動ユニット12を使用し、それらを別個のモータベース16上に載置し2個の昇降アクチュエータ13によって個別に作動させるようにしても良い。
さらに、前述の実施例では、一対のハンドル6を左右に配置した例を示したが、ハンドルの形態はこれには限定されず、例えば、特開平11-262111号公報のように、逆U字形のハンドルを使用し、その左右基部等にセンサ手段を配置しても良い。また、T字形のハンドルを使用することもでき、その場合には、ハンドルの前後方向の操作量と、T字上辺の左右部分の操作によって生じる中心軸の回動角度に基づき、ベッドの走行制御を行う。つまり、例えば、T字上辺右側が押されて中心軸が左回りに回動した状態でハンドルが前方へ倒されると、ベッドは左方向に曲がりながら進行する。
本発明の実施例1である制御方法が適用される病院用電動ベッドの一例を示す正面図である。 図1の電動ベッドの概要を示す平面図である。 図1の電動ベッドに取り付けられたハンドルの構成を示す説明図である。 図1の電動ベッドの駆動部の構成を示す斜視図である。 駆動部における駆動ユニットと昇降アクチュエータの接続構造を示す説明図である。 コントローラの制御系の構成を示すブロック図である。 本発明による制御方法の処理手順を示すフローチャートであり、停止時からの駆動制御形態を示している。 モータの制御形態を示す説明図であり、(a)は正転時(前進時)、(b)は逆転時(後進時)、(c)は回生制動時の状態をそれぞれ示している。 本発明による制御方法の処理手順を示すフローチャートであり、ベッド移動中の場合の駆動制御形態を示している。 ハンドル操作量に応じてアシスト力が制御される搬送装置におけるハンドル作動状態を示す説明図である。 ハンドル操作量と搬送装置の駆動力との関係を示す説明図である。 ハンドル操作方向と搬送装置の動作との関係を示す表である。
符号の説明
1 駆動部
2 ベッド部
3 マット
4 アーム
5 安全柵
6,6L,6R ハンドル
7 ハンドル操作力センサ
8 コントロールパネル
8a 電源スイッチ
8b 非常停止スイッチ
8c ベッド昇降スイッチ
11 フレーム
11a メインフレーム
11b 連結バー
12 駆動ユニット
13 昇降アクチュエータ
14 キャスター
15 カバー
16 モータベース
17,17L,17R DCモータ
18,18L,18R 減速機構
19 回転軸
21,21L,21R 駆動輪
22 ホイール
23 ゴムタイヤ
24 タワー
24a 基部
25 床面
26 ピボット
27 アーム
28 長孔
29 プランジャ
31 ピン
32 バネ
33 プランジャ
34 DCモータ
35 ブラケット
36 バッテリ
37 コントローラ(制御手段)
38 アクチュエータ
39,39L,39R 車速センサ(速度検出手段)
41 CPU
42,42L,42R 入力回路
43,43L,43R 入力回路
44,44L,44R 駆動出力回路
45 電源回路
46 電源入力回路
51 ハンドル
52 不感帯

Claims (9)

  1. 電動モータにて駆動される左右の駆動輪と、センサ手段に取り付けられたハンドルとを備え、前記センサ手段によって検知された前記ハンドルの操作方向と操作量に基づいて、前記駆動輪によって付与される走行補助力を制御するパワーアシスト付き搬送装置の制御方法であって、
    前記搬送装置を曲進させる際、前記ハンドルの操作方向に基づき、内輪側となる前記駆動輪を該駆動輪側の前記ハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能としたことを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  2. 請求項1記載のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記内輪側駆動輪の作動を停止させると共に、前記電動モータにより該駆動輪に対し回生制動力を付与することを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  3. 請求項2記載のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記回生制動力は、前記ハンドルの操作量に応じて変化することを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  4. 請求項1記載のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記内輪側駆動輪を惰走可能な状態で停止させることを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  5. 請求項1記載のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記ハンドルの操作量の平均値に基づいて前記駆動輪を制御することを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  6. 請求項1記載のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記ハンドルの操作量に基づいて前記左右の駆動輪を個別に独立制御することを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、搬送装置が走行中の場合、ハンドル操作方向が該搬送装置の進行方向と異なる側の前記駆動輪を内輪側とすることを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  8. 請求項1〜7記載の何れか1項にパワーアシスト付き搬送装置の制御方法において、前記搬送装置は、該搬送装置の走行速度を検出する速度検出手段を有することを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置の制御方法。
  9. 電動モータにて駆動される駆動輪と、
    センサ手段に接続され、前記センサ手段によりその操作量が検出されるハンドルと、
    前記センサ手段によって検出されたハンドル操作量に基づいて前記走行補助力を制御すると共に、前記搬送装置を曲進させる際、前記ハンドルの操作方向に基づき、内輪側となる前記駆動輪を該駆動輪側の前記ハンドルの操作方向及び操作量に関わらず制御可能な制御手段とを有することを特徴とするパワーアシスト付き搬送装置。
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