本発明は、基準格子製造方法及び基準格子製造装置に係り、特に位置検出を高精度に行う2次元角度格子を構成する基準格子の製造方法及びその製造装置に関する。
IT技術の根幹である半導体デバイスの高集積化、低価格化に対応し、半導体デバイスを製造する半導体露光装置に対する高生産性、高精度化、高速化等の要求が高まっている。半導体露光装置のキーコンポーネントであるステージには10nm前後の精度と数百mm〜数千mmの移動範囲を持った高速多自由度ステージ装置が要求される。そのため、ステージの多自由度位置と姿勢を精密に計測し、その結果をフィードバックしてステージの位置決め制御を行うことが必要となる。
従来の位置決め装置の位置計測方式としては、光学式リニアエンコーダ、レーザ測長機やオートコリメータ等が一般的に用いられてきた。これらは、基本的には1次元の長さあるいは姿勢測定を基本原理としており、その複数軸の組み合わせによって、位置あるいは姿勢の計測を行っていた。
また、高精度計測に用いられているレーザ干渉計では、レーザ光を用いてステージ(位置決め対象物)の位置の計測を行うため、ステージの置かれている装置内の空気の揺らぎなどによって、計測の値精度が低下するという問題があった。また、レーザ干渉計では、光学部品をステージの外部(周囲)にしか置くことができず、且つ空気の揺らぎを防止するために各方向毎にレーザの光路となる金属パイプを装架する必要があるため、ステージ装置全体が大型化し、構成が煩雑となるなどの問題点がある。
さらに、ステージがZ軸回りに回転した場合には、ステージからの反射光が干渉計の受光部から外れて、XY方向の位置検出ができなくなるという問題があった。このような問題を解決する検出装置として、基準格子(角度格子)にレーザ光を照射し、基準格子により反射される反射光をXY方向の2次元角度を2次元角度センサにより検出するサーフェイスエンコーダと呼ばれるものがある(例えば、特許文献1参照)。
図1は、基準格子と2次元角度センサとを有した検出装置の概略図である。図1に示すように、従来の検出装置300では、1本の2次元角度センサ290の出力変化によりXY方向の位置の検出を行っていた。
ここでの2次元角度センサ290は、基準格子の面の傾斜を検出するものであり、これにより基準格子の面の法線方向の変化を見ることができ、2次元角度センサ290により、XY方向(2方向)の傾斜または法線変化を検出することができる。基準格子320は、平面上の直交する2方向(X方向及びY方向)に既知の関数で変化する山と谷とが集合してなるもののことであり、基準格子320の形状には、正弦波が用いられる。すなわち、基準格子320は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成されている。
次に、図2を参照して、図1に示した2次元角度センサ290について説明する。図2は、2次元角度センサを示した図である。2次元角度センサ290は、オートコリメーション法に基づいた幾何光学的なセンサである。
図2に示すように、レーザ光源301から照射された1本のレーザ光310は、偏光ビームスプリッタ302と1/4波長板303を通過し、基準格子320の表面に入射する。基準格子320の表面で反射されたレーザ光312は偏光ビームスプリッタ302で反射され、レーザ光312はオートコリメータ305に入射する。オートコリメータ305は、対物レンズ306とスポット位置を検出する検出器307とを含んだ構成とされている。
また、計測基準面として用いられている3次元微細凹凸形状パターンを有する基準格子(2次元角度格子)では、正弦波長が100μmオーダ、振幅が100nmオーダの超精密な微細凹凸形状パターンが正確に形成されることが要望されている。また、基準格子の表面に形成された微細凹凸形状パターンは、例えば、微細な切削工具を用いた工作機械により微細加工することにより加工される。特に2次元角度格子は、超精密な形状をなす為、例えば、シングルポイントダイアモンドバイトと圧電アクチュエータを用いた高速工具サーボ機構が搭載された工作機械による超精密切削加工で製作されている。
特許2960013号公報
しかしながら、上記のようなシングルポイントダイアモンドバイトと圧電アクチュエータを用いた工作機械により上記基準格子320の微細凹凸形状パターンを微細加工する方法では、正弦波形状の凹部と凸部とを一つずつ加工することになり、且つ正弦波長が100μmオーダ、振幅が100nmオーダの凹凸形状を高精度に加工する必要があるので、基準格子320全体を加工するのにかなりの時間を要することになり、量産には適さない。
また、例えば、プレス加工により基準格子320を製造する方法も考えられている。この方法では、金属プレートの表面に基準格子320に形成される微細凹凸形状パターンを切削加工してマスタとなるプレス型を製作し、このプレス型をアルミ板などに押圧してプレス加工してアルミ板の表面に微細凹凸形状パターンを短時間で形成することが可能になる。
しかしながら、上記のようなプレス加工方法では、ステージ装置の位置検出器としてサーフェイスエンコーダを用いる場合には、ステージ装置で加工または検査などを行うワークの大きさに応じて基準格子320の全長を2m〜3m位まで延長する必要があるが、基準格子320の長さや幅が大きくなると、基準格子320の全域に対して均等に加圧することが難しく、特に正弦波長が100μmオーダ、振幅が100nmオーダの凹凸形状を加工するといった精密加工条件が要求される場合には、被加工対象面積の全域の加圧力が均等に作用せず、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状パターンを形成することが難しかった。
そこで、本発明は上記課題を解決した基準格子製造方法及び基準格子製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、前記微細凹凸形状パターンを有する転写マスタから光硬化性樹脂層に前記微細凹凸形状パターンを転写しながら、前記光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、前記微細凹凸形状パターンを有する転写マスタと、光の照射により硬化する光硬化性樹脂層と、前記光硬化性樹脂層に光を照射する光源と、を有し、前記転写マスタの前記微細凹凸形状パターンを前記光硬化性樹脂層に転写しながら前記光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、平板状の表面に前記微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、前記転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面を有するベースとの間に光硬化性樹脂層を形成し、前記光硬化性樹脂層に前記微細凹凸形状パターンを転写しながら前記光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記請求項3に記載された基準格子製造方法であって、前記転写マスタと前記ベースのうち少なくとも何れか一方を光透過性材料により形成し、該光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂層に照射することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、平板状の表面に前記微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、該転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面に光硬化性樹脂層が形成されたベースと、前記微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂層に光を照射する光源とを有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、平板状の表面に前記微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、前記転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面を有するベースとの間に光硬化性樹脂シートを介在させ、前記光硬化性樹脂シートに前記転写マスタの微細凹凸形状パターンを押圧させながら前記光硬化性樹脂シートに光を照射して前記光硬化性樹脂シートの表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記請求項6に記載された基準格子製造方法であって、
前記転写マスタと前記ベースのうち少なくとも何れか一方を光透過性材料により形成し、該光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂シートに照射することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、平板状の表面に前記微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、該転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面に光硬化性樹脂シートが載置されるベースと、前記光硬化性樹脂シートに前記転写マスタの微細凹凸形状パターンを押圧させた状態で前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂シートに光を照射する光源とを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、平板状に形成された転写マスタの微細凹凸形状パターンに円筒部材の外周に形成された光硬化性樹脂層を押圧し、前記円筒部材を回転させながら前記微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、前記請求項9に記載された基準格子製造方法であって、前記転写マスタと前記円筒部材のうち少なくとも何れか一方を光透過性材料により形成し、該光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂層に照射することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、平板状の表面に所定の微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、外周が前記転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向するように回転可能に支持され、外周に光硬化性樹脂層が形成された円筒部材と、前記円筒部材を回転させて前記転写マスタの微細凹凸形状パターンに前記光硬化性樹脂層を押圧することにより、前記光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンに転写する転写手段と、前記転写手段により前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂層に光を照射する光源と、を備えたことを特徴とする。
請求項12記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、平板状のベース表面に形成された光硬化性樹脂層に円筒形状の転写マスタローラに形成された微細凹凸形状パターンを押圧し、前記転写マスタローラを回転させながら前記微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、前記請求項12に記載された基準格子製造方法であって、前記転写マスタローラと前記ベースのうち少なくとも何れか一方を光透過性材料により形成し、該光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂層に照射することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターンが形成された転写マスタローラと、該転写マスタローラの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面に光硬化性樹脂層を形成されたベースと、前記転写マスタローラを回転させて前記転写マスタローラの微細凹凸形状パターンを前記光硬化性樹脂層に押圧することにより、前記光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンに転写する転写手段と、前記転写手段により前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂層に光を照射する光源とを備えたことを特徴とする。
請求項15記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、円筒形状の転写マスタローラの外周に形成された微細凹凸形状パターンに光硬化性樹脂シートを巻きつけ、前記転写マスタローラを回転させながら前記微細凹凸形状パターンに押圧された前記光硬化性樹脂シートを回転方向に移動させ、前記光硬化性樹脂シートに光を照射して前記光硬化性樹脂シートの表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、前記請求項15に記載された基準格子製造方法であって、前記転写マスタローラを光透過性材料により形成し、前記転写マスタローラの内部と外部との少なくとも何れか一方より前記光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂シートに照射することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターンが形成された転写マスタローラと、該転写マスタローラの外周に巻きつけられた光硬化性樹脂シートの所定の張力を付与する張力付与手段と、前記転写マスタローラを回転させると共に前記光硬化性樹脂シートの移動により前記転写マスタローラの微細凹凸形状パターンを前記光硬化性樹脂シートに転写する転写手段と、前記転写手段により前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂シートに対して光を照射する光源と、を備えたことを特徴とする。
請求項18記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、円筒状の被転写ローラ外周に形成された光硬化性樹脂層に転写マスタローラの外周に形成された微細凹凸形状パターンを押圧し、前記転写マスタローラ及び前記被転写ローラを回転させながら前記微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項19記載の発明は、前記請求項18に記載された基準格子製造方法であって、前記転写マスタローラと前記被転写ローラの少なくとも何れか一方を光透過性材料により形成し、前記転写マスタローラの内部と前記被転写ローラの内部との少なくとも何れか一方より前記光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂に照射することを特徴とする。
請求項20記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターンが形成された転写マスタローラと、該転写マスタローラと平行に配置され、外周に光硬化性樹脂層が形成された被転写ローラと、前記被転写ローラの回転と共に前記転写マスタローラを回転させて前記転写マスタローラの微細凹凸形状パターンを前記被転写ローラ外周の前記光硬化性樹脂層に転写する転写手段と、前記転写手段により前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂層に対して光を照射する光源とを備えたことを特徴とする。
請求項21記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、円筒形状の転写マスタローラの外周に形成された微細凹凸形状パターンを自由曲面に形成された光硬化性樹脂層に押圧し、前記転写マスタローラを回転させながら前記微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項22記載の発明は、前記請求項21に記載された基準格子製造方法であって、前記転写マスタローラと前記自由曲面の少なくとも何れか一方を光透過性材料により形成し、前記転写マスタローラの内部と前記自由曲面の内部との少なくとも何れか一方より前記光透過性材料を透過した光を前記光硬化性樹脂層に照射することを特徴とする。
請求項23記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターンが形成された転写マスタローラと、該転写マスタローラの外周の半径方向に湾曲する自由曲面に光硬化性樹脂層が被覆されたベースと、前記転写マスタローラを前記自由曲面に沿うように転動させながら前記自由曲面に被覆された前記光硬化性樹脂層に前記転写マスタローラを押圧し、前記転写マスタローラの微細凹凸形状パターンを前記自由曲面の前記光硬化性樹脂層に転写する転写手段と、前記転写手段により前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂層に光を照射する光源とを備えたことを特徴とする。
請求項24記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造方法であって、光源のレンズ表面に形成された微細凹凸形状パターンを光硬化性樹脂層に押圧し、前記光源からの光を前記微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層の表面に照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
請求項25記載の発明は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する基準格子製造装置であって、光源が収納された中空部材と、該中空部材の端部に設けられ、表面に前記微細凹凸形状パターンが形成された転写マスタレンズと、を備え、前記転写マスタレンズを光硬化性樹脂層に押圧し、前記微細凹凸形状パターンが転写された前記光硬化性樹脂層に対して前記光源からの光を照射することを特徴とする。
請求項1及び2に記載の本発明によれば、微細凹凸形状パターンを有する転写マスタから光硬化性樹脂層に微細凹凸形状パターンを転写しながら、光硬化性樹脂層に光を照射して光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、特に正弦波長が100μmオーダ、振幅が100nmオーダの凹凸形状を形成するといった精密な加工条件でも、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項3乃至5に記載の本発明によれば、平板状の表面に微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面を有するベースとの間に光硬化性樹脂層を形成し、光硬化性樹脂層に微細凹凸形状パターンを転写しながら、光硬化性樹脂層に光を照射して光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項6乃至8に記載の本発明によれば、平板状の表面に微細凹凸形状パターンが加工された転写マスタと、転写マスタの微細凹凸形状パターンに対向する成型用平面を有するベースとの間に光硬化性樹脂シートを介在させ、光硬化性樹脂シートに転写マスタの微細凹凸形状パターンを押圧させた状態で、光硬化性樹脂シートに光を照射して光硬化性樹脂シートの表面に前記微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項9乃至11に記載の本発明によれば、平板状に形成された転写マスタの微細凹凸形状パターンに円筒部材の外周に形成された光硬化性樹脂層を押圧し、円筒部材を回転させながら微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項12乃至14に記載の本発明によれば、平板状のベース表面に形成された光硬化性樹脂層に円筒形状の転写マスタローラに形成された微細凹凸形状パターンを押圧し、転写マスタローラを回転させながら微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して前記光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項15乃至17に記載の本発明によれば、円筒形状の転写マスタローラの外周に形成された微細凹凸形状パターンに光硬化性樹脂シートを巻きつけ、前記転写マスタローラを回転させながら前記微細凹凸形状パターンに押圧された前記光硬化性樹脂シートを回転方向に移動させ、前記光硬化性樹脂シートに光を照射して前記光硬化性樹脂シートの表面に前記微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項18乃至20に記載の本発明によれば、円筒状の被転写ローラ外周に形成された光硬化性樹脂層に転写マスタローラの外周に形成された微細凹凸形状パターンを押圧し、転写マスタローラ及び被転写ローラを回転させながら微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項21乃至23に記載の本発明によれば、円筒形状の転写マスタローラの外周に形成された微細凹凸形状パターンを自由曲面に形成された光硬化性樹脂層に押圧し、転写マスタローラを回転させながら微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層に光を照射して光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
また、請求項24及び25に記載の本発明によれば、光源のレンズ表面に形成された微細凹凸形状パターンを光硬化性樹脂層に押圧し、前記光源からの光を前記微細凹凸形状パターンに押圧された光硬化性樹脂層の表面に照射して前記光硬化性樹脂層の表面に前記微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になり、被加工対象面積の全域に均等な微細凹凸形状を精密に形成することが可能になる。
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図3は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例1を示す斜視図である。
図3に示されるように、実施例1の基準格子製造装置10は、表面に所定の微細凹凸形状パターンが形成された基準格子を製造する装置であり、下面に微細凹凸形状パターン12が加工された平板状転写マスタ14と、平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12に対向する成型用平面16を有するレプリカベース20と、微細凹凸形状パターン12が転写された光硬化性樹脂層18に紫外線光を照射するUV光源(紫外線照射部)22とを有する。尚、平板状転写マスタ14は、円柱形状に形成され、レプリカベース20は長方形状に形成されているが、夫々の形状を逆にしても良いし、あるいは両方とも円柱形状か長方形状としても良い。
平板状転写マスタ14は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)の下面に微細凹凸形状パターン12が切削加工されている。この微細凹凸形状パターン12は、例えば、シングルポイントダイアモンドバイトと圧電アクチュエータを用いた高速工具サーボ機構が搭載された工作機械による超精密切削加工で製作されている。
レプリカベース20は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、上面に光硬化性樹脂が塗布される成型用平面16を有する。成型用平面16の上方には、平板状転写マスタ14が微細凹凸形状パターン12を対向するように昇降機構(図示せず)により昇降可能に支持されている。
そして、樹脂塗布装置(図示せず)によりレプリカベース20の成型用平面16に液状の光硬化性樹脂が塗布されると、平板状転写マスタ14は降下されて、下面側の微細凹凸形状パターン12が成型用平面16に塗布された光硬化性樹脂層18に押圧される。この押圧力によって、光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。従って、平板状転写マスタ14の全面積に均等な圧力が作用して微細凹凸形状パターン12の全面を光硬化性樹脂層18に均等に押圧することが可能になる。
このとき、光硬化性樹脂層18は、まだ硬化しておらず、流動性を有するため、その上面が微細凹凸形状パターン12によって押圧されると共に、微細凹凸形状パターン12の凹凸形状に沿うように移動しながら成型される。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが転写される。
尚、光硬化性樹脂としては、主に紫外線照射によって硬化する紫外線硬化樹脂を用いるが、これ以外でも光に反応して硬化する樹脂材を用いても良いのは勿論である。
また、レプリカベース20の下方には、紫外線を発光するUV光源22が配置されている。従って、レプリカベース20の上面に塗布された光硬化性樹脂は、レプリカベース20の下面側に設けられたUV光源22から発光された紫外線がレプリカベース20を透過して照射されることにより短時間で硬化する性質を有している。
そのため、基準格子製造装置10では、平板状転写マスタ14と微細凹凸形状パターン12とレプリカベース20の成型用平面16との間に光硬化性樹脂層18を介在し、光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12を押圧させた状態で、光硬化性樹脂層18の下方から紫外線を照射して光硬化性樹脂層18を硬化させる。これにより、光硬化性樹脂層18の上面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
そして、所定時間(光硬化性樹脂の材質や光硬化性樹脂層18の厚さなどによって決まる)が経過すると、光硬化性樹脂層18全体が硬化しており、UV光源22を消灯させて平板状転写マスタ14を上昇させる。平板状転写マスタ14は、所定高さの離間位置に上昇すると、光硬化性樹脂層18を平板状転写マスタ14の下面から離型することが可能になる。
このように、基準格子製造装置10を用いた製造方法によれば、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20の大きさを自由に設定できるので、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図4は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例2を示す斜視図である。尚、図4において、上記図3と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示されるように、実施例2の基準格子製造装置30は、上記実施例1の変形例であり、実施例1と同様にレプリカベース20の上方に平板状転写マスタ14が対向配置されている。また、基準格子製造装置30は、レプリカベース20が例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により形成され、平板状転写マスタ14がガラス等の透明な光透過性材料により形成されている。紫外線光を照射するUV光源(紫外線照射部)22は、平板状転写マスタ14の上面に搭載されており、平板状転写マスタ14を透過した紫外線を微細凹凸形状パターン12が転写された光硬化性樹脂層18に照射する。
レプリカベース20は、上面に光硬化性樹脂が塗布される成型用平面16を有する。成型用平面16の上方には、平板状転写マスタ14が微細凹凸形状パターン12を対向するように昇降機構(図示せず)により昇降可能に支持されている。
そして、樹脂塗布装置(図示せず)によりレプリカベース20の成型用平面16に光硬化性樹脂(このときは流動性を有する)が塗布されると、平板状転写マスタ14は降下されて、下面側の微細凹凸形状パターン12が成型用平面16に塗布された光硬化性樹脂層18に押圧される。従って、平板状転写マスタ14の全面積に均等な圧力が作用して微細凹凸形状パターン12の全面を光硬化性樹脂層18に均等に押圧することが可能になる。この押圧力によって、光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、成型用平面16に塗布された光硬化性樹脂は、UV光源22から発光された紫外線が平板状転写マスタ14を透過して照射されることにより短時間で硬化する性質を有している。そのため、基準格子製造装置30では、平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12とレプリカベース20の成型用平面16との間に光硬化性樹脂層18を介在し、光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12を押圧させた状態で、光硬化性樹脂層18の上方から紫外線を照射して光硬化性樹脂層18を硬化させる。従って、光硬化性樹脂層18は、微細凹凸形状パターン12に押圧された上面側から硬化することになる。これにより、光硬化性樹脂層18の上面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
そして、所定時間(光硬化性樹脂の材質や光硬化性樹脂層18の厚さなどによって決まる)が経過すると、光硬化性樹脂層18全体が硬化しており、UV光源22を消灯させて平板状転写マスタ14を上昇させる。平板状転写マスタ14は、所定高さの離間位置に上昇すると、光硬化性樹脂層18を平板状転写マスタ14の下面から離型することが可能になる。
このように、基準格子製造装置30を用いた製造方法によれば、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20の大きさを自由に設定できるので、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図5は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例3を示す斜視図である。尚、図5において、上記図3、図4と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示されるように、実施例3の基準格子製造装置40は、上記実施例1,2の変形例であり、実施例1、2と同様にレプリカベース20の上方に平板状転写マスタ14が対向配置されている。また、基準格子製造装置40は、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20がガラス等の透明な光透過性材料により形成されている。紫外線光を照射するUV光源(紫外線照射部)22は、平板状転写マスタ14の上面及びレプリカベース20の下面に配置されており、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20を透過した紫外線を微細凹凸形状パターン12が転写された光硬化性樹脂層18に対して上下方向から同時に照射する。
そして、樹脂塗布装置(図示せず)によりレプリカベース20の成型用平面16に光硬化性樹脂(このときは流動性を有する)が塗布されると、平板状転写マスタ14は降下されて、下面側の微細凹凸形状パターン12が成型用平面16に塗布された光硬化性樹脂層18に押圧される。従って、平板状転写マスタ14の全面積に均等な圧力が作用して微細凹凸形状パターン12の全面を光硬化性樹脂層18に均等に押圧することが可能になる。この押圧力によって、光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
次いで、平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12とレプリカベース20の成型用平面16との間に光硬化性樹脂層18を介在し、光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12を押圧させた状態で、光硬化性樹脂層18に対して上下方向から紫外線を照射して光硬化性樹脂層18を硬化させる。これにより、光硬化性樹脂層18の上面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
そして、紫外線の照射量が2倍になっているので、実施例1,2よりも短時間で光硬化性樹脂層18全体が硬化する。その後、UV光源22を消灯させて平板状転写マスタ14を上昇させる。平板状転写マスタ14は、所定高さの離間位置に上昇すると、光硬化性樹脂層18を平板状転写マスタ14の下面から離型することが可能になる。
このように、基準格子製造装置40を用いた製造方法によれば、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20の大きさを自由に設定できるので、基準格子の大きさに拘わり無く、より短時間で微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図6は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例4を示す斜視図である。尚、図6において、上記図3〜図5と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示されるように、実施例4の基準格子製造装置50は、上面に微細凹凸形状パターン12が加工された平板状転写マスタ14と、平板状転写マスタ14の上方で微細凹凸形状パターン12に対向するレプリカベース20と、レプリカベース20の上面に搭載され微細凹凸形状パターン12が転写された光硬化性樹脂シート52に紫外線光を照射するUV光源(紫外線照射部)22とを有する。光硬化性樹脂シート52は、透明なベースフィルム上に光硬化性樹脂膜が被覆形成されたシート状部材であり、光硬化性樹脂を塗布する工程を省略することができる。
平板状転写マスタ14は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)の上面に微細凹凸形状パターン12が切削加工されている。
レプリカベース20は、例えば、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、下面に光硬化性樹脂シート52を押圧する成型用平面16を有する。また、レプリカベース20は、成型用平面16を平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12に対向させた状態で昇降機構(図示せず)により昇降可能に支持されている。
そして、樹脂シート搬送装置(図示せず)により平板状転写マスタ14とレプリカベース20との間に光硬化性樹脂シート52が搬送されると、レプリカベース20は降下されて、下面側の成型用平面16が光硬化性樹脂シート52を下方に押圧する。光硬化性樹脂シート52は、上面側がベースフィルムで、下面側が光硬化性樹脂層18になっている。そのため、成型用平面16の降下により、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が微細凹凸形状パターン12に押圧される。従って、平板状転写マスタ14の全面積に均等な圧力が作用して微細凹凸形状パターン12の全面を光硬化性樹脂層18に均等に押圧することが可能になる。この押圧力によって、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、レプリカベース20の上方には、紫外線を発光するUV光源22が配置されている。従って、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂は、UV光源22から発光された紫外線がレプリカベース20を透過して照射されることにより硬化する。
そのため、基準格子製造装置50では、平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12とレプリカベース20の成型用平面16との間に光硬化性樹脂シート52を介在し、成型用平面16が光硬化性樹脂シート52を微細凹凸形状パターン12に押圧させた状態で、光硬化性樹脂シート52の上方から紫外線を照射して光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18を硬化させる。これにより、光硬化性樹脂シート52の下面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
そして、所定時間が経過すると、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18全体が硬化しており、UV光源22を消灯させてレプリカベース20を上昇させる。レプリカベース20は、所定高さの離間位置に上昇すると、光硬化性樹脂シート52を平板状転写マスタ14から離型することが可能になる。
このように、基準格子製造装置50を用いた製造方法によれば、成型用平面16が光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18を微細凹凸形状パターン12に押圧させた状態で、光硬化性樹脂層18に上方から紫外線を照射して光硬化性樹脂層18の表面に微細凹凸形状パターンを形成するため、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図7は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例5を示す斜視図である。尚、図7において、上記図3〜図6と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図7に示されるように、実施例5の基準格子製造装置60は、上記実施例4の変形例であり、実施例4と同様に平板状転写マスタ14の上方にレプリカベース20が対向配置されている。また、基準格子製造装置60は、レプリカベース20がアルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により形成され、平板状転写マスタ14がガラス等の透明な光透過性材料により形成されている。紫外線光を照射するUV光源(紫外線照射部)22は、平板状転写マスタ14の下面側に配置されており、平板状転写マスタ14を透過した紫外線を微細凹凸形状パターン12が転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18に照射する。
レプリカベース20は、下面に光硬化性樹脂シート52を押圧する成型用平面16が設けられ、成型用平面16が微細凹凸形状パターン12を対向するように昇降機構(図示せず)により昇降可能に支持されている。
そして、樹脂シート搬送装置(図示せず)により平板状転写マスタ14とレプリカベース20との間に光硬化性樹脂シート52が搬送されると、レプリカベース20は降下されて、下面側の成型用平面16が光硬化性樹脂シート52を下方に押圧する。そのため、成型用平面16の降下により、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が微細凹凸形状パターン12に押圧される。この押圧力によって、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、平板状転写マスタ14の下方には、紫外線を発光するUV光源22が配置されている。従って、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18は、UV光源22から発光された紫外線が平板状転写マスタ14を透過して下方から照射されることにより硬化する。
そのため、基準格子製造装置60では、平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12とレプリカベース20の成型用平面16との間に光硬化性樹脂シート52を介在し、成型用平面16が光硬化性樹脂シート52を微細凹凸形状パターン12に押圧させた状態で、光硬化性樹脂シート52の下方から紫外線を照射して光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18を硬化させる。これにより、光硬化性樹脂シート52の下面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
よって、基準格子製造装置50を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図8は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例6を示す斜視図である。尚、図8において、上記図3〜図7と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示されるように、実施例6の基準格子製造装置70は、上記実施例4、5の変形例であり、実施例4、5と同様に平板状転写マスタ14の上方にレプリカベース20が対向配置されている。また、基準格子製造装置70は、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20がガラス等の透明な光透過性材料により形成されている。紫外線光を照射するUV光源(紫外線照射部)22は、平板状転写マスタ14の下面側及びレプリカベース20の上面側に配置されており、平板状転写マスタ14及びレプリカベース20を透過した紫外線を微細凹凸形状パターン12が転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18に照射する。
レプリカベース20は、下面に光硬化性樹脂シート52を押圧する成型用平面16が設けられ、成型用平面16が微細凹凸形状パターン12を対向するように昇降機構(図示せず)により昇降可能に支持されている。
そして、樹脂シート搬送装置(図示せず)により平板状転写マスタ14とレプリカベース20との間に光硬化性樹脂シート52が搬送されると、レプリカベース20は降下されて、下面側の成型用平面16が光硬化性樹脂シート52を下方に押圧する。そのため、成型用平面16の降下により、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が微細凹凸形状パターン12に押圧される。この押圧力によって、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18は、UV光源22から発光された紫外線が平板状転写マスタ14及びレプリカベース20を透過して上下方向から同時に照射されるため、紫外線の照射量が2倍になっており、実施例4,5よりも短時間で光硬化性樹脂層18全体が硬化する。
そのため、基準格子製造装置60では、平板状転写マスタ14の微細凹凸形状パターン12とレプリカベース20の成型用平面16との間に光硬化性樹脂シート52を介在し、成型用平面16が光硬化性樹脂シート52を微細凹凸形状パターン12に押圧させた状態で、光硬化性樹脂シート52の上下方向から紫外線を照射して光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18をより短時間で硬化させる。これにより、光硬化性樹脂シート52の下面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
よって、基準格子製造装置70を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図9は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例7を示す斜視図である。尚、図9において、上記図3〜図8と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図9に示されるように、実施例7の基準格子製造装置80は、上面に微細凹凸形状パターン12が加工された平板状転写マスタ14と、平板状転写マスタ14の上方で微細凹凸形状パターン12に対向する円筒形状のレプリカローラ(円筒部材)82と、レプリカローラ82の内部空間に収納されたUV光源(紫外線照射部)22とを有する。
平板状転写マスタ14は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)の上面に微細凹凸形状パターン12が切削加工されており、例えば、ラックとピニオンからなるスライド機構(図示せず)によりレプリカローラ82の回転方向に対する接線方向にスライド可能に支持されている。尚、スライド機構は、レプリカローラ82の回転と、平板状転写マスタ14のスライド動作は、連動して行われるように構成されている。
レプリカローラ82は、例えば、ガラス等の透明な光透過性材料により中空円筒形状に形成されており、中空部内にUV光源22が設けられ、外周に光硬化性樹脂シート52が貼着されている。また、レプリカローラ82の両端に突出する軸84は、微細凹凸形状パターン12に光硬化性樹脂シート52を押圧した高さ位置で回転可能に支持されている。
そして、レプリカローラ82が回転しながら平板状転写マスタ14がスライドすることにより、レプリカローラ82の外周に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52が微細凹凸形状パターン12に押圧されながら転動する。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、レプリカローラ82の内部には、紫外線を発光するUV光源22が配置されているため、UV光源22から発光された紫外線がレプリカローラ82を透過して光硬化性樹脂シート52に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置80を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図10は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例8を示す斜視図である。尚、図10において、上記図3〜図9と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図10に示されるように、実施例8の基準格子製造装置90は、上記実施例7の変形例であり、実施例7と同様に平板状転写マスタ14の上方にレプリカローラ(円筒部材)82が対向配置されている。また、平板状転写マスタ14の下方には、UV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
そして、レプリカローラ82が回転しながら平板状転写マスタ14がスライドすることにより、レプリカローラ82の外周に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52が微細凹凸形状パターン12に押圧されながら転動する。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、平板状転写マスタ14の下方には、紫外線を発光するUV光源22が配置されているため、UV光源22から発光された紫外線が平板状転写マスタ14を透過して光硬化性樹脂シート52に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置90を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図11は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例9を示す斜視図である。尚、図11において、上記図3〜図10と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図11に示されるように、実施例9の基準格子製造装置100は、上記実施例7、8の変形例であり、実施例7、8と同様に平板状転写マスタ14の上方にレプリカローラ(円筒部材)82が対向配置されている。また、平板状転写マスタ14の内部及び平板状転写マスタ14の下方には、夫々UV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
平板状転写マスタ14及びレプリカローラ82は、例えば、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されている。
そして、レプリカローラ82が回転しながら平板状転写マスタ14がスライドすることにより、レプリカローラ82の外周に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52が微細凹凸形状パターン12に押圧されながら転動する。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、平板状転写マスタ14の下方及びレプリカローラ82の内部に配置されたUV光源22から発光された紫外線が平板状転写マスタ14及びレプリカローラ82を透過して光硬化性樹脂シート52に照射される。そのため、光硬化性樹脂シート52は、紫外線の照射量が2倍になっているので、実施例7,8よりも短時間で光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置100を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図12は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例10を示す斜視図である。尚、図12において、上記図3〜図11と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図12に示されるように、実施例10の基準格子製造装置110は、円筒形状の外周に微細凹凸形状パターン12が加工されたローラ状転写マスタ114と、ローラ状転写マスタ114の下方で成型用平面16を有するレプリカベース20と、レプリカベース20の下方に配置されたUV光源(紫外線照射部)22とを有する。
ローラ状転写マスタ114は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により円筒形状に形成されており、その外周に微細凹凸形状パターン12が切削加工されている。また、ローラ状転写マスタ114の両端に突出する軸116は、微細凹凸形状パターン12を成型用平面16に貼着された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18に押圧する高さ位置で回転可能に支持されている。
レプリカベース20は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、上面に光硬化性樹脂シート52が貼着される成型用平面16を有する。また、レプリカベース20は、例えば、スライド機構(図示せず)によりローラ状転写マスタ114の回転方向に対する接線方向にスライド可能に支持されている。尚、スライド機構は、例えば、ラックとピニオンからなり、ローラ状転写マスタ114の回転動作とレプリカベース20のスライド動作とが連動して行われるように構成されている。
そして、ローラ状転写マスタ114が回転しながらレプリカベース20がスライドすることにより、ローラ状転写マスタ114の外周に形成された微細凹凸形状パターン12が成型用平面16に貼着された光硬化性樹脂シート52に押圧されながら転動する。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、レプリカベース20の下方には、紫外線を発光するUV光源22が配置されているため、UV光源22から発光された紫外線がレプリカベース20を透過して光硬化性樹脂シート52に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置110を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図13は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例11を示す斜視図である。尚、図13において、上記図3〜図12と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図13に示されるように、実施例11の基準格子製造装置120は、上記実施例10の変形例であり、実施例10と同様に、レプリカベース20の上方にローラ状転写マスタ114が回転可能に支持されている。また、ローラ状転写マスタ114は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が収納されている。
レプリカベース20は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により平板形状に形成されており、上面に光硬化性樹脂シート52が貼着される成型用平面16を有する。また、レプリカベース20は、例えば、スライド機構(図示せず)によりローラ状転写マスタ114の回転方向に対する接線方向にスライド可能に支持されている。
そして、ローラ状転写マスタ114が回転しながらレプリカベース20がスライドすることにより、ローラ状転写マスタ114の外周に形成された微細凹凸形状パターン12が成型用平面16に貼着された光硬化性樹脂シート52に押圧されながら転動する。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、ローラ状転写マスタ114の内部には、紫外線を発光するUV光源22が配置されているため、UV光源22から発光された紫外線がローラ状転写マスタ114を透過して光硬化性樹脂シート52に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置120を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図14は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例12を示す斜視図である。尚、図14において、上記図3〜図13と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図14に示されるように、実施例12の基準格子製造装置130は、上記実施例10,11の変形例であり、実施例10,11と同様に、レプリカベース20の上方にローラ状転写マスタ114が回転可能に支持されている。また、ローラ状転写マスタ114及びレプリカベース20は、夫々ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、ローラ状転写マスタ114の内部及びレプリカベース20の下方にUV光源(紫外線照射部)22が収納されている。
レプリカベース20は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により平板形状に形成されており、上面に光硬化性樹脂シート52が貼着される成型用平面16を有する。また、レプリカベース20は、例えば、スライド機構(図示せず)によりローラ状転写マスタ114の回転方向に対する接線方向にスライド可能に支持されている。
そして、ローラ状転写マスタ114が回転しながらレプリカベース20がスライドすることにより、ローラ状転写マスタ114の外周に形成された微細凹凸形状パターン12が成型用平面16に貼着された光硬化性樹脂シート52に押圧されながら転動する。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、ローラ状転写マスタ114の内部及びレプリカベース20の下方には、紫外線を発光するUV光源22が配置されているため、UV光源22から発光された紫外線がローラ状転写マスタ114及びレプリカベース20を透過して光硬化性樹脂シート52に照射される。そのため、光硬化性樹脂シート52は、紫外線の照射量が2倍になっているので、実施例10,11よりも短時間で光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置130を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図15は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例13を示す斜視図である。尚、図15において、上記図3〜図14と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図15に示されるように、実施例13の基準格子製造装置140は、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターン12が形成された転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114の外周に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52の所定の張力を付与する張力付与機構142と、転写マスタローラ114を回転させると共に光硬化性樹脂シート52を巻取り方向に移動させて転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12を光硬化性樹脂シート52に転写する転写機構(転写手段)144と、光硬化性樹脂シート52に対して紫外線を照射するUV光源(紫外線照射部)22とを有する。
ローラ状転写マスタ114は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により円筒形状に形成されており、その外周に微細凹凸形状パターン12が切削加工されている。また、ローラ状転写マスタ114の両端に突出する軸116は、回転可能に支持されている。
ローラ状転写マスタ114の外周には、光硬化性樹脂シート52が逆U字状に巻き付けられており、巻き付け角度は、およそ180度である。下方に垂れ下がった硬化性樹脂シート52の両端には、張力付与機構142により一定の張力が下方に付与されている。そのため、光硬化性樹脂シート52は、弛みのない状態で硬化性樹脂層18をローラ状転写マスタ114の外周に圧着させており、両端に作用する張力によって硬化性樹脂層18が微細凹凸形状パターン12に押圧されて、微細凹凸形状パターン12と同じ微細凹凸形状パターンが硬化性樹脂層18に転写される。
そして、光硬化性樹脂シート52は、ローラ状転写マスタ114が回転するのに連動して回転方向に移動される。このとき、光硬化性樹脂シート52は、一定の張力が付与された状態のままローラ状転写マスタ114の外周を通過することになる。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、ローラ状転写マスタ114の周囲に配置されたUV光源22から発光された紫外線がローラ状転写マスタ114に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置140を用いた製造方法によれば、光硬化性樹脂シート52がロール状に巻回されている場合には、光硬化性樹脂シート52を連続供給して長手方向に延在する光硬化性樹脂シート52の表面に微細凹凸形状パターンを連続して形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図16は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例14を示す斜視図である。尚、図16において、上記図3〜図15と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図16に示されるように、実施例14の基準格子製造装置150は、上記実施例13の変形例であり、実施例13と同様にローラ状転写マスタ114の外周に光硬化性樹脂シート52を逆U字状に巻き付け、光硬化性樹脂シート52に作用する張力によって硬化性樹脂層18を微細凹凸形状パターン12に押圧させるように構成されている。
また、ローラ状転写マスタ114は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が収納されている。
ローラ状転写マスタ114の外周には、下方に垂れ下がった硬化性樹脂シート52の両端には、張力付与機構142により一定の張力が下方に付与されている。そのため、光硬化性樹脂シート52は、弛みのない状態で硬化性樹脂層18をローラ状転写マスタ114の外周に圧着される。
そして、光硬化性樹脂シート52は、ローラ状転写マスタ114が回転するのに連動して回転方向に移動される。このとき、光硬化性樹脂シート52は、一定の張力が付与された状態のままローラ状転写マスタ114の外周を通過することになる。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、ローラ状転写マスタ114の内部に配置されたUV光源22から発光された紫外線がローラ状転写マスタ114に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置150を用いた製造方法によれば、光硬化性樹脂シート52がロール状に巻回されている場合には、光硬化性樹脂シート52を連続供給して長手方向に延在する光硬化性樹脂シート52の表面に微細凹凸形状パターンを連続して形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図17は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例15を示す斜視図である。尚、図17において、上記図3〜図16と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図17に示されるように、実施例15の基準格子製造装置160は、上記実施例13,14の変形例であり、実施例13,14と同様にローラ状転写マスタ114の外周に光硬化性樹脂シート52を逆U字状に巻き付け、光硬化性樹脂シート52に作用する張力によって硬化性樹脂層18を微細凹凸形状パターン12に押圧させるように構成されている。
また、ローラ状転写マスタ114は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、内部と周囲にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
ローラ状転写マスタ114の外周から下方に垂れ下がった硬化性樹脂シート52の両端には、張力付与機構142により一定の張力が下方に付与されている。そのため、光硬化性樹脂シート52は、弛みのない状態で硬化性樹脂層18をローラ状転写マスタ114の外周に圧着される。
そして、光硬化性樹脂シート52は、ローラ状転写マスタ114が回転するのに連動して回転方向に移動される。このとき、光硬化性樹脂シート52は、一定の張力が付与された状態のままローラ状転写マスタ114の外周を通過することになる。これにより、光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、ローラ状転写マスタ114の内部及び周囲に配置されたUV光源22から発光された紫外線がローラ状転写マスタ114に巻きつけられた光硬化性樹脂シート52に2倍の紫外線が照射されることになり、実施例13,14よりも短時間で光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、光硬化性樹脂シート52の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置160を用いた製造方法によれば、光硬化性樹脂シート52がロール状に巻回されている場合には、光硬化性樹脂シート52を連続供給して長手方向に延在する光硬化性樹脂シート52の表面に微細凹凸形状パターンを連続して形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図18は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例16を示す斜視図である。尚、図18において、上記図3〜図17と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図18に示されるように、実施例16の基準格子製造装置170は、転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114と平行に配置され、外周に光硬化性樹脂層18が形成された被転写ローラ172と、被転写ローラ172の回転と共に転写マスタローラ114を回転させて転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12を被転写ローラ172外周の光硬化性樹脂層18に転写する転写機構174(転写手段)とより構成されている。
転写マスタローラ114は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により円筒形状に形成されており、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターン12が形成されている。被転写ローラ172は、ガラス等の透明な光透過性材料により中空円筒形状に形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
被転写ローラ172は、転写マスタローラ114の下方で転写マスタローラ114と平行に配置され、両端の軸176が回転可能に支持されている。また、転写マスタローラ114は、外周が被転写ローラ172に外周に添接するように高さ位置を調整されており、微細凹凸形状パターン12が被転写ローラ172の外周に形成された光硬化性樹脂層18に対して押圧されている。
転写マスタローラ114の軸116と被転写ローラ172の軸176は、互いに同期して逆方向に回転駆動されており、例えば、転写マスタローラ114が反時計方向に回転すると共に、被転写ローラ172が時計方向に回転する。
また、転写マスタローラ114の外径と、被転写ローラ172の外径とは、同一に形成されており、且つ転写マスタローラ114の回転速度も被転写ローラ172の回転速度と同一である。そのため、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172が1回転することにより被転写ローラ172の外周に形成された光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、被転写ローラ172の内部に配置されたUV光源22から発光された紫外線が回転する光硬化性樹脂層18に照射されるため、微細凹凸形状パターンの転写と同時に光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置170を用いた製造方法によれば、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172を1回転させるだけで光硬化性樹脂層18の表面に微細凹凸形状パターンを形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図19は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例17を示す斜視図である。尚、図19において、上記図3〜図18と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図19に示されるように、実施例17の基準格子製造装置180は、上記実施例16の変形例であり、実施例16と同様に、微細凹凸形状パターン12が形成された転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114と平行に配置され、外周に光硬化性樹脂層18が形成された被転写ローラ172と、被転写ローラ172の回転と共に転写マスタローラ114を回転させる転写機構174(転写手段)とより構成されている。
転写マスタローラ114は、ガラス等の透明な光透過性材料により中空円筒形状に形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。被転写ローラ172は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により円筒形状に形成されている。
転写マスタローラ114の軸116と被転写ローラ172の軸176は、互いに同期して逆方向に回転駆動されており、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172が1回転することにより被転写ローラ172の外周に形成された光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、転写マスタローラ114の内部に配置されたUV光源22から発光された紫外線が回転する光硬化性樹脂層18に照射されるため、微細凹凸形状パターンの転写と同時に光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置180を用いた製造方法によれば、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172を1回転させるだけで光硬化性樹脂層18の表面に微細凹凸形状パターンを形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図20は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例18を示す斜視図である。尚、図20において、上記図3〜図19と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図20に示されるように、実施例18の基準格子製造装置190は、上記実施例16,17の変形例であり、実施例16,17と同様に、微細凹凸形状パターン12が形成された転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114と平行に配置され、外周に光硬化性樹脂層18が形成された被転写ローラ172と、被転写ローラ172の回転と共に転写マスタローラ114を回転させる転写機構174(転写手段)とより構成されている。
転写マスタローラ114及び被転写ローラ172は、夫々ガラス等の透明な光透過性材料により中空円筒形状に形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
転写マスタローラ114の軸116と被転写ローラ172の軸176は、互いに同期して逆方向に回転駆動されており、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172が1回転することにより被転写ローラ172の外周に形成された光硬化性樹脂層18に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172の内部に配置されたUV光源22から発光された紫外線が回転する光硬化性樹脂層18に照射されるため、紫外線の照射量が2倍になっているので、実施例18よりも短時間で光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12を転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置190を用いた製造方法によれば、転写マスタローラ114及び被転写ローラ172を1回転させるだけで光硬化性樹脂層18の表面に微細凹凸形状パターンを形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図21は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例19を示す斜視図である。尚、図21において、上記図3〜図20と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図21に示されるように、実施例19の基準格子製造装置200は、転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114の外周の半径方向に湾曲する自由曲面202に光硬化性樹脂層18が被覆されたレプリカベース204と、転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12を自由曲面202の光硬化性樹脂層18に転写する転写機構206(転写手段)とを有する。
転写マスタローラ114は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により円筒形状に形成されており、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターン12が形成されている。レプリカベース204は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
また、レプリカベース204は、側方から見ると、直角三角形状に形成されており、その斜面が自由曲面202になっている。この自由曲面202は、転写マスタローラ114の延在方向には直線形状であり、転写マスタローラ114の半径方向に任意の曲率半径で湾曲するように形成されている。
転写マスタローラ114は、自由曲面202に沿うように転動させながら自由曲面202に被覆された光硬化性樹脂層18に転写マスタローラ114を押圧する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、レプリカベース204の内部には、紫外線を発光するUV光源22が配置されているため、UV光源22から発光された紫外線がレプリカベース204を透過して自由曲面202に被覆された光硬化性樹脂層18に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、自由曲面202の表面には、光硬化性樹脂層18に転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置200を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図22は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例20を示す斜視図である。尚、図22において、上記図3〜図21と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図22に示されるように、実施例20の基準格子製造装置210は、上記実施例19の変形例であり、実施例19と同様に、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターン12が形成された転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114の外周の半径方向に湾曲する自由曲面202に光硬化性樹脂層18が被覆されたレプリカベース204と、転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12を自由曲面202の光硬化性樹脂層18に転写する転写機構206(転写手段)とを有する。
転写マスタローラ114は、ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。また、レプリカベース204は、例えば、アルミニウム等の金属材料(光不透過性材料)により形成されている。
転写マスタローラ114は、自由曲面202に沿うように転動しながら自由曲面202に被覆された光硬化性樹脂層18に転写マスタローラ114を押圧する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、転写マスタローラ114の内部に収納されたUV光源22から発光された紫外線が転写マスタローラ114を透過して自由曲面202に被覆された光硬化性樹脂層18に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、自由曲面202の表面には、光硬化性樹脂層18に転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置210を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図23は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例21を示す斜視図である。尚、図23において、上記図3〜図22と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図23に示されるように、実施例21の基準格子製造装置220は、上記実施例19,20の変形例であり、実施例19,20と同様に、円筒状の外周に所定の微細凹凸形状パターン12が形成された転写マスタローラ114と、転写マスタローラ114の外周の半径方向に湾曲する自由曲面192に光硬化性樹脂層18が被覆されたレプリカベース204と、転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12を自由曲面202の光硬化性樹脂層18に転写する転写機構206(転写手段)とを有する。
転写マスタローラ114及びレプリカベース204は、夫々ガラス等の透明な光透過性材料により形成されており、内部にUV光源(紫外線照射部)22が配置されている。
転写マスタローラ114は、自由曲面202に沿うように転動しながら自由曲面202に被覆された光硬化性樹脂層18に転写マスタローラ114を押圧する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。
また、転写マスタローラ114及びレプリカベース204の内部に収納されたUV光源22から発光された紫外線が転写マスタローラ114を透過して自由曲面202に被覆された光硬化性樹脂層18に照射され、紫外線の照射量が2倍になっているので、実施例18よりも短時間で光硬化性樹脂層18全体が硬化する。これにより、自由曲面202の表面には、光硬化性樹脂層18に転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置220を用いた製造方法によれば、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図24は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例22を示す斜視図である。尚、図24において、上記図3〜図23と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図24に示されるように、実施例22の基準格子製造装置230は、内部にUV光源(紫外線照射部)22が収納されたペン型の中空部材232と、中空部材232の先端部開口に設けられた転写マスタレンズ234とを有する。
また、転写マスタレンズ234は、透明な樹脂またはガラスからなり、表面に微細凹凸形状パターン12が形成されている。そのため、中空部材232の内部から紫外線が照射されると、紫外線は転写マスタレンズ234を透過して微細凹凸形状パターン12が押圧された光硬化性樹脂層18に照射される。
中空部材232は、手に持って操作することができる大きさに形成されており、例えば、幅の狭いレプリカベース20に塗布された光硬化性樹脂層18の表面に転写マスタレンズ234を垂直方向から押圧する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンが均等に転写される。そして、マスタレンズ234の押圧位置をずらすことにより、幅のせまい微細凹凸形状パターンを連続させることが可能になり、テープ状の細長い微細凹凸形状パターンを形成することも可能である。
また、中空部材232は、小径であるので、小型のUV光源22を組み込むことができない場合には、中空部材232の端部に光ファイバを接続し、光ファイバを介してUV光源22からの紫外線を転写マスタレンズ234に照射することも可能である。
また、中空部材232の内部に収納されたUV光源22から発光された紫外線が転写マスタレンズ234を透過して光硬化性樹脂層18に照射され、微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂層18が硬化する。これにより、光硬化性樹脂層18の表面には、転写された微細凹凸形状パターンが完成する。
このように、基準格子製造装置230を用いた製造方法によれば、比較的幅の狭いスペースしかない場所でも光硬化性樹脂層18を塗布した後、光硬化性樹脂層18の表面にマスタレンズ234を押圧するだけで簡単に微細凹凸形状パターン12と同じ精密な微細凹凸形状パターンを転写することができ、マスタレンズ234の押圧位置をずらすことにより微細凹凸形状パターンを連続形成することが可能になり、基準格子の大きさに拘わり無く、微細凹凸形状パターンを高精度且つ効率良く加工することが可能になる。
図25は本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例23を示す斜視図である。図26は基準格子製造装置の実施例23を示す平面図である。図27は基準格子製造装置の実施例23を示す側面図である。図28は基準格子製造装置の実施例23の転写機構を示す縦断面図である。図29は基準格子製造装置の実施例23の供給側テンション機構を示す図である。図30は基準格子製造装置の実施例23の送り側テンション機構を示す図である。
尚、図24において、上記図3〜図23と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図24〜図30に示されるように、実施例23の基準格子製造装置240は、前述した図15〜図17に示す実施例13〜15の転写マスタローラ114の外周に光硬化性樹脂シート52を巻きつけて微細凹凸形状パターンを転写する方式をより具体化した装置である。
基準格子製造装置240は、ベース242の上面に供給側テンション機構244、転写機構246、送り側テンション機構248とを有する。また、基準格子製造装置240では、図26及び図27において、右側に光硬化性樹脂シート52を供給する供給側ロール250が配置され、左側に微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52を巻き取る巻取りロール252が配置されている。供給側ロール250から繰り出された光硬化性樹脂シート52は、供給側テンション機構244により張力(バックテンション)を付与され、ガイドローラ274を通過して転写機構246の転写マスタローラ114に添接する。そして、転写マスタローラ114に添接した光硬化性樹脂シート52は、転写マスタローラ114の回転と共に、微細凹凸形状パターンを転写されて送り側テンション機構248に移動する。
この光硬化性樹脂シート52が転写マスタローラ114から送り側テンション機構248に移動する過程で紫外線照射部を構成するUV光源22から発光された紫外線が光硬化性樹脂シート52に照射され、表面に微細凹凸形状パターンが転写された光硬化性樹脂シート52の光硬化性樹脂層18が硬化する。また、転写マスタローラ114を通過した光硬化性樹脂シート52は、発光素子270と受光素子271とからなる検査装置272により微細凹凸形状パターンが正確に転写されたかどうかを光学的に検査される。尚、検査装置272は、基準格子の微細凹凸形状パターンとの相対位置を光学的に検出する位置検出器と同じ原理で微細凹凸形状パターンの転写精度を検査する。
そして、送り側テンション機構248を通過した光硬化性樹脂シート52は、巻取りロール252に巻き取られる。このように、基準格子製造装置240では、供給側ロール250から繰り出された光硬化性樹脂シート52を転写マスタローラ114に添接させ、且つUV光源22からの紫外線を照射して連続して微細凹凸形状パターンを光硬化性樹脂シート52に連続して転写することが可能であるので、例えば、全長が2m〜3mといった長いスロークの位置検出を行うような位置検出器に用いられる精密な基準格子でも高精度、且つ効率良く行える。また、基準格子製造装置240によれば、所定寸法の角度格子を1枚ずつ加工する方法よりも生産コストを安価に抑えることが可能になり量産化に好適である。
図30に示されるように、供給側テンション機構244は、一対のローラ253,254の間に光硬化性樹脂シート52が挿通され、上方に位置するローラ253がコイルバネ256のバネ力により下方のローラ253に押圧されている。また、一対のローラ253,254は、両端部がベース242の上面に起立する一対の支柱257,258により高さ位置を調整可能に支持されている。下方のローラ253は、支柱257,258の所定高さに支持されており、上方のローラ254は支柱257,258に沿って上方に移動可能な状態でコイルバネ256のバネ力により下方に付勢されている。
そのため、一対のローラ253,254の間に挿通された光硬化性樹脂シート52は、コイルバネ256のバネ力により付勢されたローラ253,254の押圧力を負荷として作用されて張力を付与されながら搬送される。
転写マスタローラ114は、両端部がベース242の上面に起立する一対の支柱259,260により昇降可能に支持されている。転写マスタローラ114の外周に対する光硬化性樹脂シート52の巻きつけ角度は、転写マスタローラ114とガイドローラ254、送り側テンション機構248との高低差によって決まる。従って、転写マスタローラ114の高さ位置を調整することにより、光硬化性樹脂シート52の巻きつけ角度を任意の角度に調整することが可能になる。
送り側テンション機構248は、両端を支柱282,283に支持された一対のローラ259,260の間に光硬化性樹脂シート52が挿通され、下方に位置するローラ280がコイルバネ281のバネ力により上方のローラ279に押圧されている。このように、転写マスタローラ114を添接する光硬化性樹脂シート52は、供給側テンション機構244と送り側テンション機構248とにより両方向への張力を付与されており、弛みのない状態で転写マスタローラ114の外周に押圧されながら添接する。
ローラ279の軸279aは、連結部材285を介して駆動モータ262の回転軸262aに連結されており、駆動モータ262により回転駆動される。また、ローラ279の他端の軸279bと転写マスタローラ114の軸116に結合されたプーリ286には、タイミングベルト263が巻き掛けされている。そのため、駆動モータ262の回転駆動力は、転写マスタローラ114及びローラ259に伝達されており、転写マスタローラ114及びローラ279が同期して回転するため、転写マスタローラ114の外周を通過した光硬化性樹脂シート52は弛むことなく、転写マスタローラ114の回転速度に応じた一定速度で送り側テンション機構248から巻取りロール252に排出される。
供給側テンション機構244では、ローラ253,254がバネ力で光硬化性樹脂シート52を挟み、なおかつローラ253,254の回転に抵抗をつけることにより光硬化性樹脂シート52の送りに抵抗が加わり、結果として転写マスタローラ114の外周に光硬化性樹脂シート52が均一な圧力をかけることが可能となる。
UV光源22は、転写マスタローラ114の送り側下方に配置されており、UVカバー264により覆われている。尚、UVカバー264は、転写マスタローラ114に添接した光硬化性樹脂シート52の領域に紫外線を照射するようにスリット状の開口が転写マスタローラ114の下側に対向するように設けられている。そのため、UVカバー264には、UV光源を設置し転写ローラとの間にスリットを設けることにより,転写ローラと紫外線硬化樹脂が接触している部分のみに紫外線を照射する事が可能である.また、UV光源22から光硬化性樹脂シート52に照射される紫外線の照射量は、光硬化性樹脂シート52の搬送速度、光硬化性樹脂層18の厚さ、光硬化性樹脂層18の光硬化特性(光吸収性)等の条件に応じて選択的に設定される。
ここで、光(紫外線等)の照射により硬化する光硬化について説明する。尚、本実施例では、UV光源22を用いているので、以下紫外線硬化の場合を例に挙げて説明する。
紫外線硬化は、200nm〜400nmの波長を持つ光、すなわち紫外線をプレポリマー・モノマー・光重合開始剤・添加剤からなる紫外線硬化樹脂に照射して数秒〜数10秒という短時間で硬化させる方法である。紫外線樹脂の硬化速度・強度は、紫外線の強度に比例し、紫外線強度は以下の式で示される。
(1)式において、hはプランク定数、cは光の速度、λは光の波長である。紫外線はその波長に反比例してエネルギーが大きくなるが紫外線硬化樹脂の内部まで到達しにくくなる性質がある。
また、紫外線硬化を用いたUVキャスティング加工は、通常、紫外線硬化樹脂をマスタとなる型に流し込み、その後紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させマスタから離型させる事によりネガティブな形状が精密に転写されたレプリカを得る転写加工である。UVキャスティング加工は、ホットエンボス加工やモールディング加工などの加工方法と比較して非加熱・非加圧であることや短時間で加工が可能であるなどの利点を持つ加工方法であるので、生産効率が高く量産性に優れた加工方法である。
次に、本発明の基準格子製造方法を用いて製造された基準格子の実験結果について説明する。
前述した図1、図2に示されるように、レーザオートコリメーションの原理よりコリメータレンズの焦点距離をf、焦点面における入射光のスポット位置をdとすると、光軸に対する入射光の傾きaとの関係は次の式で与えられる。
これにより、焦点面における光スポットの位置を検出することによって入射光の傾きを求めることができ、4分割PDからなる検出器307によってスポット位置の2次元変化を検出することで測定対象の2次元角度変化を以下のように検出することが出来る。
ただし、ΦはX軸まわりの回転角、θはY軸まわりの回転角、Δdxは検出器307上でのスポットのX方向変位、Δdzは検出器307上でのスポットZ方向変位である。
実際にサーフェスエンコーダとして使用する際、角度格子のX方向及びY方向の角度形状(角度センサで測定した時の出力)g(x),f(y)は、それぞれ角度格子の形状を偏微分したもので表され、以下の式で与えられる。
ゆえに図1、図2に示されるように、2次元角度格子として基準格子320をX,Y2方向の角度変化が検出できる2次元角度センサ290で測定することにより、角度格子形状の山の傾斜の位置によって各方向の角度出力が異なるため、この違いから2次元位置を決定することが出来る。これより、2次元角度センサ290あるいは2次元角度格子320の一方を移動体に取り付けることで、移動体の2次元座標位置を検出することが可能になる。
図31に示されるように、基準格子320は、平面状を直行する2方向(X,Y)に関数の形で変化する格子面である。その高さ形状f(X,Y)は、次式(5)で与えられる。ここで、A1,A2それぞれX,Y方向の振幅、λ1,λ2はその波長である。
基準格子320を元になる転写マスタローラ114は、シングルポイントダイアモンドバイトと圧電アクチュエータを用いた高速工具サーボ機構による超精密切削加工によって外周に微細凹凸形状パターン12が加工されている。超精密切削加工によって形成された3次元微細形状表面は、ナノメートルオーダの形状精度を持つ超精密形状を成している。本発明では、転写マスタローラ114として、直径50mmの円筒表面と直径55mm、幅150mmの円筒表面に2次元角度格子の元になる微細凹凸形状パターン12を形成した。
本発明の実施形態として、例えば、図3に示されるように、金属等の光不透過性材料の表面に3次元微細形状を形成したものを平板状転写マスタ14として光硬化性樹脂シートの表面に平面転写加工を行った。
実験手順として、
(手順1)ベースとなる光透過性シートに紫外線硬化樹脂を塗布する。
(手順2)そこに平板状転写マスタ14を接触させ均一に圧力かける。
(手順3)次にシート面より紫外線を照射し紫外線硬化樹脂層18を硬化させる。
(手順4)その後、平板状転写マスタ14から紫外線硬化樹脂層18を剥離させ3次元微細形状を転写する。
また、アルミ円筒表面に波長100μm、振幅100nmの2次元角度格子を形成した平板状転写マスタ14を用いた。UV転写は、易接着性PETフィルムのベース面から十分な時間紫外線を照射した後に平板状転写マスタ14より離型させ微細凹凸形状パターン12のレプリカを得た。
図32(A)に、白色干渉顕微鏡による本実験に用いた平板状転写マスタ14の表面形状を示し、図32(B)に平板状転写マスタ14を用いて形成されたレプリカの形状を示す。これより、レプリカはマスタと同様、測定範囲においてほぼ均一に2次元角度格子形状を持つことが分かった。
さらに、詳細に比較する為,図33に示す様に、それぞれの局所的な断面形状を測定し比較すると、レプリカの方に張り付きによる形状の崩れや熱による形状の収縮の影響もほとんど見られず、微細凹凸形状パターン12が正確に転写されていることが確認された。以上の結果より本発明は波長100μm、振幅100nmオーダの高精度転写加工に対して有効であることが証明された。
次に、上記平板状転写マスタ14を用いた平面転写加工の結果を踏まえてローラ転写方式の基準格子製造装置240(実施例23)を用いた基準格子製造方法について検証する。
本発明の基準格子製造装置240を用いて実際にローラ転写加工を行い、金属等光不透過性材料の円筒表面に3次元微細形状を形成した転写マスタローラ114に光透過過性シート形状材料の表面に紫外線硬化樹脂を用いた光硬化性樹脂シート52を押圧して転写加工を行った。
その結果、100mm×130mm程度の面積を有する光硬化性樹脂シート52の表面に2次元角度格子を転写したレプリカフィルムを製作した。尚、測定条件としては、紫外線強度が約200μW/cm2、光硬化性樹脂シート52の送り速度が約1mm/secとした。
図34(A)に転写マスタローラ114の円筒表面に形成された微細凹凸形状パターン12(2次元角度格子)の形状白色干渉顕微鏡で測定した結果を示し、転写マスタローラ114を用いてローラ転写加工を行って製作されたレプリカの2次元角度格子形状を白色干渉顕微鏡で測定した結果を示す。
転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12は、X方向には形状の均一性が見られるが、Y方向に山の形状の不均一性が見られる。しかしながら、この不均一性は2次元角度格子が円筒表面に形成されているからであり、円筒の円周方向の丸みが含まれていると考えられる。よって、実際には円筒表面全面に均一な2次元角度格子形状が形成されていると考えられる。
一方レプリカの2次元角度格子の形状に関しては、転写マスタローラ114の微細凹凸形状パターン12とは異なり平面フィルムの表面に2次元角度格子が形成されているのでほぼ均一な2次元角度格子形状を持つレプリカが得られたことが確認された。
図35に平面転写実験と同様に局所的な断面形状を測定し、転写マスタローラ114の2次元角度格子とレプリカの2次元角度格子の形状の比較結果を示す。この実験結果を比較すると、平面転写より多少形状精度が悪くなっていることが分かった。しかしながら、これは平面転写結果より転写マスタローラ114の形状が多少不均一であった影響であると考えられる。さらに、レプリカの形状も不均一になっていたことから、転写加工は非常に高精度に行われたと考えられる。従って、2次元角度格子の様な超精密3次元微細形状を短時間・大面積に高精度形成するという条件に対して、本発明の基準格子製造装置240(実施例23)を用いた基準格子製造方法によれば、波長100μm、振幅100nmオーダの高精度転写加工に対して有効であることが確認された。
基準格子と2次元角度センサとを有した検出装置の概略図である。
2次元角度センサの構成例を示した図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例1を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例2を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例3を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例4を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例5を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例6を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例7を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例8を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例9を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例10を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例11を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例12を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例13を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例14を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例15を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例16を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例17を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例18を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例19を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例20を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例21を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例22を示す斜視図である。
本発明になる基準格子製造方法及び基準格子製造装置の実施例23を示す斜視図である。
基準格子製造装置の実施例23を示す平面図である。
基準格子製造装置の実施例23を示す側面図である。
基準格子製造装置の実施例23の転写機構を示す縦断面図である。
基準格子製造装置の実施例23の供給側テンション機構を示す図である。
基準格子製造装置の実施例23の送り側テンション機構を示す図である。
本発明の製造方法で製作した基準格子の斜視図である。
白色干渉顕微鏡による本実験に用いた平板状転写マスタ14の表面形状と、平板状転写マスタ14を用いて形成されたレプリカの形状を示す図である。
UV平面転写実験において平板状転写マスタ14の表面形状と、平板状転写マスタ14を用いて形成されたレプリカの形状を比較した実験結果を示すグラフである
UVローラ転写実験において、転写マスタローラ114の2次元角度格子とレプリカの2次元角度格子の局所的な断面形状を白色干渉顕微鏡を用いて測定した結果を示す図である。
局所的な断面形状を測定し、転写マスタローラ114の2次元角度格子とレプリカの2次元角度格子の形状の比較結果を示すグラフである。
符号の説明
10,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,200,220,230,240 基準格子製造装置
12 微細凹凸形状パターン
14 平板状転写マスタ
16 成型用平面
18 光硬化性樹脂層
20 レプリカベース
22 UV光源
52 光硬化性樹脂シート
82 レプリカローラ
114 ローラ状転写マスタ
142 張力付与機構
144 転写機構
172 被転写ローラ
174 転写機構
202 自由曲面
204 レプリカベース
206 転写機構
232 中空部材
234 転写マスタレンズ
242 ベース
244 供給側テンション機構
246 転写機構
248 送り側テンション機構
250 供給側ロール
252 巻取りロール
262 駆動モータ
263 タイミングベルト