JP2006063017A - 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法 - Google Patents

5−イソキノリンスルホン酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006063017A
JP2006063017A JP2004247768A JP2004247768A JP2006063017A JP 2006063017 A JP2006063017 A JP 2006063017A JP 2004247768 A JP2004247768 A JP 2004247768A JP 2004247768 A JP2004247768 A JP 2004247768A JP 2006063017 A JP2006063017 A JP 2006063017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfuric acid
isoquinoline
acid
reaction solution
fuming sulfuric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004247768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4707349B2 (ja
Inventor
Hidenobu Azuma
秀信 東
Takehiko Miyai
武彦 宮井
Osamu Sonoda
修 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Finechem Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Finechem Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Finechem Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Finechem Co Ltd
Priority to JP2004247768A priority Critical patent/JP4707349B2/ja
Publication of JP2006063017A publication Critical patent/JP2006063017A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4707349B2 publication Critical patent/JP4707349B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、従来法より作業性、生産性を向上しかつ産業廃棄物を軽減し得る、5−イソキノリンスルホン酸の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、(1)硫酸にイソキノリンを添加する工程、および(2)工程(1)の反応液に、60%〜70%の発煙硫酸又は三酸化硫黄を添加して該イソキノリンをスルホン化する工程を含む、5−イソキノリンスルホン酸の製造方法を提供する。1つの実施形態において、工程(1)において用いられるイソキノリンに対する前記硫酸のモル比は等モル以上9.5倍以下でありかつ/または前記反応液の温度は、0℃〜140℃である。

Description

本発明は、5−イソキノリンスルホン酸の新規製造方法に関する。
従来、5−イソキノリンスルホン酸は、非特許文献1に記載されているように、イソキノリンに硫酸と発煙硫酸の両方を作用させてスルホン化することにより製造されてきた。詳細には、5−イソキノリンスルホン酸は、最初に硫酸にイソキノリンを添加してイソキノリン硫酸塩とし、次にこの反応物に50%発煙硫酸を滴下してイソキノリン硫酸塩をスルホン化することによって、製造されてきた。
しかし、この方法において、最初にイソキノリンを添加する工程で生じる反応液は、イソキノリン硫酸塩が生成するに従って固化する。従って、この方法は、固化した反応液を攪拌できない状態になるという欠点を有する。また、この方法で使用する50%の発煙硫酸(融点約35℃)は、常温で固体である。従って、この50%の発煙硫酸を滴下するために加温溶解が必要であるので、この方法は、作業性が悪いという欠点をさらに有する。
5−イソキノリンスルホン酸は、特許文献1に記載されているように、発煙硫酸にイソキノリンを滴下することによっても製造されてきた。この方法においては、イソキノリンは、その硫酸塩を形成することなく、直接スルホン化されるので、反応液は固化しない。またこの方法においては、5〜30%の範囲の発煙硫酸を用いている。この濃度の発煙硫酸は、常温で液体であるため、滴下の作業性はよい。しかし、この方法は、発煙硫酸の濃度が低いためイソキノリンの生産性が悪いという欠点がある。さらに、この方法は、多量の希硫酸を含む廃液(例えば、5−イソキノリンスルホン酸結晶をろ別した後のろ液など)を生じる。この廃液は環境に悪影響を与える産業廃棄物であるので、この方法は、大量の廃液処理を行わなければならないという欠点をさらに有する。
特開2003−286264 J.Org.Chem.、27、1962、4571
従って、本発明は、従来法より作業性、生産性を向上しかつ産業廃棄物を軽減し得る、5−イソキノリンスルホン酸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、イソキノリンを硫酸に添加する工程において、イソキノリンに対する硫酸の比率および/または温度を適切な範囲にコントロールすることによって、この工程の間、反応液を攪拌可能な状態に保持し得ることを見出した。本発明者はさらに、鋭意研究した結果、5−イソキノリンスルホン酸の製造において従来用いられていた発煙硫酸より高濃度の発煙硫酸または三酸化硫黄を用いることにより、上記の目的を達成し得ることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)硫酸にイソキノリンを添加する工程、および(2)工程(1)の反応液に、60%〜70%の発煙硫酸又は三酸化硫黄を添加して該イソキノリンをスルホン化する工程を含む、5−イソキノリンスルホン酸の製造方法を提供する。
以下、本発明の工程(1)および工程(2)について、詳細に説明する。
(1)イソキノリン添加工程
本発明に用いるイソキノリンは、タール分留品でも合成品でもよい。イソキノリンの純度は、95%以上が好ましいが、これより低くても良い。本発明においてイソキノリンを添加する硫酸は、濃硫酸が好ましい。本明細書中で、濃硫酸とは、98%程度の硫酸を示す。
本発明は、まず、硫酸にイソキノリンを添加する。この工程によって、イソキノリン硫酸塩が生成する。ここで、イソキノリンに対して等モル以上9.5倍以下の硫酸を使用することによって、生成したイソキノリン硫酸塩は固化せず、従ってその反応液を容易に攪拌することが出来るため、温度制御が容易となる。本発明の方法は、イソキノリンに対してモル数で通常1倍〜9.5倍、好ましくは2倍〜5倍の量の硫酸を用いる。ここで、硫酸の使用量が少なすぎると攪拌が困難となるのに対し、硫酸使用量が多すぎると産業廃棄物が大量に発生してしまい、いずれの場合も工業的使用に好ましくない。
反応液を攪拌可能に保つために、このイソキノリン添加工程は、通常0℃〜140℃、好ましくは0〜110℃、より好ましくは、10〜40℃の温度で行う。
(2)スルホン化工程
本発明において、工程(1)の反応液に発煙硫酸または三酸化硫黄を添加する。
本発明の方法において用いる発煙硫酸は、濃硫酸に三酸化硫黄を吸収させることによって生成できる。本発明で用いる発煙硫酸は、55〜78%の濃度で用いることができるが、58〜68%の発煙硫酸を使用するのが好ましい。ここで発煙硫酸の濃度とは、濃硫酸中の三酸化硫黄の含有量を意味する。
濃度33%以下または55〜80%の発煙硫酸は、26℃において液体であり、28%以下または58〜75%の発煙硫酸は、20℃においても液体である。特に65%発煙硫酸は、0℃においても凝固しないという特異な性質を持っている。
従って、33%より高くかつ55%未満の濃度、または80%より高い濃度の発煙硫酸は、常温で固体であるため取扱が困難となる。一方、濃度が30%以下の発煙硫酸は、常温で液体であるが、最終生成物である5−イソキノリンスルホン酸の生産性が悪く、大量の硫酸廃棄物を生じてしまうため好ましくない。
尚、常温とは、25℃程度の温度を示す。
発煙硫酸は、イソキノリンに対して通常2〜10倍重量程度、好ましくは3〜5倍重量程度の割合を用いる。
本発明の方法において、三酸化硫黄は、イソキノリンに対して通常1.0〜3.0倍重量程度、好ましくは1.8〜2.5倍重量程度の割合を用いる。この割合が高すぎる場合、硫酸廃棄物が多くなる一方、低すぎる場合、反応時間の遅延を生じるため、いずれの場合も好ましくない。
この工程によって、イソキノリンが5位でスルホン化される。このスルホン化工程は、0〜140℃の温度で行うことが出来るが、20℃〜40℃の温度で行うのが好ましい。
このスルホン化工程で得られた反応液に、当該分野で公知の、希釈、冷却、ろ過、洗浄、乾燥などの工程を適宜行うことによって、5−イソキノリンスルホン酸を得ることが出来る。
本発明の方法を用いることによって、従来法より容易に、高い生産性で、5−イソキノリンスルホン酸を製造することができる。従来法よりも産業廃棄物が減少するため、その処理費用も軽減できる。
攪拌棒及び温度計を備えた500mLガラスフラスコを用いた攪拌下、濃硫酸145.6gにイソキノリン77.5gを滴下した(イソキノリンに対する硫酸のモル比;2.47)後、さらに1時間攪拌を行った。次に65%発煙硫酸241.8gを滴下した。12時間反応させた後、水910gに反応液を滴下し、滴下終了後に0℃まで冷却した。析出した結晶を濾取し、水洗した後、減圧下乾燥し、5−イソキノリンスルホン酸86.2gを得た。このときのろ液は、製品に対して14.9倍であった。
攪拌棒及び温度計を備えた300mLガラスフラスコを用いた攪拌下、濃硫酸97.6gにイソキノリン52gを滴下した(イソキノリンに対する硫酸のモル比;2.47)後、さらに1時間攪拌した。次に三酸化硫黄115gを滴下した。15時間反応させた後、水516gに反応液を滴下し、滴下終了後に0℃まで冷却した。析出した結晶を濾取し、水洗した後、減圧下乾燥し、5−イソキノリンスルホン酸60.4gを得た。このときのろ液は、製品に対して11.9倍であった。
比較例1
攪拌棒及び温度計を備えた300mLガラスフラスコを用いた攪拌下、濃硫酸39.7gに、水冷冷却下、イソキノリン52gを20分間かけて滴下した(イソキノリンに対する硫酸のモル比;0.99)。滴下途中で反応液が固化し、攪拌不能となった。その後もそのままイソキノリンの滴下を続けた。イソキノリンの滴下完了後、50%発煙硫酸110mLを、30℃以下の温度を保持するよう20分間かけて滴下した。発煙硫酸の滴下途中で反応液の流動性が増し、攪拌可能となったが、滴下完了後は非常に粘稠な反応液となった。発煙硫酸の滴下完了後、反応液を4時間攪拌して、反応を完了し、得られた反応液を水700gに滴下した。この反応液は流動性に乏しかったため、滴下に長時間を要した。滴下終了後に0℃まで冷却した。析出した結晶を濾取し、水洗した後、減圧下乾燥し、5−イソキノリンスルホン酸58.0gを得た。このときのろ液は、製品に対して17.4倍であった。この比較例1においては、発煙硫酸の滴下途中で反応液が攪拌不可能となってしまうため作業性が悪く、しかも産業廃棄物であるろ液が、製品に対する量として、本願発明の方法より多く発生してしまった。
比較例2
25%発煙硫酸416gに、攪拌しながら、イソキノリン52gを、30℃以下の温度を保持するように30分間かけて滴下した。滴下終了後、温度を20〜30℃に保持して反応液の攪拌を5時間続け、反応を完了した。その後、反応液を、水624gに滴下し、滴下終了後に0℃まで冷却した。析出した結晶を濾取し、水洗した後、減圧下60℃で乾燥して、5−イソキノリンスルホン酸24.7gを得た。このときのろ液は、製品に対して41.8倍であった。さらに水566.7gをロ液に追加し、析出した結晶を濾取し、水洗した後、減圧下60℃で乾燥して、5−イソキノリンスルホン酸30.2gを得た。このときのロ液量は、得られた製品全量に対して29.1倍となった。この比較例2においても、5−イソキノリンスルホン酸の収量は、本願発明の方法より非常に低く、しかも産業廃棄物であるろ液が、製品に対する量として、本願発明の方法より多く発生してしまった。

Claims (2)

  1. (1)硫酸にイソキノリンを添加する工程、および(2)工程(1)の反応液に、60%〜70%の発煙硫酸又は三酸化硫黄を添加して該イソキノリンをスルホン化する工程を含む、5−イソキノリンスルホン酸の製造方法。
  2. 工程(1)において、前記イソキノリンに対する前記硫酸のモル比が等モル以上9.5倍以下でありかつ/または前記反応液の温度が、0℃〜140℃である、請求項1に記載の方法。

JP2004247768A 2004-08-27 2004-08-27 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法 Expired - Fee Related JP4707349B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004247768A JP4707349B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004247768A JP4707349B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006063017A true JP2006063017A (ja) 2006-03-09
JP4707349B2 JP4707349B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=36109801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004247768A Expired - Fee Related JP4707349B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4707349B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114105871A (zh) * 2021-12-06 2022-03-01 青岛科技大学 一种8-羟基喹啉的制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003286264A (ja) * 2002-03-26 2003-10-10 Sumikin Air Water Chemical Inc 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003286264A (ja) * 2002-03-26 2003-10-10 Sumikin Air Water Chemical Inc 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114105871A (zh) * 2021-12-06 2022-03-01 青岛科技大学 一种8-羟基喹啉的制备方法
CN114105871B (zh) * 2021-12-06 2023-11-14 青岛科技大学 一种8-羟基喹啉的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4707349B2 (ja) 2011-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017533883A (ja) アルカリイセチオン酸塩およびアルカリビニルスルホン酸塩からタウリンを生産するための循環プロセス
CN103130738A (zh) 一种合成1,2-苯并异噻唑-3-酮的方法
CN104817551B (zh) 一种制备维生素b1盐酸盐的新方法
JP4707349B2 (ja) 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法
KR101161458B1 (ko) β-설파토에틸설포닐아닐린-2-설폰산의 처리 방법
JP2017218328A (ja) ビス(フルオロスルホニル)イミドアルカリ金属塩の製造方法
JP5756999B2 (ja) ビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド塩の製造方法
JPS5824540A (ja) トランス−ヘキサヒドロテレフタル酸の製造法
CN105622481A (zh) 5-溴吲哚高效合成工艺
JP6310918B2 (ja) フローリアクターでのオルト置換されたアニリン類の連続製造方法
JP4277476B2 (ja) 5−イソキノリンスルホン酸の製造方法
JP5750199B1 (ja) ピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法
JP2007517797A (ja) 高化学的r−5−(2−(2−エトキシフェノキシエチルアミノ)プロピル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミド塩酸塩の調製
JP2006193444A (ja) 4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジンの製造法
JPS6054305B2 (ja) キノリン酸銅の製造法
JP2006206516A (ja) 4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジンの製造方法
CN112830892A (zh) 一种吡啶-3-磺酰氯的合成方法
JP2009001506A (ja) トリヒドロキシベンゾフェノンの製造方法
JP2008156310A (ja) 3,6−ジベンゾフランジオールの製造方法
JP6499948B2 (ja) セレコキシブii型結晶の製造方法
JP4587139B2 (ja) アミノアルコキシカルボスチリル誘導体の製造方法。
Shiraiwa et al. Optical Resolution by Preferential Crystallization of (RS)-Bromosuccinic Acid.
JP4372242B2 (ja) イソクロマノン誘導体の製造方法
JPH0413657A (ja) 2,4―ジアミノベンゼンスルホン酸の製造方法
JPS60174748A (ja) ペンタクロロニトロベンゼンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070821

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091028

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110315

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees