JP2006062880A - 硫黄固化体を基材としたタイルパネルの製造法及びタイルパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れた硫黄固化体を基材とした、意匠性及び軽量性に優れ、且つ現場で容易に使用しうるタイルパネルを、簡便に生産できる製造法、製造法により得られるタイルパネルを提供すること。
【解決手段】本発明のタイルパネルの製造法は、所定形態の型枠内に、複数のタイルを所定間隔に載置する工程(A)と、工程(A)の後、溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B)と、前記溶融硫黄含有資材を固化させる工程(C)と、型枠を取外す工程(D)とを含み、本発明のタイルパネルは、複数のタイルが、硫黄固化体の外表面に、該タイル表面が所定間隔で露出するように一体化していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れたタイルの施工を容易に行なうことができる、硫黄固化体基材の外表面にタイルが露出したタイルパネルの製造法及び該製造法等により得られる硫黄固化体を基材としたタイルパネルに関する。
セラミックスタイル等のタイルは、建築物の外壁や床材等に利用されており、その優れた意匠性等が好まれ、近年その需要が増大している。このようなタイルを現場で施工する場合には、通常、モルタルや接着剤を用いてタイルを基材上の所定箇所に貼りつける作業が行なわれており、その意匠性等を追求する場合には、熟練が必要であることが多い。
また、最近、工場等で予めタイルを接着剤によりコンクリート板や樹脂板に所定規格で貼り合わせたタイルパネルの生産も行なわれるようになっており、住宅等の壁面、床面又は屋根等に利用されている。
上記モルタルや接着剤を用いて施工されたタイル又はタイルパネルは、一般的にはその耐久性に問題が少なく、しかも、貼り付けのためのモルタルや接着剤が常温において硬化又は養生等が可能であるため、現場における施工も可能である。
このような従来のタイルやタイルパネルは、施工が容易である一方、基材であるコンクリート等の耐酸性や遮水性が、例えば、酸性泉等の温泉地における建築物、特に浴槽周りへの使用や、酸性雨等に曝露される外壁等への使用においては必ずしも十分であるとは言えず、耐久年数が短縮され、修繕又は再施工等が頻繁に必要になる場合がある。
ところで、近年、耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れ、コンクリートに代わる土木、建設資材として硫黄資材が多数提案されている(例えば、特許文献1〜31)。
しかし、硫黄は、その溶融温度が120℃程度であり、硫黄資材を用いてタイルを基材に接着させる提案は従来なされておらず、しかも、硫黄資材を基材に用いたタイルパネルやその製造法についても従来提案されていない。
特開平11−347514号公報 特開2002−60491号公報 特開2001−163649号公報 特開2002−69188号公報 特開2002−97060号公報 特開2002−97059号公報 特開2002−255625号公報 特開2001−170596号公報 特開2002−205032号公報 特開2002−241166号公報 特開平11−349372号公報 特開2000−072523号公報 特開2000−264713号公報 特開2000−264714号公報 特開2000−281425号公報 特開2001−030213号公報 特開2001−048618号公報 特開2001−253759号公報 特開2001−261425号公報 特開2002−255623号公報 特開2002−255624号公報 特開2001−191322号公報 特開平11−123376号公報 特開平11−070375号公報 特開2001−121104号公報 特開2001−129509号公報 特開2002−126715号公報 特開平10−072245号公報 特開平10−114564号公報 特開平10−114565号公報 特開平9−124349号公報
本発明の目的は、耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れた硫黄固化体を基材とした、意匠性に優れ、且つ現場で容易に使用しうるタイルパネルを、簡便に生産することができる製造法及び該製造法により得られる非危険物としての取り扱いが可能な、耐酸性等に優れるタイルパネルを提供することにある。
本発明の別の目的は、耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れた硫黄固化体を基材とした、意匠性及び軽量性に優れ、且つ現場で容易に使用しうるタイルパネルを、簡便に生産することができる製造法及び該製造法により得られる非危険物としての取り扱いが可能な、耐酸性及び軽量性等に優れるタイルパネルを提供することにある。
本発明によれば、所定形態の型枠内に、複数のタイルを所定間隔に載置する工程(A)と、工程(A)の後、溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B)と、前記溶融硫黄含有資材を固化させる工程(C)と、型枠を取外す工程(D)とを含むことを特徴とする硫黄固化体基材の外表面にタイルが露出したタイルパネルの製造法が提供される。
また本発明によれば、前記製造法により得られるタイルパネルであって、複数のタイルが、硫黄固化体の外表面に、該タイル表面が所定間隔で露出するように一体化していることを特徴とする硫黄固化体を基材としたタイルパネルが提供される。
更に本発明によれば、前記製造法により得られるタイルパネルであって、硫黄固化体の外表面に、複数のタイル表面が所定間隔で露出しており、且つ硫黄固化体が、粒径5mmを超える骨材を含まない硫黄含有資材層と、粒径5mmを超える軽量骨材を含む硫黄含有資材層との少なくとも2層からなることを特徴とする硫黄固化体を基材としたタイルパネルが提供される。
本発明の製造法は、工程(A)〜(D)を含むので、耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れた硫黄固化体を基材とした、意匠性に優れ、且つ現場で容易に使用しうるタイルパネルを、簡便に生産することができ、しかも、硫黄含有資材層に軽量骨材を含ませることにより、軽量性に優れるタイルパネルも容易に得ることができる。
本発明のタイルパネルは、上記製造法により得られる耐酸性、機械的強度、遮水性等に優れた硫黄固化体を基材としたタイルパネルであるので、酸性泉等の温泉地における建築物、例えば、浴槽周りへの使用や、酸性雨等に曝露される外壁等への使用に特に有用である。また、タイルパネルの硫黄固化体基材を、非危険物とすることが可能であるので、管理、保管、運搬等にも優れ、従来のコンクリート等を基材とするタイルパネルに替わっての使用が期待できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の製造法では、まず、所定形態の型枠内に、複数のタイルを所定間隔に載置する工程(A)を実施する。
工程(A)において型枠の形態は特に限定されず、製造する所望のタイルパネル形状に合わせて作製することができる。型枠の材質は、溶融硫黄含有資材により侵食等されない材料であれば特に限定されない。
タイルとしては、通常のセラミックスタイル等が使用でき、その形態は任意である。
工程(A)において、複数のタイルを所定間隔に載置するには、通常、目地を形成しうる間隔を開けて各タイルの裏面を上方にして型枠内の所定箇所に載置することにより行なうことができる。この際、各タイルを型枠底面等に載置するにあたって、後述する溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する場合にタイルの載置位置のずれ等が生じないように、両面テープ等を用いてタイルを型枠底面等に仮固定することが好ましい。
本発明の製造法では、次いで、溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B)を行なう。
前記溶融硫黄含有資材は、好ましくは固化した際に、小ガス炎着火試験によって検定される非危険物であることを充足するように、特定割合の骨材、例えば、粒径5mm以下の細骨材と、改質硫黄からなる硫黄材料とを含むものが好ましい。
前記改質硫黄は、例えば、天然産又は、石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫黄等を硫黄変性剤により重合したものであって、硫黄と硫黄変性剤との反応物であることが好ましい。
硫黄変性剤としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、テトラハイドロインデン(THI)、若しくはシクロペンタジエンと、そのオリゴマー(2〜5量体混合物)、ジペンテン、ビニルトルエン、ジシクロペンテン等のオレフィン化合物類の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
前記DCPDとしては、シクロペンタジエンの単体、2〜5量体を主体に構成される混合物を用いることもできる。該混合物としては、DCPDの含有量が70質量%以上、好ましくは85質量%以上のものが挙げられ、また、いわゆるジシクロペンタジエンと称する市販品の多くを使用することができる。
前記THIとしては、THIの単体、若しくはTHIと、シクロペンタジエンの単体、シクロペンタジエンとブタンジエンとの重合物、及びシクロペンタジエンの2〜5量体からなる群より選択される1種又は2種以上を主体に構成されるものとの混合物を用いることもできる。該混合物中のTHIの含有量は、通常50質量%以上、好ましくは65質量%以上である。該混合物としては、いわゆるテトラハイドロインデンと称する市販品やエチルノルボルネンの製造プラントから排出される副生成油の多くが使用できる。
前記改質硫黄は、硫黄と硫黄変性剤とを溶融混合することにより得ることができる。この際、硫黄変性剤の使用割合は、硫黄と硫黄変性剤との合計量に対して、通常0.1〜30質量%、特に、1.0〜20質量%の割合が好ましい。
前記溶融混合は、例えば、インターナルミキサー、ロールミル、ドラムミキサー、ポニーミキサー、リボンミキサー、ホモミキサー、スタティックミキサー等を用いて行うことができる。
前記改質硫黄の製造をミキサーを用いて行う場合は、ミキサー中で硫黄と硫黄変性剤とを120〜160℃の範囲で溶融混合し、140℃における粘度が0.05〜3.0Pa・sになるまで滞留させる方法等が好ましい。ミキサー内の溶融混合温度は、硫黄が効率よく変性するように通常130〜155℃、特に130〜150℃が好ましい。
ミキサー内で生じる硫黄と硫黄変性剤との初期反応は、硫黄と硫黄変性剤とが反応することで変性硫黄前駆体が生成する発熱反応である。このためミキサー内では急激な発熱が生じないことを確認しながら連続撹拌しミキサー内で130〜160℃まで次第に温度上昇させることが好ましい。
ミキサー内で硫黄と硫黄変性剤とを反応させる際は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量が150〜500の改質硫黄前駆体を生成させ、反応系中において前記改質硫黄前駆体を0.1〜45質量%、特に1〜40質量%生成させることが好ましい。
前記分子量の測定は、硫黄変性剤を加えた硫黄を二硫化炭素やトルエン等に溶かし、GPCにより行うことができる。その測定は、例えば、クロロホルム溶媒を使用し室温において、1ml/分の流速で、二硫化炭素1質量/vol%濃度試料溶液を、UV254Nm検出器を用い、ポリスチレンで測定した検量線により行うことができる。
ミキサーでの滞留時間は、硫黄変性剤の使用量と溶融温度により異なるが、1分間〜24時間程度である。
硫黄改質のための反応終了時期は、溶融物の粘度により決定できる。例えば、140℃における粘度が0.05〜3.0Pa・sの範囲が好ましいが、得られる硫黄固化体基材の強度や製造工程の作業性の観点から、140℃における粘度が0.05〜2.0Pa・sの範囲が総合的に最適である。
前記硫黄材料としては、改質硫黄の割合が高いか、実質的に改質硫黄のみの使用が、最終的に得られる硫黄固化体基材の強度及び耐久性等をより改善し得る点から好ましい。
工程(B)において用いる溶融硫黄含有資材が、固化した際に小ガス炎着火試験によって検定される非危険物を充足するには、例えば、前記改質硫黄を調製する際に使用する硫黄変性剤の使用割合を通常多くすることで達成できる。硫黄変性剤を、硫黄と硫黄変性剤との合計量に対して、約30質量%使用することで前記各性能の改善効果は飽和し、それ以上では変化は少なく、0.1質量%未満の使用では改質硫黄を用いることによる十分な強度改善がなされない恐れがあるので好ましくない。
前記溶融硫黄含有資材において、前記硫黄材料の含有割合は、後述する骨材100質量部に対して、通常30〜400質量部、好ましくは50〜300質量部である。30質量部未満では、骨材との均一混練が十分でなく、400質量部を超えると、硫黄材料と骨材とが分離して均一な材料が得られ難いので好ましくない。
工程(B)において用いる溶融硫黄含有資材が、固化した際に小ガス炎着火試験によって検定される非危険物を充足するには、例えば、骨材の配合量を多くするほど達成させ易い。このような骨材の割合は、硫黄材料100質量部に対して、通常25〜300質量部、好ましくは30〜250質量部である。
前記溶融硫黄含有資材に含ませることができる骨材は、骨材として使用可能であれば特に限定されないが、一般にコンクリートで用いられる骨材、例えば、天然石、砂、れき、硅砂、鉄鋼スラグ、フェロニッケルスラグ、銅スラグ、金属製造時に生成する副生物、石炭灰、燃料焼却灰、電気集塵灰、溶融スラグ類、貝殻及びこれらの混合物等からなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられる。また、シリカヒューム、アルミナ、石英粉、石英質岩石、粘土鉱物、活性炭、ガラス粉末やこれらと同等の有害物質を含有しない無機系、有機系等の微粉末も使用可能である。これらの微粉末の中でも、粒経分布の調整が容易で均一なものを大量に入手しやすい点で、石炭灰、珪砂、シリカヒューム、石英粉、砂、ガラス粉末及び電気集塵灰からなる群より選択される1種又は2種以上が好ましい。
また、微粉末として産業廃棄物を使用した場合でも、前述の硫黄材料により無害化することが可能である。
前記骨材としては、通常、粒径5mm以下、好ましくは1mm以下の細骨材の使用が好ましいが、後述する軽量骨材等を配合した更に別の溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する場合には、必ずしも粒径5mm以下の骨材を使用する必要は無い。このような細骨材の粒径調整は公知技術が利用でき、例えば、篩等で調整することができる。粒径はJIS標準ふるいを使用して規定できる。
前記溶融硫黄含有資材には、前記硫黄及び/又は改質硫黄からなる硫黄材料、骨材の他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で後述する繊維質充填材等を適量含ませることもできる。
前記工程(B)は、溶融硫黄含有資材を1回で型枠内に導入して次の工程(C)である固化工程に供することができる他、粒径5mmを超える骨材を含まない溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B-1)と、骨材を含む溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B-2)とを含むように、異なる溶融硫黄含有資材を2回以上に分けて型枠内に導入しても良い。
工程(B)を実施する環境の雰囲気温度は、室温〜100℃に維持して行なうことが好ましい。また、異なる溶融硫黄含有資材を複数回に分けて型枠内に導入する場合には、必要に応じて先に導入した溶融硫黄含有資材をある程度硬化させた後に次の溶融硫黄含有資材を導入することもできる。
工程(B-1)において、粒径5mmを超える骨材を含まない溶融硫黄含有資材の型枠への導入量は、特に限定されないが、通常、載置した複数のタイルの裏面が隠れる程度以上の量とすることが好ましい。
前記工程(B-2)において導入する溶融硫黄含有資材としては、工程(B-1)で導入した溶融硫黄含有材料の骨材を変更したもの等が好ましく挙げられる。
例えば、軽石、ビニロン繊維、パーライト等の軽量骨材等が好ましく挙げられる。
このような軽量骨材を適当量配合することにより、得られるタイルパネルの質量を軽量化することが可能になる。
また、JIS標準ふるいで1mm以上、特に、5mmを超え、50mm以下の粗骨材を用いることもできる。
前記軽量骨材及び粗骨材の合計の含有割合は、硬化させた際の機械的強度等を考慮して適宜選択することができるが、通常、溶融硫黄材料100質量部に対して10〜700質量部、好ましくは50〜500質量部である。10質量部未満では高い強度が得られ難く、700質量部を超えると硫黄材料が少なすぎるため固化が困難であり好ましくない。
前記工程(B)、工程(B-1)及び工程(B-2)における溶融硫黄含有資材には、前記細骨材、軽量骨材及び粗骨材の他に、必要に応じて、例えば、得られる硫黄固化体の曲げ強度を更に高め、該固化体自体を薄型化、軽量化を可能にするために、繊維質充填材、繊維状粒子、薄片状粒子等を含有させることができる。
繊維質充填材としては、例えば、カーボンファイバー、グラスファイバー、鋼繊維、アモルファス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維又はこれらの混合物等が挙げられる。
繊維質充填材の繊維径は、材質により異なるが通常5μm〜1mmが好ましい。繊維形態は、短繊維、連続繊維のいずれでも良いが、短繊維の場合の繊維長は2〜30mmの均一分散が容易な長さが好ましい。連続繊維としては、骨材が通過できるような隙間を空けた格子状であれば良く、織構造又は不織布構造のいずれでも良い。
繊維質充填材を配合する場合の配合割合は、得られる硫黄固化体中に通常0.1〜10質量%、特に0.5〜3重量%が好ましい。
また、靭性を高めるため等に、繊維状粒子、薄片状粒子等を配合することもできる。
繊維状粒子としては、平均長さ1mm以下のウォラスナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられる。
薄片状粒子としては、平均粒度1mm以下のマイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。繊維状粒子及び/又は薄片状粒子を配合する場合の配合割合は、得られる硫黄固化体中に通常35質量%以下、特に1〜25質量%が好ましい。
前記溶融硫黄含有資材には、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、上記以外にも必要に応じて他の成分が配合されていても良い。
前記溶融硫黄含有資材の調製は、例えば、120〜160℃に予熱した骨材等を含む固体資材に、好ましくは120〜160℃に保持した前記硫黄材料の溶融物を投入して混合する方法又は、120〜160℃に保持した前記硫黄材料の溶融物に、120〜160℃に予熱した骨材等を含む固体資材を投入して混合する方法等により行なうことができる。
前記混合は、含有される溶融状態の硫黄材料、特に改質硫黄を含む硫黄材料の140℃における粘度を0.05〜3.0Pa・sの範囲内に維持しながら行うことが好ましい。前記改質硫黄を含む硫黄材料の粘度は、硫黄の重合進行により時間と共に上昇するので、取り扱いが容易な最適粘度範囲とすることが好ましい。該粘度が0.05Pa・s未満では、得られる硫黄固化体基材の強度が低下し、改質硫黄による改質効果が不十分となるので好ましくない。一方、粘度が高くなるに従い、強度改善効果も高くなるが、3.0Pa・sを超えると溶融混合における撹拌が困難となり、作業性が著しく悪化するので好ましくない。
前記混合に用いる混合機は、混合が十分に行えるものであれば特に限定されず、好ましくは固液撹拌用が挙げられる。例えば、パドルミキサー、インターナルミキサー、ロールミル、ボールミル、ドラムミキサー、スクリュー押出し機、パグミル、ポエーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等が使用できる。
本発明の製造法においては、前記工程(B)の前に、型枠内に載置した各タイルの所定間隔内に、目地形成用の耐熱性スペーサーを設置する工程(A-1)を行なうことができる。
工程(A-1)において、耐熱性スペーサーは、後述する工程(D)の際、もしくはその後に取り外しが可能であって、各タイル間に凹部の目地を形成しうる材料であれば良い。
このような工程(A-1)を実施しない場合には、目地部がタイル表面と同一平面となり、工程(A-1)を実施することで、タイル表面に対して凹部となる目地部を形成することができる。
本発明の製造法では、次いで、前記溶融硫黄含有資材を固化させる工程(C)を行なう。
工程(C)は、工程(B)における雰囲気温度を硫黄材料が効率良く固化しうる温度、例えば、室温程度にすることにより行なうことができる。
該固化においては、例えば、型枠に適宜振動を加えて行なうことも可能である。
本発明の製造法では、タイルが露出していない裏面側に、該裏面から突出させてパネル設置部材を設ける工程を行なうことができる。
該パネル設置部材とは、得られるタイルパネルを所望の外壁や床に設置する際に、外壁や床にタイルパネルを一体に固定するために埋め込むアンカー作用を有することが可能な突出部材であって、例えば、工程(A)で載置したタイルに突出部を仮固定し、工程(B)及び工程(C)により硫黄固化体基体内に一部を埋め込んだ状態で固定することができる。また、工程(B)の後に工程(C)によって溶融硫黄含有資材を固化させる際に硫黄含有資材にパネル設置部材の一部を埋め込んで固定することもできる。従って、パネル設置部材の形状や大きさ及び数等は、タイルパネルの大きさ、形状、更にはタイルパネルを設置する外壁や床の材質及び形態等に応じて適宜決定することができる。
本発明の製造法では、次いで、型枠を取外す工程(D)を行なうことにより所望のタイルパネルを製造することができる。
工程(D)の型枠の取外しは、公知の方法に従って行なうことができる。
以上説明した本発明の製造法について、図面を参照して簡単に説明する。
図1及び図2は、本発明の製造法における一実施工程例を説明するための工程説明図であって、10は型枠、11はタイル、12はパネル設置部材、13は溶融含有硫黄資材、14は13と異なる、軽量骨材等を含む溶融含有硫黄資材を示す。
図1及び図2において、まず、タイル11を目地間隔11aを保持して、型枠10に挿入し、型枠10の底面に両面テープ(図示せず)で固定する。この際、タイル11の所定箇所に、得られるタイルパネルを設置すべき基材に埋め込んでタイルパネルを固定するためのパネル設置部材12を設置することができる。また、各パネル設置部材12を補強するための補強材12aを設けることもできる。更に、目地間隔11aには、凹部の目地を形成する場合にスペーサーを設置することができる。
次に、図1においては、型枠10内に溶融硫黄含有資材13を導入して満たした後固化させる。
一方、図2においては、型枠10内の目地部形成のための空隙に、例えば、粒径5mmを超える骨材を含まない溶融硫黄含有資材を導入し、次いで、例えば、軽量骨材を含む溶融硫黄含有資材14を導入して型枠10内を満たした後固化させる。
最後に、常法により型枠10を脱型することにより、図1の例では、1層の硫黄固化体基材の外表面にタイルが露出したタイルパネルが得られる。一方、図2の例では、2層の硫黄固化体基材の外表面にタイルが露出したタイルパネルが得られる。
本発明の硫黄固化体を基材としたタイルパネルは、上述の製造法により得られるタイルパネルである。
代表的には、複数のタイルが、硫黄固化体の外表面に、該タイル表面が所定間隔で露出するように一体化したタイルパネル、若しくは硫黄固化体の外表面に、複数のタイル表面が所定間隔で露出しており、且つ硫黄固化体が、粒径5mmを超える骨材を含まない硫黄含有資材層と、粒径5mmを超える軽量骨材を含む硫黄含有資材層との少なくとも2層からなるタイルパネル等が挙げられる。
これら本発明のタイルパネルは、小ガス炎着火試験によって検定される非危険物を充足することが好ましい。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明するが、本発明はこれに限定されない。
前記図1に示す工程に従って、図3に示す型枠及びタイルを用いてタイルパネルを製造した。
まず、木製の型枠30を設置し、該型枠30内に、セラミックスタイル31を縦横に等間隔で載置した。続いて、各タイル31間及びタイル31と型枠30との間隙に、目地形成用の耐熱性スペーサー(図示せず)をはめ込んだ。また、載置したタイル31の所定箇所に図4に示す金属性のパネル設置部材41を設置した(図3には示さず)。
次に、型枠30内に以下に示す方法により調製した溶融硫黄含有資材32を、導入管33を用いて、雰囲気温度30〜40℃に制御しながら導入した。
<溶融硫黄含有資材の調製>
まず、密閉式撹拌混合槽中に、固体硫黄47.5kgを入れ、130℃で加温して溶解後、130℃に保持した。続いて、約50℃に加熱溶解したジシクロペンタジエン2.5kgをゆっくりと添加し、約10分間静かに撹拌して、初期反応による温度上昇が収束することを確認してから、140℃まで昇温した。反応が開始され、次第に粘度が上昇し、約1時間で粘度が0.1Pa・sに達したところで、該溶融改質硫黄約50kgを、予め140℃に加熱した、粒径1mm以下の石炭灰からなる細骨材50kgと共に、140℃に保持した混練機(プローシェアーミキサー)内にほぼ同時に投入した。続いて10分間混練することで溶融硫黄含有資材を調製した。得られた溶融硫黄含有資材は、直ちに上述の型枠30内への導入に供した。
型枠30内に溶融硫黄含有資材32を導入した後、雰囲気を室温℃とし、1時間放置することによって溶融硫黄含有資材32を硬化させ、金属性のパネル設置部材41を完全に固定した。次いで、型枠30及び耐熱性スペーサーを取外し、図4に示すタイルパネル40を作製した。
図4に示すタイルパネル40は、図3のタイル31の表面が図4に示すように露出するようにひっくり返した状態を示し、32Aは、溶融硫黄含有資材32が固化した硫黄含有固化体基材を示す。
得られたタイルパネル40は、硫黄固化体基材32Aの外表面にタイル31が露出し、凹部の目地部が形成されたものであった。また、硫黄固化体基材32Aは、小ガス炎着火試験によって検定される非危険物であり、十分な強度を有するものであった。
本発明の製造法の一実施態様を説明するための工程説明図である。 本発明の製造法の他の一実施態様を説明するための工程説明図である。 実施例における本発明の製造法を説明するための一実施状態を示す概略図である。 図3に示す概略図に基づいて作製した、実施例で製造したタイルパネルを示す概略図である。
符号の説明
10、30:型枠
11、31:タイル
11a:目地形成用間隙
12:パネル設置部材
12a:補強材
13、14、32:溶融硫黄含有資材
32A:硫黄固化体基材
40:タイルパネル

Claims (10)

  1. 所定形態の型枠内に、複数のタイルを所定間隔に載置する工程(A)と、
    工程(A)の後、溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B)と、
    前記溶融硫黄含有資材を固化させる工程(C)と、
    型枠を取外す工程(D)とを含むことを特徴とする硫黄固化体基材の外表面にタイルが露出したタイルパネルの製造法。
  2. 工程(B)が、粒径5mmを超える骨材を含まない溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B-1)と、骨材を含む溶融硫黄含有資材を型枠内に導入する工程(B-2)とを含むことを特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 溶融硫黄含有資材が、粒径5mm以下の細骨材100質量部と、硫黄及び/又は改質硫黄からなる硫黄材料30〜400質量部とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の製造法。
  4. 工程(B-2)における骨材が、軽量骨材を含むことを特徴とする請求項2記載の製造法。
  5. 工程(B)を、室温〜100℃の環境下で行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造法。
  6. 工程(B)の前に、型枠内に載置した各タイルの所定間隔内に、目地形成用の耐熱性スペーサーを設置する工程(A-1)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の製造法。
  7. タイルが露出していない裏面側に、該裏面から突出させてパネル設置部材を設ける工程を含む請求項1〜6のいずれか1項記載の製造法。
  8. 請求項1記載の製造法により得られるタイルパネルであって、複数のタイルが、硫黄固化体の外表面に、該タイル表面が所定間隔で露出するように一体化していることを特徴とする硫黄固化体を基材としたタイルパネル。
  9. 請求項4記載の製造法により得られるタイルパネルであって、硫黄固化体の外表面に、複数のタイル表面が所定間隔で露出しており、且つ硫黄固化体が、粒径5mmを超える骨材を含まない硫黄含有資材層と、粒径5mmを超える軽量骨材を含む硫黄含有資材層との少なくとも2層からなることを特徴とする硫黄固化体を基材としたタイルパネル。
  10. 小ガス炎着火試験によって検定される非危険物を充足することを特徴とする請求項8又は9記載のタイルパネル。
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