JP2006016218A - 耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリート - Google Patents
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Abstract
【課題】シングルシェルライニング用の覆工コンクリートとして使用可能で、トンネル内で火災が発生しても一定時間耐え得る耐火性能を有する耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリートを提供することを目的とする。
【解決手段】セメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤を含むことを特徴とする耐火性吹付けコンクリート。上記熱可塑性樹脂のガラス点移転温度融点、沸点又は分解温度が80〜400℃であると好適である。上記熱可塑性樹脂が、直径0.01〜1.0mm且つ長さ2〜30mmの熱可塑性樹脂繊維及び/又は平均粒子径0.1〜3.0mmの熱可塑性樹脂粒であると好適である。上記耐火性吹付けコンクリートからなる高強度覆工コンクリートである。
【選択図】なし
【解決手段】セメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤を含むことを特徴とする耐火性吹付けコンクリート。上記熱可塑性樹脂のガラス点移転温度融点、沸点又は分解温度が80〜400℃であると好適である。上記熱可塑性樹脂が、直径0.01〜1.0mm且つ長さ2〜30mmの熱可塑性樹脂繊維及び/又は平均粒子径0.1〜3.0mmの熱可塑性樹脂粒であると好適である。上記耐火性吹付けコンクリートからなる高強度覆工コンクリートである。
【選択図】なし
Description
本発明は、例えばトンネルの覆工等に用いられる吹付けコンクリート等の耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリートに関し、詳しくは、最高温度1200℃に加熱する耐火試験に耐え、且つ材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上である耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリートに関する。
道路トンネル、鉄道トンネル等のトンネルの建設工事において、一次覆工として吹付けコンクリートを地山に吹付け掘削完了直後の岩盤面を被覆することによって、露出している岩盤の崩落を防いでいる。この一次覆工としての吹付けコンクリートのトンネル内側の表面に、二次覆工としてコンクリートを打設することで、通常のトンネルは建設されることが多い。一次覆工としての吹付けコンクリートは、一時的な仮設構造物として利用されるものである。この一次覆工としての吹付けコンクリートの代表的なものは、普通ポルトランドセメントを用い、単位セメント量が350〜370kg/m3、水セメント比が55〜70%である。このような吹付けコンクリートの圧縮強度は、一般に、材齢28日において20〜30N/mm2程度である。
最近では、トンネルの吹付け工事現場において、施工の省力化のため、施工後の二次覆工としてのコンクリート打設を省く施工方法が強く望まれてきた。一次覆工としての吹付けコンクリートのみで、覆工工事を完成させるためには、吹付けコンクリート自体が、従来よりも高い強度発現性を有することが必要になる。例えば、吹付けコンクリートの材齢28日における圧縮強度が、70N/mm2以上であれば、覆工コンクリートを一次覆工としての吹付けコンクリートのみに省力化、つまり、シングルシェルライニングとすることが可能である(例えば、特許文献1)。
しかし、材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上である吹付けコンクリートからなるシングルシェルライニングのトンネル内で、もしも火災が発生した場合、コンクリートが急激な温度上昇により内部に多量の水蒸気が発生し、該コンクリートの一部又は全部が破裂して、トンネルが崩落する危険性がある。
特開2001−220202号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、シングルシェルライニング用の覆工コンクリートとして使用可能で、トンネル内で火災が発生しても一定時間耐え得る耐火性能を有する耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリートを提供することを目的とする。詳しくは、材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上且つ最高温度1200℃の耐火試験にも耐え得る、シングルシェルライニング用の覆工コンクリートとして使用可能な耐火性吹付けコンクリート、特に高強度覆工コンクリートを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)表す耐火性吹付けコンクリート及び(4)で表す高強度覆工コンクリートである。
(1)セメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤を含むことを特徴とする耐火性吹付けコンクリート。(2)上記熱可塑性樹脂のガラス点移転温度、融点、沸点又は分解温度が80〜400℃である上記(1)の耐火性吹付けコンクリート。(3)上記熱可塑性樹脂が、直径0.01〜1.0mm且つ長さ2〜30mmの熱可塑性樹脂繊維及び/又は平均粒子径0.1〜3.0mmの熱可塑性樹脂粒である上記(1)又は(2)の耐火性吹付けコンクリート。(4)上記(1)〜(3)の耐火性吹付けコンクリートからなる高強度覆工コンクリート。
(1)セメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤を含むことを特徴とする耐火性吹付けコンクリート。(2)上記熱可塑性樹脂のガラス点移転温度、融点、沸点又は分解温度が80〜400℃である上記(1)の耐火性吹付けコンクリート。(3)上記熱可塑性樹脂が、直径0.01〜1.0mm且つ長さ2〜30mmの熱可塑性樹脂繊維及び/又は平均粒子径0.1〜3.0mmの熱可塑性樹脂粒である上記(1)又は(2)の耐火性吹付けコンクリート。(4)上記(1)〜(3)の耐火性吹付けコンクリートからなる高強度覆工コンクリート。
本発明によれば、材齢28日における圧縮強度が高く且つトンネル内で火災が発生しても一定時間耐え得る耐火性能を有し、シングルシェルライニング用の覆工コンクリートに用いることが可能な耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリートが得られる。詳しくは、本発明によれば、材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上且つ最高温度1200℃の耐火試験にも耐え得るので、シングルシェルライニング用の覆工コンクリートに用いることが可能な耐火性吹付けコンクリート及び高強度覆工コンクリートが得られる。本発明の耐火性吹付けコンクリート又は本発明の高強度覆工コンクリートを覆工コンクリートとして用いたトンネルは、トンネル内で火災が発生しても、覆工コンクリートの高い耐火性能により早期に復旧可能である。
本発明の耐火性吹付けコンクリートは、セメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤を含むことを特徴とする。本発明で用いる熱可塑性樹脂は、火災時に発生する熱を、該熱可塑性樹脂が溶融、軟化又は気化することで吸熱するので、吹付けコンクリートの表面近傍の温度上昇が緩やかになるために、該吹付けコンクリートの耐熱性能が向上する。更に、熱可塑性樹脂が周囲の未水和のセメントやセメント水和物等に吸収され又は気化すること等により減容することで、蒸発した吹付けコンクリート内部の水分がコンクリート内部から外部に抜け易くなるために、吹付けコンクリートが火災により破裂し難くなる。
本発明で用いることのできる熱可塑性樹脂の種類、形状及び大きさは、特に限定されない。例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられ、これらを一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。ガラス点移転温度、融点、沸点、軟化温度又は分解温度の少なくとも何れか一つが80〜400℃である熱可塑性樹脂であると、吹付けコンクリートの表面近傍の温度上昇がより緩やかになるために該吹付けコンクリートの耐熱性能が向上する。好ましくはガラス点移転温度、融点、沸点、軟化温度又は分解温度の少なくとも何れか一つが80〜400℃の熱可塑性樹脂とする。更に、上記熱可塑性樹脂が、直径0.01〜1.0mm且つ長さ2〜30mmの熱可塑性樹脂繊維及び/又は平均粒子径0.1〜3.0mmの熱可塑性樹脂粒であると、該熱可塑性樹脂を添加したことによる、吹付けコンクリートの圧縮強度の低下及び練り混ぜ直後の流動性の低下が抑えられるので好ましい。本発明において、上記熱可塑性樹脂の量は、コンクリートの流動性、吹付け性状、分離抵抗性、硬化後の強度及び耐火性能の点からから、セメント100重量部に対して0.05〜3.0重量部が好ましい。熱可塑性樹脂の量が、0.05重量部未満では耐火性能が劣り、3.0重量部を超えると吹付け施工時に脈動が起こることでコンクリートが不均一になる場合がある。より好ましい熱可塑性樹脂の量は、0.1〜2.0重量部とする。
本発明で用いることのできるセメントの種類は限定されない。例えば、普通ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメント,フライアッシュセメント,シリカヒュームセメント等の混合セメント、エコセメント、アルミナセメント等が挙げられ、これらを一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
本発明で使用するポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ微粉末、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストでは、その平均粒径は、1.0μm以下であり、粉砕等をする必要がないので本発明のポゾラン質微粉末として好適である。ポゾラン質微粉末を配合することにより、そのマイクロフィラー効果及びセメント分散効果によりコンクリートが緻密化し、圧縮強度が向上するとともに、化学抵抗性も向上する。一方、ポゾラン質微粉末の添加量が多くなると単位水量が増大するために耐火性能が低下するので、ポゾラン質微粉末の添加量はセメント100重量部に対して5〜50重量部とするのが好ましい。
本発明で使用する減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤が挙げられ、これらの一種単独又は二種以上を併用して用いることができる。それらの中でも、ポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤が、火災時に発生する硫黄酸化物が少ないので好ましい。減水剤の添加量は、セメント100重量部に対して固形分換算で0.1〜5重量部とするのが好ましい。
本発明で使用する骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石及び人工骨材が挙げられ、これらの一種単独又は二種以上を併用して用いることができる。骨材の配合量は、コンクリートの作業性、分離抵抗性、硬化後の強度、耐火性能の点から、セメント100重量部に対して50〜250重量部が好ましく、80〜180重量部がより好ましい。細骨材率が30〜75%とするのが更に好ましい。
本発明において、水の量は、コンクリートの流動性、吹付け性状、分離抵抗性、硬化後の強度及び耐火性能の点からから、セメント100重量部に対して10〜30重量部が好ましい。水量が、セメント100重量部に対して10重量部未満の場合、コンクリートの流動性が得られず吹付け施工が行えない場合がある。また30重量部を超えると材齢28日における圧縮強度が70N/mm2未満となりシングルシェルライニング用の覆工コンクリートに用いることができない。より好ましい水量は、セメント100重量部に対して15〜25重量部とする。
本発明で使用できる急結剤は、モルタル・コンクリートに混和可能な急結剤であれば限定されず、例えばカルシウムナトリウムアルミネート系、カルシウムアルミネート系、カルシウムサルホアルミネート系急結剤を始めとして、その他の市販の急結剤も使用できる。また、急結剤の添加量は、それぞれの急結剤の常用量で充分で、好ましくはセメント100重量部に対して1〜30重量部とする。
本発明の耐火性吹付けコンクリートには、本発明の効果を損なわない範囲でセメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤以外の他の成分を含有できる。例えば、石膏微粉末,消石灰微粉末,炭酸カルシウム微粉末等の無機質微粉末、水酸化アルミニウム,ギプサイト,エトリンガイト,非発泡ひる石,ハロサイト,モルデナイト等の無機質吸熱物質、硬化促進剤、硬化遅延剤、膨張材、発泡剤、防錆剤、顔料、増粘剤、収縮低減剤、防水材、熱硬化性樹脂、金属繊維、ガラス繊維等の一種又は二種以上を本発明の耐火性吹付けコンクリートに含有することができる。
本発明の高強度覆工コンクリートは、上記耐火性吹付けコンクリートからなる。
[実施例1]
急結剤以外のコンクリートの材料をコンクリートミキサで練りまぜた後に圧送し、別経路から圧送された急結剤とY字管で合流させることで製造したコンクリートを、型枠内に吹付け、直ちに定木及び鏝で表面を均し、コンクリート製平板(縦130cm×横130cm×厚み20cm)を作製した。このとき、コンクリートの材料は、以下の通りとした。コンクリートの配合を表1に示す。表1中の減水剤の配合量は、固形分換算の値である。
<コンクリートの配合及び材料>
セメント: 太平洋セメント社製普通ポルトランドセメント。
ポゾラン質微粉末: シリカフューム(平均粒径;0.7μm)。
細骨材:珪砂4号と珪砂5号を2:1の重量比で混合した砂。
粗骨材:6号砕石。
水:水道水。
減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤。
熱可塑性樹脂A:ポリプロピレン製繊維(直径;0.2mm、長さ;10mm、融点;165℃)。
熱可塑性樹脂B:ポリエチレン製粒子(平均粒子;1.0mm、融点;108℃)。
水:水道水。
急結剤: カルシウムアルミネート系急結剤(商品名;太平洋ショットマスターH、太平洋マテリアル社製)。
急結剤以外のコンクリートの材料をコンクリートミキサで練りまぜた後に圧送し、別経路から圧送された急結剤とY字管で合流させることで製造したコンクリートを、型枠内に吹付け、直ちに定木及び鏝で表面を均し、コンクリート製平板(縦130cm×横130cm×厚み20cm)を作製した。このとき、コンクリートの材料は、以下の通りとした。コンクリートの配合を表1に示す。表1中の減水剤の配合量は、固形分換算の値である。
<コンクリートの配合及び材料>
セメント: 太平洋セメント社製普通ポルトランドセメント。
ポゾラン質微粉末: シリカフューム(平均粒径;0.7μm)。
細骨材:珪砂4号と珪砂5号を2:1の重量比で混合した砂。
粗骨材:6号砕石。
水:水道水。
減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤。
熱可塑性樹脂A:ポリプロピレン製繊維(直径;0.2mm、長さ;10mm、融点;165℃)。
熱可塑性樹脂B:ポリエチレン製粒子(平均粒子;1.0mm、融点;108℃)。
水:水道水。
急結剤: カルシウムアルミネート系急結剤(商品名;太平洋ショットマスターH、太平洋マテリアル社製)。
作製したコンクリート製平板は、型枠のままコンクリート打ち込み後28日間20℃の恒温室にて養生した。材齢28日後に脱型した後、コンクリート製平板の表面に火炎をあてて最高温度1200℃に加熱して耐火試験を行った。このときの加熱はRABT曲線から設定し、加熱5分後に1200℃になるように昇温、55分間1200℃を維持した後、110分間掛けて室温まで冷却した。冷却後のコンクリート製平板を目視で調べ、爆裂の痕跡のコンクリート製平板の加熱面に占める面積を測定した。この結果を、吹付け性状、コンクリート製平板の作製に用いたコンクリートの材齢28日の圧縮強度、及びコンクリートの総合評価とともに表2に示す。評価方法及び評価基準は以下の通りとした。
<吹付け性状>
コンクリート吹付け時に、コンクリートの圧送経路内での詰まりが無かったものを「良」、及びコンクリートの圧送経路内での詰まりがあったものを「不合格」と判断した。
<コンクリートの材齢28日の圧縮強度>
コンクリートの材齢28日の圧縮強度は、土木学会基準JSCE−F561−1999「吹付けコンクリートの圧縮強度試験用供試体の作り方」に従って圧縮強度試験用供試体を作製し、JIS A 1108−1999「コンクリートの圧縮強度試験方法」に従い測定した。
<耐爆裂性>
耐爆裂性は、耐火試験後のコンクリート製平板に爆裂の痕跡が無かった場合を含め、耐火試験後のコンクリート製平板における爆裂の痕跡の占める面積が加熱面の面積の5%未満であった場合を「良」、及び耐火試験後のコンクリート製平板における爆裂の痕跡の占める面積が加熱面の面積の5%以上であった場合を「不合格」として評価した。
<総合評価>
コンクリートの総合評価は、コンクリートの材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上且つ吹付け性状及び耐爆裂性の評価がいずれも「良」であった場合を「良」、コンクリートの材齢28日における圧縮強度が70N/mm2未満の場合,或いは吹付け性状又は耐爆裂性の評価の少なくとも何れか一方に「不合格」の評価のある場合を「不合格」として評価した。
<吹付け性状>
コンクリート吹付け時に、コンクリートの圧送経路内での詰まりが無かったものを「良」、及びコンクリートの圧送経路内での詰まりがあったものを「不合格」と判断した。
<コンクリートの材齢28日の圧縮強度>
コンクリートの材齢28日の圧縮強度は、土木学会基準JSCE−F561−1999「吹付けコンクリートの圧縮強度試験用供試体の作り方」に従って圧縮強度試験用供試体を作製し、JIS A 1108−1999「コンクリートの圧縮強度試験方法」に従い測定した。
<耐爆裂性>
耐爆裂性は、耐火試験後のコンクリート製平板に爆裂の痕跡が無かった場合を含め、耐火試験後のコンクリート製平板における爆裂の痕跡の占める面積が加熱面の面積の5%未満であった場合を「良」、及び耐火試験後のコンクリート製平板における爆裂の痕跡の占める面積が加熱面の面積の5%以上であった場合を「不合格」として評価した。
<総合評価>
コンクリートの総合評価は、コンクリートの材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上且つ吹付け性状及び耐爆裂性の評価がいずれも「良」であった場合を「良」、コンクリートの材齢28日における圧縮強度が70N/mm2未満の場合,或いは吹付け性状又は耐爆裂性の評価の少なくとも何れか一方に「不合格」の評価のある場合を「不合格」として評価した。
[実施例2〜7]
何れも、コンクリートの配合が異なる以外は実施例1と同様にコンクリート製平板を作製した。コンクリートの配合を実施例1に用いたコンクリートの配合とともに表1に示す。作製したコンクリート製平板の耐火試験及びコンクリート製平板の作製に用いたコンクリートの材齢28日における圧縮強度を、実施例1と同様に行った。これらの結果、吹付け性状及びコンクリートの総合評価を、実施例1の試験結果及び総合評価とともに表2に示す。コンクリートの評価基準は実施例1と同じである。
何れも、コンクリートの配合が異なる以外は実施例1と同様にコンクリート製平板を作製した。コンクリートの配合を実施例1に用いたコンクリートの配合とともに表1に示す。作製したコンクリート製平板の耐火試験及びコンクリート製平板の作製に用いたコンクリートの材齢28日における圧縮強度を、実施例1と同様に行った。これらの結果、吹付け性状及びコンクリートの総合評価を、実施例1の試験結果及び総合評価とともに表2に示す。コンクリートの評価基準は実施例1と同じである。
[比較例1〜3]
何れも、コンクリートの配合が異なる以外は実施例1と同様にコンクリート製平板を作製した。コンクリートの配合を実施例1に用いたコンクリートの配合とともに表1に示す。作製したコンクリート製平板の耐火試験及びコンクリート製平板の作製に用いたコンクリートの材齢28日における圧縮強度を、実施例1と同様に行った。これらの結果及びコンクリートの総合評価を、実施例1の試験結果及び総合評価とともに表2に示す。コンクリートの評価基準は実施例1と同じである。
何れも、コンクリートの配合が異なる以外は実施例1と同様にコンクリート製平板を作製した。コンクリートの配合を実施例1に用いたコンクリートの配合とともに表1に示す。作製したコンクリート製平板の耐火試験及びコンクリート製平板の作製に用いたコンクリートの材齢28日における圧縮強度を、実施例1と同様に行った。これらの結果及びコンクリートの総合評価を、実施例1の試験結果及び総合評価とともに表2に示す。コンクリートの評価基準は実施例1と同じである。
何れの実施例のコンクリートも、材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上、コンクリート吹付け時にコンクリートが圧送経路内で詰まらず且つ爆裂の痕跡の占める面積がコンクリート製平板の加熱面の面積の5%未満と総合評価で合格であった。特に実施例1〜4,6及7は、これらの耐火試験後のコンクリート製平板に爆裂の痕跡が無かった。これに対し、比較例のコンクリートは、材齢28日における圧縮強度が70N/mm2未満、コンクリート吹付け時にコンクリートが圧送経路内で詰まり、又は爆裂の痕跡の占める面積がコンクリート製平板の加熱面の面積の5%以上であったために、総合評価で不合格であった。尚、吹付け性状の評価は、何れの実施例及び比較例も「良」であったが、実施例6のみコンクリート吹付け時に脈動が起こっていた。
本発明によると、材齢28日における圧縮強度が70N/mm2以上且つ最高温度1200℃の耐火試験にも耐え得る耐火性吹付けコンクリートが得られるので、シングルシェルライニング用の高強度覆工コンクリートとして用いることができる。本発明の高強度覆工コンクリートを用いて作製したシングルシェルライニングのトンネルは、最高温度1200℃の耐火試験にも耐え得るので、トンネル内で火災が発生してもトンネルとしての形状及び機能を維持できる高耐久性のトンネルとなる。
Claims (4)
- セメント、ポゾラン質微粉末、減水剤、熱可塑性樹脂、骨材、水及び急結剤を含むことを特徴とする耐火性吹付けコンクリート。
- 上記熱可塑性樹脂のガラス点移転温度、融点、沸点又は分解温度が80〜400℃である請求項1記載の耐火性吹付けコンクリート。
- 上記熱可塑性樹脂が、直径0.01〜1.0mm且つ長さ2〜30mmの熱可塑性樹脂繊維及び/又は平均粒子径0.1〜3.0mmの熱可塑性樹脂粒である請求項2又は3記載の耐火性吹付けコンクリート。
- 請求項1〜3記載の耐火性吹付けコンクリートからなる高強度覆工コンクリート。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009024341A (ja) * | 2007-07-17 | 2009-02-05 | Ohbayashi Corp | 耐火セグメント及び耐火セグメントの製造方法 |
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JP2017014753A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 株式会社 協創 | 耐火被覆構造体の施工方法及びこの施工方法に用いられる耐火被覆構造体 |
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-
2004
- 2004-06-30 JP JP2004192787A patent/JP2006016218A/ja active Pending
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