JP2004043234A - 超高強度モルタル - Google Patents
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Abstract
【課題】超高層プレキャスト建築物等に用いられる80N/mm2以上の圧縮強度を確保する目地材は、早期強度発現性、初期材齢における無収縮性、施工性等の条件を満足しなければならないという課題があった。
【解決手段】少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5m以下の細骨材、減水剤及び水を含むことを特徴とする超高強度モルタルを用いればよく、さらに膨張材や発泡剤を含むと好ましい。図1は膨張材混合量と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5m以下の細骨材、減水剤及び水を含むことを特徴とする超高強度モルタルを用いればよく、さらに膨張材や発泡剤を含むと好ましい。図1は膨張材混合量と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高強度モルタルに関し、特に、早期及び長期の圧縮強度を大きくすることができる超高強度モルタルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築構造物や土木構造物に対する超高層化・大規模化・高耐久性化の要求が一層明確になっている、このような超高層ないしは大規模の建築物を実現するために、従来から、高強度モルタルの開発が行われている。
【0003】
プレキャスト部材を用いた建築・土木構造を現実のものとするため、部材結合部には部材自身と同等以上の強度を有する目地材を用いることが必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超高層プレキャスト建築物等に用いられる目地材としては80N/mm2以上の圧縮強度を有することが要求される。また、このような強度を確保する目地材としては、早期強度発現性、初期材齢における無収縮性、施工性等の条件を満足しなければならないという課題があった。本発明はこのような課題を満足する超高強度モルタルを提供することを目的とする。本発明において、「超高強度モルタル」とは硬化後の圧縮強度が80N/mm2以上のモルタルを云う。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の材料を使用することによって、120N/mm2以上の圧縮強度を発現するモルタルであっても、材齢初期に収縮がなく、特殊養生をしなくても早期材齢の圧縮強度を発現し、充填性の良いモルタルを作製できるとの知見を得て本発明を完成させたものである。
【0006】
すなわち、本発明は、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤及び水を含むことを特徴とする超高強度モルタルであり、さらにこの超高強度モルタルは膨張材や発泡剤を含むことが好ましい。また、金属繊維及び/又は有機質繊維を含む超高強度モルタルとすると一層好適である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の超高強度モルタルについて詳細に説明する。本発明の超高強度モルタルは、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤及び水を含むものである。
【0008】
本発明で使用されるセメントの種類は限定するものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルドランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルドランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。また、セメント質量部の40〜50%がビーライトである高ビーライトセメントも使用することができる。なお、モルタルの早期強度を向上しようとする場合は早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、モルタルの流動性を向上しようとする場合は、高ビーライトセメントや中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0009】
ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、高炉スラグ、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストでは、その平均粒径は、1.0μm以下であり、粉砕等をする必要がなく、本発明のポゾラン質微粉末として好適である。ポゾラン質微粉末を配合することにより、そのマイクロフィラー効果およびボールベアリング効果によりモルタルが緻密化し、圧縮強度が向上する。一例として、シリカフュームの配合量が多くなると単位水量が増大するので、シリカフュームの配合量はセメント100質量部に対して5〜20質量部が好ましい。
【0010】
本発明においては、粒径3.5mm以下の細骨材を用いる。粒径2mm以上の細骨材を増やすと、モルタルの粘性を低減することができ、充填性が向上する。細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物を使用することができる。細骨材の配合量は、モルタルの作業性や分離抵抗性、硬化後の強度や収縮低減等から、セメント100質量部に対して50〜150質量部が好ましい。
【0011】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きい高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。また、モルタル早期強度を高くする必要がある場合には、水和反応の早い高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いることが好ましい。減水剤の配合量は、モルタルの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度、さらにはコスト等から、セメント100質量部に対して、固形分換算で、0.1〜1.0質量部が好ましい。なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。
【0012】
水/セメント比は、モルタルの流動性や分離抵抗性、硬化体の強度や耐久性等から、15〜30質量%が好ましい。
【0013】
本発明においては、モルタルの圧縮強度を高める観点から、前記モルタルに膨張材を含ませることが好ましい。膨張材としては、エトリンガイトを生成する材料又は水酸化カルシウムを生成する材料が挙げられる。中でもエトリンガイトを生成する材料が好ましい。エトリンガイトは水和初期の生成が顕著であり、早期強度発現性が高く、硬化後も膨張作用により内部応力が生じ、ケミカルプレストレスとして作用するため、強度増進に優れている。膨張材の配合量は、モルタルの作業性や分離抵抗性、硬化後の強度発現や収縮低減等から、セメント100質量部に対し、3〜15質量部が好ましい。
【0014】
初期収縮を抑制する方策として、発泡剤を添加する。発泡剤としては、種々のガス発生機構を持つものが提案されているが、発泡性能、経済性から金属アルミニウム粉末が好ましい。アルミニウム粉末の量が多くなれば、発泡量が多くなるが、強度が低下するため、配合量はセメント100質量部に対し、0.0005〜0.0025質量部が好ましい。
【0015】
また、場合に応じて金属繊維、有機質繊維の一方又は両方を混入すると、強度及び靱性をさらに向上させることができ、好ましい。
【0016】
本発明の高強度モルタルの製造方法は、特に限定するものではなく、例えば次の1)〜4)の手段等を採用すればよい。
【0017】
1)水、減水剤、発泡剤以外の材料を予め混合した混合材(プレミックス)としておき、モルタルの混練の際に、このプレミックスと水、減水剤及び発泡剤をミキサに投入し、混練する。
【0018】
2)水、減水剤以外の材料を予め混合した混合材(プレミックス)としておき、モルタルの混練の際に、このプレミックスと、水及び減水剤をミキサに投入し、混練する。
【0019】
3)水以外の材料を予め混合して混合材(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)としておき、モルタルの混練の際に、このプレミックスと水をミキサに投入し、混練する。このとき液状の減水剤をさらに加えてもよい。
【0020】
4)モルタルの混練の際に、各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。
【0021】
混練に用いるミキサは、通常のモルタルの混練に用いられるものであれば、何れのタイプのものでもよく、例えば、ホバートミキサ、ハンドミキサ、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
【0022】
以上説明した本発明の高強度モルタルは、120N/mm2以上の圧縮強度を発現するとともに、早期強度を発現し、初期の収縮を抑え、施工性の良好なモルタルの作製が可能となる。また、水結合材比を大きくすることにより、圧縮強度を低くすることができ、水結合材比を小さくすれば、強度を高めることも可能となる。
【0023】
本発明において、モルタル、コンクリートの養生方法は、特に限定するものではなく、常温養生や蒸気養生等を行えばよい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。使用材料として以下に示す材料を使用した。
【0025】
セメント;高ビーライトセメント、又は早強ポルトランドセメント
ポゾラン質微粉末;シリカフューム
細骨材;珪砂2号、珪砂3号、珪砂5号又は珪砂6号
膨張材;エトリンガイトを生成する材料
高性能AE減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
水;水道水
発泡剤;金属アルミニウム粉末
(実施例1)
セメントとして早強ポルトランドセメントを用い、ポゾラン質微粉末としてシリカフュームをセメント100質量部に対して10質量部の割合で加え、水結合材比(図中はW/Bと略記)が22%又は27%となるように水を加え、細骨材として珪砂を生成モルタル量1m3に対してW/B=22%の場合1,025kg、W/B=27%の場合1,000kgの割合で加え、さらに減水剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤をセメント100質量部に対して固形分換算量でW/B=22%の場合0.49、W/B=27%の場合0.32質量部の割合で加えて高速ハンドミキサによりモルタルを製造した。発泡剤を用いることなく、膨張材の添加量を生成モルタル量1m3に対してそれぞれ、0、30、50、100kg添加した。このモルタルを硬化後常温水中で養生した。この実施例の膨張材混入量と材齢28日の圧縮強度との関係を図1に示した。曲線11は水結合材比22%のもの、曲線12は水セメント比27%のものを示している。膨張材の添加量が多くなるほど、圧縮強度が高くなる傾向が見られる。
【0026】
(実施例2)
セメントとして早強ポルトランドセメントを用い、ポゾラン質微粉末としてシリカフュームをセメント100質量部に対して10質量部の割合で加え、水結合材比が25%となるように水を加え、細骨材として珪砂を生成モルタル量1m3に対して1,020kgの割合で加え、さらに減水剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤をセメント100質量部に対して固形分換算量で0.39質量部の割合で加えて高速ハンドミキサによりモルタルを製造した。
【0027】
膨張材の添加量を生成モルタル量1m3当り50kgとし、発泡剤としてアルミニウム粉末を10g加えた。結果を図2に示した。曲線13は水結合材比が22%のもの、曲線14は水結合材比が25%のものである。水結合材比が22%の場合、材齢1日の圧縮強度は69.5N/mm2、材齢28日の圧縮強度は129.7N/mm2となっており、材齢1日の圧縮強度はプレストレスを与えるために必要な圧縮強度を十分満たしている。水結合材比が25%の場合でも材齢1日の圧縮強度は52.6N/mm2となっており、材齢28日では、120N/mm2を超える圧縮強度となっている。
【0028】
(実施例3)
セメントとして高ビーライトセメントを用い、ポゾラン質微粉末としてシリカフュームをセメント100質量部に対して10質量部の割合で加え、水結合材比がそれぞれ22%及び25%とした。細骨材として珪砂を生成モルタル量1m3に対してW/B=22%の場合1,057kg,W/B=25%の場合1,020kgの割合で加え、さらに減水剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤をセメント100質量部に対して固形分換算量でW/B=22%の場合0.29、W/B=25%の場合0.25質量部の割合で加えて高速ハンドミキサによりモルタルを製造した。膨張材の添加量を生成モルタル量1m3に対し50kgとし、発泡剤を加えたモルタルの初期強度を測定し、図3に示した。曲線15は水結合材比22%、曲線16は水結合材比25%のものである。
【0029】
水結合材比22%の場合(曲線15)、材齢20時間の圧縮強度は42.7N/mm2、材齢7日の圧縮強度は89.5N/mm2、材齢28日の強度は122.9N/mm2であった。また、水結合材比25%の場合(曲線16)、材齢20時間の圧縮強度は34.9N/mm2、材齢7日の圧縮強度は72.9N/mm2、材齢28日の強度は108.5N/mm2であった。早期強度の発現が懸念される高ビーライトセメントの場合でも、材齢20時間の強度はプレストレスを与えるために必要な圧縮強度20N/mm2を十分に満たしており、長期材齢の強度発現にも優れている。
【0030】
【発明の効果】
本発明の超高強度モルタルは以上のように構成されているので、早期強度発現性、初期材齢における無収縮性、施工性等が優れた、超高層プレキャスト建築物等に用いられる80N/mm2以上の圧縮強度を確保することができ建築構造物や土木構造物に対する超高層化・大規模化・高耐久性化の要求に応えることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の膨張材混合量と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例の材齢と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図3】実施例の材齢と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11〜16 曲線
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高強度モルタルに関し、特に、早期及び長期の圧縮強度を大きくすることができる超高強度モルタルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築構造物や土木構造物に対する超高層化・大規模化・高耐久性化の要求が一層明確になっている、このような超高層ないしは大規模の建築物を実現するために、従来から、高強度モルタルの開発が行われている。
【0003】
プレキャスト部材を用いた建築・土木構造を現実のものとするため、部材結合部には部材自身と同等以上の強度を有する目地材を用いることが必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超高層プレキャスト建築物等に用いられる目地材としては80N/mm2以上の圧縮強度を有することが要求される。また、このような強度を確保する目地材としては、早期強度発現性、初期材齢における無収縮性、施工性等の条件を満足しなければならないという課題があった。本発明はこのような課題を満足する超高強度モルタルを提供することを目的とする。本発明において、「超高強度モルタル」とは硬化後の圧縮強度が80N/mm2以上のモルタルを云う。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の材料を使用することによって、120N/mm2以上の圧縮強度を発現するモルタルであっても、材齢初期に収縮がなく、特殊養生をしなくても早期材齢の圧縮強度を発現し、充填性の良いモルタルを作製できるとの知見を得て本発明を完成させたものである。
【0006】
すなわち、本発明は、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤及び水を含むことを特徴とする超高強度モルタルであり、さらにこの超高強度モルタルは膨張材や発泡剤を含むことが好ましい。また、金属繊維及び/又は有機質繊維を含む超高強度モルタルとすると一層好適である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の超高強度モルタルについて詳細に説明する。本発明の超高強度モルタルは、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤及び水を含むものである。
【0008】
本発明で使用されるセメントの種類は限定するものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルドランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルドランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。また、セメント質量部の40〜50%がビーライトである高ビーライトセメントも使用することができる。なお、モルタルの早期強度を向上しようとする場合は早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、モルタルの流動性を向上しようとする場合は、高ビーライトセメントや中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0009】
ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、高炉スラグ、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストでは、その平均粒径は、1.0μm以下であり、粉砕等をする必要がなく、本発明のポゾラン質微粉末として好適である。ポゾラン質微粉末を配合することにより、そのマイクロフィラー効果およびボールベアリング効果によりモルタルが緻密化し、圧縮強度が向上する。一例として、シリカフュームの配合量が多くなると単位水量が増大するので、シリカフュームの配合量はセメント100質量部に対して5〜20質量部が好ましい。
【0010】
本発明においては、粒径3.5mm以下の細骨材を用いる。粒径2mm以上の細骨材を増やすと、モルタルの粘性を低減することができ、充填性が向上する。細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物を使用することができる。細骨材の配合量は、モルタルの作業性や分離抵抗性、硬化後の強度や収縮低減等から、セメント100質量部に対して50〜150質量部が好ましい。
【0011】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きい高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。また、モルタル早期強度を高くする必要がある場合には、水和反応の早い高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いることが好ましい。減水剤の配合量は、モルタルの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度、さらにはコスト等から、セメント100質量部に対して、固形分換算で、0.1〜1.0質量部が好ましい。なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。
【0012】
水/セメント比は、モルタルの流動性や分離抵抗性、硬化体の強度や耐久性等から、15〜30質量%が好ましい。
【0013】
本発明においては、モルタルの圧縮強度を高める観点から、前記モルタルに膨張材を含ませることが好ましい。膨張材としては、エトリンガイトを生成する材料又は水酸化カルシウムを生成する材料が挙げられる。中でもエトリンガイトを生成する材料が好ましい。エトリンガイトは水和初期の生成が顕著であり、早期強度発現性が高く、硬化後も膨張作用により内部応力が生じ、ケミカルプレストレスとして作用するため、強度増進に優れている。膨張材の配合量は、モルタルの作業性や分離抵抗性、硬化後の強度発現や収縮低減等から、セメント100質量部に対し、3〜15質量部が好ましい。
【0014】
初期収縮を抑制する方策として、発泡剤を添加する。発泡剤としては、種々のガス発生機構を持つものが提案されているが、発泡性能、経済性から金属アルミニウム粉末が好ましい。アルミニウム粉末の量が多くなれば、発泡量が多くなるが、強度が低下するため、配合量はセメント100質量部に対し、0.0005〜0.0025質量部が好ましい。
【0015】
また、場合に応じて金属繊維、有機質繊維の一方又は両方を混入すると、強度及び靱性をさらに向上させることができ、好ましい。
【0016】
本発明の高強度モルタルの製造方法は、特に限定するものではなく、例えば次の1)〜4)の手段等を採用すればよい。
【0017】
1)水、減水剤、発泡剤以外の材料を予め混合した混合材(プレミックス)としておき、モルタルの混練の際に、このプレミックスと水、減水剤及び発泡剤をミキサに投入し、混練する。
【0018】
2)水、減水剤以外の材料を予め混合した混合材(プレミックス)としておき、モルタルの混練の際に、このプレミックスと、水及び減水剤をミキサに投入し、混練する。
【0019】
3)水以外の材料を予め混合して混合材(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)としておき、モルタルの混練の際に、このプレミックスと水をミキサに投入し、混練する。このとき液状の減水剤をさらに加えてもよい。
【0020】
4)モルタルの混練の際に、各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。
【0021】
混練に用いるミキサは、通常のモルタルの混練に用いられるものであれば、何れのタイプのものでもよく、例えば、ホバートミキサ、ハンドミキサ、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
【0022】
以上説明した本発明の高強度モルタルは、120N/mm2以上の圧縮強度を発現するとともに、早期強度を発現し、初期の収縮を抑え、施工性の良好なモルタルの作製が可能となる。また、水結合材比を大きくすることにより、圧縮強度を低くすることができ、水結合材比を小さくすれば、強度を高めることも可能となる。
【0023】
本発明において、モルタル、コンクリートの養生方法は、特に限定するものではなく、常温養生や蒸気養生等を行えばよい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。使用材料として以下に示す材料を使用した。
【0025】
セメント;高ビーライトセメント、又は早強ポルトランドセメント
ポゾラン質微粉末;シリカフューム
細骨材;珪砂2号、珪砂3号、珪砂5号又は珪砂6号
膨張材;エトリンガイトを生成する材料
高性能AE減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
水;水道水
発泡剤;金属アルミニウム粉末
(実施例1)
セメントとして早強ポルトランドセメントを用い、ポゾラン質微粉末としてシリカフュームをセメント100質量部に対して10質量部の割合で加え、水結合材比(図中はW/Bと略記)が22%又は27%となるように水を加え、細骨材として珪砂を生成モルタル量1m3に対してW/B=22%の場合1,025kg、W/B=27%の場合1,000kgの割合で加え、さらに減水剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤をセメント100質量部に対して固形分換算量でW/B=22%の場合0.49、W/B=27%の場合0.32質量部の割合で加えて高速ハンドミキサによりモルタルを製造した。発泡剤を用いることなく、膨張材の添加量を生成モルタル量1m3に対してそれぞれ、0、30、50、100kg添加した。このモルタルを硬化後常温水中で養生した。この実施例の膨張材混入量と材齢28日の圧縮強度との関係を図1に示した。曲線11は水結合材比22%のもの、曲線12は水セメント比27%のものを示している。膨張材の添加量が多くなるほど、圧縮強度が高くなる傾向が見られる。
【0026】
(実施例2)
セメントとして早強ポルトランドセメントを用い、ポゾラン質微粉末としてシリカフュームをセメント100質量部に対して10質量部の割合で加え、水結合材比が25%となるように水を加え、細骨材として珪砂を生成モルタル量1m3に対して1,020kgの割合で加え、さらに減水剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤をセメント100質量部に対して固形分換算量で0.39質量部の割合で加えて高速ハンドミキサによりモルタルを製造した。
【0027】
膨張材の添加量を生成モルタル量1m3当り50kgとし、発泡剤としてアルミニウム粉末を10g加えた。結果を図2に示した。曲線13は水結合材比が22%のもの、曲線14は水結合材比が25%のものである。水結合材比が22%の場合、材齢1日の圧縮強度は69.5N/mm2、材齢28日の圧縮強度は129.7N/mm2となっており、材齢1日の圧縮強度はプレストレスを与えるために必要な圧縮強度を十分満たしている。水結合材比が25%の場合でも材齢1日の圧縮強度は52.6N/mm2となっており、材齢28日では、120N/mm2を超える圧縮強度となっている。
【0028】
(実施例3)
セメントとして高ビーライトセメントを用い、ポゾラン質微粉末としてシリカフュームをセメント100質量部に対して10質量部の割合で加え、水結合材比がそれぞれ22%及び25%とした。細骨材として珪砂を生成モルタル量1m3に対してW/B=22%の場合1,057kg,W/B=25%の場合1,020kgの割合で加え、さらに減水剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤をセメント100質量部に対して固形分換算量でW/B=22%の場合0.29、W/B=25%の場合0.25質量部の割合で加えて高速ハンドミキサによりモルタルを製造した。膨張材の添加量を生成モルタル量1m3に対し50kgとし、発泡剤を加えたモルタルの初期強度を測定し、図3に示した。曲線15は水結合材比22%、曲線16は水結合材比25%のものである。
【0029】
水結合材比22%の場合(曲線15)、材齢20時間の圧縮強度は42.7N/mm2、材齢7日の圧縮強度は89.5N/mm2、材齢28日の強度は122.9N/mm2であった。また、水結合材比25%の場合(曲線16)、材齢20時間の圧縮強度は34.9N/mm2、材齢7日の圧縮強度は72.9N/mm2、材齢28日の強度は108.5N/mm2であった。早期強度の発現が懸念される高ビーライトセメントの場合でも、材齢20時間の強度はプレストレスを与えるために必要な圧縮強度20N/mm2を十分に満たしており、長期材齢の強度発現にも優れている。
【0030】
【発明の効果】
本発明の超高強度モルタルは以上のように構成されているので、早期強度発現性、初期材齢における無収縮性、施工性等が優れた、超高層プレキャスト建築物等に用いられる80N/mm2以上の圧縮強度を確保することができ建築構造物や土木構造物に対する超高層化・大規模化・高耐久性化の要求に応えることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の膨張材混合量と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例の材齢と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図3】実施例の材齢と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11〜16 曲線
Claims (4)
- 少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5m以下の細骨材、減水剤及び水を含むことを特徴とする超高強度モルタル。
- 膨張材を含むことを特徴とする請求項1記載の超高強度モルタル。
- 発泡剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の超高強度モルタル。
- 金属繊維及び/又は有機質繊維を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超高強度モルタル。
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