JP2006036547A - 異比重骨材含有コンクリート組成物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 普通骨材とは比重の異なる骨材を配合した場合でも、上記骨材をコンクリート中に均一に分散させることができるコンクリート組成物とその製造方法を提供する。
【解決手段】 セメント及び水に、普通骨材とは比重の異なる異比重骨材から成る細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを練り混ぜて混練物を作製した後、この混練物にカチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、最後に上記異比重骨材から成る粗骨材を加えて混練してコンクリート組成物を作製することにより、骨材として、普通骨材とは比重の異なる異比重骨材を用いた場合でも、上記骨材をコンクリート中に均一に分布させることができるようにした。
【選択図】 なし
【解決手段】 セメント及び水に、普通骨材とは比重の異なる異比重骨材から成る細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを練り混ぜて混練物を作製した後、この混練物にカチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、最後に上記異比重骨材から成る粗骨材を加えて混練してコンクリート組成物を作製することにより、骨材として、普通骨材とは比重の異なる異比重骨材を用いた場合でも、上記骨材をコンクリート中に均一に分布させることができるようにした。
【選択図】 なし
Description
本発明は、重量コンクリートや軽量コンクリートなどのような、骨材の一部または全部に、普通骨材よりも比重の小さな軽量骨材、あるいは、比重の大きな重量骨材を用いた異比重骨材含有コンクリート組成物とその製造方法に関するものである。
従来、建造物の壁版や床、屋根版などを軽量化するための構造用軽量コンクリートや、断熱や被覆、あるいは吸音を主目的とした非構造用コンクリートなどのような軽量コンクリートに配合される骨材としては、普通骨材よりも比重の小さな、火山礫などの天然軽量骨材やメサライト,アサノライト(いずれも商品名)などの人工軽量骨材が用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、堤防などの水理構造物や建築下部構造物など単位体積当たりの重量が大きいことが要求されるコンクリート構造物や、加速器施設,ウラン処理施設,原子炉施設などのように放射線を取扱う施設に設けられる遮蔽壁には、磁鉄鉱等の自然岩石を粉砕したものや、ショットブラスト用のスチール細粒、あるいは、鉄廃材を鍛造または熱間プレス加工して粒状としたもののような、普通骨材よりも比重の大きな重量骨材を含有した重量コンクリートが採用されている(例えば、特許文献3,4参照)。
特開2001−261413号公報
特開平8−26853号公報
特開平2−172846号公報
実開平6−76899号公報
また、堤防などの水理構造物や建築下部構造物など単位体積当たりの重量が大きいことが要求されるコンクリート構造物や、加速器施設,ウラン処理施設,原子炉施設などのように放射線を取扱う施設に設けられる遮蔽壁には、磁鉄鉱等の自然岩石を粉砕したものや、ショットブラスト用のスチール細粒、あるいは、鉄廃材を鍛造または熱間プレス加工して粒状としたもののような、普通骨材よりも比重の大きな重量骨材を含有した重量コンクリートが採用されている(例えば、特許文献3,4参照)。
ところで、上記のような、普通骨材よりも比重の小さな骨材を配合した軽量コンクリートや、比重の大きな骨材を配合した重量コンクリートでは、普通骨材を配合した場合に比べて材料分離を起こし易く、そのため、上記骨材の分布が不均質になってしまうといった問題点があった。骨材の分布が不均質になると、軽量コンクリートの場合には、コンクリートの強度が低下してしまう。上記軽量コンクリートは、特に、乾燥状態におかれると、乾燥収縮が大きくなってひび割れが発生し、そのため、曲げ強度や耐久性が著しく低下する傾向がある。
一方、堤防などの水理構造物や建築下部構造物などでは、骨材分布が不均一な場合には、発熱量が大きくなることや乾燥収縮が大きくなることによりひび割れ等が起こり易く、耐久性に問題があった。また、遮蔽壁の場合には、放射線遮蔽効果にばらつきが生じるため、遮蔽効果が低減してしまうといった問題点があった。
そこで、上記軽量コンクリートを製造する際に、AE減水剤などの減水剤とともに、セルロース系またはアクリル系の水溶性高分子を主成分とする材料分離低減剤(増粘性混和剤)を配合して、流動性の低下を抑制しつつ、上記材料分離を抑制しようとする試みが行われているが、材料分離を十分に抑制することは困難であった。
また、上記重量コンクリートについては、現状では、必要に応じて層打ちを行って骨材分布の不均一を解消するようにしているが、作業性が悪いだけでなく、打ち継ぎ目ができるため、耐久性や強度、放射線遮蔽効果についても十分とはいえなかった。また、骨材の粒度分布の調整を行ったり、表面に凹凸を設けてセメントとの付着性を高めるなどの方法も提案されているが、いまだ十分な効果が得られていない。
一方、堤防などの水理構造物や建築下部構造物などでは、骨材分布が不均一な場合には、発熱量が大きくなることや乾燥収縮が大きくなることによりひび割れ等が起こり易く、耐久性に問題があった。また、遮蔽壁の場合には、放射線遮蔽効果にばらつきが生じるため、遮蔽効果が低減してしまうといった問題点があった。
そこで、上記軽量コンクリートを製造する際に、AE減水剤などの減水剤とともに、セルロース系またはアクリル系の水溶性高分子を主成分とする材料分離低減剤(増粘性混和剤)を配合して、流動性の低下を抑制しつつ、上記材料分離を抑制しようとする試みが行われているが、材料分離を十分に抑制することは困難であった。
また、上記重量コンクリートについては、現状では、必要に応じて層打ちを行って骨材分布の不均一を解消するようにしているが、作業性が悪いだけでなく、打ち継ぎ目ができるため、耐久性や強度、放射線遮蔽効果についても十分とはいえなかった。また、骨材の粒度分布の調整を行ったり、表面に凹凸を設けてセメントとの付着性を高めるなどの方法も提案されているが、いまだ十分な効果が得られていない。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、普通骨材とは比重の異なる異比重骨材を配合した場合でも、上記骨材をコンクリート中に均一に分散させることができるコンクリート組成物とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、骨材の少なくとも一部または全部に、普通骨材よりも比重の小さな骨材、及び、普通骨材よりも比重の大きな骨材のいずれか一方または両方を用いた異比重骨材含有コンクリート組成物において、上記コンクリート組成物に、第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤であり、上記化合物(A)と化合物(B)とが、両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、から選択される添加剤のうちのいずれかの添加剤を増粘性混和剤として配合したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の異比重骨材含有コンクリート組成物において、上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)とを含有する添加剤を用いるとともに、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の異比重骨材含有コンクリート組成物において、上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)とを含有する添加剤を用いるとともに、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の異比重骨材含有コンクリート組成物を製造する方法であって、セメント、水、骨材に上記第2の水溶性低分子化合物(B)を添加して混練した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練して上記コンクリート組成物を製造するようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、骨材の少なくとも一部または全部に、普通骨材よりも比重の小さな軽量骨材、及び、普通骨材よりも比重の大きな重量骨材のいずれか一方または両方を用いたコンクリート組成物を製造する際に、上記コンクリート組成物に、第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤であり、上記化合物(A)と化合物(B)とが、両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、から選択される添加剤のうちのいずれかの添加剤を増粘性混和剤として配合したので、普通骨材との比重差が大きく、材料分離し易い異比重骨材を配合した場合でも、上記骨材をコンクリート中に均一に分散させることができる。
また、上記コンクリート組成物を製造する際に、セメント、水、骨材に、コンクリート用化学混和剤と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを添加して混練した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練してコンクリート組成物を製造するようにしたので、重量コンクリートや軽量コンクリートなどに用いられる異比重骨材含有コンクリート組成物を効率よく製造することができる。
以下、本発明の最良の形態について説明する。
最良の形態1.
本発明の最良の形態1に係る異比重骨材含有コンクリート組成物は、セメント及び水に、人工軽量骨材から成る粗骨材と細骨材とを配合するとともに、コンクリート用化学混和剤(減水剤)と増粘性混和剤とを配合したもので、本例では、上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤を用いた。また、その製造方法としては、はじめに、セメント、水、細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを練り混ぜて混練物を作製した後、この混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、最後に粗骨材を加えて混練し、コンクリート組成物を作製する。これにより、十分な流動性を確保しつつ、上記人工軽量骨材をコンクリート中に均一に分散させることができる。
このとき、水セメント比(W/C)としては、30〜70%とすることが好ましく、40〜60%とすることが特に好ましい。水セメント比が30%未満であると粘性が高くなり流動性が低下するだけでなく、セメントの割合が多くなるため水和発熱が大きくなり、温度ひび割れが発生し易くなる。また、70%を超えると、十分な強度が得られない。
最良の形態1.
本発明の最良の形態1に係る異比重骨材含有コンクリート組成物は、セメント及び水に、人工軽量骨材から成る粗骨材と細骨材とを配合するとともに、コンクリート用化学混和剤(減水剤)と増粘性混和剤とを配合したもので、本例では、上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤を用いた。また、その製造方法としては、はじめに、セメント、水、細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを練り混ぜて混練物を作製した後、この混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、最後に粗骨材を加えて混練し、コンクリート組成物を作製する。これにより、十分な流動性を確保しつつ、上記人工軽量骨材をコンクリート中に均一に分散させることができる。
このとき、水セメント比(W/C)としては、30〜70%とすることが好ましく、40〜60%とすることが特に好ましい。水セメント比が30%未満であると粘性が高くなり流動性が低下するだけでなく、セメントの割合が多くなるため水和発熱が大きくなり、温度ひび割れが発生し易くなる。また、70%を超えると、十分な強度が得られない。
ところで、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とがある一定の割合でセメント中に混入されると、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とが電気的に配列して擬似ポリマーを形成することにより、上記混和剤は増粘剤として機能し、コンクリート中の人工軽量骨材を均一に分布させることができるが、このためには、上記のように、第2の水溶性低分子化合物(B)を先に添加して混練した後、上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加するようにすることが肝要である。
これは、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを同時に添加すると、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とが不均質な状態で擬似ポリマーを形成してしまうので、擬似ポリマーを均質な状態で形成させて所望の特性を得るためには長時間の混練が必要となるためである。
また、上記第1の水溶性低分子化合物(A)を先に加えると、混練の際に泡が発生してコンクリートの空気量が多くなり、強度の低下や比重の減少等が起こる場合がある。
これは、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを同時に添加すると、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とが不均質な状態で擬似ポリマーを形成してしまうので、擬似ポリマーを均質な状態で形成させて所望の特性を得るためには長時間の混練が必要となるためである。
また、上記第1の水溶性低分子化合物(A)を先に加えると、混練の際に泡が発生してコンクリートの空気量が多くなり、強度の低下や比重の減少等が起こる場合がある。
上記人工軽量細骨材としては、例えば、膨張性頁岩、膨張粘度、またはフライアッシュなどの原料を調合して微粉末にした後、造粒・焼成したものや、石灰質や珪酸質材料を発泡・焼成したもの、あるいは、真珠岩,黒曜石などを焼成膨張させたもの(パーライト)などがあり、RC造の躯体などの構造材料として使用するか、あるいは、断熱や耐火被覆などの非構造材料に用いるかなど、その用途により、その種類、粒径、細骨材率、及び配合量が適宜決定される。
これらの人工軽量骨材の化学成分は、主に、シリカ(SiO2),アルミナ(Al2O3),酸化鉄(Fe2O3,FeO),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)などの金属酸化物で、その絶乾比重は、例えば、構造用軽量コンクリート骨材の場合には、細骨材で2.3未満、粗骨材で2.0未満である(JIS A 5002 による)。
これらの人工軽量骨材の化学成分は、主に、シリカ(SiO2),アルミナ(Al2O3),酸化鉄(Fe2O3,FeO),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)などの金属酸化物で、その絶乾比重は、例えば、構造用軽量コンクリート骨材の場合には、細骨材で2.3未満、粗骨材で2.0未満である(JIS A 5002 による)。
また、コンクリート組成物の流動性を挙げるために添加されるコンクリート用化学混和剤としては、リグニン系、ポリカルボン酸系、メラミン系、ナフタリン系、あるいは、アミノスルホン酸系などのポリエーテル系減水剤、カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤などの、通常使用されているコンクリート用化学混和剤の中から適宜選択することができる。
また、本発明に用いられる第1の水溶性低分子化合物(A)としては、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤が好ましい。また、第2の水溶性低分子化合物(B)としては、芳香環を有するスルフォン酸塩が好ましく、特に、アルキルアリルスルホン酸塩を主成分とする添加剤が好ましいが、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)としては、ドデカン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、上記カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭化ナトリウムなどの臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせであってもよい。
本例では、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合するとともに、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とをある一定の割合(例えば、2:5〜5:2の範囲)でセメント中に混入することにより、材料分離を確実に抑制することができる。
また、本発明に用いられる第1の水溶性低分子化合物(A)としては、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤が好ましい。また、第2の水溶性低分子化合物(B)としては、芳香環を有するスルフォン酸塩が好ましく、特に、アルキルアリルスルホン酸塩を主成分とする添加剤が好ましいが、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)としては、ドデカン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、上記カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭化ナトリウムなどの臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせであってもよい。
本例では、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合するとともに、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とをある一定の割合(例えば、2:5〜5:2の範囲)でセメント中に混入することにより、材料分離を確実に抑制することができる。
このように、本最良の形態1によれば、セメント及び水に、人工軽量骨材から成る細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを練り混ぜて混練物を作製した後、この混練物にカチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、最後に人工軽量骨材から成る粗骨材を加えて混練し、コンクリート組成物を作製するようにしたので、骨材として、普通骨材よりも比重の軽い人工軽量骨材を用いた場合でも、十分な流動性を確保しつつ、上記人工軽量骨材をコンクリート中に均一に分布させることができる。したがって、作業性を改善できるとともに、強度の均一な軽量コンクリートを作製することができる。
なお、上記最良の形態1では、軽量骨材として人工軽量骨材を用いたが、これに限るものではなく、本発明は、火山礫などの天然軽量骨材や石炭殻などの副産軽量骨材を用いた場合、あるいは、上記天然軽量骨材や副産軽量骨材と人工軽量骨材とを組み合わせた軽量骨材を用いた場合にも適用可能であることは言うまでもない。
最良の形態2.
上記最良の形態1では、軽量骨材を配合したコンクリート組成物について説明したが、堤防などの水理構造物や建築下部構造物などに用いられる、比重が4.0以上の重量骨材をその一部または全部用いた重量コンクリートを作製する場合でも、水、セメント、骨材に加えて、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する混和剤を増粘性混和剤として配合すれば、上記重量骨材をコンクリート中に均質に分布させることができる。なお、上記重量骨材としては、例えば、磁鉄鉱や砂鉄などの鉄鉱石、あるいは、鉄などの金属、パライト(重晶石)などを用いることができる。また、これらの重量骨材は、細骨材または粗骨材として通常骨材とともに配合してもよいし、細骨材と粗骨材の両方に使用してもよい。
これにより、重量コンクリートにおける上下方向の骨材による不均質が改善され、コンクリート上部において富配合(モルタルの多い配合)にならず、乾燥収縮によるひび割れの発生が抑制され、耐久性の低下を抑制することができる。更に、層打ちを行うことなく水理構造物や建築下部構造物などを構築することができるので、作業効率を向上させることができるとともに、打ち重ね等の構造的な脆弱部のない耐久性の高い構造物の作製が可能となる。
上記最良の形態1では、軽量骨材を配合したコンクリート組成物について説明したが、堤防などの水理構造物や建築下部構造物などに用いられる、比重が4.0以上の重量骨材をその一部または全部用いた重量コンクリートを作製する場合でも、水、セメント、骨材に加えて、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する混和剤を増粘性混和剤として配合すれば、上記重量骨材をコンクリート中に均質に分布させることができる。なお、上記重量骨材としては、例えば、磁鉄鉱や砂鉄などの鉄鉱石、あるいは、鉄などの金属、パライト(重晶石)などを用いることができる。また、これらの重量骨材は、細骨材または粗骨材として通常骨材とともに配合してもよいし、細骨材と粗骨材の両方に使用してもよい。
これにより、重量コンクリートにおける上下方向の骨材による不均質が改善され、コンクリート上部において富配合(モルタルの多い配合)にならず、乾燥収縮によるひび割れの発生が抑制され、耐久性の低下を抑制することができる。更に、層打ちを行うことなく水理構造物や建築下部構造物などを構築することができるので、作業効率を向上させることができるとともに、打ち重ね等の構造的な脆弱部のない耐久性の高い構造物の作製が可能となる。
なお、本発明は、水理構造物や建築下部構造物などに用いられる重量コンクリートに限るものではなく、放射線を遮蔽する遮蔽コンクリートにも適用可能である。すなわち、上記遮蔽コンクリートを作製する場合、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する混和剤を増粘性混和剤として配合すれば、層打ち等を行わなくても重量骨材をコンクリート中に均質に分布させることができる。したがって、層打ちによる構造的な脆弱部がないので、遮蔽コンクリートの耐久性を向上させることができるとともに、重量骨材がコンクリート中に均質に分布しているので、放射線遮蔽効果のばらつきをなくすことができ、遮蔽効果を向上させることができる。
また、上記最良の形態1,2では、骨材の一部または全部に軽量骨材または重力骨材を配合した場合について説明したが、本発明は、例えば、建築廃材や銅スラグ骨材などの廃棄物を原料とする骨材を用いた場合のように、軽量骨材と重量骨材との両方が混合された骨材を用いた場合にも適用可能である。
また、上記最良の形態1,2では、骨材の一部または全部に軽量骨材または重力骨材を配合した場合について説明したが、本発明は、例えば、建築廃材や銅スラグ骨材などの廃棄物を原料とする骨材を用いた場合のように、軽量骨材と重量骨材との両方が混合された骨材を用いた場合にも適用可能である。
以上説明したように、本発明によれば、普通骨材との比重差が大きい骨材を配合した場合でも、上記骨材をコンクリート中に均一に分散させることができるので、均質性の高い軽量コンクリートや重量コンクリートを容易に作製することができるだけでなく、軽量骨材と重量骨材との両方が混合された骨材を用いた場合でも、上記骨材をコンクリート中に均質に分布させることができる。
Claims (3)
- 骨材の少なくとも一部または全部に、普通骨材よりも比重の小さな骨材、及び、普通骨材よりも比重の大きな骨材のいずれか一方または両方を用いた異比重骨材含有コンクリート組成物において、上記コンクリート組成物に、第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤であり、上記化合物(A)と化合物(B)とが、両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、から選択される添加剤のうちのいずれかの添加剤を増粘性混和剤として配合したことを特徴とする異比重骨材含有コンクリート組成物。
- 上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)とを含有する添加剤を用いるとともに、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したことを特徴とする請求項1に記載の異比重骨材含有コンクリート組成物。
- 請求項1または請求項2に記載の異比重骨材含有コンクリート組成物を製造する方法であって、セメント、水、骨材に上記第2の水溶性低分子化合物(B)を添加して混練した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練して上記コンクリート組成物を製造するようにしたことを特徴とする異比重骨材含有コンクリート組成物の製造方法。
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