JP2019048421A - コンクリートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水率の大きい骨材を使用し、かつ、該骨材のプレウェッティングを行わなくても、硬化前の流動性に優れ、スランプロスが小さく、かつ、硬化後の強度(例えば、圧縮強度)に優れたコンクリートを製造することができる方法を提供する。【解決手段】セメント、細骨材、増粘剤および水を原料として用いて、モルタルを調製するモルタル調製工程と、モルタルと、「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率の値が10〜40質量%である粗骨材を混合して、コンクリートを調製する粗骨材混合工程、を含むコンクリートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリートの製造方法に関する。
近年、コンクリート構造物の重量の低減や、輸送コストの削減等の観点から、軽量骨材を用いたコンクリートが利用されている。
材料に軽量骨材を用いた水硬性組成物として、特許文献1には、セメント、細骨材及び軽量骨材より選ばれる骨材、繊維状鉱物、増粘剤、膨張材及びガラス転移温度−20℃〜0℃のエマルションとを含むことを特徴とする水硬性組成物が記載されている。
また、特許文献2には、セメントと、ブレーン比表面積が6,000cm/gを超えた高炉スラグ微粉末と、膨張材と、密度が0.1〜0.7kg/リットルの軽量骨材と、水溶性セルロース系増粘剤及びアクリル系増粘剤とを含有し、減水剤を含有しないことを特徴とする高流動軽量モルタル組成物が記載されている。
また、特許文献3には、セメント系材料を主体としたセメント組成物であって、該セメント組成物の全重量に対して0.1〜0.5重量%のベントナイトと、0.04〜0.15重量%のベントナイトの膨潤性を高める添加剤と、高性能減水剤とを含むことを特徴とするセメント組成物、及び、該セメント組成物が軽量骨材を含むことが記載されている。
特開2008−13384号公報 特開2015−202964号公報 特開2006−248887号公報
軽量骨材は、内部に空隙が多く存在するため、吸水率の大きいものである。このため、通常、使用する前に24時間程度の吸水(以下、「プレウェッティング」ともいう。)を行った後に、この吸水した軽量骨材をコンクリート用骨材として使用することで、硬化前のコンクリートの流動性を経時的に安定したものにすることができる。しかし、プレウェッティングによって、軽量骨材の見かけ密度が大きくなるため、コンクリートの軽量化という観点からは、プレウェッティングを行った軽量骨材を使用することは好ましくない。
一方、乾燥した(例えば、絶乾状態にした)軽量骨材の見かけ密度は、プレウェッティングを行った軽量骨材の見かけ密度と比較して小さくなることから、コンクリートの軽量化という観点からは、乾燥した軽量骨材を使用することが好ましい。しかし、乾燥した軽量骨材を使用した場合、コンクリートの混練中に、該軽量骨材が練り混ぜ水を徐々に吸収することで、スランプロスが大きくなるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、吸水率の大きい骨材を使用し、かつ、該骨材のプレウェッティングを行わなくても、硬化前の流動性に優れ、スランプロスが小さく、かつ、硬化後の強度(例えば、圧縮強度)に優れたコンクリートを製造することができる方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の原料を用いてモルタルを調製した後、得られたモルタルと、特定の吸水率である粗骨材を混合する方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] セメント、細骨材、増粘剤および水を原料として用いて、モルタルを調製するモルタル調製工程と、上記モルタルと、「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率の値が10〜40質量%である粗骨材を混合して、コンクリートを調製する粗骨材混合工程、を含むコンクリートの製造方法。
[2] 上記モルタル調製工程が、以下の(a)と(b)のいずれかの方法によって行われる前記[1]に記載のコンクリートの製造方法。
(a)上記セメントと上記細骨材と上記増粘剤を空練りして、混合物を得た後、該混合物と上記水を混合して、モルタルを調製する方法
(b)上記セメントと上記細骨材を空練りして、混合物を得た後、該混合物と上記増粘剤と上記水を混合して、モルタルを調製する方法
[3] 上記モルタル調製工程において、セメント分散剤を原料として用いる前記[1]又は[2]に記載のコンクリートの製造方法。
[4] 上記セメント100質量部当たりの上記増粘剤の量が、0.01〜0.5質量部である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のコンクリートの製造方法。
[5] 上記増粘剤が、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤、ポリビニル化合物、バイオポリマー系増粘剤、グリコール系増粘剤、および、アミノ酸系増粘剤からなる群より選ばれる一種以上からなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のコンクリートの製造方法。
本発明のコンクリートの製造方法によれば、吸水率の大きい骨材を使用し、かつ、該骨材のプレウェッティングを行っていないにもかかわらず、硬化前の流動性に優れ、スランプロスが小さく、強度(例えば、圧縮強度)に優れたコンクリートを製造することができる。また、骨材のプレウェッティングを行う必要がないことから、製造に要する労力を低減することができる。
本発明のコンクリートの製造方法は、セメント、細骨材、増粘剤および水を原料として用いて、モルタルを調製するモルタル調製工程と、上記モルタルと、「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率の値が10〜40質量%である粗骨材を混合して、コンクリートを調製する粗骨材混合工程、を含むものである。以下、工程ごとに詳しく説明する。
[モルタル調製工程]
本工程は、セメント、細骨材、増粘剤および水を原料として用いて、モルタルを調製する工程である。
セメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
細骨材の例としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、及び軽量細骨材、またはこれらの混合物等が挙げられる。
細骨材の量は、特に限定されるものではなく、コンクリートにおける一般的な量であればよい。例えば、セメント100質量部に対して、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは100〜400質量部、特に好ましくは150〜300質量部である。該配合量が上記範囲内であれば、コンクリートの硬化後の強度が向上し、収縮率が小さくなる。
細骨材率は、好ましくは5〜70%、より好ましくは20〜60%、特に好ましくは30〜55%である。細骨材率が上記範囲内であれば、硬化前のコンクリートの流動性や作業性(ワーカビリティ;材料分離抵抗性等)が向上する。
増粘剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;アクリルアミドの単独重合体、アクリルアミドの共重合体等のアクリル系増粘剤;ポリビニルアルコール等のポリビニル化合物;ガラクトマンナン、アルギン酸、β−1,3グルカン、プルラン、ウェランガム、キサンタンガム、グアガム、カラギーナン、ペクチン等のバイオポリマー系増粘剤;ポリエチレングリコール等のグリコール系増粘剤;アミノ酸系増粘剤等が挙げられる。
中でも、入手の容易性や、スランプロスをより小さくすることができる観点から、セルロース系増粘剤が好ましい。
セメント100質量部当たりの増粘剤の量は、好ましくは0.01〜0.5質量部、より好ましくは、0.03〜0.4質量部、さらに好ましくは0.04〜0.3質量部、特に好ましくは0.06〜0.25質量部である。該量が0.01質量部以上であれば、スランプロスをより小さくすることができる。該量が0.5質量部以下であれば、調製されたモルタルの粘度が過度に大きくならず、作業性の低下を防ぐことができる。
水としては、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、スラッジ水等が挙げられる。
水セメント比(水/セメントの質量比)は、特に限定されるものではなく、コンクリートの製造における一般的な水セメント比であればよい。例えば、水セメント比は、好ましくは30〜70%、より好ましくは40〜65%、特に好ましくは45〜60%である。該比が30%以上であれば、作業性がより向上する。該比が70%以下であれば、硬化後のコンクリートの強度がより大きくなる。
本工程において、さらに、セメント分散剤を原料として用いてもよい。セメント分散剤を配合することにより、分散作用によって硬化前のコンクリートの流動性や作業性をより向上させ、硬化後のコンクリートの強度をより大きくすることができる。
セメント分散剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、またはポリカルボン酸系等の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤等が挙げられる。中でも、硬化前のコンクリートの流動性および作業性をより向上させて、硬化後のコンクリートの強度をより大きくする観点から、AE減水剤又は高性能AE減水剤が好ましく、高性能AE減水剤がより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セメント100質量部に対するセメント分散剤の量(複数の種類を用いる場合、合計量)は、固形分換算で、好ましくは0.05〜2.0質量部、より好ましくは0.10〜1.0質量部、特に好ましくは0.12〜0.5質量部である。該量が0.05質量部以上であれば、硬化前のコンクリートの流動性および作業性をより向上させて、硬化後のコンクリートの強度をより大きくすることができる。該量が2.0質量部以下であれば、原料にかかるコストを低減することができる。
また、本工程において、微細な空気泡を連行することにより空気量を調整して、コンクリートのワーカビリティや凍結融解抵抗性を向上させる観点から、AE剤を用いてもよい。
セメント100質量部に対するAE剤(通常、液状)の配合量は、好ましくは0.001〜1.0質量部、より好ましくは0.002〜0.5質量部、特に好ましくは0.003〜0.2質量部である。
本工程におけるモルタルの調製方法の例としては、以下の(a)と(b)の方法等が挙げられる。
(a)セメントと細骨材と増粘剤を空練りして、混合物を得た後、該混合物と水を混合して、モルタルを調製する方法
(b)セメントと細骨材を空練りして、混合物を得た後、該混合物と増粘剤と水を混合して、モルタルを調製する方法
中でも、モルタル中に増粘剤を偏りなく均一に分散させることができ、スランプロスをより小さくすることができる観点から、(a)の方法が好ましい。
また、本工程においてセメント分散剤およびAE剤の少なくともいずれか一方を使用する場合、原料である水とセメント分散剤等を、予め混合して使用することが好ましい。
[粗骨材混合工程]
本工程は、前工程で得られたモルタルと、「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率(絶対乾燥状態から24時間吸水させた状態における吸水率)の値が10〜40質量%である粗骨材を混合して、コンクリートを調製する工程である。
本発明で用いられる粗骨材は、プレウェッティングを行っていないもの(乾燥した状態(好ましくは絶対乾燥状態)のもの)である。プレウェッティングを行っていない粗骨材を用いることで、コンクリートの軽量化を図ることができる。
粗骨材の例としては、膨張頁岩、真珠岩、抗火石、及び黒曜石等から選ばれる1種以上を主原料として製造した人工軽量粗骨材や、火山れき等の天然軽量粗骨材等が挙げられる。
粗骨材の「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率の値は、10〜40質量%、より好ましくは13〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。該吸水率が10質量%以上であれば、コンクリートをより軽量化することができる。該吸水率が40質量%以下であれば、硬化後のコンクリートの強度をより大きくすることができる。
粗骨材の絶乾密度は、好ましくは1.0〜2.0g/cm、より好ましくは1.1〜1.8g/cm、特に好ましくは1.2〜1.5g/cmである。該密度が1.0g/cm以上であれば、硬化後のコンクリートの強度をより大きくすることができる。該密度が2.0g/cm以下であれば、コンクリートをより軽量化することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料は、以下に示すとおりである。
[使用材料]
(1)セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)細骨材;山砂
(3)増粘剤;セルロース系増粘剤、太平洋マテリアル社製、商品名「太平洋エルコン」
(4)粗骨材;太平洋セメント社製、商品名「アサノライト」、絶対乾燥状態のもの、絶乾密度:1.29g/cm、「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率:19.2%
(5)セメント分散剤;高性能AE減水剤、BASFジャパン社製、商品名「マスターグレニウムSP8SV」
(6)AE剤;BASFジャパン社製、商品名「マスターエア303A」
(7)水;水道水
[実施例1〜3]
表1に示す配合に従って、セメント、細骨材、及び、増粘剤を強制2軸ミキサ(公称容量:60リットル)に投入した後、20秒間空練りした。次いで、水セメント比が55%となる量の水であって、予め、セメント分散剤0.7質量部(固形分換算:0.14質量部)およびAE剤を混合した水、並びに、補正水を、ミキサに投入して、60秒間混練した後、粗骨材(絶対乾燥状態のもの)を投入し、さらに60秒間混練して、コンクリートを調製した(表2中、「混練方法」の「I」と示す。)。
なお、補正水とは、混練中に粗骨材に吸収される水を考慮して追加される水である。該水は、粗骨材に吸収されることから、水セメント比の数値の算出において考慮しないものとする。また、該量は、粗骨材100質量部に対して2質量部となる量とした。
得られたコンクリートのスランプ(混練の終了の直後、30分後、60分後)を、「JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)」に準拠して測定した。
また、得られたコンクリートの材齢7日、及び、28日における圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準拠して測定した。
なお、コンクリートの調製や圧縮強度の測定における養生等は、20℃の条件下で行った。
[比較例1]
粗骨材を、24時間水に浸漬して、プレウェッティングを行った。
表1に示す配合に従って、セメント、細骨材、及び、及び、プレウェッティングを行った粗骨材160質量部(絶対乾燥状態の粗骨材134質量部が、プレウェッティングによって26質量部の水を吸収したもの)を強制2軸ミキサ(公称容量:60リットル)に投入した後、20秒間空練りした。次いで、水セメント比が55%となる量の水であって、予め、セメント分散剤0.7質量部(固形分換算:0.14質量部)およびAE剤を混合した水を、ミキサに投入して、120秒間混練してコンクリートを調製した(表2中、「混練方法」の「II」と示す。)。
得られたコンクリートの、スランプ(混練の終了の直後、30分後、60分後)、並びに、材齢7日、及び、28日における圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
なお、コンクリートの調製や圧縮強度の測定における養生等は、20℃の条件下で行った。
[比較例2]
プレウェッティングを行った粗骨材の代わりに、プレウェッティングを行っていない粗骨材(絶対乾燥状態のもの)を使用し、かつ、水セメント比が55%となる量の水に加えて、さらに、補正水をミキサに投入する以外は、比較例1と同様にしてコンクリートを調製した。
得られたコンクリートのスランプ(混練の終了の直後、30分後、60分後)を、実施例1と同様にして測定した。なお、比較例2では、コンクリートの流動性の低下の程度が大きく、圧縮強度の測定は不可能であった。
[比較例3]
増粘剤を使用しない以外は、実施例1と同様にしてコンクリートを調製した。
得られたコンクリートの、スランプ(混練の終了の直後、30分後、60分後)、並びに、材齢7日、及び、28日における圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
[比較例4]
表1に示す配合に従って、セメント、細骨材、粗骨材(絶対乾燥状態のもの)、及び、増粘剤を強制2軸ミキサ(公称容量:60リットル)に投入した後、20秒間空練りした。次いで、水セメント比が55%となる量の水であって、予め、セメント分散剤0.7質量部(固形分換算:0.14質量部)およびAE剤を混合した水、並びに、補正水をミキサに投入して、120秒間混練してコンクリートを調製した。
得られたコンクリートの、スランプ(混練の終了の直後、30分後、60分後)、並びに、材齢7日、及び、28日における圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2019048421
Figure 2019048421
表2から、本発明の製造方法によって得られた実施例1〜3のコンクリートにおける、スランプの低下の程度(混練直後のスランプの数値から60分後のスランプの数値を減算したもの;以下、同様)は、3.5〜7.0cmであることがわかる。
これに対して、比較例1(プレウェッティングを行った粗骨材を使用し、通常の混練方法でコンクリートを調製したもの)のコンクリートにおける、スランプの低下の程度は、10.5cmであることがわかる。
また、比較例2(プレウェッティングを行っていない粗骨材を用いた以外は、比較例1と同様にしてコンクリートを調製したもの)における、スランプの低下の程度は、7.5cmであることがわかる。また、スランプの値(直後:9.0cm、30分後:4.5cm、60分後:1.5cm)は、非常に小さく、圧縮強度の測定ができないことがわかる。
また、比較例3(増粘剤を使用しない以外は、実施例1〜3と同様にしてコンクリートを調製したもの)における、スランプの低下の程度は、7.6cmであることがわかる。
さらに、比較例4(コンクリートの混練方法を、セメント、細骨材、粗骨材、及び、増粘剤を混練した後、水とセメント分散剤を投入して混練する以外は、実施例2と同様にコンクリートを調製したもの)における、スランプの低下の程度は、7.5cmであることがわかる。
上述したとおり、実施例1〜3における、スランプの低下の程度(3.5〜7.0cm)は、比較例1〜4における、スランプの低下の程度(7.5〜10.5cm)よりも小さいことから、本発明のコンクリートの製造方法によれば、スランプロスを小さくしうることがわかる。
また、実施例1〜3における、混練直後のスランプ(18.5〜20.0cm)は、比較例1〜4における、混練直後のスランプ(9.0〜18.0cm)と同等以上であることがわかる。また、実施例1〜3における、混練30分後および混練60分後のスランプ(30分後:15.0〜19.0cm、60分後:11.5〜16.5cm)は、比較例1〜4における、混練30分後および混練60分後のスランプ(30分後:4.5〜12.0cm、60分後:1.5〜9.0cm)よりも大きいことがわかる。
さらに、実施例1〜3におけるコンクリートの圧縮強度(材齢7日:27.2〜32.1N/mm)、材齢28日:43.8〜44.7N/mm)は、比較例1〜4におけるコンクリートの圧縮強度(材齢7日:21.4〜26.8N/mm)、材齢28日:34.1〜36.7N/mm)よりも大きいことがわかる。

Claims (5)

  1. セメント、細骨材、増粘剤および水を原料として用いて、モルタルを調製するモルタル調製工程と、
    上記モルタルと、「JIS A 1134:2006(構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法)」に準拠して測定した24時間吸水率の値が10〜40質量%である粗骨材を混合して、コンクリートを調製する粗骨材混合工程、
    を含むコンクリートの製造方法。
  2. 上記モルタル調製工程が、以下の(a)と(b)のいずれかの方法によって行われる請求項1に記載のコンクリートの製造方法。
    (a)上記セメントと上記細骨材と上記増粘剤を空練りして、混合物を得た後、該混合物と上記水を混合して、モルタルを調製する方法
    (b)上記セメントと上記細骨材を空練りして、混合物を得た後、該混合物と上記増粘剤と上記水を混合して、モルタルを調製する方法
  3. 上記モルタル調製工程において、セメント分散剤を原料として用いる請求項1又は2に記載のコンクリートの製造方法。
  4. 上記セメント100質量部当たりの上記増粘剤の量が、0.01〜0.5質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリートの製造方法。
  5. 上記増粘剤が、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤、ポリビニル化合物、バイオポリマー系増粘剤、グリコール系増粘剤、および、アミノ酸系増粘剤からなる群より選ばれる一種以上からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリートの製造方法。
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