JP2002097059A - 硫黄結合材及び硫黄土木建築資材 - Google Patents

硫黄結合材及び硫黄土木建築資材

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JP2002097059A
JP2002097059A JP2000283351A JP2000283351A JP2002097059A JP 2002097059 A JP2002097059 A JP 2002097059A JP 2000283351 A JP2000283351 A JP 2000283351A JP 2000283351 A JP2000283351 A JP 2000283351A JP 2002097059 A JP2002097059 A JP 2002097059A
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Hiroshi Hashimoto
博 橋本
Masashige Akiyama
正成 秋山
Toshio Kawada
敏男 川田
Hiroshi Isobe
洋 磯辺
Takuya Yamato
卓也 大和
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IKARI KANKYO KAGAKU KENKYUSHO
IKARI KANKYO KAGAKU KENKYUSHO KK
NICHIMARU CO Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
IKARI KANKYO KAGAKU KENKYUSHO
IKARI KANKYO KAGAKU KENKYUSHO KK
NICHIMARU CO Ltd
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐硫黄酸化細菌性を改善する。 【解決手段】 硫黄結合材は、硫黄100重量部に対し
て、第1族金属、第8族金属、第1族金属化合物及び第
8族金属化合物の群から選ばれた1種又は2種以上の物
質を0.1〜50重量部添加してなる。また、該硫黄結
合材10〜50重量部及び骨材50〜90重量部から硫
黄土木建築資材を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐硫黄酸化細菌性
を改善することができる硫黄結合材及び硫黄土木建築資
材に関し、さらに詳細には、チオバチルス属硫黄酸化細
菌等の硫黄酸化細菌による硫黄成分の劣化を防止する硫
黄結合材及び硫黄土木建築資材に関する。
【0002】
【従来の技術】硫黄は、119℃を越えると溶解し、常
温では固体である性質を利用して、各種の骨材と混合し
て成型物を製造することで、硫黄コンクリート等の土
木、建設等の資材の一つとしての利用が試みられてき
た。例えば、舗装材料(USP4290816)、建築
材料用結合材(特公昭55−49024号公報)あるい
は廃棄物封鎖用結合材(特公昭62−15274号公
報)として使用することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般廃棄物及び産業廃
棄物は埋め立て、焼却等の方法で処分されるが、埋め立
て地や焼却後の灰を処分する場所が少なくなってきてお
り、その有効利用が求められている。硫黄土木建築資材
は、一般廃棄物及び産業廃棄物を有効利用した資材とし
て有望である。ところで、廃棄物を有効利用するには解
決すべき課題がある。例えば、骨材が鉄鋼スラグ、石炭
灰、焼却灰等の廃棄物の場合、成型物を土木埋立材、建
設資材等とするには、圧縮・曲げ・引張り強度及び耐衝
撃性等の機械的強度、産業廃棄物中に含まれる重金属化
合物の溶出を防ぐための遮水性、裸火で着火しない難燃
性、土中・海中で表面硫黄を腐食する硫黄酸化細菌に対
する耐久性等が必要とされ、これらの産業廃棄物を完全
封鎖し、土木建設資材として循環使用可能な結合材が求
められている。結合材としては、硫黄が提案されている
が、硫黄を用いて廃棄物の有効利用をするためには土木
建築物の場合、自然界においては水中及び土壌中に広く
存在する硫黄酸化細菌に表面を酸化資化され浸食され、
次第に機械的強度等の性能が劣化するという問題があ
り、耐硫黄酸化細菌性を改善することが課題となってい
る。そこで、本発明は、このような実状に鑑みなされた
ものであり、その目的は、耐硫黄酸化細菌性を改善する
ことができる硫黄結合材及び硫黄土木建築資材を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の硫黄結合材は、硫黄100重量部に対し
て、第1族金属、第8族金属、第1族金属化合物及び第
8族金属化合物の群から選ばれた1種又は2種以上の物
質を0.1〜50重量部添加してなるものである。ま
た、本発明の硫黄土木建築資材は、前記硫黄結合材10
〜50重量部及び骨材50〜90重量部からなるもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の硫黄結合材は、硫黄セメ
ント、硫黄バインダーとも称することができ、土木、建
設資材用途として有用な材料であり、例えば、各種の骨
材と混合して舗装材料、建築材料用結合材あるいは廃棄
物封鎖用結合材として使用できるものである。本発明の
硫黄結合材は、硫黄100重量部に対して、第1族金
属、第8族金属、第1族金属化合物及び第8族金属化合
物の群から選ばれた1種又は2種以上の物質を0.1〜
50重量部添加してなるものである。
【0006】本発明における硫黄としては、通常の硫黄
単体で、天然産又は石油や天然ガスの脱硫によって生成
した硫黄等が使用できる。また、硫黄を他の化合物との
反応により変性処理したいわゆる変性硫黄も使用でき
る。また、硫黄と変性硫黄の混合物も使用することがで
きる。ここでいう変性硫黄とは、硫黄変性剤により変性
した硫黄、例えば硫黄にジシクロペンタジエン、シクロ
ペンタジエン、リモネン、スチレン等の環状オレフィン
系炭化水素等の硫黄変性剤を加えて所定温度で熱処理し
たものであり、ジシクロペンタジエンを使用した変性硫
黄は特に好ましいものである。硫黄変性剤の添加量は、
通常、硫黄に対して0.5〜50mass%、好ましく
は2〜20mass%である。硫黄結合材及び硫黄結合
材を使用した硫黄資材の難燃性、遮水性、耐硫黄酸化細
菌性等の性質は硫黄変性剤の含有量に関係し、通常は使
用量が多いほどそれぞれの性能が改善され、約10ma
ss%で改善効果は飽和し、それ以上では変化は少ない
ので3〜10mass%であれば実質的に性能は満足さ
れるので、硫黄変性剤の添加量はさらに好ましくは3〜
10mass%である。硫黄変性剤の添加量が10ma
ss%を超えると、弾性に粘性的性質が加わり、資材は
粘弾性を有し、さらに添加量が50mass%を超える
と、粘弾性が顕著になり好ましくない。一方、硫黄変性
剤の添加量が0.5mass%未満では資材の強度が不
足するおそれがあるため好ましくない。
【0007】硫黄の変性は、先ず硫黄を加熱溶融する。
固体硫黄を加熱していくと、119℃で固体から液体へ
の相変化が始まる。液化後、全体を攪拌しつつ、適当な
粘度計例えばB型粘度計で粘度を測定しながら、反応温
度まで温度を上昇して反応を行う。反応温度は硫黄変性
剤に応じた温度範囲があり、例えばジシクロペンタジエ
ンは、反応温度は通常135〜155℃である。なお、
硫黄変性剤の混入は硫黄を加熱溶融した後でも前でもど
ちらでもよいが、溶融後の場合には予め加熱した状態で
混入することが好ましい。粘度については、140℃で
測定して、0.05〜1.2Pa・sの範囲が好ましい
が、硫黄結合材から製造される成型物の強度や製造工程
の作業性の観点から、より限定された0.08〜0.5
Pa・sが総合的に好ましい。変性硫黄の製造におい
て、使用する混合機は、混合が十分に行えるものであれ
ばなんでも良く、好ましくは液体攪拌用の混合機を用い
ることがよい。例えば、インターナルミキサー、ロール
ミル、ドラムミキサー、ポニーミキサー、リボンミキサ
ー、ホモミキサー、スタティックミキサー等が使用でき
る。本発明の変性硫黄は、前記粘度範囲になったあとは
高粘度化しないように反応温度以下、通常は135℃以
下に冷却することが好ましい。
【0008】本発明における第1族金属、第8族金属、
第1族金属化合物及び第8族金属化合物の群から選ばれ
た1種又は2種以上の物質とは、第1族金属及び第8族
金属の単体、酸化物、硫酸塩等の1あるいは2以上の混
合物からなるものをいう。また、ここでいう物質には、
それぞれの化合物の混合物だけでなく、第1族金属及び
第8族金属の群から選ばれた1あるいは2以上の金属が
固溶体等一体の化合物となった合金、酸化物、硫酸塩等
も含まれる。本発明における第1族金属、第8族金属、
第1族金属化合物及び第8族金属化合物の群から選ばれ
た1種又は2種以上の物質は、粉体のものが好ましく、
粉体の粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.0
01〜1.0mm、より好ましくは0.005〜0.3
mmである。
【0009】前記第1族金属としては、リチウム、ナト
リウム、カリウム、銅、ルビジウム、銀、金、セシウ
ム、フランシウムが使用でき、特に銀が好ましい。第8
族金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウ
ム、白金、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、ロジ
ウムが使用でき、特にコバルト及びニッケルが好まし
い。第1族金属化合物としては、硫酸銀、硝酸銀、塩化
銀、酸化銀、硫化銀、硫酸銅、硝酸銅、酸化銅、塩化
銅、硫化銅等が使用できる。第8族金属化合物として
は、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酸化ニッケル、塩化
ニッケル、硫化ニッケル、硫酸コバルト、硝酸コバル
ト、酸化コバルト、塩化コバルト、硫化コバルト、酸化
パラジウム等が使用できる。本発明の第1族金属、第8
族金属、第1族金属化合物及び第8族金属化合物の群か
ら選ばれた1種又は2種以上の物質の添加量は、硫黄1
00重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1
〜25重量部である。該添加量が硫黄100重量部に対
して0.1重量部未満では長期間に渡って十分な劣化防
止効果が得られず、50重量部を越えると結合材として
骨材との付着性不足や流動性低下などが発生するため、
それぞれ好ましくない。
【0010】本発明の硫黄結合材を製造する際の温度
は、通常119〜160℃、好ましくは135〜155
℃である。混合時間は、溶融した硫黄又は変性硫黄に第
1族金属、第8族金属、第1族金属化合物及び第8族金
属化合物の群から選ばれた1種又は2種以上の物質が完
全に分散すれば、特に限定されないが、通常1分〜2時
間、好ましくは1分から30分である。硫黄結合材の製
造において、使用する混合機は、混合が十分に行えるも
のであればなんでも良く、好ましくは液体攪拌用の混合
機を用いることがよい。例えば、インターナルミキサ
ー、ロールミル、ドラムミキサー、ポニーミキサー、リ
ボンミキサー、ホモミキサー、スタティックミキサー等
が使用できる。硫黄結合材製造に変性硫黄を用いる場合
は、混合終了後速やかに高粘度化しないように反応温度
以下、通常は135℃以下に冷却することが好ましい。
【0011】本発明の硫黄結合材には、本発明の目的を
損なわない範囲において他の材料が含有されていても良
い。該他の材料としては、珪酸ソーダ、硫化ソーダ、キ
レート剤等の重金属封鎖安定剤、アスファルト、硫酸ニ
ッケル、硫酸コバルト、硫酸銀、各種ポリマー等が挙げ
られる。他の材料の添加量は、硫黄結合材の総量に対し
て、30重量%以下となるように配合することが好まし
い。
【0012】本発明の硫黄土木建築資材は、前記硫黄結
合材10〜50重量部及び骨材50〜90重量部からな
るものである。本発明における骨材としては、一般廃棄
物及び産業廃棄物等を用いることができ、例えば焼却灰
・焼却飛灰、都市ごみ高温溶融炉から発生する溶融飛
灰、電力事業及び一般産業から排出される石炭灰、流動
床焼却装置で使用した流動砂、重金属に汚染された土
壌、研磨屑、各種金属製造時に副生する副生物(例えば
鉄鋼スラグ・ダスト、フェロニッケルスラグ、アルミド
ロス、銅スラグ等)、等から選ばれる一種もしくは二種
以上を用いることができ、本発明は、特に鉄鋼スラグ、
焼却灰、石炭灰等の廃棄物を無害化することができ、有
効利用が図られる。焼却灰は、都市ごみ焼却炉や産業廃
棄物焼却炉等各種の燃焼炉から排出され、主成分はシリ
カ、アルミナ、酸化カルシウム、酸化鉄等の酸化物であ
るが、鉛、カドミウム、砒素等の有害金属の含有量も多
い。このため、焼却灰は、汚水を出さない最終処分場で
埋め立て処理されてきた。石炭灰は、発電用、加熱用等
各種の石炭焚燃焼炉から排出され、コンクリートや土木
資材混合材として従来から利用されている。鉄鋼スラグ
は、製鉄業から副生するスラグを指し、高炉から排出さ
れる高炉スラグ、平炉や転炉から排出される平炉スラ
グ、転炉スラグ等がある。鉄鋼スラグの主成分は、シリ
カ、アルミナ、酸化カルシウム、酸化鉄等の酸化物やそ
の他無機硫化物も含まれる。また本発明に使用すること
ができる他の骨材として例えば、粘土鉱物、活性炭、カ
ーボンファイバー、グラスファイバー、ビニロン繊維、
アラミド繊維、砂、砂利、同等の有害物質を含有しない
無機系資材、有機系資材等を挙げることができる。
【0013】本発明の硫黄結合材と骨材との混合量は、
硫黄結合材が10〜50重量部であり、骨材が50〜9
0重量部である。硫黄結合材の混合量が10重量部未満
であると、骨材表面を十分に濡らすことができず、骨材
が露出した状態となり、強度が十分発現しないと共に遮
水性を保てないおそれがある。また硫黄の混合量が50
重量部より多いと硫黄単独の性質に近づき強度が低下す
る傾向を生じるおそれがあり、それぞれ好ましくない。
混合温度は、通常120〜155℃、好ましくは135
〜155℃である。155℃以下で高温の方が硫黄結合
材の流動性が高く、混合効率が高く、短時間で終了する
が、硫黄結合材に変性硫黄を使用しているときは高温で
は硬化反応が進行するので取り扱いに注意が必要であ
る。この場合は、混合機を140〜145℃で予熱して
おき、140〜145℃の温度で混合することが好まし
い。硫黄結合材と骨材との混合に先立ち、いずれの材料
も、混合時の温度低下を避けるため予熱しておくことが
好ましい。例えば、骨材は125〜155℃程度に予熱
し、同じく硫黄結合材も125〜155℃に予熱してお
き、混合機は好ましい混合温度である135〜155℃
に予熱しておくことが好ましい。
【0014】混合時間は、混合成分に応じて適宜異なる
が、5分〜5時間である。特に硫黄結合材に変性硫黄を
用いる場合には、変性硫黄の製造を溶融混合と同時に行
うか否かで溶融混合時間が大きく異なる。例えば、硫黄
結合材として予め製造した変性硫黄(変性硫黄と硫黄と
の混合物も含む)を用いる場合には5〜30分である。
これは、溶融混合温度が、155℃以下で高温の方が変
性硫黄の流動性が高く、混合効率が高く、短時間で終了
するが、高温では硬化反応が進行する。一方、低温では
流動性が低下する代りに、硬化反応の進行が遅い。従っ
て、より好ましい温度範囲としては、混合機を140〜
145℃で予熱しておき、140〜145℃の温度で溶
融混合することが好ましく、このような温度範囲では混
合時間が5〜30分であれば十分に混合が行えるからで
ある。混合時間は、硬化反応を避けるため製造物の性状
が許す範囲で、極力短時間の方が望ましい。混合時間が
短いと硫黄結合材と無機系資材は十分混合されず、成型
物又は粒状物は連続相とならず、隙間が開いたり、表面
が滑らかにならない。攪拌が十分であれば、成型物又は
粒状物は完全な連続相となり、表面も滑らかである。
【0015】本発明の硫黄結合材と骨材との混合は、取
扱いが容易であることから、硫黄結合材の140℃にお
ける粘度を0.05〜1.2Pa・sの最適粘度範囲内
に維持しながら行うことが好ましい。硫黄結合材の14
0℃における粘度が0.05Pa・s未満では骨材への
吸収により結合力が不足して資材性能が低下する恐れが
あり、1.2Pa・sを越えると流動性が低下し、作業
性が著しく低下するとともに、骨材とのぬれが悪化する
ため、それぞれ好ましくない。粘度は、変性硫黄を使用
したときには時間とともに上昇することがあるので特に
製造時の取り扱いに注意が必要である。本発明の硫黄結
合材と骨材との混合に使用する混合機は混合が十分に行
えるものであればなんでも良く、例えば固液攪拌用を用
いることがよい。具体的には例えば、インターナルミキ
サー、ロールミル、ドラムミキサー、スクリュー押出し
機、パグミル、ポニーミキサー、リボンミキサー等が使
用できる。
【0016】本発明の硫黄土木建築資材を製造する際に
おいては、硫黄結合材を製造し冷却固化した後に、再溶
融してから骨材を混合してもよいし、あるいは製造した
ばかりの硫黄結合材を冷却して固化する前に骨材を混合
するようにしてもよい。固化前に骨材を混合するとき
は、最適粘度範囲になった硫黄結合材が得られた直後あ
るいは最適粘度範囲になる硫黄結合材が得られる前に予
め骨材を混合することができるが、いずれの場合も最終
的な硫黄結合材の最適粘度が得られるように反応時間や
反応温度等によって制御しておくことが好ましい。ま
た、本発明において、硫黄結合材の硫黄に変性硫黄を用
いる場合、硫黄変性剤による硫黄の変性は、骨材と混合
する前に行ってもよく、また、骨材と溶融混合しながら
行ってもよい。
【0017】本発明の硫黄土木建築資材は、硫黄結合材
と骨材を適当量溶融混合した後、冷却固化して成型体や
粒状物とすることができる。本発明の硫黄土木建築資材
の成型体は、135〜155℃の硫黄結合材と骨材との
溶融混合物を任意の形状の型枠に流し込み冷却固化する
ことにより、任意の形状ものを得ることができる。本発
明において硫黄土木建築資材を粒状にするときは、硫黄
結合材と骨材の溶融混合物を、造粒装置を用いて造粒を
行いながら冷却することにより得ることができる。造粒
方法は特に限定するものではないが、例えばドラムや傾
斜サラ等を具備した転動造粒法や、水平もしくは傾斜板
を具備した振動造粒法等を用いることができる。また、
溶融混合物を冷却し製造された塊状固化物を破砕するこ
とによっても得ることができる。これらにより得られた
粒状の硫黄土木建築資材は、個々の粒子の強度が高く、
これらの粒度を調整することができるため、建設用材料
として適すると共に、採石等と同様に使用することが可
能である。また、基本的に硫黄により周囲の水との接触
を遮断するため、内部に混合した骨材が直接外部に露出
することが少なく、含有する有害物質の溶出をある程度
抑制することができるが、本発明にて更に特筆するべき
事は、セメント、モルタル、石膏等のセメント系資材と
混合する際に、セメント系資材の硬化や最適含水比に影
響を与えないことが挙げられる。該セメント系資材は、
含水比を最適値に整えることが重要となるが、特に吸水
性の高い都市ごみの焼却灰を混合する際は、水分の調整
が非常に困難である。例えば都市ごみの焼却灰を乾燥さ
せて混合した場合は、前述セメント系資材より水分を吸
収するため水分が不足し、湿潤状態の都市ごみの焼却灰
を混合した場合は、前述セメント系資材の水分が余剰と
なり、いずれの場合も建設資材としての性能を損なうお
それがある。そればかりか、有害物質を含有した骨材が
水分を吸収すると膨脹するため、骨材としての使用は不
可能となる。つまり有害物質を含有するような骨材を硫
黄を用いて無害化することで、該骨材の再生利用に大き
く道を開くことができる。本発明の硫黄土木建築資材
は、成型体であれば、任意の構造を作製可能な特性を生
かし、パネル材、床材、壁材、瓦、水中構造物等として
利用することができ、粒状物であれば、埋立材、路盤
材、盛土材、コンクリート用骨材等として利用すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって具体的に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0019】[実施例1]固体硫黄を150℃で余熱し
ておいた混合機に入れ、溶融し、液化した状態で150
℃に保温し、分散性を高めるために物理的混合を行いな
がら硫黄100重量部に対して硫酸ニッケルを5重量部
添加して、添加した後10分間混合して硫黄結合材を製
造した。この硫黄結合材45重量部に、予め150℃に
加熱しておいた骨材である石炭灰55重量部を加え、1
50℃で20分間十分に混合攪拌した。一連の混合作業
には、(株)ダルトン社製万能混合攪拌機(5DM−r
標準型)を用いた。得られた溶融混合物をテーブル型振
動機(村田精工(株)製、HV型振動機を2機使用し、振
動台として500×500mmの鉄板を固定)上に置い
た金属製の金型に流し込み、振動数3000回/分、振
幅1mmで1分間往復振動を加えながら冷却固化して10
cm×5cmφの円柱供試体(成型体(実施例1a))を作成
した。このように作成した成型体を密閉系の海水中に常
温で210日間浸せきし、硫黄酸化細菌の付着状況や成
型体の劣化状況、そして硫黄酸化細菌の活性の状況を確
認するために海水のpH推移の測定を行った。また、硫
酸ニッケルの添加量を硫黄100重量部に対して10重
量部とする以外は上記同じ条件・材料で同様に成型体
(実施例1b)を作成し、この成型体についても前記と
同様な試験を行った。これらの試験の結果を図1に示し
た。図1に示した結果から分るとおり、硫酸ニッケルを
添加した成型体(硫黄コンクリート)はいずれも高い耐
細菌性を発揮し、浸せき初期のpHを200日以降も維
持し続けた。また、その際には表面にひび割れや浸食も
確認されなかった。
【0020】[比較例1]硫酸ニッケル無添加以外は実
施例1と同じ条件・材料で同様に成型体を作成し、この
成型体についても前記と同様な試験を行った。その結果
を図1に示した。図1に示した結果から分るとおり、硫
黄酸化細菌に侵され、硫黄が代謝されたことにより硫酸
イオンが生成し、浸せき液のpHが低下した。
【0021】[実施例2]固体硫黄を150℃で余熱し
ておいた混合機に入れ、溶融し、液化した状態で150
℃に保温し、分散性を高めるために物理的混合を行いな
がら硫黄100重量部に対して硫酸ニッケルを5重量部
添加して、添加した後10分間混合して硫黄結合材を製
造した。この硫黄結合材24.0重量部に、予め150
℃に加熱しておいた骨材である高炉スラグ33.8重量
部と焼却灰42.2重量部を加え、150℃で20分間
十分に混合攪拌した。一連の混合作業には、(株)ダル
トン社製万能混合攪拌機(5DM−r標準型)を用い
た。得られた溶融混合物をテーブル型振動機(村田精工
(株)製、HV型振動機を2機使用し、振動台として50
0×500mmの鉄板を固定)上に置いた金属製の金型
に流し込み、振動数3000回/分、振幅1mmで1分
間往復振動を加えながら冷却固化して10cm×5cmφの円
柱供試体(成型体)を作成した。このように作成した成
型体を密閉系の海水中に常温で110日間浸せきし、硫
黄酸化細菌の付着状況や成型体の劣化状況、そして硫黄
酸化細菌の活性の状況を確認するために海水のpH推移
の測定を行った。その結果を図2に示した。図2に示し
た結果から分るとおり、硫酸ニッケルを添加した成型体
(硫黄コンクリート)は高い耐細菌性を発揮し、pHの
低下は6程度までに抑え、それ以降のpHの低下はなく
pHを6程度に維持し続けた。また、その際には表面に
ひび割れや浸食も確認されなかった。
【0022】[比較例2]硫酸ニッケル無添加以外は実
施例2と同じ条件・材料で同様に成型体を作成し、この
成型体についても前記と同様な試験を行った。その結果
を図2に示した。図2に示した結果から分るとおり、硫
黄酸化細菌に侵され、硫黄が代謝されたことにより硫酸
イオンが生成し、浸せき液のpHが4程度まで低下し
た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、耐硫黄酸化細菌性が向
上した硫黄結合材が得られ、これまで硫黄結合材を用い
ることができなかった分野にも応用することが可能であ
る。また、特に近年問題となっている一般廃棄物及び産
業廃棄物の処理に着目して、それら廃棄物を安全かつ安
定な土木建設用資材に変換して有効利用することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】経時日数とpHとの関係を示す図である。
【図2】経時日数とpHとの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 22:14 C04B 22:14 A 18:10 18:10 A 18:14 18:14 A 18:10) 18:10) Z (72)発明者 橋本 博 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 秋山 正成 東京都港区西新橋一丁目3番12号 日石三 菱株式会社技術開発部内 (72)発明者 川田 敏男 神奈川県横浜市神奈川区子安通3−390 日石三菱精製株式会社横浜製油所内 (72)発明者 磯辺 洋 神奈川県横浜市青葉区しらとり台12−12− 304 (72)発明者 大和 卓也 東京都港区芝5−12−4−306 Fターム(参考) 4G012 PA26 PA27 PA29 PB03 PB07 PB09 PB10 PC01 PC11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄100重量部に対して、第1族金
    属、第8族金属、第1族金属化合物及び第8族金属化合
    物の群から選ばれた1種又は2種以上の物質を0.1〜
    50重量部添加してなる硫黄結合材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硫黄結合材10〜50重
    量部及び骨材50〜90重量部からなる硫黄土木建築資
    材。
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