JP2005179114A - 硫黄コンクリートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを用いて、重金属の溶出が実質的になく、優れた機械的強度が期待できる、建築用資材や土木用資材に適した硫黄コンクリートを効率良く得ることが可能な硫黄コンクリートの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の硫黄コンクリートの製造方法は、産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを利用する方法であって、CaO/SiO2質量比が1.0以下の酸性の急冷スラグを得るために、成分調整された溶融スラグ原料組成物を準備する工程(A)と、前記原料組成物を還元溶融して溶融スラグを調製する工程(B)と、前記溶融スラグを急冷してCaO/SiO2質量比1.0以下の急冷スラグを調製する工程(C)と、前記急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合する工程(D)とを含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを利用し、該溶融スラグを長期にわたり無害化することができると共に、建築用資材又は土木用資材等として利用可能な硫黄コンクリートを効率良く得ることができる硫黄コンクリートの製造方法に関し、詳しくは、6価クロム等の重金属が実質的に溶出しない硫黄コンクリートの製造方法に関する。
家庭から出るごみを含む産業廃棄物、更には下水汚泥といったものは、通常焼却して廃棄されている。しかし、最近では資源の再利用が強く望まれるようになってきており、リサイクル可能なものはごみ収集の段階や焼却の前段階で回収される。分別や分離の容易でないものや利用価値の低いものは焼却処理されるが、焼却後に取り出し可能となった金属資源などは可能なかぎり回収される。
ところが、焼却灰として残った灰分は、元のごみに比べれば大きく減容されているが、それを廃棄できる場所は年々狭まりつつある。近年では、さらに嵩を減らすべく焼却灰を溶融する研究が数多くなされ、得られた溶融スラグを建築や土木資材として利用しようとする動きが活発化している。
しかし、このような溶融スラグの建築や土木資材への利用は、通常、焼却灰に含まれる重金属類をガラス状に固化させた溶融スラグの中に封じ込めるといった程度にとどまる。このような溶融スラグは、例えば、路盤材等に使用できなくはないが、当初は安定している重金属も、いずれは溶出するとの不安を拭い去ることができない。
また、溶融スラグを路盤材として使用する場合、不純物として含まれるコークスが溶融スラグの強度の低下原因となっており、擦り減り試験での性能がでにくい問題があり、更には、鉄分等の不純物も多く、水と接触した際に錆の浮きや濁りが見られる等の恐れがないとも言えない。
そこで、クロム鉱滓、産業廃棄物溶融スラグ、下水汚泥およびステンレス鋼の精錬に使用したスラグ付着耐火物等のクロム酸化物含有物質からCr6+の溶出を防止し、路盤材、土木埋立用材等に利用し得るように処理する方法として、特許文献1には、還元処理後のクロム酸化物含有物質100重量部に対して、硫黄含有スラグを0.1〜90重量部添加、混合するクロム酸化物含有物質の処理方法、該方法を利用して得た路盤材、土木埋立用材等が提案されている。
特許文献2には、重金属が含まれるごみ焼却灰や下水汚泥焼却灰において、該重金属の溶出を低減する材料として、1000℃以上の還元雰囲気下で製造され、化学成分としてCaO、Al23、SiO2のうちの2成分以上を主成分とし、かつ、硫黄等の還元性物質を含有する重金属溶出低減材が提案されている。
しかし、これら提案においても重金属の長期にわたる溶出が完全に抑制されているとは言い難く、更なる改良技術が望まれている。
特開平11−106243号公報 特開2002−205032号公報
本発明の課題は、産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを用いて、重金属の溶出が実質的になく、優れた機械的強度が期待できる、建築用資材や土木用資材に適した硫黄コンクリートを効率良く得ることが可能な硫黄コンクリートの製造方法を提供することにある。
即ち、本発明によれば、産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを急冷して得た急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合して硫黄コンクリートを製造する方法であって、CaO/SiO2質量比が1.0以下の酸性の急冷スラグを得るために、成分調整された溶融スラグ原料組成物を準備する工程(A)と、工程(A)で準備した原料組成物を還元溶融して溶融スラグを調製する工程(B)と、工程(B)で調製した溶融スラグを急冷してCaO/SiO2質量比1.0以下の急冷スラグを調製する工程(C)と、工程(C)で調製した急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合する工程(D)とを含むことを特徴とする硫黄コンクリートの製造方法が提供される。
本発明の硫黄コンクリートの製造方法は、前記工程(A)〜(D)、特に、工程(A)及び(C)を含むので、産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを用いて、重金属の溶出が実質的になく、優れた機械的強度が期待できる硫黄コンクリートを効率良く得ることができる。このようにして得られた硫黄コンクリートは、所望の形態に成形加工することにより、ヒューム管、ボックスカルバート、マンホール、タイル、ブロック、パネル材、床材、壁材、パイル、漁礁、消波ブロック、防波ブロック、土留用壁、擁壁、L型用壁、矢板等の各種建築用資材及び土木用資材として利用可能である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の硫黄コンクリートの製造方法は、産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを急冷して得た急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合する方法であって、まず、CaO/SiO2質量比が1.0以下の酸性の急冷スラグを得るために、成分調整された溶融スラグ原料組成物を準備する工程(A)を行う。
工程(A)において、溶融スラグ原料組成物は、ごみ等の産業廃棄物及び/又は下水汚泥、これらの乾燥物、もしくはこれらを予め焼却した焼却灰を含む(以下、これらをまとめて「下水汚泥等の原料」という場合がある)。これら下水汚泥等の原料には、通常、Pb、Cd、Zn、Cr等の重金属が含まれるが、特にCr等の重金属が高濃度に含まれていても良い。
前記下水汚泥等の原料のCaO/SiO2質量比は、通常、1.0を超えることが多いため、工程(A)においては、後述する工程(C)において、CaO/SiO2質量比が1.0以下、好ましくは0.5〜0.95、より好ましくは0.6〜0.9の酸性の急冷スラグを得るために、下水汚泥等の原料を含む溶融スラグ原料組成物の成分組成を調整する必要がある。
工程(A)において準備する溶融スラグ原料組成物の組成が、後述する工程(C)において得られる急冷スラグのCaO/SiO2質量比が1.0を超えるようなものの場合、即ち、カルシウム分が多い組成の場合、クロム、鉛、カドミウム、銅等の重金属が酸化され易くなり、例えば、3価クロムが6価クロムである水溶性のクロム酸カルシウムになって流出する恐れが生じ、本発明の目的が達成されない。一方、CaO/SiO2質量比が0.5未満となるような場合、後述する工程(B)において溶融スラグの粘度が高くなり製造が困難となるか、あるいは粘度を下げるために温度を高温にする必要が生じる。
工程(A)において、前記溶融スラグ原料組成物の組成を調整するには、前記下水汚泥等の原料に加えて、例えば、珪素分調整剤を配合することができる。
珪素分調整材としては、CaO/SiO2質量比が0.9以下、好ましくは0.8以下である無機骨材、例えば、石炭灰、珪砂、珪石、長石、シリカ、石英粉、石英質岩石、砕石、砂、ガラス粉末、火山ガラス等のシリカ成分を主体とする天然あるいは工業原料が挙げられる。また珪素分調整材としては、CaO/SiO2質量比が0.9以下、好ましくは0.8以下である、石炭灰、高炉スラグ、転炉スラグ、製鋼スラグ、廃棄物溶融スラグ、廃コンクリート、廃アスベスト、廃ロックウール等のリサイクル資源や産業廃棄物を用いることもできる。
珪素分調整材の形態は特に制限されず、粉体状、粒状又は塊状等が挙げられる。
工程(A)において準備する成分調整された溶融スラグ原料組成物を調製するには、例えば、前記下水汚泥等の原料、並びに前記珪素分調整材等の原料組成物に含有させる原料それぞれのカルシウム及び珪素量を予め測定し、上述のCaO/SiO2質量比となるようにそれぞれの配合割合を設定することで準備することができる。この際、各原料のカルシウム及び珪素の測定は、蛍光エックス線分析等の公知の方法により実施することができる。
配合割合を決定した各原料は、予め混合しても、また後述する工程(B)の実施時に混合しても良い。
本発明の製造方法においては、次いで、工程(A)で準備した原料組成物を還元溶融して溶融スラグを調製する工程(B)を行う。
工程(B)において、還元溶融は、例えば、コークスベッドに、工程(A)で準備した溶融スラグ原料組成物、もしくは該組成物を構成する原料を順次投入してコークスを燃焼させながら溶融する方法、工程(A)で準備した溶融スラグ原料組成物、もしくは該組成物を構成する原料を順次、還元性ガス雰囲気下で溶融させる方法等により実施することができる。この際、得られる溶融スラグの冷却物に、CaCrO4等の六価クロム酸塩を含む六価クロムが生成することをより抑制するために、工程(B)における還元溶融は、理論空気量以下で行うことが好ましい。
前記還元性ガスとしては、例えば、水素、一酸化炭素、メタン、プロパン、ブチレン、プロピレン、アセチレン、エチレン、ガソリン、軽油、重油、灯油、メタノール、エタノール、プロパノール等公知のガス等が利用できる。
工程(B)において工程(A)で準備した溶融スラグ原料組成物の溶融は、通常1000℃以上、製造コストや生産効率等から好ましくは1300〜2000℃の還元雰囲気下で行うことができる。
工程(B)の還元溶融を行う装置としては、1000℃以上での加熱が可能で、かつ、還元雰囲気にすることができる製造装置(加熱装置)であれば、特に限定されず、例えば、キルン、電気炉、反射炉、キュポラ等が挙げられる。
工程(B)においては、前記溶融スラグ原料組成物を還元条件で溶融するので、原料組成物に含まれる重金属が酸化され難くなり、例えば、6価のクロムが生成し難くなり、3価クロムの状態で溶融スラグに封じ込めることができる。
本発明の製造方法においては、続いて、前記工程(B)で調製した溶融スラグを急冷して、CaO/SiO2質量比1.0以下の急冷スラグを調製する工程(C)を行う。
工程(C)において溶融スラグの急冷は、例えば、溶融スラグを空冷する方法又は水冷する方法等が挙げられる。特に、急冷により溶融スラグ中の重金属の酸化、例えば、6価クロムの生成をより十分に抑制するために、水冷により急冷して水砕スラグを調製することが好ましい。
前記急冷を空冷により行う場合は、溶融スラグ中の重金属の酸化をより十分に抑制するために、上述のような還元性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。このような還元性ガス雰囲気下における空冷は、前述の工程(B)において、コークスの投入量を通常よりも多くして(急冷に水冷を採用する場合の1.1〜1.3倍量)還元溶融を行い、工程(C)においても工程(B)における還元性ガス雰囲気下を維持する方法、もしくは冷却時に還元性ガスを導入して空冷する方法等が好ましい。
工程(C)において得られる急冷スラグは、CaO/SiO2質量比が1.0以下、好ましくは0.5〜0.95、より好ましくは0.6〜0.9の酸性の急冷スラグである。
本発明の製造方法においては、次に、工程(C)で調製した急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合する工程(D)を行う。
工程(D)に用いる固形材料は、工程(C)で調製した急冷スラグのみでも良いが、本発明の目的を損なわない程度に他の骨材成分等を含んでいても良い。
他の骨材成分としては、例えば、粘土鉱物、活性炭、砂、砂利、アルミナセメント、ガラス粉末等の無機系資材、繊維質充填材、繊維状粒子、薄片状粒子等が挙げられる。
前記繊維質充填材を使用することにより、得られる硫黄コンクリートを薄型化、軽量化しても曲げ強度を高め、パネルやタイル等に用いることができる。該繊維質充填材としては、例えば、カーボンファイバー、グラスファイバー、鋼繊維、アモルファス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維又はこれらの2種以上の混合物が好ましく挙げられる。
前記繊維状粒子、薄片状粒子を使用することにより、得られる硫黄コンクリートの靭性を高めることができる。該繊維状粒子としては、平均長さ1mm以下のウォラスナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられ、薄片状粒子としては、平均粒度1mm以下のマイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。これらは使用に際しては単独もしくは2種以上の混合物として用いることができる。
工程(D)に用いる硫黄含有溶融材料は、通常の硫黄単体で、天然産又は、石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫黄の溶融物、もしくは硫黄を改質添加剤でポリマー化した公知の改質硫黄の溶融物である。
前記改質添加剤としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、テトラハイドロインデン(THI)、シクロペンタジエン等とそれらのオリゴマー(2〜5量体混合物)、ジペンテン、ビニルトルエン、ジシクロペンテン等のオレフィン化合物類の1種又は数種の混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
工程(D)において、前記固形材料と前記硫黄含有溶融材料との混合は、乾燥雰囲気で行うことが好ましい。該混合時に、水分、特にアルカリ性の水が存在すると、固形材料に含まれる重金属が容易に酸化され、溶出し易くなるので好ましくない。
前記固形材料と前記硫黄含有溶融材料とを混合する際の混合割合は、固形材料中に含まれる急冷スラグの状態等によって変化するが、通常、質量比で1〜5:9〜5の範囲が好ましい。最も望ましいのは、固形材料が最密充填構造をとった場合のその空隙を埋める量の硫黄含有溶融材料が配合された場合であり、この際に強度は最も高くなる。硫黄含有溶融材料の混合割合が10質量%未満、即ち、固形材料が90質量%を超える場合は、硫黄含有溶融材料により固形材料表面を十分に濡らすことができず、固形材料、特に、工程(D)で調製した急冷スラグが露出した状態となり、強度が十分発現しないと共に遮水性が維持できない恐れがあるので好ましくない。一方、硫黄含有溶融材料の混合割合が50質量%を超える、即ち、固形材料50質量%未満の場合は、硫黄含有材料単独の性質に近づき強度が低下する傾向にあるので好ましくない。
工程(D)において、前記固形材料と前記硫黄含有溶融材料との混合は、固形材料中の重金属が酸化しないように還元条件で行うことが好ましく、通常は硫黄含有溶融材料を常圧で120〜150℃に保持して混合することが望ましい。
前記混合にあたっては、いずれの材料も、混合時の温度低下や水分との接触を避けるために予熱しておくことが好ましい。固形材料は120〜155℃程度に予熱、乾燥し、硫黄含有溶融材料は120〜155℃の溶融状態にしておき、混合機も120〜155℃の温度に予熱しておくことが好ましい。
前記混合に用いる混合機としては、前記固形材料と前記硫黄含有溶融材料とを十分に混合できるものであれば特に限定されないが、好ましくは固液撹拌用混合機が使用できる。例えば、インターナルミキサー、ロールミル、ボールミル、ドラムミキサー、スクリュー押出し機、パグミル、ポエーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等が使用できる。
本発明の製造方法では、前記工程(D)により調製した混合物を、公知の技術を利用して成形することにより所望の硫黄コンクリートを得ることができる。
前記成形は、例えば、工程(D)により調製した混合物を、所望の型枠に流し込み、冷却・固化することにより任意の形状に成形する方法、工程(D)により調製した混合物を、造粒あるいは任意形状に成形した成形物を粉砕して、路盤材、骨材として使用しうる形態とする方法、ヒューム管、マンホール等管状の成形物として使用しうるように遠心成形する方法、ボックスカルバート、パネル材、タイル、ブロック等として使用しうるように、工程(D)により調製した混合物を型枠に流し込み振動成形する方法等により行うことができる。
前記成形には、適宜振動を加えたり、超音波を照射して緻密化しながら成形することもできる。
本発明の製造方法により得られる硫黄コンクリートは、成型体であれば、任意の構造が作製可能な特性を生かし、耐酸性に優れたヒューム管、ボックスカルバート、マンホール、タイル、ブロック、パネル材、床材、壁材等とすることができる。パネル材は、下水道用補修パネルとして利用することもできる。
また本発明の製造方法により得られる硫黄コンクリートは、道路用製品として、U字溝、側溝、歩道境界ブロック、L型ブロック、平板、インターロッキングブロック等の用途、建築用製品として建築用ブロック、パイル、ヒューム管、漁礁、消波ブロック、防波ブロック、土木施工用材料として土留用壁、擁壁、L型用壁、矢板等に利用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
CaO/SiO2質量比が1.0以下となるように、乾燥汚泥2500kg、珪素分調整材として珪石660kg及びコークス600kgを溶融スラグ原料組成物として準備した。この原料組成物を加熱装置に投入し、還元雰囲気下で1400℃、20分間加熱して溶融した。得られた溶融物を、溶融状態で水槽に投入し水砕し、水砕スラグとしての試料(1)を調製した。蛍光エックス線分析による試料(1)のCaO/SiO2質量比は0.78であった。
次に、140℃に予熱した前記試料(1)75kgと、130℃に再加熱して溶融した硫黄溶融物25kgとを、140℃に保持した混練機(二軸パドルミキサー)内にほぼ同時に投入した。続いて10分間混練し、得られた混練物をW46cm×D55cm×H6cmの板状型に流し込んで冷却した後、100mm以下に破砕し、硫黄コンクリート資材(1)を調製した。硫黄コンクリート資材(1)10kgを粉砕せずにそのまま上部に降雨装置を持ったライシメーターに充填し、間欠的に降雨に6ヶ月間接触させた。この試料のうち20検体について、環境庁告示46号溶出試験を実施した。その結果、全ての供試体で土壌環境基準をクリアした。次にX線光電子分析装置(ESCA)によるクロムの化学結合状態分析を行った。その結果、20検体の内、六価クロムは検出されなかった。
比較例1
珪素分調整材として珪石の配合量を150kgとした以外は実施例1と同様に水砕スラグを調製した。これを試料(2)とした。蛍光エックス線分析による試料(2)のCaO/SiO2質量比は1.3であった。
試料(2)10kgを粉砕せずにそのまま上部に降雨装置を持ったライシメーターに充填し、間欠的に降雨に6ヶ月間接触させた。この試料のうち20検体について、環境庁告示46号溶出試験を実施した。その結果、全ての供試体で土壌環境基準をクリアした。次にESCAによるクロムの化学結合状態分析を行った。その結果、20検体の内、15検体で微量の六価クロムが検出された。
次に、140℃に予熱した前記試料(2)75kgと、130℃に再加熱して溶融した硫黄溶融物25kgとを、140℃に保持した混練機(二軸パドルミキサー)内にほぼ同時に投入した。続いて10分間混練し、得られた混練物をW46cm×D55cm×H6cmの板状型に流し込んで冷却した後、100mm以下に破砕し、硫黄コンクリート資材(2)を調製した。硫黄コンクリート資材(2)10kgを粉砕せずにそのまま上部に降雨装置を持ったライシメーターに充填し、間欠的に降雨に6ヶ月間接触させた。この試料のうち20検体について、環境庁告示46号溶出試験を実施した。その結果、全ての供試体で土壌環境基準をクリアした。次にESCAによるクロムの化学結合状態分析を行った。その結果、20検体の内、3検体で微量の六価クロムが検出された。

Claims (5)

  1. 産業廃棄物や下水汚泥等の焼却灰を含む溶融スラグを急冷して得た急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合して硫黄コンクリートを製造する方法であって、
    CaO/SiO2質量比が1.0以下の酸性の急冷スラグを得るために、成分調整された溶融スラグ原料組成物を準備する工程(A)と、
    工程(A)で準備した原料組成物を還元溶融して溶融スラグを調製する工程(B)と、
    工程(B)で調製した溶融スラグを急冷してCaO/SiO2質量比1.0以下の急冷スラグを調製する工程(C)と、
    工程(C)で調製した急冷スラグを含む固形材料と硫黄含有溶融材料とを混合する工程(D)とを含むことを特徴とする硫黄コンクリートの製造方法。
  2. 工程(A)において、溶融スラグ原料組成物が、珪素分調整材を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 工程(B)において、還元溶融を理論空気量以下の条件で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 工程(C)において急冷を、水冷により行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 工程(D)において、固形材料と、硫黄含有溶融材料との混合を乾燥雰囲気で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
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