JP2002069188A - 硫黄組成物の製造方法 - Google Patents

硫黄組成物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】一般及び産業廃棄物等を骨材として用いた場合
であっても、土木・建設資材に利用しうる、機械的強
度、遮水性、耐着火性及び耐硫黄酸化細菌性等を付与し
うる硫黄組成物で、且つ一般及び産業廃棄物の封止用に
利用できる硫黄組成物を、容易な反応制御により効率良
く得ることが可能な硫黄組成物の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】硫黄と、該硫黄100質量部に対して2〜
20質量部の割合のジシクロペンダジエンとを135〜
155℃で溶融混合し、得られる溶融物の140℃にお
ける粘度が、0.05〜1.2Pa・sになった後に1
35℃以下に冷却することを特徴とする硫黄組成物の製
造方法、並びに更に骨材を特定条件で混合した硫黄組成
物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジシクロペンタジ
エンで変性した硫黄組成物の製造方法、更に一般及び産
業廃棄物等を土木用、建設用等の資材として再利用する
ことを可能にしうる硫黄組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硫黄は、119℃を越えると溶解し、常
温では固体である性質を利用して、土木用、建設用等の
資材の1つとしての利用が試みられている。例えば、舗
装材料(米国特許第4290816号明細書)、建築材料
用資材(特公昭55−49024号公報)あるいは廃棄物
封鎖用資材(特公昭62−15274号公報)等の結合材
としての使用が検討されている。しかし、硫黄単独の結
合材では、得られる成形物の外表面が硫黄であるため、
成型物が着火性を有し、更には、機械的強度、耐硫黄酸
化細菌性にも劣るなど、多くの問題点があり、その利用
は必ずしも拡大していない。そこで、このような性質を
改良するために、多くの添加用化合物が検討されてい
る。特に、添加用化合物としてのジシクロペンタジエン
は、安価で経済牲に優れると共に、New Uses of Sulfur
−II,1978,p68〜77に示されるように、機械的強度等に
おいて良好な作用を有することが知られている。また、
ビニルトルエン、ジペンテン、その他オレフィンオリゴ
マーを添加し硫黄の性状を改良して、舗装材、接着剤、
シール材等に用いる例(特公平2−25929号公報、
特公平2−28529号公報)も知られている。舗装材
料としては、アスファルトと硫黄とを混合使用すること
も実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで硫黄はその用
途の一つに結合材があり、各種の骨材と混合して成型物
を製造し、土木建設資材として使用されている。しか
し、硫黄単独の場合、成型物は物性上の多くの課題があ
り、使用方法が限定されている。例えば、燃焼性に関し
ては、硫黄は引火点207℃、自然発火温度245℃
と、着火性があり、表面に露出した硫黄は燃え易い。ま
た、機械的強度に関しては、硫黄は安定な固体状態にお
いて欠陥が無ければ高強度を示すが、実際には、液体状
態から冷却固化する場合、斜方晶系、単斜晶系、不定形
硫黄の3種が混在し、冷却条件によりそれらの比率が変
わると共に、経過時間により変化していくため、欠陥が
生じ易く脆いという問題がある。硫黄が固体状態で最も
安定なのは斜方晶系硫黄で、斜方晶系硫黄は3種の中で
最も密度が高いため、時間と共に隙間が開いて、機械的
強度を低下させたり、極端な場合は割れを生じる。また
その隙間に水が染み込み、内部の封鎖物を溶解してしま
うため、有害物の封鎖性が低下し、更に、土壌中あるい
は水中に存在する硫黄酸化細菌が入り込み、その表面を
腐食させる等の問題が生じる。そこで、その改良方法の
一つとして、ジシクロペンタジエンを添加する方法が検
討されている。ジシクロペンタジエンと硫黄との反応
は、一種の重合反応といわれており、最初ジシクロペン
タジエンと硫黄とが反応し、その後、硫黄がラジカル連
鎖反応により高分子化する。従って、ジシクロペンタジ
エンと硫黄との反応は、大きな発熱を伴って急激な温度
上昇が生じ、且つ粘度の急上昇が生じるために反応が制
御できず、急激に固化して成形できない状態になるとい
う問題点がある。これを防止するためオレフィンオリゴ
マーを添加する方法も検討されている(特公平2−28
529号公報)が、ジシクロペンタジエンを添加する場
合の製造条件については十分検討されておらず、ジシク
ロペンタジエン濃度、温度等の反応条件と、製造される
結合材の望ましい性状との関係については十分判ってい
ない。また、いったん冷却固化した前記硫黄結合材を、
骨材と混合等するために再加熱すると、再びジシクロペ
ンタジエンとの重合反応が開始し硬化が進行する。この
場合の硫黄結合材の適切な性状及び骨材と混合するため
の製造条件等についても従来確立されていない。さら
に、ジシクロペンタジエンにより改良した硫黄結合材を
一般及び産業廃棄物封鎖用結合材として使用することは
従来知られておらず、その製造条件も確立されてはいな
い。通常、一般及び産業廃棄物は埋め立て、焼却等の方
法で処分されるが、そのための処分場所はますます少な
くなってきており、その再利用が極力求められている。
例えば、鉄鋼スラグ、石炭灰、焼却灰等の廃棄物の場
合、その成型物を土木埋立材、建設資材等に利用するに
は、圧縮・曲げ・引張り強度及び耐衝撃性等の機械的強
度、産業廃棄物中に含まれる重金属化合物の溶出を防ぐ
ための遮水性、裸火で着火しない難燃性、土中・海中で
表面硫黄を腐食する硫黄酸化細菌に対する耐久性等が必
要とされる。特に、焼却灰は、その中に重金属やダイオ
キシン等の有害物質が含まれており、埋立に使用する場
合には、その溶出を抑制する必要がある。鉄鋼業から排
出される鉄鋼スラグは、舗装材料用骨材や土木材料に使
用されるが、水に濡れるとポリ硫化物による黄濁水を発
生し、環境に悪影響を与える。従って、これらの産業廃
棄物を、土木建設資材として利用しうる上記各要求を満
たし、循環使用を可能にしうる結合材が求められてい
る。
【0004】本発明の目的は、一般及び産業廃棄物等を
骨材として用いた場合であっても、土木・建設資材に利
用しうる、機械的強度、遮水性、耐着火性及び耐硫黄酸
化細菌性等を付与しうる硫黄組成物で、且つ一般及び産
業廃棄物の封止用に利用できる硫黄組成物を、容易な反
応制御により効率良く得ることが可能な硫黄組成物の製
造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、一
般及び産業廃棄物等を骨材として用いた場合であって
も、機械的強度、遮水性、耐着火性、耐硫黄酸化細菌性
等が良好で、土木・建設資材としての要求性能を十分充
たす硫黄組成物を、簡便な制御により得ることができる
硫黄組成物の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、硫黄
と、該硫黄100質量部に対して2〜20質量部の割合
のジシクロペンダジエンとを135〜155℃で溶融混
合し、得られる溶融物の140℃における粘度が、0.
05〜1.2Pa・sになった後に135℃以下に冷却
することを特徴とする硫黄組成物の製造方法が提供され
る。また本発明によれば、硫黄と、該硫黄100質量部
に対して2〜20質量部の割合のジシクロペンダジエン
とを135〜155℃で溶融混合し、得られる溶融物の
140℃における粘度が、0.05〜1.2Pa・sに
なった後に135℃以下に冷却して得た硫黄結合材と、
骨材とを、質量比で1〜5:5〜9の割合で135〜1
55℃の温度下、該硫黄結合材の140℃における粘度
を0.05〜1.2Pa・sの範囲内に維持しながら溶
融混合した後、135℃以下に冷却することを特徴とす
る硫黄組成物の製造方法が提供される。更に本発明によ
れば、硫黄、ジシクロペンタジエン及び骨材を、135
〜155℃で0.5〜5時間溶融混合し、硫黄をジシク
ロペンタジエンで変性して硫黄結合材とすると共に骨材
と十分混合した後、135℃以下に冷却することを特徴
とする硫黄組成物の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の硫黄組成物の製造方法
は、特定割合の硫黄とジシクロペンタジエンとを特定条
件で溶融混合し、冷却することにより得ることができ
る。本発明に用いる硫黄としては、通常の硫黄単体で、
天然産又は、石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫
黄等が挙げられる。本発明に用いるジシクロペンタジエ
ンとしては、シクロペンタジエンの単体、2〜4量体を
主体に構成される混合物等が挙げられる。混合物中のジ
シクロペンタジエンの含有量は、通常70mass%以上、
好ましくは85mass%以上である。従って、いわゆるジ
シクロペンタジエンと称する市販品の多くは使用可能で
ある。
【0007】前記ジシクロペンタジエンの使用割合は、
硫黄100質量部に対して、通常2〜20質量部、特
に、5〜10質量部の割合である。得られる硫黄組成
物、及び該硫黄組成物を硫黄結合材として使用し、骨材
と混合した硫黄組成物の難燃性、遮水性、耐硫黄酸化細
菌性等の性質改善は、ジシクロペンタジエン含有割合に
関係し、通常は使用量が多いほどそれぞれの性能が改善
される。硫黄100質量部に対して、約10質量部のジ
シクロペンタジエンの使用で改善効果は飽和し、それ以
上では変化は少ない。ジシクロペンタジエンの使用量
は、製造上の制御可能性及び反応時間に加え、製品の性
能からも定めることができる。溶融した硫黄の粘度は、
ジシクロペンタジエンによる硫黄の変性が進行するほど
に上昇する。その粘度上昇速度はジシクロペンタジエン
の量にも関係し、ジシクロペンタジエンの添加量が多い
ほど粘度上昇速度は速い。例えば、140℃において、
硫黄100質量部に対してジシクロペンタジエン2質量
部未満では10時間以上かけても粘度が0.1Pa・s
に達しないのに対し、10質量部以上では0.5〜3時
間でそれに到達する。ジシクロペンタジエンを少なく添
加した方が製造中の取り扱いが容易で好ましいが、効率
よく短い時間で製造するには添加量が少なすぎても良く
ない。製品の性能面から弾性的な強度を出現させるに
は、ジシクロペンタジエンの割合を、硫黄100質量部
に対して2〜10質量部とすることが好ましい。2質量
部未満では十分に強度が改善されない。得られる弾性体
の強度が最も高くなるのは、硫黄100質量部に対して
5〜10質量部である。10質量部を超えると、弾性に
加え粘性的性質が加わり、製品は粘弾性体になり、歪み
やすく、粘りが増して容易に破壊しない。また、20質
量部を超えると粘性的性質が顕著に出現すると共に、製
造時の粘度上昇速度が大きく反応制御が困難になる傾向
にある。従って、これらの各性質を考慮して、ジシクロ
ペンタジエンの使用量を決定することができる。
【0008】本発明の硫黄組成物の製造方法において、
硫黄とジシクロペンタジエンとの溶融混合は、135〜
155℃の範囲で溶融混合し、溶融物の140℃におけ
る粘度が0.05〜1.2Pa・sになるまで混合する
ことにより行なうことができる。具体的には、先ず硫黄
を加熱溶融する。固体硫黄を加熱していくと119℃で
固体から液体への相変化が始まるので、硫黄を液化させ
てから全体を撹拌し、適当な粘度計、例えばB型粘度計
で粘度を測定しながら、130℃程度まで温度を上昇さ
せる。そこへ所定量のジシクロペンタジエンを少しずつ
添加する。135℃以下では硫黄は容易に変性しない。
即ち120〜135℃の温度範囲では硫黄とジシクロペ
ンタジエンとの重合反応は遅く、急な発熱及び粘度上昇
は起こらず、わずかな温度上昇と粘度上昇とがみられる
だけで、ほとんど一定の粘度を維持する。発熱の起こら
ないことを確認後、135〜155℃まで次第に温度上
昇させる。155℃を超えると粘度上昇が急激で制御が
困難となる。粘度上昇速度は、反応温度に関係し、温度
が高いほど速い。このため硫黄とジシクロペンタジエン
との溶融混合温度は硫黄が効率よく変性するように13
5〜155℃で行う必要がある。
【0009】溶融混合時間は、ジシクロペンタジエンの
使用量と溶融温度により異なる。例えば、硫黄100質
量部に対してジシクロペンタジエン5質量部では、13
5℃で約15時間、140℃で約5時間、145℃で約
2時間、150℃で約0.5時間でそれぞれ粘度が0.
1Pa・sに達する。温度制御や製造時間の点で、特に
好適な温度範囲は140〜145℃である。反応終了時
期は、溶融物の粘度により決定することができる。この
粘度は、140℃で測定して、0.05〜1.2Pa・
sの範囲が好ましいが、硫黄組成物から製造される成型
物の強度や製造工程の作業性の観点から、0.08〜
0.5Pa・sが総合的に最適粘度である。該粘度が
0.05Pa・s未満では、硫黄組成物を使用して得ら
れる土木建設資材の強度が低くなり、ジシクロペンタジ
エンによる改質効果が不十分となる。粘度が高くなるに
従い、改質が進行し、得られる硫黄組成物の強度も高く
なるが、1.2Pa・sを超えると撹拌・混合が困難と
なり、作業性が著しく悪化すると共に改質効果が飽和す
る。
【0010】前記溶融混合に使用する混合機は、混合が
十分に行えるものであれば公知のものが使用でき、好ま
しくは硫黄組成物の製造には主に液体撹拌用の混合機の
使用が好ましい。例えば、インターナルミキサー、ロー
ルミル、ドラムミキサー、ボニーミキサー、リボンミキ
サー、ホモミキサー、スタティックミキサー等が挙げら
れる。
【0011】本発明の硫黄組成物の製造方法では、前記
溶融混合終了後、高粘度化しないように反応温度以下、
通常は135℃以下で冷却することにより所望の硫黄組
成物を得ることができる。本発明の硫黄組成物は、硫黄
がジシクロペンタジエンと反応して重合し変性された硫
黄であり、純硫黄を含有していても良く、硫黄セメン
ト、硫黄バインダーとも称することができる。この硫黄
組成物は、土木、建設資材として有用な材料であり、例
えば、各種の骨材と混合して舗装材料、建築材料用ある
いは廃棄物封鎖用資材として使用できる。また、本発明
の硫黄組成物は、骨材と溶融混合するための「硫黄結合
材」(以下、本発明の硫黄結合材という)として使用する
こともできる。
【0012】本発明の他の硫黄組成物の製造方法は、本
発明の硫黄結合材と、骨材とを、特定割合で135〜1
55℃の温度下、該硫黄結合材の140℃における粘度
を0.05〜1.2Pa・sの範囲内に維持しながら溶
融混合した後、135℃以下に冷却する方法(以下、
「第2の方法」という)、並びに硫黄、ジシクロペンタ
ジエン及び骨材を、特定条件で溶融混合し、硫黄をジシ
クロペンタジエンで変性して硫黄結合材とすると共に骨
材と十分混合した後、135℃以下に冷却する方法(以
下、「第3の方法」という)である。
【0013】前記第2及び第3の方法に用いる骨材とし
ては、骨材として使用可能であれば特に限定されない
が、再利用可能な産業廃棄物等の使用が好ましい。産業
廃棄物としては、例えば、焼却灰・焼却飛灰、都市ごみ
高温溶融炉から発生する溶融飛灰、電力事業及び一般産
業から排出される石炭灰、流動床焼却装置で使用した流
動砂、重金属に汚染された土壌、研磨屑、各種金属製造
時に副生する副生物(例えば、鉄鋼スラグ・ダスト、フ
ェロニッケルスラグ、アルミドロス、鋼スラグ等から選
ばれる1種又は2種以上)等が挙げられる。特に、本発
明の製造方法では、鉄綱スラグ、焼却灰、石炭灰等の廃
棄物を骨材として無害化しながら再利用できる。
【0014】前記鉄鋼スラグは、製鉄業から副生するス
ラグを指し、高炉から排出される高炉スラグ、平炉や転
炉から排出される平炉スラグ、転炉スラグ等がある。鉄
鋼スラグの主成分は、シリカ、アルミナ、酸化カルシウ
ム、酸化鉄等の酸化物やその他無機硫化物も含まれる。
前記焼却灰は、都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉等各
種の燃焼炉から排出され、主成分はやはりシリカ、アル
ミナ、酸化カルシウム、酸化鉄等の酸化物であるが、
鉛、カドミウム、砒素等の有害金属の含有量も多い。こ
のような焼却灰は、汚水を出さない最終処分場で埋め立
て処理されているものが多いが、本発明においてはこの
ような焼却灰も骨材として使用することができる。前記
石炭灰は、発電用、加熱用等各種の石炭焚燃焼炉から排
出され、コンクリートや土木資材混合材として従来から
利用されているものが使用できる。本発明においては、
上記骨材の他に、例えば、粘土鉱物、活性炭、カーボン
ファイバー、グラスファイバー、ビニロン繊維、アラミ
ド繊維、砂、砂利、同等の有害物質を含有しない無機系
資材、有機系資材等も骨材として使用可能である。
【0015】前記第2の製造方法において、上述の硫黄
結合材と骨材との混合割合は、質量比で1〜5:5〜9
である。最も望ましいのは、骨材が最密充填構造をとっ
た場合のその空隙を埋める量の本発明の硫黄結合材が配
合された場合であり、この際に強度は最も高くなる。本
発明の硫黄結合材の混合割合が10質量%未満(骨材が
90質量%を超える場合)では、骨材としての無機系資
材表面を十分に濡らすことができず、骨材が露出した状
態となり、強度が十分発現しないと共に遮水性が維持で
きない恐れがある。一方、本発明の硫黄結合材の混合割
合が50質量%を超える(骨材が50質量%未満の場合)
と、硫黄結合材単独の性質に近づき強度が低下する傾向
にある。前記本発明の硫黄結合材と骨材の混合割合は、
骨材の種類によっても変化し、骨材の種類に応じて、上
記範囲内から適宜選択することが望ましい。例えば、骨
材として鉄鋼スラグ等を用いる場合には、骨材の混合割
合は15〜25質量%程度がより好ましい。
【0016】前記第2の製造方法において、溶融混合時
における本発明の硫黄結合材の粘度は、時間と共に上昇
するので、取り扱いが容易で好ましい最適粘度範囲とす
る必要がある。このような本発明の硫黄結合材の粘度
は、140℃における粘度が0.05〜1.2Pa・s
の範囲である。該粘度が0.05Pa・s未満では、得
られる硫黄固化体の強度が低下し、本発明の硫黄結合材
による改質効果が不十分である。粘度が高くなるに従
い、得られる硫黄固化体の強度も高くなるが、1.2P
a・sを超えると製造時の撹拌が困難となり、作業性が
著しく悪化する。
【0017】前記第2の製造方法において、本発明の硫
黄結合材と骨材とを溶融混合するにあたっては、いずれ
の材料も、混合時の温度低下を避けるために予熱してお
くことが好ましい。骨材は120〜155℃程度に予熱
し、同じく本発明の硫黄結合材も120〜155℃に反
応の進行を避けるため極力短時間で予熱しておき、混合
機も120〜155℃の温度に予熱しておくことが好ま
しい。前記溶融混合は、上記予熱した各成分をほぼ同時
に混合機に投入し、通常135〜155℃、好ましくは
140〜145℃の温度で5〜30分間混合し、その後
135℃以下に冷却することができ、成型物、ペレッ
ト、破砕物若しくは粒状物とした硫黄組成物を得ること
もできる。混合温度は、155℃以下でより高温の方が
本発明の硫黄結合材の流動性が高く、混合効率が高く、
短時間で終了するが、高温では硬化反応が進行する。低
温では流動性が低下する代りに、硬化反応の進行が遅
い。従って、より好ましい温度範囲としては、混合機を
140〜145℃で予熱しておき、140〜145℃の
温度で混合することが望ましい。この場合、骨材の予熱
範囲は140〜145℃、本発明の硫黄結合材の予熱範
囲は135〜140℃が好ましい。混合時間は、硫黄と
ジシクロペンタジエンとの重合による高粘度化、更には
硬化を避けるため製造物の性状が許す範囲で極力短時間
の方が望ましい。ただし、混合時間が短かすぎると本発
明の硫黄結合材と骨材とは十分混合されず、成型物が連
続相とならず、隙間が開いたり、表面が滑らかにならな
い。混合が十分であれば、成型物は完全な連続相となり
表面も滑らかであるので混合には得られる硫黄組成物の
性能を考慮して混合時間を適宜決定する必要がある。
【0018】前記第2の製造方法においては、本発明の
硫黄結合材及び骨材の他に所望により他の成分を混合す
ることもできる。この場合は、本発明の硫黄結合材を再
溶融して他の成分を混合する方法、あるいは得られたば
かりの本発明の硫黄結合材を冷却して固化する前に他の
成分を混合する方法等が挙げられる。
【0019】前記第3の製造方法では、硫黄、ジシクロ
ペンタジエン及び骨材を溶融混合し、骨材の混合と硫黄
の変性とを同時に行うか、若しくは硫黄とジシクロペン
タジエンとを先に溶融混合し、硫黄の変性を先に開始
し、次に骨材を混合して、更に溶融混合する方法等であ
る。この方法において使用できる硫黄、ジシクロペンタ
ジエン及び骨材は、上述のものを好ましく使用すること
ができる。また、各材料の使用量も前述の範囲から適宜
選択することが好ましい。具体的には、ジシクロペンタ
ジエンの仕込み割合は、硫黄100質量部に対して2〜
20質量部、好ましくは5〜10質量部である。また、
骨材の使用量は、得られる硫黄結合材と骨材との質量比
が1〜5:5〜9となるように、骨材の種類に応じて適
宜選択することが望ましい。この第3の製造方法におい
て、硫黄とジシクロペンタジエンと骨材とを同時に溶融
混合する場合には、予め本発明の硫黄結合材を製造する
第2の製造方法とは異なり、1段階で硫黄組成物が製造
できるので、製造工程が簡素化でき、かつ硫黄の変性と
骨材の混合とを同時に行え、溶融混合時間を長くしても
全体的には短時間で硫黄組成物を得ることができる。
【0020】前記第3の製造方法において、溶融混合
は、溶融物全体が均一な温度になるよう十分撹拌あるい
は混練することが好ましく、該溶融温度は、135〜1
55℃、混合時間は通常0.5〜5時間である。混合時
間が0.5時間未満では、ジシクロペンタジエンと硫黄
と骨材とは十分混合されず、成型物は連続相とならず、
隙間が開いたり、表面が滑らかにならないという問題が
生じる。溶融混合が十分であれば、成型物は完全な連続
相となり、表面も滑らかである。一方、混合時間が5時
間を超える場合には、硫黄の変性が進行し、変性した硫
黄の粘度が高くなり、更には硬化して作業性等が低下す
るので好ましくない。
【0021】前記第3の製造方法において、硫黄をジシ
クロペンタジエンで変性させる溶融混合時に固体の骨材
が入っている場合は、硫黄とジシクロペンタジエンとの
反応の進行を粘度等で直接測定することは非常に困難で
ある。しかし、硫黄とジシクロペンタジエンとの反応
は、本質的には前述のとおりであり、反応を制御するに
は温度、混合方法、混合時間を、硫黄変性の進行程度を
予測しながら厳密に制御することで達成できる。例え
ば、溶融混合温度及び時間は、140℃では、3〜5時
間を必要とし、150℃では45〜90分間が適当であ
る。
【0022】第3の製造方法における溶融混合の具体例
としては、例えば、125〜135℃に加熱した硫黄、
及び40〜50℃で溶融したジシクロペンタジエンを、
135〜155℃の温度に予熱した混合機にほぼ同時に
投入し、その後に125〜155℃程度に予熱した骨材
を投入し135〜155℃の温度で、0.5〜5時間溶
融混合する方法等が挙げられる。より好ましい溶融混合
方法としては、混練機を140〜150℃で予熱してお
き、145〜155℃の温度で溶融混合する方法が挙げ
られる。先に硫黄とジシクロペンタジエンとを混合する
のは、骨材の存在により硫黄の重合反応が阻害されない
ためである
【0023】前記第2及び第3の製造方法において、上
記溶融混合後、溶融混合物を135℃以下に冷却して硫
黄組成物を得ることができ、更に成型物、ペレット、破
砕物又は粒状物等に冷却・固化することにより所望の硫
黄組成物を得ることもできる。この冷却・固化前に、変
性した硫黄の粘度上昇のしすぎを回避するため、所定の
流動状態になったところで温度を下げ、120〜135
℃で混合をしばらく継続しても良い。また、溶融混合物
を不定形に冷却し塊状固化物を得、該固化物を破砕して
硫黄組成物を得ることもできる。
【0024】前記第2及び第3の製造方法において使用
する混合機は、混合が十分に行えるものであれば特に限
定されず、好ましくは固液撹拌用が使用できる。例え
ば、インターナルミキサー、ロールミル、ボールミル、
ドラムミキサー、スクリュー押出し機、パグミル、ポエ
ーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等が使用でき
る。また、冷却・固化は、溶融混合物を任意の形状の型
枠に流し込み冷却・固化する方法、造粒装置を用いて造
粒を行いながら冷却・固化する方法等が採用できる。前
記造粒方法は特に限定されないが、例えば、ドラムや傾
斜サラ等を具備した転動型形式や、水平もしくは傾斜板
を具備した振動型形式等の装置を用いることができる。
【0025】第2及び第3の製造方法により得られる粒
状の硫黄組成物は、個々の粒子の強度が高く、これらの
粒度を調整することができるため、建設用材料として適
すると共に、採石等と同様に使用することが可能であ
る。また、基本的に硫黄により周囲の水との接触が遮断
されているため、内部に混合した無機系資材が直接外部
に露出することが少なく、含有する有害物質の溶出をあ
る程度抑制することができる。またこのような硫黄組成
物は、セメント系材料、例えば、セメント、コンクリー
ト、石膏等と混合する際に、その硬化や最適含水比に影
響を与えない。
【0026】従来、セメント系材料と焼却灰とを用いて
硬化物を得る場合には、ポゾラン反応、サルホポゾラン
反応等により硬化させることが可能であるが、含水比を
最適値に整えることが重要である。特に、吸水性の高い
都市ごみの焼却灰を混合する際は、水分の調整が非常に
困難である。例えば、都市ごみの焼却灰を乾燥させて混
合した場合は、該焼却灰がセメント質混合物より水分を
吸収するため水分が不足し、湿潤状態の都市ごみの焼却
灰を混合した場合は、セメント質混合物の水分が余剰と
なり、いずれの場合も建設資材としての性能を損なう恐
れがある。そればかりか、有害物質を含有した骨材が水
分を吸収すると膨脹するため、骨材としての使用が不可
能となる。本発明の硫黄組成物では、このような有害物
質を含有するような骨材を、硫黄を用いて無害化するこ
とで、該骨材の再生利用に大きく道を開くことができ
る。
【0027】本発明により得られる硫黄組成物は、成型
体であれば、任意の構造を作製可能な特性を生かし、パ
ネル材、床材、壁材、瓦、水中構造物等として利用で
き、粒状物であれば、埋立材、路盤材、盛土材、コンク
リート用骨材等として利用できる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって具体的に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。なお、例中で作製した各結合材や成型物について、
以下に示す方法に従い各測定及び評価を行なった。これ
らの結果を表1〜3に示す。 圧縮強度:φ2.5×6.25cmの円筒検体を作製
し、作成後7日目に30トン加圧テンシロン圧縮強度測
定器を使用して測定した。また、破砕までに検体が縮ん
だ率を歪み率とした。 吸水率:φ2.5×6.25cmの円筒検体を作製し、
常温の水中に一定時間浸積後に取り出し、表面の水分を
拭き取った後、質量変化を計測し、質量増加分を水分量
として計算した。 耐硫黄酸化細菌性:500mlバッフル(ヒダ)付きフラ
スコに、2cm×2cm×4cmの角柱検体及び培養液
(NH4Cl:2.0g、KH2PO4:4.0g、MgC
2・6H2O:0.3g、CaCl2・2H2O:0.3
g、FeCl2・4H2O:0.01g、イオン交換水:
1.0リットル、塩酸でpH3.0に調整)100ml
を入れ、種菌(硫黄酸化細菌:Thiobacillus thiooxidan
s IFO 12544)を植菌後、28℃恒温室内で回転振とう培
養(170rpm)し、植菌後からのpH変化及び試料状
態を調べた。硫黄酸化細菌により硫黄が資化されると、
硫酸イオンが生成し、pHが低下する。 難燃性:消防法における危険物第2類(可燃性固体)の評
価のための着火性試験(小ガス炎着火試験)に準拠(第1
種可燃性固体:3秒以内に着火し、かつ、燃焼を継続
(10秒以上)するもの、第2種可燃性固体:3秒を超え
て10秒以内に着火し、かつ、燃焼を継続するもの、危
険性なし:10秒を超えて着火するもの、及び、燃焼を
継続しないもの)して評価した。
【0029】実施例1 撹拌混合槽の中に、固体硫黄950gを入れ、120℃
で溶解後、130℃に保持した。その時の粘度をB型粘
度計で測定したところ0.002Pa・sであった。続
いて、約50℃に加熱溶解したジシクロペンタジエン5
0gをゆっくりと添加し、約5分間静かに撹拌して温度
上昇のないことを確認してから、140℃まで昇温し
た。反応が開始され、次第に粘度が上昇し、約5時間で
粘度が0.1Pa・sに達したところで直ちに加熱を停
止し、適当な型又は容器に流し込んで室温で冷却し、結
合材Aを得た。次いで、高炉スラグ670g及び石炭灰
130gを140℃で予熱した骨材と、結合材A200
gを130℃に再加熱して溶解した溶解物とを、140
℃に保った混練機内にほぼ同時に投入した。続いて20
分間混練し、これを直径5cm、高さ10cmの円柱型
に流し込んで冷却し、検体を作製した。この検体を成型
物Aとする。
【0030】実施例2 硫黄の量を900g、ジシクロペンタジエンの量を10
0gとした以外は、全て実施例1と同様に操作して、対
応する結合材B及び成型物Bを調製した。
【0031】実施例3 硫黄の量を800g、ジシクロペンタジエンの量を20
0gとした以外は、全て実施例1と同様に操作して、対
応する結合材C及び成型物Cを調製した。
【0032】比較例1 硫黄の量を1000gとし、ジシクロペンタジエンを使
用しなかった以外は、全て実施例1と同様に操作して、
ジシクロペンタジエンを含有しない結合材D及び成型物
Dを調製した。
【0033】実施例4 120℃に加熱して溶解した硫黄190gと、約50℃
に加熱溶解したジシクロペンタジエン10gと、140
℃で予熱しておいた高炉スラグ670g及び石炭灰13
0gとを、140℃に保った混練機内にほぼ同時に投入
した。そのまま約5分間混練後、150℃まで温度上昇
し、150℃に達した後、引き続き60分間混練した。
これを直径2.5cm、高さ10cmの円柱型に流し込
んで冷却し、検体としての成型物Eを作製した。製造ま
でに要した時間は65分間であった。
【0034】実施例5 硫黄の量を180g、ジシクロペンタジエンの量を20
gとした以外は、全て実施例4と同様に操作して、対応
する成型物Fを調製した。製造までに要した時間は65
分間であった。
【0035】実施例6 硫黄の量を160g、ジシクロペンタジエンの量を40
gとした以外は、全て実施例4と同様に操作して、対応
する成型物Gを調製した。製造までに要した時間は65
分間であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表1の結果より、実施例1〜6で得られた
硫黄結合材及び硫黄成型物は、比較例1の硫黄結合材及
び硫黄成型物より圧縮強度が高いか、あるいは歪み率が
大きく良好であった。また、吸水率も非常に小さく良好
であった。表2の結果より、実施例1及び実施例4で得
られた硫黄結合材及び硫黄成型物は、比較例1の硫黄結
合材及び硫黄成型物よりpH低下が小さく、耐硫黄酸化
細菌性が高いことが判った。表3の結果より、実施例1
〜6で得られた硫黄成型物は、着火性が認められた比較
例1の硫黄成型物と異なり、全て着火性がなく良好であ
ることが判った。また、上記の実施例及び比較例で作製
した、成型物A〜Gをビーカー中に浸積し、30日後に
色の変化を観察した。その結果、比較例1で調製した成
型物Dのみ溶液は黄色に着色し、黄濁水の発生が観察さ
れた。実施例で調製した各成型物は、無色透明で変化が
見られなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の硫黄組成物の製造方法では、硫
黄とジシクロペンタジエンとを特定割合で、特定条件下
に溶融混合し、冷却する方法を採用するので、例えば、
一般及び産業廃棄物等の骨材に、機械的強度、遮水性、
耐着火性及び耐硫黄酸化細菌性等を付与しうる硫黄結合
材としての硫黄組成物を容易な反応制御により効率良く
得ることができる。また本発明の他の硫黄組成物の製造
方法では、前記硫黄結合材としての硫黄組成物、若しく
は硫黄及びジシクロペンタジエンと、骨材とを特定の条
件下に溶融混合して、冷却する方法を採用するので、骨
材が一般及び産業廃棄物等である場合でも、機械的強
度、遮水性、耐着火性、耐硫黄酸化細菌性等が良好で、
土木・建設資材としての要求性能を十分充たす硫黄組成
物を、簡便な制御により容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊田 文雄 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 田中 祐一 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 橋本 博 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J030 BA05 BB18 BC02 BF09 BF12 BF15 BG34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄と、該硫黄100質量部に対して2
    〜20質量部の割合のジシクロペンダジエンとを135
    〜155℃で溶融混合し、得られる溶融物の140℃に
    おける粘度が、0.05〜1.2Pa・sになった後に
    135℃以下に冷却することを特徴とする硫黄組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 硫黄と、該硫黄100質量部に対して2
    〜20質量部の割合のジシクロペンダジエンとを135
    〜155℃で溶融混合し、得られる溶融物の140℃に
    おける粘度が、0.05〜1.2Pa・sになった後に
    135℃以下に冷却して得た硫黄結合材と、骨材とを、
    質量比で1〜5:5〜9の割合で135〜155℃の温
    度下、該硫黄結合材の140℃における粘度を0.05
    〜1.2Pa・sの範囲内に維持しながら溶融混合した
    後、135℃以下に冷却することを特徴とする硫黄組成
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】 硫黄、ジシクロペンタジエン及び骨材
    を、135〜155℃で0.5〜5時間溶融混合し、硫
    黄をジシクロペンタジエンで変性して硫黄結合材とする
    と共に骨材と十分混合した後、135℃以下に冷却する
    ことを特徴とする硫黄組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジシクロペンタジエンの仕込み割合が、
    硫黄100質量部に対して2〜20質量部であり、得ら
    れる硫黄結合材と骨材との質量比が1〜5:5〜9であ
    ることを特徴とする請求項3記載の硫黄組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 硫黄とジシクロペンタジエンとを先に溶
    融混合した後に、骨材を混合して、更に溶融混合するこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載の硫黄組成物の製造
    方法。
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