JP2006062296A - 熱転写受容シート - Google Patents

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弘徳 上山
Yuji Kuwabara
祐司 桑原
Hirotoshi Suetsugu
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Abstract

【課題】 本発明は、容易に撓ませたり、伸縮させたりすることが可能な優れた柔軟性を有する熱転写受容シートを提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成されたインキ受容層と、上記基材の他方の表面上に形成された粘着剤層と、上記粘着剤層の外表面上に貼着されたセパレータとを備えた熱転写受容シートであって、上記基材が、オレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えてなることを特徴とする熱転写受容シートを提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えた熱転写受容シートに関するものである。
従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。熱転写方法は、基材の一方の面にインキ受容層が設けられた熱転写受容シートと、熱転写リボンとを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写リボンの色材を選択的に熱転写受容シート上に転写する方法である。
熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた記録層を基材に担持させた熱転写リボンを用い、サーマルヘッド等の加熱手段によってエネルギーを印加し、熱転写受容シートのインキ受容層に色材を転写する方法である。溶融転写方式は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する色材を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた記録層を基材に担持させた熱転写リボンを用い、サーマルヘッド等の加熱手段によってエネルギーを印加し、熱転写受容シートのインキ受容層に色材を転写する方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて色材の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、一般的には使用する色材が染料であるため、形成される画像等には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。
熱転写方法に用いられる色材に対する受容性が高いインキ受容層を備えた熱転写受容シートとして、例えば特許文献1には、アスペクト比が2〜1000である微細な突起を3次元方向に有すると共に平均粒子径0.1〜10μmである微粒子顔料をインキ受容層中に含有させた熱転写受容シートが記載されている。また、特許文献2には、特定の物性を有するポリオレフィン合成樹脂フィルム、すなわち、白色度が90%以上で、表面の中心線平均粗さが0.3〜0.55μmで、32kg/cmの応力に対する圧縮率が15〜30%の範囲内のポリオレフィン合成樹脂フィルムに0.2〜20μmの肉厚のインキ受容層が設けられた熱転写受容シートが記載されている。
また、特許文献3には、固形分の総量100重量部に対してガラス転移点50〜100℃の熱可塑性樹脂を70〜95重量部、滑剤を5〜20重量部含有するインキ受容層が基材表面に設けられた熱転写受容シートが記載されている。また、特許文献4には、石油樹脂又はテルペン樹脂を3〜60重量部含有する熱可塑性樹脂フィルムの表面にインキ受容層が形成された記録受容シートが記載されている。また、特許文献5には、石油樹脂の含有量が3〜60重量%である熱可塑性樹脂フィルムに石油樹脂の含有量が3重量%未満の熱可塑性樹脂フィルムを積層して支持体とし、この支持体上にインキ受容層を形成した熱転写受容シートが記載されている。
このような熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は多岐にわたっているが、例えば、基材の片面に粘着剤層が形成され、この粘着剤層の外表面にセパレータが貼着された構造を有する熱転写受像シートがある。このような熱転写受像シートは、所望の文字、図形等を印刷した後に、セパレータを剥離して粘着剤層を露出させ、任意の被着体上に貼付することができる。
しかしながら、従来の熱転写受容シートは比較的柔軟性が乏しく、表面が曲面となっている被着体や表面に湾曲部を有する被着体に貼付する際に、適当な密着性が保てないといった問題点があった。
特許第2535371号公報 特許第2555342号公報 特許第2940673号公報 特許第3262837号公報 特許第3344433号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、インキ受容層を有し、かつ基材の片側に粘着材層を備えた熱転写受容シートであって、さらに、容易に撓ませたり、伸縮させたりすることが可能な優れた柔軟性を有する熱転写受容シートを提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明者らは、基材の構成成分および層構成を鋭意検討した結果、オレフィン系樹脂を用いた支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分を用いた弾性層とを備えた基材を使用することにより、熱転写受容シートの柔軟性を向上させることができることを新たに見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成されたインキ受容層と、上記基材の他方の表面上に形成された粘着剤層と、上記粘着剤層の外表面上に貼着されたセパレータとを備えた熱転写受容シートであって、上記基材が、オレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えてなることを特徴とする熱転写受容シートを提供する。
本発明によれば、上記基材がオレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えることより、柔軟性に優れ、曲面にも貼付可能な熱転写受容シートを得ることができる。
また、上記発明においては、上記基材が、上記弾性層の両面に前記支持層を備えてなることが好ましい。上記弾性層の両面に上記支持層を備えることで、成膜の際に皺がよりにくくなり、加工性が向上するからである。
また、上記発明においては、上記支持層および弾性層が、同一のオレフィン系樹脂からなることが好ましい。同一のオレフィン系樹脂を使用することにより、基材の密着性が向上するからである。
また、上記発明においては、上記オレフィン系樹脂がポリエチレンであることが好ましい。ポリエチレンは適度な柔軟性を有しており、良好な熱転写受容シートを得ることができるからである。
本発明によれば、熱転写に用いられる色材等に高い受容性を有するインキ受容層を備え、かつ粘着材層およびセパレータを備え、さらに基材が優れた柔軟性を備えていることから、高品質な画像等を得られ、かつ曲面等にも貼付可能な熱転写受容シートを得ることができ、熱転写受容シートの用途の可能性を拡大することが可能となった。
本発明は、熱転写受容シートに関するものである。本発明の熱転写受容シートは、基材と、上記基材の一方の表面上に形成されたインキ受容層と、上記基材の他方の表面上に形成された粘着剤層と、上記粘着剤層の外表面上に貼着されたセパレータとを備えた熱転写受容シートであって、上記基材が、オレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、基材がオレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えることより、柔軟性に優れ、曲面にも貼付可能な熱転写受容シートを得ることができる。
次に、本発明の熱転写受容シートについて図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の熱転写受容シートの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の熱転写受容シートは、基材1と、上記基材の一方の表面上に形成されたインキ受容層2と、上記基材1の他方の表面上に形成された粘着剤層3と、上記粘着剤層の外表面上に貼着されたセパレータ4とを備えたものである。基材1が優れた柔軟性を有することから、曲面等にも貼付可能な熱転写受容シートを得ることができる。
以下、このような熱転写受容シートの各構成について説明する。
1.基材
本発明に用いられる基材は、オレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えてなることを特徴とするものである。
まず、本発明に用いられる基材の層構成について説明する。本発明に用いられる基材は、上述した弾性層および支持層を備えてなるものであり、かつ、優れた柔軟性を有する熱転写受容シートを得ることができるものであれば、基材の層構成は任意に選択することができる。本発明においては、中でも(1)基材が弾性層と支持層との2層構造である態様、および(2)基材が弾性層の両面に支持層を備えてなる3層構造である態様をコスト面等から好ましい態様として挙げることができる。本発明においては、これらの態様をそれぞれ第1態様、第2態様と呼ぶことにする。なお、本発明に用いられる上記基材の層構成としては、上述した態様に限られるものではなく、例えば支持層や弾性層が複数積層されている構造を有していても良い。
(1)第1態様
本態様において、上記基材は弾性層および支持層の2層構造を有する。本態様においては、弾性層および支持層の配置は特に限定されるものではなく、例えば、図2に示すように、基材1が接着剤層3から順に支持層5、弾性層6と積層された構造であっても良く、また、図3に示すように、基材1が接着剤層3から順に弾性層6、支持層5と積層された構造であっても良い。弾性層および支持層の配置は、熱転写受容シートの使用方法によって適宜選択されることが好ましい。以下、このような基材を構成する弾性層および支持層について詳細に説明する。
(i)弾性層
本態様に用いられる弾性層は、オレフィン系樹脂およびゴム成分から形成されるものであり、上記ゴム成分としては、特に限定されるものではなく、粒子として存在していても良く、オレフィン系樹脂中にゴム成分が分散し海島構造としたものでも良く、さらにはブロック共重合体として存在していても良い。上記弾性層は本発明の熱転写受容シートの柔軟性に大きく寄与する層であり、上記弾性層中に含まれるゴム成分が、その中心的な役割を果たす。
(オレフィン系樹脂)
本態様に用いられるオレフィン系樹脂は、上記特性を有する基材を得ることができれば特に限定されるものではないが、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を挙げることができる。上記オレフィン系樹脂の中でも、本態様においては、ポリエチレンを使用することが好ましい。ポリエチレンは適度な柔軟性を有しており、良好な弾性層を得ることができるからである。
また、本態様に用いられるオレフィン系樹脂は、弾性層中に5〜80質量%、中でも10〜50質量%含まれていることが好ましい。
(ゴム成分)
本態様に用いられるゴム成分は、弾性層の柔軟性に最も寄与する部材である。本態様に用いられるゴム成分は、通常、弾性層の中において上述したオレフィン系樹脂に結果として分散あるいは海島構造で存在している。
また、例えば上記ゴム成分が粒子とした場合の粒径は、0.1〜5μm、中でも0.1〜1μmであることが好ましい。
このようなゴム成分としては、具体的には、スチレン−ブタジエン系やスチレン−イソプレン系等のスチレン系熱可塑性エラストマー;イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム等のジエン系ゴム;エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、中でもスチレン系ゴムのスチレン−ブタジエンゴムを使用することが好ましい。
また、本態様に用いられるゴム成分は、弾性層中に5〜80質量%、中でも10〜50質量%含まれていることが好ましい。
(添加剤)
また、本態様に用いられる弾性層には、必要に応じて、着色剤、充填材、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤等の添加剤を添加することができる。着色剤としては、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー等の有機顔料;弁柄、黄鉛、群青、カーボンブラック、チタン白、アンチモン白、鉛白等の無機顔料等を用いることができる。本発明の熱転写受容シートにおいては、一般的に被着体の色を十分に隠蔽することができるチタン白等の白色顔料を使用することが好ましい。上記着色剤の添加量は、基材全体に対して0〜20質量%であることが好ましい。
また、上記充填材としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を挙げることができ、平均粒径0.1〜10μm程度の粉末を使用することが好ましい。上記充填材の添加量は、基材全体に対して0〜20質量%であることが好ましい。
(弾性層の膜厚)
また、本態様に用いられる弾性層の膜厚は、後述する支持層の膜厚や基材の層構成を考慮して適宜選択されるものである。具体的には、0.1〜100μm、中でも1〜50μmであることが好ましい。
(弾性層の製造方法)
本態様に用いられる弾性層の製造方法としては、所望の弾性層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば、上記オレフィン系樹脂およびゴム成分を溶融混練し、押出し成形法、カレンダー法等によって、シート状またはフィルム状に加工する方法が挙げられる。このとき、延伸するか否かは適宜選択することができ、例えば延伸する場合には、1軸延伸もしくは2軸延伸を適用することができる。
なお、本発明において上記弾性層は、これらのオレフィン系樹脂を1種類使用するものであっても良く、2種類以上を使用するものであっても良い。
(ii)支持層
次に、本態様に用いられる支持層について説明する。本態様に用いられる支持層は、オレフィン系樹脂から形成されるものである。上述した弾性層はゴム成分を有しており柔軟性に優れている反面、本発明の熱転写受容シートの製造工程において、所望の寸法を得ることが困難になったり、基材の膜厚が不均一になったりする場合がある。そこで、上記支持層を使用することにより、基材全体としての剛性を確保し、加工性等を向上させることができ、製造時の不具合を大幅に減少させることができる。
このような支持層に用いられるオレフィン系樹脂の種類は、上述した弾性層に用いられるオレフィン系樹脂と同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、密着性の観点から、上記支持層に用いられるオレフィン系樹脂は、上記弾性層で用いられるオレフィン系樹脂と同一のものを使用することが好ましい。
また、本発明に用いられる支持層の製造方法、および使用される添加剤の種類に関しては、上述した弾性層に用いられる添加剤と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、上記支持層の膜厚に関しては、上述した弾性層と同様、基材の層構成等を考慮して適宜選択されるものであり、具体的には、10〜100μm、中でも20〜60μmであることが好ましい。基材中の弾性層の割合がシートの柔軟性に起因するため、多ければより柔らかくなるが、逆に耐熱性等を損なう恐れがあるため、シートの80%程度、つまりは10〜100μmの範囲が好ましい。
(iii)基材の膜厚
本発明に用いられる基材全体の膜厚としては、30μ〜120μmであることが好ましい。上記膜厚が120μmよりも大きい場合には、熱転写受容シートが厚くなりすぎて柔軟性が失われてしまう可能性があり、逆に、上記膜厚が30μmよりも小さい場合には成膜が困難になる、強度が弱くなる、基材の隠蔽性が乏しくなる等の可能性があるからである。
(iv)基材の弾性率
本態様に用いられる基材は、本発明の熱転写受容シートの柔軟性を決定する重要な部材である。上記基材の弾性率としては、良好な柔軟性を有する熱転写受容シートを得ることができれば特に限定されるものではないが、具体的には基材全体として200〜600MPaであることが好ましく、中でも200〜350MPaであることがより好ましい。上記弾性率が600MPaを超えると、表面が曲面となっている被着体や表面に湾曲部を有する被着体に貼付する際に、皺がよったり、被着体に貼付した後に局所的に剥がれてしまったりという不都合が生じる可能性があり、逆に、上記弾性率が200MPa未満になると、カレンダーロール機等を用いて基材を分出(シーティング)する際に、切れたり変形したりする可能性があるからである。
なお、本明細書における弾性率は、JIS−K7113のプラスチックの引張試験方法により測定された値を意味する。具体的には、2号形試験片の形状に加工した基材について、25℃、引張速度50mm/min、つかみ具間距離80mmの条件の下に引張試験を行って測定されたデータをもとに算出される値である。
(v)基材の製造方法
本発明に用いられる基材の製造方法としては、上述した性質を有する基材を得ることができれば特に限定されるものではなく、例えば、一般的な共押し出し法であっても良く、支持層および弾性層を上述した方法により別々にシートとして形成し、これらのシートを貼り合わせる方法等であっても良い。
(2)第2態様
本態様において、上記基材は弾性層の両面に支持層を備えた3層構造を有する。図4に示すように、基材1が接着剤層3から順に支持層5、弾性層6、支持層5と積層された構造であり、上記弾性層の両面に支持層を備えることで、成膜の際に膜に皺がよりにくくなり、加工性が向上するという利点を有する。
本態様において(i)弾性層、(ii)支持層、(iii)基材の膜厚、および(iv)基材の弾性率は、第1態様で記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。また、(v)基材の製造方法に関しても、上記弾性層の両面に上記支持層を形成すること以外は、第1態様と同様であるのでここでの説明は省略する。
2.インキ受容層
次に本発明に用いられるインキ受容層について説明する。本発明に用いられるインキ受容層は、熱転写を行う際に熱転写リボン等の転写材に接し、サーマルヘッド等によって加熱された色材が転写される層である。
本発明に用いられるインキ受容層の膜厚としては、良好な色材受容性を発揮することができるのであれば特に限定されるものではないが、具体的には1〜10μmの範囲内にあることが好ましい。
また、このようなインキ受容層は、通常、樹脂成分および滑剤を含有するものである。
(樹脂成分)
上記樹脂成分は、一般的な熱転写受容シートの樹脂成分として使用されているものであれば特に限定されるものではないが、ガラス転移点が50〜80℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移点が50℃未満であるときは高温保存時に熱転写受容シートがブロッキングを起こす可能性があり、ガラス転移点が80℃を超えると低温環境下で転写を行うのが困難になる可能性があるからである。
また、上記樹脂成分の分子量については、使用する熱転写受容シートの用途や性能に併せて適宜選択されることが好ましい。
このような樹脂成分としては、一般的な熱転写受容シートの樹脂成分として使用されているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびそれらを変性させた樹脂等が挙げられる。中でも変性ポリエステル樹脂を使用することが好ましく、具体的には、ポリエステルウレタン、ポリエステルエポキシ、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド等を挙げることができる。これらの樹脂を用いた熱転写受容シートは、低温環境下でも良好な転写が可能で、高温環境下においてもブロッキングが起き難いことから好適に使用される。
また、上記インキ受容層における上記樹脂成分の含有量としては、色材層中に80〜95質量%含有されていることが好ましい。樹脂成分が上記範囲内にあれば、熱転写リボン等から転写される色材に対して高い受容性を示すことができるからである。
また、本発明においては、上述した樹脂成分1種類のみを使用しても良く、2種類以上を混合して使用しても良い。
(滑剤)
本発明に用いられる滑剤は、熱転写を行う際に、熱転写リボン等の走行性を良好に保つために用いられるものである。上記滑剤としては、インキ受容層の色材受容性を阻害せず、熱転写リボン等の走行性を良好に保つことができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には炭酸カルシウム、シリカ、および硫酸バリウム等の無機系滑剤;ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ワックス類(脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アマイド等)、および高級脂肪酸の金属塩(ステアリン酸亜鉛)等の有機系滑剤;が挙げられる。中でもシリカおよび脂肪酸アマイドを使用することが好ましい。
また、上記滑剤の含有量は、上記樹脂成分に対して7〜20質量%、中でも7〜15質量%であることが好ましい。滑剤が上記範囲内にあれば、熱転写リボン等の走行性を良好に維持できるからである。
また、本発明においては、上述した滑剤1種類のみを使用しても良く、2種類以上を混合して使用しても良い。なお、上記走行性の観点から、上述した有機系滑剤および無機系滑材を併用して使用することが好ましい。
(その他の添加剤)
また、本発明に用いられるインキ受容層は、上述した部材の他にも、顔料等を含んでいても良い。インキ受容層の表面を粗面化又は多孔質化することができ、インキ受容層の色材受容性が向上するからである。さらに、必要に応じてバインダー、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等を含有させても良い。
(インキ受容層の製造方法)
本発明に用いられるインキ受容層の製造方法としては、良好な色材受容性を有するインキ受容層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば、上述した樹脂成分および滑剤を、溶媒に分散もしくは溶解させた塗工液を使用する湿式塗工法により塗工し、形成した塗膜を乾燥させる方法がある。具体的な湿式塗工法としては、グラビアロール法、コンマコート法、またはバーコート法等が挙げられる。なお、上記溶媒としては、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;トルエン;キシレン;ヘキサン;シクロヘキサン;水等を挙げることができる。また、本発明においては、インキ受容層の色材受容性を向上させるために、インキ受容層の表面にコロナ放電処理、オゾン処理等を施しても良い。
3.粘着剤層
次に本発明に用いられる粘着材層について説明する。
本発明に用いられる粘着材層は、基材表面に形成され、被着体と接着する層である。上記粘着剤層は、用途に応じて、基材全面に形成されていても良く、所望箇所のみ選択的に形成されていても良い。
本発明に用いられる粘着材層の原料としては、一般的な粘着材層に使用されているものであれば特に限定されるものではないが、例えば(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体;(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体等のアクリル系粘着剤;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の合成ゴム系粘着剤;天然ゴム系粘着剤等を挙げることができる。また、必要に応じて、これらに粘着付与剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等が添加されていても良い。なお、本明細書でいう「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートまたはアクリレートを意味するものである。
本発明に用いられる粘着材層の膜厚は、良好な接着力を有する粘着材層を形成することができれば特に限定されるものではないが、具体的には5〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記粘着材層の形成方法としては、良好な粘着力を有する粘着材層を形成することができれば特に限定されるものではないが、例えば、基材表面に直接塗工する方法、転写方式等を挙げることができ、中でも転写方式が好ましい。
上記転写方式とは、上述した粘着剤の原料を溶媒に溶解または分散させた粘着材層用塗工液を、後述するセパレータに塗工して塗膜を形成し、この塗膜が基材表面と対向するようにセパレータを配置し、上記塗膜を基材表面に積層(転写)する方法である。上記転写方式は、セパレータ上で塗膜の乾燥や架橋を行なうことができるので、基材やインキ受容層が熱変形を考慮せずに、十分な熱を加えて塗膜の乾燥や架橋を行うことができるという利点を有する。なお、上記セパレータへの粘着材層形成用塗工液の塗工方法としては、例えばコンマコート法、ロールコート法を挙げることができる。
4.セパレータ
次に本発明に用いられるセパレータについて説明する。
本発明に用いられるセパレータは、粘着材層の外表面上に貼着され、粘着材層が不用意に他の物質に接着したり、熱転写受容シートを巻き取ったときにブロッキングが生じたりすることを防止するための部材であり、熱転写受容シートの使用時まで粘着材層に仮接着される。
このようなセパレータとしては、一般的に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、例えば上質紙、リンター紙、硫酸紙、グラシン紙、クラフト紙、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等を挙げることができる。また、これらの部材の表面を加工したものであっても良く、例えば、上記部材の両面または片面を炭酸カルシウムおよびタルクでコーティングしたものを挙げることができる。
本発明に用いられるセパレータの膜厚は、一般的に使用されるセパレータに用いられるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には12〜75μmの範囲内であることが好ましい。なお、一般的に上記セパレータは表面にシリコーン樹脂等の離型剤が塗工され、粘着材層に貼着される。本発明においては、上述した部材の両面を炭酸カルシウムおよびタルクでコーティングし、さらに有機シリコーンを有する離型層を備えたセパレータが好適に使用される。
5.その他の層について
また、本発明の熱転写受容シートは、易接着プライマー層を有していても良い。易接着プライマー層は、基材とインキ受容層との間に設けられて、これらの密着性を向上させる役割を果たす。このような易接着プライマー層の原料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレンイミン、アルキルチタネート等を使用することができる。また、必要に応じて着色剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤等を含有させることもできる。
上記易接着プライマー層は、例えば、上述の材料を溶媒に溶かした塗工液を作製し、上述したインキ受容層の作製方法と同様の方法を用いて作製される。また、上記易接着プライマー層の膜厚は1〜3μm程度の範囲内で適宜選択されることが好ましい。
また、本発明の熱転写受容シートは、上記第1態様に記載した着色剤等を用いて、被着色体の色を隠蔽することができる隠蔽層を設けても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
40mmφのTダイ押出し成形機により、ダイス温度230℃の条件で、支持層としてポリエチレンを用い、弾性層として支持層と同一のポリエチレンにゴム成分としてスチレン成分を20%含有させたスチレン−ブタジエン系の組成物を用いて、上記支持層および弾性層の膜厚がそれぞれ45μmであり、計90μmの膜厚を有する2種2層の結晶性ポリエチレンの透明フィルム基材を作製した。
次に、上記透明フィルム基材の支持層側の表面にグラビアコート法により塗布量2g/mでポリエステル樹脂を塗布しインキ受容層を設けた。さらに、上記透明フィルム基材の弾性層側の表面にグラビアコート法により塗布量2g/mで白色インキを塗布し隠蔽層を設けた。また、セパレータとして30g/mの紙の両面に10μmのクレーコート(炭酸カルシウムおよびタルクを処理したもの)したものを用い、このセパレータの片面にコンマコート法により塗布量20g/mでアクリル系粘着剤を塗布し粘着剤層を設け、この粘着材層を上記隠蔽層とラミネートすることにより熱転写受容シートを得た。
[実施例2]
隠蔽層を設けないこと以外は、上記実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
[比較例1]
基材として、ポリエチレンのみからなる膜厚90μmの透明フィルム基材を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
[評価]
熱転写リボン(リコー製110−A)を備えたサーマルプリンター(サトー社製MR410e)を用いて、上述した実施例および比較例で作製した熱転写受容シートに印字を行う印字性評価、上記熱転写受容シートを100%伸ばす柔軟性評価、および直径10cmの球体被着物に貼着し経時貼着を観察する貼着性評価を行った。
その結果、印字性評価において上記熱転写受容シート全てに関して良好な結果を得られたものの、柔軟性評価において実施例1、2の熱転写受容シートはネッキングを起こさなかったのに対して比較例1の熱転写受容シートはネッキングを起こした。さらに、貼着性評価においては、実施例1、2の熱転写受容シートは1ヶ月後においても良好な貼着状態を維持していたのに対して、比較例1の熱転写受容シートは室温3日後に剥がれが生じていた。これらのことから、本発明の熱転写受容シートは、優れた印字性、柔軟性および貼着性を有していることが確認された。
本発明の熱転写受容シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受容シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受容シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受容シートの他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … インキ受容層
3 … 粘着剤層
4 … セパレータ
5 … 支持層
6 … 弾性層

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の一方の表面上に形成されたインキ受容層と、前記基材の他方の表面上に形成された粘着剤層と、前記粘着剤層の外表面上に貼着されたセパレータとを備えた熱転写受容シートであって、
    前記基材が、オレフィン系樹脂で形成された支持層と、オレフィン系樹脂およびゴム成分で形成された弾性層とを備えてなることを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記基材が、前記弾性層の両面に前記支持層を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記支持層および弾性層が、同一のオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記オレフィン系樹脂がポリエチレンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の熱転写受容シート。

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