JP2006015560A - 記録用受容シート - Google Patents

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弘徳 上山
Yuji Kuwabara
祐司 桑原
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Abstract

【課題】 固相のインキに対して受容性を有するインキ受容層を備え、撓ませたり伸縮させたりすることが容易な記録用受容シートを提供する。
【解決手段】 インキ受容層にキャラクタや絵柄を印刷又は転写するにあたって、固相のインキ層を備えた転写材に接触させた状態で該転写材を選択的に加熱するタイプの記録用受容シート10を構成するにあたって、オレフィン系樹脂で形成された弾性率600MPa以下の基材1上に上記のインキ受容層5を設けることにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図1







Description

本発明は記録用受容シートに関し、更に詳しくは、固相のインキ層を備えた転写材に接触させつつ該転写材を選択的に加熱することによって、前記インキ受容層に文字や図形(以下、文字及び図形を「キャラクタ」と総称する。)あるいは絵柄を印刷又は転写することができる記録用受容シートに関する。
今日では、識別、広告、装飾、宣伝等のためのキャラクタや絵柄を印刷したシートが、種々の用途の容器、文具、筐体、車輌、建造物等の表面に貼付されている。
このようなシート(以下、「貼着シート」という。)は、例えば、片面に粘着剤層が形成されていると共にこの粘着剤層が離型シートによって覆われている記録用受容シートを用意し、この記録用受容シートに所望のキャラクタや絵柄を印刷してから離型シートを剥離して、被着体上に貼付される。
上記の記録用受容シートとしては、紙製の基材を有し、この基材にキャラクタや絵柄を直接印刷するタイプのものも知られているが、耐水性や機械的強度等が高い貼着シートを得るという観点から、今日では、フィルム状又はシート状の樹脂製基材を用いたものが多用されている。樹脂製基材を用いた記録用受容シートでは、樹脂製基材における厚さ方向の一方に面にインキ受容層又は感熱記録層が形成されおり、キャラクタや絵柄は、例えばプリンタによってインキ受容層又は感熱記録層に印刷ないし転写される。樹脂製基材を用いた記録用受容シートにおいても、樹脂製基材の厚さ方向の他方の面には、被着体に容易に貼付することができるように、粘着剤層及び当該粘着剤層を覆う離型シートが一般に設けられている。
インキ受容層を備えた記録用受容シートは、感熱記録層を備えた記録用受容シートに比べて、キャラクタや絵柄の変色が長期に亘って抑制される貼着シートを作製し易いという利点を有しており、液相のインキ(水性や油性のインキ)に対する受容性が高いインキ受容層を備えたものと、固相のインキ(熱転写リボンや昇華転写リボン等で使用されているインキ)に対する受容性が高いものとに大別することができる。このうち、固相のインキに対する受容性が高いインキ受容層を備えた記録用受容シートは、比較的簡単な構造のプリンタによりキャラクタや絵柄を印刷ないし転写することができ、かつ、プリンタの小型化も容易であることから、家庭や職場等で識別ラベルや内容表示ラベルを作製するための材料としても用いられている。
固相のインキに対する受容性が高いインキ受容層を備えた記録用受容シートとして、例えば特許文献1には、アスペクト比が2〜1000である微細な突起を3次元方向に有すると共に平均粒子径が0.1〜10μmである微粒子顔料をインキ受容層(受像層)中に含有させた記録用受容シート(熱転写記録用受像シート)が記載されている。
また、特許文献2には、特定の物性を有するポリオレフィン合成樹脂フィルム、すなわち、白色度が90%以上で、表面の中心線平均粗さが0.3〜0.55μmで、32kg/cm の応力に対する圧縮率が15〜30%の範囲内のポリオレフィン合成樹脂フィルムに0.2〜20μmの肉厚のインキ受容層(画像受容層)が設けられた記録用受容シート(熱転写記録用画像受像シート)が記載されている。
特許文献3には、固形分の総量100重量部に対してガラス転移点50〜110℃の熱可塑性樹脂を70〜95重量部、滑剤を5〜20重量部含有するインキ受容層(熱転写受容層)が基体表面に設けられた記録用受容シート(被情報記録媒体)が記載されている。
特許文献4には、石油樹脂又はテルペン樹脂を3〜60重量部含有する熱可塑性樹脂フィルムの表面にインキ受容層(熱転写受容層)が形成された記録用受容シート(感熱転写画像記録シート)が記載されている。
そして、特許文献5には、石油樹脂の含有量が3〜60重量%である熱可塑性樹脂フィルムに石油樹脂の含有量が3重量%未満の熱可塑性樹脂フィルムを積層して支持体とし、この支持体上にインキ受容層(熱転写画像受容層)を形成した記録用受容シート(感熱転写画像記録シート)が記載されている。
特許第2535371号公報(特許請求の範囲参照) 特許第2555342号公報(特許請求の範囲参照) 特許第2940673号公報(特許請求の範囲参照) 特許第3262837号公報(特許請求の範囲参照) 特許第3344433号公報(特許請求の範囲参照)
しかしながら、インキ受容層を有する従来の貼着シートでは、表面が曲面となっている被着体や表面に湾曲部を有する被着体に貼付する際に、所望形状に変形させ難いことが多々ある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、固相のインキに対して受容性を有するインキ受容層を備え、撓ませたり伸縮させたりすることが容易な記録用受容シートを提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の記録用受容シートは、基材と、該基材上に形成されたインキ受容層とを有し、固相のインキ層を備えた転写材に前記インキ受容層を接触させた状態で前記転写材を選択的に加熱することによって前記インキ受容層にキャラクタや絵柄を印刷又は転写することができる記録用受容シートであって、前記基材が弾性率600MPa以下のオレフィン系樹脂で形成されていることを特徴とする(以下、この記録用受容シートを「記録用受容シートI」ということがある。)。
本発明の記録用受容シートIによれば、基材の弾性率が600MPa以下であるので、撓ませたり伸縮させたりすることが容易な記録用受容シートを得易くなる。
本発明の記録用受容シートIにおいては、前記インキ受容層が変性ポリエステル系樹脂と滑剤とを含み、前記変性ポリエステル系樹脂のガラス転移点が50〜80℃の範囲内にあり、該変性ポリエステル系樹脂に対する前記滑剤の割合が7〜20質量%の範囲内にある(以下、この記録用受容シートを「記録用受容シートII」ということがある。)こと、とすることができる。
この発明の記録用受容シートIIでは、インキ受容層が上記の材料からなるので、例えば熱転写リボンを利用したプリンタを用いて所望のキャラクタや絵柄をインキ受容層に印刷することが可能になる。また、低温環境下でも所望のキャラクタや絵柄をインキ受容層に良好に印刷することが容易になり、かつ、保管中や搬送中の粘りつき(タッキング)を防止することも容易になる。したがって、この記録用受容シートIIによれば、例えば家庭や職場等で識別ラベルや内容表示ラベルを作製するのに好適な記録用受容シートであって、撓ませたり伸縮させたりすることが容易な記録用受容シートを得易くなると共に、信頼性の高い記録用受容シートを得易くなる。
本発明の記録用受容シートI又はIIにおいては、前記基材の裏面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層の外表面に離型シートが接合されていることが好ましい(以下、この記録用受容シートを「記録用受容シートIII」 ということがある。)。ここで、本明細書でいう「基材の裏面」とは、基材における厚さ方向の面のうちで、インキ受容層が設けられている側の面とは反対側の面を意味する。また、「粘着剤層の外表面」とは、粘着剤層における厚さ方向の面のうちで、基材の裏面側の面とは反対側の面を意味する。
本発明の記録用受容シートIII によれば、この印刷シートIII が上記の粘着剤層及び離型シートを有しているので、インキ受容層に所望のキャラクタや絵柄を印刷して貼着シートを得た後、この貼着シートを所望の被着体に貼付することが容易になる。
本発明の記録用受容シートによれば、固相のインキに対して受容性を有するインキ受容層を備え、撓ませたり伸縮させたりすることが容易なものを得易くなるので、インキ受容層に所望のキャラクタや絵柄を印刷することによって作製される貼着シートの用途を拡大することが可能になる。
以下、本発明の記録用受容シートについて、図面を適宜参照して詳述する。
図1は、本発明の記録用受容シートの基本構造を概略的に示す断面図である。図示の記録用受容シート10は、基材1と、基材1上に設けられたインキ受容層5とを必須の構成部材とするものである。以下、これら必須の構成部材(以下、「必須部材」という。)について図1及び後掲の図2を参照して説明し、次いで、任意の構成部材(以下、「任意部材」という。)についても図面を適宜参照して説明する。
I.必須部材;
(1)基材;
基材1は、弾性率が600MPa以下のオレフィン系樹脂によって形成されたフィルム状物又はシート状物であり、この基材1は柔軟性に富む。このため、記録用受容シート10は撓ませたり伸縮させたりし易い。基材1の弾性率が600MPaを超えると記録用受容シート10を変形させ難くなり、この記録用受容シートを用いて作製された貼着シートでは、表面が曲面となっている被着体や表面に湾曲部を有する被着体に貼付する際に皺がよったり、被着体に貼付した後に局所的に剥がれて浮きあがったりし易くなる。
撓ませたり伸縮させたりし易い貼着シートの材料として好適な記録用受容シート10を得るという観点からは、基材1の弾性率を350MPa以下とすることが更に好ましい。基材1の弾性率の下限値は、基材1の作製時の取り扱い易さ等を考慮して決定される。この下限値は、基材1の材料にもよるが、通常200MPa程度である。弾性率が200MPa未満の基材は、カレンダーロール機等を用いて分出(シーティング)して作製する際に、切れたり変形したりしてしまうことがある。
なお、ここでの弾性率は、JIS−K7113のプラスチックの引張試験方法により測定された値を意味する。具体的には、2号形試験片の形状に加工した基材1について、25℃、引張速度50mm/min、つかみ具間距離80mmの条件の下に引張試験を行って測定されたデータをもとに算出される値である。
基材1の材料であるオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は、上述の弾性率を得ることができれば1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。複数種を混合して用いると、基材1の弾性率を調整し易くなる。
弾性率が600MPa以下の基材1を形成するという観点からは、その材料としてオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが特に好ましい。このオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、結晶質オレフィン系樹脂からなるハードセグメントと、非晶質オレフィン系樹脂からなるソフトセグメントとの混合物を用いることができ、その具体例としては、例えば、(A)特開平5−77371号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(B)特開平7−316358号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(C)特公平6−23278号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、等が挙げられる。また、(D)結晶質オレフィン系樹脂からなるハードセグメントと、部分的に架橋したオレフィン系エラストマー(ゴム)からなるソフトセグメントとの混合物であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることもできる。上記(D)のオレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、(D-1)特公昭53−21021号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(D-2)特公昭53−34210号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(D-3)特公昭56−15741号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、等が挙げられる。
上記(A)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしての結晶質ポリプロピレンと、プロピレン成分の質量比率が50質量%以上であるソフトセグメントとしての非晶質ポリオレフィンとを混合した樹脂である。結晶質ポリプロピレンとしては、プロピレン−エチレンランダム共重合体又はプロピレン−1ブテンランダム共重合体等が好ましく挙げられる。非晶質ポリオレフィンとしては、プロピレン−1ブテン−エチレン三元共重合体等が好ましく挙げられる。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、柔軟性に富み、透明性及び機械的強度にも優れた基材1を形成できる。
上記(B)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしての結晶質ポリオレフィンと、プロピレン及び/又は1ブテンの含有率が50質量%以上であるソフトセグメントとしての低結晶質ポリオレフィンとを混合した組成物100質量部に対して、Nアシルアミノ酸アミン塩、Nアシルアミノ酸エステル等の油ゲル化剤が0.5質量部以上添加された樹脂である。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、柔軟性に富み、表面の粘着性が抑制された基材1を形成できる。
上記(C)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、メルトインデックスが0.1〜4g/10分で沸騰ヘプタンに不溶なハードセグメントとしてのアイソタクチックポリプロピレンと、数平均分子量Mnが25000以上であり、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比がMw/Mn≦7である沸騰ヘプタンに可溶なソフトセグメントとしてのアタクチックポリプロピレンとからなる軟質ポリプロピレン等である。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、柔軟性に富み、力学的性質にも優れる基材1を形成できる。
上記(D-1)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしての結晶質オレフィン重合体と、ソフトセグメントとしての部分的に架橋されたモノオレフィン共重合体ゴムとを均一に配合し混合させて生成される樹脂である。ハードセグメントである結晶質オレフィン重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられ、ソフトセグメントであるモノオレフィン共重合体ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役三元共重合体ジエンゴム等が挙げられる。
上記(D-2)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのオレフィン系重合体と、ソフトセグメントとしての未架橋のモノオレフィン共重合体ゴムとを、架橋剤を添加して混合し、溶融混練することによりソフトセグメントを部分的に架橋させて生成される樹脂である。
上記(D-3)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのペルオキシド分解型オレフィン系重合体と、ソフトセグメントとしてのペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム及びペルオキシド非架橋型炭化水素ゴムとを、パラフィン系又はナフテン系等の鉱物油系軟化剤を添加して混合し、有機ペルオキシドの存在下で溶融混練することによりソフトソセグメントを部分的に架橋させて生成される樹脂である。ハードセグメントとしてのペルオキシド分解型オレフィン系重合体は、ペルオキシドと混合され加熱されると分子量が減少して流動性が増加する性質を有し、このような重合体としては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。ソフトセグメントとしてのペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムは、ペルオキシドと混合され加熱されると架橋して流動性が低下する性質を有し、このような共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役三元共重合体ジエンゴム等が挙げられる。ソフトセグメントとしてのペルオキシド非架橋型炭化水素ゴムは、ペルオキシドと混合され加熱されても架橋せず流動性が変化しない性質を有し、このような炭化水素ゴムとしては、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム等が挙げられる。
上記のオレフィン系熱可塑性エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの質量比(ハードセグメント:ソフトセグメント)は、通常10:90〜90:10であり、この範囲内で基材1の弾性率が600MPa以下になるように調整される。例えば、この範囲内でソフトセグメントの配合割合を大きくすると、基材1の弾性率を小さくすることができる。
基材1には、基材1が上記の弾性率を有することができる範囲で、着色剤、充填剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等の添加剤を添加することができる。着色剤としては、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー等の有機顔料や、弁柄、黄鉛、群青、カーボンブラック、チタン白、アンチモン白、鉛白等の無機顔料等を用いることができる。記録用受容シートの需要としては、一般に、被着体の色を十分に隠蔽することができる白色系のものが多いので、チタン白等の白色顔料を主体としてものが最も多用される。着色剤の添加量は、基材1の弾性率を上記の範囲内にするという観点から、0〜20質量%程度とすることが好ましい。充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等、平均粒径0.1〜10μm程度の粉末を用いることができる。充填剤の添加量は、基材1の弾性率を上記の範囲内にするという観点から、0〜20質量%程度であることが好ましい。
基材1は、例えば、所望の形成材料を溶融混練し、押出し成形法やカレンダー法等によりシート状又はフィルム状に成形加工することによって得られる。このとき延伸するか否かは適宜選択可能であり、延伸する場合には、例えば1軸延伸若しくは2軸延伸が適用される。
基材1の厚さは、30〜120μmであることが好ましい。基材1の厚さが120μmよりも大きい場合には、記録用受容シート10が厚くなりすぎて、当該記録用受容シート10を変形させることが難しくなる。また、基材1の厚さが30μmよりも小さい場合には、基材1の製膜が難しくなったり、通常使用される範囲で記録用受容シート10を変形させたときに基材1が破断し易くなったりする。
基材1は、単層構造であってもよいし、複数の層からなる積層構造であってもよい。基材1に添加剤を添加する場合には、その表面を平坦にするという観点から、図2に示す基材1Aのように、添加剤を添加しない上層1a、添加剤を添加した中層1b、及び、添加剤を添加しない下層1cからなる3層構造とすることが好ましい。例えば添加剤が添加された単層の基材を形成する場合には、添加剤が添加された溶融樹脂を押出し機から押出した際に、この溶融樹脂と押出し機の押出し口とが接触して、シート表面に凹凸が形成されてしまうことがあるが、上記のような3層構造の基材1Aを形成する場合には、添加剤を含有した溶融樹脂ではなく添加剤を含有しない溶融樹脂が上記の押出し口と接触するので、シート表面が平坦なものになり易い。
基材1、1Aの片面又は両面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の易接着処理を施すことが好ましい。基材1、1Aの表面に易接着処理を施すことにより、インキ受容層5や後述する粘着剤層7との接着性を向上させることができる。また、基材1、1Aの片面又は両面に易接着プライマー層(アンカーコートともいう。)を形成することによっても、インキ受容層5や後述する粘着剤層7との接着性を向上させることができる。この易接着プライマー層については、任意部材の項で詳述する。
(2)インキ受容層;
インキ受容層5は、固相のインキ層を備えた転写材(熱転写リボンや昇華転写リボン等)に当該インキ受容層5を接触させた状態で前記の転写材を選択的に加熱することによって、キャラクタや絵柄を印刷ないし転写可能にする層である。このインキ受容層5は、上記の転写材を利用してキャラクタや絵柄を印刷ないし転写することが可能なものであればよく、その材料は適宜選定される。一般には、上記の転写材が熱転写型である昇華転写型であるかに応じて、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂が主成分として適宜選定され、必要に応じて、顔料(体質顔料を含む。)や滑剤が添加される。上記の樹脂としては、1種のみを用いることもできるし、2種以上の混合物を用いることもできる。また、顔料や粒子状の滑剤を添加するとインキ受容層5の表面が粗面化又は多孔質化されるので、インキに対するインキ受容層5の受容性を向上させることができる。
熱転写リボンや昇華転写リボン等を利用してインキ受容層5にキャラクタや絵柄を印刷ないし転写することを想定した場合、このインキ受容層5には、熱転写リボンや昇華転写リボン等の走行性を良好に保つために、滑剤を添加することが好ましい。この滑剤は上記の顔料としての機能を有しているものであってもよく、具体例としては、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム等の無機系滑剤や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ワックス類(脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アマイド等)、高級脂肪酸の金属塩(ステアリン酸亜鉛等)等の有機系滑剤が挙げられる。
低温環境下でもキャラクタや絵柄の印刷ないし転写が良好で、かつ、保管中や搬送中等、比較的高温の環境下での粘りつき(タッキング)が起き難い記録用受容シート10を得るという観点からは、変性ポリエステル系樹脂と滑剤とを含み、変性ポリエステル系樹脂のガラス転移点が50〜80℃の範囲内にあり、この変性ポリエステル系樹脂に対する滑剤の割合が7〜20質量%の範囲内にある材料(以下、この材料を「受容層材料A」という。)によってインキ受容層5を形成することが好ましい。受容層材料Aは、変性ポリエステル系樹脂と滑剤との2成分系とすることが好ましいが、必要に応じてバインダー、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることも可能である。
この受容層材料Aにおける上記の変性ポリエステル系樹脂の具体例としてはポリエステルウレタン、ポリエステルエポキシ、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド等が挙げられ、その分子量は、記録用受容シート10の用途や当該記録用受容シート10に求められる性能等に応じて適宜選定可能である。また、変性ポリエステル系樹脂のガラス転移点は、50〜80℃程度の範囲内とすることが好ましい。このガラス転移点が50℃未満では高温保存時に記録用受容シート10がブロッキングし易くなり、ガラス転移点が80℃を超えると低温環境下でインキ受容層にキャラクタや絵柄等を印刷ないし転写し難くなる。
また、上記の受容層材料Aにおける滑剤は、前述したように、熱転写リボンや昇華転写リボン等を利用してインキ受容層5にキャラクタや絵柄を印刷ないし転写する際に熱転写リボンや昇華転写リボン等の走行性を良好に保つ働きをするものであり、その具体例は前述した通りである。
低温環境下でも所望のキャラクタや絵柄を良好に印刷することが容易で、かつ、保管中や搬送中の粘りつき(タッキング)、あるいはキャラクタや絵柄を印刷ないし転写する際の融着や焦げ付きを防止することが容易なインキ受容層5を得るうえからは、受容層材料Aでの変性ポリエステル系樹脂に対する滑剤の割合を7〜20質量%程度の範囲内とすることが好ましく、7〜15質量%程度の範囲内とすることが更に好ましい。同様の観点から、受容層材料Aでは有機系滑剤と無機系滑剤とを併用することが特に好ましい。
インキ受容層5は上述した受容層材料Aにより形成する場合及び他の材料により形成する場合のいずれにおいても、その厚さを1〜10μm程度の範囲内で適宜選択することができる。このようなインキ受容層5は、例えば、上述した材料を溶剤又は分散媒に溶解若しくは分散させて塗工液を調製し、この塗工液を基材1上に塗工して形成した塗膜を乾燥させることによって形成される。上記の溶剤又は分散媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、あるいは酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステルを用いることができる。また、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサノン、水等を用いることもできる。塗工液の塗工は、例えば、グラビアロールコート法、コンマコート法、バーコート法等の方法により行うことができる。
また、前述した変性ポリエステル系樹脂として二液硬化型の変性ポリエステル系樹脂(例えば二液硬化型ポリエステルウレタン)を用いる場合には、例えば、当該二液硬化型の変性ポリエステル系樹脂の原料と滑剤とを上記の溶剤又は分散媒に溶解若しくは分散させて塗工液を調製し、この塗工液を基材1上に塗工して形成した塗膜を乾燥させた後に養生することにより、インキ受容層5を形成することができる。二液硬化型の変性ポリエステル系樹脂として二液硬化型ポリエステルウレタンを用いる場合、その原料としてはグリコールと多官能芳香族イソシアネート(トリレン−2,4−ジイソシアネート等)とを用いることができるわけであるが、この原料での多官能芳香族イソシアネートの割合を0.1〜10質量%程度の範囲内、好ましくは1〜5質量%程度の範囲内とすることにより、上述した融着を防止し易いインキ受容層5を得易くなる。
なお、インキに対するインキ受容層5の受容性を向上させるために、一旦形成したインキ受容層5の表面にコロナ放電処理やオゾン処理等を施してもよい。
II.任意部材;
図1に示した基本構造を有する記録用受容シートには、求められる性能や用途等に応じて、易接着プライマー層、粘着剤層、離型シート等の任意部材を適宜設けることができる。以下、各任意部材について説明する。
(A)易接着プライマー層;
図3は、易接着プライマー層3を備えた記録用受容シート10Aの一例を概略的に示す断面図である。易接着プライマー層3は、基材1とインキ受容層5との間に設けられて、基材1とインキ受容層5との密着性を向上させる役割を果たす。
この易接着プライマー層3の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレンイミン、アルキルチタネート等を使用することができる。必要に応じて、易接着プライマー層3に着色剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等を含有させることもできる。
易接着プライマー層3は、例えば、上述の材料を溶剤又は分散媒に溶解若しくは分散させて塗工液を調製し、この塗工液を基材1上に塗工して塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させることによって形成される。上記の溶剤又は分散媒としては、インキ受容層5の形成方法についての説明の中で例示したものと同じものが例示される。また、塗工液の塗工方法としても、インキ受容層5の形成方法についての説明の中で例示したものと同じものが例示される。易接着プライマー層3の厚さは、1〜3μm程度の範囲内で適宜選択可能である。
(B)粘着剤層;
図4は、粘着剤層7を備えた記録用受容シート10Bの一例を概略的に示す断面図である。図1又は図3に示した記録用受容シート10、10Aは、例えば基材1の裏面に粘着剤や接着剤等を塗布することにより、あるいは被着体の表面に粘着剤や接着剤等を塗布することによって被着体に貼付することができるが、記録用受容シート10、10A又は当該記録用受容シート10、10Aを用いて作製された貼着シートをより簡便に被着体に貼付するうえからは、図4に示すように、基材1の裏面に予め粘着剤層7を形成しておくことが好ましい。
粘着剤層7は、基材1の裏面に形成されて、記録用受容シート10B又は当該記録用受容シート10Bを利用して作製された貼着シートを所望の被着体に貼付し易くする。この粘着剤層7は、記録用受容シート10B又は貼着シートの用途等に応じて、一様な全面ベタ状の層として、又は所望箇所に選択的に設けられた層として、形成される。なお、図4中の符号8は、後述する離型シートを示す。
粘着剤層7の材料としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体や、(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体等のアクリル系粘着剤、あるいはポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の合成ゴム系粘着剤を用いることができる。また、天然ゴム系粘着剤を用いることもできる。これらの粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を添加することもできる。なお、本明細書でいう「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
粘着剤層7は、上述した材料を基材1の裏面上に直接塗工することによって形成するも可能であるが、転写方式によって形成する方がより好ましい。転写方式とは、上記の粘着剤が溶剤に溶解又は分散された粘着剤層用の塗工液を離型シートに塗工して塗膜を形成し、この塗膜が基材1の裏面と対向するに離型シートを配置してから、前記の塗膜を基材1の裏面に積層(転写)する方式である。転写方式を採用すると、離型シート上で上記塗膜の乾燥や架橋を行うことができるので、基材1やインキ受容層5の熱変形等を憂慮することなく、十分な熱を加えて塗膜の乾燥や架橋を行うことができる。離型シートへの塗工液の塗工方法としては、コンマコート法、ロールコート法等を適用することができる。粘着剤層7の厚さは、5〜50μm程度の範囲内で適宜選択可能である。なお、ここで使用される離型シートは、このまま粘着剤層7上に設けられて、以下に述べる離型シート8となる。
(C)離型シート;
離型シート8は、図4に示すように粘着剤層7の外表面上に接合されて、粘着剤層7が不用意に他の物体に接着したり、記録用受容シート10Cを巻き取ったときにブロッキングが生じたりすることを防止するためのものであり、記録用受容シート10Cの使用時まで粘着剤層7に仮接着される。
離型シート8としては、例えば、上質紙、リンター紙、硫酸紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙の表面にシリコーン樹脂等の離型剤を塗工したものや、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等の樹脂によって形成されたシートの表面にシリコーン樹脂等の離型剤を塗工したものを用いることができる。離型シート8の厚さは、例えば12〜75μm程度である。
以上説明した部材によって構成される本発明の記録用受容シートは、例えば、熱転写リボンや昇華転写リボン等のように固相のインキ層を備えた転写材にインキ受容層を接触させた状態で前記の転写材を選択的に加熱することによってインキ受容層に所望のキャラクタ又は絵柄が印刷又は転写されて、貼着シートとなる。この貼着シートは、薬品、洗剤、化粧品、食品、飲料等の容器や、磁気記録媒体の収納ケース、あるいは文具等に貼付される各種の内容表示ラベルや値札ラベル等として利用することができる。また、広告、装飾、宣伝等のために、種々の用途の筐体、車輌、建造物等の表面に貼付することもできる。
本発明の記録用受容シートでは、基材の弾性率が前述のように600MPa以下であるので、すなわち基材が柔軟性に富んでいるので、撓ませたり伸縮させたりすることが容易である。そのため、本発明の記録用受容シートを用いて貼着シートを作製した場合には、表面が曲面となっている被着体や表面に湾曲部を有する被着体にこの貼着シートを貼付する際でも、被着体の表面形状に倣った形状に変形させ易ものが得られる。したがって、この貼着シートでは、表面が曲面となっている被着体や表面に湾曲部を有する被着体に貼付する場合でも皺の発生等が抑制される。その結果として、インキ受容層に印刷されたキャラクタや絵柄の形状を損うことなく貼付可能な被着体の種類が増大するので、貼着シートの用途を拡大することができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて、本発明について更に詳しく説明する。
<実施例1>
記録用受容シートを作製するにあたって、まず、結晶質ポリプロピレンからなるハードセグメントとスチレン−ブタジエンゴムからなるソフトセグメントとを混合して弾性率が600MPaとなるように調整されたオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm、幅15cm)からなるシート状の基材を用意し、この基材の両面に、易接着処理としてコロナ放電処理を施した。なお、基材の弾性率は、前述のように、JIS−K7113のプラスチックの引張試験法に従って測定した。
また、これとは別に、80質量部の二液硬化型ポリエステルウレタン用原料と、10質量部の脂肪酸アマイド(融点;約100℃)と、10質量部のシリカ粒子(平均粒子径1μm)とを100質量部のメチルエチルケトンに分散ないし溶解させて、インキ受容層用の塗工液を調製した。
そして、この塗工液をコロナ放電処理後の基材の片面に塗工して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥した後に40℃で3日間養生して、ガラス転移点が55℃のポリエステルウレタンと、滑剤としての脂肪酸アマイド及びシリカ粒子とからなる厚さ1μmのインキ受容層を形成した。このようにしてインキ受容層まで形成することにより、記録用受容シートが得られた。同様にして、必要枚数の記録用受容シートを作製した。
<実施例2>
86質量部の二液硬化型ポリエステルウレタン用原料と、4質量部の脂肪酸アマイド(融点;約100℃)と、10質量部のシリカ粒子(平均粒子径1μm)とを100質量部のメチルエチルケトンに分散ないし溶解させてインキ受容層用の塗工液を調製し、この塗工液を用いた以外は実施例1と同じ条件の下に必要枚数の記録用受容シートを作製した。これらの記録用受容シートにおけるインキ受容層は、それぞれ、ガラス転移点が55℃のポリエステルウレタンと、滑剤としての脂肪酸アマイド及びシリカ粒子とからなる。
<実施例3>
86質量部の二液硬化型ポリエステルウレタン用原料と、4質量部の脂肪酸アマイド(融点;約100℃)と、10質量部のシリカ粒子(平均粒子径1μm)とを100質量部のメチルエチルケトンに分散ないし溶解させてインキ受容層用の塗工液を調製し、この塗工液を用いた得た以外は実施例1と同じ条件の下に、必要枚数の記録用受容シートを作製した。これらの記録用受容シートにおけるインキ受容層は、それぞれ、ガラス転移点が60℃のポリエステルウレタンと、滑剤としての脂肪酸アマイド及びシリカ粒子とからなる。
<実施例4>
76質量部の二液硬化型ポリエステルウレタン用原料と、10質量部の化学修飾セルロース(ガラス転移点;90℃)と、4質量部の脂肪酸アマイド(融点;約100℃)と、10質量部のシリカ粒子(平均粒子径1μm)とを100質量部のメチルエチルケトンに分散ないし溶解させてインキ受容層用の塗工液を調製し、この塗工液を用いた以外は実施例3と同じ条件の下に必要枚数の記録用受容シートを作製した。これらの記録用受容シートにおけるインキ受容層は、それぞれ、ガラス転移点が60℃のポリエステルウレタンと、滑剤としての脂肪酸アマイド及びシリカ粒子と、バインダーとしての化学修飾セルロースとからなる。
<実施例5>
92質量部の二液硬化型ポリエステルウレタン用原料と、4質量部の脂肪酸アマイド(融点;約100℃)と、4質量部のシリカ粒子(平均粒子径1μm)とを100質量部のメチルエチルケトンに分散ないし溶解させてインキ受容層用の塗工液を調製し、この塗工液を用いた以外は実施例3と同じ条件の下に必要枚数の記録用受容シートを作製した。これらの記録用受容シートにおけるインキ受容層は、それぞれ、ガラス転移点が60℃のポリエステルウレタンと、滑剤としての脂肪酸アマイド及びシリカ粒子とからなる。
<実施例6>
85質量部の二液硬化型ポリエステルウレタン用原料と、15質量部のシリカ粒子(平均粒子径1μm)とを100質量部のメチルエチルケトンに分散ないし溶解させてインキ受容層用の塗工液を調製し、この塗工液を用いた以外は実施例3と同じ条件の下に必要枚数の記録用受容シートを作製した。これらの記録用受容シートにおけるインキ受容層は、それぞれ、ガラス転移点が40℃のポリエステルウレタンと、滑剤としてのシリカ粒子とからなる。
<実施例7>
基材として、弾性率が500MPaとなるように調整されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、必要枚数の記録用受容シートを作製した。
<実施例8>
基材として、弾性率が300MPaとなるように調整されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、必要枚数の記録用受容シートを作製した。
<実施例9>
実施例1と同じ条件の下にインキ受容層の形成まで行った後、基材の裏面に強接着用のアクリル樹脂系粘着剤組成物(日本カーバイド工業社製のPE−115E)をコンマコート法により塗工して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させて、単位面積当たりの重量が20g/m の粘着剤層を得た。この後、片面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートシートからなる厚さ25μmの離型シートを、この離型シートの離型処理面が内側となるようにして上記の粘着剤層の外表面に接合させて、必要枚数の記録用受容シートを作製した。
<比較例1>
基材として、弾性率が700MPaとなるように調整されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、必要枚数の記録用受容シートを作製した。
<評価1>
実施例1〜6及び比較例1で得られた各記録用受容シートから、幅100mm、長さ36mmの試験片を切り出し、これらの試験片を直径20cmの球体に貼付する際に皺の発生を防止し易い否かを評価した。実施例1〜8及び比較例1で得られた各記録用受容シートから切り出した試験片については、当試験片よりも大形の粘着シートをインキ受容層側から接合した後に上記の球体の表面に貼付し、実施例9の記録用受容シートから切り出した試験片については、離型シートを剥離してから上記の球体の表面に貼付した。なお、上記大形の粘着シートは、実施例8で基材として用いたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーシートと同じシートの片面に、実施例9で用いたアクリル樹脂系粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成したものである。
その結果、実施例1〜9で得られた各記録用受容シートから切り出した試験片は、比較的容易に、皺を生じさせずに上記の球体の表面に貼付することができた。これに対し、比較例1で得られた各記録用受容シートから切り出した試験片では、皺を生じさせずに上記の球体の表面に貼付することができなかった。
<評価2>
実施例1〜3で作製した各記録用受容シート、及び実施例4〜6で作製した各記録用受容シートについて、熱転写リボン(リコー社製の110−A)を備えたサーマルプリンタ(サトー社製、型番;MR410e)を用いて、雰囲気温度0℃の条件下での印字適正を評価した。また、実施例1〜3で作製した各記録用受容シート、及び実施例4〜6で作製した各記録用受容シートをロール状に捲き、これを雰囲気温度50℃の条件下で上記のサーマルプリンタに給紙したときの印字適正を評価した。これらの結果を表1に示す。表1においては、インキ受容層に適正に印字された場合を○、印字が不適正であった場合を×で表している。
Figure 2006015560
表1から明らかなように、実施例1〜3及び実施例5〜6で作製した各記録用受容シートは、雰囲気温度0℃の条件下でも適切に印字することができたのに対し、実施例4で作製した記録用受容シートは、雰囲気温度0℃の条件下では適切に印字することができなかった。実施例4で作製した記録用受容シートに雰囲気温度0℃の条件下で適切に印字されなかった理由は、インキ受容層にガラス転移点90℃の化学修飾セルロースが含有されているため、0℃という雰囲気温度下ではサーマルヘッドによる熱転写リボン及びインキ受容層の加熱が不十分になったためであると推察される。
また、実施例1〜4で作製した各記録用受容シートは、雰囲気温度50℃の条件下でも適切に印字することができたのに対し、実施例5〜6で作製した記録用受容シートは、雰囲気温度50℃の条件下では適切に印字することができなかった。実施例5〜6で作製した記録用受容シートに雰囲気温度50℃の条件下で適切に印字されなかった理由は、インキ受容層のタッキングが大きくなる一方で、滑剤によって付与されるインキ受容素表面の潤滑性が不十分であったためであると推察される。
これらのことから、インキ受容層の材料として変性ポリエステル系樹脂及び滑剤を用いる場合には、環境温度の変動に起因する印字適正の変動を抑制して信頼性の高い記録用受容シートを得るという観点から、記録用受容シートの用途や、当該記録用受容シートに求められる性能等に応じて、各成分の含有量を適宜選定することが望ましいということが判る。
なお、実施例1〜9で用いた脂肪酸アマイドに代えて同量のステアリン酸アミドを用いてインキ受容層を形成した場合でも、対応する実施例で作製した記録用受容シートと同様の性能を有する記録用受容シートを得ることができた。
本発明の記録用受容シートの基本構造を概略的に示す断面図である。 本発明の記録用受容シートにおける基材の構造の他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の記録用受容シートのうちで易接着プライマー層を有する記録用受容シートを概略的に示す断面図である。 本発明の記録用受容シートのうちで粘着剤層及び離型シートを有する記録用受容シートを概略的に示す断面図である。
符号の説明
1、1A 基材
3 易接着プライマー層
5 インキ受容層
7 粘着剤層
8 離型シート
10、10A、10B 記録用受容シート

Claims (3)

  1. 基材と、該基材上に形成されたインキ受容層とを有し、固相のインキ層を備えた転写材に前記インキ受容層を接触させた状態で前記転写材を選択的に加熱することによって前記インキ受容層にキャラクタや絵柄を印刷又は転写することができる記録用受容シートであって、
    前記基材が弾性率600MPa以下のオレフィン系樹脂で形成されていることを特徴とする記録用受容シート。
  2. 前記インキ受容層が変性ポリエステル系樹脂と滑剤とを含み、前記変性ポリエステル系樹脂のガラス転移点が50〜80℃の範囲内にあり、該変性ポリエステル系樹脂に対する前記滑剤の割合が7〜20質量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の記録用受容シート。
  3. 前記基材の裏面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層の外表面に離型シートが接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録用受容シート。
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