JP2006061219A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マルチライン設定に基づく演出効果を高める。
【解決手段】 特別遊技移行抽選手段110は、始動口62へ遊技球が落入したことを契機として、遊技者に有利な特別遊技に遊技状態を移行させるか否かを判定するための特別遊技移行抽選を実行する。図柄表示手段112は、特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄を画面に変動表示させる。特別遊技実行制御手段130は、特別遊技移行抽選により特別遊技へ遊技状態を移行させる旨の当たり判定がなされたことを条件として特別遊技を実行する。パターン選択手段118は、装飾図柄の表示パターンを選択する。このとき、パターン記憶手段122は、有効ラインが設定された後、更に、その有効ライン上に位置しない表示領域を含む新たな有効ラインが設定される表示パターンを記憶する。パターン選択手段118は、所定の確率でこのような表示パターンを選択する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に、通常遊技中における演出処理に関する。
弾球遊技機として様々な機種のぱちんこ遊技機が親しまれている。従来のぱちんこ遊技機の中には、遊技盤上に形成された始動口に遊技球が落入すると、その結果として乱数が取得されるものもある。取得された乱数は保留球として、たとえば最大4個まで一時記憶される。保留球は順次、一つずつ読み出され、特別図柄とよばれる図柄が変動表示される。このとき、特別図柄の変動表示に連動して、装飾図柄と呼ばれる図柄が主として演出目的で変動表示される場合もある。読み出された乱数に基づいて、特別図柄の停止表示態様が決定される。
所定時間の変動表示後、特定態様にて特別図柄が停止表示されると、いわゆる「大当たり」として特別遊技に遊技状態が移行する。特別遊技は、複数回の単位遊技で構成される。遊技盤上に形成される大入賞口は単位遊技の開始時に開放される。単位遊技はその開始から、所定期間、たとえば30秒間経過するか、あるいは単位遊技中において遊技球が大入賞口へ9球以上入賞したときに終了する。このとき大入賞口も一旦閉鎖される。単位遊技中において、大入賞口内に設けられたVゾーンと呼ばれる特定領域を遊技球が通過していれば、単位遊技は次の単位遊技へと継続される。このとき再び大入賞口は開放される。単位遊技は所定回数、たとえば、15回を限度として継続され得る。遊技球が大入賞口に落入すると、通常よりも多くの遊技球が賞球として払い出される。
一般的な遊技者は多くの賞球を獲得するために大入賞口を開放させる、すなわち、特別遊技に遊技状態を移行させることを主たる目的として遊技を行う(例えば、特許文献1参照)。
装飾図柄は、特別図柄が変動表示する期間に対応して変動表示され、特別遊技移行抽選の結果を視覚的に演出する。装飾図柄による演出として、スロットマシーンのゲームを模した3列の図柄を変動表示させる弾球遊技機がある。図柄の変動表示は一定時間経過後に停止される。大当たりである場合には、通常、3列の図柄は一致した態様にて停止表示される。
弾球遊技機の中には、3行3列の9つに区分された表示領域にて図柄を変動表示させるものもある。この場合、画面横方向のみならず対角方向の図柄が一致する表示態様によっても大当たりが示される。以下、そのライン上に位置する複数の図柄が停止表示されたときの態様にて特別遊技移行抽選の結果を示すラインのことを「有効ライン」とよぶ。画面横方向のみならず対角方向も有効ラインとなる、いわゆる「マルチライン」によれば、ダブルリーチやトリプルリーチとよばれる演出も可能となる。マルチラインは、遊技者の期待感を高めるために有効な方法として広く採用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−230714号公報 特開2001−112981号公報
マルチラインに基づくダブルリーチやトリプルリーチといった演出は遊技者の期待感を高める上で効果的な演出方法である。その一方、このような演出方法が多用されてきた結果、マルチラインに基づく演出に遊技者が慣れてきているという事実がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、マルチラインに基づく演出効果を更に高めるための技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられ遊技球が落入可能な始動口と、始動口へ遊技球が落入したことを契機として、遊技者に有利な特別遊技に遊技状態を移行させるか否かを判定するための特別遊技移行抽選を実行する特別遊技移行抽選手段と、特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄を画面に変動表示させる図柄表示手段と、特別遊技移行抽選により特別遊技へ遊技状態を移行させる旨の当たり判定がなされたことを条件として特別遊技を実行する特別遊技実行制御手段と、を備える。
図柄表示手段は、第1変動表示過程として複数の表示領域に図柄を変動表示させる図柄変動手段と、特別遊技移行抽選の結果を示すための複数の停止図柄を変動表示される図柄の停止態様として表示させる停止図柄表示手段と、を備える。
図柄変動手段は、所定の遊技条件が成立したとき第2変動表示過程として第1変動表示過程におけるいずれかの表示領域を新たな複数の表示領域に分けて図柄を変動表示させ、停止図柄表示手段は、第2変動表示過程において特別遊技移行抽選の結果を新たな複数の表示領域にそれぞれ変動表示される図柄の停止態様により示す。
「変動表示」とは、たとえば、スロットマシーンを模して図柄を回転表示させるような表示態様であってもよい。あるいは、隠された図柄が所定時間経過後に表示されるような表示態様であってもよい。すなわち、ここでいう変動表示とは、所定時間図柄が確定しない状態が継続した後に、図柄が確定的に停止表示されるまでの表示態様をいう。画面に設定される表示領域のすべてで図柄が変動表示される必要はなく、複数の表示領域のうちのいくつかだけで図柄が変動表示されるとしてもよい。
停止図柄表示手段は、大当たり時には、たとえば、複数の表示領域にて図柄を一致した態様にて停止表示させてもよい。あるいは、複数の表示領域のうちいずれかの表示領域において、大当たりを示す特定の図柄を停止表示させてもよい。「所定の遊技条件」は、所定の確率にてランダムに成立する条件であってよい。あるいは、特別遊技への移行回数や特別遊技移行抽選が外れとなった回数が所定の閾値を超えたときなど、遊技に関わるさまざまな契機に基づいて成立する条件であってよい。
この態様によれば、所定の遊技条件の成立により所定の表示領域が複数の表示領域となり、これら複数の表示領域にて特別遊技移行抽選の結果を示す図柄が停止表示される。第1変動表示過程において遊技者の期待感を維持したまま、さらに新たな図柄変動によって遊技者の期待感が高めることもできる。遊技者にとっては大当たりとなる可能性が低下することなく拡大したと認識させやすくなる。また、第1変動表示過程における一つの表示領域が第2変動表示過程においては複数の表示領域となるので、図柄変動中における「リーチが成立するか」、「大当たりとなるか」という遊技者の興味に加えて、「新たに表示領域が増加するか」についても遊技者に興味を持たせることができる。
停止図柄表示手段は、第2変動表示過程において新たな複数の表示領域に変動表示される図柄についてリーチが成立することを条件として、特別遊技移行抽選の結果を新たな複数の表示領域に変動表示される図柄の停止態様により示してもよい。
この態様によれば、新たな複数の表示領域においてリーチが成立することを条件として、これらの表示領域にて特別遊技移行抽選の結果が示される。これらの新たに表示される複数の表示領域は、すでにリーチが確定した期待度の高い表示領域となる。
停止図柄表示手段は、第1変動表示過程において特別遊技移行抽選の結果を示すときには、画面を通過する停止表示ライン上に特別遊技移行抽選の結果を示す図柄を停止表示させ、所定の遊技条件が成立し第2変動表示過程において特別遊技移行抽選の結果を示すときには、これら新たな複数の表示領域を通過するラインを停止表示ラインとして、そのライン上に停止表示される図柄により特別遊技移行抽選の結果を示してもよい。
ここでいう停止表示ラインは任意方向に画面を通過する直線であってもよいが、たとえば「くの字」型に折れ曲がった曲線であってもよい。停止表示ラインは、画面に設定されてもよいし、停止表示ラインを示すための表示がなされるだけであってもよい。あるいは、遊技者からみて、そのライン上に位置する図柄により特別遊技移行抽選の結果が示されることを示唆する仮想的なラインであってもよい。第2変動表示過程においては、第1変動表示過程における停止表示ライン上に位置する表示領域と位置しない表示領域によって当否が示されてもよい。これにより、停止表示ラインの一部にすぎない、あるいは、停止表示ライン上に位置しない表示領域だけでも特別遊技移行抽選の結果を示すような態様を取ることができる。
本発明の別の態様もまた、弾球遊技機である。この弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられ遊技球が落入可能な始動口と、始動口へ遊技球が落入したことを契機として、遊技者に有利な特別遊技に遊技状態を移行させるか否かを判定するための特別遊技移行抽選を実行する特別遊技移行抽選手段と、特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄を画面に変動表示させる図柄表示手段と、所定の表示領域に予め定められた演出目的の動画を表示する演出表示手段と、特別遊技移行抽選により特別遊技へ遊技状態を移行させる旨の当たり判定がなされたことを条件として特別遊技を実行する特別遊技実行制御手段と、を備える。
図柄表示手段は、第1変動表示過程として複数の表示領域に図柄を変動表示させる図柄変動手段と、特別遊技移行抽選の結果を示すための複数の停止図柄を変動表示される図柄の停止態様として表示させる停止図柄表示手段と、を備える。
図柄変動手段は、所定の遊技条件が成立したとき第2変動表示過程として動画が表示される表示領域に新たに図柄を変動表示させ、停止図柄表示手段は、第2変動表示過程において特別遊技移行抽選の結果を新たに変動表示される図柄の停止態様を含めて示す。
この態様によれば、通常は、演出目的の動画を表示し、特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄を表示するための領域でない表示領域が、図柄の変動表示領域に変化する。したがって、このときには図柄を変動表示するための表示領域が全体として拡大する。この態様によれば、限られた画面の表示スペースを有効に活用して演出を行う上でより好適となる。
停止図柄表示手段は、第1変動表示過程において特別遊技移行抽選の結果を示すときには、画面を通過する停止表示ライン上に特別遊技移行抽選の結果を示す図柄を停止表示させ、所定の遊技条件が成立し第2変動表示過程において特別遊技移行抽選の結果を示すときには、新たに図柄が変動表示される表示領域を通過するラインを停止表示ラインとして、そのライン上に停止表示される図柄により特別遊技移行抽選の結果を示してもよい。
第2変動表示過程においては、第1変動表示過程における停止表示ライン上に位置する表示領域と位置しない演出目的の表示領域によって当否が示されてもよい。これにより、停止表示ラインの一部にすぎない、あるいは、停止表示ライン上に位置しない表示領域だけでも特別遊技移行抽選の結果を示すような態様を取ることができる。
第1変動表示過程においては、停止表示ラインは画面を横または斜めに通過し、第2変動表示過程においては、停止表示ラインは3行3列の9つの表示領域に分割された画面を縦に通過してもよい。
第1変動表示過程においては画面の横、または、対角方向が停止表示ラインとなってもよい。そして、第2変動表示過程においては画面の縦方向が新たな停止表示ラインとなってもよい。画面縦方向に並置される表示領域は、通常は、横や対角方向に並置される特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄の一部を示す表示領域である。しかし、第2変動表示過程過程においてはこれら縦方向に並置される表示領域のみによって特別遊技移行抽選の結果を示すことも可能となるため、第2変動表示過程においては単に当たりを示す表示領域が拡大される以上に期待感を高めやすくなる。
本発明によれば、主として、弾球遊技機においてマルチラインに基づく演出効果を更に高める上で効果がある。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤面で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17およびスピーカ152を含む。
外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。透明板13は、ガラスなどにより形成され、遊技盤50の遊技領域52を透視可能な板である。扉14は、透明板13を支持する。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。
上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ152が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が再生される。遊技者が発射ハンドル17を回転させると、その回転角度に応じて遊技球が遊技領域52に発射される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板49は、液晶ユニット42を備え、図柄表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板41による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板41およびサブ基板49は、遊技制御装置100を構成する。
セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、遊技領域の構造を示す正面図である。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、図柄表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68および一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置74と、始動口を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62は、遊技領域52における所定位置に設けられる。始動口62は普通電動役物により形成され、その入口が拡開可能となっている。普通電動役物が拡開状態にあるときには、遊技球は始動口62に落入しやすくなる。以下、始動口62に関し、普通電動役物が拡開して遊技球が始動口62に落入しやすい状態を「開放状態」と呼ぶ。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の特定領域の通過を検出するセンサと、一般領域の通過を検出するセンサを備えて構成される。大入賞口66は通常時においては閉鎖されている。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15および下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本明細書において「落入」は「通過」を含むものとする。
遊技盤50の略中央に設けられた図柄表示装置60は、特別図柄202に連動する装飾図柄200を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄202は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選(以下、「特別遊技移行抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割をもつ。始動口62に遊技球が落入すると、その結果として乱数(以下、「特図乱数」とよぶ)が取得される。特図乱数は保留球として、たとえば最大4個まで一時記憶される。特図乱数保留表示器86は、保留球の数を表示する。保留球は適宜読み出され、特別図柄202が変動表示される。特別図柄202の変動表示が終了すると、特図乱数に基づいて決定される特別遊技移行抽選の結果が停止表示される。そのあと、次の保留球が読み出され、新たな変動表示が開始される。
装飾図柄200は、特別図柄202が変動表示する期間に対応して変動表示され、特別遊技移行抽選の結果を視覚的に演出する。図柄表示装置60は、複数列複数行の表示領域においてスロットマシーンのゲームを模した図柄変動の動画像を装飾図柄200として表示する。図柄表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示装置であってもよい。
特別図柄202および装飾図柄200の変動表示は一定時間経過後に停止される。停止時の特別図柄202が大当たりを示す図柄である場合、大入賞口66の開閉動作が開始され、特別遊技に移行する。このときスロットマシーンのゲームを模した装飾図柄200は、いずれかの有効ライン上の3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。有効ライン制御に関しては、後に詳述する。
大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が大入賞口66内の特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。大入賞口66に遊技球が落入すると通常よりも多くの賞球が払い出される。
図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技球は、センター飾り64の内部に上部から進入可能である。ステージ84は、このような遊技球の進行方向を概ね始動口62の方向に振り向ける遊技者に有利な機構である。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄204と呼ばれる図柄が変動表示される。ここで、普通図柄204は、作動口68への遊技球の落入を契機として行われる抽選(以下、「普通図柄抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄である。作動口68に遊技球が落入すると、その結果として乱数(以下、「普図乱数」とよぶ)が取得される。取得された普図乱数は、たとえば最大4個まで一時記憶される。普図乱数保留表示器88は、その一時記憶される普図乱数の数を表示する。普図乱数は適宜読み出され、普通図柄204が変動表示される。所定時間の経過後に普通図柄204の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で普図乱数に基づいて決定される普通図柄抽選は当たりとなり、始動口62が所定時間拡開する。これにより、遊技球が一時的に始動口62に落入しやすくなる。
図4は、ぱちんこ遊技機における遊技を制御する構成を中心とした基本的な機能ブロック図である。
大入賞口66、始動口62、図柄表示装置60、スピーカ152、各種遊技効果ランプ90、遊技制御装置100との間は電気的に接続されている。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROM、演算処理や制御処理に用いるCPUやRAM等の素子で実現でき、ソフトウエア的には画像処理機能、制御機能、乱数発生機能等のプログラムによって実現されるが、本図ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できる。
同図に関連して各機能ブロックの構成を述べ、その具体的な相互作用に関しては、図5以降に関連して後に詳述する。
遊技制御装置100は、入球判定手段102、大入賞口開閉制御手段104、当否判定手段106、図柄表示手段112、表示制御手段128および特別遊技実行制御手段130を有する。
入球判定手段102は、大入賞口66の入賞検出装置78または始動口62の入賞検出装置74から遊技球が落入した旨の情報を取得し、更にその情報に基づいて入賞の有無を判定する。大入賞口開閉制御手段104は、大入賞口ソレノイド80を励磁することにより、大入賞口66の開閉を制御する。当否判定手段106は、特別遊技移行抽選や普図抽選を実行してそれらの当否を判定する。図柄表示手段112は、特別図柄202や装飾図柄200、普通図柄204などの図柄変動の表示パターンを選択して、それらの図柄の変動表示を指示する。表示制御手段128は、図柄表示手段112から指示を受けて図柄や電飾等の表示を制御する。特別遊技実行制御手段130は、通常遊技から特別遊技へ移行すべきか否かを判定するとともに、特別遊技の実行を制御する。
当否判定手段106は、特図乱数取得手段108と特別遊技移行抽選手段110を含む。
遊技球が始動口62に落入すると、入賞検出装置74はそれを検出して落入を示す始動入賞情報を生成する。入球判定手段102は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したことを判定する。
特図乱数取得手段108は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。例えば、保留球数の上限は予め4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段102が始動入賞情報を受け取ったタイミングで、特図乱数取得手段108が特図乱数を取得する。このとき、特図乱数取得手段108は保留球数として1を加算し、保留球としてこの特図乱数を一時記憶する。特図乱数取得手段108は、数学的に特図乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を特図乱数として取得してもよい。特図乱数は0〜65535の範囲で生成される整数である。
特別遊技移行抽選手段110は、特図乱数取得手段108が一時記憶する特図乱数を適宜読み出し、その特図乱数に基づいて特別遊技移行抽選を実行する。通常、特図乱数が0〜199の範囲であれば大当たりと判定され、それ以外であれば外れと判定される。特別遊技移行抽選が大当たりとなると、特別遊技実行制御手段130は特別図柄202の変動表示後に特別遊技に遊技状態を移行させる。
図柄表示手段112は、特別図柄決定手段114および装飾図柄決定手段116を含む。
特別図柄決定手段114は、特図乱数取得手段108により取得された特図乱数とその特図乱数に基づく特別遊技移行抽選の結果に応じて、特別図柄202の停止図柄とその表示パターンを決定する。この表示パターンにしたがって、特別図柄202が変動表示される。また、表示パターンに応じて、特別図柄202の変動表示時間が決定づけられる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄であり、特別遊技移行抽選の結果を示す。
装飾図柄決定手段116は、特別遊技移行抽選の結果と特別図柄決定手段114が決定した特別図柄202の変動表示時間に応じて、装飾図柄200の停止図柄とその変動表示過程を示す表示パターンを決定する。装飾図柄200は、特別図柄202の変動表示と連動して変動表示され、大当たりに対する遊技者の期待感を高めるための演出の役割を担う。
装飾図柄決定手段116は、パターン選択手段118、停止図柄決定手段120およびパターン記憶手段122を含む。
パターン記憶手段122は、装飾図柄200の表示パターンを複数種類記憶する。また、パターン記憶手段122は、装飾図柄200の表示パターンと特別図柄202の変動表示時間を対応づけたパターンテーブル240を記憶する。パターンテーブル240のデータ構造については図9に関連して後に詳述する。パターン選択手段118は、特別図柄決定手段114が決定した特別図柄202の変動表示時間に応じて、パターン記憶手段122から装飾図柄200の表示パターンを選択する。本実施例においては、パターン選択手段118は、特別図柄202の変動表示時間に対応する複数の表示パターンの中からランダムに表示パターンを選択する。特別遊技移行抽選の結果に応じて、いずれの表示パターンを選択するかについての選択確率が設定されてもよい。
表示制御手段128は、パターン選択手段118により選択された表示パターンにしたがって、図柄表示装置60に装飾図柄200を変動表示させる。次の図5以降に示される各種表示画面は、これらの表示パターンにしたがって図柄が変動表示される過程において表示される画面である。停止図柄決定手段120は、特別遊技移行抽選の結果に応じて、装飾図柄200の停止図柄を決定する。停止図柄決定手段120は、大当たり時においてはいずれかの有効ライン上において停止図柄を一致させる。本実施例においては、遊技者は画面の表示態様によっていずれの表示領域において停止図柄が一致すれば大当たりとなるか認識する。遊技者にはこのような表示領域を結ぶラインが有効ラインとして認識される。
なお、同図に示す装飾図柄決定手段116の機能は、主として図2に示したサブ基板49により実現され、特別図柄決定手段114の機能は、主としてメイン基板41により実現される。表示制御手段128の機能は、主としてサブ基板49により実現される。遊技制御装置100のその他の各機能には、主としてメイン基板41により実現される。
図5は、図柄表示装置においてダブルリーチが成立したときの画面を示す図である。
遊技球が始動口62に落入して特別遊技移行抽選が実行されると、特別図柄202に連動して装飾図柄200が図柄表示装置60にて変動表示される。このとき、左画像領域212、中央画像領域214および右画像領域215において、それぞれスロットマシンを模した態様にて数字などを示す図柄が回転表示される。所定時間の経過後、これらの図柄の回転表示は停止する。このとき、左画像領域212、中央画像領域214および右画像領域215の3つの領域を貫く有効ラインに同じ図柄が並置された形で停止表示していれば、「大当たり」として特別遊技へ遊技状態が移行する。動画表示領域213と動画表示領域211には、それぞれ特別遊技移行抽選の結果表示と関わりのない動画が表示される。
同図に示す通常変動画面210のうち左画像領域212と右画像領域215においては、既に図柄が停止表示されている。一方、中央画像領域214においては、未だ図柄が変動表示中である。
左画像領域212においては、左上と左下にそれぞれ「6」と「7」を示す図柄が停止表示されている。一方、右画像領域215においては、右上と右下にそれぞれ「7」と「6」を示す図柄が停止表示されている。このとき、画面対角方向の有効ライン208aおよび208b(以下、これら各有効ラインをまとめていうときには、単に「有効ライン208」とよぶ)においては、そのライン上に存在する3つの図柄のうちの2つがすでに同じ図柄として停止表示されていることになる。すなわち、有効ライン208aおよび208bの両ラインにおいてリーチが成立している。通常変動画面210の中央には「リーチ」の文字が大きく表示される。表示制御手段128は、有効ラインを画面に明示的に表示させてもよいし、遊技者が有効ラインを認識しやすいデザインにて図柄の表示領域を設定してもよい。
同図に示すように、2つの有効ライン208aと208bにおいて、ダブルリーチが成立すると次の図6に示す第1発展画面216が表示される。いいかえれば、通常変動画面210においてダブルリーチとなるべき表示パターンは、第1発展画面216を表示する表示パターンであるといえる。
図6は、通常変動画面のあとに表示される第1発展画面を示す図である。
通常変動画面210において図5に示したダブルリーチ表示をしたあと、表示制御手段128は第1発展画面216を表示させる。このとき、有効ライン208aおよび208bにおいては、それぞれ「6」と「7」を示す図柄により既にダブルリーチが成立している。第1発展画面216の表示中においては、矢印218に示す画面下向き方向にて中央図柄が順次移動する。動画表示領域213と動画表示領域211に対応する表示領域も特別遊技移行抽選の結果を示す図柄が変動する領域に変化する。
有効ライン208aと208bが交差する領域、すなわち、同図において「3」を示す図柄が表示されている領域に「6」か「7」を示す図柄が停止表示されると、これらいずれかの有効ライン上の3つの図柄がそろい大当たりであることが示される。すなわち、大当たり時においては、第1発展画面216の中央に「6」または「7」を示す図柄を停止表示されるか、あるいは、次に示す第2発展画面220に移行する。外れ時においては、「6」または「7」を示す図柄が第1発展画面216中央に停止表示されず外れ確定となるか、次の第2発展画面220に移行するかのいずれかとなる。いいかえれば、第1発展画面216にて特別遊技移行抽選の結果を示す表示パターンもあれば、第1発展画面216から更に次の第2発展画面220を表示する表示パターンもあるといえる。
図7は、第1発展画面のあとに表示される第2発展画面を示す図である。
第2発展画面220は、表示領域224a〜224i(以下、各表示領域をまとめていうときには、単に「表示領域224」とよぶ)に示す3行3列の表示領域224に区画される。第2発展画面220では、これらの表示領域224単位で図柄が表示される。すなわち、9枚の図柄が停止表示されることになる。表示領域224bと表示領域224hは、それぞれ動画表示領域213と動画表示領域211に対応する領域である。すなわち、通常変動画面210において演出を目的とする動画を表示する領域が、第2発展画面220においては、特別遊技移行抽選の結果を示す図柄を変動表示すべき領域に変化している。これにより、画面スペースにおいて図柄が変動する領域が拡大するため、これにあわせて遊技者に大当たりの可能性が拡大したと認識させることができる。
表示制御手段128は、図6の左上および右下に停止表示されていた「6」を示す図柄を、表示領域224dおよび表示領域224fに移動させる。このとき、有効ライン208aおよび208bについては、それぞれ「6」および「7」を示す図柄により既にリーチが確定している。
表示領域224a、224b、224hおよび224iにおいては、煙を示す画像が表示される。表示制御手段128は、第2発展画面220の表示タイミングに至るとキャラクタ222を表示させる。キャラクタ222は、所定のタイミングでタンバリンを叩く。キャラクタ222がタンバリンを叩くタイミングにあわせて、表示領域224a、224i、224bおよび224hの順に煙が消去され、図柄が停止表示される。表示制御手段128は、表示領域224a、224b、224hおよび224iのすべての表示領域224において図柄が停止表示されたあと、表示領域224eの図柄を停止表示させる。
第2発展画面220においては、表示領域224a、224iおよび224eは、有効ライン208a、208bおよび208c上に位置するため、遊技者の興味対象となる表示領域224である。一方、表示領域224bおよび224hは、これらの有効ラインに関係のない表示領域224であり、特別遊技移行抽選の結果を示す上では関係のない表示領域224である。
図8は、第2発展画面のあとに表示される第3発展画面を示す図である。
表示領域224a、224iには「4」を示す図柄が停止表示されている。一方、表示領域224bおよび224hのおいては「3」を示す図柄が停止表示されている。これにより、有効ライン208aについては「6」、有効ライン208bについては「7」、有効ライン208cについては「4」によりそれぞれリーチが成立している。すなわち3つの有効ラインについてトリプルリーチが成立している。表示制御手段128が表示領域224eにて「4」、「6」、「7」を示す図柄のうち、いずれかを停止表示させると大当たりと示される。
一方、有効ライン208dにおいては、「3」を示す図柄についてリーチが成立している。ただし、この有効ラインは第2発展画面220において有効化されるとは限らない有効ラインである。
有効ライン208d上にてリーチが成立することを前提として、有効ライン208dが有効化される。いいかえれば、有効ライン208d上でリーチが成立する表示パターンのうちのいくつかは、有効ライン208dを有効化する表示パターンとなる。このとき、表示制御手段128は、有効ライン208dが有効化された旨を表示する。たとえば、表示制御手段128は、有効ライン208dを含む表示領域224b、224eおよび表示領域224hを他の表示領域224とは異なる背景色に変更することにより、有効ライン208dが有効化された旨を遊技者に通知してもよい。有効ライン208cにおいてリーチが成立することを前提条件として、有効ライン208dが有効化されてもよい。第3発展画面230は、有効ライン208dが有効化されたときの画面である。
有効ライン208aから208dの4つ全ての有効ライン208上においてリーチが成立すると、表示領域224eにて「3」、「4」、「6」、「7」を示すいずれの図柄が停止表示されても、大当たりとなる。このとき、見た目上の大当たりとなる確率は高くなるため、遊技者の大当たりに対する期待感が特に喚起される。大当たりとなるときには、概ね、パターン選択手段118が有効ライン208dが有効化される表示パターンを選択するように、特別遊技移行抽選の当否と表示パターンの選択に関して相関関係を設けてもよい。
通常変動画面210における中央画像領域214や、第1発展画面216における中央の図柄変動領域は、第2発展画面220や第3発展画面230においては、表示領域224b、224eおよび224hの3つの表示領域に変化している。そして、これらの表示領域において、特別遊技移行抽選の結果が示され得ることになる。また、通常変動画面210における動画表示領域213と動画表示領域211は第2発展画面220や第3発展画面230においては、特別遊技移行抽選の結果を示す図柄が変動する領域に変化する。
変形例として、この第3発展画面230においては、表示領域224a、224d、224gにおける停止図柄により特別遊技移行抽選の結果が示されてもよい。あるいは、表示領域224c、224fおよび224iにおける停止図柄により特別遊技移行抽選の結果が示されてもよい。図5に示した通常変動画面210において、右画像領域215と左画像領域212においては、それぞれ3つの図柄が一度に表示される。そのため、遊技者にとっては、通常変動画面210においては有効ライン208aや208bにおいて特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄であったものが、第3発展画面230においては、これらの図柄だけで特別遊技移行抽選の結果を示すことが可能となる。このような態様によれば、第3発展画面230においては通常変動画面210にはない表現形式にて特別遊技移行抽選の結果を示すことができるため、演出の意外性と多様性を高めることにより大当たりに対する遊技者の期待感を更に高めることができる。
図9は、パターン記憶手段が記憶するパターンテーブルのデータ構造図である。
特別遊技移行抽選の実行に際し、特別遊技移行抽選手段110は特図乱数取得手段108が記憶する特図乱数を読み出す。特別遊技移行抽選手段110はこの特図乱数に基づいて、特別遊技移行抽選の当否を判定する。また、特別図柄決定手段114は、特図乱数に基づいて特別図柄202の変動表示時間を決定する。たとえば、特図乱数が「0〜19」の範囲内であれば、特別図柄202の変動表示時間は5秒となる。このように、特別図柄202の変動表示時間は、特図乱数の値に応じた所定長に特定される。
パターン記憶手段122は、パターンテーブル240を記憶する。時間欄242は、特別図柄202の変動表示時間である。特別図柄202の変動表示時間は、5秒から60秒の範囲で10種類の長さのいずれかに特定される。これら10種類の変動表示時間に対応して、選択されるべき表示パターンが対応づけられている。パターン欄244は、各変動表示時間に対応して選択されるべき表示パターンを示す。
1.表示パターンAは、通常変動画面210においてリーチとならずに外れる表示パターンである。
2.表示パターンBは、通常変動画面210においてリーチが成立するが第1発展画面216までは発展しない表示パターンである。表示パターンBにおいては、通常変動画面210においてリーチが成立したあと、当たりまたは外れ表示がなされる。
3.表示パターンCは、通常変動画面210においてダブルリーチが成立し、第1発展画面216まで発展する表示パターンである。表示パターンCにおいては、第1発展画面216において、当たりまたは外れ表示がなされる。
4.表示パターンDは、第1発展画面216において当たりが確定せず、第2発展画面220まで発展する表示パターンである。表示パターンDにおいては、第2発展画面220においてダブルリーチまたはトリプルリーチが成立したあと、当たりまたは外れ表示がなされる。
5.表示パターンEは、さらに発展して第3発展画面230が表示され、有効ライン208dが有効化される表示パターンである。表示パターンEにおいては、計4本の有効ライン208が設定されたあと、当たりまたは外れ表示がなされる。
ここでいう表示パターンA〜Eは、複数種類の表示パターンを上記の観点から分類したものである。たとえば、表示パターンAに分類される表示パターンであっても、同図に示すように5秒の変動表示時間に対応した表示パターンもあれば、10秒の変動表示時間に対応した表示パターンもある。また、表示パターンAに分類され、かつ、5秒の変動表示時間に対応した表示パターンであっても、複数種類が用意されてもよい。
まとめると、特別図柄決定手段114は特図乱数に応じて特別図柄202の変動表示時間を決定する。パターン選択手段118は、この特別図柄202の変動表示時間に対応する装飾図柄200の表示パターンを選択する。特別図柄決定手段114と停止図柄決定手段120は、特別遊技移行抽選の結果に応じて特別図柄202と装飾図柄200の停止図柄を決定する。表示制御手段128は、以上に基づいて特別図柄202および装飾図柄200を変動表示させることになる。その結果として、装飾図柄200の変動表示は、通常変動画面210から第3発展画面230まで移行し得ることになる。
図10は、表示パターンに応じた変動表示過程を模式的に示す図である。この図では、遊技者から見た図柄変動の移行態様を示す。
まず、通常変動画面210において、リーチが成立せずにそのまま特別遊技移行抽選の結果が外れとして確定的に表示される場合がある。特別遊技移行抽選の結果が外れであるときには、所定の確率で表示パターンAが選択され通常変動画面210においてリーチ表示されることなく外れ表示がなされる。
通常変動画面210においてリーチが成立したもののダブルリーチとならない場合、所定の確率でそのまま特別遊技移行抽選の結果が確定的に表示される。これは表示パターンBが選択された場合の変動表示過程に対応する。
通常変動画面210においてダブルリーチが成立したときには第1発展画面216が表示される。そして、この第1発展画面216においてそのまま特別遊技移行抽選の結果が確定的に表示される場合がある。これは表示パターンCが選択された場合の変動表示過程に対応する。
第1発展画面216においても図柄が確定せず、第2発展画面220まで表示される場合もある。第2発展画面220においては、図7に関連して説明したように3本の有効ラインが設定される表示態様となる。この第2発展画面220において特別遊技移行抽選の結果が確定的に表示されるのが表示パターンDにあたる。
第2発展画面220において特別遊技移行抽選の結果が確定しなければ更に第3発展画面230が表示される。この第3発展画面においては、図8に関連して説明したように新たに有効ライン208dが設定される表示態様となる。遊技者にとっては4本もの有効ラインが設定されたようにみえるため、大当たりに対する期待感が特に高められる。この第3発展画面230において特別遊技移行抽選の結果が確定的に表示されるのが表示パターンEである。
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。
遊技球が始動口62へ入球したか否かに基づき、主として当否判定手段106により始動入賞判定処理が実行される(S10)。遊技球が始動口62へ落入している場合に、図柄表示手段112等により図柄変動開始判定処理が実行される(S12)。最後に主として特別遊技実行制御手段130により特別遊技移行判定処理が実行される(S14)。これら一連のフローはループ処理となっており、遊技中に繰り返し実行される。
S10からS14の各処理の具体的内容については次の図12以降に関連して後に詳述する。
図12は、図11のS10における始動入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。
入球判定手段102は始動口62の入賞検出装置74から始動入賞情報を取得しているか否かを判定する(S20)。入球判定手段102が始動入賞情報を取得していなければ(S20のN)、S10の始動入賞判定処理は終了する。取得していれば(S20のY)、払出ユニット43が、入賞に応じた賞球を払い出す(S22)。例えば、この賞球数は4に設定される。
次に、特図乱数取得手段108が記憶する保留球が上限内であるか否か判定する(S24)。保留球が上限内でなければ(S24のN)、S10の始動入賞判定処理は終了する。上限内であれば(S24のY)、特図乱数取得手段108は特図乱数を取得する(S26)。このとき特図乱数取得手段108は、取得した特図乱数を保留球として記憶し、保留球数として1を加算する(S28)。
図13は、図11のS12における図柄変動開始判定処理を詳細に示すフローチャートである。
図柄表示手段112は、保留球が存在するか判定する(S30)。保留球がなければ(S30のN)、S12の図柄変動開始判定処理は終了する。保留球があれば(S30のY)、図柄表示手段112は図柄の変動表示を開始可能か判定する(S32)。特別遊技の実行中や、既に特別図柄202が変動表示中である場合には、それらの処理が終了するまでは図柄の変動表示は開始できない。図柄の変動表示が開始が不可能であれば(S32のN)、S12の図柄変動開始判定処理は終了する。図柄の変動表示の開始が可能であれば(S32のY)、特別遊技移行抽選手段110は保留球数を1減算する(S34)。
特別遊技移行抽選手段110は、特図乱数取得手段108が記憶する特図乱数をFIFO(First-In First-Out)方式にて1つ取り出す。特別遊技移行抽選手段110は、この取り出された特図乱数に基づいて特別遊技移行抽選を実行する(S36)。特別遊技移行抽選手段110は、取得された特図乱数が、予め定められた大当たりとなるべき範囲内の数であるか否かにより、特別遊技移行抽選の当否を決定する。
特別遊技移行抽選が当たりであれば(S38のY)、特別図柄決定手段114は特別図柄202の変動表示後に停止表示すべき当たり図柄をセットする(S40)。外れであれば(S38のN)、特別図柄決定手段114は特別図柄202の変動表示後に停止表示すべき外れ図柄をセットする(S42)。
パターン選択手段118と停止図柄決定手段120は、特別遊技移行抽選の当否と特別図柄202の変動表示時間に応じて、装飾図柄200の表示パターンと停止図柄を選択する(S44)。表示制御手段128は、特別図柄202と装飾図柄200の変動表示を開始させる(S46)。
図14は、図11のS14における特別遊技実行判定処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、図柄の変動表示が終了していなければ(S50のN)、S14の特別遊技実行判定処理は終了する。変動表示が終了している場合であって(S50のY)、特図乱数が当たりであれば(S52のY)、特別遊技実行制御手段130は特別遊技を開始する(S54)。一方、特図乱数が外れである場合には(S52のN)、S14の特別遊技実行判定処理は終了する。
本実施例においては、通常時は有効ラインでない有効ライン208d上においても特別遊技移行抽選の結果が示される。そのため、遊技者にとっては第2発展画面220が表示されるまで図柄変動が発展したときには、有効ライン208dが有効化されるか否かについての期待感が喚起される。また、有効ライン208dは、そのラインにおけるリーチが確定したあとに設定される表示態様となるため、有効ライン208dに対する期待度はその設定時から高められる。これにより、単純に有効ラインが増加する以上に、遊技者の大当たりに対する期待感を高める上で好適となる。
本実施例においては、通常変動画面210における動画表示領域213や動画表示領域211のような演出目的の動画を表示するための表示領域が第3発展画面230においては、表示領域224bと表示領域224hのように特別遊技移行抽選の当否結果を示す図柄を表示するための表示領域に変わる。演出目的の動画を表示する表示領域が、特別遊技移行抽選の結果表示に関わる表示領域に変化することにより、当たりを示すための表示領域が拡大され、それにともなって、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
また、通常変動画面210における中央画像領域214や第1発展画面216における中央列の表示領域は、画面を斜めや横方向に通過する有効ライン上において特別遊技移行抽選の結果を示すときに、その当否表示を決定づける図柄を表示するための表示領域である。しかし、第3発展画面230においては、表示領域224b、表示領域224e、表示領域224hの3つの領域のみで特別遊技移行抽選の結果が示される。第3発展画面230においては第2発展画面220までにはない新たな表現方法にて特別遊技移行抽選の結果が示されるため、単に当たり表示領域を拡大する以上に、大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
請求項1に記載の図柄表示手段の機能は、本実施例においては主として図柄表示手段112および表示制御手段128の連係により実現される。この中で、請求項1に記載の図柄変動手段の機能は、主としてパターン選択手段118、パターン記憶手段122、表示制御手段128によって実現される。また、停止図柄表示手段の機能は、主としてパターン選択手段118、パターン記憶手段122、停止図柄決定手段120および表示制御手段128によって実現される。
請求項4に記載の演出表示手段の機能も、共に、主として図柄表示手段112および表示制御手段128の連係により実現される。
これら請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、本実施例において示された各機能ブロックの単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 遊技領域の構造を示す正面図である。 ぱちんこ遊技機における遊技を制御する構成を中心とした基本的な機能ブロック図である。 図柄表示装置においてダブルリーチが成立したときの画面を示す図である。 通常変動画面のあとに表示される第1発展画面を示す図である。 第1発展画面のあとに表示される第2発展画面を示す図である。 第2発展画面のあとに表示される第3発展画面を示す図である。 パターン記憶手段が記憶するパターンテーブルのデータ構造図である。 表示パターンに応じた変動表示過程を模式的に示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。 図11のS10における始動入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図11のS12における図柄変動開始判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図11のS14における特別遊技実行判定処理を詳細に示すフローチャートである。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、41 メイン基板、49 サブ基板、50 遊技盤、52 遊技領域、60 図柄表示装置、62 始動口、66 大入賞口、100 遊技制御装置、102 入球判定手段、104 大入賞口開閉制御手段、106 当否判定手段、108 特図乱数取得手段、110 特別遊技移行抽選手段、112 図柄表示手段、114 特別図柄決定手段、116 装飾図柄決定手段、118 パターン選択手段、120 停止図柄決定手段、122 パターン記憶手段、128 表示制御手段、130 特別遊技実行制御手段、208 有効ライン。

Claims (6)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられ遊技球が落入可能な始動口と、
    前記始動口へ遊技球が落入したことを契機として、遊技者に有利な特別遊技に遊技状態を移行させるか否かを判定するための特別遊技移行抽選を実行する特別遊技移行抽選手段と、
    前記特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄を画面に変動表示させる図柄表示手段と、
    前記特別遊技移行抽選により特別遊技へ遊技状態を移行させる旨の当たり判定がなされたことを条件として特別遊技を実行する特別遊技実行制御手段と、を備え、
    前記図柄表示手段は、
    第1変動表示過程として複数の表示領域に図柄を変動表示させる図柄変動手段と、
    前記特別遊技移行抽選の結果を示すための複数の停止図柄を前記変動表示される図柄の停止態様として表示させる停止図柄表示手段と、を備え、
    前記図柄変動手段は、所定の遊技条件が成立したとき第2変動表示過程として前記第1変動表示過程におけるいずれかの表示領域を新たな複数の表示領域に分けて図柄を変動表示させ、
    前記停止図柄表示手段は、前記第2変動表示過程において前記特別遊技移行抽選の結果を前記新たな複数の表示領域にそれぞれ変動表示される図柄の停止態様により示すことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記停止図柄表示手段は、前記第2変動表示過程において前記新たな複数の表示領域に変動表示される図柄についてリーチが成立することを条件として、前記特別遊技移行抽選の結果を前記新たな複数の表示領域に変動表示される図柄の停止態様により示すことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記停止図柄表示手段は、前記第1変動表示過程において前記特別遊技移行抽選の結果を示すときには、画面を通過する停止表示ライン上に前記特別遊技移行抽選の結果を示す図柄を停止表示させ、前記所定の遊技条件が成立し前記第2変動表示過程において前記特別遊技移行抽選の結果を示すときには、前記新たな複数の表示領域を通過するラインを停止表示ラインとして、そのライン上に停止表示される図柄により前記特別遊技移行抽選の結果を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
  4. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられ遊技球が落入可能な始動口と、
    前記始動口へ遊技球が落入したことを契機として、遊技者に有利な特別遊技に遊技状態を移行させるか否かを判定するための特別遊技移行抽選を実行する特別遊技移行抽選手段と、
    前記特別遊技移行抽選の結果を示すための図柄を画面に変動表示させる図柄表示手段と、
    所定の表示領域に予め定められた演出目的の動画を表示する演出表示手段と、
    前記特別遊技移行抽選により特別遊技へ遊技状態を移行させる旨の当たり判定がなされたことを条件として特別遊技を実行する特別遊技実行制御手段と、を備え、
    前記図柄表示手段は、
    第1変動表示過程として複数の表示領域に図柄を変動表示させる図柄変動手段と、
    前記特別遊技移行抽選の結果を示すための複数の停止図柄を前記変動表示される図柄の停止態様として表示させる停止図柄表示手段と、を備え、
    前記図柄変動手段は、所定の遊技条件が成立したとき第2変動表示過程として前記動画が表示される表示領域に図柄を新たに変動表示させ、
    前記停止図柄表示手段は、前記第2変動表示過程において前記特別遊技移行抽選の結果を前記新たに変動表示される図柄の停止態様を含めて示すことを特徴とする弾球遊技機。
  5. 前記停止図柄表示手段は、前記第1変動表示過程において前記特別遊技移行抽選の結果を示すときには、画面を通過する停止表示ライン上に前記特別遊技移行抽選の結果を示す図柄を停止表示させ、前記所定の遊技条件が成立し前記第2変動表示過程において前記特別遊技移行抽選の結果を示すときには、前記新たに図柄が変動表示される表示領域を通過するラインを停止表示ラインとして、そのライン上に停止表示される図柄により前記特別遊技移行抽選の結果を示すことを特徴とする請求項4に記載の弾球遊技機。
  6. 前記第1変動表示過程においては、前記停止表示ラインは画面を横または斜めに通過し、
    前記第2変動表示過程においては、前記停止表示ラインは3行3列の9つの表示領域に分割された画面を縦に通過することを特徴とする請求項3または5に記載の弾球遊技機。
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