本発明は、放射線を検出及び測定するための電子真空管装置及び撮像分野におけるそれの使用に関するものである。特に、本発明は、入射する放射線に応答して増幅電気信号を発生する光電子増倍管に関するものである。より詳述すれば、本発明は、光収集効率,空間的応答及びパッケージング密度を向上させて、それにより検出器及び撮像アレーの有用性を高める光電子増倍管の設計及び組立方法に関するものである。
その名前が暗示するように、光電子増倍管は、ほぼ管状に形成されている。普通の具体的な例においては、光電子増倍管は、金属管にて成り、その金属管の長さ方向中心軸線が、その増倍管の軸線となっている。ヘッドオン型光電子増倍管においては、光やその他の放射線が管内に入るのを許容する透明なフェースプレートが管の一端部に設けられている。管の他端部はステムプレートにて閉塞され、それを介して、様々な内部電極の気密性が確保される。管は、円形,長方形又は六角形の横断面を有していてもよい。幾つかの又は複数の光電子増倍管を極めて近接させて並んで配置して、高いパッケージング密度が要求される場合には、断面が長方形又は六角形の管を用いるのが有益である。
図1は、ヘッドオン型及びガラスエンベロープよりはむしろ金属チューブ部品が光電子増倍管の真空包囲部の横断面積を区画しているタイプの一般的な光電子増倍管の側面構成図である。図1は、ヘッドオン型の金属チューブ光電子増倍管の全体構造及び一般的な特徴を単に表示したものであるが、本発明の課題である、金属チューブとガラス製フェースプレートとの接合に関する詳細について特定したものではない。そのような光電子増倍管の一般的な特徴は、金属チューブ102を有し、その金属チューブ102の一端部がガラス製フェースプレート104によって閉塞され、他端部が金属ステムプレート106によってシールされていることである。そのステムプレート106を介して電極接続108がなされている。様々なダイノード又はマイクロチャネルプレート及びアノードを含む電極110のフレーム構造又はケージが、そのように構成された包囲部内に設けられている。一つの電極は、光子の吸収時に電子を放出する光電陰極として機能する。その光電陰極から放出される光電子は、陰極と電極との間に課せられる電場によって近くの電極に向けて加速させられる。光電陰極は、光電子放出性のコーティングを有する個別の電極であってもよく、また、一般に、光電陰極は、フェースプレートの内側面に付着される光電子放出性材のコーティング112として実現させることができる。電子の衝突によっていくつかの又はそれ以上の二次電子が放出されるように、ダイノード又はマイクロチャネルプレートには、電気的にバイアスがかけられている。入射する放射線114は、フェースプレート104を通って光電陰極112によって吸収され、最終的にアノード電流を発生させる電子カスケードを起こす。ダイノード又はマイクロチャネルプレートが、光電子増倍管の高信号ゲイン特性の基礎である電子増倍効果を発揮する。入射光に対するアノード電流の出力応答は、入射光の光路及び光電子と二次電子の軌道に関連する多くのファクターによって左右される。アノード電流応答は、光電子増倍管のフロントフェースに入射する光の位置とは関係ないのが理想的である。然しながら、図1に示したように構成された光電子増倍管においては、フェースプレート104のエッジの周りの周囲領域116が、光に対して低減した又は歪んだ応答を呈するものであることは明らかである。フェースプレート104の中心に入射する光子から起こるアノード電流と比較すると、光電子増倍管のフロントフェースのエッジ周縁領域116に入射する放射線から起こるアノード電流は、減少し、或いは光電陰極の掩蔽(obscuration),フェースプレートの内側と光電陰極との間での光路の不均一及び他の電極によって齎される電子増倍カスケードにおけるフリンジ効果のためにチューブの中央部の応答からかき乱される。その状態は、屡々、入射光が散乱する性質を持っていて、フェースプレートに斜めに入射する点において更に複雑となり、その結果、ガラス製フェースプレート又はチューブ包囲部内で複数の内部反射が起こる。これは、フェースプレートに近接したシンチレーター材料によって光が発生させられる場合に特に現実のものとなり、その場合には、入射した放射線が略等方性になり、放射線の重要な部分がフェースプレートの光学的制限によってトラップされる。本発明に関連して後述するように、この光のトラップ効果は、光電子増倍管のエッジ領域に関連する応答特性の欠陥を改善するために利用することができる。
エッジ効果に付随する空間的に不均一なアノード電流が、光電子増倍管の位置依存応答特性におけるギャップや歪みを生成する。そのような光電子増倍管が撮像アレー又は検出器アレー中に並んで集合されている場合には、エッジ効果は、それの原因又は様々な構造的特徴と現象との相対的な貢献に関係なく、光電子増倍管の使用を複雑化させる。本発明は、これらのエッジ効果を回避又は補整する組立デザイン及び方法、特に、ガラス製フェースプレートのエッジ形状に関するデザインとフェースプレートの金属チューブに対する取り付け方法を利用することにより、上記した欠点を処理しようとするものである。ガラス製フェースプレート104と金属チューブとの接触及びシーリングは、多くの方法によって実現することができ、本発明の一つの側面である。
或るケースにおいては、フェースプレートの代わりに、半球形のガラス覆い又は平坦な上面を備えた六角形或いは長方形断面のガラス覆いが用いられる。図2Aと図2Bは、夫々、そのようなガラス覆い202を有する光電子増倍管の側面図と斜視図を示したものであり、その光電子増倍管は、図1の光電子増倍管と類似していて、ガラス覆い202は金属チューブ204に整列してシールされていて、金属チューブ20の反対側の端部はステムプレート206によって閉塞されている。光電陰極208は、ガラス覆いの内側面にコーティングとして形成することができる。更に、図2に図示されているようなデザインの光電子増倍管においては、覆いの周囲において入射する放射線が光電陰極に効率的に伝達されないという点において、ガラス覆いの有限な壁210の壁厚がエッジ効果の原因となっている。そのようなエッジ効果は、実際上全ての光電子増倍管において或る程度生来的なものであるので、アレー中にそれらを使用することは問題である。
多数の光電子増倍管を撮像用のアレーの一部として近接パッケージング構造に組立てた場合には、光電子増倍管の周囲領域の減少された又は歪められた応答が重大な結果を持つ。図3Aは、アレー304内の横断面円形の複数の光電子増倍管302のフロントフェースの平面図を示している。最大のパッケージング密度は、隣接する光電子増倍管の金属チューブ間(又はガラス覆いの側壁間)の接点、例えば、306によって明らかに決定される。標準的な光電子増倍管を用いた撮像アレー又は検出器アレーにおいては、構成要素である光電子増倍管302の感光領域308の集合によって決定されるアレーの感光領域全体が、アレー自体の見かけ上の全領域よりも小さい。特に、隣接した光電子増倍管302の間には、入射する放射線が検出されないか或いは光電子増倍管のフェースプレートの中央領域に入射する光に対する応答と比較して応答が減少又は歪むギャップ310が存在する。一例として、光電子増倍管のフェースプレートに入射する放射線の位置と対応する応答の概略的なプロットを、図3AのA−A’線部分について図3Bに示した。縦軸は局在応答である。そのようなプロットは、アレーの光電子増倍管のフロントフェースを横切るようにレーザによって発生されるような精細に収束された光線ローブをスキャンした結果として及び区域A−A’のようなパスに沿った光線ローブの位置との対応で記録されるアノード電流応答によって理解することができる。図3Bに示した応答曲線におけるデップ(dip)は、光電子増倍管の周囲又は隣接した光電子増倍管の間のスペースに入射した光に関連する減少した応答に対応する。
エッジ効果及びその結果として生ずる減少した即ち歪んだ応答は、円形の横断面を有する光電子増倍管に限定されるものではない。長方形又は六角形の横断面を有する光電子増倍管は、円形の横断面を有する光電子増倍管と比較してより高いパッケージング密度に適合するものであるが、それにも拘わらず、管の有限な側壁厚さと、フェースプレートの周囲と光電陰極に関連するその他の現象のために、依然としてエッジ効果を受ける。例えば、図4Aは、六角形の横断面を有する光電子増倍管404から成るアレー402の平面図を示している。従来の光電子増倍管は、光電子増倍管の前面領域全体よりも小さな、空間的に略均一な応答の感光領域406を有することを特徴としている。図4AのアレーのB−B´区域に沿った、図3Bのプロットに類似した局在応答の概略的なプロットが図4Bに示されている。図4Bに図示したように、応答の減少又は歪みは、近接した光電子増倍管の間に光線プローブをスキャンさせた時の典型的なものである。この特徴が、予想することができ且つ空間的に規則的ではあるが、信号情報の重大なロスを示しているように、この特徴は、撮像分野にとって問題である。
エッジ効果及び光電子増倍管撮像アレーに対するそれの影響についての上述した考察は、多くの種類の光電子増倍管に関連する。光電子増倍管は、一般に、光電陰極と、複数のダイノード又はマイクロチャネルプレートと、少なくとも一つのアノードとを有し、これら部品の全てがシールされた真空チューブにて取り囲まれているという幾つかの共通した特徴を有している。複数のアノードとマイクロチャネルプレートとを含む様々な電極構造を特定した幅広い種類の光電子増倍管設計のものが存在する。本発明と密接な関係があり且つガラス製フェースプレートと金属チューブとの間をシールする方法に関係する光電子増倍管の側面に集中させて従来技術の検討を行うこととする。本発明が、内部電極の数,タイプ及び配列に関係なく、金属チューブとガラス製フェースプレートが接合されたものを利用し且つ殆どのヘッドオン型金属チューブ光電子増倍管を含む幅広い種類の光電子増倍管に適用することができることは理解できるであろう。
光電子増倍管の構造及び組立についての詳細が理解されるならば、本発明をより明瞭に理解することができる。ヘッドオン型に構成された光電子増倍管は、一部が、光電陰極又は装置の感光素子を構成する感光性材料にて被覆されたガラスファースプレーにて構成されている。フェースプレートは、一般的に長方形の横断面を有する金属チューブの一端部にシールされている。チューブの他端は、加工された金属ステムプレートによって封止されている。実際問題として及び或る利点にとっては、光電陰極コーティングは、フェースプレートが取り付けられる金属チューブの内側面を含む光電子増倍管覆いの他の内側面を被覆していてもよく、それにより、フェースプレートの剥き出しの内側面を越えて有効面を延ばしてもよい。シールされたチューブは、光電陰極,アノード,ダイオード又はマイクロチャネルプレートを含む覆いを構成している。その装置の作動の基本となる光電効果及び光電子増倍管効果にとっては、装置の内部スペースがサブ大気(真空)圧に維持されることが必要である。従って、ガラス製フェースプレートと金属チューブとの間の接合の完全性は、装置の運転寿命を通して十分なエアータイトを達成及び維持することができるようなものでなければならない。ガラス製フェースプレートと金属チューブとの間のシールの実効性は、その金属とガラスとが緊密に接している領域の幾何学的な細部に左右される。更に、そのシールの幾何学的配列が、光電子増倍管の製造の容易性に影響を与える。
光学的検出器デザインの一般的な目的は、可能な限り多くの関連の入射放射線を用いて出力信号を発生させる装置にある。この目的のため、フォーカスされ、コリメートされ又はそうでなければ検出器の視野から集められた放射線は、検出器の感光素子に効率的に繋げられる必要がある。光電子増倍管の場合には、感光素子は、光電陰極である。それ故、光電陰極に繋げられない、光電子増倍管に入射する放射線のあるものが、光電子増倍管の性能ロスを構成することとなる。利用可能な光のうちのいくらかは、常に、反射,吸収及び検出器の幾何学的配列に生来的に備わっているシェーディング効果に起因して損失され、それ故、光学的集光効率は完璧なものではない。
従って、光電子増倍管のデザイン及び構造の目的は、可能な限り広い領域に亘る応答の空間的均一性を維持し且つ信号対雑音比を低下させることなく、入射光子に対するアノード電流応答を最大限にさせることにある。この点に関して、本発明は、ガラス製フェースプレートと金属チューブとのシールが行われている光電子増倍管の前面の周囲に関係するものである。このエッジ領域は、この領域に入射する光が光電陰極の方向へ効果的且つ均一に向けられない点において、応答性を低下させる。更に、光電陰極の周囲領域から放出する光電子によって開始される二次電子カスケードの増加効果は、フェースプレートの中心領域に入射する光によって誘導される電子によって始まる増加効果とは相違していることがある。これらのエッジ効果自体或いはそれらが組み合わさることに起因して、光電子増倍管撮像アレーは、不十分な又は不均一な応答性領域に災いされて、画像が歪められる。
本発明は、光電子増倍管のデザイン,構成及び応用において遭遇する一般的な問題の解決法として捉えられる。この問題は、光電子増倍管の或る幾何学的特徴によって齎される結果であり、その幾何学的特徴は、前端でフェースプレートによってシールされ且つ他端においてステムプレートでシールされた時に電極を収容して真空覆いを構成する金属チューブに対するガラス製フェースプレートの位置決めの方法によって齎される。一般に実施されているフェースプレートとチューブとの配列は、装置の一部を入射イルミネーションに境界を作るけれども入射放射線を光電陰極に効率的に繋げさせないものにしてしまい易い。
図5A,5B,5C及び5Dは、金属チューブとガラス製フェースプレートとの間の接触を構成する様々な公知の配列を示している。図5Aは、一端部に形成された金属フランジ504を備えた光電子増倍管チューブを示し、フェースプレー506の周囲が金属フランジ504に係合されてフランジ504の下面にシールされている。フェースプレートは、図示したように、光電陰極コーティング508を含んでいてもよい。また、フェースプレート506は、図5Bに示したように、フランジ504の上面に据え付けてもよい。図5Bに示した特定の具体例は、真空ローディング下において更に構造的安定性を発揮することができる。図5A及び図5Bにおけるフェースプレート506とフランジ504と金属チューブ502の配列においては、金属とガラスとの接触面積が比較的大きいので、金属チューブとフェースプレートとの間に十分なシールを確保することができる。然しながら、検出器性能の面から観ると、この配列は可也の量の掩蔽領域を提示することとなる。金属フランジ504は、光電子増倍管の前面に入射する放射線の重要な部分をブロックし、その装置の活動領域を減少させ、それ故、そのような光電子増倍管の感光領域が、光電子増倍管の全体の横断面積よりも可也小さくなる。
図5C及び図5Dは、図5A及び図5Bに示した例に関連して述べた光電子増倍管の幾何学的配列における生来的なエッジ効果に付随する応答ロスを主にフランジ部材504を除去することによって減少させるために設計された、フェースプレート506と金属チューブ502との連結配列構造を示した図である。図5Cにおいては、フェースプレート506の側端は金属チューブ502の内側面と接触している。図5A又は図5Bに図示したフェースプレートとチューブとの配列と比較すると、図5Cのデザインは、光電陰極508が一層広く入射放射線に晒されることを可能にする。図5Dにおいては、フェースプレート506の周囲領域510が金属チューブ502の上面に据え付けられている。また、図5A又は図5Bに図示したフェースプレートとチューブとの配列と比較すると、図5Dのデザインは、光電陰極508が一層広く入射放射線に晒されることを可能にする。
図5C及び図5Dに示したデザインはエッジ領域の低下した応答を減じるものであるが、ガラス製フェースプレートと金属チューブとの間の接触領域が比較的小さいので、図5C及び図5Dに示したデザインは、フェースプレートと金属チューブとの間の気密性を実現するのに資するものではない。
欧州特許出願公開EPA1282150A1(下井)(特許文献1)には、金属チューブとガラス製フェースプレートとの間の十分なシールを確保しつつ、エッジ効果を部分的に減少させることを企図した、光電子増倍管における金属チューブに対するフェースプレートのシールに関するデザイン及び方法が開示されている。下井は、ガラス製フェースプレートに金属チューブのエッジを埋め込むことによって光電子増倍管をシールする様々な態様を提供している。例えば、下井の記述に基づいて作成した図6は、ナイフエッジ端部604を構成するようにテーパーが付されている端部を有する金属チューブ602が示されている。そのように形成された金属チューブ602の端部を、高周波(RF)加熱によって加熱し、ガラス製フェースプレート606に整合させて押し付け、それによりガラス製フェースプレート606は、金属チューブの端部との接触点において、金属チューブの高熱のために溶融する。次に、金属チューブエッジ604を軟化したガラス製フェースプレート606内に押し込むことができ、そして、ガラス製フェースプレートが冷却で硬化して、ガラスと金属との間を溶融接合させる。ガラス製フェースプレートに埋め込まれた金属チューブは、良好で信頼性の有る気密性を確実なものにする。上述した例に関して説明したように、フェースプレート606の内側面に光電陰極608が形成される。このデザインによって依然として光電陰極608がぼんやりとされる程度は、処理の特定の細かい部分に左右される。
下井の明細書及び図面に依れば、溶融処理の結果、図6に示したようにフェースプレートのエッジから側方へ突出した膨出部610が形成される。そのような膨出部を少なくとも幾分存在しないようにすることが、下井の発明の目的の一つである。その理由は、アレーの密接パッケージング構造中に複数の光電子増倍管を配置する時に、膨出部が隣接する光電子増倍管間の緊密な接触を妨害するからである。また、光電子増倍管の周囲612に関連する応答性が、金属チューブとフェースプレートのシーリング処理から形成される膨出部のために、依然として、幾分減少され又は歪められることは明らかである。それ故、下井の具体例は、光電子増倍管の応答性に影響するエッジ効果を完全に取り除くものではなく、光電子増倍管リレーにおける略最大限の密接なパッケージング密度を確保するものでもない。
本発明は、光電子増倍管アレーでの高いパッケージング密度を妨げ或いはアレー中に減少した或いは歪んだ応答をする領域を作り出す外来的構造上の特徴を回避又は効果的に取り除いた光電子増倍管の幾何学的配列を利用することを目的とする。
更に、本発明は、光電子増倍管のチューブ部品の横断面積と少なくとも同じ大きさであるか或いはより大きな領域から光を集め且つその集められた光を効率的に光電陰極につなげる、テーパーの付いたエッジを備えたフェースプレートを光電子増倍管に組み込むことを目的とする。
本発明の別の目的は、フェースプレートに入射する放射線と、光電子増倍管の内部に配置される光電陰極との間の光路をチューブの側壁が直接的に妨げないように、フェースプレートの下面側で金属チューブとフェースプレートを接触させるようにしたことにある。
本発明は、ガラス製フェースプレートと金属チューブとをシールするために用いられる加熱処理の結果としてガラス材料中に形成される膨出部,突出部又はその他の欠陥が、複数の光電子増倍管を撮像アレー中に並列してパッケージングする場合に隣接した光電子増倍管の間の密接な接触を妨げないような或いは隣接した光電子増倍管の間にギャップを作り出すことがないような程度に、光電子増倍管のフェースプレートのエッジにテーパーを付けることを更に目的とする。
本発明の更に別の目的は、フェースプレートの周囲付近に入射する放射線からの光電子増倍管の応答の減少,歪み又はその他の摂動が、応答に影響するエッジ効果がイメージ処理アルゴリズムによって修正及び(又は)補整することができるようものであるように、光電子増倍管のフェースプレートのエッジを形作って、金属チューブとガラス製フェースプレートのシールを調整することにある。
本発明の更に別の目的は、金属チューブとガラス製フェースプレートとの間の簡単で且つ信頼性の有る気密性シールに適合且つ資する形状及び寸法を備えた光電子増倍管部品を利用することにある。
本発明の更に別の目的は、溶融半田シール又は加熱圧縮接合を用いることが可能で且つステムプレートをチューブに係合させてシールする前にフェースプレートに光電陰極被覆を形成するのに適合した光電子増倍管構造体と組立方法を提供し、それにより、光電陰極を含んだ光電子増倍管製作品に溶接を行うことを回避することにある。これにより、溶接処理に付随する比較的高温度又は蒸気放出のために、光電子増倍管の光電陰極又はその他の電極に溶接が及ぼす潜在的な損傷又は性能低下効果を回避することができる。
本発明は、金属チューブにシールされたガラス製フェースプレートより成る光電子増倍管と、そのような光電子増倍管の性能、特に撮像アレー中における性能を向上させる、光電子増倍管のデザイン及び組立方法に関するものである。より詳述すると、本発明は、フェースプレートのエッジ領域及び光電子増倍管の周囲又はそれらの近くに入射する放射線に対する応答性を含めた放射線に対する応答性が一層空間的に均一となった光電子増倍管を開示するものである。本発明に依れば、撮像アレー中における隣接した光電子増倍管間のギャップを減少させ、隣接した光電子増倍管の間の接触領域から或いはその周りからの放射線の集線を増加させることにより、撮像アレー中における光電子増倍管の利用を向上させる。
光電子増倍管の応答性は、光電陰極の光学的な放射線集線効率と、他の電極に関連する電子増倍作用とに左右される。光電陰極の光学的な放射線集線効率は、光電子増倍管のデザインと性能の特殊な特徴を付加する示性数として機能する。一般に、光電子増倍管は、放射線に晒される領域の或る限定された部分に境界を作る。その部分に入射した光子の一部が放射線感応光電陰極に伝わって、光電陰極において電気的応答が開始される。光子のこの一部は、入射した放射線の集線効率を示すものと考えることができる。この集線効率は、放射線の反射、吸収又は放射線源と光電陰極との間の光路における何らか掩蔽のために、完全なものではない。従来の光電子増倍管においては、その装置の周囲、即ち、チューブの前面のエッジ領域が、装置の組立方法、特にガラス製フェースプレートを金属チューブにシールする方法によって発生する或る幾何学的な影響のために、入射する放射線に対する減少し或いは歪んだ応答を一般に呈する。本発明は、光電子増倍管の周囲に関連するそのような集線効率ロスを処理するものである。概括的に言えば、本発明は、フェースプレートと光電陰極との間の光路を覆ってしまう構造的な特徴を除去し及び入射光を光電陰極へ光学的に繋げることを増進させる特徴を組み込むことにより、光学的集線効率のロスを減少させるものである。更に、本発明は、アレー中に複数の光電子増倍管を並べて緊密にパッケージングさせた場合に、隣接する光電増倍管の間のギャップをできるだけ小さくさせた光電子増倍管構造を提供するものである。
より詳述すると、本発明は、ガラス製フェースプレートについて独特なテーパー付きエッジ形状を採用し、ガラス製フェースプレートの下面側でそのフェースプレートと金属チューブとの間の接続部において気密性シールを確保したものである。入射した放射線の掩蔽を回避することに加えて、反射性層又は反射面と組み合わさったフェースプレートの特定形状が、フェースプレートのエッジに入射する光線を光電陰極へ繋げるよう機能する光トラッピング効果を作り出す。ガラス製フェースプレートの平面に対してエッジ側面が斜めになるようにフェースプレートのエッジにテーパーを付け、金属チューブとガラス製フェースプレートとのシールをフェースプレートの下面に限定して行い、更にガラス製フェースプレートの斜めに形成された側壁に光トラッビングを実行するための反射性コーティングを任意的に付加する(その代わりに、生来的に備わった屈折率変化に依存する)ことによって、従来の電子増倍管が遭遇する応答を歪め又は減少させるエッジ効果を軽減させることができる。
本発明は、様々の種類の光電子増倍管構造にとって有用であるが、特に、金属チューブで構成されたヘッドオン型光電子増倍管に有用である。本発明及びその他のヘッドオン型光電子増倍管に共通な点は、一般的にガラスから作られた透明又は半透明のフェースプレートに取付けられた金属チューブにある。フェースプレートは、この装置の作動の基本になる光電子及び二次電子効果に必要な半大気(真空)圧状態を維持するために、フェースプレートが連結される金属チューブと協働して気密シールを構成している。より重大なことは、ガラス製フェースプレートが、シールされたチューブによって作り出される真空囲い内に外部からの放射線が入射するのを可能にする窓として機能することである。好ましくは、ガラス製フェースプレートの内側は、光電陰極として機能する感光性材料にて被覆されている。その光電陰極被覆の一部は、チューブ方向へ延びて金属チューブの内側壁を包含するようにしてもよい。それに代えて、光電陰極は、フェースプレートから離して真空囲い内に配置した電極素子であってもよい。金属チューブは底面においてステムプレートによってシールされ、そのステムプレートを介して電極接続が構成され、そのステムプレートにはポンピングによってチューブを真空にするためのポートを設けてもよい。ステムプレートのポートは、真空囲いの内部にコーティングを付着させ又は存在するコーティング又は真空囲いの表面を化学的に変化させる手段を提供するために、チューブの内面に充満させる気化物質を誘導するためにも用いることができる。
このようにして、光電子増倍管が組み立てられシールされた後に光電陰極を形成することができる。
本発明は、ガラス製フェースプレートの形状,金属チューブに対するガラス製フェースプレートの位置決め及び金属チューブに対するガラス製フェースプレートのシーリング方法に関して及びフェースプレートの周囲からの放射線の集線効率を高めるためにフェースプレートのエッジの反射面を利用するという点において、従来技術から派生したものである。ガラス製フェースプレートと金属チューブとをシールする従来の方法及びそのような方法を用いて作られた構造の特徴は、放射線の集線率,応答の空間的均一性及び光電子増倍管のパッケージング密度を低下させ易い。そのようなタイプの多くの光電子増倍管は、本願において教示されるデザイン,構造の材料及び組立方法を簡単に利用することができ、しかも、それらから利点を得ることができる。アレーに関連した本発明の特別な特徴は、従来の多くの具体例と比較して、隣接した光電子増倍管のより密接した並列接触を可能にする点にある。
好ましい具体例
本発明は、テーパーの付いたエッジを備えて作られたフェースプレートに特性を持たせたものである。図7は、傾斜した側壁704を備えたフェースプレート702と、フェースプレート702の下面718に埋め込まれた金属チューブ706のエッジとを示した側面図である。フェースプレート702の側壁704は、図7に示したように、フェースプレートの平面の法線に対して角度αを持って傾斜している。図6を参照して説明した例と同様に、金属チューブをフェースプレートにシールするために用いられる処理によってガラス製フェースプレートに膨出部708が形成されることは明らかである。光電陰極710が、フェースプレート702の下面に光電子放出性材料のコーティングとして形成されている。気相化学成分の凝縮によって適切に付着される光電陰極コーティングは、チューブの内部に晒される膨出部の面712をほぼカバーし、チューブ706の内面に概して延びていることが分かる。この特徴は、特にエッジ領域からの、光電陰極の放射線集線率を向上させるものとして、概して有益である。更に、本発明の好ましい具体例においては、図7に示されているように、金属チューブと接触している光電陰極コーティングの部分によって実現されるような、光電陰極と導電性金属チューブとの間の電気的連続が、光電陰極を電気的にバイアスする手段を提供する。例えば、光電陰極710がグランドポテンシャルに維持されている金属チューブと物理的に接触している場合には、光電陰極710をグランドポテンシャルに設定することができる。他方、光電陰極がグランドに関する負電位で作動するようになっている場合には、金属チューブをその負電位でバイアスさせることができる。この場合には、金属チューブの外側面を電気的絶縁,ノイズリダクション及び安全性のために絶縁層で被覆するのが得策である。
入射した放射線714は、フェースプレートの断面が台形となっているためにフェースプレート716の下面718よりも面積が大きくなっているフェースプレート716の上面に衝突する。参照符号714で示した入射光線の場合に関しては、光が側壁から反射して、最終的に光電陰極に衝突する。図6を参照して説明した従来技術に従って構成された光電子増倍管のフェースプレートのエッジ近くに同様に位置する光線は、通常、効率的に光電陰極に繋がらないことが分かる。図7に示したように90°−αに等しいθの入射角で側壁に衝突する714のような入射光線は、一般に側壁704から反射して、光電陰極710の方向に向けられる。フェースプレートガラスの臨界角θcを越えた入射角θの光線も、そのように反射するであろう。臨界角θcは、nがフェースプレートガラスの屈折率である場合のアークサイン(1/n)によって求められる。こうして、この内部反射によって、フェースプレートのエッジ近くに入射する光を検出するための手段が提供される。或る場合には、光は、フェースプレートの上面716からの内部反射を含む複数の内部反射をして理想的には最終的に光電陰極に吸収される。そのような内部反射を促進させるために、金フィルムやアルミニウムフィルムのような反射性コーティング720をフェースプレートの傾斜した側壁704上に付着させることができ、その場合には側壁からの反射は、実際上全ての入射角θに関して達成される。
撮像アレーに組立てられる光電子増倍管に関する本発明の利点は、図8Aを参照することにより理解することができ、図8Aは、二つの隣接した光電子増倍管802,804の間の区域C−C’に沿って緊密に接した光電子増倍管802,804の断面を示した図である。それら光電子増倍管は、図7を参照して説明したのと同じ特徴を有している。
図8Bは、図8Aに断面で示した隣接した光電子増倍管の区域D−D’に沿った応答曲線の概略図で、図4Aに示したような従来の光電子増倍管の幾何学配列の近接パッケージングアレーが呈する応答曲線と比較して、隣接した二つの光電子増倍管の間の領域において応答性が高まっていることを示している。図8Aに示したように、フェースプレート806,808、金属チューブ810,812、テーパーの付いた側壁814,816、フェースプレート上面818,820、シーリング膨出部822,824及び光電陰極826,828を夫々備えた二つの光電子増倍管802,804が、フェースプレート806,808の上面818,820の周囲に沿ったポイント830の所で接触している。フェースプレート818,820のテーパーの付いた側壁は、反射性材料832にて被覆されている。金属チューブ810,812の埋め込まれたエッジとの溶融接触によって形成されたシーリング膨出部822,824は、隣接した光電子増倍管802,804の近接接触を制限することはない。
フェースプレートの異なった点に入射する放射線の代表的な光線追跡が図示されている。例えば、光線832はフェースプレートの上面818に入射し、遮られていない経路を辿ってポイント834の所で光電陰極826に直接に伝達される。光線836は、フェースプレート上面818のエッジ近くの部分に入射している。この光線836は、図示されているようにポイント838の所で、テーパー付き側壁814から反射して、ポイント840の所で光電陰極826に衝突する。光線836の光路は、本発明のデザインによって、光電子増倍管の周囲近くでの入射放射線であっても光電陰極まで伝達されることを実証している。同様の事が、隣接した光電子増倍管804の上面820に入射する光線についても言える。例えば、光線842は、ポイント844の所で側壁816から反射して、ポイント846の所で光電陰極828に衝突する。上述したように、側壁814,816からの光の反射は、フェースプレート806,808と空気との間の屈折率差のために起こり、より好ましくは、側壁814,816に反射性コーティング848を施すことにより促進される。その反射性コーティングは、金,アルミニウム又は銀等の光る金属又は酸化化合物等のようなその他の材料であってもよい。
図8Aに示したアレーのD−D’区域に沿った入射放射線の位置と関連するアノード電流応答の概略的なプロットが図8Bに示されている。そのプロットは、二つの隣接した光電子増倍管の境界に又は境界近くに入射する放射線についてかなりの信号が得られるが、それでもその信号がフェースプレートの中央領域近くに入射する光によって作り出される信号と比較して歪んでいることを示している。この複雑な結果は、当業界においてよく知られ且つ撮像装置の欠陥や異常を訂正するために通常用いられるイメージ処理アルゴリズムによって訂正又は補整することができるので、光電子増倍管の周囲領域に入射する放射線からの信号が完全にロスされる場合よりは好ましい。こうして、「エッジ効果」として広く特徴が明らかにされている、光電子増倍管の応答ロスは、光電子増倍管の周囲に入射する放射線を捕らえて光電陰極へ衝突させるようにさせる幾何学的デザイン及び光学的特徴を取り込むことにより回避又は改善することができる。
本発明は、有効な応答領域をかなり増加させたという点において、従来の光電子増倍管をかなり改善したものである。更に、撮像アレーにおける隣接した光電子増倍管の密接なパッケージングを妨げる側壁突起又は障害物を回避することができる。本発明に従って構成された光電子増倍管は、隣接したチューブの密接な接触を可能にすることができ、それ故、隣接した光電子増倍管の間のギャップを徹底的に減少させることができる。
信号のある程度の歪みは、光電子増倍管の周囲領域及びアレーにおける隣接した光電子増倍管の間に入射する放射線にとっては不可避的なものである。本発明のデザインにおいては光電子増倍管の周囲に入射する放射線は、ほぼ光電陰極によって集められるが、光電子増倍管のフェースプレートの中央に衝突する同様の放射線と比較して、歪んだアノード電流をおそらく生じさせるであろう。従来の光電子増倍管を凌駕した本発明のかなりな利点は、そのイメージ信号の一部に歪みが発生することは、アルゴリズムが、歪みを修正又は補整することができるものの、存在しない信号の情報ロスを取り戻すことができないようなイメージ信号のロス部分が発生することよりは、望ましいという概念に基づいていることである。
好ましい組立方法
本発明に係る光電子増倍管のデザインは、光電子増倍管の確立された少なくともいくつかの組立方法に適合する。図7に示したように、ガラス製フェースプレート702を形作り、例えば参照符号704で示したエッジを当業界においてよく知られたガラスカッティング,研削及び磨き処理を用いて傾斜を付ける。図7中に限定された最良の側壁角度αは、膨出部の大きさ及び金属チューブ壁の厚さに従って変えられる。金属チューブ706は、例えば、ステンレス鋼、即ち、Kovar(商標)を含む様々な金属から作ることができる。チューブは、高周波(FR)加熱を含む多くの技術によって加熱することができる。熱応力効果を少なくするために先細りに形成された金属チューブの加熱されたエッジをガラスに押し付ける。加熱されたチューブの金属エッジによってガラスのチューブと接したポイントでガラスを十分に軟化させて、チューブをガラス内に挿入させる。冷却した時に、ガラスが凝固して、ガラス製フェースプレートと、エッジがガラスフェース内に埋め込まれた金属チューブとの間に十分に頑丈な気密性シールが作られる。光電陰極コーティングをフェースプレートの内側に付着させる。本発明に係る光電子増倍管の組立てでのこの工程において、フェースプレートの「内側」とは、チューブが埋め込まれるフェースプレートの側を意味する。シールされた金属チューブを備えたフェースプレートを真空コーティングチャンバー内に入れる。フェースプレートの内側上にアンチモンを蒸着させて、フェースプレート702と金属チューブの内側面の一部分にコブをつける。アンチモンの層をアルカリ気化物質で処理して、所望の光電子放出特性を有する光電陰極710を作る。それに代えて、アンチモンとアルカリとを真空コーティング工程で共に付着することができる。そのような薄いフィルム真空コーティングは、厚さ及び光電子放出特性の点において非常に均一な光電陰極を提供することができる。マルチ−チャンバー真空システムにおいては、第一の真空チャンバー内で光電陰極を蒸着させて、金属チューブにシールされたガラス製フェースプレートにより成り且つ光電陰極が形成されたワークピースを第二の真空チャンバーへ移送する。電極が取付けられ且つフェースプレートが取付けられた金属チューブをシールするための目的でインジウム又はインジウム合金が付加されたステムプレートを第二のチャンバー内に配置する。マニピュレーターが、フェースプレートが取付けられた金属チューブを移動させ、それをステムプレートと整合係合させて、チューブとステムプレートとを一体に押し付ける。インジウム合金が溶融しているならば、チューブをステムプレートに半田付けするのに効果的に役立つ。インジウム又はインジウム合金が固体である場合には、ステムプレートと金属チューブとを加熱加圧接合させる。光電子増倍管は真空チャンバー内で組立てられシールされるので、シーリング後に光電子増倍管囲いをポンプアップする必要がないことが分かる。更に、ステムプレートをチューブにシールするための溶接工程を回避することができる。溶接に伴う高温及び蒸気は、光電陰極及び光電子増倍管のその他の構成要素を劣化させることがある。
光電子増倍管の別の組立方法を考えることができる。これは、光電子増倍管を(大気圧で)組立てシールした後に、光電子増倍管を真空にさせるためにポンプと接続される開口ポートを備えたステムプレートを組み込むものである。そのような方法は、大抵、ステムプレートをチューブに溶接する工程を含んでいる。これの後に、光電子増倍管内に含められたアンチモンペレット蒸着源を加熱することによって光電陰極を本来の場所に形成する。この方法の変形例においては、チューブをシールする前に光電陰極を蒸着するか或いはステムプレートのポートを介してアンチモン及びアルカリ気化物質を導入して光電陰極を形成することもできる。いくつかの理由で、その別の方法は、真空チャンバー内において行われる全ての処理によって、ガラス製フェースプレートと金属チューブとを先ず接続し、次に、フェースプレートに光電陰極を蒸着し、フェースプレートと光電陰極コーティングとを備えたチューブをステムプレートと係合させてインジウム半田付け又は加熱加圧接合を用いてステムプレートにシールする上述した好ましい技術よりは劣っている。その別の組立方法の欠点は、次の通りである。第一に、溶接処理は、光電陰極及びその他の電極を劣化させ易い。第二に、アンチモンペレットの部分的な蒸着後に残存するアンチモンペレットの部分と、アンチモンペレットを蒸着させるためにそのペレットを電気的に加熱するのに用いられる接続ワイヤとが、光電子増倍管における電子軌道を摂動させて、空間的応答の歪みを齎す。更に、いくつかの光電子増倍管のデザインでは、アンチモンペレット蒸着源を適切な位置に配置させるための十分なスペースがないものがある。第三に、障害物及びフェースプレートとステムプレートとの間に位置している様々な電極とプレートを貫通している曲がりくねった路が有るため、ステムプレートのポートを介して気化物質を導入することにより光電陰極の均一な蒸着を達成することが困難である。本発明による光電子増倍管の好ましい組立方法は、そのような問題のある組立工程の利用を排除したものである。
本発明の広範な技術的思想から逸脱しない範囲で上述した発明に変形又は修正を加えることができることは当業者に理解されるであろう。従って、本発明は、茲に開示された特定の具体例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内の全ての修正及び変形を含むものであることが理解される。
フロントエンド型金属チューブ光電子増倍管の概括図である。
金属チューブ上にガラスエンペロープを取付けることにより構成された光電子増倍管の側面図である。
図2Aに示した光電子増倍管の斜視図である。
円形の横断面を有する光電子増倍管のアレーの部分平面図である。
図3AのA−A’に沿って入射する放射線に関する図3Aの光電子増倍管アレーの応答プロットのグラフである。
六角形の横断面を有する光電子増倍管のアレーの部分平面図である。
図4AのB−B’に沿って入射する放射線に関する図4Aの光電子増倍管アレーの応答プロットのグラフである。
光電子増倍管の金属チューブとガラス製フェースプレートとの接続に関する第一の幾何学的配列を示した部分側断面図である。
光電子増倍管の金属チューブとガラス製フェースプレートとの接続に関する第二の幾何学的配列を示した部分側断面図である。
光電子増倍管の金属チューブとガラス製フェースプレートとの接続に関する第三の幾何学的配列を示した部分側断面図である。
光電子増倍管の金属チューブとガラス製フェースプレートとの接続に関する第四の幾何学的配列を示した部分側断面図である。
欧州特許出願公開EP1282150A1に開示された光電子増倍管におけるフェースプレートと金属チューブとのシール方法を説明するための部分側断面図である。
本発明による光電子増倍管の部分側断面図で、フェースプレートの周囲に入射し、反射して光電陰極に衝突する放射線の軌跡を示した図である。
本発明に係る二つの隣接した光電子増倍管の部分側断面図で、隣接した光電子増倍管の接触領域の近くに入射する放射線の典型的な軌跡示した図である。
図8Aに示した光電子増倍管の応答プロットのグラフである。