JP6049350B2 - 放射線発生管、放射線発生ユニット及び放射線撮影システム - Google Patents

放射線発生管、放射線発生ユニット及び放射線撮影システム Download PDF

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Description

本発明は、放射線発生管、この放射線発生管を放射線源として備えた放射線発生ユニット及この放射線発生ユニットを用いた放射線撮影システムに関する。
従来、放射線発生ユニットの放射線源として使用される放射線発生管には、絶縁性の管状部材と、導電性の電極とからなる真空容器が使用されており、この管状部材と電極の接合にはろう材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許公開第2007/0076849号明細書
ところで、放射線発生管の真空容器には、内部の真空雰囲気を維持できる密閉性が要求される。このため、この真空容器を構成する管状部材と電極の接合は、安定した密閉状態が得られるようにして信頼性を高める上で、必要十分な量のろう材等の導電性接合材を用いて行うことが好ましい。
しかしながら、必要十分な量の導電性接合材を用いて接合を行うと、相対向する管状部材の接合面と電極の接合面との間(以降、本明細書では「接合面間」と称する)から導電性接合材がはみ出しやすくなる。接合面間から導電性接合材がはみ出した場合、はみ出した導電性接合材の形状によっては、放射線発生管を駆動させた際に、はみ出した導電性接合材の先端に電界が集中し、この放射線発生管を用いた放射線発生装置内の異常放電を誘発する恐れがある。
一方、放射線発生ユニット及び放射線撮影システムにおいては、小型化や、放出される放射線の高エネルギー化に対応するために、使用する放射線発生管の耐電圧特性の向上が求められている。また、耐電圧特性を向上させることにより、動作安定性が向上し、高圧印加が可能となることで、性能向上が期待される。放射線発生管の真空容器について、安定した密閉性と同時に、耐電圧特性を向上させることで、放射線発生ユニット及びこれを用いた放射線撮影システムの信頼性と性能を向上させることが可能となる。
本発明は放射線発生管の真空容器を構成する電極と管状部材の接合において、安定した密閉状態を得ると同時に、接合面の間からはみ出した導電性接合材による電界集中を抑制できるようにすること目的とする。また、本発明は、放射線発生ユニット及び放射線撮影システムの信頼性及び性能を向上させることをも目的とする。
本発明の第1は、絶縁管、該絶縁管の管軸方向における一方の端部に接合された陰極及び前記絶縁管の他の端部に接合された陽極を備えた真空容器と、前記陰極に接続された電子放出源と、前記陽極に接続されたターゲットとを有し、前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極のそれぞれとが導電性接合材を介して接合された放射線発生管であって、
前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極の少なくとも一方の電極とが、相対向する前記絶縁管側の接合面と、前記少なくとも一方の電極側の接合面との間に前記導電性接合材を挟み込むと共に、前記両接合面の間から前記絶縁管の外周面又は内周面へ前記導電性接合材がはみ出した状態で接合されており、
前記少なくとも一方の電極側の前記絶縁管側の接合面に隣接して、前記外周面又は前記内周面に凹部が形成されており、前記はみ出した導電性接合材の先端が、前記他方の電極から直視されずに留められるように、前記凹部が前記絶縁管に設けられていることを特徴とする。
本発明の第2は、絶縁管、該絶縁管の管軸方向における一方の端部に接合された陰極及び前記絶縁管の他方の端部に接合された陽極を備えた真空容器と、前記陰極に接続された電子放出源と、前記陽極に接続されたターゲットとを有し、前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極のそれぞれとが導電性接合材を介して接合された放射線発生管であって、
前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極の少なくとも一方の電極とが、相対向する前記絶縁管側の接合面と、前記少なくとも一方の電極側の接合面との間に前記導電性接合材を挟み込むと共に、前記両接合面の間から前記絶縁管の外周面又は内周面へ前記導電性接合材がはみ出した状態で接合されており、
前記少なくとも一方の電極側に位置する前記絶縁管の前記端部を前記絶縁管の外周面又は内周面に設けた段差部を介して前記絶縁管の中間部より肉厚を薄くした薄肉部を有し、
前記段差部は、該段差部を設けた前記絶縁管の外周面又は内周面側が前記薄肉部側よりも前記少なくとも一方の電極側に近づくように傾斜しており、
前記はみ出した導電性接合材の先端が、前記薄肉部に留められるように、前記段差部が前記絶縁管に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の第は、本発明の第1又は第2に係る放射線発生管と、該放射線発生管を収容した収納容器とを備え、該収納容器は、前記放射線発生管から生じる放射線を取り出すための放出窓を有し、前記放射線発生管を収容した内部の余剰空間には絶縁性液体が満たされていることを特徴とする放射線発生ユニットを提供するものである。
更に本発明の第は、本発明の第に係る放射線発生ユニットと、
前記放射線発生ユニットから放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システムを提供するものである。
本発明の放射線発生管によれば、接合面の間からはみ出した導電性接合材は凹部内に留められている。従って、一方の電極と管状部材間の接合面からはみ出した導電性接合材の先端が他方の電極と直接対向することがなく、駆動時の電界集中を防止することができる。このため、本発明によれば、耐電圧特性に優れた放射線発生管とすることができる。
また、本発明の放射線発生管を用いた放射線発生ユニットによれば、長時間に亘り、安定した密閉性と高い耐圧特性を維持することができる。従って、放射線発生ユニット及びこれを用いた放射線撮影システムの信頼性及び放射線出力安定性等の性能を高めることができる。
本発明に係る放射線発生ユニットの断面図である。 図1の放射線発生ユニットに用いられている本発明に係る放射線発生管の電極と管状部材の接合部の拡大断面図である。 本発明に係る放射線発生管の電極と管状部材の接合部の拡大断面図で、(a),(b)はそれぞれ他の凹部の例を示す図である。 本発明に係る放射線発生管の電極と管状部材接合部の拡大断面図で、スリーブを介して接合した例を示す拡大断面図である。 本発明に係る放射線発生管の電極と管状部材の接合部の拡大断面図で、凹部を管状部材の内周面に設けた例を示す図である。 本発明に係る放射線発生管の電極と管状部材の接合部の他の例を示す拡大断面図で、(a)は段差部を管状部材の外周面側に形成した例、(b)は段差部を管状部材の内周面側に形成した例を示す図である。 本発明に係る放射線撮影システムの一例を示す説明図である。
以下、図面に基づいて本発明を更に説明する。なお、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
図1及び図2を用いて本発明の放射線発生管及び放射線放出装置の構成例について説明する。
放射線発生管1は、電子放出源(電子銃)3と、ターゲット5と、真空容器8とを備えている。真空容器8は、絶縁性の管状部材(絶縁管)6と、この管状部材6の開口の一方に接合された電極である陰極2と、開口の他方に接続された電極である陽極4とを備えている。
電子放出源3は、電子を放出する電子放出部9と、陰極2に接続された電流導入端子11を備えている。電子放出源3は、真空容器8の外部より放出電子量を制御可能な電子放機能を有するものであればよく、冷陰極型電子放出源、熱陰極型電子放出源等を適宜適用することが可能である。また、大電流の電子線10を安定して取り出せる点では、含浸型カソードの熱陰極型電子放出源を好適に使用することができる。電子放出源3は、陰極2に設けた電流導入端子11を介して、電子放出量の制御及び電子放出のオン・オフのタイミング制御を可能とするために、真空容器8の外部に設置した駆動回路12に電気的に接続されている。この実施形態では、駆動回路12は真空容器8の外部に設置されているが、真空容器8の内部に設置することも可能である。
真空容器8内は、電子放出源3が備える電子放出部9から放出された電子が、電子線10としてターゲット5に照射可能な程度に減圧(真空排気)されている。真空容器8の内部空間の真空度は、使用する電子放出源3の種類や、駆動条件等を考慮して適宜選択する事が可能であるが、通常、1×10-8〜1×10-4Pa程度の真空度とされる。電子放出源としてスピント型、MIM等の冷陰極型電子放出源を使用した場合には、電子放出特性の安定性の観点から、1×10-6Pa以下の真空度とすることが好ましい。真空容器8内の真空度の維持のために、不図示のゲッタを真空容器8の内部空間又は内部空間に連通している不図示の補助スペースに設置することも可能である。
陰極2は、電子放出源3の周辺の静電場の空間的な非対称を緩和すると共に局所的な電界集中が生じないように、真空容器8に対する電子放出源3の取り付け部の静電場を規定している。電子放出源3は電子放出部9を有しており、電子放出部9は、放出電子電流を供給する2極の電極をエミッタ電極対として備える(不図示)。電子線10の集束、非点収差補正等の電子光学的な機能を付加する場合は、更に数極の補助電極(不図示)を設けることができる。前述のエミッタ電極対と補助電極からなる電極群は、陰極2側から、放射線発生管1の外部の駆動回路12と電流導入端子11を介して接続することが可能である。前述の静電場の非対称性の緩和の観点からは、陰極2は、陽極4の電極電位に対して充分低い定電位に規定されることが好ましく、電子放出部9の電位を供給するエミッタ電極対のいずれか一方と同電位に規定するか、エミッタ電極対のそれぞれの電位の中間電位により電位規定することも可能である。また、前記補助電極は、放射線発生管1の外部に配置した不図示の補正回路と接続することが可能である。前記補正回路および前記電圧源は、いずれも、駆動回路12が備えるようにすることも可能である。
陽極4は、不図示の電圧源によりターゲット5を電位規定し、後述するターゲット5に流れる陽極電流を、前記電圧源を介して接地端子7に通電する機能を有する。更に、陽極4は、陰極2と同様にして、放射線発生管1のターゲット5の周辺の静電場を規定している。陽極4には、放射線の照射範囲を規定可能な不図示の遮蔽体を設けることも可能であり、陽極4とターゲット5とは、この遮蔽体を介して接続することも可能である。
陽極2と陰極4の材料は、導電性、気密性、強度、及び管状部材6との線膨張係数整合によって決定することが可能であり、コバールやタングステン等を適用することができる。
ターゲット5は、支持基板7aとターゲット層7bとを備えている。ターゲット層7bは、電子放出部9から放出された電子の照射を受けた際に放射線が発生する部材であり、通常、原子番号26以上の重金属材料で構成されている。具体的には、タングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム、レニウム等の金属材料、あるいはこれらの合金材料の膜を好適に用いることができる。ターゲット5は、電子放出部9から放出された電子の照射をターゲット層7bが受けるように、ターゲット層7bを電子放出部9へ向けて配置されている。
ターゲット5には、電子放出部9に対して10kV〜200kVの正電位が印加されており、電子放出部9から放出された電子が電子線10として、10keV〜200keVの入射エネルギーをもってターゲット5に入射して放射線を発生させる。従って、陰極2と陽極4間の電界分布の非対称性を抑制する観点から、陽極4には、陰極2に対して、電子放出部9に対するターゲット層7bの電位と同程度の正電位が印加されることが好ましい。
ターゲット5は、電子の衝突によって放射線を発生する重元素を含有したターゲット材を備えている。ターゲット5は、ターゲット材のみからなる自立型の形態とすることが可能であり、自立型の形態としては、ダイアフラム状の金属薄膜が陽極4に接続されている形態を含む。また、ターゲット5は、放射線を透過する材料中にターゲット材料を分散した状態で含有する分散型形態とすることや、ターゲット材料を含む金属薄膜を、放射線を透過させる材料からなる支持基板上に積層した積層型の形態とすることも可能である。放射線を透過させる支持基板としては、ベリリウムやダイアモンドのような低原子番号材料からなる基板が好ましい。金属薄膜は数μmの厚さで支持基板上に形成することが、放射線の減衰を抑制する点、ターゲット5の熱変形によるデフォーカスを抑制する点で好ましい。この金属薄膜は、放射線量/入射電子量の変換効率の観点から、原子番号26以上の重金属材料を用いることが好ましい。具体的には、タングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム又はレニウム若しくはこれらの合金材料とすることが可能である。支持基板上への金属薄膜の形成方法は、支持基板との密着性が確保されればよく、特定の方法には限定されるものではない。金属薄膜の形成方法としては、スパッタ、CVD、蒸着等の各種成膜方法が利用可能である。
管状部材6は電気的絶縁性を有する。図示される管状部材6は、陰極2と陽極4がそれぞれを接合された両端の開口を備えている。管状部材6、陰極2及び陽極4で構成されている真空容器8は、電子放出部9から放出された電子のターゲット5への照射を許容する内部空間を形成できるものであればよい。すなわち、図1のように陰極2と陽極4が互いに露出して対向している形態だけでなく、管状部材6の内部空間が不図示の仕切壁により区分されており、電子放出源3が仕切壁を貫通して設置されているような形態も含まれる。また、陽極4又は陰極2が、管状部材6の側面に接続された形態としても良い。更には、陰極2と陽極4が互いに対向せずに、非平行な位置関係に接合された形態とすることも可能である。管状部材6の断面の外周形状や内周形状は円形に限らず多角形であってもよい。管状部材6の材料は、電気絶縁性、気密性、低ガス放出性、耐熱性及び陰極2や陽極4との線膨張係数整合の観点で選ばれるが、ボロンナイトライド、アルミナ等の絶縁性セラミック、ホウケイ酸ガラス等の絶縁性の無機ガラスが適用可能である。
本実施形態においては、陰極2及び陽極4の両者が、相対向する管状部材側の接合面14と、電極側の接合面15との間に導電性接合材13を挟み込んで接合されている。しかし、管状部材6と導電性接合材13によって接合するのは、陰極2及び陽極4のいずれか一方の電極とすることもできる。導電性接合材13としては、導電性と耐熱性を有し、しかも電極材料と絶縁材料との間の、所謂、異種材料間の接合性が良好であることから、銀ろう、銅ろう等の硬ろう(ろう付け用合金)が好ましい。
導電性接合材13は、接合工程において接合対象の変形を防止しやすくするために、接合すべき少なくとも一方の電極および、管状部材6のいずれよりも融点が低く、接合すべき少なくとも一方の電極及び管状部材6よりも軟化変形しやすい性質を備えていることが好ましい。また、これと共に、接合すべき少なくとも一方の電極及び管状部材6に対する濡れ性が良好で、密着しやすい性質を有することが好ましい。
本実施形態においては、陰極2及び陽極4の周縁からそれぞれ管状部材6側に延出部16が延出しており、この延出部16の内側に管状部材6の端部が差し込まれている。延出部16の内側に差し込まれた管状部材6の端部の外周面と、延出部16の内周面とは、互いに相対向し、管状部材側の接合面14と電極側の接合面15とを構成している。また、この管状部材側の接合面14と電極側の接合面15との間には前記導電性接合材13が挟み込まれている。
真空容器8の真空気密性を良好なものとするためには、必要十分な量の導電性接合材13が必要であり、その結果として、導電性接合材13は両接合面14,15の間から押し出されてはみ出す。管状部材6の外周面にはみ出した導電性接合材13は、実質的に陰極2や陽極4と同電位に規定される。はみ出した導電性接合材13の状態によっては電界集中が発生する。はみ出した導電性接合材13には、局所的な突起形状の変形や、形状分布が生じる観察事実も認められ、このような導電性接合材13の形状分布は、電界集中を一層助長する。このような電界集中ポイントが他方の電極に対して露出していると、耐電圧特性が一層制限される。
本実施形態においては、上記導電性接合材13のはみ出しによる耐電圧特性低下防止のために、管状部材側の接合面14に隣接して、管状部材6の外周面に凹部17を形成し、はみ出した導電性接合材13の先端を凹部17の内に留めている。導電性接合材13の先端を凹部17の内側に留めることにより、例えば陽極4の接合部ではみ出した導電性接合材13の先端が露出状態で陰極2と向き合わないようにすることができ、電界集中を抑制することができる。また、凹部17を管状部材側の接合面14に隣接して形成しておくことにより、はみ出した導電性接合材13の先端を確実に収容することができる。凹部17は、電界を乱さないよう、管状部材6の端縁に平行に形成しておくことが好ましい。
図2に示される凹部17の、管状部材6の管軸方向に沿った断面形状は、底面に対して側面が直角な矩形形状となっているが、図3(a),(b)に示されるような断面形状とすることもできる。図3(a)に示される凹部17は、横断方向の断面形状が、接合すべき一方の電極(陽極4又は陰極2)から遠ざかるにしたがって深くなる形状となっている。このような形状とすると、はみ出した導電性接合材13が急激に凹部17内へ落ち込むことによる変形に伴う電界集中の発生を抑制しやすくなる。図3(b)に示される凹部17は、底面に対して側面が直角な矩形形状である点は図2の凹部17と同じであるが、接合すべき一方の電極(陽極4又は陰極2)側に傾斜した形状となっている。このようにすると、凹部17内に収容した導電性接合材13の保持力を高めることができる。
このように、導電性接合材13の先端が、先鋭化して他極に対して露出しないようにすることで、耐圧特性が改善される。
接合すべき電極の周縁に形成する延出部16は、図2及び図3に示されるように、陽極4又は陰極2と一連一体に形成するほか、図4に示されるように、陽極4又は陰極2に接合したスリーブ18で形成することもできる。すなわち、陽極4又は陰極2の外周に、一端を管状部材6側に突出させてスリーブ18を取り付け、管状部材6側に突出した部分を延出部16とすることもできる。陽極4又は陰極2へのスリーブ18の取り付けは、導電性接合材13を用いて行うことができる。
管状部材5と陽極4又は陰極2との接合は、図5に示されるように、管状部材5内に陽極4又は陰極2を嵌め込むことで行うこともできる。図5において、管状部材5に嵌め込まれた陽極4又は陰極2の外周面が電極側の接合面15を構成し、この電極側の接合面15に対向する管状部材5の内周面が管状部材側の接合面14を構成している。また、管状部材側の接合面14に隣接して、管状部材5の内周面に横断方向の断面形状が矩形の凹部が形成されている。管状部材側の接合面14と電極側の接合面15の間には導電性接合材13が挟み込まれており、管状部材側の接合面14と電極側の接合面15の間からはみ出した導電性接合材13の先端は凹部17内に留められている。このようにすることによって、はみ出した導電性接合材13の先端部での電界集中により、管状部材6の内面側で放電が生じるのを防止することができる。
図6は凹部17に代えて、薄肉部18を形成した例を示す。図6(a)における管状部材側の接合面14は、陽極4又は陰極2の延出部16の内周面に対向する管状部材6の外周面となっている。接合すべき陽極4又は陰極2側の管状部材6の端部は、管状部材側の接合面14に連なる外周面に形成された段差部19を介して、管状部材6の中間部との間に段差部19を介して肉厚が薄くなった薄肉部18となっている。段差部19は、接合すべき陽極4又は陰極2側に傾斜して形成されている。図6(b)における管状部材側の接合面14は、管状部材6の開口内に嵌め込まれた陽極4又は陰極2の外周面と対向する管状部材の内周面となっている。接合すべき陽極4又は陰極2側の管状部材6の端部は、管状部材側の接合面14に連なる内周面に形成された段差部19を介して、管状部材6の中間部との間に段差部19を介して肉厚が薄くなった薄肉部18となっている。段差部19は、接合すべき陽極4又は陰極2側に傾斜して形成されている。図6(a),(b)のいずれの場合でも、両接合面14,15の間からはみ出した導電性接合材13は薄肉部18内に留められている。このような段差部19を伴う薄肉部18を形成してはみ出した導電性接合材13を留めておくことでも、前記凹部17による効果と同様の効果を得ることができる。
図1に示されるように、放射線発生管1は、収納容器20に収納して放射線発生ユニット21とすることができる。収納容器20には、放射線発生管1からの放射線の出射方向に合わせて、放射線の放出窓22が設けられている。放射線発生管1を収納した収納容器20内の余剰空間には、放射線発生ユニット21の耐電圧特性と駆動時の動作特性の安定化の観点から、絶縁性の流体(絶縁性液体23)が充填されている。絶縁性液体23を導入しておくことにより、放射線発生管1の陰極2と陽極4の間の絶縁性を確保した上で、放射線発生管1の動作時の放熱性を向上することが可能となる。絶縁性液体23は、電気絶縁性が高く、冷却能力の高く、熱による変質の少ないものが好ましく、例えば、シリコーン油、トランス油、フッ素系オイル等の電気絶縁油、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系の絶縁性液体等が使用可能である。
放射線発生管1を駆動するための駆動回路12は、収納容器20の内外のいずれに配置することも可能である。
収納容器20は、放射線発生ユニット21の動作安定性や安全性の観点から、所定の電位に規定することが好ましい。好適な所定の規定電位としては、接地端子7を介して規定した接地電位である。収納容器20の材料としては、各種の材料を選択することが可能であるが、放射線遮蔽性、強度、表面電位規定性能の観点から、鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属が使用可能である。
本発明の放射線発生管は、透過型ターゲットを備えた放射線発生管に限定されず、反射型ターゲットを備えた放射線発生管にも好適に適用できる。
次に、図7に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一実施形態を説明する。
図7に示すように、既に説明した放射線発生ユニット21は、その放出窓22部分に設けられた可動絞りユニット100と共に放射線発生装置200を構成している。可動絞りユニット100は、放射線発生ユニット21から照射される放射線の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット100として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置202は、放射線発生装置200と放射線検出装置201とを連携制御する。駆動回路12は、システム制御装置202による制御の下に、放射線発生管1に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置200から放出される放射線の放出状態が制御される。放射線発生装置200から放出された放射線は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生ユニット13と放射線撮影システムは、X線発生ユニットとX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
本実施例の放射線発生管1を以下のようにして作製した。
まず、ターゲット5の作製のために住友電気工業株式会社製の高圧合成ダイアモンドを支持基板として用意した。支持基板は、直径5mm、厚さ1mmのディスク状(円柱状)の形状である。用意した支持基板を、UV−オゾンアッシャにより支持基板の表面にある有機物を除去した。
この支持基板の直径1mmの円形の2面のうちの一方の面上に、スパッタ法により、Arをキャリアガスとして、チタンからなる密着層を10nmの厚さで形成した。チタンの成膜時の支持基板は、260℃となるようにステージ加熱により加熱した。次に、続いて成膜装置の雰囲気をベントすることなしに、連続成膜により、密着層の上に、Arをキャリアガスとしてスパッタにより、タングステンを成膜してターゲット層を形成した。このとき、ターゲット層を7μmの厚さに形成した。タングステンの成膜時のダイアモンドからなる支持基板は、チタンの成膜時と同様に、260℃となるようにステージ加熱により加熱した。
チタンからなる密着層およびタングステンからなるターゲット層の各層の厚さは、積層成膜する前に、予め、単層膜で成膜した膜厚と成膜時間との検量線データを取得し、成膜時間により指定の膜厚となるようにして調整した。検量線データを取得する為の膜厚の測定は、株式会社堀場製作所製の分光エリプソメータ「UVISEL ER」を用いた。このようにして、ダイアモンドからなる支持基板、チタンからなる密着層、タングステンからなるターゲット層がこの順に積層したターゲット5を得た。
次に、直径60mmφで厚さ3mmのディスク状のコバールからなる金属板の中心部に、直径1.1mmφの円柱状の開口を形成するように加工して陽極4とした。更に陽極4の外周部には、内周が60mm、外周が61mm、陽極4からのはみ出し量が5mmのスリーブ18を設けている。陽極4に対して、有機溶媒洗浄、リンス、UV−オゾンアッシャ処理によって、陽極4の表面にある有機物を除去した。
次に、陽極4の開口と、ディスク状のターゲット5の外周部との間に、銀ろうを接合材として付与し、ろう付けを行い、ターゲット5が接続された陽極4を得た。
次に、直径60mmφで厚さ3mmのディスク状のコバールからなる金属板の中心部に、予め、電流導入端子11を備え付けて陰極2とした。陰極2も陽極4と同様に、スリーブ18を設けている。陰極2に対して、陽極4にした洗浄と同様の洗浄を行い、有機溶媒洗浄、リンス、UV−オゾンアッシャ処理によって、陽極4の表面にある有機物を除去した。
次に、電流導入端子11と含浸型電子銃を電気的および機械的に接続して、電子放出源3と接続された陰極2を得た。
次に、長さ70mm、外径60mm、内径50mmの円管状で、アルミナからなる絶縁性の管状部材6を用意した。管状部材6には、図2に拡大してに示すような凹部17を環状に形成した。管状部材6の2つの開口からそれぞれ5mmの位置から8mmの位置までを、その他の外周部よりも1mmへこませて凹部17を形成した。管状部材6に対しても、陰極2や陽極4にしたのと同様の洗浄を行い、表面の有機物を除去した。
次に、電子放出源3と接続された陰極2の電子放出源3が備えられた面と、管状部材6の一方の開口端との間に、環状に成形した日本工業規格BAg―8(Ag72−Cu28、融点780℃)の銀ろうを挿入して820℃でろう付けを行った。このろう付けにより、環状に気密接合した導電性接合材13を備える接合部を形成した。この際、銀ろうは陰極2のスリーブ18の内周と、管状部材6との間にも濡れ出し、より確実に気密接合された。
次に、管状部材6の他方の開口端と、ターゲット5のタングステンが露出している側の陽極4の面とを、陰極2側の接合と同様のろう付けを行い、環状に気密接合した導電性接合材13を備える接合部を形成した。この際、銀ろうは陽極4のスリーブ18の内周と、管状部材6との間にも濡れ出し、より確実に気密接合された。
以上によって、陰極2と陽極4とのそれぞれと、管状部材6とを、管状部材6の二つの開口端においてそれぞれに気密接合により接続した真空容器8を形成した。
次に、不図示の排気管と排気装置により、真空容器8の内部を1×10-5Paの真空度となるように排気した後、排気管を封止することにより、放射線発生管1を作製した。
上記のような方法で、放射線発生管1を5個作製し、凹部17の周辺を観察したところ、接合面間から濡れ出した銀ろうが、凹部17の中で留まり、凹部17を挟んで接合部の反対側へは濡れ出していないことを確認した。更に、放射線発生ユニット21とする際に用いる絶縁性液体23中で高電圧印加を試みた。陰極2を接地し、陽極4を高圧電源に接続し、徐々に陽極電圧を140kVまで上げていった。5個すべてが、安定的に140kVまで印加可能であった。
上記作製した放射線発生管1を用いて放射線発生ユニット21とし、駆動したところ、安定して放射線であるX線の放出が確認できた。
(比較例1)
実施例1で作成した放射線発生管1に対して、管上部材6の凹部を設けずに、実施例1同様の作成工程によって比較例に係る放射線発生管を5個作製した。
作製した放射線発生管の接合部から濡れ出した銀ろうを観察したところ、先端部が波状であった。更に、実施例1と同様に、高電圧印加を試みた。5個とも、140kV以下の電圧にて、連続的に放電し、140kVを安定に印加することができなかった。また、放電した個所を観察したところ、銀ろうが飛散したような痕跡が確認された。
(実施例2)
実施例1で作成した放射線発生管1に対して、管状部材6の凹部を設けずに、図6(a)に示す段差部19を設けた。その際、管状部材6は、2つの開口から、外周面に沿ってそれぞれ中心軸方向に8mmの位置までの外径を58mmとし、この領域を薄肉部18とした。外周面に沿って段差部19を乗り越えてからの外径(中間部の外径)は実施例1と同様60mmである。また、段差部19は、それぞれ開口端側に60°の傾斜を有しており、外径が58mmとなった領域上に被さる斜面を形成している。
このような放射線発生管を、実施例1同様の作製工程によって、5個作成した。
本実施例で作成した放射線発生管1の接合部から濡れ出した銀ろうを観察したところ、銀ろうは段差部19を境に薄肉部18側に留まり、段差部19を乗り越えていないことを確認した。更に、実施例1と同様に、高電圧印加を試みた。5個総てが、最終的に140kVまで印加可能であった。
上記作製した放射線発生管1を用いて放射線発生ユニット21とし、駆動したところ、安定して放射線であるX線の放出が確認できた。
1:放射線発生管、2:陰極、3:電子放出源、4:陽極、5:ターゲット、6:管状部材、7:接地端子、8:真空容器、9:電子放出部、10:電子線、11:電流導入端子、12:駆動回路、13:導電性接合材、14:管状部材側の接合面、15:電極側の接合面、16:延出部、17:凹部、18:スリーブ、19:段差部、20:収納容器、21:放射線発生ユニット、22:放出窓、23:絶縁性液体、100:可動絞りユニット、200:放射線発生装置、201:放射線検出装置、202:システム制御装置、203:表示装置、204:被検体、205:信号処理部、206:検出器

Claims (19)

  1. 絶縁管、該絶縁管の管軸方向における一方の端部に接合された陰極及び前記絶縁管の他の端部に接合された陽極を備えた真空容器と、前記陰極に接続された電子放出源と、前記陽極に接続されたターゲットとを有し、前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極のそれぞれとが導電性接合材を介して接合された放射線発生管であって、
    前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極の少なくとも一方の電極とが、相対向する前記絶縁管側の接合面と、前記少なくとも一方の電極側の接合面との間に前記導電性接合材を挟み込むと共に、前記両接合面の間から前記絶縁管の外周面又は内周面へ前記導電性接合材がはみ出した状態で接合されており、
    前記少なくとも一方の電極側の前記絶縁管側の接合面に隣接して、前記外周面又は前記内周面に凹部が形成されており、前記はみ出した導電性接合材の先端が、前記他方の電極から直視されずに留められるように、前記凹部が前記絶縁管に設けられていることを特徴とする放射線発生管。
  2. 前記少なくとも一方の電極が、該電極の周縁から前記絶縁管側に延出した延出部を有し、該延出部の内側に前記絶縁管の一方の端部が嵌合しており、前記延出部の内周面と、前記延出部の内側に嵌合した前記絶縁管の一方の端部の外周面とが前記両接合面を構成しており、前記凹部が前記絶縁管の外周面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生管。
  3. 前記延出部が、前記少なくとも一方の電極の外周に取り付けられたスリーブによって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線発生管。
  4. 前記少なくとも一方の電極が前記絶縁管の開口の内側に嵌合しており、前記絶縁管の開口の内側に嵌合した前記少なくとも一方の電極の外周面と、前記一方の電極の外周面と相対向する前記絶縁管の内周面とが前記両接合面を構成しており、前記凹部が前記絶縁管の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生管。
  5. 前記絶縁管の管軸方向に沿った前記凹部の断面形状が、底面に対して側面が直角な矩形形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放射線発生管。
  6. 前記絶縁管の管軸方向に沿った前記凹部の断面形状が、前記少なくとも一方の電極から遠ざかるにしたがって深くなる形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放射線発生管。
  7. 前記絶縁管の管軸方向に沿った前記凹部の断面形状が、前記少なくとも一方の電極側に傾斜した形状であることを特徴とする請求項5に記載の放射線発生管。
  8. 前記凹部は、前記少なくとも一方の電極が接合された側の前記絶縁管の端縁から一定の距離に、該端縁に沿って環状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の放射線発生管。
  9. 前記凹部は、前記少なくとも一方の電極側に位置する前記絶縁管の前記端部を前記絶縁管の外周面又は内周面に設けた段差部を介して前記絶縁管の中間部より肉厚を薄くした薄肉部であって、
    前記段差部は、該段差部を設けた前記絶縁管の外周面又は内周面側が前記薄肉部側よりも前記少なくとも一方の電極側に近づくように傾斜しており、
    前記はみ出した導電性接合材の先端が、前記他方の電極から直視されずに前記薄肉部に留められるように、前記段差部が前記絶縁管に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生管。
  10. 絶縁管、該絶縁管の管軸方向における一方の端部に接合された陰極及び前記絶縁管の他方の端部に接合された陽極を備えた真空容器と、前記陰極に接続された電子放出源と、前記陽極に接続されたターゲットとを有し、前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極のそれぞれとが導電性接合材を介して接合された放射線発生管であって、
    前記絶縁管と、前記陰極及び前記陽極の少なくとも一方の電極とが、相対向する前記絶縁管側の接合面と、前記少なくとも一方の電極側の接合面との間に前記導電性接合材を挟み込むと共に、前記両接合面の間から前記絶縁管の外周面又は内周面へ前記導電性接合材がはみ出した状態で接合されており、
    前記少なくとも一方の電極側に位置する前記絶縁管の前記端部を前記絶縁管の外周面又は内周面に設けた段差部を介して前記絶縁管の中間部より肉厚を薄くした薄肉部を有し、
    前記段差部は、該段差部を設けた前記絶縁管の外周面又は内周面側が前記薄肉部側よりも前記少なくとも一方の電極側に近づくように傾斜しており、
    前記はみ出した導電性接合材の先端が、前記薄肉部に留められるように、前記段差部が前記絶縁管に設けられていることを特徴とする放射線発生管。
  11. 前記少なくとも一方の電極が、該電極の周縁から前記絶縁管側に延出した延出部を有し、該延出部の内側に前記絶縁管の一方の端部が嵌合しており、前記延出部の内周面と、前記延出部の内側に嵌合した前記絶縁管の一方の端部の外周面とが前記両接合面を構成しており、前記段差部が前記絶縁管の外周面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の放射線発生管。
  12. 前記延出部が、前記少なくとも一方の電極の外周に取り付けられたスリーブによって形成されていることを特徴とする請求項11に記載の放射線発生管。
  13. 前記少なくとも一方の電極が前記絶縁管の開口の内側に嵌合しており、前記絶縁管の開口の内側に嵌合した前記少なくとも一方の電極の外周面と、前記一方の電極の外周面と相対向する前記絶縁管の内周面とが前記両接合面を構成しており、前記段差部が前記絶縁管の内周面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の放射線発生管。
  14. 前記段差部は、前記少なくとも一方の電極が接合された側の前記絶縁管の端縁から一定の距離に、該端縁に沿って環状に形成されていることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の放射線発生管。
  15. 前記導電性接合材の融点が、前記少なくとも一方の電極及び前記絶縁管の融点より低いことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の放射線発生管。
  16. 前記導電性接合材が、硬ろうであることを特徴とする請求項15に記載の放射線発生管。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の放射線発生管と、該放射線発生管を収容した収納容器とを備え、該収納容器は、前記放射線発生管から生じる放射線を取り出すための放出窓を有し、前記放射線発生管を収容した内部の余剰空間には絶縁性液体が満たされていることを特徴とする放射線発生ユニット。
  18. 前記絶縁性液体は、シリコーン油、トランス油又はフッ素系オイルであることを特徴とする請求項17に記載の放射線発生ユニット。
  19. 請求項17又は18に記載の放射線発生ユニットと、
    前記放射線発生ユニットから放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システム。
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