JP6611495B2 - X線発生管、x線発生装置およびx線撮影システム - Google Patents

X線発生管、x線発生装置およびx線撮影システム Download PDF

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Description

本発明は、医療機器および産業機器分野における非破壊X線撮影等に適用できるX線発生装置、および該X線発生装置を備えるX線撮影システムに関する。
近年半導体デバイス等の微細化や多層化が進み産業分野における半導体集積回路基板に代表される電子デバイス検査においてはX線発生管を備えたX線検査装置が用いられている。
X線発生管において、低ヒール効果に由来する広い放射角、ターゲットがX線放出窓を兼ねる点から、短いSOD(線源検体間距離)、高い拡大率を確保できる点で反射型ターゲットに対して有利な透過型ターゲットを備えることが公知である。
特許文献1には、導電性のベローズをターゲットの後方に配置し、後方散乱電子によるベローズの帯電を抑制させ電子軌道を安定化させた透過型X線発生管が開示されている。特許文献1に記載の透過型X線発生管は、さらに、陰極から陽極に向けて突出する電子銃が開示されている。
特許文献2には、集束電極を先端に備えた電子銃をターゲットに近接させた透過型X線発生管が開示されている。
特開2012‐104272号公報 特開2002‐298772号公報
特許文献2に記載のX線発生管において、放電が生じる場合があった。かかる放電は、X線発生管の寿命を制限し、信頼性を低下する要因となっていた。
本発明は、放電が抑制された耐電圧性能を有するX線発生管およびX線発生装置を提供することを目的とする。並びに、透過X線像が得られるX線撮影システムを提供することを目的とする。
本発明は、ターゲットを備える陽極と、電子銃を備える陰極と、管軸方向の両端において前記陽極と前記陰極とにそれぞれ接続される絶縁管と、を備えたX線発生管であって、前記陰極は、前記絶縁管の管軸方向に沿い前記陽極に向かって延びる管状のスリーブを有し、前記電子銃は、前記管軸方向に延びる導電管を有し、前記導電管は、前記管軸方向において、前記スリーブと重なる位置に開口を有することを特徴とするX線発生管である。
本発明によれば、X線発生管の陰極部材が絶縁管の管壁に沿い陽極部材に向かって延びる管状のスリーブを有することで、導電管の開口に起因する管電流変動および放電が抑制された、信頼性の高いX線発生管、X線発生装置、ならびに、X線撮影システムを提供することを可能とするものである。
本発明の第1の実施形態に係るX線発生管を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係るX線発生装置を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るX線撮影システムを示す概略構成図である。 陰極部材と開口との関係を説明する模式図(a)(c)陰極部材がスリーブを有する実施形態、(b)陰極部材がスリーブを有さない参考形態。 スリーブの形態例(a)〜(d)を説明する模式図である。 開口の形態例(a)〜(f)を説明するための模式図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。これらの実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対配置などは、この発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
まず、本発明のX線発生管およびX線発生装置の基本的な構成について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るX線発生管、図2は第2の実施形態に係るX線発生装置を示す概略構成図である。
<X線発生管>
図1には、電子放出部6とターゲット1とを備えた透過型のX線発生管の実施形態が示されている。
本実施形態では、電子放出部6が備える電子放出部から放出された電子線束をターゲット層1aに照射することによりX線を発生させる。このため、ターゲット層1aは支持基板1bの電子放出部側に配置され、電子放出部はターゲット1に対向して配置されている。電子線束に含まれる電子は、陰極104と陽極103とに挟まれたX線発生管の内部空間に形成された加速電界により、ターゲット層1aでX線を発生させる為に必要な入射エネルギーまで加速される。
陽極103はターゲット1とターゲット1と接続される陽極部材2とを備え、X線発生管の陽極電位を規定する電極として機能している。
陽極部材2は、導電性材料からなりターゲット層1aと電気的に接続される。陽極部材2は、図1に示すように、支持基板1bの周囲に接続されターゲット1を保持している。
また、ターゲット層1aは、高い原子番号、高融点、高比重の金属元素タンタル、モリブデン、タングステン等が、ターゲット金属として含有される。一方、支持基板1bは、X線の透過性が高く、熱伝導が良い材料が好ましく、例えば、ダイヤモンド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミ、グラファイト、ベリリウム等を用いることができる。特に、ダイヤモンドは、sp3結合に由来する高い熱伝導性と、放射線に対する高い透過性とを有している点において透過型ターゲットの支持基板材料として好ましい。
また、陰極104は、電子放出部6とグリッド電極5と導電管7とを備える電子銃9と陰極部材11を備え、前記、ターゲット1と電子放出部6とが対向するように配置されている。
電子銃9は、陰極部材11から陽極2の側に向かって突出しており、陽極2の側に、ターゲット1に向けて電子を放出する電子放出部6を備える。電子放出部6は、タングステンフィラメント、含浸型カソード、酸化物カソードなどの熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。
電子銃9は、陰極電子放出部6から放出される電子線束のビーム径および電子電流密度、オン・オフタイミング等の制御を目的として、引き出し電極5a、集束電極5bを備えるグリッド電極5を備えている。
電子放出部6が熱陰極の場合、電子放出部6を加熱する不図示のヒータを備えるように構成され、また、グリッド電極5は、電子放出部6から放出された熱電子が通過する電子通過孔を備える形態とすることができる。本実施形態では、図1に示す通り、引き出し電極5aおよび、集束電極5bのそれぞれは、電子通過孔を有している。
X線発生管102の内部空間は、電子線の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。X線発生管の内部の真空度は、1×10−4Pa以下であることが好ましく、電子放出部6の電子放出特性の安定化の観点からは、1×10−6Pa以下であることがより一層好ましい。本実施形態においては、電子放出部6およびターゲット層1aは、それぞれ、X線発生管102の内部空間または内面に配置されている。
X線発生管102の内部空間の真空は、不図示の排気管および真空ポンプを用いて排気された後、かかる排気管を封止することにより、形成される。X線発生管102の内部空間には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッタが配置される場合もある。
X線発生管102は、陰極電位に規定される電子放出部6と、陽極電位に規定されるターゲット層1aとの間の電気的絶縁を図る目的において、陽極部材2と陰極部材11との間に絶縁管4が狭持されている。絶縁管4は、ガラス材料やセラミクス材料等の絶縁性材料で構成される。セラミクスからなる絶縁管4の強度を担保する意図において、絶縁管4の外周面を0.1μm〜100μm厚のガラス層でコートされる。
本実施形態において、絶縁管4と、電子放出部6を備えた陰極104と、ターゲット1を備えた陽極103とは、真空度を維持するための気密性と大気圧に耐える堅牢性とを備えた外囲器を構成している。従って、陰極104及び陽極103は、絶縁管4の対向する両端にそれぞれ接続されることにより、外囲器の部分を構成する。同様にして、支持基板1bは、ターゲット層1aで発生したX線をX線発生管102の外に取り出す透過窓の役割を担うとともに、外囲器の部分を構成しているとも言える。
図1に示されるように、本実施形態の電子銃9は、電子放出部6、グリッド電極5、と、導電管7を備えている。電子放出部6、グリッド電極5は、陰極部材11に接続される電流導入端子12を介して、X線発生管102の外部にある不図示の駆動回路等と電気的に接続されるように構成されている。導電管7は、電子放出部6、グリッド電極と電流導入端子12とを結ぶ導線13を囲み、陰極部材11に接続されていることにより、電子銃9の外周面を陰極電位に規定している。電子銃9の外周面を電位規定することにより、X線発生管102の内部の周方向の電位分布を均一化すること、電子銃9の内部の空間電場を実質的に無電界とし、放電を抑制する効果を発現する。
なお、電流導入端子12は、導線13と電気的に接続される貫通導線と、貫通導線に貫かれる絶縁部材と、を有しており、かかる貫通導線は、絶縁部材に気密性を有して貫通している。
電子銃9は、導電管7の管内部と管外部とを連通する開口8を導電管7の側面に有している。導電管7に設けられた開口8は、開口8は、導電管7の管内部と管外部との間の圧力差を軽減し、雰囲気を均一化する作用を有している。X線発生管102の内部空間において、電子放出部6、ターゲット1等の発熱部材による吸着ガスの放出、ターゲット1からの後方散乱電子、X線による電離イオンの発生等により、少なからず雰囲気の不均一性が生じる。導電管7に設けられた開口8は、X線発生管102内部に生じる雰囲気の不均一性を緩和し、電子放出部6の電子放出特性の安定化を担保する作用を有する。
なお、陰極部材11は、絶縁管4の管軸方向に沿い陽極部材2に向かって延びる管状のスリーブ11aを有している。スリーブ11aは、絶縁管4の管軸方向おける電位勾配を静電的に規定する為に、陰極部材から陽極部材の側に向けて延在している。陰極部材11のスリーブ11aは、陽極部材側に終端11eを有している。絶縁管4の沿面放電を抑制する点おいて、スリーブ11の終端11eは、陽極部材2と平行な仮想平面11pの上に位置する。本実施形態における仮想平面11pは、陰極部材11のスリーブ11aを除いた部分に対しても平行である。
本発明においては、前述した導電管7の開口8は、管軸方向において、陰極部材11のスリーブ11aと重なる位置に設けられる。
なお、本願発明の特徴である陰極部材11と導電管7との配置関係については後述する。
<X線発生装置>
図2に、本発明のX線発生装置102を備えたX線発生装置101の実施形態が示されている。X線発生装置101は、X線源であるX線発生管102、および、X線発生管102を駆動するための駆動回路106と、X線発生装置102および駆動回路106を収納する収納容器107と、を備えている。
駆動回路106により、陰極および陽極の間に管電圧が印加され、ターゲット層1aと電子放出部との間に加速電界が形成される。ターゲット層1aの層厚と金属種とに対応して、管電圧Vaを適宜設定することにより、撮影に必要な線種を選択することができる。
X線発生管102及び駆動回路106を収納する収納容器107は、容器としての十分な強度を有し、かつ放熱性に優れたものが望ましく、その構成材料として、例えば真鍮、鉄、ステンレス等の金属材料が用いられる。
収納容器107内のX線発生管102と駆動回路106以外の余空間には、絶縁性流体108が充填されている。絶縁性流体108は、電気絶縁性を有する液体で、収納容器107の内部の電気的絶縁性を維持する役割と、X線発生管102の冷却媒体としての役割とを有する。絶縁性流体108としては、鉱油、シリコーン油、パーフロオロ系オイル等の電気絶縁油、SF6等の絶縁性ガス等が用いられる。
<X線撮影システム>
次に、図3を用いて、本発明のX線撮影システムの構成例について説明する。
システム制御装置202は、X線発生装置101とX線検出装置201とを連携して制御する。X線発生装置は駆動回路106を備えている。本実施形態においては、収納容器の内部にX線発生管102とともに収納されているが、収納容器の外部に配置しても良い。
駆動回路106は、システム制御装置202による制御の下に、X線発生管102に各種の制御信号を出力する。駆動回路106が出力する制御信号により、X線発生装置101から放出されるX線束の放出状態が制御される。
X線発生装置101から放出されたX線束は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出したX線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。
信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。
システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。
X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
<スリーブと開口の形態>
かかる開口が設けられた電子銃を備えるX線発生管は、管電圧が制限され、所望のX線の線質、強度を得られない場合が有った。
本発明の特徴であるスリーブと開口との配置関係について基本的な実施形態を、図1、および、図4乃至図6の各図を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態のX線発生管102は、側面に開口8を有する導電管7を備えている。開口8は、管軸方向において、即ち、図1のX方向において、少なくとも、陰極部材11のスリーブ11aと重なる位置に設けられている。
図4(a)は、「開口8が陰極部材11と特定の配置関係にある第1の実施形態のX線発生管102」の陰極側拡大図である。一方、図4(b)は、「開口8が陰極部材11と特定の配置関係にない参考形態のX線発生管202」の陰極側部分拡大図である。
図4(a)、(b)のそれぞれに示すように、X線発生管102、202の陽極陰極間に管電圧を印加した場合の開口8、陰極部材11の電位分布を等電位線で模式的に示している。
図4(b)の参考形態では、陰極部材111の近傍の等電位線の間隔が狭い領域が多く、また、かかる等電位線の間隔が狭い領域と開口108とが近接している事が見て取れる。このことは、すなわち、図4(b)の参考形態では、電界集中が生じやすい位置に開口108が位置している。
特に、開口108の開口端には電界集中のし易さに位置依存が存在する。開口108の内周側の開口端(108ic、108ia)よりも、外周側の開口端(108oc、108oa)が高い電場にさらされ電界集中しやすく、外周側の開口端(108oc、108oa)がより放電の要因となりますい。同様にして、開口108の陽極側の開口端(108ia、108oa)よりも、陰極側の開口端(108oc、108ic)が陽極部材2に曲率が小さい断面を対向させている為、電界放出しやすい。従って、陰極側の開口端(108oc、108ic)が、陽極側の開口端(108ia、108oa)より放電の要因となりやすい。
一方、図4(a)の実施形態のX線発生管102では、陰極部材11の近傍の電界分布は、スリーブ11aと導電管7とが形成する陰極電位により、弱電界化され、等電位線の間隔が、かかる参考形態のX線発生管202と相違して、広いことが読み取れる。本実施形態のX線発生管102は、弱電界化された空間に、開口8が配置されている為、放電が生じ難いものと理解される。この為、本実施形態のX線発生管102は、参考形態202よりも放電し難く、放電に起因する耐圧特性が高いものとなる。
本実施形態においては、開口8の開口端(8ic、8ia、8oc、8oa)はいずれも、陰極部材11のスリーブ11aの陽極側の終端11eよりも、陰極部材11の側に、すなわち、陽極部材2からより離れた側に、位置している。一方で、前述の開口端108のうち陰極側が放電しやすいという知見によれば、図4(c)に示す変形例も本発明の実施形態に含まれる。図4(c)に示す実施形態は、陰極側の開口端(8oc、8ic)がスリーブ11aの陽極側の終端11eよりも、陽極部材2からより離れて位置している。すなわち、図4(c)に示す実施形態は、陰極側の開口端(8oc、8ic)は、陰極部材11と仮想平面11pとの間に位置している。
なお、図4(a)に示す、管軸方向において開口8がスリーブ11aの長さに収まって重なるように配置されていることが、開口8近傍の電界集中を緩和する点においてより好ましい。
次に、図5(a)〜(d)図示されたスリーブ11aの変形例を用いて、スリーブ11aの実施形態を説明する。
図5(a)〜(c)は、X線発生管102の陰極部材11と導電管7との接続部近傍を拡大している部分拡大図である。図5(a)に示すスリーブ11aは、第1の実施形態のX線発生管に一致し、絶縁管4の外周面にスリーブ11aの内周面が接続されている形態である。図1、図5(a)に図示された第1の実施形態と一致する。スリーブ11aと絶縁管4の接続は、陰極部材11と絶縁管4の接続と同様にろう材で接続される。
一方、図5(b)は、絶縁管4の内周面にスリーブ11aの外周面が接続されている実施形態である。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スリーブ11aと導電管7とが形成する陰極104の側の無電界領域に開口8が配置されているため、放電抑制効果が発現される。
また、図5(c)は、絶縁管4と離間して絶縁管4の外側を囲むようにスリーブ11aが配置されている実施形態である。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スリーブ11aと導電管7とが形成する陰極104の側の無電界領域に開口8が配置されているため、放電抑制効果が発現される。
X線発生管の内部の放電が、X線発生管の耐圧特性を支配する場合においては図5(b)に図示された実施形態よりも、図5(a)または図5(c)に図示された実施形態がより好ましい形態である。また、図5(a)〜(c)の実施形態のそれぞれのスリーブ11aを組合せても良い。
次に、図6(a)〜(f)図示された開口8の変形例を用いて、開口8の実施形態を説明する。
図6(a)は、導電管7の管壁と垂直に同じ内径で貫通する円形の開孔8が設けられた実施形態であって、図1、図4(a)、(c)、図5(a)に図示された各実施形態と共通している。開口8と導電管7の外周面、および、内周面との成す角は、直角である。開口8と導電管7の外周面、および、内周面との成す角が鋭角である場合は、電界集中しやすいため、好ましい形態ではない。
一方で、前述の開口端(108ic、108ia、108oc、108oa)のうち外周側が放電しやすいという知見によれば、図6(b)〜(f)のそれぞれに示す変形例も本発明の実施形態に含まれる。
図6(b)に示す実施形態は、導電管7の外周側に45度のテーパー面が環状に形成されている。このテーパー面により開口8の内面と導電管7の外周面とは135度の鈍角をなしており、外周側の開口端(8oc、oa)近傍の電界集中が抑制されている。
図6(c)に示す実施形態は、導電管7の外周側にR加工面が環状に形成されている。このR加工面により、開口8の内面と導電管7の外周面とは180度に漸近した鈍角を有しており、外周側の開口端(8oc、oa)近傍の電界集中が抑制される。
図6(d)に示す実施形態は、図6(c)に示す実施形態の変形例であり、導電管7の外周側と内周側のそれぞれにR加工面が環状に形成されている。本実施形態も、図6(c)に示す実施形態と同様に、外周側の開口端(8oc、oa)と内周側の開口端(8ic、ia)のそれぞれの近傍の電界集中が抑制される。
図6(e)に示す実施形態は、図6(b)に示す実施形態の変形例であり、環状のテ―パー面が導電管7を貫通するように設けられている。本実施形態も、図6(b)に図示する実施形態と同様に、外周側の開口端(8oc、8oa)近傍の電界集中が抑制される。また、図6(b)、(e)に示す各実施形態の開口8は、導電管7の管径方向の外側から内側にかけて開口径が狭くなる円錐台形の開口形状を呈する形態であるともいえ、好ましい開口8の形態である。
さらに、図6(f)に示す実施形態は、図6(e)に示す実施形態の変形例であって、テーパー面が開口8の陰極側のみに設けられている。本実施形態は、前述の開口端108のうち陰極側が放電しやすいという知見によるものである。図6(e)に図示する実施形態と同様に、陰極側の開口端(8oc、8ic)近傍の電界集中が抑制される。
また、図6(b)〜(f)に図示された実施形態の開口8は、いずれも、導電管7の外周面の側から内周面の側にかけて開口径が縮小する部分を有しているとも言える。このような形態とすることにより、電界集中しやすい曲率半径が導電管7の板厚の1/2より小さい凸部を、導電管7の外周面より内側に配置することが可能となる。
(実施例1)
次に本願発明に基づくX線発生管102を備えるX線発生装置101を、以下に示す手順で作成し、X線発生装置101を動作させ、耐電圧を評価した。本実施例で作成したX線発生管102の構成を図1に示す。
まず、直径5mm、厚さ2mmのディスク形状のダイヤモンドを透過基板1bを用意した。次に、透過基板1bの一方の面上に、スパッタ法により直径3mm、厚さ5μmのタングステン層を形成し、ターゲット層1aとした。以上より、ターゲット層1aと透過基板1bを備えたターゲット1を作成した。
次に、コバール製の陽極部材2とターゲット1とを、ホウ素、銀を含有する銀ろう(BAg)を用いてろう付けした。次に、陽極部材2と絶縁管4の一方の端とを銀ろう(BAg)を用いてろう付けした。また、絶縁管4の他方の端と陰極部材11とを銀ろう(BAg)を用いてろう付けした。
陰極部材11は、管軸方向に8mmの長さを有して突出するスリーブ11aと開口が設けられている。
次に、含浸型の熱陰極を有する電子放出部6、グリッド電極5、電流導入端子12、導電管7を備えている電子銃9を用意した。導電管7は、電流導入端子12と電子放出部6とを結ぶ接続線を囲む静電的な電極であるとともに、電流導入端子12に対して、グリッド電極5を支持する支柱でもある。導電管7は、電流導入端子の側から4mmの位置に、Φ5mmの3つの開口8が周方向に120度毎に1つづつ設けられていた。
次に、陰極部材11の開口と導電管7とをYAGレーザを用いて溶接し、外囲器を作成した。なお、導電管7の溶接部は、電子銃9の電流導入端子12の位置に対応していた。
次に、外囲器の内部を以下の手順で真空排気しX線発生管102を形成した。
まず、陰極部材11を貫通する様に設けられている不図示の銅パイプを介して外囲器を5×10−4Paまで真空排気した。続いて、真空減圧されたイメージ炉内で、外囲器を450℃に加熱した銅管を封止して、管内部が1×10−6Pa以下に減圧されたX線発生管102を作成した。
作成したX線発生管102は、図1に示すように、電子銃9の開口8が、陰極部材11のスリーブ11aの管軸方向の範囲に収まっていた。
次に、X線発生管102の陰極104と陽極103とに対して駆動回路103を電気的に接続した。さらに、収納容器120の内部43に、X線発生管102と駆動回路103とを収納し、絶縁性流体108として絶縁油を容器内に満たして封止し、図2に示すX線発生装置101とした。
上記のようにして作成したX線発生装置101を、陽極103を接地電位とし、陽極陰極にかかる管電圧を100kVとしてX線を発生させた。
作成したX線発生装置101に対して、99秒間の休止と1秒間の曝射とを繰り返す間欠的曝射試験を1時間行ったが、陽極電流にリップルの発生もなく、放電による管電圧の低下も、X線出力の変動も観測されなかった。この結果、作成したX線発生装置101は、放電に伴う陽極電流の変動や、X線出力の変動が抑制されていることが確かめられた。
(実施例2)
本実施例においては、実施例1に記載のX線発生装置101を用いて、図3に記載のX線撮影システムを作成した。
X線発生装置101を備えることにより、作成したX線撮影システム102は、撮影画像品質の再現性が良好であることが確認された。
1 ターゲット
2 陽極部材
4 絶縁管
6 電子放出部
7 導電管
8 開口
9 電子銃
11 陰極部材
11a スリーブ
102 X線発生管
103 陽極
104 陰極

Claims (13)

  1. ターゲットを備える陽極と、電子銃を備える陰極と、管軸方向の両端において前記陽極と前記陰極とにそれぞれ接続される絶縁管と、を備えたX線発生管であって、前記陰極は、前記絶縁管の管軸方向に沿い前記陽極に向かって延びる管状のスリーブを有し、前記電子銃は、前記管軸方向に延びる導電管を有し、前記導電管は、前記管軸方向において、前記スリーブと重なる位置に開口を有することを特徴とするX線発生管。
  2. 前記開口の陽極側の開口端は、前記スリーブの陽極側の端部より前記陽極から離れていることを特徴とする請求項1に記載のX線発生管。
  3. 前記電子銃は、電子放出部と、前記電子放出部を加熱するヒータと、前記電子放出部から放出された熱電子が通過する電子通過孔を備えたグリッド電極と、前記電子放出部、前記ヒータおよび前記グリッド電極の少なくともいずれかと電気的に接続された導線と、を備え、
    前記導電管は、前記導線を囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のX線発生管。
  4. 前記電子銃は、前記導線と電気的に接続される貫通導線と、前記貫通導線に貫かれる絶縁部材と、を有する電流導入端子を備えていることを特徴とする請求項3に記載のX線発生管。
  5. 前記陰極は、前記電子銃を保持する環状の陰極部材、を備え、
    前記電流導入端子は、前記陰極部材に環状に保持されていることを特徴とする請求項4に記載のX線発生管。
  6. 前記開口は、前記導電管で囲まれた前記電子銃の内部空間と、前記電子銃の外側において前記電子銃と前記絶縁管とに挟まれた空間とを連通することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のX線発生管。
  7. 前記スリーブは、前記絶縁管の外周と接していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のX線発生管。
  8. 前記開口は、前記導電管の外周面の側から内周面の側にかけて開口径が縮小する部分を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のX線発生管。
  9. 前記開口の内面と前記導電管の外周面との成す角は、鈍角であることを特徴とする請求項8に記載のX線発生管。
  10. 前記開口は、前記導電管の管径方向の外側から内側にかけて開口径が狭くなる円錐台形の開口形状を呈する部分を有することを特徴とする請求項9に記載のX線発生管。
  11. 前記開口の内面と前記導電管の内周面との成す角は、鈍角であることを特徴とする請求項9に記載のX線発生管。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のX線発生管と、前記ターゲットと前記電子とのそれぞれに電気的に接続され、前記ターゲットと前記電子との間に印加される管電圧を出力する駆動回路と、を備えることを特徴とするX線発生装置。
  13. 請求項12に記載のX線発生装置と、
    前記X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、
    前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携して制御するシステム制御装置と、
    を備えることを特徴とするX線撮影システム。
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