JP4627431B2 - 光検出器及び放射線検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光電効果を用いる光電子増倍管等の光検出器及び放射線検出装置に関する。
光検出器の一つに光電子増倍管がある。光電子増倍管としては、筒状を成す側管の一側の端部に受光面板を、他側の端部にステムを各々備えて真空密封容器を構成し、受光面板の内側の面に光電子放出面(光電面)を設けると共に、この光電面に対向して複数段のダイノード及び陽極を積層して配設し、各段のダイノード及び陽極に各々接続した複数のステムピンを密封容器内から外部に導出するようにしてステムに挿着する構成を具備し、受光面板を通して入射した光を光電面で電子に変換し、この光電面から放出された電子を、各ステムピンを介して所定の電圧が印加された各ダイノードで順次増倍し、この増倍されて陽極に達した電子を電気信号としてステムピンの一つであるアノードピンを介して取り出す所謂ヘッドオン型の光電子増倍管が知られている。
このような光電子増倍管にあっては、真空密封容器を形成する金属側管の一端部に設けられたフランジ部に、ガラス製の受光面板を熱融着により接合したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−12185号公報(図1)
しかしながら、上記のような光電子増倍管では、側管のフランジ部と受光面板との融着界面の接合強度(融着強度)が高いことや、両者間の真空気密性が優れていることが望まれている。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、側管のフランジ部と受光面板との融着強度及び気密性を向上させることができる光検出器及び放射線検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、導電性をもった側管及び当該側管の一端部に接合された受光面板を有する密封容器と、密封容器内に設けられ、受光面板を通して入射した光を電子に変換する光電面と、密封容器内に設けられ、光電面から放出された電子を出力信号として取り出すための陽極とを備える光検出器において、側管の一端部には、側管の内側に張り出したフランジ部が設けられ、受光面板は、フランジ部の外面に酸化膜を介して融着接合されたガラス製の本体部と、本体部と一体化されていると共にフランジ部の内縁面によって画定される空間に入り込むように形成され、フランジ部の内縁面に酸化膜を介して融着接合されたガラス製の凸部と、を有し、凸部の先端面の周縁部及びフランジ部の内面には、導電性の薄膜が形成され、凸部の先端面の周縁部に形成された導電性の薄膜とフランジ部の内面に形成された導電性の薄膜とは、ワイヤボンディングにより接続されており、光電面は、凸部の先端面の周縁部に形成された導電性の薄膜を覆うように該導電性の薄膜を介して凸部の先端面に形成された第1の面と、凸部の先端面に直接形成された第2の面とを含み、光電面の有効面は、第2の面である、ことを特徴とするものである。
このような光検出器を作る際には、例えば導電性をもった金属製の側管のフランジ部とガラス製の受光面板とを融着して接合する。このとき、フランジ部と受光面板との間に酸化膜を介在させた状態でフランジ部を加熱することにより、受光面板(ガラス)の融点を超えたあたりから、ガラスと酸化膜とが互いに拡散し、ガラスと金属とが混在した接合層(拡散層)が形成されるようになる。この拡散層によって、フランジ部と受光面板との融着界面における密着性が十分に高くなる。これにより、フランジ部と受光面板との接合強度が高くなり、更にはフランジ部と受光面板との真空気密性も高くなる。また、受光面板に凸部を設けることにより、その分だけ側管のフランジ部と受光面板との融着長が長くなる。これにより、フランジ部と受光面板との接合強度及び真空気密性がより高くなる。一方で、光検出器を作る際には、上記のような凸部を有する受光面板を側管のフランジ部に融着接合した後に、凸部の先端面の縁部からフランジ部の内面にわたって導電性の薄膜を形成し、更に少なくとも凸部の先端面に光電面を形成することになる。ここで、凸部の先端面に形成される光電面は、凸部の先端面の縁部に形成された導電性の薄膜を覆うように形成される。この場合、上記の導電性の薄膜及び光電面を形成する前に、フランジ部の内面に形成されている不要な酸化膜を例えば化学研磨により除去する必要がある。しかし、このような化学研磨処理を行うと、フランジ部と受光面板の凸部との境界部分に窪みが生じるため、凸部の先端面及びフランジ部の内面に導電性の薄膜を形成したときに、凸部の先端面に形成された導電性の薄膜とフランジ部の内面に形成された導電性の薄膜とが電気的に接続されてない状態となる場合がある。そこで、凸部の先端面に形成された導電性の薄膜とフランジ部の内面に形成された導電性の薄膜とをワイヤボンディングで接続することにより、両者の電気的な接続が安定的に確保されるようになる。
このとき、受光面板は、表面に酸化膜が形成されたフランジ部の外面上にガラス平板を載置した状態で、側管を加熱することにより形成されたものであることが好ましい。側管のフランジ部の外面上にガラス平板を載置した状態で側管を加熱すると、ガラス平板が溶け出し、これに伴ってフランジ部の内縁面によって画定される空間にガラス平板の中央部分が落し込まれ、凸部が形成されるようになる。このように一枚のガラス平板を用いて、凸部を有する受光面板を容易に且つ安価に形成することができる。
ここで、上記光検出器の密封容器内に設けられ、光電面から放出された電子を増倍して陽極に入射させる電子増倍部を更に備えれば、上記作用を奏する好適な光電子増倍管が得られる。
また、上記光検出器を備えると共に、上記光検出器の受光面板の外側に配置され、放射線を光に変換して放出するシンチレータを更に備えれば、上記作用を奏する好適な放射線検出装置が得られる。
本発明によれば、受光面板を側管のフランジ部に酸化膜を介して融着接合するようにしたので、フランジ部と受光面板との融着強度及び気密性が向上する。
以下、図面を参照しながら本発明に係る光検出器及び放射線検出装置の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明における「上」、「下」等の語は図面に示す状態に基づく便宜的なものである。また、各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1及び図2は、本発明に係る光検出器の一実施形態として光電子増倍管を示す平面図及び底面図であり、図3は図1におけるIII-III線に沿う断面図である。図1〜図3において、光電子増倍管1は、外部から入射した光によって電子を放出し、その電子を増倍させて信号として出力させるための装置として構成されている。
光電子増倍管1は、略円筒形状をなす金属製の側管2を有している。側管2は、例えば鉄、ニッケル及びコバール金属の合金で形成されている。側管2の一端部(上端部)には、側管2の内側に張り出した環状のフランジ部51が設けられ、側管2の他端部(下端部)には、側管2の外側に張り出した環状のフランジ部52が設けられている。
側管2の上側の開口端にはガラス製の受光面板3が気密に固定され、受光面板3の内側表面には、受光面板3を通して入射した光を電子に変換するための光電子放出面(以下、光電面)4が形成されている。なお、これらの受光面板3及び光電面4については、後で詳述する。
側管2の下側の開口端には、円板状のステム5が配置されている。ここで、ステム5において、光電子増倍管1の密封容器8の形成時に真空となる側を内側(上側)とする。ステム5には、略円状の位置に周方向に互いに離間して配置された複数(15本)の導電性のステムピン6が気密に挿着されている。具体的には、ステム5は、ベース材14と、ベース材14の上側(内側)に接合された上側押え材15と、ベース材14の下側(外側)に接合された下側押え材16とを融着接合して成る3層構造とされている。ベース材14は、例えばコバールを主成分とした絶縁性ガラスから構成された円板状の部材であり、上側押え材15及び下側押え材16は、コバールに例えばアルミナ系粉末を添加することにより、ベース材14より高融点とされた絶縁性ガラスから構成された円板状の部材である。そして、ベース材14と各ステムピン6とが融着されている。なお、ステム5の構造は、特に上記のような3層構造には限られず、ベース材のみからなる単層構造や、ベース材及び押え材からなる2層構造等であっても良い。
ステム5には、当該ステム5を側方から包囲するように金属製のリング状側管7が気密に固定されている。具体的には、リング状側管7は、ステム5のベース材14に融着されている。リング状側管7の一端部(上端部)には、リング状側管7の外側に張り出した環状のフランジ部7aが設けられている。このフランジ部7aと側管2の下端部に形成されたフランジ部52とが溶接されることで、側管2とリング状側管7とは気密に固定されている。
上記の側管2、受光面板3、ステム5及びリング状側管7によって、内部が真空状態に保たれた密封容器8が形成されている。このような密封容器8内には、光電面4から放出された電子を増倍するための電子増倍部9が収容されている。この電子増倍部9は、電子増倍孔を多数有する薄板状のダイノード10が複数段(本実施形態では10段)に積層されてブロック状に形成され、ステム5の上面に設置されている。各ダイノード10の所定の縁部には、外側に突出するダイノード接続片10cがそれぞれ形成され、各ダイノード接続片10cの下面側には、ステム5に挿着された所定のステムピン6の先端部分が溶接固定されている。これにより、各ダイノード10と各ステムピン6との電気的な接続がなされている。
さらに、密封容器8内において、電子増倍部9と光電面4との間には、光電面4から放出された電子を電子増倍部9に収束させて導くための平板状の収束電極11が設置されている。また、最終段のダイノード10bの一段上の段には、電子増倍部9により増倍され最終段のダイノード10bより放出された電子を出力信号として取り出すための平板状アノード(陽極)12が積層されている。
収束電極11の四隅には、外側に突出する突出片11aがそれぞれ形成され、この各突出片11aに所定のステムピン6が溶接固定されることでステムピン6と収束電極11との電気的な接続がなされている。また、アノード12の所定の縁部にも、外側に突出するアノード接続片12aが形成され、このアノード接続片12aにステムピン6の一つであるアノードピン13が溶接固定されることでアノードピン13とアノード12との電気的な接続がなされている。そして、図示しない電源回路に接続した各ステムピン6によって電子増倍部9及びアノード12に所定の電圧が印加されると、光電面4と収束電極11とは同電位に設定され、各ダイノード10は積層順に上段から下段に行くに従って高電位に設定される。また、アノード12は最終段のダイノード10bよりも高電位に設定される。
以上のように構成された光電子増倍管1では、受光面板3側から光電面4に光(hν)が入射すると、この光電面4において光が光電変換されて密封容器8内に電子(e)が放出される。放出された電子は、収束電極11によって電子増倍部9の一段目のダイノード10aに収束される。そして、電子は電子増倍部9内で順次増倍されていき、最終段のダイノード10bから2次電子群が放出される。この2次電子群はアノード12に導かれ、アノードピン13を介して外部に出力される。
受光面板3及び光電面4を含む光電子増倍管1の上部構造について、図3及び図4により更に詳細に説明する。
受光面板3は、側管2に形成されたフランジ部51の外面(上面)51aに融着接合された本体部3aと、この本体部3aと一体化されていると共にフランジ部51の内縁面51bによって画定される空間に入り込むように形成され、フランジ部51の内縁面51bに融着接合された凸部3bとを有している。内縁面51bは、上面51aに対して略垂直な面である。受光面板3の上面と、受光面板3の下面つまり凸部3bの先端面Pは、実質的に平坦となっている。また、凸部3bの先端面Pは、フランジ部51の内面51cとほぼ面一となっている。
フランジ部51の上面51a及び内縁面51bには、金属酸化膜(例えば鉄酸化膜)53が形成されている。「金属酸化膜」とは、ワーク母材に含有される元素が酸素、加熱雰囲気中に曝されたときに酸素と結合することによって形成される膜状の金属酸化層である。従って、受光面板3の本体部3aは、金属酸化膜53を介してフランジ部51の上面51aに融着され、受光面板3の凸部3bは、金属酸化膜53を介してフランジ部51の内縁面51bに融着されている事になる。なお、側管2において、受光面板3と接合されるフランジ部51の上面51a及び内縁面51b以外の領域の表面には、金属酸化膜53は形成されていない。
光電面4は、凸部3bの先端面P及びフランジ部51の内面51cに導電性の薄膜(例えばアルミ蒸着膜)54を介して形成されている。導電性の薄膜54は、側管2の内面及び受光面板3の下面の周縁部にわたって形成されている。このため、フランジ部51の内面51c及び受光面板3の下面(凸部3bの先端面P)の周縁部に対しては、光電面4が導電性の薄膜54の表面に形成され、凸部3bの先端面Pの中央部に対しては、光電面4が受光面板3の表面(凸部3bの先端面Pのうち導電性の薄膜54が形成されていない領域)に直接形成されている。この受光面板3の表面に直接形成される面が光電面4の有効面となる。
フランジ部51の内縁面51bと凸部3bとの境界部分には、窪み55が形成されている。この窪み55は、フランジ部51の内面51cに形成された不要な金属酸化膜を化学研磨により除去する(後述)ことによって生じるものである。この状態で、導電性の薄膜54及び光電面4を順次形成すると、窪み55内に、フランジ部51の内縁面51bと凸部3bとの境界部分に形成されるはずの導電性の薄膜54及び光電面4が入り込む。このため、凸部3bの先端面Pに形成された導電性の薄膜54(薄膜54aとする)とフランジ部51の内面51cに形成された導電性の薄膜54(薄膜54bとする)との間に、電気的な接続が無い状態となる場合がある。このため、薄膜54a,54b同士は、ワイヤ56で接続(ワイヤボンディング)されて、電気的に接続される。
次に、側管2のフランジ部51に受光面板3を取り付け、更に光電面4を形成する方法について説明する。まず図5(a)に示すように、側管2と、受光面板3の基となるガラス平板57とを用意する。そして、例えば電気炉にて、側管2の全表面に金属酸化膜53を形成する。
続いて、図5(b)に示すように、側管2のフランジ部51の上面51a上にガラス平板57を載置する。そして、図示しない融着治具等を用いて側管2を加熱する。なお、側管2の加熱手法しては、例えば高周波加熱等の誘導加熱を採用する。
このように側管2を加熱すると、ガラス平板57はフランジ部51に近い部分から溶け出す。その結果、図5(c)に示すように、フランジ部51の内縁面51bによって画定される空間にガラス平板57の中央部分(フランジ部51の上面51aに接している領域を除く部分)が落とし込まれ、フランジ部51の上面51a及び内縁面51bとガラス平板57とが融着されるようになる。これにより、フランジ部51の上面51aに融着された本体部3aとフランジ部51の内縁面51bに融着された凸部3bとからなる受光面板3が形成されることとなる。
以上のように側管2の加熱によるガラス平板57の溶融・落とし込みを利用することにより、1枚のガラス平板57のみを使って、凸部3bを有する受光面板3を容易に且つ安価に作ることができる。また、そのように凸部3bを有する受光面板3を形成しながら、側管2のフランジ部51に融着接合するので、光電子増倍管1の製造工程の簡素化を図ることが可能となる。
ここで、フランジ部51の表面には金属酸化膜53が形成されているので、図5(b)に示すようにガラス平板57がフランジ部51に密着された状態で側管2を加熱すると、ガラス平板57の融点を超えたあたりから、ガラス平板57と金属酸化膜53とが互いに拡散し、ガラスと金属とが混在した接合層(拡散層)が形成されるようになる。このため、フランジ部51の表面に金属酸化膜53を形成しない状態でフランジ部51と受光面板3とを融着した場合に比べて、フランジ部51と受光面板3との密着性が良くなり、フランジ部51と受光面板3とのシール性(真空気密性)及び接合強度に対して有利となる。
続いて、後で側管2の内面に導電性の薄膜54を形成したり、側管2の外面にメッキを施すこと等を考慮して、側管2の表面に露出している金属酸化膜53を化学研磨により除去する。この処理を行うと、上述したようにフランジ部51の内縁面51bと受光面板3の凸部3bとの境界部分に窪み55が形成される。
続いて、側管2の内面と受光面板3の下面(凸部3bの先端面P)の縁部とに導電性の薄膜54を形成する。そして、側管2の内面に形成された導電性の薄膜54と受光面板3の下面に形成された導電性の薄膜54とをワイヤ56でつなぐ、所謂ワイヤボンディングを施す。これにより、上記の窪み55があっても、側管2の内面に形成された導電性の薄膜54と受光面板3の下面に形成された導電性の薄膜54との電気的接続が確保されるようになる。そして、フランジ部51の内面51cと受光面板3の凸部3bの先端面Pとに光電面4を形成する。光電面4は、例えば受光面板3の下面(凸部3bの先端面P)から側管2の内面にわたってアンチモンを蒸着し、これにアルカリ金属蒸着を反応させることで形成される。
ここで、具体的な例としては、フランジ部51の内面51cを含む側管2の内面全体から受光面板3の凸部3bの先端面Pの周縁部にわたって導電性の薄膜54を形成し、凸部3bの先端面Pに形成された導電性の薄膜54とフランジ部51の内面51cに形成された導電性の薄膜54とをワイヤボンディングにより電気的に接続した。このとき、導電性の薄膜54は凸部3bの先端面Pの周縁部に幅0.5mmで形成され、その後、受光面板3の下面からフランジ部51の内面51cにわたって光電面4を形成することにより、有効径8mmの光電面4を得た。
以上のように本実施形態にあっては、受光面板3が側管2のフランジ部51の表面に形成された金属酸化膜53を介してフランジ部51に融着接合される構成としたので、上述したようにフランジ部51と受光面板3との密着性が十分に高くなる。また、受光面板3を本体部3aと凸部3bとからなる構成とすると共に、本体部3aをフランジ部51の上面51aに融着させ、凸部3bをフランジ部51の内縁面51bに融着させたので、受光面板3とフランジ部51との融着長が十分長くとれる。これにより、受光面板3とフランジ部51との融着界面における接合強度(融着強度)及びシール性を向上させることができる。
上記の光電子増倍管1の変形例を図6に示す。同図に示す光電子増倍管20は、ステム5の中央部分に金属製の排気管19を設けたものである。この排気管19は、光電子増倍管20の組み立て終了後に密封容器8の内部を真空ポンプ(図示しない)等によって排気して真空状態にするために利用することができる。その他の構成は、光電子増倍管1と同等である。
上記の光電子増倍管1の別の変形例を図7に示す。同図に示す光電子増倍管26は、ステム5に固定したリング状側管7に、上記の側管2よりも長尺の側管27を嵌め合わせて、リング状側管7の下端部に形成されたフランジ部7aと側管27の下端部に形成されたフランジ部27aとを溶接固定したものである。その他の構成は、図6に示す光電子増倍管20と同等である。
図8は、本発明に係る光検出器の他の実施形態として、上述した光電子増倍管1を備えた放射線検出装置を示す構成図である。同図において、放射線検出装置21は、光電子増倍管1の受光面板3の上側(外側)に設置され、放射線を光に変換して放出するシンチレータ22を備えている。このような放射線検出装置21は光電子増倍管1を有しているので、上述したように受光面板3と側管2のフランジ部51との間の融着強度及びシール性を向上させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態には限定されるものではない。例えば側管2のフランジ部51の形状については、特に上記実施形態のものには限られず、例えば図9に示すように種々変形可能である。図9(a)に示すフランジ部51は、上面51aに対して傾斜した内縁面51bを有している。図9(b)に示すフランジ部51は、上面51a及び内縁面51bとそれぞれ隣り合う傾斜面51dを有している。図9(c)に示すフランジ部51は、曲面状の内縁面51bを有している。
また、上記実施形態では、光電面4を受光面板3の凸部3bの先端面Pからフランジ部51の内面51cにわたって形成したが、図10に示すように、光電面4を受光面板3の凸部3bの先端面Pのみに形成し、受光面板3の凸部3bの先端面Pに形成した導電性の薄膜54とフランジ部51の内面51cに形成した導電性の薄膜54とをワイヤ56でつなぐ構成としても良い。この場合、凸部3bの先端面Pの周縁部に形成される光電面4は、導電性の薄膜54の表面上に形成されることになる。
また、上記実施形態では、ガラス平板57の落とし込みを利用して、凸部3bを有する受光面板3を形成しながら、受光面板3を側管2のフランジ部51に融着接合するようにしたが、本体部3a及び凸部3bからなる受光面板3を別に作り、その受光面板3をフランジ部51に融着接合させても良い。
また、上記実施形態では、本体部3a及び凸部3bからなる受光面板3を使用したが、平板状の受光面板を使用することもできる。この場合には、平板状の受光面板を、フランジ部51の外面51aまたは内面51cに形成された金属酸化膜53を介してフランジ部51に融着接合する。
さらに、上記実施形態は、光検出器を光電子増倍管と、当該光電子増倍管を備えた放射線検出装置とに適用したものであるが、本発明の光検出器は、電子増倍部の無い電子管等にも適用可能である。
本発明に係る光検出器の一実施形態として光電子増倍管を示す平面図である。 図1に示した光電子増倍管の底面図である。 図1に示した光電子増倍管のIII-III線断面図である。 図3に示した光電子増倍管の上部の拡大断面図である。 図3に示した受光面板を形成しながら側管のフランジ部に融着接合する工程を示す側断面図である。 図3に示した光電子増倍管の変形例を示す側断面図である。 図3に示した光電子増倍管の別の変形例を示す側断面図である。 本発明に係る光検出器の他の実施形態として、図3に示した光電子増倍管を備えた放射線検出装置を示す構成図である。 側管の上端部に形成されたフランジ部の変形例を示す断面図である。 図3に示した光電子増倍管の変形例における上部の拡大断面図である。
符号の説明
1,20,26…光電子増倍管(光検出器)、2,27…側管、3…受光面板、3a…本体部、3b…凸部、4…光電面、5…ステム、7…リング状側管、8…密封容器、9…電子増倍部、12…アノード(陽極)、21…放射線検出装置(光検出器)、22…シンチレータ、51…フランジ部、51a…上面(外面)、51b…内縁面、51c…内面、53…金属酸化膜、54…導電性の薄膜、56…ワイヤ、57…ガラス平板。


Claims (4)

  1. 導電性をもった側管及び当該側管の一端部に接合された受光面板を有する密封容器と、前記密封容器内に設けられ、前記受光面板を通して入射した光を電子に変換する光電面と、前記密封容器内に設けられ、前記光電面から放出された電子を出力信号として取り出すための陽極とを備える光検出器において、
    前記側管の一端部には、前記側管の内側に張り出したフランジ部が設けられ、
    前記受光面板は、前記フランジ部の外面に酸化膜を介して融着接合されたガラス製の本体部と、前記本体部と一体化されていると共に前記フランジ部の内縁面によって画定される空間に入り込むように形成され、前記フランジ部の内縁面に前記酸化膜を介して融着接合されたガラス製の凸部と、を有し、
    前記凸部の先端面の周縁部及び前記フランジ部の内面には、導電性の薄膜が形成され、
    前記凸部の先端面の周縁部に形成された導電性の薄膜と前記フランジ部の内面に形成された導電性の薄膜とは、ワイヤボンディングにより接続されており、
    前記光電面は、前記凸部の先端面の周縁部に形成された前記導電性の薄膜を覆うように該導電性の薄膜を介して前記凸部の先端面に形成された第1の面と、前記凸部の先端面に直接形成された第2の面とを含み、
    前記光電面の有効面は、前記第2の面である、
    ことを特徴とする光検出器。
  2. 前記受光面板は、表面に前記酸化膜が形成された前記フランジ部の外面上にガラス平板を載置した状態で、前記側管を加熱することにより形成されたものであることを特徴とする請求項記載の光検出器。
  3. 前記密封容器内に設けられ、前記光電面から放出された電子を増倍して前記陽極に入射させる電子増倍部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光検出器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光検出器と、
    前記受光面板の外側に配置され、放射線を光に変換して放出するシンチレータと、
    を備えることを特徴とする放射線検出装置
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