JP4647955B2 - 光電陰極板及び電子管 - Google Patents

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Description

本発明は、入射した光を光電変換して光電子を放出する光電陰極板、及びそのような光電陰極板を用いた電子管に関する。
この種の光電陰極板では、半導体基板上に半導体光吸収層と半導体電子放射層とがこの順に積層され、光電子を外部に向けて放出する電子放出部が半導体電子放射層上に形成されている。さらに、半導体電子放射層上には、電子放出部に電気的に接続された電極が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2923462号明細書
ところで、上述したような光電陰極板においては、従来から高感度な特性を安定して得ることができる技術が望まれていた。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、高感度な特性を安定して得ることができる光電陰極板、及びそのような光電陰極板を用いた電子管を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る光電陰極板は、入射した光を光電変換して光電子を放出する光電陰極板であって、半導体基板と、半導体基板上に形成され、入射した光を吸収して光電子を発生する半導体光吸収層と、半導体光吸収層上に形成され、半導体光吸収層にて発生した光電子を加速する半導体電子放射層と、半導体電子放射層上に形成され、半導体電子放射層にて加速した光電子を外部に向けて放出する電子放出部と、電子放出部に電気的に接続された第1の電極と、半導体電子放射層と第1の電極との間に形成された絶縁層と、半導体基板に形成された第2の電極と、を備えることを特徴としている。
この光電陰極板では、半導体電子放射層と、電子放出部に電気的に接続された第1の電極との間に絶縁層が形成されている。このような絶縁層を形成すると、電子放出部における半導体電子放射層の露出部分に活性層を形成する前の段階で、光電陰極板を高温でヒートクリーニングし得ることが明らかになった。これにより、電子放出部における半導体電子放射層の露出部分を効果的に清浄化することができ、当該露出部分の物性を安定化させることが可能となる。この結果、この光電陰極板では高感度な特性を安定して得ることができる。
また、絶縁層は、半導体電子放射層上において電子放出部が形成されていない領域を覆うように形成されていることが好ましい。この場合、光電陰極板の温度耐性をさらに向上させることができるため、より高温でのヒートクリーニングが可能となる。これにより、電子放出部における半導体電子放射層の露出部分をより効果的に清浄化することができ、当該露出部分の物性をより安定化させることが可能となる。この結果、この光電陰極板では、より高感度な特性を安定して得ることができる。
また、本発明に係る電子管は、前述した光電陰極板を備えることを特徴としている。
この電子管では、前述したように、半導体電子放射層と、電子放出部に電気的に接続された第1の電極との間に絶縁層が形成された光電陰極板が用いられている。したがって、この電子管の光電陰極板では高感度な特性を安定して得ることができる。なお、ここでいう電子管とは、光電陰極板を用いて微弱光を検出する装置であり、例えば光電子増倍管、ストリーク管、イメージ増幅管などが含まれる。
以上説明したように、本発明に係る光電陰極板及び電子管によれば、高感度な特性を安定して得ることができる。
以下、本発明に係る光電陰極板及び電子管の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、「上」、「下」等の語は図面に示す状態に基づいており、便宜的なものである。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る電子管の一実施形態である光電子増倍管を示す断面図である。同図に示すように、光電子増倍管1においては、金属製のステム3に金属製の側管5が気密に固定され、さらに、この側管5の上端部に光電陰極7が気密に固定されることで、真空容器が形成されている。
このように形成された真空容器内にはメタルチャンネルダイノード11が設置されている。メタルチャンネルダイノード11と光電陰極7との間には、ステムピン13に接続された格子状の収束電極15が設置されており、メタルチャンネルダイノード11とステム3との間には、ステムピン19に接続されたアノード17が設置されている。
さらに、収束電極15には、後述する支持板39の下面39bに向かって内側に傾いて延在する一対の電極21が一体的に形成されている。この電極21の上端部は、支持板39の下面39bに形成された第2の導電膜43(図2参照)に圧接されている。
上述した光電陰極7は、図2に示すように、入射した光(hν)に感応して光電子(e)を放出する光電陰極板(光電面として機能する半導体結晶)23Aが組み込まれた透過型のフィールドアシスト型光電陰極であり、光電子増倍管1における光電変換部分として用いられている。この光電陰極7は、石英ガラスにより形成された円板状の光透過板25を有し、この光透過板25の下面25aには、軸線Lを中心として円形の凹部27が形成されている。
この凹部27の底面27aには、図2及び図3に示すように、軸線Lを中心とした円形の光通過領域Aを除いて、Crからなる第1の導電膜29が形成されており、この第1の導電膜29は、凹部27の底面27aから側面27b、さらに光透過板25の下面25aにかけて一様に広がっている(図3の梨地領域)。これにより、光透過板25を透過する光(hν)は、底面27aの光通過領域Aを通過することになる。また、光電陰極7は、側管5の上端部に形成された内向きフランジ部9と、下面25aに形成された第1の導電膜29とがIn(インジウム)接合されることで、側管5に強固に固定される。なお、第1の導電膜29の材料は、石英ガラスへの馴染が良く剥離しにくいことからCr、Ti、Cu等が好適であるが、導電性を有していれば他の材料であってもよい。
一方、光透過板25の凹部27内には、光電陰極板23Aを保持するためのコバール製の保持部材31が嵌め込まれている。この保持部材31は、凹部27の底面27aに接触する円形薄板状の保持部33を有すると共に、この保持部33と底面27aに形成された導電膜29とがIn接合されることで、光透過板25に強固に固定される。なお、保持部材31をNi製としても、In接合によって強固な固定力を確保することができる。
この保持部33には、光通過領域Aよりも広い矩形の第1の開口部35が形成されており、この第1の開口部35内に、軸線L方向から見たときの外形が第1の開口部35と同形状である矩形薄板状の光電陰極板23Aが光透過板25に接触するように嵌め込まれる。これにより、光電陰極板23Aの第2の電極53(図6参照)が、保持部33の第1の開口部35から覗く第1の導電膜29と電気的に接続される。
さらに、保持部33の外縁には、凹部27の側面27bに沿わせるための円環状の包囲部37が一体的に形成されている。この包囲部37は、光電陰極板23Aの側面23cとの間に空隙Sをもって光電陰極板23Aを包囲している。そして、この包囲部37内には、軸線L方向から見たときの外形が包囲部37の内面と同形状である円形状のセラミックス製支持板39が光電陰極板23Aに接触するように嵌め込まれる。この支持板39には、光電陰極板23Aから放出される光電子(e)を通過させる円形の第2の開口部41が形成されている。
この支持板39の第2の開口部41側の縁部には、Crからなる第2の導電膜43が形成されている(図3の梨地領域)。この第2の導電膜43は、第2の開口部41の壁面を介して支持板39の上面39aから下面39bにかけて連続するように形成されると共に、上面39a側において光電陰極板23Aの第1の電極65(図5参照)と電気的に接続される。なお、第2の導電膜43の材料は、電子管の真空度の低下を招くガス発生を起こさないことからCr、Ti、Ag等が好適であるが、導電性を有していれば他の材料であってもよい。
さらに、包囲部37の下端部には、軸線Lを中心に等間隔をもって(90度毎に)4つの爪部45が一体的に形成されている。この爪部45は、図2及び図4に示すように、支持板39の下面39bの外縁における非導電性領域B(第2の導電膜43が形成されていない領域)に押し付けられるように軸線Lに向けて直角に折り曲げられて、支持板39を光電陰極板23Aに押圧する。なお、爪部45の個数は4つに限定されない。例えば、包囲部37の下端部に、対向する一対の爪部45を一体的に形成してもよい。
以上のように構成された光電子増倍管1では、光透過板25側から光電陰極7に光(hν)が入射すると、この光電陰極7において光(hν)が光電変換されて光電子(e)が放出される。放出された光電子(e)は、収束電極15によってメタルチャンネルダイノード11の一段目のダイノード11aに収束される。そして、光電子(e)はメタルチャンネルダイノード11内で順次増幅され、最終段のダイノード11bから2次電子群が放出される。この2次電子群はアノード17に達すると、このアノード17と接続されたステムピン19を介して外部に出力される。
続いて、上述した光電陰極板23Aについて、さらに詳細に説明する。
図5及び図6に示すように、光電陰極板23Aは、半導体基板47と、半導体基板47上に形成され、入射した光(hν)を吸収して光電子(e)を発生する半導体光吸収層49と、半導体光吸収層49上に形成され、半導体光吸収層49にて発生した光電子(e)を加速する半導体電子放射層51とを備えている。
半導体基板47は導電型がp型のInPからなり、約350μmの厚さを有している。半導体光吸収層49は導電型がp型のInGaAsからなり、約2.0μm厚さを有している。半導体電子放射層51は導電型がp型のInPからなり、約0.7μmの厚さを有している。
半導体電子放射層51の上面には、この半導体電子放射層51とpn結合を形成するコンタクト層55と、このコンタクト層55にオーミック接触する電極層57とがこの順に積層されている。コンタクト層55は導電型がn型のInPからなり、約0.2μmの厚さを有している。また、電極層57はTiからなり、約0.03μmの厚さを有している。そして、このコンタクト層55及び電極層57によって、半導体電子放射層51の上面中央部分に円形状の電子放出部59が形成されている。
電子放出部59において、コンタクト層55及び電極層57には、既存のリソグラフィー技術及びエッチング技術によって、幅約1.4μm、間隔約1.4μmのストライプ状に開口が形成されている。そして、電子放出部59においてコンタクト層55及び電極層57が形成されていない部分、すなわち半導体電子放射層51の露出部分には、例えばCs等のアルカリ金属(或いはその酸化物)からなる活性層61が薄く蒸着されている。この活性層61により、半導体電子放射層51の露出表面の仕事関数が低下させられ、半導体電子放射層51にて加速した光電子(e)が真空中へ放出されやすくなっている。
さらに、半導体電子放射層51には、電子放出部59を挟んで対向するように、矩形状の絶縁層63が形成されており、各絶縁層63上には円形状の第1の電極65が形成されている。絶縁層63は例えばSiNからなり、約0.4μmの厚さを有している。第1の電極65は、電子放出部59を形成している電極層57によって電子放出部59と一体的に形成されており、電子放出部59と電気的に接続されている。また、半導体基板47の下面には、この下面にオーミック接触する第2の電極53が形成されている。この第2の電極53は、例えばAuZnからなる。
この光電陰極板23Aでは、半導体基板47側から光(hν)が入射すると、この光(hν)が半導体光吸収層49によって吸収されて光電変換される。これにより発生した光電子(e)は、第1の電極65と第2の電極53との間に印加されたバイアス電圧によって生じた電界により、半導体電子放射層51内を通過しながら電子放出部59に向けて加速される。そして、この加速した光電子(e)は、電子放出部59におけるコンタクト層55及び電極層57の開口から外部へと放出される。
以上のように構成された光電陰極板23Aを製造する場合、まず図7に示すように、導電型がp型のInPからなる半導体基板47を用意する。そして、この半導体基板47上に導電型がp型のInGaAsからなる半導体光吸収層49と、導電型がp型のInPからなる半導体電子放射層51と、導電型がn型のInPからなるコンタクト層55とをこの順に積層する。さらに、半導体基板47の下面には、AuZnからなる第2の電極53を形成する。
次に、図8に示すように、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、コンタクト層55を半導体電子放射層51の上面中央部分において円形状に残し、その他の領域のコンタクト層55を除去する。さらに、図9に示すように、コンタクト層55及び半導体電子放射層51の上面を覆うようにSiNからなる絶縁層63を積層する。そして、図10に示すように、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、第1の電極65の形成予定部分を含む矩形状の領域を残して絶縁層63を除去する。
次に、図11に示すように、半導体電子放射層51、コンタクト層55及び絶縁層63の上面を覆うようにTiからなる電極層57を積層する。そして、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、半導体電子放射層51の上面中央部分において、ストライプ状の開口が形成されるようにコンタクト層55と電極層57とを残して電子放出部59を形成する。同時に、電子放出部59を挟んで対向する位置にそれぞれ電極層57を円形状に残して一対の第1の電極65を形成する。
さらに、高温でのヒートクリーニングによって電子放出部59における半導体電子放射層51の露出部分の清浄を行った後、この露出部分にCs等のアルカリ金属を蒸着して活性層61を形成すると、図5及び図6に示した光電陰極板23Aが完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る光電子増倍管1では、半導体電子放射層51と、電子放出部59に電気的に接続された第1の電極65との間に絶縁層63が形成された光電陰極板23Aが用いられている。このような絶縁層63を形成すると、電子放出部59における半導体電子放射層51の露出部分に活性層61を形成する前の段階で、光電陰極板23Aを高温でヒートクリーニングすることができる。これにより、電子放出部59における半導体電子放射層51の露出部分を効果的に清浄化することができ、当該露出部分の物性を安定化させることが可能となる。この結果、光電陰極板23A及びこの光電陰極板23Aを用いた光電子増倍管1では、高感度な特性を安定して得ることができる。
上述のような絶縁層63の形成による付加的な効果として、次のようなものがある。すなわち、光電陰極板23Aの機械的な強度を向上させることができる。これにより、第1の電極65に支持板39等が接触した際の半導体電子吸収層49や半導体電子放射層51の破損を防止することができる。また、絶縁層63が形成された領域では、半導体電子放射層51を不純物の付着から有効に保護することができる。さらには、半導体電子放射層51から第1の電極65へ直接的に電子が流入することを抑止できるので、暗電流の発生を抑えることができる。
また、光電陰極板23Aに電気的にコンタクトしている支持板39と、光電陰極板23Aにおける半導体電子放射層51との間隔は極めて狭くなっているが、絶縁層63が形成されている領域では、例えば温度変化等によって支持板39が伸縮したとしても、第2の導電膜43と半導体電子放射層51とが接触するような不具合が生じることも殆ど無い。
なお、本実施形態の変形例として、図12に示すようなショットキー型の光電陰極板23Bを光電子増倍管1に採用してもよい。この光電陰極板23Bでは、電子放出部59及び第1の電極65がショットキー電極層67によって形成されている点で、これらがコンタクト層55及び電極層57から形成されている上記実施形態と相違している。
すなわち、光電陰極板23Bでは半導体電子放射層51上にコンタクト層55が形成されておらず、半導体電子放射層51上にショットキー電極層67が直接積層されて電子放出部59が形成されている。また、第1の電極65は、半導体電子放射層51上に絶縁層63を介在させて積層されたショットキー電極層67によって形成されている。
このような光電陰極板23Bを製造する場合、まず図13に示すように、導電型がp型のInPからなる半導体基板47を用意する。そして、この半導体基板47上に導電型がp型のInGaAsからなる半導体光吸収層49と、導電型がp型のInPからなる半導体電子放射層51とをこの順に積層する。さらに、半導体基板47の下面には、AuZnからなる第2の電極53を形成する。
次に、図14に示すように、半導体電子放射層51の上面全体にSiNからなる絶縁層63を積層する。そして、図15に示すように、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、第1の電極65の形成予定部分を含む矩形の領域を残して絶縁層63を除去する。
さらに、図16に示すように、絶縁層63及び半導体電子放射層51の上面を覆うようにショットキー電極層67を積層する。そして、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、半導体電子放射層51の上面中央部分において、ストライプ状の開口が形成されるようにショットキー電極層67を残して電子放出部59を形成する。同時に、電子放出部59を挟んで対向する位置にそれぞれショットキー電極層67を円形状に残して一対の第1の電極65を形成する。
さらに、高温でのヒートクリーニングによって電子放出部59における半導体電子放射層51の露出部分の清浄を行った後、この露出部分にCs等のアルカリ金属を蒸着して活性層61を形成すると、図12に示した光電陰極板23Bが完成する。
この光電陰極板23Bにおいても、半導体電子放射層51と、電子放出部59に電気的に接続された第1の電極65との間に絶縁層63が形成されているため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る電子管である光電子増倍管においては、組み込まれている光電陰極板23Cの層構造が第1実施形態に係る光電陰極板23Aの層構造と相違している。すなわち、光電陰極板23Cでは、図17及び図18に示すように、半導体電子放射層51上において電子放出部59が形成されていない領域を覆うように絶縁層69が形成されている点で、絶縁層63が半導体電子放射層51上の一部の領域にのみ形成されている光電陰極板23Aと相違している。
このような光電陰極板23Cを製造する場合、まず図19に示すように、導電型がp型のInPからなる半導体基板47を用意する。そして、この半導体基板47上に導電型がp型のInGaAsからなる半導体光吸収層49と、導電型がp型のInPからなる半導体電子放射層51と、導電型がn型のInPからなるコンタクト層55とをこの順に積層する。さらに、半導体基板47の下面には、AuZnからなる第2の電極53を形成する。
次に、図20に示すように、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、コンタクト層55を半導体電子放射層51の上面中央部分において円形状に残し、その他の領域のコンタクト層55を除去する。さらに、図21に示すように、コンタクト層55及び半導体電子放射層51の上面を覆うようにSiNからなる絶縁層69を積層する。そして、図22に示すように、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、コンタクト層55の上面が円形状に露出するように絶縁層69を除去する。
次に、図23に示すように、コンタクト層55、及び絶縁層69の上面を覆うようにTiからなる電極層57を積層する。そして、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、半導体電子放射層51の上面中央部分において、ストライプ状の開口が形成されるようにコンタクト層55と電極層57とを残して電子放出部59を形成する。同時に、電子放出部59を挟んで対向する位置にそれぞれ電極層57を円形状に残して一対の第1の電極65を形成する。
さらに、高温でのヒートクリーニングによって電子放出部59における半導体電子放射層51の露出部分の清浄を行った後、この露出部分にCs等のアルカリ金属を蒸着して活性層61を形成すると、図17及び図18に示した光電陰極板23Cが完成する。
以上のように構成された光電陰極板23Cにおいても、半導体電子放射層51と、電子放出部59に電気的に接続された第1の電極65との間に絶縁層69が形成されている。さらに、この絶縁層69は、半導体電子放射層51上において電子放出部59が形成されていない領域を覆うように形成されている。この絶縁層69によって、光電陰極板23Cの温度耐性をさらに向上させることができるため、より高温でのヒートクリーニングが可能となる。これにより、電子放出部59における半導体電子放射層51の露出部分をより効果的に清浄化することができ、当該露出部分の物性をより安定化させることが可能となる。この結果、この光電陰極板23C及びこの光電陰極板23Cを用いた光電子増倍管では、より高感度な特性を安定して得ることができる。
上述のような絶縁層69の形成による付加的な効果として、次のようなものがある。すなわち、光電陰極板23Cの機械的な強度を向上させることができる。これにより、第1の電極65に支持板39等が接触した際の半導体電子吸収層49や半導体電子放射層51の破損を防止することができる。また、絶縁層69によって電子放出部59が形成されていない領域での半導体電子放射層51の露出がなくなるため、半導体電子放射層51を不純物の付着から有効に保護することができる。さらには、半導体電子放射層51から第1の電極65への直接的な電子の流入を効果的に抑止できるので、暗電流の発生をより抑えることができる。
また、光電陰極板23Cに電気的にコンタクトしている支持板39と、光電陰極板23Cにおける半導体電子放射層51との間隔は極めて狭くなっているが、絶縁層69が形成されている領域では、例えば温度変化等によって支持板39が伸縮したとしても、第2の導電膜43と半導体電子放射層51とが接触するような不具合が生じることも殆ど無い。
なお、本実施形態の変形例として、図24に示すようなショットキー型の光電陰極板23Dを光電子増倍管に採用してもよい。
このような光電陰極板23Dを製造する場合、まず図25に示すように、導電型がp型のInPからなる半導体基板47を用意する。そして、この半導体基板47上に導電型がp型のInGaAsからなる半導体光吸収層49と、導電型がp型のInPからなる半導体電子放射層51とをこの順に積層する。さらに、半導体基板47の下面には、AuZnからなる第2の電極53を形成する。
次に、図26に示すように、半導体電子放射層51の上面全体にSiNからなる絶縁層69を積層する。そして、図27に示すように、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、半導体電子放射層51の上面中央部分が円形状に露出するように絶縁層69を除去する。
さらに、図28に示すように、この絶縁層69及び半導体電子放射層51の上面を覆うようにショットキー電極層67を積層する。そして、所定のフォトレジスト(図示しない)を用いたエッチング処理により、半導体電子放射層51の上面中央部分において、ストライプ状の開口が形成されるようにショットキー電極層67を残して電子放出部59を形成する。同時に、電子放出部59を挟んで対向する位置にそれぞれショットキー電極層67を円形状に残して一対の第1の電極65を形成する。以上により、図24に示した光電陰極板23Dが完成する。
この光電陰極板23Dにおいても、半導体電子放射層51と、電子放出部59に電気的に接続された第1の電極65との間に絶縁層69が形成されており、さらに、この絶縁層69は、半導体電子放射層51上において電子放出部59が形成されていない領域を覆うように形成されている。したがって、図17及び図18に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る電子管の一実施形態である光電子増倍管を示す断面図である。 図1に示した光電子増倍管における光電陰極の断面図である。 図2に示した光電陰極の分解斜視図である。 図2に示した光電陰極の底面図である。 本発明に係る光電陰極板の第1実施形態を示す平面図である。 図5における光電陰極板のVI−VI線断面図である。 図6に示した光電陰極板の製造工程を示す断面図である。 図7の後続の工程を示す断面図である。 図8の後続の工程を示す断面図である。 図9の後続の工程を示す断面図である。 図10の後続の工程を示す断面図である。 第1実施形態に係る光電陰極板の変形例を示す断面図である。 図12に示した光電陰極板の製造工程を示す断面図である。 図13の後続の工程を示す断面図である。 図14の後続の工程を示す断面図である。 図15の後続の工程を示す断面図である。 本発明に係る光電陰極板の第2実施形態を示す平面図である。 図17における光電陰極板のXVIII−XVIII線断面図である。 図18に示した光電陰極板の製造工程を示す断面図である。 図19の後続の工程を示す断面図である。 図20の後続の工程を示す断面図である。 図21の後続の工程を示す断面図である。 図22の後続の工程を示す断面図である。 第2実施形態に係る光電陰極板の変形例を示す断面図である。 図24に示した光電陰極板の製造工程を示す断面図である。 図25の後続の工程を示す断面図である。 図26の後続の工程を示す断面図である。 図27の後続の工程を示す断面図である。
符号の説明
1…光電子増倍管(電子管)、23A〜23D…光電陰極板、47…半導体基板、49…半導体光吸収層、51…半導体電子放射層、53…第2の電極、59…電子放出部、65…第1の電極、63,69…絶縁層。

Claims (4)

  1. 入射した光を光電変換して光電子を放出する光電陰極板であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、入射した光を吸収して光電子を発生する導電型がp型の半導体光吸収層と、
    前記半導体光吸収層上に形成され、前記半導体光吸収層にて発生した光電子を加速する導電型がp型の半導体電子放射層と、
    前記半導体電子放射層上に形成され、前記半導体電子放射層にて加速した光電子を外部に向けて放出する電子放出部と、
    前記電子放出部における前記半導体放射層の露出部分に形成された活性層と、
    前記電子放出部に電気的に接続された第1の電極と、
    前記半導体電子放射層と前記第1の電極との間に形成された絶縁層と、
    前記半導体基板に形成された第2の電極と、を備え、
    前記電子放出部は、前記半導体放射層とpn結合を形成するコンタクト層及び前記コンタクト層とオーミック接触する電極層を有し、
    前記第1の電極は、前記電極層によって前記電子放出部と一体的に形成されていることを特徴とする光電陰極板。
  2. 入射した光を光電変換して光電子を放出する光電陰極板であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、入射した光を吸収して光電子を発生する導電型がp型の半導体光吸収層と、
    前記半導体光吸収層上に形成され、前記半導体光吸収層にて発生した光電子を加速する導電型がp型の半導体電子放射層と、
    前記半導体電子放射層上に形成され、前記半導体電子放射層にて加速した光電子を外部に向けて放出する電子放出部と、
    前記電子放出部における前記半導体放射層の露出部分に形成された活性層と、
    前記電子放出部に電気的に接続された第1の電極と、
    前記半導体電子放射層と前記第1の電極との間に形成された絶縁層と、
    前記半導体基板に形成された第2の電極と、を備え、
    前記半導体電子放射層上に直接積層されて前記電子放出部を形成するショットキー電極層を更に備え、
    前記第1の電極は、前記半導体電子放射層上に前記絶縁層を介在させて積層されるとともに前記ショットキー電極層から伸びる電極層によって形成されていることを特徴とする光電陰極板。
  3. 前記絶縁層は、前記半導体電子放射層上において前記電子放出部が形成されていない領域を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光電陰極板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の光電陰極板を備えることを特徴とする電子管。

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