JP4550976B2 - 光電陰極および電子管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電陰極および電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子管は、入射光に応じて電子を放出する光電陰極板を利用して微弱光を検出する装置であり、光電子増倍管、ストリーク管、イメージインテンシファイアなどがある。その中で、長波長光に感度を有する電子管として、光電陰極板の両面にバイアス電圧を印加し、光電陰極板内に形成された電界により電子を加速して真空中へ放出する、いわゆるフィールドアシスト型の光電陰極板を用いた電子管が特開平8−255580に開示されている。これによれば、光電陰極板は接着剤により本体に接着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電子管には、つぎのような問題点が存在していた。すなわち、光電陰極板を接着剤を用いて接着していたために強度が弱く、振動や、−70℃程度まで冷却して使用する際の100℃近い温度変動により発生する熱応力等によって、光電陰極板がはがれ落ちるという問題があった。さらに、接着剤からのガス発生による電子管の真空度の悪化も問題となっていた。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、接着剤を使用することなく光電陰極板を確実に固定することが可能な光電陰極とこれを有する電子管を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光電陰極は、光が入射する光入射面とその入射光が透過する光透過面とを有する面板と、面板の光透過面に接触し、入射光に応じて光透過面との接触面の反対側の電子放出面から電子を放出する光電陰極板と、面板に埋設され、光透過面のうち光電陰極板との接触面以外と面板の光入射面との間に延在する第1ピンと、光透過面上で第1ピンと接合され、光電陰極板の電子放出面外縁部と接触して光電陰極板を面板に固定する支持板とを有することを特徴とする。
【0006】
このように構成された光電陰極によれば、接着剤を用いない接合により、光電陰極板が容易にかつ確実に面板に固定される。この接合としては、具体的には、第1ピンおよび支持板を金属としての溶接または半田付けが挙げられる。
【0007】
ここで、光電陰極板に印加する電圧を、第1ピンと支持板を介して印加することが好ましい。これにより、面板の光透過面側での電圧印加用のリード線等の困難な引き回しが不要とされる。
【0008】
また、面板に埋設され、光透過面のうち光電陰極板と接触する面と光入射面との間に延在して光電陰極板と電気的に導通する金属より成る第2ピンを有し、光電陰極板に印加する電圧をその第2ピンを介して印加してもよい。これによっても、面板の光透過面側での電圧印加用のリード線等の困難な引き回しが不要とされる。
【0009】
また、光電陰極板は、その両面にバイアス電圧が印加されてもよい。これにより、フィールドアシスト型の光電陰極板が、接着剤を用いることなく容易にかつ確実に面板に固定される。
【0010】
また、面板に埋設され、光透過面のうち光電陰極板と接触する面と光入射面との間に延在して光電陰極板と電気的に導通する金属より成る第2ピンを有し、光電陰極板に印加するバイアス電圧の一方をその第2ピンを介して印加してもよい。これにより、面板の光透過面側でのバイアス電圧印加用の一方のリード線等の困難な引き回しが不要とされる。
【0011】
また、光電陰極板に印加するバイアス電圧の一方を、第1ピンと支持板とを介して印加してもよい。これによっても、面板の光透過面側でのバイアス電圧印加用の一方のリード線等の困難な引き回しが不要とされる。
【0012】
また、面板に埋設され、光透過面のうち光電陰極板と接触する面と光入射面との間に延在して光電陰極板と電気的に導通する金属より成る第2ピンを有し、バイアス電圧のうちの他方の電圧を第2ピンを介して印加することが好ましい。これにより、面板の光透過面側でのバイアス電圧印加用の両方のリード線等の困難な引き回しが不要とされる。
【0013】
また、支持板が金属からなる場合、光電陰極板の周囲に絶縁ホルダを有することが好ましい。これにより、何らかの理由により光電陰極板が動いた場合でも、光電陰極板の側面が支持板に接触して短絡することが防止される。
【0014】
また、第1ピンを複数有することが好ましい。これにより、さらに確実に光電陰極板が面板に固定される。
【0015】
また、第2ピンと光電陰極板とが導電性部材を介して電気的に導通されてもよい。これにより、導電性部材が電極となり効率よく光電陰極板に電圧が印加される。
【0016】
また、面板は光電陰極板に光を導入する部分のみが光透過性の部材より成っていればその機能が十分に発揮される。
【0017】
また、支持板は段付き貫通孔を有する平板であり、その段付き貫通孔のつば部が光電陰極板の電子放出面外縁部と接触して光電陰極板を面板に固定する構成が挙げられる。これにより、光電陰極の製造が容易とされる。
【0018】
そして、このような光電陰極を有する電子管として、たとえば、イメージインテンシファイア、ストリーク管、光電子増倍管の何れかを構成することで、その機能が十分に発揮される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る光電陰極と電子管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
図1は第1実施形態の光電陰極を示す断面図、図2は第1実施形態の光電陰極の分解斜視図、図3は第1実施形態の光電陰極の面板方向からの斜視図である。
【0021】
図1および図2に示すように、光電陰極10は、光を透過する面板11、面板11に埋設された第1ピン12,13と第2ピン18、面板11を透過して入射する入射光に応じて光電子を放出する光電陰極板16、および、光電陰極板16を面板11に固定する支持板19を有する。
【0022】
面板11は、例えば、ガラス等の光透過性の物質から成る円板であり、外界からの光を光入射面20から光透過面21に透過させる。
【0023】
面板11の光透過面21を透過した光が入射する光電陰極板16は、図1に示すように、半導体材料からなり、光入射面22とその裏側に位置する電子放出面23とを有する矩形平板で、その光入射面22が面板11の光透過面21の中央部に接するように配置され、光入射面22から入射した入射光を光電変換して電子放出面23から光電子を放出する。この光電陰極板16は、光入射面22と電子放出面23とにバイアス電圧を印加することにより光電陰極板16内に光電子を加速する電界が形成され、光入射によって発生した光電子が加速されて真空中に放出される、いわゆるフィールドアシスト型の光電陰極板である。この光電陰極板16の光入射面22の外縁部と接触する面板11の光透過面21上には、図2に示すように、光電陰極板16の光入射面22に上記バイアス電圧を印加するための電極としてCr−In蒸着膜17が矩形枠状に蒸着されている。
【0024】
面板11に埋設された第1ピン12,13は、例えば、コバール等の金属材料から成るものであり、図1または図2に示すように、面板11の光透過面21のうち光電陰極板16と接する部分以外と、面板11の光入射面20との間に延在している。また、面板11に埋設された第2ピン18も、例えば、コバール等の金属材料から成るものであり、面板11の光透過面21のうち光電陰極板16と接する部分と面板11の光入射面20との間に1本延在し、かつ、光電陰極板16の光入射面22に対して遮光しないように当該光入射面22の周縁に接するように配置されている。第1ピン12および第2ピン18の光入射面20側の端面には、図3に示すように、光入射面20上に各々蒸着されるメタライズ層26,27が接続され、その終端のターミナル部28,29にリード線30,31が各々接続されている。このリード線は各々電源(図示せず)に接続されている。また、第2ピン18の光透過面21側の端面は、図2および図3に示すように、上記Cr−In蒸着膜17と接続されている。
【0025】
図1または図2に示すように、支持板19は、例えば、コバール等の金属材料から成る円板であり、その中心に矩形の段付き貫通孔24を有し、この段付き貫通孔24を形成する大径部に光電陰極板16を収容すると共に、小径部側のつば部25が光電陰極板16の電子放出面23の外縁部を覆うように構成され、光電陰極板16の電子放出面23の外縁部と支持板19のつば部25との間に、例えば、ステンレス等の金属から成る矩形枠状の電極としてのスペーサ14が介在した状態で、その面板11側の面が第1ピン12,13の光透過面21側の端面と各々溶接により接合されている。
【0026】
これにより、光電陰極板16は、図2または図3に示すように、光入射面22の外縁部が面板11の光透過面21上のCr−In蒸着膜17と接触した状態で、面板11に固定されている。
【0027】
この光電陰極板16の周囲には、図1または図2に示すように、例えば、セラミック等の絶縁材料からなる矩形枠状の絶縁ホルダ15が設置され、上記面板11とつば部25により挟持されている。
【0028】
つぎに、このような第1実施形態による光電陰極10の動作を説明する。まず、この光電陰極10の光電陰極板16の作動に必要なバイアス電圧の一方を、図1、図3に示すように、リード線30、ターミナル部28、メタライズ層26、第1ピン12、支持板19およびスペーサ14を介して電子放出面23に印加する。また、バイアス電圧の他方を、リード線31、ターミナル部29、メタライズ層27、第2ピン18およびCr−In蒸着膜17を介して光入射面22に印加する。この状態で、外界から被検出光(hν)が面板11の光入射面20に入射されると、図1に示すように、その光は面板11を透過して光透過面21から光電陰極板16の光入射面22に入射する。光電陰極板16に光が入射されると、その光は光電変換され光電子(−e)が生成される。このとき、光電陰極板16にはバイアス電圧による電界が形成されており、その光電子は電子放出面23の方向に加速され、高エネルギーを得て電子放出面23から真空中に放出される。
【0029】
このように、本実施形態では、光電陰極板16を面板11と金属から成る支持板19で挟み込み、面板11に埋め込まれた金属から成る第1ピン12,13と支持板19とを溶接することにより、接着剤を使うことなくフィールドアシスト型の光電陰極板16が面板11に容易にかつ確実に固定されている。これにより、光電陰極10の製造が容易になるとともに、−70℃程度まで冷却して使用する際の100℃近い温度変動により発生する熱応力等による光電陰極板16の剥離や、接着剤からのガス発生による電子管の真空度の低下を防止することができ、信頼性の向上が図られている。
【0030】
また、第1ピン12と第2ピン18を利用して面板11上部から光電陰極板16の両面に電圧を印加することが可能とされているので、面板11の光透過面21側でのバイアス電圧印加用のリード線等の困難な引き回し(支持板19が邪魔となる引き回し)が不要となり、光電陰極10の電極構造が簡単となって、さらに製造が容易となるとともに小型化が可能にされている。
【0031】
さらに、光電陰極板16の周囲に絶縁ホルダ15を有しているので、何らかの理由により光電陰極板16が動いた場合に、光電陰極板16の側面が金属材料である面板11と接触することによる短絡が防止され、さらに信頼性が向上されている。
【0032】
つぎに、図4を参照して、第1実施形態の光電陰極10を備えた電子管であるイメージインテンシファイア39を説明する。本実施形態では、第1実施形態の光電陰極10がイメージインテンシファイア39の光電面として用いられている。
【0033】
このイメージインテンシファイア39では、光電陰極10の面板11に入射した光は光電陰極板16内で光電変換されて光電子となり、光電陰極板16から放出されてMCP40に入射する。このMCP40に入射された光電子は2次電子増倍され、裏面側に位置する蛍光面43に、増倍された2次電子を放出する。放出された2次電子は蛍光面43で光に変換され、この変換された光は出力窓48を介して外部に出力される。すなわち、面板11に入射された光が2次元情報を保持したまま増幅されて出力窓48から出力される。このとき、MCP40、蛍光面43および出力窓48等を収容する外囲器49と、光電陰極10の面板11との間には、光電陰極板16を冷却するための金属フランジ45がInシール46によりシールされた状態で介装されており、外部の冷却器50から金属フランジ45の周囲に配置された冷却板44、金属フランジ45を介しての光電陰極板16の冷却が可能とされており、これにより、イメージインテンシファイア39の光電変換性能が維持されるようになっている。
【0034】
このように、このイメージインテンシファイア39は、その光電面として第1実施形態の光電陰極10を採用しているので、光電陰極板16が接着剤なしに容易にかつ確実に面板11に固定されて製造が容易となり、振動や熱応力による光電陰極板16の剥離やガスの発生が防止されて信頼性が高くなり、また、イメージインテンシファイア39の外(面板11の光入射面20側)から直接バイアス電圧を印加することができ、内部でのバイアス電圧印加用のリード線等の困難な引き回しが不要とされ、電極構造が単純化するので小型化が可能とされている。
また、電極構造が小型化されるために光電陰極板16とMCP40との距離を近接させることができ、イメージインテンシファイア39の分解能を向上させることが可能となっている。
【0035】
また、従来の光電陰極は、前述の特開平8−255580に開示されているように光電陰極10の周囲に電位を印加するための導電膜等を有しており、光電陰極板16を側方から効率よく冷却することが難しかった。ところが、第1実施形態の光電陰極10をイメージインテンシファイア39に採用した場合、光電陰極10の側面に電位が供給されないので、側方に冷却用の金属フランジ45を設置することが可能とされ、光電陰極板16の冷却を効率的に行うことが可能となり、光電変換性能の維持が容易となっている。
【0036】
つぎに、図5を参照して、第1実施形態の光電陰極10を備えた電子管であるストリーク管55を説明する。本実施形態では、第1実施形態の光電陰極10がストリーク管55の光電面として用いられている。このストリーク管55では、入射光に対応して光電陰極10の光電陰極板16から放出された電子は、加速電極56により加速され、収束電極57によって収束された後、アノード電極58によってさらに加速される。このように加速された光電子は、偏向板電極59によって形成される偏向場を通過した後、位置補正電極60、ウォールアノード61およびコーン電極62によって導かれてMCP40に入射する。MCP40に入射した電子は2次電子増倍され、2次電子はMCP40の裏面側の蛍光面43に入射して光に変換され、出力窓48にストリーク像が結像される。
【0037】
このようなストリーク管55においても、イメージインテンシファイア39と同様な効果を奏する。
【0038】
さらに、図6を参照して、第1実施形態の光電陰極10を備えた電子管である光電子増倍管70を説明する。本実施形態では、第1実施形態の光電陰極10が光電子増倍管70の光電面として用いられている。この光電子増倍管70では、入射光に対応して光電陰極10の光電陰極板16から放出された光電子は、格子状の収束電極57によって、これより下流の光電子増倍部71の1段目のダイノード72に収束される。1段目のダイノード72は入射した光電子の数倍の2次電子を放出し、これらが次段のダイノードで順次増倍され、最終段のダイノード73から106倍程度に増倍された2次電子群が放出される。この二次電子群はアノード74に達し、アノード74と接続されたステムピン75を介して外部に出力される。
【0039】
このような光電子増倍管70においても、上記ストリーク管55と同様な効果を奏する。
【0040】
なお、本発明に係る光電陰極は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の条件等に応じて種々の変形態様をとることが可能である。
【0041】
たとえば、第1実施形態では全面ガラスの面板11を採用しているが、入射光を光電陰極板16に導入する部分のみが光透過性の部材から成っても、その機能は十分に発揮される。たとえば、図7に示す第2実施形態の光電陰極10においては、ガラスから成り入射光を光電陰極板16に導入するガラス窓32とその外周のセラミックから成るセラミック枠33とが融着接合された面板91が採用されている。これにより、面板91の強度を高めつつ、本発明の効果を発揮させることができる。
【0042】
また、第1実施形態では、第1ピンを2本有しているが、製造を容易にするために一本でも構わず、より確実に固定するために三本以上でも構わない。また、第1ピン12と支持板19の接合方法として溶接を採用しているが、半田付けでも構わない。
【0043】
また、第1実施形態では、さらに好適として、第1ピン12と第2ピン18とを介して光電陰極板16にバイアス電圧を各々印加しているが、一方のバイアス電圧を第1ピン12または第2ピン18の何れか一方を介して、他方のバイアス電圧を面板11の光透過面21側にひきまわしたリード線等の手段を介して印加してもよく、さらには、両方のバイアス電圧を面板11の光透過面21側にひきまわしたリード線等の手段を介して印加してもよい。
【0044】
また、第1実施形態では、光電陰極板16として、バイアス電圧を印加するいわゆるフィールドアシスト型の光電陰極板16を採用しているが、負電圧のみを印加する光電陰極板を用いても構わない。この場合、第1ピン12を介して電圧を印加するのが好適であるが、第2ピン18、または、面板11の光透過面21側にひきまわしたリード線等の手段を介して印加しても構わない。
【0045】
また、第1実施形態では、より好適として光電陰極板16の側面に絶縁ホルダ15を有しているが、これを有しなくても構わない。
【0046】
また、第1実施形態では、支持板19として、段付き段付き貫通孔24を有する円板を採用しているが、これに限らず、矩形平板でもよく、さらには、分割された支持片でも構わない。
【0047】
また、第1実施形態では、光電陰極板16の光入射面22に電極としてのCr−In蒸着膜17を介してバイアス電圧を印加しているが、このCr−In蒸着膜17を有しなくても構わない。その場合、第2ピンを直接光電陰極板16の光入射面22と接触させればよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光電陰極板を面板と支持板で挟み込み、面板に埋め込まれた第1ピンと支持板とを接合することにより、接着剤を用いることなく光電陰極板が面板に容易にかつ確実に固定される。これにより、光電陰極の製造が容易になるとともに、熱応力等による光電陰極板の剥離や、ガス発生による電子管の真空度の低下を防止することが可能となり、信頼性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の光電陰極を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の光電陰極の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の光電陰極の面板方向からの斜視図である。
【図4】図1〜図3の光電陰極を備えたイメージインテンシファイアを示す部分断面図である。
【図5】図1〜図3の光電陰極を備えたストリーク管を示す断面図である。
【図6】図1〜図3の光電陰極を備えた光電子増倍管を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の光電陰極の断面図である。
【符号の説明】
10…光電陰極、11…面板、12,13…第1ピン、15…絶縁ホルダ、16…光電陰極板、18…第2ピン、19…支持板、20…光入射面、21…光透過面、23…電子放出面、24…段付き貫通孔、25…つば部、32…ガラス窓(光透過性の部材)、39…イメージインテンシファイア、55…ストリーク管、70…光電子増倍管、91…面板。
Claims (17)
- 光が入射する光入射面とその入射光が透過する光透過面とを有する面板と、
前記面板の前記光透過面に接触し、入射光に応じて前記光透過面との接触面の反対側の電子放出面から電子を放出する光電陰極板と、
前記面板に埋設され、前記光透過面のうち前記光電陰極板との接触面以外と前記面板の前記光入射面との間に延在する第1ピンと、
前記光透過面上で前記第1ピンと接合され、前記光電陰極板の前記電子放出面外縁部と接触して前記光電陰極板を前記面板に固定する支持板と、
を有することを特徴とする光電陰極。 - 前記第1ピンおよび前記支持板は金属より成り、前記接合は溶接または半田付けであることを特徴とする、請求項1に記載の光電陰極。
- 前記光電陰極板に印加する電圧を、前記第1ピンと前記支持板とを介して印加することを特徴とする、請求項2に記載の光電陰極。
- 前記面板に埋設され、前記光透過面のうち前記光電陰極板と接触する面と前記光入射面との間に延在して前記光電陰極板と電気的に導通する金属より成る第2ピンを有し、前記光電陰極板に印加する電圧をその第2ピンを介して印加することを特徴とする、請求項1または2に記載の光電陰極。
- 前記光電陰極板は、その両面にバイアス電圧が印加されることを特徴とする、請求項1または2に記載の光電陰極。
- 前記面板に埋設され、前記光透過面のうち前記光電陰極板と接触する面と前記光入射面との間に延在して前記光電陰極板と電気的に導通する金属より成る第2ピンを有し、前記光電陰極板に印加するバイアス電圧の一方をその第2ピンを介して印加することを特徴とする、請求項5に記載の光電陰極。
- 前記光電陰極板は、その両面にバイアス電圧が印加され、そのバイアス電圧の一方を、前記第1ピンと前記支持板とを介して印加することを特徴とする、請求項2に記載の光電陰極。
- 前記面板に埋設され、前記光透過面のうち前記光電陰極板と接触する面と前記光入射面との間に延在して前記光電陰極板と電気的に導通する金属より成る第2ピンを有し、前記バイアス電圧のうちの他方の電圧を前記第2ピンを介して印加することを特徴とする、請求項7に記載の光電陰極。
- 前記支持板は金属からなり、前記光電陰極板の周囲に絶縁ホルダを有することを特徴とする、請求項5〜8の何れか1項に記載の光電陰極。
- 前記第1ピンを複数有することを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の光電陰極。
- 前記第2ピンと前記光電陰極板とが、導電性部材を介して電気的に導通されることを特徴とする、請求項4,6,8の何れか1項に記載の光電陰極。
- 前記面板は前記光電陰極板に光を導入する部分のみが光透過性の部材より成ることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の光電陰極。
- 前記支持板は段付き貫通孔を有する平板であり、その段付き貫通孔のつば部が前記光電陰極板の前記電子放出面外縁部と接触して前記光電陰極板を前記面板に固定することを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の光電陰極。
- 請求項1〜13の何れか一項に記載の光電陰極を有する電子管。
- 請求項14に記載の電子管は、イメージインテンシファイアであることを特徴とする電子管。
- 請求項14に記載の電子管は、ストリーク管であることを特徴とする電子管。
- 請求項14に記載の電子管は、光電子増倍管であることを特徴とする電子管。
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