JP2006053287A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】 対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置において、一対の基板のうちいずれか一方の基板は、上部に光反射膜が形成されるとともに当該光反射膜に散乱機能を付与するための凹凸パターンを有する樹脂層を前記反射領域に備え、凹凸パターンとは異なる所定の突起部を前記反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に備え、かつ、当該凹凸パターンを有する樹脂層及び突起部が単一の透明樹脂層から形成してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。特に、光散乱膜を構成する所定の樹脂層と配向突起あるいは柱状スペーサ等の突起部とを単一層で形成して、表示特性を向上させることができる半透過反射型の電気光学装置、そのような電気光学装置の製造方法、及びそのような電気光学装置を備えた電子機器に関する。
従来、電気光学装置の一態様である液晶表示装置として、液晶表示装置を構成する一対の基板の一方に、開口部を有する光反射膜を備えた、半透過反射型の液晶表示装置がある。すなわち、光反射膜の開口部に対応する領域においては、当該光反射膜を備えた基板の背面側に配置されたバックライトから照射された光が、液晶パネルに入射するとともに、液晶材料層を通過して外部に視認される。一方、光反射膜の開口部に対応する領域以外の領域では、外部から液晶パネルに入射した外光が、液晶材料層を通過した後、光反射膜によって反射され、再度液晶材料層を通過して外部に視認される。このような透過領域及び反射領域を備えることにより、昼間や明るい場所においては、太陽光等の外光を利用して画像表示を認識させることができるために、消費電力の削減を図ることができるとともに、夜間等の比較的暗い場所においても、バックライトによって画像表示を認識させることができる。
ここで、反射領域においては、光反射膜の表面形状が平坦であると、液晶パネル中に入射した光が光反射膜によって鏡面反射されるために、画像表示を視認しづらくなるという問題がある。かかる問題を解決するために、指向性の良好な表示用散乱反射光が得られて表示特性が高いとともに、高開口率、低消費電力の反射型液晶表示装置が開示されている。より具体的には、図15に示すように、層間絶縁膜(光散乱膜)611を、分散させた微粒子610をその表面から突出させた凹凸状に形成し、当該層間絶縁膜(光散乱膜)611上に形成された反射画素電極614は、層間絶縁膜(光散乱膜)611表面の凹凸構造に沿った形状に形成された反射型液晶表示装置である(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−241831号公報 (特許請求の範囲、図3)
しかしながら、特許文献1に記載された電気光学装置においては、反射画素電極に散乱機能を付与するために、層間絶縁膜中に微粒子を分散させているために、層間絶縁膜(光散乱膜)の全面にわたって微粒子が存在することとなる。したがって、半透過反射型の液晶表示装置に適用した場合には、透過領域においても当該微粒子が存在するために、バックライトから出射された光の透過率が低下するという問題があった。
一方、外光を反射させるための光反射膜に散乱効果を付与するための散乱膜を構成する材料は、通常、柱状スペーサや、配向突起等の材料と同様の樹脂材料が用いられているにもかかわらず、製造段階においては、別工程で形成しているために、工程が一部重複して製造効率の向上が望まれていた。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、液晶表示装置等の電気光学装置において、光散乱膜を構成する所定の樹脂層と柱状スペーサや配向突起等の突起部を、単一の透明樹脂層で形成することにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、電気光学装置において、単一の透明樹脂層で、光散乱膜を構成する所定の樹脂層と柱状スペーサ又は配向突起を形成することにより、表示特性を容易に向上させた電気光学装置を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、そのような電気光学装置を効率的に製造することができる製造方法、さらに、そのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することである。
本発明によれば、対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置であって、一対の基板のうちいずれか一方の基板は、上部に光反射膜が形成されるとともに当該光反射膜に散乱機能を付与するための凹凸パターンを有する樹脂層を反射領域に備え、凹凸パターンとは異なる所定の突起部を反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に備え、かつ、当該凹凸パターンを有する樹脂層及び突起部が単一の透明樹脂層から形成してある電気光学装置が提供され上述した問題を解決することができる。
すなわち、光反射膜に対して散乱機能を付与するための凹凸パターンを有する樹脂層と、表示特性を向上させるための配向突起や柱状スペーサ等の所定の突起部を、単一の透明樹脂層から形成することにより、それらの配置位置の精度が向上する。したがって、反射型表示における画像の視認性を向上させるとともに、表示領域全体における表示特性を向上させた電気光学装置を効率的に提供することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、突起部が、電気光学材料の配向性を制御するための配向突起であることが好ましい。
このように構成することにより、反射領域における画像の視認性を向上させるとともに、表示領域全体における視覚特性を向上させた電気光学装置を効率的に提供することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、突起部が、一対の基板間のセルギャップを規定するための柱状スペーサであることが好ましい。
このように構成することにより、反射領域における画像の視認性を向上させるとともに、セルギャップを均一に確保して、表示領域全体において表示ムラの発生を少なくした電気光学装置を効率的に提供することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、光反射膜が金属材料から構成されているとともに、電極を兼ねることが好ましい。
このように構成することにより、反射型表示における画像の視認性を向上させることができるとともに、簡易な構成となって、薄型化を図ることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、透明樹脂層が透過領域にも存在する場合において、透明樹脂層における反射領域に相当する部分の厚さを、透過領域に相当する部分の厚さよりも厚くしてあることが好ましい。
このように構成することにより、マルチギャップを構成することができ、透過領域及び反射領域におけるリタデーションを均一にして、表示特性を向上させることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、透明樹脂層に、電極とスイッチング素子とを接続するためのコンタクトホールがさらに形成してあることが好ましい。
このように構成することにより、画素領域の面積を広くすることができるようになり、明るい画像表示を実現することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、電気光学材料が、垂直配向性の電気光学材料であることが好ましい。
このように構成することにより、特に、所定の突起部として配向突起を形成した場合には、得られる画像表示の視覚特性を向上させることができる。
また、本発明の別の態様は、対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置の製造方法であって、一対の基板のうちいずれか一方の基板上に光硬化性樹脂を塗布する工程と、当該光硬化性樹脂に対して、ハーフトーンマスクを介して露光するか、あるいは、多段階露光した後、現像処理することにより、反射領域に凹凸パターンを有する樹脂層を備えるとともに、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に凹凸パターンとは異なる所定の突起部を備えた、単一の透明樹脂層を形成する工程と、反射領域における凹凸パターンを有する樹脂層上に、光反射膜を形成する工程と、を含む電気光学装置の製造方法である。
すなわち、光散乱膜を構成する所定の樹脂層と表示特性を向上させるための所定の突起部とを、単一の透明樹脂層から同時工程で形成することにより、工程数を少なくすることができ、表示特性に優れた電気光学装置を効率的に製造することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法を実施するにあたり、突起部が、電気光学材料の配向性を制御するための配向突起であることが好ましい。
このように実施することにより、反射型表示における指向性に優れるとともに、反射型表示及び透過型表示のいずれであっても、視覚特性に優れた電気光学装置を効率的に製造することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法を実施するにあたり、突起部が、一対の基板間のセルギャップを規定するための柱状スペーサであることが好ましい。
このように実施することにより、反射型表示における指向性に優れるとともに、反射型表示及び透過型表示のいずれであっても、表示ムラの低下性に優れた電気光学装置を効率的に製造することができる。
また、本発明のさらに別の態様は、上述したいずれかの電気光学装置を備えた電子機器である。
すなわち、光散乱膜を構成する所定の樹脂層と所定の突起部と単一の透明樹脂層で形成してある電気光学装置を備えることにより、表示特性に優れた電子機器を効率的に提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置を含む電子機器に関する実施形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
[第1実施形態]
第1実施形態は、対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置であって、一対の基板のうちいずれか一方の基板は、上部に光反射膜が形成されるとともに当該光反射膜に散乱機能を付与するための凹凸パターンを有する樹脂層を反射領域に備え、凹凸パターンを異なる所定の突起部を前記反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に備え、かつ、当該凹凸パターンを有する樹脂層及び突起部が単一の透明樹脂層から形成してある電気光学装置である。
以下、図1〜図7を適宜参照しながら、本発明の第1実施形態の電気光学装置として、TFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶表示装置を例に採って説明する。
1.基本構造
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態の電気光学装置の基本構造、すなわち、セル構造や配線等について具体的に説明する。ここで、図1は、第1実施形態の液晶表示装置に用いられる液晶パネル20の概略断面図である。
かかる液晶パネル20は、二端子型非線形素子のスイッチング素子としてのTFD素子(図示せず)を用いたアクティブマトリクス型構造を有する液晶パネル20であって、バックライトやフロントライト等の照明装置やケース体などを必要に応じて適宜取付けることにより電気光学装置(液晶表示装置)となる。
また、液晶パネル20は、ガラス基板を第1の基体31とする第1の基板30と、ガラス基板を第2の基体61とする第2の基板60とが、対向配置されるとともに接着剤等のシール材23を介して貼り合わせられている。また、第1の基板30と、第2の基板60とが形成する空間であって、シール材23の内側部分に対して、開口部(図示せず)を介して液晶材料21を注入した後、封止材(図示せず)にて封止されてなるセル構造を備えている。すなわち、第1の基板30と第2の基板60との間に液晶材料21が充填されている。
また、第2の基体61の内面、すなわち、第1の基板30に対向する表面上に、第2の電極(画素電極)63をマトリクス状に形成し、第1の基体31の内面、すなわち、第2の基板60に対向する表面上には、第1の電極(走査電極)33が形成されている。また、第2の電極63は、スイッチング素子(図示せず)を介して電気配線(データ線)65に対して電気的に接続されるとともに、もう一方の第1の電極33は、導電性粒子を含むシール材23を介して第2の基板60上の引回し配線66に対して電気的に接続されている。このように構成された第2の電極63と第1の電極33との交差領域がマトリクス状に配列された多数の画素(以下、画素領域と称する場合がある。)を構成し、これら多数の画素の配列が、全体として表示領域Aを構成することになる。
また、第2の基板60は、第1の基板30の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部60Tを有し、この基板張出部60T上には、電気配線65、引回し配線66及び、独立して形成された複数の配線からなる外部接続用端子67が形成されている。
そして、これら電気配線65、引回し配線66及び外部接続用端子67に対して電気的に接続されるように、液晶駆動回路等を内蔵した半導体素子(IC)91が実装されている。さらに、基板張出部60Tの端部には、外部接続用端子67に導電接続されるように、フレキシブル基板93が実装されている。
2.第1の基板
液晶パネル20を構成する第1の基板30は、一例として、図1に示すように、第1の基体31と、遮光膜39と、着色層37と、表面保護層41と、第1の電極33と、ポリイミド樹脂等からなる第1の配向膜45と、が形成されている。また、第1のガラス基板31における外面には、鮮明な画像表示が認識できるように、位相差板(1/4波長板)47及び偏光板49が配置されている。
ここで、後述する第2の基板60において、所定の突起部85として配向突起86が設けてある場合には、第1の電極33に、配向スリット33aを設けることが好ましい。この理由は、当該第2の基板60上の配向突起86と相俟って、表示される画像の視覚特性を向上させることができるためである。かかる配向制御の詳細については後述する。
3.第2の基板
また、第1の基板30と対向する第2の基板60は、一例として、図1に示すように、第2の基体61と、電気配線65と、TFD素子(図示せず)と、透明樹脂層83と、第2の電極(画素電極)63と、光反射膜80と、第1の基板30における第1の配向膜45と同様のポリイミド樹脂等からなる第2の配向膜75と、が形成されている。さらに、第2の基体61の外面においても、位相差板(1/4波長板)77及び偏光板79が配置されている。
なお、第1実施形態の電気光学装置の例では、着色層37を第1の基板30上に設けてあるが、第2の基板60上に設けることもできる。
4.透明樹脂層
(1)概要
第2の基板60上の透明樹脂層83は、後述する光反射膜80に散乱機能を付与するための凹凸パターンを有する樹脂層84を反射領域に備えている。また、かかる透明樹脂層83は、後述する配向突起や柱状スペーサ等、表示特性を向上させるための所定の突起部85を、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に備えている。
すなわち、かかる所定の樹脂層及び突起部が単一の透明樹脂層83から形成してあることにより、凹凸パターンを有する樹脂層84と所定の突起部85との配置精度を向上させることができるために、表示特性を向上させた液晶表示装置を効率よく提供することができる。また、それぞれ独立の層から形成していないために、液晶表示装置の構成を簡略化することができる。
かかる透明樹脂層83を構成する材料としては、熱硬化性あるいは光硬化性の透明樹脂を用いることができるが、中でも、ポジ型あるいはネガ型の光硬化性樹脂であることが好ましい。この理由は、所定の凹凸パターンや突起部を含む透明樹脂層83の形状が多少複雑であっても、精度良く形成することができるためである。より具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂等を使用することができる。
(2)凹凸パターンを有する樹脂層
また、透明樹脂層83に含まれる凹凸パターンを有する樹脂層84は、反射領域において、その上部に形成される光反射膜80に凹凸構造をもたせて、散乱機能を付与するための層である。すなわち、光反射膜が平坦な場合には、反射型表示において、外部から液晶パネル20に入射した光が、いわゆる鏡面反射するために、表示される画像の視認性が低下してしまう場合がある。そのために、光反射膜80に散乱機能を付与することにより、反射光を散乱させて、画像の視認性を向上させることができる。
また、かかる樹脂層84の凹凸パターンを、図2に示すように、所定の方向に切断した断面において、左右非対称となるような形状とすることが好ましい。この理由は、反射光の方向を制御することができ、表示される画像の指向性を調整することができるためである。
なお、当該凹凸パターンを有する樹脂層84は、透過領域においても形成することができるが、バックライトから照射された光が散乱してしまい、光の透過率が低下する場合があることから、透過領域には、形成しないことが好ましい。
(3)突起部
(3)−1 配向突起
図3は、凹凸パターンとは異なる突起部85として、液晶材料21の配向性を制御するための配向突起86を設けた透明樹脂層83を備えた第2の基板60の要部を示す部分断面図である。このように、透明樹脂層83に含まれる所定の突起部85は、配向突起86であることが好ましい。この理由は、第2の基板60上に形成される第2の配向膜75に凸部75aが形成されるために、垂直配向性の液晶材料を使用した場合において、表示領域全体において表示される画像の視覚特性を向上させることができるためである。
より具体的には、第2の配向膜75の一部に凸部75aを形成した場合の液晶分子21の配向制御については、以下のようになる。すなわち、例えば、第2の基板60上の第2の配向膜75には凸部75aを設け、第1の基板30上の第1の電極33には、上述した配向スリット33aを形成した場合に、図4(a)に示すように、電圧を印加しない状態では、液晶分子21は第1の基板30及び第2の基板60に対して垂直に配向する。ここで、中間の電圧を印加すると、図4(b)に示すように、第1の電極33における配向スリット33aで、第1の基板30に対して斜めの電界が発生する。また、第2の配向膜75における凸部75aの近傍の液晶分子21は、電圧無印加の状態からわずかに傾斜する。この凸部75aの傾斜面と、斜め電界との影響で液晶分子21の傾斜方向が決定され、凸部75aと、配向スリット33aとの真ん中で、液晶分子21の配向方向が分割される。この時、例えば真下から真上に透過する光Aは、液晶分子21が多少傾斜しているため、若干の複屈折の影響を受け、透過が抑えられ、グレイの中間調表示が得られる。また、右下から左上に透過する光Bは、液晶分子21が左方向に傾斜した領域では透過しにくく、右方向に傾斜した領域では透過しやすく、平均するとグレイの中間調表示が得られる。一方、左下から右上に透過する光Cも、同様の原理でグレイ表示となり、全方位で均一な表示が得られる。さらに、図4(c)に示すように、所定の電圧を印加すると液晶分子21はほぼ水平になり、白表示が得られる。したがって、黒、中間調、白の表示状態のすべての状態において、視角特性に優れた表示を得ることができる。
(3)−2 柱状スペーサ
一方、図5は、凹凸パターンとは異なる突起部85として、第1の基板30及び第2の基板60の間のセルギャップを規定するための柱状スペーサ87を設けた透明樹脂層83を備えた第2の基板60の要部を示す部分断面図である。このように、透明樹脂層83に含まれる所定の突起部85は、柱状スペーサ87であることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、セルギャップの均一化を図り、表示領域全体において表示ムラの発生を防止することができるためである。
また、柱状スペーサ87は、例えば、それぞれの第2の電極63の間隙である、画素間領域に形成することが好ましい。
この理由は、柱状スペーサ87が画素領域に存在すると、当該画素領域における光の透過率が低下し、表示ムラとなる場合があるためである。また、画素間領域は通常遮光膜39が形成されているために、柱状スペーサ87を形成するための光硬化性樹脂によって、画像表示に影響を与えることがないためである。
また、かかる柱状スペーサ87は、表示領域Aにおいて均一に配置されていることが好ましい。この理由は、セルギャップを規定する柱状スペーサ87が不均一に配置されていると、セルギャップにばらつきが生じる場合があるためである。
したがって、例えば、全体的に均一に配置されるように、それぞれの画素領域に対して1個ずつ配置されていることが好ましい。
また、かかる柱状スペーサ87の形状は特に制限されるものではなく、例えば、図6(a)〜(d)に示すように、円柱状のスペーサ87aや四角柱状のスペーサ87b、上面に平坦部を有する円錘状のスペーサ87cや四角錘状のスペーサ87dとすることができる。
また、柱状スペーサ87の高さ(h)と、柱状スペーサ87の底面の形状を円相当とした場合の径(w)とが、h<wの関係を満足することが好ましい。この理由は、形成された柱状スペーサ87の強度を高めることができるためである。
なお、柱状スペーサ87の高さ(h)は、当該柱状スペーサ87の形成箇所において、第1の基板30及び第2の基板60上にそれぞれ形成されている複数の層の厚さを考慮したうえで、所望のセルギャップが確保されるように定められている。
具体的には、柱状スペーサ87の高さを2〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、柱状スペーサ87の高さが2μm未満の値となると、セルギャップが小さくなりすぎて、液晶材料中を通過する光を変調させることが困難となる場合があるためである。一方、柱状スペーサ87の高さが10μmを超えると、電気光学装置の薄型化が困難となる場合があるためである。
したがって、柱状スペーサ87の高さを3〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、4〜6μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)−3 コンタクトホール
また、透明樹脂層83には、図7に示すように、第2の電極63と、TFD素子69とを、電気的に接続するためのコンタクトホール88がさらに形成されていることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、透明樹脂層83を、第2の電極63と、電気配線(データ線)65との絶縁性を確保する絶縁層として利用することができるために、第2の電極63の面積を大きくして、画素面積を拡大することができるためである。したがって、液晶表示装置の構成を簡略化するとともに、より明るい画像表示を実現することができる。
5.光反射膜
また、透明樹脂層83における反射領域に相当する領域には、金属材料からなる光反射膜80が形成されている。
かかる光反射膜80を構成する材料としては、Al(アルミニウム)やAg(銀)等を用いることが好ましい。この理由は、後述するように第2の電極63aを兼ねることができるとともに、白色に近い色であるために、外光をより効率よく反射させることができるためである。
また、かかる光反射膜80は、上述した凹凸パターンを有する樹脂層84上に形成され、当該凹凸パターンに対応した凹凸構造を有している。したがって、外面から液晶パネル20に入射した太陽光等の外光を、反射させつつ散乱させることにより、反射型表示における画像の視認性を向上させることができる。
また、かかる光反射膜80は、第2の電極63aを兼ねることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、光反射膜と第2の電極との間でのショートについて考慮する必要がなくなるとともに、部材数を減らすことにより、液晶表示装置の構成を簡略化することができるためである。
なお、透過領域における第2の電極63bは、バックライトから照射される光を透過させる必要があることから、ITO等の透明導電性材料を用いて形成されている。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置の製造方法である。そして、一対の基板のうちいずれか一方の基板上に光硬化性樹脂を塗布する工程と、当該光硬化性樹脂に対して、ハーフトーンマスクを介して露光するか、あるいは、多段階露光した後、現像処理することにより、反射領域に凹凸パターンを有する樹脂層を備えるとともに、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に所定の突起部を備えた、単一の透明樹脂層を形成する工程と、反射領域における凹凸パターンを有する樹脂層上に、光反射膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
以下、第2実施形態にかかる電気光学装置の製造方法として、第1実施形態の電気光学装置の製造方法の一例を、図8〜図12を適宜参照しながら説明する。
1.第1の基板の製造工程
第1の基板30は、図8(a)〜(e)に示すように、ガラス基板からなる第1の基体31における、表示領域Aに相当する箇所に、遮光膜39、着色層37、平坦化膜41、及び第1の電極33等を順次形成することにより製造することができる。これらの反射層35等は、公知の方法により形成することができる。
このとき、図示しないが、第1の電極33に、配向制御用のスリットを形成することが好ましい。この理由は、後述する第2の基板60に配向突起86を形成した場合に、当該配向突起86と相俟って、視覚特性に優れた画像を表示可能な液晶表示装置を効率的に製造することができるためである。
かかる配向スリットは、第1の電極33を形成する際に、所定のパターンマスクを用いて現像、露光することにより容易に形成することができる。
2.第2の基板の製造工程
(1)TFD素子及び電気配線等の形成
第2の基板60は、まず、図9(a)〜(b)に示すように、ガラス基板からなる第2の基体61上に、素子第1電極71を形成する。この素子第1電極71は、例えば、タンタルから構成されており、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いて形成することができる。このとき、素子第1電極71の形成前に、第2のガラス基板61に対する素子第1電極71の密着力を著しく向上させることができるとともに、第2のガラス基板61から素子第1電極71への不純物の拡散を効率的に抑制することができることから、第2の基板60の第2のガラス基板61上に、酸化タンタル(Ta25)等からなる絶縁膜を形成することも好ましい。
次いで、図9(c)に示すように、素子第1電極71の表面を陽極酸化法によって酸化させることにより、酸化膜72を形成する。より具体的には、素子第1電極71が形成された第2のガラス基板61を、クエン酸溶液等の電解液中に浸漬した後、かかる電解液と、素子第1電極71との間に所定電圧を印加して、素子第1電極71の表面を酸化させることができる。
次いで、再び、スパッタリング法等により、素子第1電極71を含む基板上に、全面的に金属膜を形成し、それをフォトリソグラフィ法によって、パターニングすることにより、図9(d)に示すように、素子第2電極73、74及び電気配線(図示せず。)を形成する。このようにして、TFD素子69及び電気配線(データ線)を形成することができる。
(2)光硬化性樹脂の塗布
次いで、図10(a)及び図11(a)に示すように、TFD素子及び電気配線を含む第2の基板60上の全面に渡って、光硬化性樹脂を塗布することにより、透光樹脂層83Xを形成する。この光硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は流動性を有する未硬化状態で、公知のスピンコート法や印刷法等を用いて、第2の基板60上に塗布することができる。
(3)透明樹脂層の形成
次いで、図10(b)〜(c)又は図11(b)〜(e)に示すように、光硬化性樹脂からなる透光樹脂層83Xに対して、所定のハーフトーンマスク121、又はパターンマスク122a〜122cを用いて、フォトリソグラフィ法によりパターニングを施すことにより、反射領域においては、表面に凹凸パターンを有する樹脂層84を形成するとともに、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方において凹凸パターンとは異なる所定の突起部を形成することができる。すなわち、所定の凹凸パターンや突起部は、ハーフトーンマスクを介して露光するか、あるいは、多段階露光した後、現像処理することにより、形成することができる。
より具体的には、図10(b)〜(c)に示すように、透光樹脂層83Xに対して、部分的に光の透過率が異なるハーフトーンマスク121を介して露光した場合には、一回の露光処理によって、光硬化性樹脂に照射される露光量を部分的に異ならせることができる。
一方、図11(b)〜(e)に示すように、透光樹脂層83Xに対して、形成する凹凸パターンや突起部の高さに対応して、異なるパターンを有するパターンマスク122a〜122cを用いて複数回露光する、多段階露光を行った場合にも、光硬化性樹脂に照射される露光量を部分的に異ならせることができる。具体的には、コンタクトホール88が形成される領域には、光が照射されない一方、突起部86を形成する領域には合計3回、凹凸パターンを有する樹脂層84における凸部を形成する領域には合計2回、その他の領域には1回、光が照射されるために、照射される露光量が部分的に異なることになる。
次いで、このように露光処理された光硬化性樹脂からなる透光樹脂層83Xに対して現像処理することにより、反射領域においては表面に凹凸パターンを有する樹脂層84を、また、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方においては、第1実施形態で説明したような配向突起あるいは柱状スペーサ等の所定の突起部85を、単一の透明樹脂層83から形成することができる。さらに、マスクパターンを適宜変更することにより、第2の電極63とTFD素子69とを接続するためのコンタクトホールを同時に形成することもできる。
したがって、反射型表示における画像の視認性を向上させるとともに、反射型表示及び透過型表示における表示特性を向上させた液晶表示装置を効率的に製造することができる。
(4)光反射膜及び第2の電極等の形成
次いで、図12(a)に示すように、透明樹脂層83を含む基板上に、スパッタリング法によりアルミニウムや銀等の金属材料を塗布するとともに、エッチング処理することにより、反射領域に相当する領域における凹凸パターンを有する樹脂層84上に、光反射膜80を形成する。すなわち、かかる樹脂層84上に光反射膜80を形成することにより、当該光反射膜80も凹凸構造を有することとなって、光反射膜80に対して散乱機能を付与することができるため、反射型表示における画像の視認性を向上させることができる。
ここで、かかる光反射膜80は、反射領域における第2の電極(画素電極)63aを兼ねることが好ましい。この理由は、製造効率を向上させることができるとともに、第2の基板60の構成を簡略化することができるためである。
一方、透過領域に相当する領域においては、スパッタリング法等により、ITO(インジウムスズ酸化物等)等の透明導電体材料からなる透明導電層を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、第2の電極63bを形成する。すなわち、透過領域においては、バックライトから照射された光を透過させる必要があるためである。
このように、それぞれの画素領域において、反射領域に対応した第2の電極63aと、透過領域に対応した第2の電極63bとを形成することにより、半透過反射型の液晶表示装置とすることができる。
次いで、図12(b)に示すように、第2の電極63を含む第2の基板60上に、ポリイミド樹脂等からなる第2の配向膜75を形成することにより、第2の基板60を製造することができる。
3.貼り合わせ工程
次いで、図示しないが、例えば、第2の基板60上において、エポキシ樹脂等を主成分とするシール材23を、スクリーン印刷やディスペンサにより、表示領域Aを囲むようにパターニングして塗布する。かかるシール材23は、例えば、加熱硬化性の接着剤であることが好ましい。
かかるシール材23は、次工程の仮圧着工程に移る前に、低温処理(プリベーク)して、シール材23中の溶剤を蒸発させたり、脱気させたりしておくことが好ましい。この理由は、シール材23の流動やパンクを防止して、第1の基板30及び第2の基板60の接着不良を防止することができるためである。
次いで、第1の基板30及び第2の基板60を位置合わせした状態で、それぞれの基板を重ね合わせるとともに、第1の基板30及び第2の基板60を圧着して、貼り合わせる。
4.後工程
次いで、第1の基板30及び第2の基板60が形成する空間であって、シール材23の内側部分に対して、液晶材料を注入した後、封止材等にて封止する。
その後、第1の基板30および第2の基板60のそれぞれの外面に、所定の偏光板を配置するとともに、バックライト等とともに筐体に組み込むことにより、電気光学装置(液晶表示装置)を製造することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態の半透過反射型の電気光学装置を、スイッチング素子として三端子型の能動素子であるTFT(Thin Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置に適用したものである。
図13に第3実施形態に係る液晶表示装置210の断面図を示す。かかる図13に示すように、液晶表示装置210は、第1の基板230と第2の基板260とを、それらの周辺部においてシール材によって貼り合わせ、さらに、第1の基板120、第2の基板260及びシール材によって囲まれる間隙内に液晶材料を封入して形成されている。
また、第1の基板230は、ガラス、プラスチック等によって形成され、当該第1の基板230上には、カラーフィルタすなわち着色層237と、その着色層237の上に形成された第1の電極としての対向電極233と、その対向電極233の上に形成された第1の配向膜245とを備えている。
ここで、対向電極233は、ITO等によって第1の基板230の表面全域に形成された面状電極である。また、着色層237は、第2の基板260側の画素電極263に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えている。そして、着色層237の隣であって、画素電極263に対向しない位置にブラックマスク又はブラックマトリクスすなわち遮光膜239が設けられている。
また、第1の基板230に対向する第2の基板260は、ガラス、プラスチック等によって形成され、当該第2の基板260上には、スイッチング素子として機能するアクティブ素子としてのTFT素子269と、透明な絶縁膜281を挟んでTFT素子269の上層に形成された、第2の電極としての画素電極263とを備えている。
ここで、画素電極263は、反射領域においては反射表示を行うための光反射膜295(263a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域においては、ITOなどにより透明電極263bとして形成される。また、第2の電極263aとしての光反射膜295は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性材料によって形成される。そして、第2の電極263の上には第2の配向膜285が形成されるとともに、この第2の配向膜285に対して、配向処理としてのラビング処理が施される。
また、第1の基板230の外側(すなわち、図13の上側)表面には、位相差板247が形成され、さらにその上に偏光板249が形成されている。同様に、第2の基板260の外側(すなわち、図13の下側)表面には、位相差板287が形成され、さらにその下に偏光板289が形成されている。さらに、第2の基板260の下方にはバックライトユニット(図示せず)が配置される。
また、TFT素子269は、第2の基板260上に形成されたゲート電極271と、このゲート電極271の上で第2の基板260の全域に形成されたゲート絶縁膜272と、このゲート絶縁膜272と、このゲート絶縁膜272を挟んでゲート電極271の上方位置に形成された半導体層291と、その半導体層291の一方の側にコンタクト電極277を介して形成されたソース電極273と、さらに半導体層291の他方の側にコンタクト電極277を介して形成されたドレイン電極266とを有する。
また、ゲート電極271はゲートバス配線(図示せず)から延びており、ソース電極273はソースバス配線(図示せず)から延びている。また、ゲートバス配線は第2の基板260の横方向に延びていて縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されるとともに、ソースバス配線はゲート絶縁膜272を挟んでゲートバス配線と交差するように縦方向へ延びていて横方向へ等間隔で平行に複数本形成される。
かかるゲートバス配線は液晶駆動用IC(図示せず)に接続されて例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は他の駆動用IC(図示せず)に接続されて例えば信号線として作用する。
また、画素電極263は、互いに交差するゲートバス配線とソースバス配線とによって区画される方形領域のうちTFT素子269に対応する部分を除いた領域に形成されている。
ここで、ゲートバス配線及びゲート電極は、例えばクロム、タンタル等によって形成することができる。また、ゲート絶縁膜272は、例えば窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)等によって形成される。半導体層291は、例えばドープトa−Si、多結晶シリコン、CdSe等によって形成することができる。さらに、コンタクト電極277は、例えばa−Si等によって形成することができ、ソース電極273及びそれと一体なソースバス配線並びにドレイン電極266は、例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等によって形成することができる。
また、有機絶縁膜281は、ゲートバス配線、ソースバス配線及びTFT素子269を覆って第2の基板260上の全域に形成されている。但し、有機絶縁膜281のドレイン電極266に対応する部分にはコンタクトホール283が形成され、このコンタクトホール283の所で画素電極263とTFT素子269のドレイン電極266との導通がなされている。
また、かかる有機絶縁膜281には、反射領域に対応する領域に、散乱形状として、山部と谷部との規則的な又は不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを有する樹脂層が形成されている。この結果、有機絶縁膜281の上に積層される光反射膜295(263a)も同様にして凹凸パターンから成る光反射パターンを有することになる。但し、この凹凸パターンは、透過領域には形成されていない。
また、かかる有機絶縁膜281には、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に、配向突起あるいは柱状スペーサ等の所定の突起部297が形成されている。この結果、配向突起が形成されている場合には、表示される画像の視覚特性が向上され、柱状スペーサが形成されている場合には、セルギャップの均一化を図り、表示ムラ等を低減することができる。
そして、かかる所定の樹脂層及び突起部が単一の透明樹脂層(有機絶縁膜)281から形成してあることにより、凹凸パターンを有する樹脂層と所定の突起部との配置精度を向上させることができるために、表示特性を向上させた液晶表示装置を効率よく提供することができる。また、それぞれ独立の層から形成していないために、液晶表示装置の構成を簡略化することができる。
以上のような構造を有する液晶表示装置210において、反射表示の際には、太陽光や室内照明光などの外光が、第1の基板230側から液晶表示パネル220に入射するとともに、着色層237や液晶材料221などを通過して光反射膜295に至り、そこで反射されて再度液晶材料221や着色層237などを通過して、液晶表示パネル220から外部へ出ることにより、反射表示が行われる。
一方、透過表示の際にはバックライトユニット(図示せず)が点灯されるとともに、バックライトユニットから出射された光が、透光性の透明電極263b部分を通過し、着色層237、液晶材料221などを通過して液晶表示パネル220の外部へ出ることにより、透過表示が行われる。
第3実施形態の液晶表示装置における透明樹脂層(有機絶縁膜)281は、基本的に第2実施形態と同様に製造することができる。すなわち、光硬化性樹脂を塗布するとともに、ハーフトーンマスクを介して露光するか、あるいは、多段階露光した後、現像処理することにより、所定の凹凸パターンを有する樹脂層及び突起部を備えた、単一の透明樹脂層を形成することができる。
[第4実施形態]
本発明に係る第4実施形態として、第1実施形態の電気光学装置を備えた電子機器について具体的に説明する。
図14は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル20と、これを制御するための制御手段200とを有している。また、図14中では、液晶パネル20を、パネル構造体20aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路20bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段200は、表示情報出力源201と、表示処理回路202と、電源回路203と、タイミングジェネレータ204とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源201は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Ra ndom Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ204によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示処理回路202に供給するように構成されていることが好ましい。
また、表示処理回路202は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路20bへ供給することが好ましい。さらに、駆動回路20bは、第1の電極駆動回路、第2の電極駆動回路及び検査回路を含むことが好ましい。また、電源回路203は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する機能を有している。
そして、本実施形態の電子機器であれば、反射領域に凹凸パターンを有する樹脂層を備え、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に所定の突起部を備えた単一の透明樹脂層を含む電気光学装置を使用している。そのために、反射型表示における画像の視認性や、反射型表示及び透過型表示における表示特性を向上させた電子機器とすることができる。
本発明によれば、反射領域に凹凸パターンを有する樹脂層を備え、反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に所定の突起部を備えた単一の透明樹脂層を含む電気光学装置を提供することができる。そのために、反射型表示における画像の視認性や、反射型表示及び透過型表示における表示特性を向上させることができる。したがって、液晶表示装置等の電気光学装置や電子機器、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器、電子放出素子を備えた装置(FED:Field Emission DisplayやSCEED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)などに適用することができる。
また、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、液晶表示装置は、パッシブマトリクス型構造の液晶表示装置であっても構わない。
第1実施形態に係る電気光学装置に使用される液晶パネルの概略断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ反射領域における透明樹脂層の凹凸パターンの例を示す図である。 突起部として配向突起を備えた第2の基板の要部を示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ配向突起を設けた場合における液晶材料の配向制御について説明するために供する図である。 突起部として柱状スペーサを備えた第2の基板の要部を示す断面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ柱状スペーサの形状の例を示す図である。 コンタクトホールを備えた透明樹脂層を説明するために供する図である。 (a)〜(d)は、第1の基板の製造方法を説明するために供する図である。 (a)〜(d)は、第2の基板の製造方法を説明するために供する図である(その1)。 (a)〜(c)は、第2の基板の製造方法を説明するために供する図である(その2)。 (a)〜(e)は、第2の基板の製造方法を説明するために供する図である(その3)。 (a)〜(b)は、第2の基板の製造方法を説明するために供する図である(その4)。 第3実施形態に係る電気光学装置の概略断面図である。 第4実施形態の電子機器の概略構成を示すブロック図である。 従来の電気光学装置の構成を説明する図である。
符号の説明
20:液晶パネル、23:シール材、30:第1の基板、41:表面保護層、60:第2の基板、61:第2のガラス基板、63:第2の電極、65:電気配線、69:スイッチング素子(TFD素子)、75:第2の配向膜、80:光反射膜、83:透明樹脂層、84:凹凸パターンを有する樹脂層、85:突起部、86:配向突起、87:柱状スペーサ、121:ハーフトーンマスク、122a・122b・122c:パターンマスク、269:スイッチング素子(TFT素子)、263:第2の電極、281:有機絶縁膜、295:光反射膜、

Claims (11)

  1. 対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置において、
    前記一対の基板のうちいずれか一方の基板は、上部に光反射膜が形成されるとともに当該光反射膜に散乱機能を付与するための凹凸パターンを有する樹脂層を前記反射領域に備え、前記凹凸パターンとは異なる所定の突起部を前記反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に備え、かつ、
    当該凹凸パターンを有する樹脂層及び突起部が単一の透明樹脂層から形成してあることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記突起部が、前記電気光学材料の配向性を制御するための配向突起であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記突起部が、前記一対の基板間のセルギャップを規定するための柱状スペーサであることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 前記光反射膜が金属材料から構成されているとともに、電極を兼ねることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記透明樹脂層が前記透過領域にも存在する場合において、前記透明樹脂層における前記反射領域に相当する部分の厚さを、前記透過領域に相当する部分の厚さよりも厚くしてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記透明樹脂層に、電極と、スイッチング素子とを接続するためのコンタクトホールがさらに形成してあることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気光学装置。
  7. 前記電気光学材料が、垂直配向性の電気光学材料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 対向配置される一対の基板間に電気光学材料を含むとともに、反射領域及び透過領域を有する半透過反射型の電気光学装置の製造方法であって、
    前記一対の基板のうちいずれか一方の基板上に光硬化性樹脂を塗布する工程と、
    当該光硬化性樹脂に対して、ハーフトーンマスクを介して露光するか、あるいは、多段階露光した後、現像処理することにより、前記反射領域に凹凸パターンを有する樹脂層を備えるとともに、前記反射領域及び透過領域あるいはいずれか一方に前記凹凸パターンとは異なる所定の突起部を備えた、単一の透明樹脂層を形成する工程と、
    前記反射領域における凹凸パターンを有する樹脂層上に、光反射膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 前記突起部が、前記電気光学材料の配向性を制御するための配向突起であることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置の製造方法。
  10. 前記突起部が、前記一対の基板間のセルギャップを規定するための柱状スペーサであることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
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