JP4396198B2 - 電気光学装置および電気機器 - Google Patents
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Description
例えば、コントラストが十分で、しかも良好な黒表示を得ることができるノーマリーブラックモードの液晶表示装置が提案されている。すなわち、ノーマリーブラックモードの液晶表示装置は、ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置と異なり、非電圧印加状態の際に、光の透過率が最も小さくなって、画素を黒色認識させる構成になっている。
より具体的には、図19に示すように、液晶素子310の液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるときに光の透過率が最も小さくなるように吸収軸319a、320aの方向を設定し、配置された一対の偏光板319、320のうちの、前側偏光板319との間に、液晶素子310のリタデーションの値とほぼ等しい値で、且つ液晶素子310のリタデーションの波長依存性に対して逆の波長依存性を有するリタデーションをもつねじれ位相板321を配置し、さらにねじれ位相板321と、このねじれ位相板321に隣接する前側偏光板319との間に、位相差板327を、その遅相軸327aを前側偏光板319の吸収軸319aに対して斜めにずらして配置した液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、第2の基板の配線やスイッチング素子等と、第1の基板の電極との間で、リーク電流が発生した場合であっても、画素領域以外の領域からの光透過を防止することができる。また、それ以外の箇所においては、ノーマリーブラックモードの電気光学装置であることから、遮光部としての反射膜を形成する必要がなく、したがって、それぞれの画素面積を拡大させることができ、明るい画像表示を認識することが可能となる。
ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
第1実施形態は、図1(a)〜(b)に例示されるように、一対の第1の基板12と、第2の基板14との間に、電気光学物質232を封入してなるノーマリーブラックモードの電気光学装置10であって、
第1の基板は、電極19を備え、
第2の基板は、画素電極20と、画素電極20に対応して設けられているスイッチング素子31と、スイッチング素子31を介して画素電極20に信号を供給するための配線26とを備え、
第1の基板12および第2の基板14の少なくとも一方の基板には反射膜212が設けられているとともに、隣接する画素電極20間であって、配線26が設けられていない側の反射膜212の一部に、非形成部64が設けられていることを特徴とする電気光学装置10である。
なお、図1(a)は、第1実施形態の電気光学装置を垂直方向に透視した平面図を示し、図1(b)は、図1(a)中のAA断面を矢印方向に見た断面図を示し、特に説明を要しないものについては適宜省略されている。
以下、カラーフィルタ基板(第1の基板)、二端子型非線形素子としてのTFD素子を備えた対向基板(第2の基板)、およびそれらを用いた液晶表示装置を例に採って説明する。
まず、図2〜図4を参照して、本発明の第1実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置の基本構造、すなわち、セル構造や配線、あるいは位相差板および偏光板について具体的に説明する。なお、図2は、本発明に係る第1実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置に使用される液晶パネル200の外観を示す概略斜視図であり、図3は、液晶パネル200の模式的な概略断面図であり、図4は、アクティブマトリクス配線の配線例を示す図である。
また、図2に示される液晶パネル200は、二端子型非線形素子としてのTFD素子(Thin Film Diode)31を用いたアクティブマトリクス型構造を有する液晶パネル200であって、図示しないもののバックライトやフロントライト等の照明装置やケース体などを、必要に応じて、適宜取付けることにより、液晶表示装置となる。
図2に示すように、液晶パネル200は、ガラス板や合成樹脂板等からなる透明な第1のガラス基板13を基体とする第1の基板(カラーフィルタ基板)12と、これに対向配置される第2のガラス基板27を基体とする第2の基板(対向基板)14とが、接着剤等のシール材230を介して貼り合わせられていることが好ましい。そして、カラーフィルタ基板12と、対向基板14とが形成する空間であって、シール材230の内側部分に対して、開口部230aを介して液晶分子を注入した後、封止材231にて封止されてなるセル構造を備えていることが好ましい。
すなわち、図3に示すように、カラーフィルタ基板12と対向基板14との間に液晶分子232が充填されていることが好ましい。
図2に示すように、第2のガラス基板27の内面(第1のガラス基板13に対向する表面)上に、マトリクス状の画素電極20を形成し、第1のガラス基板13の内面(第2のガラス基板27に対向する表面)上には、複数のストライプ状の電極19を形成することが好ましい。また、画素電極20を、非線形素子31を介して配線26に対して導電接続するとともに、もう一方の電極19を、配線28に対して導電接続することが好ましい。
そして、画素電極20と電極19との交差領域がマトリクス状に配列された多数の画素を構成し、これら多数の画素の配列が、全体として液晶表示領域Aを構成することになる。
また、図4に、ドライバICおよびTFD素子を用いたアクティブマトリクス配線の具体的な配線例を示す。すなわち、Y方向に延在する複数の配線26と、X方向に延在する複数の電極19とから構成されており、各交差部分において画素50が構成されている。また、各画素50において、液晶表示要素51と、TFD素子31とが直列接続されている。
また、基板張出部14T上には、これら配線26、26´および入力端子部219に対して導電接続されるように、液晶駆動回路等を内蔵した半導体素子(IC)261が実装されていることが好ましい。
さらに、基板張出部14Tの端部には、入力端子部219に導電接続されるように、フレキシブル配線基板110が実装されていることが好ましい。
図2に示される液晶パネル200において、図3に示すように、第1のガラス基板13の所定位置に、鮮明な画像表示が認識できるように、位相差板(1/4波長板)250および偏光板251が配置されていることが好ましい。
そして、第2のガラス基板27の外面においても、位相差板(1/4波長板)240および偏光板241が配置されていることが好ましい。
(1)基本的構成
カラーフィルタ基板12は、図3に示すように、基本的に、ガラス基板13と、着色層16r、16g、16bと、電極19と、から構成してあることが好ましい。
また、カラーフィルタ基板12において、図3に示すように、画素毎に着色層16が形成され、その上をアクリル樹脂やエポキシ樹脂などの透明樹脂からなる平坦化層(表面保護層、オーバーコート層)215により、被覆してあることが好ましい。したがって、この着色層16と平坦化層(表面保護層)215とによってカラーフィルタが形成されることになる。さらに、電気絶縁性を向上させるための絶縁層(図示せず。)を設けることも好ましい。
また、図3に示す着色層16は、通常、透明樹脂中に顔料や染料等の着色材を分散させて所定の色調を呈するものとされている。着色層の色調の一例としては原色系フィルタとしてR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の組合せからなるものがあるが、これに限定されるものではなく、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)等の補色系や、その他の種々の色調で形成することができる。
かかる着色層は、通常、基板表面上に顔料や染料等の着色材を含む感光性樹脂からなる着色レジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術(エッチング法を含む。)によって不要部分を欠落させることによって、所定のカラーパターンを有する着色層を形成することができる。そして、複数の色調の着色層を形成する場合には上記工程を繰り返すことになる。
また、着色層の配列パターンとしては、ストライプ配列を採用することが多いが、このストライプ配列の他に、斜めモザイク配列や、デルタ配列等の種々のパターン形状を採用することができる。
図3に示すように、平坦化層215の上に、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる電極19を形成することが好ましい。かかる電極19は、複数の透明電極が並列したストライプ状に構成されていることが好ましい。
また、アクティブマトリクス配線においては、かかる電極19が、走査電極を構成することになる。
この理由は、このように構成することにより、第1の基板における電極19と、第2の基板におけるTFD素子31との間の距離を、比較的離することができるためである。したがって、第1の基板と、第2の基板とを近接して対向配置した場合であっても、第1の基板における電極19と、第2の基板におけるTFD素子との間でリーク電流が発生し、電圧印加状態となることを防いで、画像欠陥の発生を有効に防止することができるためである。
なお、このように第1の基板における電極19を、第2の基板におけるTFD素子31の位置を考慮して、それに重ならないように配置することも好ましいし、あるいは、第2の基板におけるTFD素子31を、第1の基板における電極(走査電極)19の位置を考慮して、それと重ならないように配置することも好ましい。
この理由は、このような第1のスリットを形成することにより、液晶分子の配向方向を制御して、視角特性に優れた画像表示を得ることができるためである。また、かかる第1のスリットの平面形状を実質的に円形とすることにより、全方位に対して視角特性に優れた画像表示を得ることができるためである。
ここで、第1のスリットを形成した場合の液晶分子の配向制御については、以下のようになされる。すなわち、液晶層において電圧非印加状態では、液晶分子は、例えば、垂直配向膜によって、垂直方向に配向する。一方、液晶層において電圧印加状態になると、図7に示すように、負の誘電異方性を有する液晶分子は、その長軸が電気力線Eに対して垂直になるように配向する。そして、第1のスリット41の周辺における電気力線Eは、垂直方向対して傾くために、第1のスリット41の周辺の液晶分子は、第1のスリット41を中心に放射状に倒れるように配向する。よって、あらゆる方向からの画像表示の視認に対しても、優れた画像表示を認識することができる。
ただし、画素電極の形状と相俟って、一つの画素領域においてバランスよく配向制御して、全方位に対して視角特性を向上させることができることから、図6(c)に示すように、画素領域それぞれに対して3個設けることがより好ましい。
この理由は、このように構成することにより、第1の基板12と、第2の基板14とを近接して対向配置した場合であっても、対向する配線26と、電極19との間での、リーク電流の発生を防いで、優れた電気絶縁性を示すことができるためである。したがって、電気光学装置を薄型化して構成した場合であっても、画像欠陥の発生を有効に防止することができる。
この理由は、かかる絶縁処理部33における絶縁抵抗が1×105Ω・cm未満の値になると、第1の基板12と、第2の基板14とを近接して配置した場合に、配線26と、電極19との間でリーク電流が発生し易くなる場合があるためである。一方、かかる絶縁抵抗が1×1012Ω・cmを超えると、絶縁処理部33に使用可能な絶縁処理材の種類が過度に制限される場合があるためである。
また、第1の基板12における電極19の一部を絶縁処理するにあたり、当該絶縁処理方法は特に制限されるものではないが、例えば、図8(b)に示すように、絶縁性樹脂を塗布したり、あるいは、配線の端部に対して、絶縁性フィルム等の絶縁処理材を積層したりすることが好ましい。
なお、絶縁性樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。
また、絶縁処理材を使用する場合、エポキシ樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等からなる高絶縁性樹脂からなる絶縁性フィルムを使用することがより好ましい。
また、第1実施形態の電気光学装置においては、図3に示すように、第1のガラス基板13の表面には、反射膜212が形成されている。この反射膜212は、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、クロム合金、銀、銀合金などからなる金属薄膜と、から構成することが好ましい。また、反射膜212は、画素毎に、反射面を有する反射部212rと、開口部212aとが設けられている、半透過反射板であることが好ましい。
そして、例えば、携帯電話等に使用される半透過反射型の液晶表示装置においては、図3に示すように、ガラス基板13と、着色層16との間に、反射膜(半透過反射板)212を設けることが好ましい。
なお、第1実施形態にかかる電気光学装置においては、かかる反射層が、後述する第1の遮光部を構成することとなる。
また、図3に示すように、第1の基板における電極19の上には、ポリイミド樹脂等からなる配向膜217が形成されていることが好ましい。
この理由は、このように配向膜217を設けることにより、カラーフィルタ基板12を液晶表示装置等に使用した場合に、電気光学物質(液晶分子)の配向駆動を電圧印加によって容易に実施することができるためである。
なお、電気光学物質に対して斜め電界領域を発生させるなど、配向制御を行う場合、特定の電気光学物質(液晶分子)を使用するのみならず、図7に示すような、垂直配向膜217、224等の特定の配向膜材料を通常使用することから、配向膜におけるラビング処理を不要とすることができる。したがって、ラビング処理の際の配向膜における劣化を容易に防止することができる。
ここで、配向膜の一部に凸部を形成した場合の液晶分子の配向制御については、以下のようになる。すなわち、例えば、第1の基板の配向膜には凸部を形成し、第2の基板の画素電極には、後述する第2のスリットを形成した場合に、図10(a)に示すように、電圧を印加しない状態では、液晶分子232は第1の基板12および第2の基板14に対して垂直に配向する。ここで、中間の電圧を印加すると、図10(b)に示すように、画素電極20における第2のスリット45で、第2の基板14に対して斜めの電界が発生する。また、配向膜217における凸部217aの近傍の液晶分子232は、電圧無印加の状態からわずかに傾斜する。この凸部217aの傾斜面と、斜め電界との影響で液晶分子232の傾斜方向が決定され、凸部217aと、第2のスリット45との真ん中で、液晶分子232の配向方向が分割される。この時、例えば真下から真上に透過する光Aは、液晶分子232が多少傾斜しているため、若干の複屈折の影響を受け、透過が抑えられ、グレイの中間調表示が得られる。また、右下から左上に透過する光Bは、液晶分子232が左方向に傾斜した領域では透過しにくく、右方向に傾斜した領域では透過しやすく、平均するとグレイの中間調表示が得られる。一方、左下から右上に透過する光Cも、同様の原理でグレイ表示となり、全方位で均一な表示が得られる。さらに、図10(c)に示すように、所定の電圧を印加すると液晶分子232はほぼ水平になり、白表示が得られる。したがって、黒、中間調、白の表示状態のすべての状態において、視角特性に優れた表示が得られる。
なお、この場合の液晶分子の配向制御の仕組みについては、上述の凸部を形成した場合と同様であるために、説明は省略する。
(1)基本構造
また、図1および図3に示すように、カラーフィルタ基板12と対向するもう一方の対向基板(第2の基板)14は、ガラス等からなる第2のガラス基板27上に、配線26と、二端子型非線形素子(スイッチング素子)としてのTFD素子31と、画素電極20と、を順次積層させたものであることが好ましい。
なお、第1実施形態の電気光学装置の例では、着色層が第1のガラス基板13に設けてあるが、着色層を、かかる対向基板14の第2のガラス基板27上に設けることも好ましい。
また、第2の基板には、図1(a)〜(b)に示すように、配線26を設けることが好ましい。かかる配線26は、図2に示すように、複数の電気配線が並列したストライプ状に構成されていることが好ましい。なお、、アクティブマトリクス配線においては、かかる配線26が、データ線を構成することになる。
スイッチング素子は、二端子型非線形素子であることが好ましい。この二端子型非線形素子としては、図11(a)〜(b)に例示するように、TFD素子31a、31bが典型的である。
かかるTFD素子31a、31bは、素子第1電極(第1金属膜)24、絶縁膜23、および素子第2電極(第2金属膜)22、25からなるサンドイッチ構成を有することが好ましい。ここで、第1金属膜24や第2金属膜22、25としては、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)や、クロム(Cr)等が挙げられる。また、絶縁膜23としては、このような金属材料を陽極酸化させて構成してあることが好ましい。例えば、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化アルミニウム(Al2O3)等が具体的に挙げられる。
そして、正負方向のダイオードスイッチング特性を示し、しきい値以上の電圧が、第1金属膜24および第2金属膜25の両端子間に印加されると導通状態となるアクティブ素子である。
なお、TFD素子以外にも、図12にその配線例を示すように、TFT(薄膜トランジスタ)素子のような非線形素子を使用することもできる。
この理由は、このように構成することにより、印加する電圧波形として、交流を使用することができ、液晶表示装置等における液晶分子の劣化を防止することができるためである。すなわち、液晶分子の劣化を防止するために、ダイオードスイッチング特性が、正負方向において対称的であることが望まれ、図11(a)に例示するように、二個のTFD素子31a、31bを逆向きに直列接続することにより、交流を使用することができるためである。
また、第1のTFD素子31bは、図11(b)に示すように、配線から分岐した部分に相当する第2金属膜25と、絶縁膜23と、第1金属膜24と、がこの順に積層されて構成されていることが好ましい。一方、第2のTFD素子31aは、同様に、画素電極20に電気接続された第2金属膜22と、絶縁膜23と、第1金属膜24と、がこの順に積層されて構成されていることが好ましい。
さらに、第1のTFD素子31bおよび第2のTFD素子31aにおいて、それぞれ別個の第2金属膜22、25が設けてあるが、絶縁膜23および第1金属膜24は、それぞれ共通していることが好ましい。
また、図1(a)〜(b)等に示すように、第2の基板14上には、画素電極として、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる透明電極20を形成することが好ましい。
また、画素電極に第2のスリットを形成した際の平面形状に関し、図6(c)に示すように、複数円が部分的に重なった形状とすることが好ましい。すなわち、電気光学装置を垂直方向に透視した場合に、第1の基板における電極19に設けられた第1のスリット41を中心とした複数円が、部分的に重なった形状とすることが好ましい。
この理由は、第2の透明電極をこのような形状とすることにより、全方位に対して視角特性に優れた画像表示を得ることができるためである。したがって、あらゆる方向からの視認に対して、優れた画像表示を認識することができる。
また、図3に示すように、画素電極20上には、第1の基板12における第1の配向膜と同様のポリイミド樹脂等からなる第2の配向膜224が形成されていることが好ましい。
そして、第2の配向膜においても、第1の配向膜と同様に、配向規制手段としての凸部あるいは凹部を設けることが好ましい。
第1実施形態の電気光学装置においては、第1の基板(カラーフィルタ基板)12において、図3に示すように、反射膜212の一部であって、画素毎に形成された着色層16の間の画素間領域に相当する反射膜212を、第1の遮光部62として形成することを特徴とする。すなわち、反射膜の一部を第1の遮光部として構成することにより、光透過を確実に防止することができるとともに、電気光学装置の薄型化を図ることができるためである。
このような反射層212としては、上述のとおり、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、クロム、クロム合金、銀、銀合金などからなる金属薄膜などを用いることができる。
この理由は、配線に重なるように反射膜212を形成することにより、第2のガラス基板27上の配線26と、第1のガラス基板13上に設けられた電極19との間で、リーク電流が発生した場合であっても、光透過を確実に防止することができるためである。また、電気配線に沿った位置以外の箇所においては、反射膜212を形成しないことにより、画素領域における光透過可能な領域の面積を拡大させることができるためである。したがって、明るく、コントラストに優れた画像表示を得ることができる。
ただし、配線26と同様に、第1のガラス基板上13の電極19との間で、リーク電流が発生する場合があることから、TFD素子31およびその近傍に相当する位置にも、反射膜212を形成することが好ましい。
なお、隣接する画素間領域であって、第1の遮光部62としての反射膜212が存在しない箇所においては、ノーマリーブラックモードの電気光学装置であるために、有効に光透過を防止することができる。
また、第1の遮光部62としての反射層212と、画素電極20とが重なる幅を、例えば、5μm以下の値とすることが好ましい。この理由は、かかる幅が5μmを超えると、画素領域における光透過可能な領域の面積が小さくなり、得られる画像表示の明るさが低下する場合があるためである。ただし、かかる幅が極端に小さくなると、光透過してしまう場合がある。したがって、反射膜212と、画素電極20とが重なる幅を、0.5〜4.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜4μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
第1実施形態の電気光学装置は、電圧非印加状態で黒表示を示す、いわゆるノーマリーブラックモードの電気光学装置(液晶表示装置)であることを特徴とする。すなわち、このような電気光学装置であれば、上述の反射膜からなる遮光部(第1の遮光部)とは別の第2の遮光部として作用し、画素領域以外の領域を容易に光不透過状態とすることができるためである。また、それぞれの画素面積を拡大させた場合であっても、隣接する画素間での混色を容易に防止することができるためである。したがって、第2の基板における配線に沿った位置等の、リーク電流が発生する恐れのある箇所以外において、反射膜を形成することなく、明るく、コントラストに優れた画像表示を得ることができるためである。
第1実施形態の電気光学装置の製造方法の一例を、図14〜図17を適宜参照しながら説明する。
図14(a)に示すように、第1のガラス基板上には、画像表示領域に相当する箇所に、反射膜(第1の遮光部)212、および着色層16を順次形成することが好ましい。
ここで、開口部212aを備えた反射膜212は、蒸着法やスパッタリング法にて金属材料等を基板上に被着させた後、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより形成される。
このとき、第1の基板と第2の基板とを対向配置させた場合に、隣接する画素間領域においては、第2の基板(対向基板)14における配線26に重なるように反射膜を形成して、遮光部とすることが好ましい。このように反射膜(第1の遮光部)を形成することにより、確実に光透過を防止することができる電気光学装置を効率的に製造することができる。ただし、第1実施形態の電気光学装置は、ノーマリーブラックモードの電気光学装置であることから、配線やスイッチング素子が存在する箇所のようなリーク電流が発生しやすい箇所以外には、反射膜を形成しないことにより、画素領域を拡大させることができる。
また、着色層16についても、顔料や染料等の着色材を分散させた透明樹脂等からなる感光性樹脂を、反射膜212等の上に塗布し、これにパターン露光、現像処理を順次施すことによっても形成することができる。
なお、複数の色の着色層16を配列形成する場合には、色毎に上記工程を繰り返すことになる。
次いで、図14(b)に示すように、第1の基板12上に全面的に透光保護層215Xを形成する。この透光保護層215Xは、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂などで構成することができる。これらの樹脂は流動性を有する未硬化状態で基板上に塗布され、乾燥、光硬化、熱硬化などの適宜の手段で硬化される。塗布方法としては、スピンコート法や印刷法などを用いることができる。
次いで、上記透光保護層215Xに、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを施し、図14(c)に示すように、画像表示領域に限定された平坦化層215を形成する。この工程によって、透光保護層215Xから画像表示領域以外の領域、すなわち、図3に示すシール材230の外側に配置される領域とほぼ同じ領域上から透光性素材が欠落される。
次いで、図14(d)に示すように、平坦化層215上に、全面的にITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体材料からなる透明導電層19Xを形成することが好ましい。この透明導電層19Xは、一例として、スパッタリング法により成膜することができる。
そして、透明導電層19Xに対して、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを施し、図14(e)に示すように電極19を形成することが好ましい。
このとき、電極19には、それぞれの画素領域に対応させて、1個または複数個の第1のスリットを形成することが好ましい。また、かかる第1のスリットの平面形状を、実質的に円形とすることが好ましい。このような第1のスリットを形成することにより、視角特性に優れた画像表示を得られる電気光学装置を、効率的に製造することができる。
また、電極を形成するにあたり、第2の基板における素子第1電極の位置を考慮して、それと重ならないように、電極をずらしたり、平行移動させたりすることが好ましい。すなわち、第1の基板と、第2の基板とを対向配置した場合に、電極と、第2の基板における素子第1電極の端部との間の距離が比較的離れていることから、薄型化が容易な電気光学装置を効率的に製造することができる。
ただし、電極については、通常どおり形成し、第2の基板における素子第1電極の形成位置を考慮して、第1の基板と、第2の基板とを対向配置した場合に、電極と、第2の基板における素子第1電極のいずれかの端部とが重ならないように配置することも好ましい。
なお、このように実施することにより、第1の基板と、第2の基板とを対向配置した場合に、優れた絶縁特性が得られ、光透過を防止できるとともに、薄型化が容易な電気光学装置を効率的に製造することができる。
(2)−1 素子第1電極の形成
図15(a)〜図16(b)に示すように、第2の基板のガラス基板27上に、第1の金属膜24を形成する工程である。この第1の金属膜24は、例えば、タンタルから構成されており、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いて形成することができる。また、この第1の金属膜24の厚さはTFD素子の用途等に対応して、適宜変更することができるが、通常、20〜500nmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、図示しないが、第1の金属膜24の形成前に、第2の基板14のガラス基板27上に、酸化タンタル(Ta2O5)等からなる絶縁膜を形成することも好ましい。この理由は、第2の基板14のガラス基板27と、第1の金属膜24との間に、このように絶縁膜を形成することにより、第2のガラス基板27に対する第1の金属膜24の密着力を著しく向上させることができるとともに、第2のガラス基板27から第1の金属膜24への不純物の拡散を効率的に抑制することができるためである。
なお、酸化膜23の厚さはTFD素子の用途等に対応して、適宜変更することができるが、通常、10〜50nmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、素子第1電極24を形成するにあたり、第2の基板における素子第1電極のいずれかの端部と、第1の基板における電極とを鉛直方向に透視した場合に、それぞれが重ならないように配置することが好ましい。すなわち、第1の基板における電極については、通常どおり形成し、第2の基板における素子第1電極の形成位置を考慮することが好ましい。
この理由は、既に上述したように、図1に例示する第1の基板12における電極19と、第2の基板14における素子第1電極24の端部との間の距離を比較的離すことができるためである。したがって、それぞれ近接して対向配置した場合であっても、第1の基板12と、第2の基板14に形成された対向する電極間で、リーク電流の発生を防いで、優れた電気絶縁性を示すとともに、画素領域以外の領域での光透過を防止することができる。
次いで、図示しないが、再び、スパッタリング法等により、第1の金属膜24上に、全面的に第2の金属膜を形成し、それをフォトリソグラフィ技術を用いて、パターニングすることにより、図17(b)に示すように、素子第2電極22、25を形成することが好ましい。
次いで、図示しないが、スパッタリング法等により、ITO(インジウムスズ酸化物等)等の透明導電体材料からなる透明導電層を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより、図17(c)に示すように、画素電極20を形成することが好ましい。また、このとき同時に、画素電極の端部には、図17(c)に示すように、電気光学物質の配向制御をするための第2のスリットを形成することが好ましい。このような第2のスリットを形成することにより、視角特性に優れた画像表示が得られる電気光学装置を効率的に製造することができる。
次いで、上述のようにして得られた第1の基板(カラーフィルタ基板)および第2の基板(対向基板)を対向配置して、接着剤等のシール材を介して貼り合わせるとともに、第1および第2の基板が形成する空間であって、シール材の内側部分に対して、電気光学物質(液晶分子)を注入した後、封止材等にて封止することが好ましい。
そして、第1の基板および第2の基板のそれぞれの外面に、所定の偏光板を配置するとともに、液晶分子の配向方向を制御することにより、ノーマリーブラックモードの電気光学装置を得ることができる。したがって、画素領域以外の領域を第2の遮光部として利用できる光不透過状態とすることができ、それぞれの画素面積が拡大されるとともに、コントラストに優れた画像表示を得られる電気光学装置が効率的に得られる。
本発明に係る第2実施形態として、第1実施形態の電気光学装置を備えた電気機器について具体的に説明する。
また、表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されていることが好ましい。
そして、本実施形態の電気機器であれば、所定の反射膜を備えるとともに、当該反射膜に所定の非形成部を形成された電気光学装置を有していることから、コントラストが高く、明るい画面表示とすることができる。
また、上記実施形態の液晶パネルは所謂COGタイプの構造を有しているが、半導体素子(ICチップ)を直接実装する構造ではない液晶パネル、例えば液晶パネルにフレキシブル配線基板やTAB基板を接続するように構成されたものであっても構わない。
Claims (7)
- 一対の第1の基板と、第2の基板との間に、液晶分子より成る電気光学物質を封入してなるノーマリーブラックモードの電気光学装置であって、
前記第1の基板は、ストライプ状の走査電極を備え、
前記第2の基板は、前記走査電極と平面上で重なる画素電極と、前記画素電極に対応して設けられた二端子型非線形素子から成るスイッチング素子と、
前記走査電極と前記平面上で交差すると共に、前記スイッチング素子を介して前記画素電極に信号を供給する配線とを備え、
前記第1の基板には、前記配線と前記画素電極の少なくとも一部分に前記平面上で重なるように反射膜が設けられ、
前記配線に沿った方向に隣接する前記画素電極との間に前記反射膜の非形成部が存在することを特徴とする電気光学装置。 - 前記反射膜が、半透過反射機能を有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の基板は、画素領域において前記液晶分子より成る電気光学物質の配向を規制する配向規制手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記配向規制手段は、前記電極および前記画素電極の少なくとも一方の電極に設けられているスリットを含むことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
- 前記第1の基板は第1の配向膜を有し、前記第2の基板は第2の配向膜を有するとともに、前記配向規制手段は、前記第1の配向膜および第2の配向膜の少なくとも一方の配向膜の表面に設けられている凸部を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の電気光学装置。
- 前記第1の基板は第1の配向膜を有し、前記第2の基板は第2の配向膜を有するとともに、前記配向規制手段は、前記第1の配向膜および第2の配向膜の少なくとも一方の配向膜の表面に設けられている凹部を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載された電気光学装置を備えることを特徴とする電気機器。
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