JP2006052808A - 非接触シール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】間隙を介して対向する2つの壁面1,2間の高圧側から低圧側への流体の漏洩を抑制する非接触シール構造において、壁面1,2のうちの一方の壁面1に設けられ、対向する他の壁面2に向かって伸びる複数のフィン3と、これら複数のフィン3の先端を結ぶ基準線5と平行で、かつ基準線5から一定距離dを有するとともに、高圧側から低圧側へ向かう方向の長さが複数のフィン3のピッチt2と同じかそれよりも長くなるように他の壁面2に形成した平面部6と、高圧側から低圧側に向かって平面部6と交互に設けられ、基準線5からの距離d’が平面部6よりも大きくなるように他の壁面2に形成した溝部7とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明の非接触シール構造は、間隙を介して対向する2つの壁面間の高圧側から低圧側への流体の漏洩を抑制する非接触シール構造であり、特に蒸気タービン、ガスタービン、圧縮機、ポンプ等といった回転機械における回転体と静止体との間隙のシール手段として好適に適用される。
図1において、静翼21は、その内周側がダイアフラム内輪23に、外周側がダイアフラム外輪24に固設されている。ダイアフラム外輪24は、その外周側がケーシング25に固設されている。一方、動翼22は、その内周側が回転体であるロータ26に固設され、外周側は間隙を介してダイアフラム外輪24に対向している。作動流体30は、高圧側から低圧側、本例ではタービン段落の静翼21側から動翼22に向かって流れる。
図2において、壁面1と壁面2は距離hを介して対向している。壁面1,2のいずれか一方が回転体の壁面で他方が静止体の壁面である。つまり、壁面1が回転体の壁面であれば壁面2は静止体の壁面であり、壁面1が静止体の壁面であれば壁面2は回転体の壁面である。これら壁面1,2間の間隙には、高圧側の圧力P0と低圧側の圧力p1との圧力差によって、高圧側から低圧側に向かって作動流体が流れようとする。
図2及び図3において、溝部7は、その高圧側の部分に、高圧側から低圧側に向かって基準線5からの距離d’が徐々に大きくなるように形成した傾斜部7dを有している。本例において、この傾斜部7dは、フィン3を設けた壁面1に向かって凸形状をなしている。また、溝部7における低圧側の部分には、フィン3を設けた壁面1に向かって凹形状に形成された折り返し部7eが形成されている。折り返し部7eの低圧側には、ほぼ垂直(ロータ26の半径方向)に立ち上がり、そのさらに低圧側に隣接する平面部6に接続する終端壁部7gが設けられている。
図4に示した比較例では、フィン3の先端に対向する壁面2がフラットに形成されている。このシール構造の上流側圧力P0は下流側圧力p1に比べて大きいため、圧力差によりフィン3と壁面2との間の間隙8に漏れ流れ9が生じる。そして、複数のフィンを設けることによって上流側圧力P0と下流側圧力p1の圧力差を複数に分割し、間隙8を流れる漏れ流れ9の量が抑制される。
図6において、フィン3(フィン3a)と平面部6との間を通過した流れは、縮流しながら傾斜部7dによる壁面噴流のコアンダ効果にも助けられて溝部7に導かれ、折り返し部7eにガイドされてほぼ垂直方向(ローた26の半径方向外側方向)に流れの向きを変え終端壁部7gに沿って溝部7から吹き出す。
図9において、本実施形態が、前述した第1実施形態と相違する点は、フィン3を根元3rから先端3tに向かって低圧側から高圧側に傾斜させたことである。その他の構成は第1実施形態と同様である。
図10において、本実施形態が、前述した第1実施形態と相違する点は、溝部7の傾斜部7dを曲面でなく直線状の平面とし、折り返し部7eを省略した点である。その他の構成は第1実施形態と同様である。
図11において、本実施形態が、前述した第1実施形態と相違する点は、圧力勾配方向と垂直な方向(ロータ周方向)から見て溝部7を平面部6に対して矩形に窪ませた点である。前述した各実施形態においては、溝部7の高圧側部分を傾斜部7dとして基準線5との距離が徐々に大きくなるように構成したが、本実施形態においては、平面部6から溝部7にかけて急激に基準線5との距離が大きくなっている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
3 フィン
3t 先端
5 基準線
6 平面部
7 溝部
7d 傾斜部
7e 折り返し部
d,d’ 距離
G1,2 間隙
t1〜3 ピッチ
Claims (8)
- 間隙を介して対向する2つの壁面間の高圧側から低圧側への流体の漏洩を抑制する非接触シール構造において、
前記2つの壁面の一方に設けられ、対向する他の壁面に向かって伸びる複数のフィンと、
これら複数のフィンの先端を結ぶ基準線と平行で、かつ前記基準線から一定距離を有するとともに、高圧側から低圧側へ向かう方向の長さが前記複数のフィンのピッチと同じかそれよりも長くなるように前記他の壁面に形成した平面部と、
高圧側から低圧側に向かって前記平面部と交互に設けられ、前記基準線からの距離が前記平面部よりも大きくなるように前記他の壁面に形成した溝部と
を備えたことを特徴とする非接触シール構造。 - 間隙を介して対向する2つの壁面間の高圧側から低圧側への流体の漏洩を抑制する非接触シール構造において、
前記2つの壁面の一方に設けられ、対向する他の壁面に向かって伸びる複数のフィンと、
これら複数のフィンの先端を結ぶ基準線と平行で、かつ前記基準線から一定距離を有するように前記他の壁面に形成した平面部と、
高圧側から低圧側に向かって前記平面部と交互に設けられ、前記基準線からの距離が前記平面部よりも大きくなるように前記他の壁面に形成されており、かつその数が前記フィンの数の半分以下である溝部と
を備えたことを特徴とする非接触シール構造。 - 請求項1に記載の非接触シール構造において、前記溝部は、高圧側から低圧側に向かって前記基準線からの距離が徐々に大きくなるように形成した傾斜部を有することを特徴とする非接触シール構造。
- 請求項3に記載の非接触シール構造において、前記傾斜部は、直線的に形成された平面であることを特徴とする非接触シール構造。
- 請求項3に記載の非接触シール構造において、前記傾斜部は、前記フィンを設けた壁面に向かって凸形状であることを特徴とする非接触シール構造。
- 請求項5に記載の非接触シール構造において、前記溝部は、前記凸形状の傾斜部の低圧側に接続し、前記フィンを設けた壁面に向かって凹形状に形成された折り返し部を有することを特徴とする非接触シール構造。
- 請求項1に記載の非接触シール構造において、前記溝部は、圧力勾配方向と垂直方向から見て前記平面部に対し矩形に窪ませて形成されていることを特徴とする非接触シール構造。
- 請求項1に記載の非接触シール構造において、前記フィンは、先端に向かって低圧側から高圧側に傾斜していることを特徴とする非接触シール構造。
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