JP2006052301A - フッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物並びに定着ロール及び定着ベルト - Google Patents

フッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物並びに定着ロール及び定着ベルト Download PDF

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Abstract

【課題】 熱伝導性に優れると共に、耐熱性、表層のフッ素系樹脂との接着耐久性が良好である液状付加硬化型シリコーンゴム組成物、及びそれを中間弾性層として設けたフッ素系樹脂被覆定着ロール及び定着ベルトを提供する。
【解決手段】 (A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が100,000mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン
(B)1分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有し、25℃での粘度が1,000mPa・s以下である液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)アルミナ
(D)結晶性シリカ
(E)平均粒子径が0.01〜0.3μmの酸化鉄
(F)付加反応触媒
を含有してなるフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物、及びそれを中間弾性層として設けたフッ素系樹脂被覆定着ロール及び定着ベルト。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等に用いられるフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用高熱伝導性シリコーンゴム組成物、及びこの硬化物を用いたフッ素系樹脂被覆定着ロール及び定着ベルトに関し、詳しくは、高熱伝導性を有すると共に、表層であるフッ素系樹脂との接着性に優れ、特に高温でのロール耐久においても接着性の低下が少ない付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物、及びこの組成物の硬化物であるシリコーンゴム層をフッ素系樹脂からなる表層と芯金又は基板の外周面上の間に設けたフッ素系樹脂被覆定着ロール及び定着ベルトに関する。
シリコーンゴムは、電気絶縁性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れており、複写機やレーザービームプリンターのヒーターロールや加圧ロールなどの定着ロールの被覆材として用いられてきた。最近では、コピーの高速化、カラーコピーの普及に伴い、定着ロールにも低硬度化が求められ、従来のタイプのものでは対応しきれなくなり、芯金にシリコーンゴムを被覆し、シリコーンゴムの上に更にフッ素樹脂を被覆したタイプのものが多く採用されている。一方、温度上昇までの待ち時間の短縮や、プリンターのコンパクト化に対応するなどのために、ゴム層の厚さはより薄くなる方向にあり、従来の芯金にゴム層を被覆したロールではなく、より薄い金属や耐熱性の樹脂を無端ベルト状にした上にゴム層や離型層を被覆する定着ベルトタイプも使用されている。
一方、ゴム材料を定着ロールや定着ベルトに用いる場合には、機械立ち上げ時の待ち時間を短くするため、又は機械自体の省エネルギーの観点から、高熱伝導性であることが要求され、この場合も、特に最近では、熱伝導性だけでなく、装置の小型化、省エネなどの観点から定着ロールのゴム層は薄くなり、一方でロールに替わり、よりゴム層が薄い定着ベルトが使用され始めている。
しかしながら、シリコーンゴムは、基材ゴム自体の熱伝導性は高くないため、高熱伝導性を付与するために、熱伝導性を有するフィラーを添加する方法が一般的に行われてきた。これら熱伝導性を付与した液状のシリコーンゴム組成物は、このようなフィラーを添加した定着ロール用シリコーンゴムとして、種々の提案がなされてきたが、特にアルミナは、液状シリコーンゴムへの混合がし易く、多量の配合が可能であることから、熱伝導性付与材として好んで用いられてきた。しかしながら、アルミナを多量に配合すると、シリコーンゴムの耐熱性が低下してしまい、特にフッ素系樹脂を被覆した定着ロールや定着ベルトにおいては、使用中に接着力が低下してしまい、樹脂が剥がれてしまうという問題があった。
フッ素系樹脂被覆の定着ロール材料において、アルミナを配合したシリコーンゴムを用いる技術としては、特開平11−158383号公報(特許文献1)や特開2002−72728号公報(特許文献2)などがあるが、いずれも充填するアルミナの粒子径や純度を規定するもので、耐熱性付与剤については、任意で加えてもよいという記述があるのみで具体性がなく、実施例には明記されていない。更に、表層との接着性については全く記述されていない。また、特開平10−39666号公報(特許文献3)では、定着器用ローラとして、付加硬化型シリコーンゴムにアルミナを加えたものが開示され、実施例で着色剤としてベンガラが添加されている。しかしながら、このローラはフッ素樹脂表層のないシリコーンゴム単層ロールであり、表層との接着についての記述は全くなく、ベンガラの粒子径についても全く触れられていない。
特開平11−158383号公報 特開2002−72728号公報 特開平10−39666号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性に優れると共に、耐熱性が良好で、特に表層のフッ素系樹脂との接着耐久性が良好であるフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物、並びにそれを中間弾性層として設けたフッ素系樹脂被覆定着ロール及び定着ベルトを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、
(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が100,000mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有し、25℃での粘度が1,000mPa・s以下である液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対してケイ素原子に直結する水素原子のモル比が0.4〜5となる量、
(C)アルミナ:50〜1,000質量部、
(D)結晶性シリカ:0〜500質量部、
(E)平均粒子径が0.01〜0.3μmの酸化鉄:0.5〜30質量部、
(F)付加反応触媒:触媒量
を含有してなる液状付加硬化型シリコーンゴム組成物が、この硬化物をフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルトの中間弾性層として用いた場合、耐熱性に優れ、特にロール耐久において、フッ素系樹脂の表層材と良好な接着性を示すことを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物並びに定着ロール及び定着ベルトを提供する。
〔1〕(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が100,000mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有し、25℃での粘度が1,000mPa・s以下である液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対してケイ素原子に直結する水素原子のモル比が0.4〜5となる量、
(C)アルミナ:50〜1,000質量部、
(D)結晶性シリカ:0〜500質量部、
(E)平均粒子径が0.01〜0.3μmの酸化鉄:0.5〜30質量部、
(F)付加反応触媒:触媒量
を含有してなることを特徴とするフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物。
〔2〕芯金の外周にシリコーンゴム層を介してフッ素系樹脂層が形成されてなる定着ロールにおいて、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とするフッ素系樹脂被覆定着ロール。
〔3〕耐熱性樹脂又は金属からなる基板の外周面上にシリコーンゴム層を介してフッ素系樹脂層が形成されてなる定着ベルトにおいて、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とするフッ素系樹脂被覆定着ベルト。
本発明によれば、熱伝導性に優れると共に、耐熱性が良好で、特に表層のフッ素系樹脂との接着耐久性が良好であるシリコーンゴム中間弾性層を設けたフッ素系樹脂被覆定着ロール及び定着ベルトが得られる。
本発明のフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物は、下記(A)〜(F)成分を含有してなるものである。
(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が100,000mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン
(B)1分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有し、25℃での粘度が1,000mPa・s以下である液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)アルミナ
(D)結晶性シリカ
(E)平均粒子径が0.01〜0.3μmの酸化鉄
(F)付加反応触媒
本発明において、(A)成分の液状オルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有し、25℃での粘度が100,000mPa・s以下のものである。
ここで、上記液状オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、100,000mPa・s以下、好ましくは100〜50,000mPa・sのものである。25℃における粘度が100,000mPa・sより大きいと充填剤の配合が困難となり、また成形性にも悪影響がある。なお、粘度はBS型、BH型などの回転粘度計により測定することができる。
上記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(1)
aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換1価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
で示され、Rとして、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基(炭素原子数が好ましくは2〜8、特に好ましくは2〜6)を有するものが挙げられる。このアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等が挙げられるが、特にビニル基が好ましい。
また、上記アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6〜1.0×10-3mol/gであることが好ましい。アルケニル基の含有量が1.0×10-6mol/gより少ないと架橋が不十分でゲル状になってしまうおそれがあり、また5.0×10-3mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまうおそれがある。なお、上記アルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
一方、上記Rで示される非置換又は置換1価炭化水素基のうちアルケニル基以外のものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられる。なお、全R中の90%以上がメチル基であることが好ましい。
また、上記オルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましいが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。また、1分子中の珪素原子の数(又は重合度)は50〜1,200個、特に100〜800個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。
(B)成分の液状オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を2個、好ましくは3個以上含有し、25℃での粘度が1,000mPa・s以下のものである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のSi−H基と前記(A)成分中のオルガノポリシロキサンの珪素原子に結合したアルケニル基とが、ヒドロシリル付加反応によって架橋することにより組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。
ここで、上記液状オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃における粘度が1,000mPa・s以下、通常、0.1〜1,000mPa・s、好ましくは0.5〜500mPa・sのものである。25℃における粘度が1,000mPa・sより大きいとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの製造自体が困難である。
(B)成分の上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(2)
R’bcSiO{4-(b+c)}/2 (2)
(式中、R’は互いに同一又は異種の炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換1価炭化水素基であり、b,cは、b=0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.0、c=0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1.0、かつb+c=0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜300個)、より好ましくは3〜100個の珪素原子に結合した水素原子(Si−H基)を有するものが挙げられる。
ここで、R’の非置換又は置換1価炭化水素基としては、上記平均組成式(1)のRとして例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状等いずれの構造であってもよく、1分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、珪素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしてより具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
なお、上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分中のアルケニル基に対してケイ素原子に直結する水素原子(Si−H基)のモル比が0.4〜5となる量、好ましくは0.5〜2.5となる量である。モル比が0.4未満では硬化(架橋)が不十分で、十分なゴム弾性を有する硬化物が得られず、5より大きいと硬化物の圧縮永久歪が増大してしまう。
(C)成分のアルミナは、微粉末状のものであり、本組成物を硬化して得られるシリコーンゴムの熱伝導率を向上させるための成分である。好ましくは、本発明に用いられるアルミナの平均粒子径は0.5〜30μm、より好ましくは1〜20μmである。0.5μm未満では、熱伝導率を向上させるために多量に配合するのが困難である場合があり、30μmを超えると、ゴム物性を低下させる悪影響が大きくなってしまう場合がある。形状は特に限定されず、球状、不定形状のいずれでもよい。
なお、本発明において、平均粒子径は、例えばレーザー光回折法等の分析手段を使用した粒度分布計により、重量平均値(又はメジアン径)等として求めることができる。
また、(C)成分のアルミナとして、その表面をオルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン、シラノール又はアルコキシ基含有オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物により処理したものを用いてもよい。この場合、予め表面処理したものを用いても、またこれを(A)成分に配合する際に同時に添加して処理してもよい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して50〜1,000質量部の範囲であり、好ましくは100〜800質量部の範囲である。50質量部未満では、十分な熱伝導性が得られず、1,000質量部を超える量ではゴム物性の低下が著しいばかりか、配合すること自体も困難である。
(D)成分の結晶性シリカ(石英粉)は、微粉末状のものであり、本組成物を硬化して得られるシリコーンゴムのゴム物性を向上させると共に、アルミナと同様に熱伝導率を向上させる効果もある。特にアルミナと併用することで、硬化したシリコーンゴムの耐熱性も向上させることができる。
このような結晶性シリカとして、好ましくは、平均粒子径は0.5〜30μm、より好ましくは1〜20μmである。0.5μm未満では、多量に配合するのが困難である場合があり、30μmを超えると、ゴム物性を低下させる悪影響が大きくなってしまう場合がある。形状は特に限定されず、球状、不定形状のいずれでもよい。
また、(D)成分の結晶性シリカとして、その表面をオルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン、シラノール又はアルコキシ基含有オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物により処理したものを用いてもよい。この場合、予め表面処理したものを用いても、またこれを(A)成分に配合する際に同時に添加して処理してもよい。
(D)成分の配合量は、(C)成分の役割の補助的なものであるため任意であるが、(A)成分100質量部に対して0〜500質量部の範囲であり、配合する場合、通常、1〜500質量部、好ましくは5〜200質量部、より好ましくは10〜200質量部の範囲である。500質量部を超える量ではゴム物性の低下が著しいばかりか、配合すること自体も困難である。
なお、(C)成分と(D)成分の合計量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは1,000質量部以下、より好ましくは800質量部以下である。
(E)成分の酸化鉄は、本組成物を硬化して得られるシリコーンゴムの耐熱性を向上させるために必須のものである。特にアルミナと併用することにより、アルミナ添加による耐熱性の低下を抑制すると共に、フッ素系樹脂を被覆した定着ロール又は定着ベルトとした時に、表層であるフッ素系樹脂層との接着耐久性を向上させる効果がある。
このような酸化鉄として、平均粒子径は0.01〜0.3μm、好ましくは0.02〜0.25μm、より好ましくは0.05〜0.20μmである。0.01μm未満では、配合・分散が困難であり、0.3μmより大きいと、接着耐久性効果が得られない。この場合、酸化鉄は2価鉄(FeO)あるいは3価鉄(Fe23)の酸化物であっても、2価鉄と3価鉄とを含む酸化物(Fe34)であってもよい。
なお、この平均粒子径は、例えばレーザー光回折法による粒度分布測定における累積重量平均値D50(又はメジアン径)等として測定することができる。
また、(E)成分の酸化鉄として、その表面をオルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン、シラノール又はアルコキシ基含有オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物により処理したものを用いてもよい。この場合、予め表面処理したものを用いても、またこれを(A)成分に配合する際に同時に添加して処理してもよい。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜30質量部の範囲であり、好ましくは1〜20質量部の範囲である。0.5質量部未満では、耐熱性、接着耐久性に効果がなく、30質量部を超える量では、ゴム組成物の流動性を損ない、ゴム硬化物の物性も低下してしまう。
これら(C)、(D)、(E)成分の無機粉体は、常温でプラネタリーミキサーやニーダーなどの機器を用いて組成物中に混合することができる。また、混合温度は常温でも加熱下でもよいが、上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び後述する(F)成分である付加反応触媒を添加する前であれば、100〜200℃の高温下で混合することもできる。
(F)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属系触媒が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量、即ち、組成物を硬化するために必要な量であり、通常、金属量として(A)成分及び(B)成分の合計質量に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度であることが好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物には、必要に応じて乾式シリカ(煙霧質シリカ又はヒュームドシリカ)を配合することができる。この乾式シリカは、ゴム物性を向上させると共に、フッ素系樹脂からなる表層との接着性を向上させる効果を持つものである。このような乾式シリカとしては、通常、BET法による比表面積が50〜400m2/g、特に100〜350m2/g程度の微粒子であり、親水性シリカ及び疎水性シリカが挙げられる。
この乾式シリカの配合量は、(A)成分100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部である。20質量部を超える量では、ゴム組成物の流動性が低下する場合があるだけでなく、硬化物の圧縮永久歪も悪化してしまう場合がある。
上記シリコーンゴム組成物には、その他必要に応じて、湿式シリカ(沈降シリカ)、珪藻土などのシリカ充填剤、クレイ、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の充填剤、酸化セリウム、水酸化セリウム等の耐熱性向上剤、エチニルシクロヘキサノールなどのアセチレンアルコール化合物、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンなどのビニルシロキサン、ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール化合物等の反応制御剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させる窒素化合物、ハロゲン化合物などを添加混合してもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、公知の方法により調製することができる。このようにして得られたシリコーンゴム組成物は、BS型、BH型等の回転粘度計により測定した25℃における粘度が10〜5,000Pa・s、特に20〜1,000Pa・sであることが好ましい。
また、このシリコーンゴム組成物の硬化物は、熱伝導率が0.4W/m・℃以上、通常0.4〜2.5W/m・℃、特に0.45〜2.0W/m・℃、とりわけ0.5〜1.5W/m・℃であることが好ましい。熱伝導率が0.4W/m・℃未満であると複写機、プリンター等の機種によっては定着ロールとして適さない場合がある。なお、熱伝導率は通常市販の熱伝導計(例えば、京都電子社製のQTM−3など)により測定することができる。
本発明の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、芯金、又は耐熱性樹脂あるいは金属薄膜からなる無端ベルト基材にシリコーンゴム層が介在され、更にこのシリコーンゴム層上にフッ素系樹脂コーティング剤又はフッ素系樹脂チューブなどによるフッ素系樹脂層が表層として形成されたフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルトのシリコーンゴム層として使用される。この場合、芯金又はベルトの材質、寸法等はロールの種類に応じて適宜選定し得る。また、シリコーンゴム組成物の成形、硬化法も適宜選定し得、例えば、注入成形、移送成形、射出成形、コーティング等の成形法により成形でき、組成物は加熱により硬化できる。
本発明の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化条件は特に制限されないが、100〜180℃、好ましくは120〜160℃で3分〜1時間硬化させ、更に180〜220℃で、1〜12時間ポストキュアすることが好ましい。
なお、上記フッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルトのシリコーンゴム層の厚さは適宜選定されるが、定着ロールは、通常、0.1〜50mm、好ましくは0.3〜30mmであり、定着ベルトは、通常、0.02〜1mm、好ましくは0.05〜0.8mmである。
フッ素系樹脂層は、フッ素系樹脂コーティング材やフッ素系樹脂チューブなどにより形成できるが、フッ素系樹脂コーティング材を用いる場合は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックスや、ダイエルラテックス(ダイキン工業社製、フッ素系ラテックス)等を上記シリコーンゴム層の外周面上に積層すればよい。
フッ素系樹脂チューブとしては市販品を使用し得、この場合は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン−プロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂等のチューブを用い、芯金と上記チューブとの間に前記シリコーンゴム組成物を充填して硬化させる方法によりフッ素系樹脂層を被覆したシリコーンゴム層を形成することができる。なお、上記フッ素系樹脂層としては、特にPFAチューブを用いたものが好ましい。
なお、フッ素系樹脂コーティング剤又はフッ素系樹脂チューブ等によるフッ素系樹脂層とシリコーンゴム層との接触面は、コロナ放電処理、ナトリウムナフタレン法、液体アンモニア法、スパッタエッチング法、エキシマレーザー処理などにより、シリコーンゴムとフッ素系樹脂との接着を有利にすることが好ましい。更に、接着耐久性を向上させるために、プライマー処理を使用してもよい。
このフッ素系樹脂層の厚さは適宜選定されるが、0.1〜100μm、特に1〜50μmとすることが好ましく、0.1μmより薄いとロールの硬度が小さくなり、供給される紙がスリップする場合があり、100μmより厚いとロールの硬度が高くなり、ニップ幅が取れず、定着後の画像が不良となる場合がある。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において、部はいずれも質量部である。また、比表面積はBET法により測定した値であり、平均粒子径はレーザー光回折法による粒度分布測定における累積重量平均値D50(又はメジアン径)により測定した25℃における値である。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度200)100部、補強性シリカ充填剤として比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、R−972)2部、フェニルトリメトキシシラン5部、平均粒子径が4μmのアルミナ170部、平均粒子径0.10μmの酸化鉄(Fe23)3部をプラネタリーミキサーに入れ、150℃で2時間攪拌した。
冷却後、この混合物を3本ロールにかけて、更に充填剤を分散させ、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0060mol/g)を3.2部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌してシリコーンゴム組成物(1)を得た。
このシリコーンゴム組成物(1)を用い、120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアしてシリコーンゴム硬化物サンプルを作製し、熱伝導率を熱伝導計QTM−3(京都電子社製)で測定した結果、0.56W/m・℃であった。
次に、内面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗付した直径15mm、長さ250mm、厚さ50μmのPFA樹脂チューブの内側に、表面に上記プライマーを塗付した直径10mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトを上記チューブの内面から等距離になる位置に配置して固定し、チューブとシャフトとの間にこのシリコーンゴム組成物(1)を充填し、150℃で30分加熱硬化、更に200℃で4時間ポストキュアし、アルミニウムシャフトの外周面上にシリコーンゴム層が形成され、このシリコーンゴム層の外周面上に、更にフッ素樹脂層が形成された定着ロールを得た。このときのシリコーンゴム層の厚さは2.5mmであった。この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1万枚連続複写後、表層であるフッ素樹脂層を剥がそうとしたところ、シリコーンゴム層にて100%ゴム凝集破壊となった。
[実施例2]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサン(重合度300、ビニル基含有量0.0072mol/100g)100部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、R−972)0.5部、下記一般式(I)
Figure 2006052301
で示されるシロキサン化合物8部、平均粒子径が4μmのアルミナ180部、平均粒子径が12μmの石英粉80部、平均粒子径0.16μmの酸化鉄(Fe34)6部をプラネタリーミキサーに入れ、室温(23℃)で2時間攪拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0060mol/g)を3.8部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてシリコーンゴム組成物(2)を得た。
このシリコーンゴム組成物(2)を用い、120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアしてシリコーンゴム硬化物サンプルを作製し、熱伝導率を熱伝導計QTM−3(京都電子社製)で測定した結果、0.71W/m・℃であった。
次に、このシリコーンゴム組成物(2)を幅250mm、周囲150mm、厚み100μmのプライマー処理をしたポリイミド樹脂薄膜無端ベルト上にリングコート法により0.4mmの厚さで塗布し、150℃で30分加熱硬化した。また、プライマー処理をした厚み25μmのPFAチューブにシリコーンゴムを積層したポリイミド樹脂薄膜ベルトを挿入し、120℃で60分加熱し、更に200℃で4時間オーブン内でポストキュアして定着ベルトを作製した。この定着ベルトを電子複写機に装着し、1万枚複写後、表層であるフッ素樹脂層を剥がそうとしたところ、シリコーンゴム層にて100%ゴム凝集破壊となった。
[実施例3]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度180)80部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度400)20部、補強性シリカ充填剤として比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル200)1.5部、プロピルトリメトキシシラン5部、平均粒子径が4μmのアルミナ200部、平均粒子径12μmのアルミナ150部、平均粒子径0.20μmの酸化鉄(Fe23)2.5部をプラネタリーミキサーに入れ、100℃で2時間攪拌した。
冷却後、この混合物を3本ロールにかけて、更に充填剤を分散させ、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0060mol/g)を2.9部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌してシリコーンゴム組成物(3)を得た。
このシリコーンゴム組成物(3)を用い、120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアしてシリコーンゴム硬化物サンプルを作製し、熱伝導率を熱伝導計QTM−3(京都電子社製)で測定した結果、0.85W/m・℃であった。
次に、内面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗付した直径13mm、長さ250mm、厚さ50μmのPFA樹脂チューブの内側に、表面に上記プライマーを塗付した直径10mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトを上記チューブの内面から等距離になる位置に配置して固定し、チューブとシャフトとの間にこのシリコーンゴム組成物(3)を充填し、150℃で30分加熱硬化、更に200℃で4時間ポストキュアし、アルミニウムシャフトの外周面上にシリコーンゴム層が形成され、このシリコーンゴム層の外周面上に、更にフッ素樹脂層が形成された定着ロールを得た。このときのシリコーンゴム層の厚さは2.5mmであった。この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1万枚連続複写後、表層であるフッ素樹脂層を剥がそうとしたところ、シリコーンゴム層にて100%ゴム凝集破壊となった。
[比較例1]
実施例1のシリコーンゴム組成物(1)において酸化鉄を配合しなかったものをシリコーンゴム組成物(4)とした。このシリコーンゴム組成物(4)を用い、120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアしてシリコーンゴム硬化物サンプルを作製し、熱伝導率を熱伝導計QTM−3(京都電子社製)で測定した結果、0.55W/m・℃であった。
このシリコーンゴム組成物(4)を用いて、実施例1と同様に定着ロールを作製し、この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1万枚連続複写後、表層であるフッ素樹脂層を剥がしたところ、約20%がシリコーンゴム層においてゴム凝集破壊で、その他の約80%はシリコーンゴム層とフッ素樹脂層との間で界面剥離となってしまった。
[比較例2]
実施例2のシリコーンゴム組成物(2)において平均粒子径0.16μmの酸化鉄6部を平均粒子径0.35μmの酸化鉄(Fe34)6部に変更したものをシリコーンゴム組成物(5)とした。このシリコーンゴム組成物(5)を用い、120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアしてシリコーンゴム硬化物サンプルを作製し、熱伝導率を熱伝導計QTM−3(京都電子社製)で測定した結果、0.71W/m・℃であった。
このシリコーンゴム組成物(5)を用いて、実施例2と同様に定着ベルトを作製し、この定着ベルトを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1万枚連続複写後、表層であるフッ素樹脂層を剥がしたところ、約80%がシリコーンゴム層においてゴム凝集破壊で、その他の約20%はシリコーンゴム層とフッ素樹脂層との間で界面剥離となってしまった。
[比較例3]
実施例3のシリコーンゴム組成物(3)において平均粒子径0.20μmの酸化鉄2.5部を平均粒子径0.50μmの酸化鉄(Fe23)2.5部に変更したものをシリコーンゴム組成物(6)とした。このシリコーンゴム組成物(6)を用い、120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアしてシリコーンゴム硬化物サンプルを作製し、熱伝導率を熱伝導計QTM−3(京都電子社製)で測定した結果、0.85W/m・℃であった。
このシリコーンゴム組成物(6)を用いて、実施例3と同様に定着ロールを作製し、この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1万枚連続複写後、表層であるフッ素樹脂層を剥がしたところ、凝集破壊がなく、シリコーンゴム層とフッ素樹脂層との間で100%界面剥離となってしまった。

Claims (5)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が100,000mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)1分子中に少なくとも珪素原子と結合する水素原子を2個含有し、25℃での粘度が1,000mPa・s以下である液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のアルケニル基に対してケイ素原子に直結する水素原子のモル比が0.4〜5となる量、
    (C)アルミナ:50〜1,000質量部、
    (D)結晶性シリカ:0〜500質量部、
    (E)平均粒子径が0.01〜0.3μmの酸化鉄:0.5〜30質量部、
    (F)付加反応触媒:触媒量
    を含有してなることを特徴とするフッ素系樹脂被覆定着ロール又は定着ベルト用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  2. シリコーンゴム組成物の硬化物の熱伝導率が、0.4W/m・℃以上である請求項1記載の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  3. 更に、乾式シリカを(A)成分100質量部に対して20質量部以下配合してなる請求項1又は2記載の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  4. 芯金の外周にシリコーンゴム層を介してフッ素系樹脂層が形成されてなる定着ロールにおいて、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とするフッ素系樹脂被覆定着ロール。
  5. 耐熱性樹脂又は金属からなる基板の外周面上にシリコーンゴム層を介してフッ素系樹脂層が形成されてなる定着ベルトにおいて、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とするフッ素系樹脂被覆定着ベルト。
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