JP2006052250A - エレクトロルミネッセンス蛍光体、その製造方法、及びエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス蛍光体、その製造方法、及びエレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い発効効率と耐久性の両立したEL蛍光体及びその製造方法を提供し、発光の均一性の高く、更に耐久性の向上したEL素子を提供する。
【解決手段】少なくともZnS系蛍光体粒子とその表面に形成した被覆層とを含むEL蛍光体であって、該粒子が、中心粒子サイズが0.1〜15μmであり、粒子サイズ分布の変動係数が35%未満であり、且つ、5nm以下の面間隔の積層欠陥を10枚以上含有する粒子を粒子全体の30%以上含有するEL蛍光体で、被膜層は、酸化物、窒化物、フッ化物、リン酸塩、有機化合物等である。前記ZnS系蛍光体粒子を流動化させた状態で、被覆層原料を供給して該粒子表面に堆積又は反応させて被膜層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ZnS系エレクトロルミネッセンス(以下ELと称する)蛍光体とその製造方法、及び該蛍光体を用いたEL素子に関する。
EL素子においては、EL蛍光体の湿度による輝度劣化の問題が知られている。湿度によるEL蛍光体の劣化を防止する方法として、特許文献1及び特許文献2に記載のEL素子をフッ素樹脂フィルムや酸化物バリアー膜を積層した高分子フィルムのような防湿フィルムでパッケージする方法や、特許文献3及び4に記載の流動床を用いた方法によりEL蛍光体の粒子表面に防湿性の無機材料の被覆層を形成する方法が行われている。しかしながら、前者のような防湿フィルムは高価であり、後者の被覆層を形成したEL蛍光体粒子は、被覆層形成工程での酸素、水蒸気、熱、等により発光効率が低下するという問題があった。また、特許文献5〜7に記載の溶液中でEL蛍光体の粒子表面に被覆層を形成する方法が行われているが、これらは前記流動床を用いた方法に比べて被覆層の連続性が劣り、十分な耐湿性が得られないという問題があった。
特公平4−51571号公報 特開2003−249349号公報 特許第3187481号公報 特開平11−204254号公報 特開2001−185358号公報 特開2002−226845号公報 特開平1−315485号公報
従って、本発明は、高い発効効率と耐久性の両立したEL蛍光体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は更に、該EL蛍光体を用いた発光の均一性の高い分散型EL素子を得ることを目的とし、更に、耐久性の向上したEL素子を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、下記の構成により解決することが見出された。
(1)少なくともZnS系蛍光体粒子とその表面に形成した被覆層とを含むエレクトロルミネッセンス蛍光体であって、該粒子が、中心粒子サイズが0.1〜15μmであり、粒子サイズ分布の変動係数が35%未満であり、且つ、5nm以下の面間隔の積層欠陥を10枚以上含有する粒子を粒子全体の30%以上含有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス蛍光体。
(2)前記粒子の平均粒子サイズに対する被覆層の平均膜厚の比が、0.001〜0.1の範囲にあることを特徴とする上記(1)に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
(3)前記ZnS系蛍光体粒子が、付活剤としてCu、Mn、Ag及び希土類元素の群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
(4)前記ZnS系蛍光体粒子が、共付活剤としてCl、Br、I、及びAlの群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
(5)前記ZnS系蛍光体粒子が、添加物としてAu、Sb、Bi及びCsの群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
(6)前記被覆層は、酸化物、窒化物、水酸化物、フッ化物、リン酸塩、ダイヤモンド状カーボン及び有機化合物の群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
(7)前記ZnS系蛍光体粒子を流動化させた状態で、被覆層の原料を供給して粒子表面に堆積又は反応させることで被覆層を形成することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体の製造方法。
(8)前記流動化の方法が、流動床、撹拌床、振動床及び転動床のいずれか一つの方法を用いることを特徴とする上記(7)に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体の製造方法。
(9)前記Zn系蛍光体粒子の平均粒子サイズよりも大きい平均粒子サイズを有する流動化促進剤の存在下で、蛍光体の流動化を行うことを特徴とする上記(7)又は(8)に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体の製造方法。
(10)前記ZnS系蛍光体粒子を溶媒中に分散させた状態で、被覆層の原料を供給して粒子表面に堆積又は反応させることで被覆層を形成することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体の製造方法。
(11)前記ZnS系蛍光体粒子と被覆層材料とを混合した状態で、機械的熱的エネルギーを加えることで被覆層を形成することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体の製造方法。
(12)少なくとも一方が透明である対向する電極対に挟持された蛍光体層と誘電体層とを含む分散型エレクトロルミネッセンス素子において、前記蛍光体層に上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体を含むことを特徴とする分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(13)前記透明電極と前記蛍光体層の間に少なくとも一層の中間層を付設したことを特徴とする上記(12)に記載の分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(14)前記中間層は、有機高分子化合物、無機化合物、又はそれら複合物であり、中間層の厚みは10nm〜100μmの範囲であることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の分散型エレクトロルミネッセンス素子。
本発明では、特定構造の蛍光体粒子、すなわち、粒子サイズ及びその変動係数が小さく、且つ、粒子内部が面状の積層欠陥の多い構造を有する蛍光体粒子を用いることにより、被覆層を有する粒子でありながら、極めて高効率のEL発光を示すとともに、被覆層の付与により、EL素子として用いた際にEL素子の耐久性を格段と向上させることができる。これは、被覆層の形成により、湿度による蛍光体の劣化や蛍光体粒子からのイオンの溶出を有効に防止するためと推定される。
また、本発明の微粒子で粒子サイズ分布の狭いEL蛍光体は、分散性が良好であり、均一で薄い蛍光体層を形成することができるため、蛍光体層の電界強度を高めて高輝度を得ることができ、さらには発光のざらつき(粒状性)が飛躍的に向上し、高画質の透過写真やインクジェットの透過照明用途として最適である。
本発明は更に、かかる小サイズのEL蛍光体への被覆層形成に特に適した方法として、特定条件下で流動化促進剤を用いてEL蛍光体を流動化することにより、被覆を高効率で、粒子凝集もなく、再現性良く製造することができることを見出した。
更に、本発明のEL蛍光体を用いたEL素子において、透明電極層と蛍光体層との間に中間層を付与することで、透明電極層の劣化を防止し、EL素子の耐久性をさらに向上する効果がある。これは、イオンバリア性に乏しい被覆層を有するEL蛍光体を用いた場合でも、透明電極層の劣化を防止する効果を有する。
以下、本発明のEL蛍光体、その製造方法、及びEL素子について詳細に説明する。
[EL蛍光体]
(ZnS系EL蛍光体核粒子)
本発明のEL蛍光体に用いられるZnS系蛍光体核粒子は、中心粒子サイズが0.1〜15μmの範囲である。好ましくは1〜10μmである。これにより、蛍光体層の膜厚を小さくして電界強度を高めることができる。
また、粒子サイズの変動係数は、35%未満が好ましく、30%未満がより好ましい。これにより、EL蛍光体粒子の分散性や蛍光体層のEL蛍光体粒子の充填率が向上し、EL素子の発光のざらつき(粒状性)を改善できる。
また、その粒子内部は、積層欠陥の平均面間隔が5nm以下の面間隔で10層以上の積層欠陥を有する粒子が全蛍光体粒子の30%以上存在する。好ましくは、該粒子が50%以上存在し、より好ましくは70%以上存在する。面状の積層欠陥が多い構造を有する方が、EL発光の効率を高めることができ、好ましい。
このようなEL蛍光体核粒子は、例えば、以下の方法で得ることができる。
ZnS系EL蛍光体の原料となる前駆体は、市販の高純度のZnSを用いても良いが、付活剤が均一に添加された前駆体を用いることが好ましい。このような前駆体を得る方法としては、水熱合成法、均一沈殿法、噴霧熱分解法を利用することが好ましい。いずれの方法でも、Zn塩と付活剤の塩とを溶媒に溶解した状態から、ZnSを反応生成させることで付活剤がZnS中に取り込まれた前駆体を得ることができる。付活剤としてはCu、Mn、Ag及び希土類元素を用いることが好ましく、Cuをより好ましく用いることができる。付活剤の添加量は、付活剤の種類によって異なるが、例えばCuの場合には、ZnSが1molに対して1×10-4〜1×10-2molの範囲が好ましく、5×10-4〜5×10-3molがより好ましい。付活剤が添加されていない前駆体を用いる場合には、ZnSを水に分散させて得た懸濁液中に、CuSO4、Cu(NO32等の水溶性のCu化合物を添加してZnSの粒子表面にCuxSが析出した前駆体を作製する。このとき、反応後の懸濁液は、副生成物であるZnSO4を除去するため。蒸留水で数回洗浄することが好ましい。
共付活剤としては、Cl、Br、I、Alを用いることができる。共付活剤の添加量としては、付活剤と同等量が好ましい。これらの共付活剤は、後述の融剤から導入されるが、Alの場合には別途Al(NO33、等の化合物で添加する必要がある。
また、これら付活剤及び共付活剤の他に、Au、Sb、Bi、Csを添加物として添加することが好ましく、Auを付活することが特に好ましい。例えばEL蛍光体の電子発生源であるCuxS結晶の劣化を抑制することができるため寿命が著しく向上する。この効果は、特に粒子サイズの小さなEL蛍光体で顕著である。Auの添加量は、ZnSが1molに対して1×10-5〜1×10-3molの範囲が好ましく、5×10-5〜5×10-4molがより好ましい。
EL蛍光体の焼成は、従来法と同様の固相反応で行うことができる。まず、付活剤を含有した前駆体とハロゲン共付活剤の供給源ともなるアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化亜鉛、等の融剤、共付活剤がAlの場合にはAl化合物とを混合する。添加物としてCsを導入する場合にはCsのハロゲン化物をさらに加えて混合する。この混合は、乳鉢やターブラミキサー、等による乾式混合でも良いし、一度蒸留水を加えて懸濁液として乾燥させることで、さらに均一に混合することもできる。融剤の添加量は、ZnSに対して1〜80質量%の範囲が好ましく、20〜60質量%の範囲がより好ましい。融剤が少なすぎると結晶成長が十分に進まないことがあり、多すぎると腐食性の有毒ガスを発生する原因となる。この混合物を、アルミナ製の坩堝に充填し、900〜1200℃の範囲の焼成温度で焼成する。焼成時間は、結晶成長が十分に進み、付活剤がZnS中に均一に拡散するために、30分〜12時間の範囲が好ましく、1〜6時間がより好ましい。焼成の雰囲気は、空気、酸素、等の酸化性雰囲気、窒素、アルゴン、等の不活性雰囲気、水素−窒素混合雰囲気、炭素−酸素混合雰囲気、等の還元雰囲気、硫化水素、二硫化炭素、等の硫化雰囲気、等を利用できる。
焼成した混合物を坩堝から取り出し、余分な融剤、反応副生成物、ZnSが酸化されてできたZnO、等を除去するために、酸洗浄と水洗を十分に繰り返すことが好ましい。洗浄した粒子を真空乾燥機、等を用いて乾燥して、ウルツ鉱型の結晶系を有する中間蛍光体が得られる。
次いで、上記焼成した中間蛍光体は、応力を与えた後、再焼成することが積層欠陥の密度を増加させて輝度を高めるためより好ましい。蛍光体粒子への応力付与は、ボールミル、超音波、静水圧、等が利用でき、いずれの場合も蛍光体粒子を破壊しない程度の負荷で、粒子に均一に加えることが好ましい。応力を加えた蛍光体は、500〜900℃の温度で再焼成する。このとき、必要に応じてSb、Biの化合物を、添加することもEL蛍光体の寿命を向上させるので好ましい。添加量は、ZnSが1molに対して1×10-5〜1×10-3の範囲が好ましい。これによって、結晶のほとんどが閃亜鉛鉱型構造に変換される。再焼成の焼成時間や雰囲気は、上記焼成と同様の条件が利用できる。
次いで、再焼成により生成した粒子表面のZnO層や、乱れや歪みの多い表面層を除去するために、酸洗浄と水洗を十分に繰り返すことが好ましい。さらに、Cuを付活剤として用いた再焼成によって粒子表面に余分のCu化合物が析出しているため、酢酸、シアン化合物、アンモニア、Cuキレート剤、等での洗浄と水洗を繰り返すことが好ましい。洗浄した粒子を真空乾燥機、等を用いて乾燥して、平均粒子サイズが0.1〜15μmで、粒子サイズ分布の変動係数が35%未満で、5nm以下の面間隔の積層欠陥を10枚以上含有する粒子を粒子全体の30%以上有するZnS系EL蛍光体を得ることができる。
なお、上記のように焼成条件等の調整により、所望の粒子サイズや粒子サイズ分布を得ることができるが、本発明に使用できるZnS系EL蛍光体の作製方法はこれに限るものではない。例えば、中心粒子サイズが15μmよりも大きいEL蛍光体を得た後、乾式篩、湿式篩、気体サイクロン、液体サイクロン、水簸などを用いて分級操作することで、所望の中心粒子サイズや粒子サイズ分布のEL蛍光体を得ることができる。また、同様に中心粒子サイズが15μmよりも大きいEL蛍光体を得た後、乳鉢、ボールミル、ジェットミル、等を用いて粉砕操作することで所望の中心粒子サイズや粒子サイズ分布のEL蛍光体を得ることができる。
(被覆層の形成)
本発明のEL蛍光体は、前記EL蛍光体の核粒子の表面に被覆層を形成してなる。該被覆層の平均膜厚は0.01〜1μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。ここで、被覆層の平均膜厚とは、被覆層を形成したEL蛍光体粒子の断面SEM写真から、10個以上の粒子に対して被覆層膜厚を1粒子当たりに任意の3点を実測し平均した値をいう。
被覆層の平均膜厚が上記の範囲内において、良好な防湿性やイオンバリア性が得られるとともに、EL蛍光体粒子への電界強度を減少させることなく、輝度低下や発光閾値電圧の上昇を引き起こし難いため、好ましい。
また、被覆層は、粒子の平均サイズに適した膜厚であることが好ましく、例えば1μmの粒子に1μmの被覆層を形成した場合には、粒子への電界強度の低下を引き起こし易い。従って、粒子の平均粒子サイズに対する被覆層の平均膜厚の比は、0.001〜0.1の範囲であることが好ましく、0.002〜0.05の範囲であることがより好ましい。
被覆層の組成は特に限定されないが、酸化物、窒化物、水酸化物、フッ化物、リン酸塩、ダイヤモンド状カーボン及び有機化合物を用いることができ、それらの混合物、混晶、多層膜等の使用も好ましい。具体的には、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2、HfO2、Ta25、Y23、La23、CeO2、BaTiO3、SrTiO3、PZT、Si34、AlN、Al(OH)3、MgF2、CaF2、Mg3(PO42、Ca3(PO42、Sr3(PO42、Ba3(PO42、フッ素樹脂等が好ましい。また、被覆層は、ピンホールやクラックが無く、連続的であることが好ましい。
本発明の被覆層は、例えば、以下の方法で形成することができる。
被覆層形成の第1の方法として、EL蛍光体核粒子を流動化させた状態で、被覆層の原料を供給して粒子表面に堆積又は反応させることで被覆層を形成する方法が挙げられる。
EL蛍光体核粒子の流動化は、公知の方法を適宜採用することによって行うことができ、例えば、流動床、撹拌床、振動床、転動床を使用する方法が挙げられる。流動床は、例えば図1に示すように、円筒形容器にEL蛍光体核粒子を充填し、容器底部から多孔板を通して導入したキャリアガスによって充填したEL蛍光体核粒子を浮遊させて流動化させる方法であり、撹拌床は、例えば図2に示すように、充填したEL蛍光体核粒子をインペラー攪拌機、等で直接流動化させる方法であり、振動床は、例えば図3に示すように、容器に充填したEL蛍光体核粒子を容器ごと機械的又は電気的に振動させる方法であり、転動床は、例えば図4に示すように、水平又は傾斜位置に設置した円筒容器に充填したEL蛍光体核粒子を、円筒容器を回転させることで流動化させる方法である。
特に、均一な被覆層を得るためには、流動床を用いることが好ましい。ここで、EL蛍光体の粒子サイズが小さくなると、凝集する傾向が強くなり流動化が困難となることから、EL蛍光体核粒子に、EL蛍光体核粒子よりも大きい粒子サイズの流動化促進剤を添加することが好ましい。該流動化促進剤の粒子サイズは、EL蛍光体核粒子の平均粒径の2〜5倍程度であることが好ましい。流動化促進剤は、EL蛍光体と反応温度で不活性な物質が好ましく、例えばSiO2、Al23、ZrO2、等を好ましく用いることができる。また、流動化促進剤の形状は、流動性の最も良好な球形であることが好ましい。
流動化したEL蛍光体核粒子表面への被覆層材料の供給及び反応は、例えば、キャリアガスに気体状の被覆層原料を含有させて、同経路又は別経路で導入した反応ガスと粒子表面で反応させる方法が利用できる。このとき、反応ガスを用いずに気体状の被覆層原料を熱分解させて被覆層を形成することもできる。気体状の被覆層原料としては、アルコキシド、アルキル化合物、塩化物、水素化物、炭化水素、等が利用できる。各反応装置の温度は、通常100〜500℃程度の範囲で反応が行われるが、EL蛍光体への熱的ダメージを低減するためには、300℃以下の温度であることが好ましい。また、液体状の被覆層原料を流動床にスプレー、等の方法で供給することも好ましい。
酸化物、窒化物、水酸化物、ダイヤモンド状カーボン、等の被覆層が上記方法で形成できる。例えば、TiCl4溶液をN2ガスでバブリングして気化させて、水蒸気を含有したN2ガスとEL蛍光体核粒子表面で反応させることでTiO2前駆体被覆を形成することができ、アルキルアルミニウムと無水アンモニアガスとの反応でAlN被覆が形成できる。
被覆層形成の第2の方法として、EL蛍光体核粒子を溶媒中に分散させた状態で、被覆層の原料を供給して粒子表面に堆積又は反応させることで被覆層を形成する方法が挙げられる。
この方法では、EL蛍光体核粒子を、溶媒とともに反応容器に導入し、インペラー攪拌機等を用いて分散させることができる。反応容器は、円筒形が好ましく、容器底部は円錐形又は半球形が好ましい。攪拌羽根の形状は、スクリュー型、ねじり羽根型、パドル型、等を利用できるが、撹拌軸の円周方向と垂直方向の撹拌流が形成できるスクリュー−パドル複合型を用いることがより好ましい。図5に示すように、撹拌羽根の周囲にストレーナーを設けて、垂直方向の撹拌流をより強く形成することが好ましい。また、溶媒としては、水、有機溶媒又はそれらの混合物を好ましく用いることができる。特殊な溶媒として、融点以上に加熱して溶融させた尿素を用いることもできる。さらに、溶媒中に界面活性剤、等の分散剤を添加することも好ましい。
溶媒中での被覆層の形成は、被覆層原料をEL蛍光体核粒子が分散する溶媒中に溶解して、その中に反応溶液を添加することにより粒子表面に被覆層を形成する方法、またはEL蛍光体核粒子が分散する溶媒中に、被覆層原料溶液と反応溶液とを同時に添加する方法を好ましく用いることができる。このとき、被覆層原料溶液及び反応溶液は、撹拌が最も激しく行われている領域に添加することが好ましい。被覆層原料溶液及び反応溶液の添加方法としては、既知の定量ポンプやオリフィス添加を用いることができるが、送液の脈動が少ないシリンジポンプを用いることが好ましい。被覆層原料溶液及び反応溶液の添加において、反応容器中のイオン濃度を検知して、各溶液の添加速度を個別に制御することが好ましい。溶媒が尿素の場合など、反応剤は溶液に限らず、固体のまま添加することもできる。
また、反応温度の制御は、反応容器をマントルヒーター、等で直接加熱することによって行うこともできるが、反応容器の周囲にジャケットを設けて、温水や冷水を供給することで制御することが好ましい。反応温度は、溶媒が水又は有機溶媒の場合には40〜80℃の範囲が好ましく、尿素の場合には130〜150℃の範囲が好ましい。また、これらはすべて常圧下での反応であるが、オートクレーブを用いることにより加圧下で反応させることも、被覆層の緻密化や分解・縮合反応の促進の観点から、好ましい。この場合、反応温度は、100℃を超えて臨界温度まで利用できる。オートクレーブ中への溶液の添加は、オートクレーブ内部圧力以上の耐圧性を有する送液ポンプを用いて行うことが好ましい。
酸化物、水酸化物、リン酸塩、フッ化物、等の被覆層が上記方法で形成できる。例えば、チタンアルコキシドのアルコール溶液にEL蛍光体を分散させ、反応溶液としてアルコールで希釈した水をチタンアルコキシドの10倍等量程度添加することでTiO2前駆体被覆がEL蛍光体核粒子表面に形成できる。また、Na3(PO4)水溶液にEL蛍光体を分散させ、反応溶液としてMgCl2水溶液を添加することでMg3(PO42被覆がEL蛍光体核粒子表面に形成でき、Mg(CH3COO)2のアルコール溶液にEL蛍光体を分散させ、反応溶液としてアルコールで希釈したCF3COOHを添加することでMgF2被覆がEL蛍光体核粒子表面に形成できる。
上記2つの被覆層形成方法において、形成処理後にアニールすることも好ましい。部分的に水酸化物が生成している場合など、アニールによってほぼ完全に酸化物に転換することができ、また被覆層の緻密性が向上して耐湿性やイオンバリア性が向上する。
被覆層形成の第3の方法として、EL蛍光体核粒子と被覆層材料とを混合した状態で、機械的熱的エネルギーを加えることで被覆層を形成する方法が挙げられる。
被覆層材料は、衝撃や摩擦による機械的熱的エネルギーを受けてEL蛍光体核粒子表面に固化できる。このような機械的熱的エネルギーを与える装置として、ハイブリダイザー、シーターコンポーザー、等を好ましく用いることができる。被覆材料は、高分子樹脂、等の有機化合物を用いることが好ましいが、無機化合物でも可能である。また、有機化合物の被覆層を形成した上に、無機化合物の被覆層を多層化したり、有機化合物と無機化合物の混合物を被覆することも好ましい。
[EL素子の作製]
本発明のEL蛍光体は、EL素子の蛍光体層に含有させて用いることが好ましい。EL素子は、基本的には蛍光体層を、少なくとも一方が透明な、対向する一対の電極で挟持した構成をもつ。蛍光体層と電極の間に誘電体層を隣接することが好ましい。また、透明電極層と蛍光体層との間に中間層を付設することが好ましい。
蛍光体層としては、本発明のEL蛍光体(被覆層を有するEL蛍光体粒子)を結合剤に分散させた層を用いることができる。結合剤としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。これらの結合剤に、BaTiO3やSrTiO3などの高誘電率の微粒子を、結合剤100質量部に対して5〜100質量部混合して誘電率を調整することもできる。分散方法としては、ホモジナイザー、遊星型混練機、ロール混練機、超音波分散機などを用いることができる。
上記蛍光体層は、EL蛍光体粒子含有塗布液を塗工して形成することができる。EL蛍光体粒子含有塗布液は、少なくともEL蛍光体粒子、結合剤、及び結合剤を溶解する溶剤を含有してなる塗布液である。ここで、溶剤としては、アセトン、MEK、DMF、酢酸ブチル、アセトニトリルなどが用いられる。常温におけるEL蛍光体粒子含有塗布液の粘度は、0.1Pa・s以上5Pa・s以下の範囲が好ましく、0.3Pa・s以上1.0Pa・s以下の範囲が特に好ましい。EL蛍光体粒子含有塗布液の粘度が、低すぎるときは、塗膜の膜厚ムラが生じやすくなり、また分散後の時間経過とともにEL蛍光体粒子が分離沈降してしまうことがある。一方、EL蛍光体粒子含有塗布液の粘度が高すぎるときには、比較的高速での塗布が困難となる場合があるので、上述の範囲内とするのが好ましい。なお、前記粘度は、塗布温度と同じ16℃において測定される値である。
本発明のEL素子の蛍光体層は、スライドコーター、エクストルージョンコーター、ドクターブレードコーター、等を用いて、透明電極を付設したプラスチック支持体や、背面電極と後述する必要に応じて設けることのできる誘電体層を積層した積層体の上に、塗膜の乾燥膜厚が0.5μm以上30μm以下の範囲になるように連続的に塗布して形成することが好ましい。このとき、蛍光体層の膜厚変動は、12.5%以下とするのが好ましく、特に5%以下とするのが好ましい。蛍光体層の薄層化は、蛍光体層に印加させる電圧が同一駆動条件では従来のEL素子のように蛍光体層が厚い場合に比べて高くなるため、輝度が高くなる。従来のEL素子と同程度の輝度で駆動する場合には、駆動電圧や周波数を低くすることができるため、電力消費が少なくなり、さらに振動や騒音を改善することができる。そのような効果を得るためには、蛍光体層の厚みが0.5μm以上で30μm以下の範囲が好ましく、特に15μm以下が好ましい。さらに、蛍光体層と、蛍光体層と必要に応じて隣接させる後述する誘電体層との合計膜厚みが、蛍光体粒子の平均粒子サイズの3倍以上10倍以下の範囲であることが好ましい。
蛍光体層中のEL蛍光体粒子の充填率に制限はないが、好ましくは60質量%以上95質量%以下の範囲で、より好ましくは80質量%以上90質量%以下の範囲である。本発明では、EL蛍光体粒子の粒子サイズを15μm以下にすることにより、蛍光体層の塗膜の膜厚の均一性が向上し、塗膜表面の平滑性も同時に向上する。さらに、単位面積当たりの粒子数が大幅に増加することで、微細な発光ムラが著しく改善できる。
また、本発明の分散型EL素子においては、上述の電極及び蛍光体層の他に、誘電体層を設けることが好ましい。誘電体層は、蛍光体層と背面電極の間に、蛍光体層に隣接させて配置することが好ましい。該誘電体層は、誘電率と絶縁性とが高く、且つ高い誘電破壊電圧を有する誘電体材料であれば任意のものを用いて形成することができる。このような材料は、金属酸化物、窒化物から選択され、例えばTiO2、BaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、KNbO3、PbNbO3、Ta23、BaTa26、LiTaO3、Y23、Al23、ZrO2、AlON、ZnSなどが用いられる。これらは薄膜結晶層として設置されても良いし、また粒子構造を有する膜として用いても良い。
また、本発明の誘電体層は、蛍光体層の片側に設けてもよく、また蛍光体層の両側に設けることも好ましい。誘電体層を塗布で形成する場合は、蛍光体層と同様に、スライドコーター、エクストルージョンコーター、ドクターブレードコーター、等を用いることが好ましい。薄膜結晶層の場合は、基板にスパッタリングや真空蒸着等の気相法で形成した薄膜であっても、BaやSrなどのアルコキサイドを用いたゾルゲル膜であっても良く、この場合膜の厚みは通常0.1μm以上10μm以下の範囲である。粒子形状の場合は、EL蛍光体粒子の大きさに対し十分に小さいことが好ましい。具体的にはEL蛍光体粒子サイズの1/1000以上1/3以下の範囲の大きさが好ましい。
上記誘電体層は、好ましくは誘電体粒子含有塗布液を塗布して形成される。該誘電体粒子含有塗布液は、少なくとも誘電体粒子、結合剤、及び結合剤を溶解する溶剤を含有してなる塗布液である。ここで、結合剤としては、前記蛍光体層に用いられるものと同様のものが挙げられる。溶剤としては、アセトン、MEK、DMF、酢酸ブチル、アセトニトリルなどが用いられる。常温における誘電体粒子含有塗布液の粘度は、0.1Pa・s以上5Pa・s以下の範囲が好ましく、0.3Pa・s以上1.0Pa・s以下の範囲が特に好ましい。誘電体粒子含有塗布液の粘度が、低すぎるときは、塗膜の膜厚ムラが生じやすくなり、また分散後の時間経過とともに誘電体粒子が分離沈降してしまうことがある。一方、誘電体粒子含有塗布液の粘度が高すぎるときには、比較的高速での塗布が困難となる場合があるので、上述の範囲内とするのが好ましい。なお、前記粘度は、塗布温度と同じ16℃において測定される値である。
本発明のEL素子において用いられる前記透明電極層としては、一般的に用いられる任意の透明電極層材料を用いて形成された電極が用いられる。該透明電極層材料としては、例えばITO(酸化インジウム錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、ZTO(亜鉛ドープ酸化錫)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、等の酸化物、銀の薄膜を高屈折率層で挟んだ多層構造、ポリアニリン、ポリピロールなどのπ共役系高分子などが挙げられる。これら透明電極層には、櫛型、グリッド型、等の金属細線を配置して通電性を改善することも好ましい。
前記透明電極層の表面抵抗率は、300Ω/□以下の範囲が、EL素子が高輝度を発揮する点で好ましく、100Ω/□以下の範囲がより好ましく、30Ω/□以下の範囲がさらに好ましい。表面抵抗率は、JIS K6911に記載の測定方法によって測定することができる。EL素子の大面積にともなう電圧降下を防止するため、透明電極層上の内周部に導電率ペースト等でバス電極を形成することが好ましい。バス電極の面積は、蛍光体層の面積に対して1%以上の面積であり、さらに蛍光体層へ効率良く電力を供給するために、2%以上がより好ましい。バス電極は、蛍光体層の面積の増加に応じて増加させる必要があるため、蛍光体層総面積に対する面積比率で表すことが必要である。1%以上とするのは、高輝度化のために、蛍光体層膜厚を薄くしたり、駆動電圧や周波数を増加させるためである。しかしながら、10%以上のバス電極面積はEL素子の性能に影響しないため不必要に非発光部を増加させたり、素子面積を大きくしてしまうため好ましくない。バス電極の形成方法としては、スクリーン印刷法やキャスティング法などが利用できる。
前記背面電極層は、光を取り出さない側であり、導電性の有る任意の材料(通常、この種の背面電極の形成に用いられる材料)を用いて形成できる。形成に際しては、導電性微粒子を結合剤に分散した導電性ペーストを用いて塗布形成しても、銅、アルミニウム、金、銀、等の金属材料を貼り合わせても良い。貼り合わせる金属材料はシート状のものであることが好ましい。また、金属シートの代わりにグラファイト・シートを用いることもできる。背面電極層の熱伝導率は、100W/m・K以上であることが好ましく、200W/m・K以上であることがより好ましい。
また、両電極層とも塗布形成する場合には、前述のスライドコーター、エクストルージョンコーター、ドクターブレードコーター、等を用いて塗布することもできる。
本発明のEL素子は、透明電極層と発光体層との間に少なくとも1層の中間層を有することが好ましい。中間層は、有機高分子化合物、無機化合物、又はこれらが複合化されていても良いが、有機高分子化合物を含む層を少なくとも1層有することが好ましい。中間層の厚みは、10nm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは100nm以上30μm以下であり、特に好ましくは0.5μ以上10μ以下である。
中間層を形成する材料が有機高分子化合物である場合、使用できる高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン類、ポリビニルアルコール、プルランやサッカロース、セルロース等の多糖類、塩化ビニル、フッ素ゴム、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸アミド類、ポリメタクリル酸アミド類、シリコーン樹脂、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルサッカロース、または多官能アクリル酸エステル化合物から得られる紫外光硬化型樹脂やエポキシ化合物やシアネート化合物から得られる熱硬化型樹脂、等が挙げられる。また、ここで使用する高分子化合物は絶縁体であっても導電体で有っても良い。
これら有機高分子化合物またはその前駆体は、適当な有機溶媒に溶解し透明電極上あるいは蛍光体層上に塗布して形成することができる。その場合には、前述のスライドコーター、エクストルージョンコーター、ドクターブレードコーター、等を用いて塗布することが好ましい。有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン、等が挙げられる。
中間層は、実質的な透明性を有する範囲で、種々の機能を付与するための添加物を有していても良い。中間層の透過率としては、好ましくは波長550nmの透過率が70%以上、より好ましくは80%以上が好ましい。例えばチタン酸バリウム粒子などの誘電体、または酸化スズ、酸化インジウム、酸化スズ−インジウム、金属粒子などの導電体、または染料、蛍光染料、蛍光顔料、または本発明の効果を失わない程度(エレクトロルミネッセンス素子全体の輝度のうち30%以下)の発光体粒子を存在させても良い。
中間層は、SiO2、その他金属酸化物、金属窒化物、等の無機化合物で有っても良い。無機化合物で中間層を形成する方法としては、スパッタ法、CVD法などが採用できる。中間層が無機化合物で形成されている場合、膜厚は10nm以上1μm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上200nm以下である。また中間層が無機化合物の層と有機高分子化合物の層の組み合わせで構成されているものも好ましい。
本発明においては、少なくとも1層の有機高分子化合物を含んでなる厚み0.5μ以上10μ以下の中間層を有することが好ましく、該有機高分子化合物はポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン類、フッ素ゴム、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸アミド類、ポリメタクリル酸アミド類、シリコーン樹脂、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルサッカロース、または多官能アクリル酸エステル化合物から得られる紫外光硬化型樹脂やエポキシ化合物やシアネート化合物から得られる熱硬化型樹脂から選ばれるものが好ましく、更にこれらのうち軟化点が70℃以上(より好ましくは100℃以上)のものが好ましい。これらから選ばれる複数の高分子化合物が組み合わされていることも好ましい。
中間層の有機高分子化合物が軟化点の高い(例えば200℃以上)である場合、透明電極層や発光粒子含有層との密着性を改良するなどの目的で、軟化点の低い有機高分子化合物を含む別な中間層を併用することも好ましい。
本発明のEL素子は、光源としての用途を考えると、発光色は白色が好ましい。発光色を白色とする方法としては、蛍光顔料を用いて発光の一部を緑色や赤色に波長変換(発光)させて白色化する方法が好ましい。さらに、CIE色度座標(x,y)は、x値が0.30以上0.43以下の範囲で、かつy値が0.27以上0.41以下の範囲が好ましい。蛍光顔料は、蛍光体層や誘電体層の中にEL蛍光体粒子や誘電体粒子とともに分散して混入させても良いし、蛍光顔料を含有した単独の蛍光顔料層として付設しても良い。蛍光顔料層として付設する場合は、蛍光体層の上部(発光を取り出す側)に設けても良いが、蛍光体層の下部(前記上部と対向する側)に設けることが、EL蛍光体からの発光を有効に利用できるので好ましい。具体的には、蛍光体層と誘電体層の間に蛍光顔料層を設けることが好ましい。このとき、蛍光顔料層と蛍光体層の間に、反射率の高い白色顔料を含む反射層を付設することが、蛍光顔料層内でのEL発光の多重散乱による変換効率の向上や、変換光の長波長化のために好ましい。
前述の各層は、少なくとも塗布から乾燥工程までを連続工程として形成することが好ましい。乾燥工程は、塗膜が乾燥固化するまでの恒率乾燥工程と、塗膜の残留溶媒を減少させる減率乾燥工程に分けられる。本発明では、各層の結合剤比率が高いため、急速乾燥させると表面だけが乾燥し塗膜内で対流が発生し、いわゆるベナードセルが生じやすくなり、また急激な溶媒の膨張によりブリスター故障を発生しやすくなり、塗膜の均一性を著しく損う。逆に、最終の乾燥温度が低いと、溶媒が各層内に残留してしまい、防湿フィルムのラミネート工程、等のEL素子化の後工程に影響を与えてしまう。したがって、乾燥工程は、恒率乾燥工程を緩やかに実施し、溶媒が乾燥するのに十分な温度で減率乾燥工程を実施することが好ましい。恒率乾燥工程を緩やかに実施する方法としては、ベースが走行する乾燥室をいくつかのゾーンに分けて、塗布工程終了後からの乾燥温度を段階的に上昇することが好ましい。
本発明の分散型EL素子は、最後に封止フィルムを用いて、外部環境からの湿度や酸素の影響を排除するよう加工するのが好ましい。
EL素子を封止する封止フィルムは、JIS K7129に記載の測定方法に準じて測定される、40℃−90%RHにおける水蒸気透過率が0.05g/m2/day以下が好ましく、0.01g/m2/day以下がより好ましい。さらに40℃−90%RHでの酸素透過率が0.1cm3/m2/day/atm以下が好ましく、0.01cm3/m2/day/atm以下がより好ましい。このような封止フィルムとしては、有機物膜と無機物膜との積層膜が好ましく用いられる。
有機物膜の形成材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などが好ましく用いられ、特にポリビニルアルコール系樹脂がより好ましく用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂などは吸水性があるため、あらかじめ真空加熱などの処理を施すことで絶乾状態にしたものを用いることがより好ましい。これらの樹脂を塗布などの方法によりシート状に加工したものの上に、無機物膜を蒸着、スパッタリング、CVD法などを用いて堆積させる。堆積させる無機物膜の形成材料としては、酸化ケイ素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化ケイ素/酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどが好ましく用いられ、特に酸化ケイ素がより好ましく用いられる。より低い水蒸気透過率や酸素透過率を得たり、無機物膜が曲げ等によりひび割れることを防止するために、有機物膜と無機物膜の形成を繰り返したり、無機物膜を堆積した有機物膜を、接着剤層を介して複数枚貼り合わせて多層膜とすることが好ましい。有機物膜の膜厚は、5μm〜300μmの範囲が好ましく、10μm〜200μmの範囲がより好ましい。無機物膜の膜厚は、10nm〜300nmの範囲が好ましく、20nm〜200nmの範囲がより好ましい。積層した封止フィルムの膜厚は、30μm〜1000μmの範囲が好ましく、50μm〜300μmの範囲がより好ましい。
この封止フィルムでELセルを封止する場合、2枚の封止フィルムでELセルを挟んで周囲を接着封止しても、1枚の封止フィルムを半分に折って封止フィルムが重なる部分を接着封止しても良い。封止フィルムで封止されるELセルは、ELセルのみを別途作成しても良いし、封止フィルム上に直接ELセルを作成することもできる。この場合には、支持体の替わりとすることができる。また、封止工程は、真空又は露点管理された乾燥雰囲気中で行うことが好ましい。
上記以外にも、EL素子の振動抑制のために、衝撃吸収能の高い高分子材料や発泡剤を加えて発泡させた高分子材料、等からなる緩衝材層や、透明電極層又は背面電極層と絶縁層を挟んで設ける補償電極層、等を付設することも好ましい。
本発明のEL素子の組立方法は、下記のいずれの方法でも好適に行うことができる。アルミニウム箔のような背面電極層上に誘電体層、蛍光体層を順に塗布した後、透明電極層と貼り合わせる方法、透明電極層上に蛍光体層、誘電体層を順に塗布した後、背面電極層と貼り合わせる方法、透明電極層上に蛍光体層を、背面電極層上に誘電体層を塗布した後、両者を貼り合わせる方法、等が好ましい。貼り合わせは、金属又はシリコーン樹脂、等を被覆した熱ローラーにより、熱圧着することが好ましい。
以下に、本発明のEL蛍光体、それらの製造方法、EL素子を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明の実施例は以下の各実施例に制限されるものではない。
[EL蛍光体粒子の作製]
<EL蛍光体粒子A>
ZnS原料として、結晶子サイズが20nmで、中心粒子サイズが2μmのZnSを準備した。このZnSを25g秤量し、300ml容積のビーカーに200mlの蒸留水とともに入れて、マグネットスターラーですべてのZnS粒子が分散するように撹拌した。CuSO4・5H2Oを0.064g秤量し、2mlの蒸留水に溶解した水溶液を準備し、その溶液を前記ZnS粒子が分散した溶液中に、ビュレットを用いて約30秒間で添加した。添加終了から30分間撹拌を維持し、停止した後、静置してZnS粒子が沈降するまでの時間放置して、ZnS粒子が完全に沈降した上澄液をデカンテーションで除去し、洗浄の目的で200mlの蒸留水を加えて再度撹拌して分散させた。10分間の撹拌の後、ZnS粒子を沈降させて上澄液をデカンテーションで除去した。この洗浄操作を3回繰り返した後、温風乾燥機で120℃にて4時間乾燥させてCu添加ZnSを得た。
前記Cu添加ZnSに、下記の融剤及び添加物を加えて乳鉢混合し、混合物を得た。
・Cu添加ZnS ・・・25g
・塩化ナトリウム ・・・0.5g
・塩化バリウム2水和物 ・・・1.0g
・塩化マグネシウム6水和物 ・・・2.1g
上記混合物を、アルミナ坩堝に充填し、蓋をして室温のマッフル炉内に設置した。マッフル炉を800℃/hの速度で昇温し、1200℃に保持し、空気中で1時間、第1の焼成を実施した。第1焼成終了後、室温まで自然冷却し、アルミナ坩堝を取り出した。アルミナ坩堝から、第1焼成した混合物を取り出し、0.1MのHCl水溶液500mlで洗浄した後、500mlの蒸留水で5回水洗し、温風乾燥機で120℃にて4時間乾燥した。これによって、ZnS:Cu、Cl中間蛍光体粒子を得た。
前記中間蛍光体粒子5gと1mmのアルミナボール20gとを、15mmφのガラス瓶に充填して20分間10rpmの回転速度でボールミルした後、100メッシュの篩いを用いてアルミナボールと中間蛍光体粒子を分離した。分離した中間蛍光体粒子を、アルミナ坩堝に充填し、蓋をして室温のマッフル炉内に設置した。マッフル炉を400℃/hの速度で昇温し、700℃に保持し、空気中で4時間の第2焼成を実施した。第2焼成終了後、室温まで冷却し、アルミナ坩堝を取り出した。アルミナ坩堝から、第2焼成物を取り出し、10%のKCN水溶液100mlで洗浄した後、500mlの蒸留水で5回水洗し、温風乾燥機で120℃で4時間乾燥した。これによって、ZnS:Cu、ClのEL蛍光体粒子Aを得た。
<EL蛍光体粒子B>
前記EL蛍光体粒子Aと同様の方法でCu添加ZnSを準備した。
前記Cu添加ZnSに、下記の融剤を加えて乳鉢混合し、混合物を得た。
・Cu添加ZnS ・・・25g
・塩化ストロンチウム6水和物 ・・・27.3g
・塩化バリウム2水和物 ・・・4.2g
・塩化マグネシウム6水和物 ・・・11.1g
・塩化金酸4水和物 ・・・0.0053g
これ以降の工程は、EL蛍光体粒子Aと同様にして、ZnS:Cu、Cl、AuのEL蛍光体粒子Bを得た。
<EL蛍光体粒子C>
前記EL蛍光体粒子Bの中間蛍光体粒子に、三塩化アンチモン0.03gを添加して焼成したこと以外はEL蛍光体粒子Bと同様にして、ZnS:Cu、Cl、SbのEL蛍光体粒子Cを得た。
<EL蛍光体粒子D>
前記EL蛍光体粒子Bの中間蛍光体粒子に、三塩化ビスマス0.04gを添加して焼成したこと以外はEL蛍光体粒子Bと同様にして、ZnS:Cu、Cl、BiのEL蛍光体粒子Dを得た。
<EL蛍光体粒子E>
前記EL蛍光体粒子Aと同様の方法でCu添加ZnSを準備した。
前記Cu添加ZnSに、下記の融剤を加えて乳鉢混合し、混合物を得た。
・Cu添加ZnS ・・・25g
・塩化ストロンチウム6水和物 ・・・27.3g
・塩化バリウム2水和物 ・・・4.2g
・塩化マグネシウム6水和物 ・・・11.1g
・塩化セシウム ・・・4.5g
この後の工程は、EL蛍光体粒子Aと同様にして、ZnS:Cu、Cl、CsのEL蛍光体粒子Eを得た。
<EL蛍光体粒子F>
前記EL蛍光体粒子Bの第1焼成の温度を1100℃としたこと以外はEL蛍光体粒子Bと同様にして、ZnS:Cu、ClのEL蛍光体粒子Fを得た。
<EL蛍光体粒子G>
前記EL蛍光体粒子Aの中間蛍光体粒子のボールミル処理を省略したこと以外はEL蛍光体粒子Aと同様にして、ZnS:Cu、ClのEL蛍光体粒子Gを得た。
[粒子の評価]
EL蛍光体粒子A〜Gに対して、下記項目を評価し、その結果を表1に示した。
・中心粒子サイズ(堀場製作所;LA−920で計算されるメジアン径を用いる)
・粒子サイズの変動係数(堀場製作所;LA−920で計算される変動係数を用いる)
・積層欠陥面間隔(蛍光体粒子をメノー乳鉢で磨りつぶし、破片をTEM観察し、積層欠陥の最大面間隔と枚数を測定)
・積層欠陥頻度(上記破片100個をTEM観察し、積層欠陥の頻度を測定)
表1に示したように、A〜FのEL蛍光体は5nm間隔以下の積層欠陥を10枚以上有する粒子を50%以上有しているが、Gは積層面間隔が大きく、頻度も30%未満であった。
Figure 2006052250
[被覆層の形成]
<被覆EL蛍光体粒子A〜G>
上記EL蛍光体粒子A〜Gを用いて、その粒子表面へ図1に示される流動床反応装置を用いてTiO2からなる被覆層を形成した。流動床反応装置は、円筒形の反応槽7を配置して、反応槽の底部に多孔板8を有する。反応槽は周囲をヒーター9で囲まれ温度制御する。多孔板の下部にEL蛍光体粒子1を流動化させるためのキャリアガス及び気体状の被覆層材料を供給するライン10を接続し、反応槽内部の多孔板よりに反応ガスの供給ライン11に接続された反応ガス導入管12を配置する。各ガス供給ラインもヒーターで加熱され、それぞれの中間には、被覆層材料及び反応剤を気化するための貯槽13、14を備え、貯槽に収容した被覆層材料2及び反応剤3をキャリアガス4、5でバブリングすることで気化する。反応槽より排出される未反応ガス又は副生成ガス6は、排気管15より排出されスクラバー(図示せず)に接続される。
EL蛍光体粒子A〜Gを、流動床反応装置の反応槽に、それぞれ100g充填した。但し、EL蛍光体Fの場合は、EL蛍光体粒子Fのみでは流動化が十分に行えなかったため、EL蛍光体粒子F50gに中心粒子サイズが25μmの球形のアルミナ粒子を、流動化促進剤として50g加えた。被覆層材料としてTiCl4溶液を35℃に保温された貯層に収容し、反応剤として30℃に保温された蒸留水を貯層に収容した。キャリアガスとしてArを多孔板を通じて500cc/分の流量で供給し、EL蛍光体粒子を流動化させた。反応槽を200℃に加熱した後、ArガスによりTiCl4のバブリングを開始し、同時にArガスにより蒸留水のバブリングを開始し、それぞれ300cc/分の流量で供給した。2時間後に各ガスの供給を停止し、反応槽を冷却し、EL蛍光体粒子を回収し、被覆EL蛍光体粒子A〜Gを得た。回収した各被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が150nmのTiO2被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子H>
EL蛍光体粒子Bを用いて、前記被覆層AのTiCl4をトリメチルアルミニウムに、反応ガスをO2に換えたこと以外は同様にして、EL蛍光体粒子表面に被覆層を形成し、被覆EL蛍光体粒子Hを得た。回収した被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が170nmのAl23被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子I>
EL蛍光体粒子Bを用いて、前記被覆層AのTiCl4をヘキサキスジメチルアミドジアルミニウムに、反応ガスをNH3に換えたこと以外は同様にして、EL蛍光体粒子表面に被覆層を形成し、被覆EL蛍光体粒子Iを得た。回収した被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が110nmのAlN被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子J>
上記EL蛍光体粒子Bを用いて、その粒子表面へ図2に示される撹拌床反応装置を用いてSiO2からなる被覆層を形成した。撹拌床反応装置は、円筒形の反応槽17を配置して、反応槽の中に撹拌装置18を有する。反応槽は周囲をヒーター19で囲まれ温度制御する。反応槽の底部にEL蛍光体粒子1を流動化させるための補助キャリアガス、気体状の被覆層材料及び反応ガスを供給するライン20、21、22を導入する。各ガス供給ラインもヒーターで加熱され、それぞれの中間には、被覆層材料2及び反応剤3を気化するための貯槽23、24を備え、貯槽に収容した被覆層材料及び反応剤をキャリアガス4、5でバブリングすることで気化する。反応槽より排出される未反応ガス又は副生成ガス6は、排気管25より排出されスクラバー(図示せず)に接続される。
EL蛍光体粒子Bを、撹拌床反応装置の反応槽に、100g充填した。被覆層材料としてSiCl4溶液を35℃に保温された貯層に収容し、反応剤として30℃に保温された蒸留水を貯層に収容した。補助ャリアガスとしてArを補助キャリアガス導入管を通じて200cc/分の流量で供給し、ハドル型撹拌装置を30rpmで回転させ、EL蛍光体粒子を流動化させた。反応槽を200℃に加熱した後、ArガスによりSiCl4のバブリングを開始し、同時にArガスにより蒸留水のバブリングを開始し、それぞれ300cc/分の流量で供給した。2時間後に各ガスの供給を停止し、反応槽を冷却し、EL蛍光体粒子を回収し、被覆EL蛍光体粒子Jを得た。回収した被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が100nmのSiO2被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子K>
上記EL蛍光体粒子Bを用いて、その粒子表面へ図3に示される振動床反応装置を用いてTa25からなる被覆層を形成した。振動床反応装置は、蛍光体収容部27を水平配置し、蛍光体収容部を振動発生装置28によって振動させることでEL蛍光体粒子1を流動化する。蛍光体収容部は反応槽29により密閉され、周囲をヒーター30で囲まれ温度制御する。被覆層材料2は、振動床上部にある被覆材料供給ノズル31より送液ポンプ32により液体状で供給され、キャリアガス4及び反応ガス26の供給ラインより供給される反応ガスにより反応する。反応槽より排出される未反応ガス又は副生成ガス6は、排気管より排出されスクラバー(図示せず)に接続される。
EL蛍光体粒子Bを、振動床反応装置の蛍光体収容部に、100g充填した。アンバランスマス型振動装置を用いて、1kHzで蛍光体収容層を振動させ、EL蛍光体粒子を流動化させた。キャリアガスとしてN2を200cc/分の流量で供給した。反応槽を400℃に加熱した後、被覆材料供給ノズルより、TaCl5の0.1wt%エタノール溶液を、流動化したEL蛍光体粒子上に霧状に100cc/分噴霧した。10分間噴霧した後噴霧を停止して、10分間乾燥し、キャリアガスから反応ガスとしてO2に切り換えて200cc/分で20分間供給した。この操作を10回繰り返した後、反応槽を冷却し、EL蛍光体粒子を回収し、被覆EL蛍光体粒子Kを得た。回収した被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が100nmのTa25被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子L>
上記EL蛍光体粒子Bを用いて、その粒子表面へ図4に示される転動床反応装置を用いてダイヤモンド状カーボンからなる被覆層を形成した。転動床反応装置は、いわゆるロータリーキルンを改良した装置である。回転する石英炉心管34を水平より傾斜角を1°付けて配置した。石英炉心管のほぼ中央部にマイクロ波発生装置35を隣接し、炉心管内部にマイクロ波が照射できるように配置した。EL蛍光体粒子1は、炉心管の傾斜上部の端部より、粉体フィーダー36を用いて供給される。被覆層材料ガス及び背圧ガス33は、EL蛍光体粒子と同じ端部に配置した供給管37より供給される。もう一方の端部は、真空ポンプ(図示せず)に接続され、炉心管内部を減圧する。炉心管内へ供給されたEL蛍光体粒子は、炉心管の回転に伴い徐々に下方へと運搬され、プラズマ発生領域38を経て粉体回収容器39に収容される。
EL蛍光体粒子Bを、粉体フィーダーを用いて炉心管内に供給し、炉心管を10rpmで回転させた。真空ポンプで炉心管内部を排気しながら、被覆層材料及び反応ガスとして、CH4:H2が1:99の混合ガスを供給して、炉心管内部の圧力を5000Paに維持した。マイクロ波発生装置より、2.45GHzのマイクロ波を300Wで照射し、炉心管内部をプラズマ状態として、ダイヤモンド状カーボンをEL蛍光体粒子表面に生成させ、被覆EL蛍光体粒子Lを得た。回収した被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が50nmのダイヤモンド状カーボン被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子M>
上記EL蛍光体粒子Bを用いて、その粒子表面へ図5に示される液相反応装置を用いてMg3(PO42からなる被覆層を形成した。液相反応装置は、半球形の底部を有する反応母液40を収容する円筒形の溶液収容部42と、撹拌装置43と、少なくとも1つの溶液供給管44を有する。撹拌装置の撹拌羽根は、スクリュー型とハドル型の複合型で、上方への撹拌流を形成するように回転され、その周囲にストレーナー45を設けた。溶液供給管は、ストレーナーの底部に供給されるように配置した。溶液供給管は、シリンジポンプ46に接続され、反応液41を供給する。溶液収容部は、ウォータージャケット47で加熱・冷却する。
溶液収容部に、蒸留水を2.5L、(NH4)3PO4・3H2Oを12.2gを投入し、溶解した。この水溶液中に、EL蛍光体粒子Bを100g投入して、懸濁させて反応母液とした。反応母液を40℃に加熱して、500rpmの回転数で撹拌した。反応溶液として、18.3gのMgCl2・6H2Oを100mlの蒸留水に溶解した水溶液を調整して、シリンジポンプに収容した。シリンジポンプを稼働させて、反応溶液を2ml/分の速度で添加した。反応溶液の添加終了後、懸濁液の温度を90℃まで増加させて、1時間熟成させた。熟成が終了した後、懸濁液を室温まで冷却して、5Cの濾紙を用いて吸引濾過して懸濁液から被覆蛍光体粒子を分離した。ロート上の被覆蛍光体粒子を、ケーキ状のままロート内に蒸留水を1Lずつ3回加えて吸引濾過して洗浄した。濾過した被覆蛍光体粒子のケーキを、真空乾燥機を用いて120℃で4時間の真空乾燥を実施した。乾燥した被覆蛍光体粒子を、空気中で300℃で1時間のアニールをして、被覆EL蛍光体粒子Mを得た。被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が200nmのMg3(PO42被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子N>
上記EL蛍光体粒子Bを用いて、その粒子表面へ被覆EL蛍光体粒子Mと同様の液相反応装置を用いてMgF2からなる被覆層を形成した。
溶液収容部に、IPAを2.5L、Mg(CH3COO)2・4H2Oを7.0gを投入し、溶解した。この水溶液中に、EL蛍光体粒子Bを100g投入して、懸濁させて反応母液とした。反応母液を40℃に加熱して、500rpmの回転数で撹拌した。反応溶液として、12.5mlのCF3COOHを87.5mlのIPAに溶解した溶液を調整して、シリンジポンプに収容した。シリンジポンプを稼働させて、反応溶液を2ml/分の速度で添加した。反応溶液の添加終了後、2時間熟成させた。熟成が終了した後、懸濁液を室温まで冷却して、5Cの濾紙を用いて吸引濾過して懸濁液から被覆蛍光体粒子を分離した。ロート上の被覆蛍光体粒子を、ケーキ状のままロート内に蒸留水を1Lずつ3回加えて吸引濾過して洗浄した。濾過した被覆蛍光体粒子のケーキを、真空乾燥機を用いて120℃で4時間の真空乾燥を実施した。乾燥した被覆蛍光体粒子を、空気中で300℃で1時間のアニールをして、被覆EL蛍光体粒子Nを得た。被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が50nmのMgF2被覆層を有していた。
<被覆EL蛍光体粒子O>
上記EL蛍光体粒子Bを用いて、その粒子表面へ図6に示される複合粒子作製装置(シーターコンポーザー)を用いて四フッ化エチレンからなる被覆層を形成した。複合粒子作製装置は、大きな楕円中空を有するローター49と、その楕円の短径より若干小さい長径を有する小さな楕円ローター50が、同軸で組み合わされた構造からなり、大小の楕円のローラーが互いに反対方向に回転する。大小のローターが形成する空間51に、EL蛍光体粒子と被覆材料の混合物48を投入する。
上記EL蛍光体粒子Bを20gと、中心粒径2μmの四フッ化エチレン粒子(セイシン企業社製;TFW−3000F)0.4gとをシーターコンポーザーに投入し、各ローターを1000rpmで5分間回転させた後、EL蛍光体粒子を回収し、被覆EL蛍光体粒子Oを得た。回収した被覆EL蛍光体粒子は、その表面に平均膜厚が200nmの四フッ化エチレン被覆層を有していた。
[被覆EL蛍光体粒子の評価]
・被覆層膜厚(SEM断面写真から測定)
・遮蔽性(0.1MのAgNO3溶液に浸漬して体色変化を観察し、24時間後変化の無いものを○、暗色化したものを×と評価)
[EL素子の作成]
上記で得た被覆EL蛍光体粒子A〜O、及び被覆層を持たないEL蛍光体粒子A〜Gを用いてEL素子を作成した。
100μmのPET支持体上に、表面抵抗率100Ω/□のITO電極を積層させた透明電極フィルムIを準備した。次にITO電極の表面に、中間層を塗布した透明電極フィルムIIを準備した。透明電極フィルムIIは、ビスフェノールAとフタル酸(テレフタル酸とイソフタル酸1:1)のポリエステル(ユニチカ株式会社;U−100)をジクロロメタンに溶解し、濃度14%の溶液を、ディップコート法によって厚み1.5μmの層を形成した。
次いで、各EL蛍光体、結合剤としてシアノレジン(信越化学社製;CR−S)、結合剤を溶解する溶媒としてDMFとを準備する。下記組成物をDMF有機溶媒中に添加し、プロペラミキサー(回転数3000rpm)で分散させ、16℃における粘度が0.5Pa・sであるEL蛍光体粒子含有塗布液を調製した。
・EL蛍光体 ・・・・・100質量部
・シアノレジン ・・・・・25質量部
各塗布液の粘度は、粘度計(VISCONIC ELD.R及び VISCOMETER CONTROLLER E−200 ローターNo.71、東京計器(株)製)を用い、撹拌(回転数:20rpm)下、16℃液温において測定した。
次いで、誘電体微粒子として、チタン酸バリウムBT−8(キャボットスペシャリティケミカルズ製:平均粒径120nm)、結合剤としてシアノレジン(信越化学社製;CR−S)、結合剤を溶解する溶媒としてDMFを準備する。下記組成物をDMF有機溶媒中に添加し、プロペラミキサー(回転数3000rpm)で分散させ、16℃における粘度が0.5Pa・sである誘電体微粒子含有塗布液を調製した。
・BT−8 ・・・・・90質量部
・シアノレジン ・・・・・30質量部
次いで、背面電極として膜厚が75μmのアルミニウム箔上に、前記誘電体微粒子含有塗布液を、乾燥後の膜厚が20μmとなるようにドクターブレードコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥し、背面電極上に誘電体層を積層した。乾燥した誘電体層上に、前記EL蛍光体粒子含有塗布液を、乾燥後の膜厚が30μmとなるようにドクターブレードコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥し、背面電極、誘電体層、蛍光体層が積層した積層体を得た。
得られた各積層体の蛍光体層と、前記透明電極フィルムI又はIIとを、ラミネーターを用いて190℃で熱圧着し、A4サイズに切り出し、透明電極と背面電極にそれぞれ引き出し電極を付設して、積層体全体を防湿フィルムで封止してEL素子を得た。透明電極フィルムIIを用いたEL素子の構成を図7に示す。
[EL素子の評価]
上記各EL素子に、150Vの交流電圧を印加して、周波数を合わせて300cd/m2となるように駆動したときの初期の発光効率と輝度半減期の測定結果を表2に示した。EL素子の輝度は、輝度計(トプコン;BM9)で測定し、発光効率はEL素子を駆動しているときの消費電力を、パワーマルチメーター(NF回路社製;2721)で測定して発光効率を計算した。
Figure 2006052250
以上のように、本発明の被覆EL蛍光体粒子を用いたEL素子(実施例1〜15)は、被覆層を形成していないEL蛍光体を用いた場合に対して輝度半減期を向上することができ(H0とH1の比較)、これにより、実用上有効な寿命を達成できる。輝度半減期の向上変化量は、比較例1の粒子サイズの大きなEL蛍光体の場合や比較例2の面状の積層欠陥の少ないEL蛍光体の場合とほとんど変わらないが、被覆層の形成による発光効率の変化量(K1/K0)を比べると、実施例1〜15のいずれの場合も、その発効効率の低下が、比較例1及び2よりも格段に小さくなっていることが判る。粒子サイズが小さくなること、または積層欠陥頻度が大きくなることでかかる発効効率の低下量が大幅に抑えられる理由は判らないが、今回初めて判った本発明特有の顕著な効果である。
更に、実施例14及び15の結果から、輝度半減期の向上効果は、中間層を導入することにより相乗効果が得られることがわかる。この相乗効果は、実施例1と実施例14の結果と、実施例9と実施例15の結果を比較することにより、遮蔽性が不十分な被覆層を用いた場合の方が大きいことが判る。また、上記の輝度半減期の数値には現れていないが、中間層と被覆EL蛍光体粒子の組合せにより、EL素子の黒化が未被覆EL蛍光体よりも低減された。被覆層の連続性が劣る場合には、イオンバリア性の改善の余地があり、中間層との組合せが有効となる。
また、本発明のEL素子は、比較例2のEL素子よりも粒子サイズが小さく、粒子サイズ分布の変動係数が小さいものを用いているため、構造モトルに由来する発光のざらつき(粒状性)が非常に小さくなった。
参考として、本発明に用いたEL蛍光体核粒子は、Au、Sb、Bi、CsをZnS母体中に導入することで、EL蛍光体自体の寿命が向上していることが実施例1〜6における核粒子の半減期(H0)の値よりわかる。
図1は、本発明の被覆EL蛍光体粒子を作製するための流動床反応装置の概略説明図である。 図2は、本発明の被覆EL蛍光体粒子を作製するための撹拌床反応装置の概略説明図である。 図3は、本発明の被覆EL蛍光体粒子を作製するための振動床反応装置の概略説明図である。 図4は、本発明の被覆EL蛍光体粒子を作製するための転動床反応装置の概略説明図である。 図5は、本発明の被覆EL蛍光体粒子を作製するための液相反応装置の概略説明図である。 図6は、本発明の被覆EL蛍光体粒子を作製するための複合粒子作製装置の概略説明図である。 図7は、本発明のEL素子の断面の概略説明図である。
符号の説明
52.中間層
53.蛍光体層
54.誘電体層
55.透明電極層
56.PET支持体
57.背面電極層
58.防湿フィルム

Claims (10)

  1. 少なくともZnS系蛍光体粒子とその表面に形成した被覆層とを含むエレクトロルミネッセンス蛍光体であって、該粒子が、中心粒子サイズが0.1〜15μmであり、粒子サイズ分布の変動係数が35%未満であり、且つ、5nm以下の面間隔の積層欠陥を10枚以上含有する粒子を粒子全体の30%以上含有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス蛍光体。
  2. 前記粒子の平均粒子サイズに対する被覆層の平均膜厚の比が、0.001〜0.1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
  3. 前記ZnS系蛍光体粒子が、付活剤としてCu、Mn、Ag及び希土類元素の群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
  4. 前記ZnS系蛍光体粒子が、共付活剤としてCl、Br、I、及びAlの群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
  5. 前記ZnS系蛍光体粒子が、添加物としてAu、Sb、Bi及びCsの群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
  6. 前記被覆層は、酸化物、窒化物、水酸化物、フッ化物、リン酸塩、ダイヤモンド状カーボン及び有機化合物の群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体。
  7. 前記ZnS系蛍光体粒子の平均粒子サイズよりも大きい平均粒子サイズを有する流動化促進剤の存在下で該粒子を流動化させた状態で、被覆層の原料を供給して該粒子表面に堆積又は反応させることで被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体の製造方法。
  8. 少なくとも一方が透明である対向する電極対に挟持された蛍光体層と誘電体層とを含む分散型エレクトロルミネッセンス素子において、前記蛍光体層が請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体を含むことを特徴とする分散型エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記透明電極と前記蛍光体層の間に少なくとも一層の中間層を付設したことを特徴とする請求項8に記載の分散型エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記中間層は、有機高分子化合物、無機化合物、又はそれら複合物であり、中間層の厚みは10nm〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項8又は9に記載の分散型エレクトロルミネッセンス素子。
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