JP2001018358A - 印刷版材、印刷版、該印刷版を用いた印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

印刷版材、印刷版、該印刷版を用いた印刷方法及び印刷装置

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JP2001018358A
JP2001018358A JP11193162A JP19316299A JP2001018358A JP 2001018358 A JP2001018358 A JP 2001018358A JP 11193162 A JP11193162 A JP 11193162A JP 19316299 A JP19316299 A JP 19316299A JP 2001018358 A JP2001018358 A JP 2001018358A
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mask
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sheet
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Shingen Kinoshita
真言 木下
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート版としてのマスクに形成される各開口
の歪みや位置ズレ、及び、印刷時における該マスクのシ
ワや破損の発生を防止することができる印刷版材、印刷
版、及び、該印刷版を用いた印刷装置を提供すること。 【解決手段】 ペースト8を被印刷体(例えばウエハー
30)に印刷するための印刷パターンが形成されるシー
ト版としてのマスク2の対向する2つの辺のみに、印刷
装置に対して該マスク2をほぼ平坦に保持して取り付け
るためのマスク枠1としての一対の枠部材1A,1B
を、該マスク2にテンションを付与しないように取り付
けて印刷マスク10Aを構成する。これにより、該マス
ク2にテンションが付与されないので、該マスク2に開
口率の高い開口を形成する時や、該マスク2に各枠部材
1A,1Bを取り付けるときなどに、各開口間のリブが
伸ばされて各開口の寸法精度に狂いが生じたり、各開口
の中心位置に位置ズレが生じたりしない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷版材、印刷
版、該印刷版を用いた印刷方法及び印刷装置に関し、詳
しくは、ペーストを被印刷体に印刷するための印刷パタ
ーンが形成されたマスク又はスクリーンなどのシート版
を印刷装置に取り付けるためのシート版取付部材に取り
付けた構成の印刷版、該印刷パターンが形成される以前
のシート版材を該シート版取付部材に取り付けた構成の
印刷版材、該印刷版を用いた印刷方法及び印刷装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クリーム半田、インク、接着剤、
ペースト状の樹脂など(以下、これらをペーストとい
う)を、例えば、プリント基板やウエハーなどの被印刷
体上に印刷する印刷版として、該ペーストを被印刷体に
印刷するための印刷パターンが形成されたシート版を、
印刷装置に取り付けるためのシート版取付部材としての
シート版取付枠に取り付けた構成の印刷版が知られてい
る。この種の印刷版としては、印刷パターンが形成され
たシート版を被印刷体の印刷面に対向配置して、該シー
ト版上に一様にペーストを補給し、ウレタンブレードな
どからなるスキージで該シート版上に補給されたペース
トをスキージングして、該シート版に補給したペースト
を被印刷体の印刷面にタッキングさせた後、該シート版
を被印刷体から離間するステンシルタイプの印刷に用い
られる印刷用マスクや、捺染や看板印刷などに使用され
る一般的なシルクスクリーン及びプラズマディスプレイ
パネルのバリアリブを印刷形成する際に用いられるステ
ンレスメッシュなどが知られている。
【0003】また、上記印刷用マスクとしては、 、金属板にパンチプレスにより印刷パターンを形成し
たパンチプレスマスク、金属板にYAGレーザにより該
印刷パターンを形成したYAGレーザマスク、 、感光性樹脂を金属板両面に塗布してレジスト層を形
成し、印刷パターンを描いたフォトマスクを介して露光
し、次いでレジスト層を現像することにより、印刷パタ
ーンに対応する部分のレジスト層を除去し、それをエッ
チングして金属板に印刷パターンを形成したエッチング
マスク、 、メッキ母材上にやや厚めの感光性樹脂層を形成し、
印刷パターンを描いたフォトマスクを介して露光し、次
いで感光性樹脂層を現像することにより、印刷パターン
に対応する部分以外の感光性樹脂層を除去し、印刷パタ
ーンに対応する部分の感光性樹脂層を残して雌型を作製
し、この雌型周囲の面にマスクとして必要な厚さにメッ
キ(主にニッケル)を行い、印刷パターンを金属板に形
成したアディティブマスクなどのメタルマスクが知られ
ている。
【0004】更に、上記メタルマスクの欠点を改良し高
精細な微少ピッチの印刷パターンを形成することがで
き、被印刷体上に微細なピッチの印刷を行うことができ
る印刷版としては、プラスチック板にエキシマレーザな
どにより印刷パターンを形成したプラスチックマスクが
知られている(特開平7−81027号公報)。なお、
以下の説明においては、説明の便宜を図るために、ペー
ストを被印刷体に印刷するための印刷パターンが形成さ
れる以前のシート版材をマスク材、該シート版材に印刷
パターンが形成されたシート版をマスク、印刷装置に取
り付けるためのシート版取付枠に該シート版材を取り付
けたものを印刷マスク材、該シート版取付枠に該シート
版を取り付けた上記印刷用マスク及びシルクスクリーン
などの各種の印刷版を総称して印刷マスクと呼称し、上
記シート版取付枠をマスク取付枠ということにする。ま
た、後述するマスク材に形成される印刷パターンとして
の開口とは、大小様々な径や形状からなる貫通開口、又
は、大小様々な径や形状及び深さからなる凹部、あるい
は、該貫通開口と該凹部とが混在したものをいう。
【0005】従来の印刷マスク材又は印刷マスクは、周
知のように、紗張り機と呼ばれている張架装置(以下、
テンショナーという)を用いて、上記マスク材又はマス
クを張架し、該マスク材又はマスクに極めて高いテンシ
ョンを付与した状態で、ほぼ矩形状に形成されたマスク
取付枠に該マスク材又はマスクを取り付けて構成されて
いる(特開平5−341502号公報、特開平9−23
2720号公報)。上記マスク取付枠は、マスク材に印
刷パターンを加工したり、該印刷パターンが形成された
マスクにペーストをスキージングしたりする際に、該マ
スク材又はマスクの平面性を確保する機能や、印刷装置
に印刷マスクを取り付ける際のホルダーとしての機能を
有している。
【0006】従来のテンショナーは、上記マスク材又は
マスクの各辺(四辺)を、エアーチャックなどからなる
の複数のクランパで把持し、エアーピストンなどにより
各クランパを駆動して、該マスク材又はマスクの各辺を
四方(X,Y方向)に引っ張ることで、該マスク材又は
マスクにテンションを付与するように構成されている。
具体的には、例えば、図10(a)、(b)に示すよう
に、矩形状のマスク取付枠1よりも大きな矩形状にカッ
トされたマスク材2Aの周辺部を、テンショナーの複数
のクランパ3で挟持する。次いで、エアーピストン4に
より、マスク材2Aの各辺に対して略直交する方向に、
上記各クランパ3を引っ張って、該マスク材2Aを張架
する。この状態で、図10(c)に示すように、各クラ
ンパ3により張架されたマスク材2Aに、2液エポキシ
などの接着剤5を塗布し、且つ、上記マスク取付枠1の
マスク固定面を所定の圧力で押し付けて、該マスク材2
Aに所定のテンションを付与する。そして、該マスク材
2Aに所定のテンションを付与したままの状態で、それ
に塗布された接着剤5を固化させ、該接着剤5が完全に
固化した後に、上記マスク取付枠1の外周縁部に沿っ
て、該マスク材2Aの周辺部を切り落とす。これによ
り、図11に示すような、矩形状のマスク取付枠1にマ
スク材2Aが張架固定された印刷マスク材10Aが製造
される。
【0007】しかしながら、このような従来の角形テン
ショナーを用いてマスク材2Aにテンションを付与する
と、該マスク材2AがX方向及びY方向にのみ強く引っ
張られて、該マスク材2A材の四隅(コーナー部)が引
っ張られにくくなる。このため、この角形テンショナー
によりテンションを付与されたマスク材2Aは、その中
央部にかかるテンションが大きくなって、そのコーナー
部の歪みが著しくなる傾向がある。例えば、テンション
が付与される前の状態のマスク材2Aに升目状の直線を
描いておき、該マスク材2Aにテンションを付与する
と、図12に示すように、該マスク材2Aに描かれたコ
ーナー部の升目状の直線が、中央部のそれよりも大きく
歪んだ形状に目曲がりする。このことから、この印刷マ
スク材10Aは、そのマスク材2Aに付与されたテンシ
ョンが、該マスク材2Aの中央部では大きくなり、該マ
スク材2Aの周辺部では小さくなって、ばらつく性質を
有していることが判る。また、このようなマスク材2A
のテンションのバラツキは、ヤング率の比較的小さなプ
ラスチック板をマスク材2Aとして使用したときに、よ
り顕著になることが明らかとなった。
【0008】従って、上述のような角形テンショナーに
よりテンションを付与された印刷マスク材10Aでは、
そのマスク材2Aに付与されたテンションのバラツキに
よって、該テンションを維持しようとする該マスク材2
Aの内部応力が不均一になる。このため、例えば、該印
刷マスク材10Aのマスク材2Aに上記印刷パターンと
しての開口を形成して印刷マスクを製造した場合には、
該マスク材2Aの内部応力の経時的な変化や、該マスク
材2Aに開口が形成されることによる該開口への内部応
力の応力集中などによって、該マスク材2Aに形成され
た開口の形状に歪みが発生したり、該開口の位置ズレが
発生したりする。
【0009】また、上記従来の印刷マスク材10Aは、
そのマスク取付枠1が矩形状に形成されているため、図
10(c)に示したように、クランパ3によって張架さ
れたマスク材2Aに、マスク取付部材1を押し付けて、
該マスク材2Aにテンションを付与した際に、該テンシ
ョンの付与に伴って発生する該マスク材2Aの内部応力
が、該マスク取付部材1の各コーナー部と該マスク材2
Aとの圧接部に集中して、該マスク材2Aのコーナー部
にシワや破損が発生し易い。
【0010】このような従来の角形テンショナーの不具
合を解消するために、最近は、図13に示すように、上
記マスク材2Aの四辺の他、該マスク材2Aのコーナー
部にもクランパ3を配置し、各クランパ3により該マス
ク材2Aの周辺を八方に引っ張って、該マスク材2Aの
コーナー部分に対しても均一なテンションが付与される
ように改良したテンショナーが提供されている。また、
例えば図14に示すように、上記角形テンショナーによ
ってテンションを付与されたマスク材2Aの各辺に対し
て、上記マスク取付枠1の四辺の各シート版取付部材を
約45°傾けて、歪みの大きな該マスク材2Aのコーナ
ー部を避けるようにして、該マスク材2Aにマスク取付
枠1を取り付けるようにした印刷マスク材もある。
【0011】更に、本出願人は、図15に示すように、
上記クランパ3をリング状に形成した円形クランパ2
1,22で構成して、該円形クランパ21,22でマス
ク材2Aをクランプするとともに、上記マスク取付枠1
を保持した円盤状の枠保持体23を、該マスク材2Aに
押しつけることにより、該枠保持体23の外接円の法線
方向に向けて略均等な張力を付与して、該マスク取付枠
1にマスク材2Aを張架固定するように構成した丸形テ
ンショナーを提案した(特願平10−92291号)。
この丸形テンショナーを用いて製造された印刷マスク材
は、該マスク材2Aに対して枠保持体23の外接円の法
線方向に向けて略均等なテンションを付与された状態
で、該マスク材2Aがマスク取付枠1に張架固定されて
いるので、該マスク材2Aに形成された開口の歪みや位
置ズレの原因となる該マスク材2Aに付与されたテンシ
ョンのバラツキや、該テンションを維持しようとする該
マスク材2Aの内部応力の不均一性を解消することがで
きる。
【0012】このようなテンショナーの改善や、マスク
取付枠1に対するマスク材2Aの取り付け方の工夫など
によって、図12に示したようなマスク材2Aのコーナ
ー部の歪みは、かなり改善されてきている。しかし、現
状の印刷マスク材においては、そのマスク材に付与され
たテンションが不均一となることによるマスク材の歪み
を完全に解消するまでには至っていない。
【0013】一方、近年のクリーム半田などの導電性ペ
ースト印刷を必要としている電子部品の動向は、QF
P,SOP,DPIなどのリード型の部品からBGA,
CSPなどのバンプ型の部品になってきている。また、
最近では、前述したような印刷マスクを用いて、被印刷
体としての基板上にペースト半田を印刷することによ
り、該電子部品の電極(バンプ)を一括形成することを
目指している。
【0014】そこで、本出願人は、例えば、図16に示
すまだダイシングしていない段階のウエハー30上に、
上記印刷マスク材10Aのマスク材2Aに所定の印刷パ
ターンを形成したマスク2を有する印刷マスク10用い
てフリップチップのバンプの細かさにペーストを印刷し
て、1回の印刷と1回のリフローで、40万個〜50万
個のバンプを一挙に形成する印刷方法を提案した。な
お、このようなバンプ形成には、半田粒子が小さなペー
ストを使用することが、高品質な印刷を実現する上で好
ましい。しかし、この半田粒子が小さなペーストは、チ
キソトロピーが大きい、つまり、その撹拌によって液状
化した状態となり放置すると固く凝固する(この粘度の
ギャップが激しいほどチキソトロピーが大となる)性質
を有している。このため、このようなチキソトロピーが
大きいペーストを用いてバンプ形成を行った場合には、
マスクの開口内壁に対するペーストの粘着性が高くな
り、該開口からのペーストの抜け性が悪くなる。従っ
て、このようなペーストを印刷するための印刷マスクと
しては、マスクの開口内壁を比較的平滑に形成すること
ができる(ペーストの版抜け性が良好な)エキシマレー
ザ製法によるプラスチックマスクを用いることが望まし
い。
【0015】しかしながら、このような印刷に使用され
る印刷マスク材10Aには、例えば、直径が6インチの
ウエハー30用として40万個以上もの印刷パターン
(バンプ)に対応した開口が形成されることがある。こ
の場合、印刷マスク10は、そのマスク2の単位面積当
たりの開口の個数が非常に多く(開口率が高く)なり、
図17に示すように、各開口2a間のリブ2bの幅hが
極めて細い状態となる。このため、該マスク材2Aに付
与されているテンションによって、各開口2a間のリブ
2bが伸ばされて、各開口2aの寸法精度に狂いが生じ
たり、各開口2aに位置ズレが生じたりするという問題
があった。なお、このような問題は、上記マスク材2A
にテンションを付与する前に、該マスク材2Aに上記開
口2aを形成し、その後でテンションを付与した場合に
も同じく発生する。
【0016】このようなマスク材2Aに形成された開口
2aの寸法精度の狂いや位置ズレを補正する方法とし
て、まず、上述のような印刷に使用するための印刷マス
ク10を試験的に作成する。そして、この試作された印
刷マスク10の上記テンションによるマスク2のX,Y
方向の各開口2aのズレ量を測定する。このときのマス
ク2の各開口2aの位置ズレ方向を、図18の模式図に
各矢印で示す(なお、該模式図における各矢印の長さ
は、上記のズレ量を表している)。また、このときの各
開口2aのズレ量を、図18のグラフに実線の折れ線で
示す。次いで、実際の印刷に使用されるマスク材2Aに
各開口2aを形成する際に、該マスク材2Aに付与され
たテンションによる各開口2aの位置ズレの発生を予め
見込んで、上記の試作された印刷マスク材10Aのマス
ク材2AのX,Y方向の各開口2aのズレ量に相当する
分(図18のグラフに実線の折れ線で示された各ズレ量
分)だけ、実際に使用されるマスク材2Aの該当する各
開口2aの加工中心位置を、図18のグラフに破線の折
れ線で示すように事前に補正する。このような方法によ
って作成された印刷マスク10は、そのマスク2に付与
されたテンションによる各開口2aのズレ量が予め補正
されているので、該テンションが付与された状態で、該
マスク2の各開口2aが、それぞれ適正な位置に形成さ
れるようになる。従って、理論上においては、この印刷
マスク10を用いることによって位置ズレのない高品質
な印刷を実現することが可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
印刷マスクは、テンショナーによって付与されたマスク
のテンションの大きさが、全ての印刷マスクにおいて必
ずしも一定したものにはならず、むしろ作成された1版
毎で、マスクに付与されているテンションが大きくばら
ついたものになることが多い。また、例えば、50μm
といった薄いマスク材の場合には、テンションによる破
損防止を図る上で、マスク材にあまり大きなテンション
を付与することができない。このため、現状では、この
ような薄いマスク材のテンションによる各開口のズレ量
を測定することが難しく、その有効な測定方法が確立さ
れていない。このように、この種の印刷マスクでは、作
成された1版毎で、そのマスクに付与されているテンシ
ョンがばらついたものとなるため、試作したマスクのテ
ンションによる各開口のズレ量を測定しても、該試作マ
スクの各開口のズレ量が必ずしも実際に使用されるマス
クのテンションによる各開口のズレ量と等しくなるとは
限らない。このため、この種の従来の印刷マスクにおい
ては、前述したような補正方法によって、マスクに形成
される各開口のズレ量を補正しても、該開口が補正どう
りの位置に形成されず、開口位置精度の低い印刷マスク
になってしまうことが多かった。
【0018】また、上記印刷マスクに形成された各開口
の歪みや位置ズレの度合いは、付与されているテンショ
ンの大きさ、該開口間のリブの機械的強度や形状、及
び、該マスクの使用頻度等によって大きく異なる。ここ
で、該マスクに付与するテンションの大きさは、前述し
たようなテンショナーの改良によってある程度均一化す
ることが可能であるが、上記リブの機械的強度や形状、
及び、該マスクの使用頻度等は、該マスクの材質や使用
目的、及び、該マスクに形成される印刷パターンの違い
などによって様々に変化するため、それらを特定するこ
とは不可能なのが現状である。
【0019】また、上述のようにテンションが付与され
たマスクをマスク取付枠に取り付けた構成の印刷マスク
では、被印刷体に印刷パターンを繰り返し印刷したとき
にも、該テンションによって、マスクに形成された各開
口の形状や位置が経時的に歪んだりズレたりすることが
あった。このようなマスクの開口の歪みや位置ズレは、
そのまま被印刷体に印刷された印刷パターンの歪みや位
置ズレとなって現れるため、印刷された被印刷体の品質
を著しく低下させることになる。特に、前述したプラズ
マディスプレイパネルのように、同一の印刷パターンを
繰り返し重ね印刷してバリアリブを形成するような場合
には、その印刷マスクに形成された各開口の歪みや位置
ズレによって、該バリアリブが正確な形状に形成されな
くなる不具合が発生する。
【0020】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、シート版としてのマ
スクに形成される各開口の歪みや位置ズレ、及び、印刷
時における該マスクのシワや破損の発生を防止すること
ができる印刷版材、印刷版、該印刷版を用いた印刷方法
及び印刷装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、ペーストを被印刷体に印刷する
ための印刷パターンが形成されるシート版材が、シート
版取付部材に取り付けられた構成の印刷版材であって、
上記シート版取付部材に対して、上記シート版の対向す
る2つの辺のみが、該シート版材にテンションを付与し
ないように取り付けられていることを特徴とするもので
ある。
【0022】この印刷版材(印刷マスク材)において
は、上記シート版取付部材としてのマスク取付枠に上記
シート版材としてのマスク材を取り付ける際に、該マス
ク材にテンションを付与する必要がないので、マスク取
付枠に該マスク材をテンショナーを使用せずに容易に取
り付けることができ、安価な印刷版材(印刷マスク材)
の量産が可能になる。
【0023】請求項2の発明は、請求項1の印刷版材に
おいて、上記シート版取付部材に取り付けられていない
側の上記シート版の2つの辺に、可撓性を有する帯状の
補強部材が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0024】この印刷版材(印刷マスク材)において
は、上記補強部材によって、上記マスク取付部材として
のマスク取付枠に取り付けられていない側の上記シート
版材としてのマスク材の2つの辺の機械的強度が向上さ
れる。
【0025】請求項3の発明は、ペーストを被印刷体に
印刷するための印刷パターンが形成されたシート版が、
シート版取付部材に取り付けられた構成の印刷版であっ
て、上記シート版取付部材に対して、上記シート版の対
向する2つの辺のみが、該シート版にテンションを付与
しないように取り付けられていることを特徴とするもの
である。
【0026】この印刷版(印刷マスク)においては、上
記シート版取付部材としてのマスク取付枠に上記シート
版としてのマスクが取り付けられた状態で、該マスクに
テンションが付与されていないので、例えば、該マスク
に開口率の高い開口が形成されている場合や、該マスク
取付枠にマスクが取り付けられるときなどに、各開口間
のリブが伸ばされて各開口の寸法精度に狂いが生じた
り、各開口の位置ズレが生じたりするということがな
い。また、請求5の印刷方法に適した印刷版(印刷マス
ク)として用いることができる。
【0027】請求項4の発明は、請求項3の印刷版にお
いて、上記シート版取付部材に取り付けられていない側
の上記シート版の2つの辺に、可撓性を有する帯状の補
強部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0028】この印刷版(印刷マスク)においては、上
記補強部材によって、上記マスク取付部材に取り付けら
れていない側の上記マスクの2つの辺の機械的強度が向
上されるので、マスク取付部材に取り付けられていない
側のマスクの2つの辺が、印刷の繰り返しによって破損
したり伸びたりすることが少なくなり、印刷マスクとし
ての寿命を延ばすことができる。
【0029】請求項5の発明は、上記シート版に補給さ
れたペーストをスキージングして、該シート版に形成さ
れた印刷パターンを被印刷体の印刷面に印刷する請求項
3又は4記載の印刷版を用いた印刷方法であって、該ペ
ーストのスキージング時に、該シート版を撓ませず且つ
伸張させない状態に上記シート版取付部材を保持して、
該シート版に形成された印刷パターンを被印刷体の印刷
面に印刷することを特徴とするものである。
【0030】この印刷方法においては、ペーストのスキ
ージング時に、上記シート版としてのマスクが撓ませず
且つ伸張されないように、上記シート版取付部材として
のマスク取付枠が保持され、該マスクに形成された印刷
パターンが被印刷体の印刷面に印刷される。これによ
り、該マスクに形成された印刷パターンが被印刷体の印
刷面に印刷される際に、該マスクに形成された各開口間
のリブが伸ばされて各開口の寸法精度に狂いが生じた
り、各開口の位置ズレが生じたりするということがなく
なる。また、該マスク自体にストレス(テンション)が
かけられていないので、該印刷時に該マスクの各開口の
形状や位置が経時的に歪んだりズレたりすることが少な
い。従って、この印刷マスクでは、例えば、前記プラズ
マディスプレイパネルのバリアリブを形成する場合のよ
うに、同一の印刷パターンを繰り返し重ね印刷しても、
該印刷パターンがずれたり歪んだりすることが少なく、
極めて高品質な印刷を実現できる。
【0031】請求項6の発明は、請求項5の印刷方法に
おいて、上記被印刷体の印刷面と上記シート版の版面と
を接触させた状態で、該シート版に補給されたペースト
をスキージングした後、該被印刷体の印刷面と該シート
版の版面とを離間させて、該シート版に形成された印刷
パターンを被印刷体の印刷面に印刷することを特徴とす
るものである。
【0032】この印刷方法においては、まず、上記シー
ト版としてのマスクの版面と被印刷体の印刷面とが接触
される。次いで、この状態で、該マスク上に補給された
ペーストがスキージングされる(以下、この工程をスキ
ージング工程という)。そして、このスキージング工程
が実行された後、被印刷体の印刷面とマスクの版面とが
離間される(以下、この工程を版離れ工程という)。こ
れにより、該マスクに形成された印刷パターンが被印刷
体の印刷面に印刷される(以下、この印刷モードを、コ
ンタクト印刷モードという)。このコンタクト印刷モー
ドでは、上述のように、上記マスクの版面と被印刷体の
印刷面とが接触したままの状態でペースト印刷が行われ
る。従って、被印刷体とマスクとがコンタクトしたまま
の状態で、スキージングによりペーストの充填が行われ
るので、このスキージング工程のペースト充填時におけ
るペースト滲み出しの原因である隙間の発生を防止する
ことができ、且つ、ペーストのスキージングをペースト
の充填に最適な速度で行うことができる。
【0033】請求項7の発明は、請求項5の印刷方法に
おいて、上記被印刷体の印刷面に対して上記シート版の
版面の一部のみがほぼ直線状に接触するように上記シー
ト版取付け部材を保持し、被印刷体の印刷面に対する該
シート版の版面の接触位置を移動させながらペーストを
スキージングして、該シート版に形成された印刷パター
ンを被印刷体の印刷面に印刷することを特徴とするもの
である。
【0034】この印刷方法においては、まず、上記被印
刷体の印刷面に対して上記シート版としてのマスクの版
面の一部のみがほぼ直線状に接触するように上記シート
版取付け部材としてのマスク取付枠が保持される。次い
で、この状態で、被印刷体の印刷面に対する該マスクの
版面の接触位置が移動されながら、該マスク上に補給さ
れたペーストがスキージングされる。このスキージング
時には、請求項5に記載されているように、常時、該マ
スクを撓ませず且つ伸張させないように上記マスク取付
枠が保持される。このスキージングにより、該マスクに
形成された印刷パターンが被印刷体の印刷面に印刷され
る(以下、この印刷モードを、オフコンタクト印刷モー
ドという)。ところで、請求項6の印刷方法におけるコ
ンタクト印刷モードの版離れ工程においては、被印刷体
の印刷面からマスクの版面の全面を一気に離間させるよ
うにしている。このため、該コンタクト印刷モードで
は、ペーストの印刷面に対する粘着力やマスクに対する
ズリ応力によって、該離間時に該版面の周辺部が先に離
間してマスクが湾曲し、その後、該版面の中央部が跳ね
上がるようにして離間することがある。従って、該コン
タクト印刷モードでは、マスクの版離れ速度を、ペース
トの抜け性が良好となるようなほぼ一定の速度にコント
ロールすることが難しい。これに対し、このオフコンタ
クト印刷モードでは、被印刷体の印刷面に対するマスク
の接触位置を移動させながらペーストのスキージングが
行われると同時に、被印刷体の印刷面からマスクの版面
が離間される。従って、このオフコンタクト印刷モード
では、該スキージング速度によって、マスクの版離れ速
度を、ペーストの抜け性が良好となるような速度にコン
トロールすることができる。また、このオフコンタクト
印刷モードでは、上記スキージング工程と上記版離れ工
程とが同時に実行されるので、印刷工程を少なくするこ
とができ、印刷に要する時間を短縮できる。しかし、こ
のオフコンタクト印刷モードでは、被印刷体の印刷面に
対してマスクの版面の一部のみが接触し、スキージング
方向の下流側が離間した状態で、ペーストのスキージン
グが行われるため、このスキージング工程のペースト充
填時におけるペースト滲み出しの原因である隙間の発生
を防止することが難しい。
【0035】請求項8の発明は、請求項5の印刷方法に
おいて、上記被印刷体の印刷面と上記シート版の版面と
を接触させた状態で、該シート版の上記シート版取付け
部材が取り付けられている一方の辺から他方の辺に向け
て、該シート版に補給されたペーストをスキージングす
ると同時に、該ペーストのスキージングを終えた部分の
シート版の版面を被印刷体の印刷面から離間させなが
ら、該シート版に形成された印刷パターンを被印刷体の
印刷面に印刷することを特徴とするものである。
【0036】この印刷方法においては、まず、上記シー
ト版としてのマスクの版面と被印刷体の印刷面とが接触
するように上記シート版取付け部材としてのマスク取付
枠が保持される。次いで、この状態で、該シート版の上
記シート版取付け部材が取り付けられている一方の辺か
ら他方の辺に向けて、該シート版に補給されたペースト
がスキージングされると同時に、該ペーストのスキージ
ングを終えた部分のシート版の版面が被印刷体の印刷面
から離間される。これにより、該マスクに形成された印
刷パターンが被印刷体の印刷面に印刷される(以下、こ
の印刷モードを、コンタクトオフ印刷モードという)。
このコンタクトオフ印刷モードでは、前記コンタクト印
刷モードと同様に、上記マスクの版面と被印刷体の印刷
面とが接触したままの状態、つまり、被印刷体とマスク
とがコンタクトしたままの状態で、スキージングにより
ペーストの充填が行われるので、このスキージング工程
のペースト充填時におけるペースト滲み出しの原因であ
る隙間の発生を防止することができる。また、このコン
タクトオフ印刷モードでは、ペーストがスキージングさ
れると同時に、該ペーストのスキージングを終えた部分
のマスクの版面が被印刷体の印刷面から離間されるの
で、前記オフコンタクト印刷モードと同様に、印刷工程
を少なくすることができ、印刷に要する時間を短縮でき
る。更に、被印刷体の印刷面とマスクの版面との版離れ
速度や版離れタイミングをバラツキなく最適に保つこと
ができるようにコントロールすることによって、被印刷
体の印刷面に対してペーストを確実に粘着(タッキン
グ)させることができるので、マスクの各開口からのペ
ーストの抜け性が良好になる。従って、このコンタクト
オフ印刷モードでは、コンタクト印刷モードのメリット
とオフコンタクト印刷モードのメリットとを併せ持った
品質の高い印刷を行うことができる。
【0037】請求項9の発明は、請求項3又は4記載の
印刷版を用いて印刷を行う印刷装置であって、上記シー
ト版に補給されたペーストをスキージングして、該シー
ト版に開口された印刷パターンによって、ペーストを被
印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、上記シート
版取付部材を保持する取付部材保持手段と、該取付部材
保持手段により、被印刷体の印刷面と該シート版の版面
とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませず且つ伸張さ
せないように、上記シート版取付部材を保持した状態
で、上記スキージ手段によりペーストをスキージングし
て、該シート版に形成された印刷パターンを被印刷体の
印刷面に印刷するモードを実行させる印刷モード制御手
段とを有することを特徴とするものである。
【0038】この印刷装置においては、上記コンタクト
印刷モードによる印刷を行うことができる。すなわち、
上記印刷モード制御手段により印刷が実行されると、ま
ず、上記取付部材保持手段によって、上記シート版とし
てのマスクの版面と被印刷体の印刷面とが接触し、且
つ、該マスクが撓ませず且つ伸張されない(該マスクに
対してテンションが付与されない)ように、上記シート
版取付部材としてのマスク取付部材のシート版取付部材
が保持される。次いで、この状態で、上記スキージ手段
によって、該マスク上に補給されたペーストがスキージ
ングされる。そして、このスキージング後、被印刷体の
印刷面とマスクの版面とが離間されることにより、該マ
スクに形成された印刷パターンが被印刷体の印刷面に印
刷される。
【0039】請求項10の発明は、請求項3又は4記載
の印刷版を用いて印刷を行う印刷装置であって、上記シ
ート版に補給されたペーストをスキージングして、該シ
ート版に開口された印刷パターンによってペーストを被
印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、該シート版
の対向する2つの辺が取り付けられている各辺のシート
版取付部材を、個別に保持する取付部材保持手段と、該
スキージ手段によるスキージング時に、該取付部材保持
手段により個別に保持された少なくとも一方の辺のシー
ト版取付部材を、該シート版を撓ませず且つ伸張させな
いように移動させる取付部材移動手段とを有し、上記取
付部材保持手段により、上記被印刷体の印刷面に対して
上記シート版の版面の一部のみがほぼ直線状に接触する
ように、該シート版を撓ませず且つ伸張させずに、上記
各辺のシート版取付部材を個別に保持した状態で、上記
スキージ手段で、被印刷体の印刷面に対する該シート版
の版面の接触位置を移動させながらペーストをスキージ
ングして、該シート版に形成された印刷パターンを被印
刷体の印刷面に印刷するモードを実行させる印刷モード
制御手段を有することを特徴とするものである。
【0040】この印刷装置においては、上記オフコンタ
クト印刷モードによる印刷を行うことができる。すなわ
ち、上記印刷モード制御手段により印刷が実行される
と、まず、上記取付部材保持手段によって、上記被印刷
体の印刷面に対して上記シート版としてのマスクの版面
の一部のみがほぼ直線状に接触するように、また、該シ
ート版が撓まず且つ伸張(該マスクに対してテンション
が付与されない)されないように、上記各辺のシート版
取付部材としてのマスク取付枠がを個別に保持される。
次いで、この状態で、上記スキージ手段により、被印刷
体の印刷面に対する該マスクの版面の接触位置が移動さ
れながら、該マスク上に補給されたペーストがスキージ
ングされる。これにより、該マスクに形成された印刷パ
ターンが被印刷体の印刷面に印刷される。
【0041】請求項11の発明は、請求項3又は4記載
の印刷版を用いて印刷を行う印刷装置であって、上記シ
ート版に補給されたペーストをスキージングして、該シ
ート版に開口された印刷パターンによってペーストを被
印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、該シート版
の対向する2つの辺が取り付けられている各辺のシート
版取付部材を、個別に保持する取付部材保持手段と、該
スキージ手段によるスキージング時に、該取付部材保持
手段により個別に保持された少なくとも一方の辺のシー
ト版取付部材を、該シート版を撓ませず且つ伸張させな
いように移動させる取付部材移動手段とを有し、上記取
付部材保持手段により、被印刷体の印刷面と該シート版
の版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませず且つ
伸張させないように、上記各辺のシート版取付部材を保
持した状態で、上記スキージ手段により、該シート版の
上記シート版取付け部材が取り付けられている一方の辺
から他方の辺に向けて、該シート版に補給されたペース
トをスキージングすると同時に、該ペーストのスキージ
ングを終えた部分のシート版の版面と被印刷体の印刷面
とが離間するように、離間開始側のシート版取付部材を
上記取付部材移動手段で移動させながら、該シート版に
形成された印刷パターンを被印刷体の印刷面に印刷する
モードを実行させる印刷モード制御手段を有することを
特徴とするものである。
【0042】この印刷装置においては、上記コンタクト
オフ印刷モードによる印刷を行うことができる。すなわ
ち、上記印刷モード制御手段により印刷が実行される
と、まず、上記取付部材保持手段によって、上記シート
版としてのマスクの版面と被印刷体の印刷面とが接触
し、且つ、該マスクが撓ませず且つ伸張されない(該マ
スクに対してテンションが付与されない)ように、上記
シート版取付部材としての各辺のマスク取付部材が保持
される。次いで、この状態で、上記スキージ手段によっ
て、該シート版の上記シート版取付け部材が取り付けら
れている一方の辺から他方の辺に向けて、該シート版に
補給されたペーストがスキージングされると同時に、該
ペーストのスキージングを終えた部分のシート版の版面
と被印刷体の印刷面とが離間するように、離間開始側の
シート版取付部材が上記取付部材移動手段により移動さ
れる。これにより、前記コンタクト印刷モードと同様
に、該マスクの版面と被印刷体の印刷面とが接触した状
態で、該スキージ手段によるペーストのスキージングが
行われ、且つ、前記オフコンタクト印刷モードと同様
に、上記スキージング工程と上記版離れ工程とが同時に
実行されて、該スキージングにより印刷を終えた部分の
マスクの版面が被印刷体の印刷面から離間されながら、
該マスクに形成された印刷パターンが被印刷体の印刷面
に印刷される。
【0043】請求項12の発明は、請求項3又は4記載
の印刷版を用いて印刷を行う印刷装置であって、上記シ
ート版に補給されたペーストをスキージングして、該シ
ート版に開口された印刷パターンによってペーストを被
印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、該シート版
の対向する2つの辺が取り付けられている各辺のシート
版取付部材を、個別に保持する取付部材保持手段と、該
スキージ手段によるスキージング時に、該取付部材保持
手段により個別に保持された少なくとも一方の辺のシー
ト版取付部材を、該シート版を撓ませず且つ伸張させな
いように移動させる取付部材移動手段とを有し、上記取
付部材保持手段により、被印刷体の印刷面と上記シート
版の版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませず且
つ伸張させないように、上記シート版取付部材を保持し
た状態で、上記スキージ手段によりペーストをスキージ
ングして、該シート版に形成された印刷パターンを被印
刷体の印刷面に印刷するモードを実行させる第1の印刷
モード制御手段と、上記取付部材保持手段により、上記
被印刷体の印刷面に対して上記シート版の版面の一部の
みがほぼ直線状に接触するように、該シート版を撓ませ
ず且つ伸張させずに、上記各辺のシート版取付部材を個
別に保持した状態で、上記スキージ手段で、被印刷体の
印刷面に対する該シート版の版面の接触位置を移動させ
ながらペーストをスキージングして、該シート版に形成
された印刷パターンを被印刷体の印刷面に印刷するモー
ドを実行させる第2の印刷モード制御手段と、上記取付
部材保持手段により、被印刷体の印刷面と該シート版の
版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませず且つ伸
張させないように、上記各辺のシート版取付部材を保持
した状態で、上記スキージ手段により、該シート版の上
記シート版取付け部材が取り付けられている一方の辺か
ら他方の辺に向けて、該シート版に補給されたペースト
をスキージングすると同時に、該ペーストのスキージン
グを終えた部分のシート版の版面と被印刷体の印刷面と
が離間するように、離間開始側のシート版取付部材を上
記取付部材移動手段で移動させながら、該シート版に形
成された印刷パターンを被印刷体の印刷面に印刷するモ
ードを実行させる第3の印刷モード制御手段と、上記第
1、第2、第3の各印刷モード制御手段により実行され
る各印刷モードのうちの何れか1つの印刷モードを選択
する印刷モード選択手段とを有するものである。
【0044】この印刷装置においては、上記印刷モード
選択手段によって、上記コンタクト印刷モード、オフコ
ンタクト印刷モード、コンタクトオフ印刷モードのうち
の何れか1つの印刷モードを選択することができる。こ
れにより、印刷版としての印刷マスク、シート版として
のマスク、被印刷体、ペースト等の種類や、該マスクに
形成された印刷パターンの違いに応じて、最適な印刷モ
ードを選択することができる。
【0045】請求項13の発明は、請求項6の印刷方法
において、上記被印刷体の印刷面と上記シート版の版面
との離間時に、該シート版の一端側から該版面を離間さ
せ、且つ、該離間動作による該版面の離間領域と接触領
域との境界部位の移動する速度を、少なくとも該シート
版の上記印刷パターンが形成されている領域で、シート
版の版面に対するペーストの粘着力よりも被印刷体の印
刷面に対するペーストの粘着力が上回る速度に制御する
ことを特徴とするものである。
【0046】この印刷方法においては、上記ペーストの
スキージング後、被印刷体の印刷面と上記シート版とし
てのマスクの版面とが、該マスクの一端側から離間され
る。また、該離間時に、該版面の離間領域と接触領域と
の境界部位の移動する速度が、少なくとも該マスクの上
記印刷パターンが形成されている領域、すなわち、該マ
スクの開口率が高い部分で、マスクの版面に対するペー
ストの粘着力よりも被印刷体の印刷面に対するペースト
の粘着力が上回る速度に制御される。ところで、請求項
8のコンタクトオフ印刷モードでは、コンタクト印刷モ
ードのメリットとオフコンタクト印刷モードのメリット
とを併せ持った品質の高い印刷を行うことができるが、
上記スキージング工程と上記版離れ工程とが同時に実行
されるため、スキージング速度によってマスクの版離れ
速度が決定される。しかし、ペーストの充填に最適なス
キージング速度と、マスクの最適な版離れ速度とは、必
ずしも一定の相関関係を有した速度にならない場合があ
る。このため、このような場合には、ペーストの充填に
適した速度でスキージングを行うとマスクの版離れ速度
が不適切になってペーストの抜け性が悪化したり、ペー
ストの版抜けに適した速度でスキージングを行うとペー
ストの充填性が悪化したりすることになる。これに対
し、この請求項13の印刷方法によれば、最適なスキー
ジング速度でペーストをスキージングすることができ、
且つ、マスクの版面と被印刷体の印刷面とを、マスクに
形成された印刷パターンに応じた最適な版離れ速度で、
該マスクの一端側から徐々に離間させることができる。
従って、この印刷方法においては、ペーストの充填性及
び抜け性が極めて良好となり、品質の一層高い印刷をす
ることができる。
【0047】請求項14の発明は、請求項13の印刷方
法において、上記版面の離間領域と接触領域との境界部
位の移動する速度を、一定の速度に設定したことを特徴
とするものである。
【0048】この印刷方法においては、上記版面の離間
領域と接触領域との境界部位の移動する速度が、一定の
速度に設定されているので、被印刷体の印刷面とマスク
の版面とが安定した速度で離間されるようになり、マス
クにスキージングされたペーストの抜け性が向上され
る。
【0049】請求項15の発明は、請求項13の印刷方
法において、上記版面の離間領域と接触領域との境界部
位の移動する速度を、上記シート版に形成された印刷パ
ターンの開口率に応じて設定することを特徴とするもの
である。
【0050】この印刷方法においては、上記版面の離間
領域と接触領域との境界部位の移動する速度が、上記シ
ート版としてのマスクに形成された印刷パターンの開口
率に応じて設定されるので、該開口率の違いによるペー
ストの抜け性への影響を少なくすることができる。
【0051】請求項16の発明は、請求項13、14又
は15の印刷方法を用いて被印刷体の印刷面に印刷パタ
ーンを印刷する印刷装置であって、上記版面の離間領域
と接触領域との境界部位の移動する速度を制御する版離
れ速度制御手段は、該印刷面に対して該版面が接触した
姿勢を維持するように、該版面を該印刷面側に押し付け
るための押し付け部材と、該版面の一端側から他端側に
向けて、該押し付け部材を移動させるための押し付け部
材移動手段と、該移動手段による該押し付け部材の移動
速度を制御する速度制御手段と、で構成されていること
を特徴とするものである。
【0052】この印刷装置においては、上記押し付け部
材により、上記被印刷体の印刷面に対してマスクの版面
が接触した姿勢を維持するように、該版面が該印刷面側
に押し付けられた状態で、上記押し付け部材移動手段に
より、該版面の一端側から他端側に向けて、該押し付け
部材が移動されることによって、被印刷体の印刷面とマ
スクの版面とが、該マスクの一端側から離間される。ま
た、該離間時に、該版面の離間領域と接触領域との境界
部位の移動する速度が、少なくとも該マスクの上記印刷
パターンが形成されている領域、例えば、該マスクの開
口率が高い部分で、マスクの版面に対するペーストの粘
着力よりも被印刷体の印刷面に対するペーストの粘着力
が上回る速度になるように、上記速度制御手段により、
該移動手段による該押し付け部材の移動速度が制御され
る。これにより、該マスクの版面と被印刷体の印刷面と
が、マスクに形成された印刷パターンに応じた最適な版
離れ速度で、該マスクの一端側から徐々に離間される。
【0053】請求項17の発明は、請求項16の印刷装
置において、上記押し付け部材は、上記シート版の版面
と反対側の面に当接して摺動するブレード状部材で構成
されていることを特徴とするものである。
【0054】この印刷装置においては、上記ブレード状
部材により、上記被印刷体の印刷面に対してシート版と
してのマスクの版面が接触した姿勢を維持するように、
該版面が該印刷面側に押し付けられた状態で、上記押し
付け部材移動手段により、該版面の一端側から他端側に
向けて、該ブレード状部材が摺動されることによって、
被印刷体の印刷面と印刷版の版面とが、該印刷版の一端
側から離間される。
【0055】請求項18の発明は、請求項17の印刷装
置において、上記押し付け部材としてのブレード状部材
は、上記ペーストをスキージングするためのスキージを
兼ねていることを特徴とするものである。
【0056】この印刷装置においては、上記押し付け部
材としてのブレード状部材が、上記ペーストをスキージ
ングするためのスキージを兼ねているので、構成が簡素
化される。
【0057】請求項19の発明は、請求項18の印刷装
置において、上記押し付け部材としてのブレード状部材
を移動させるための押し付け部材移動手段は、上記シー
ト版取付部材に取り付けられている側の上記シート版の
2つの辺とほぼ直交する方向に、該ブレード状の部材を
移動させるように構成されていることを特徴とするもの
である。
【0058】この印刷装置においては、上記押し付け部
材移動手段により、押し付け部材としてのブレード状部
材が、上記シート版取付部材に取り付けられている側の
上記シート版の2つの辺とほぼ直交する方向に移動され
るので、該ブレード状部材の移動によるシート版の位置
ズレがなく、品質の高い印刷が行える。
【0059】請求項20の発明は、請求項16の印刷装
置において、上記押し付け部材は、上記シート版の版面
と反対側の面に当接して回転移動するローラで構成され
ていることを特徴とするものである。
【0060】この印刷装置においては、上記ローラによ
り、上記被印刷体の印刷面に対して上記シート版として
のマスクの版面が接触した姿勢を維持するように、該版
面が該印刷面側に押し付けられた状態で、上記押し付け
部材移動手段により、該版面の一端側から他端側に向け
て、該ローラが回転移動されることによって、被印刷体
の印刷面と印刷版の版面とが、該印刷版の一端側から離
間される。これにより、上記押し付け部材をブレード状
部材で構成した場合のように、該マスクの版面と反対側
の面が押し付け部材によって摺擦されることがなくなる
ので、該マスクの摺擦によるダメージを解消することが
できる。
【0061】請求項21の発明は、請求項16の印刷装
置において、上記押し付け部材は、上記シート版の両側
縁部に沿って所定のピッチでほぼ平行に穿たれたスプロ
ケット孔に嵌合して回転移動する一対のスプロケットで
構成されていることを特徴とするものである。
【0062】この印刷装置においては、上記一対のスプ
ロケットにより、上記被印刷体の印刷面に対してマスク
の版面が接触した姿勢を維持するように、該版面が該印
刷面側に押し付けられた状態で、上記押し付け部材移動
手段により、該版面の一端側から他端側に向けて、該一
対のスプロケットが回転移動されることによって、被印
刷体の印刷面とマスクの版面とが、該マスクの一端側か
ら離間される。ここで、該一対のスプロケットは、該マ
スクの両側縁部に沿って所定のピッチでほぼ平行に穿た
れたスプロケット孔に嵌合して回転移動するので、該押
し付け部材をブレード状部材や上記ローラで構成した場
合のように、マスクの印刷パターン形成領域に押し付け
部材が当接することがないので、押し付け部材の当接に
よる該マスクのダメージを解消することができる。
【0063】請求項22の発明は、請求項17の印刷装
置において、上記押し付け部材は、上記シート版の両側
縁部に沿ってほぼ平行に貼付された一対の帯状のガイド
板の内側面に係合して回転移動する一対のコロで構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0064】この印刷装置においては、上記一対のコロ
により、上記被印刷体の印刷面に対してマスクの版面が
接触した姿勢を維持するように、該版面が該印刷面側に
押し付けられた状態で、上記押し付け部材移動手段によ
り、該版面の一端側から他端側に向けて、該一対のコロ
が回転移動されることによって、被印刷体の印刷面とマ
スクの版面とが、該マスクの一端側から離間される。こ
こで、該一対のコロは、該マスクの両側縁部に沿ってほ
ぼ平行に貼付された一対の帯状のガイド板の内側面に係
合して回転移動するので、該一対のコロがマスクの印刷
パターン形成領域に当接することがなく、該押し付け部
材の該マスクへの当接によるダメージを解消することが
できる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、前記バンプ印刷
を行うための印刷版としての印刷マスク、該印刷マスク
を製造するための印刷マスク材、及び、該印刷マスクを
用いた印刷方法及び印刷装置の実施形態について説明す
る。図1(a)に、本実施形態に係る印刷マスク材10
Aの概略斜視図を、図1(b)に、該印刷マスク材10
Aの概略側面図を示す。図1(a)、(b)に示す印刷
マスク材10Aは、ペーストを被印刷体に印刷するため
の印刷パターンが形成される前記シート版としてのマス
ク材2Aの対向する2つの辺のみに、印刷装置に対して
該マスク材2Aをほぼ平坦に保持して取り付けるための
従来のマスク取付枠1としての機能を果たす棒状に形成
された一対のマスク取付部材1A,1Bが、マスク材2
Aにテンションを付与しないように取り付けられて構成
されている。ここで、各マスク取付部材1A,1Bとマ
スク材2Aとは、図1(b)に示すように、例えば、前
記従来の印刷マスク材10Aと同様、マスク取付部材1
A,1Bのマスク固定面に塗布された2液エポキシなど
の接着剤5を介して互いに強固に取り付けれている。な
お、このマスク材2Aには従来の印刷マスクのようなテ
ンションが付与されないので、各マスク取付部材1A,
1Bとマスク材2Aとは、比較的粘着力の強い両面テー
プなどを用いて接着するようにしてもよい。
【0066】ここで、上述のように、マスク材2Aの2
つの対向辺のみにマスク取付部材のマスク取付部材1
A,1Bを取り付けた構成の印刷マスク材10Aでは、
マスク取付部材1A,1Bが取り付けられていない側の
他の2辺が、印刷の繰り返しによって破損したり伸びた
りする虞がある。そこで、本発明の印刷マスクとして
は、図2に示す印刷マスク材10Bのように、上記マス
ク取付部材1A,1Bが取り付けられていない側のマス
ク材2Aの他の2辺に、帯状の補強部材6が設けられて
いるものであることが望ましい。この補強部材6として
は、印刷の繰り返しによる上記マスク材2Aの破損や伸
びを防止できるものであれば、どのような素材で構成さ
れていてもよいが、後述するオフコンタクト印刷やコン
タクトオフ印刷を行う場合には、可撓性や弾性を有する
薄手のプラスチック板やステンレス版などのような素材
で構成することが好ましい。また、この補強部材6は、
印刷時におけるマスク材2Aと被印刷体との密着を阻害
しないようするために、マスク材2Aのペースト補給面
側(上面側)に設けることが好ましい(ただし、マスク
材2Aが被印刷体の印刷面よりも十分に大きな面積を有
していて、補強部材6が被印刷体から外れた位置に臨む
ような場合にはこの限りでない)。更に、マスク材2A
への補強部材6の取り付け方法としては、マスク材2A
に対して補強部材6を接着固定してもよく、あるいは、
補強部材6の側面にスリットを形成し、該スリットでマ
スク材2Aの各辺を挟み込むように保持して、補強部材
6の両端部を各マスク取付部材1A,1Bに固定するよ
うに構成してもよい。後者の取り付け方法によれば、後
述するオフコンタクト印刷やコンタクトオフ印刷を行う
際の補強部材6の湾曲によってマスク材2Aにストレス
がかかる不具合を解消することができる。この印刷マス
ク材10Bにおいては、上記補強部材6によって、マス
ク取付部材1A,1Bに取り付けられていない側のマス
ク材2Aの2辺の機械的強度が向上される。これによ
り、マスク取付部材1A,1Bに取り付けられていない
側のマスク材2Aの2辺が、印刷の繰り返しによって破
損したり伸びたりすることが少なくなり、印刷マスクの
寿命を延ばすことができる。
【0067】一方、図1及び図2に示した印刷マスク材
10A,10Bでは、従来のマスク取付枠1に相当する
部材として、互いに分離した2つのマスク取付部材1
A,1Bを使用しているが、本発明の印刷マスクは、図
11に示したような従来のマスク取付枠1と同様の矩形
状に一体形成されたマスク取付枠を使用して構成するこ
ともできる。図3に示す印刷マスク材10Cは、この矩
形状に一体形成されたマスク取付枠1を用いて構成した
ものである。すなわち、この印刷マスク材10Cは、マ
スク取付枠1の4つのマスク取付部材1A,1B,1
C,1Dのうちの対向する2つのマスク取付部材1A,
1Bに、上記マスク材2Aの対向する2つの辺を、マス
ク材2Aにテンションを付与しないように固定して、マ
スク取付枠1の2つのマスク取付部材1A,1Bのみで
マスク材2Aを支持するように構成されている。
【0068】また、本発明の印刷マスクのマスク取付部
材としては、図4に示す印刷マスク材10Dのマスク取
付枠1のように、上記印刷マスク材10ACのマスク取
付枠1の各マスク取付部材1A,1B,1C,1Dのう
ちの、マスク材2Aが取り付けられていない1つのマス
ク取付部材1Dを切除した構成の3つのマスク取付部材
1A,1B,1Cからなるコ字形状のものであってもよ
い。この印刷マスク材10Dは、上記印刷マスク材10
Cと同様、そのマスク取付枠1の3つのマスク取付部材
1A,1B,1Cのうちの対向する2つのマスク取付部
材1A,1Bに、上記マスク材2Aの対向する2つの辺
が、マスク材2Aにテンションを付与しないように固定
されて構成されている。なお、図3及び図4に示した印
刷マスク材10C,10Dを使用して、後述するオフコ
ンタクト印刷やコンタクトオフ印刷を行う場合には、例
えば、図5(a)に示すように、そのマスク取付枠1の
各マスク取付部材1A,1Bにマスク材2Aの両辺を取
り付ける際に、マスク材2Aを予め所定量だけ弛ませる
ように構成するか、あるいは、図5(b)に示すよう
に、マスク材2Aが取り付けられていない各マスク取付
部材1C,1Dを伸縮自在に構成しておく。
【0069】上述のように、本実施形態に係る印刷マス
ク材10A,10B,10C,10Dは、マスク取付部
材1A,1Bがマスク材2Aに取り付けられた状態で、
マスク材2Aにテンションが付与されない。従って、こ
の印刷マスク材10A,10B,10C,10Dにおい
ては、例えば、マスク材2Aに開口率の高い開口を形成
する時や、マスク材2Aに各マスク取付部材1A,1B
を取り付けるときなどに、前記従来の印刷マスクのよう
に各開口間のリブが伸ばされて各開口の寸法精度に狂い
が生じたり、各開口の中心位置に位置ズレが生じたりす
るということがない。また、これらの印刷マスク材10
A,10B,10C,10D用いて製造された印刷マス
クにおいては、被印刷体に印刷パターンを印刷する際
に、マスク材2A自体にテンションがかけられていない
ので、その各開口の形状や位置が経時的に歪んだりズレ
たりすることが少ないない。従って、これらの印刷マス
ク材10A,10B,10C,10Dでは、例えば、前
記プラズマディスプレイパネルのバリアリブを形成する
場合のように、同一の印刷パターンを繰り返し重ね印刷
しても、印刷パターンがずれたり歪んだりすることが少
なく、極めて高品質な印刷を実現できる。
【0070】更に、これらの印刷マスク材10A,10
B,10C,10Dは、以下に説明するようなコンタク
ト印刷、オフコンタクト印刷、コンタクトオフ印刷など
の各種の印刷を、1つの印刷マスクを用いて行うことが
できる。図6に、上記各種の印刷を行うための印刷装置
の主要部の構成を示す。以下、該印刷装置により、上記
印刷マスク材10Aにより製造された印刷マスク10を
用いて、被印刷体としてのウエハー30上にバンプを形
成する場合について説明する。なお、この印刷マスク1
0のマスク2には、ウエハー30に形成されるバンプの
配列や形状に見合った多数の開口からなる所定の印刷パ
ターンが予め形成されているものとする。
【0071】上記印刷装置は、上記印刷マスク10のマ
スク2に対してテンションを付与せず、且つ、マスク2
を撓ませないように、マスク2を被印刷体としてのウエ
ハー30に接触させる第1の保持位置と、マスク2をウ
エハー30から離間させる第2の保持位置との間で、印
刷マスク10の各マスク取付部材1A,1Bを移動自在
に個別に保持する取付部材保持手段としての一対のマス
ク取付部材保持アーム41A,41Bを備えている。こ
の印刷マスク10の各マスク取付部材1A,1Bには、
図1に示すように、上記各マスク取付部材保持アーム4
1A,41Bに各マスク取付部材1A,1Bを取り付け
るための取付穴1a,1bが設けられている。一方、各
マスク取付部材保持アーム41A,41Bには、該取付
穴1a,1bと対応する部位に、印刷マスク10の各マ
スク取付部材1A,1Bを保持するための長穴状に形成
された保持穴41a,41bが設けられている。この印
刷マスク10は、図6に示すように、ボルトやピンなど
からなる保持部材42が、各マスク取付部材1A,1B
の取付穴1a,1bを通して、上記各マスク取付部材保
持アーム41A,41Bの保持穴41a,41bに取り
付けられることによって、マスク2にテンションを付与
せず、且つ、マスク2を撓ませないように該印刷装置に
セットされる。
【0072】また、上記各マスク取付部材保持アーム4
1A,41Bには、上記第1の保持位置と第2の保持位
置との間で、マスク2にテンションを付与せず、且つ、
マスク2を撓ませないように、各マスク取付部材1A,
1Bを個別に移動させる取付部材移動手段50A,50
Bが配設されている。これらの取付部材移動手段50
A,50Bは、上記各マスク取付部材1A,1Bの長手
方向(Y軸方向)に対して直交するX軸方向にほぼ沿う
ように回転自在に配設された進退用ボールネジ51A,
51Bと、Z軸方向にほぼ沿うように回転自在に配設さ
れた昇降用ボールネジ52A,52Bと、進退用ボール
ネジ51A,51B及び昇降用ボールネジ52A,52
Bの回転によってX軸方向及びZ軸方向に移動される移
動体53A,53Bと、この進退用ボールネジ51A,
51B及び昇降用ボールネジ52A,52Bを個別に回
転駆動するため図示しない複数個の駆動モータ等で構成
されている。ここで、進退用ボールネジ51A,51B
の軸受け部は、昇降用ボールネジ52A,52Bの回転
による移動体53A,53Bの昇降動作に追従するよう
に、Z軸方向に沿って移動自在に構成されている。ま
た、昇降用ボールネジ52A,52Bの軸受け部は、進
退用ボールネジ51A,51Bの回転による移動体53
A,53Bの進退動作に追従するように、X軸方向に沿
って移動自在に構成されている。昇降自在に構成されて
いる。
【0073】更に、該印刷装置の上記印刷マスク10が
セットされる部位の、マスク2の上面と対応する部位に
は、マスク2の上面に沿ってX軸方向に往復移動される
スキージ7が配設されている。また、上記被印刷体とし
てのウエハー30は、その印刷面30aが、印刷マスク
10のマスク2を挟んで、スキージ7の往復経路に対向
し、且つ、マスク2の版面(下面)に対してほぼ平行と
なるように、図示しない載置盤上にセットされる。
【0074】また、上記印刷装置は、上記コンタクト印
刷を行うコンタクト印刷モードと、上記オフコンタクト
印刷を行うオフコンタクト印刷モードと、上記コンタク
トオフ印刷を行うコンタクトオフ印刷モードとの何れか
1つの印刷モードを選択する印刷モード選択手段として
の図示しない印刷モード切換スイッチを備えている。そ
して、該印刷モード切換スイッチの操作により1つの印
刷モードが選択されることによって、この印刷装置の図
示しない制御部のメモリに予め記憶されている上記の各
印刷モードを実行するための各プログラムのうちの、該
当する印刷モードのプログラムが該メモリから該制御部
のCPUに呼び出されて、該プログラムに従って所定の
印刷モードが実行されるように構成されている。
【0075】ここで、上記印刷モード切換スイッチによ
って、上記コンタクト印刷モードが選択されると、ま
ず、上記取付部材移動手段50A,50Bの昇降用ボー
ルネジ52A,52Bの回転により、各移動体53A,
53Bが下降して、図7(a)に示すように、上記マス
ク取付部材保持アーム41A,41Bに保持された印刷
マスク10の各マスク取付部材1A,1Bが、印刷マス
ク10のマスク2がウエハー30の印刷面30aに接触
する前記第1の保持位置まで下降される。このとき、マ
スク2に対してテンションが付与されないようにすべ
く、取付部材移動手段50A,50Bの進退用ボールネ
ジ51A,51Bも適宜回転して、各移動体53A,5
3BがX軸方向に沿って個別に移動される。なお、マス
ク2に対してテンションが付与されないように各移動体
53A,53BをX軸方向に沿って個別に移動する制御
は、例えば、移動体53A,53Bの駆動系にトルクセ
ンサを配置し、該トルクセンサの出力の有無等に基づい
て前記各駆動モータを個別にオン/オフすることによっ
て達成できる。
【0076】次いで、上記動作により該マスク2がウエ
ハー30の印刷面30aに接触した状態で、上記スキー
ジ7がX軸方向に沿って移動して、図示しないペースト
補給装置によりマスク2上に補給されたペーストがスキ
ージングされ、マスク2の各開口内にペースト8が充填
される。そして、このスキージ7によるペースト8のス
キージングが終了すると、上記取付部材移動手段50
A,50Bの昇降用ボールネジ52A,52Bが、上記
下降時とは反対の方向に回転する。これにより、各移動
体53A,53Bが上昇して、図7(b)に示すよう
に、上記マスク取付部材保持アーム41A,41Bに保
持された印刷マスク10の各マスク取付部材1A,1B
が、前記第2の保持位置まで上昇され、印刷マスク10
のマスク2がウエハー30の印刷面30aから離間され
る。
【0077】なお、このとき、印刷マスク10のマスク
2をウエハー30の印刷面30aから急速に離間する
と、マスク2の印刷面30aからの版離れ速度が速くな
るため、マスク2の開口に充填されたペースト8の該印
刷面30aへのタッキング(粘着)が不十分となって、
ペースト8の印刷性が悪化することがある。従って、印
刷マスク10のマスク2をウエハー30の印刷面30a
から離間する際には、マスク2の該印刷面30aからの
版離れ速度を、マスク2の開口に充填されたペースト8
の印刷面30aへのタッキング(粘着)が十分に促進さ
れるような速度に設定することが望ましい。
【0078】このようにして、印刷マスク10のマスク
2がウエハー30の印刷面30aから離間されことによ
り、マスク2に形成された印刷パターンがウエハー30
の印刷面30aにコンタクト印刷される。このコンタク
ト印刷では、上述のように、上記マスク2がウエハー3
0の印刷面30aに接触したままの状態でペースト8の
印刷が行われる。従って、ウエハー30とマスク2とが
コンタクトしたままの状態で、スキージングによりペー
スト8の充填が行われるので、このスキージング工程の
ペースト充填時におけるペースト滲み出しの原因である
隙間の発生を防止することができ、且つ、ペースト8の
スキージングをペースト8の充填に最適な速度で行うこ
とができる。また、ウエハー30の印刷面30aからの
マスク2の版離れ速度や版離れタイミングをバラツキな
く最適に保つことができるようにコントロールすること
によって、ウエハー30の印刷面30aに対してペース
ト8を確実にタッキングさせることができるので、マス
ク2からのペースト8の抜け性も良好になる。
【0079】次に、上記印刷モード切換スイッチによっ
て、上記オフコンタクト印刷モードが選択された場合に
ついて説明する。オフコンタクト印刷モードが選択され
ると、まず、図8(a)に示すように、上記取付部材移
動手段50A,50Bの昇降用ボールネジ52A,52
Bの回転により、各移動体53A,53Bが昇降され
て、上記印刷マスク10のマスク2がウエハー30の印
刷面30aから所定距離だけ離間した位置に臨むよう
に、上記マスク取付部材保持アーム41A,41Bに保
持された印刷マスク10の各マスク取付部材1A,1B
が移動される。
【0080】次いで、上述のように、マスク2がウエハ
ー30の印刷面30aから所定距離だけ離間した位置に
臨んだ状態で、上記スキージ7が下降し、スキージ7に
よって、マスク2がウエハー30の印刷面30a側へ押
圧されて該印刷面30aにマスク2の下面が接触しなが
ら、マスク2上に補給されたペースト8がスキージング
される。このとき、スキージ7がマスク2の上面を押圧
することによって、マスク2に対して撓みが生じたりテ
ンションが付与されないようにするために、前記コンタ
クト印刷の場合と同様に、取付部材移動手段50A,5
0Bの進退用ボールネジ51A,51Bが適宜回転し
て、図8(b)に示すように、各移動体53A,53B
がX軸方向に沿って個別に制御移動される。
【0081】そして、上記スキージ7によるペースト8
のスキージングが終了すると、上記取付部材移動手段5
0A,50Bの昇降用ボールネジ52A,52Bが、上
記スキージング時とは反対の方向に回転する。これによ
り、各移動体53A,53Bが初期位置に復帰されて、
マスク2に形成された印刷パターンがウエハー30の印
刷面30aにオフコンタクト印刷される。
【0082】ところで、前記コンタクト印刷モードの版
離れ工程においては、被ウエハー30の印刷面30aか
らマスク2の版面2gの全面を一気に離間させるように
している。このため、該コンタクト印刷モードでは、ペ
ースト8の印刷面30aに対する粘着力やマスク2に対
するズリ応力によって、該離間時に該版面2gの周辺部
が先に離間してマスク2が湾曲し、その後、該版面2g
の中央部が跳ね上がるようにして離間することがある。
従って、該コンタクト印刷モードでは、マスク2の版離
れ速度を、ペースト8の抜け性が良好となるようなほぼ
一定の速度にコントロールすることが難しい。
【0083】すなわち、図7に示したコンタクト印刷モ
ードの版離れ工程においては、図7(b)に示したよう
に、ウエハー30と印刷マスク10との離間動作によ
り、マスク2の版面2gが被印刷体としてのウエハー3
0の印刷面30aに対してほぼ直交した方向に向けて一
気に離間される。このため、このコンタクト印刷モード
においては、その版離れ工程におけるウエハー30と印
刷マスク10との版離れ速度を適正な速度になるように
設定しておいても、マスク2に形成された開口2aの開
口率、及び、マスク2の厚さや大きさなどの違いによ
り、マスク2の周辺部が離間される速度と中央部が離間
される速度との間に差が生じて、ペースト8の抜け性が
悪化することがある。
【0084】つまり、マスク2に形成された開口2aの
開口率は必ずしも均一ではなく、該開口2aの形状や外
径及び形成箇所も、印刷パターンに応じて様々に変化す
る。また、マスク2の開口2aに充填されたペースト8
のタッキング力によるウエハー30の印刷面30aとマ
スク2の版面2gとの密着力は、該開口2aの形状や外
径及び形成箇所によっても異なるが、通常、該マスク2
の開口2aの開口率が高い部分では比較的強く、該開口
率が低い部分では比較的弱くなる。このため、例えば、
マスク2の中央部に開口2aの開口率が高い部分が存在
する場合、つまり、マスク2の中央部に印刷パターンが
密集して形成されている場合には、印刷面30aに対す
るマスク2の中央部の粘着力が、該マスク2の周辺部の
粘着力よりも高くなる。このようなマスク2の場合に
は、上記版離れ工程の初期の状態で、例えば、図21に
示すように、マスク2の周辺部がウエハー30の印刷面
30aから先に離間され、該マスク2の中央部が印刷面
30aに粘着したままとなって、マスク2が湾曲される
ことがある。そして、ウエハー30と印刷マスク10と
が更に離間されることによって、ウエハー30の印刷面
30aとマスク2の版面2gとが、図21に実線で示す
ように湾曲した状態から鎖線で示すような平面状態に一
気に離間される。なお、上述のようなマスク2の湾曲
は、マスク2の厚さが薄くなるほど大きくなる傾向を有
している。また、マスク2が印刷面30aに強く粘着す
る部位は、マスク2の中央部とは限らず、マスク2のど
の位置に印刷パターンが形成されているかによって異な
る。
【0085】従って、上記コンタクト印刷モードにおい
ては、その版離れ工程におけるウエハー30と印刷マス
ク10との版離れ速度を適正な速度になるように設定し
ておいても、ウエハー30の印刷面30aとマスク2の
版面2gとが、図21に実線で示すように湾曲した状態
から鎖線で示すような平面状態に一気に離間される過程
で、マスク2の版面2gと印刷面30aとの版離れ速度
が瞬時に上昇されてしまう。このため、この版離れ速度
の瞬間的な上昇によって、マスク2の版面2gが印刷面
30aから急激に離間され、該マスク2の開口2aの内
壁面の物理的な凹凸によるペースト8の抜け阻止力、及
び、該マスク2の開口2aの内壁面に対するペースト8
の粘着によるペースト8の抜け阻止力(ズリ応力)との
和が、ペースト8が印刷面30aに粘着(タッキング)
する粘着力(タッキング力)に打ち勝って、マスク2の
開口2aに充填されたペースト8の抜け性が悪化して印
刷不良が発生することがある。
【0086】これに対し、上記オフコンタクト印刷モー
ドでは、ウエハー30の印刷面30aに対するマスク2
の接触位置を移動させながらペースト8のスキージング
が行われると同時に、ウエハー30の印刷面30aから
マスク2の版面2gが離間される。従って、このオフコ
ンタクト印刷モードでは、ペースト8のスキージング速
度によって、マスク2の版離れ速度を、ペースト8の抜
け性が良好となるような速度にコントロールすることが
できる。また、このオフコンタクト印刷モードでは、上
記スキージング工程と上記版離れ工程とが同時に実行さ
れるので、印刷工程を少なくすることができ、印刷に要
する時間を短縮できる。なお、このオフコンタクト印刷
においては、上記スキージングの速度によって、印刷マ
スク10のマスク2のウエハー30の印刷面30aから
の版離れ速度が決定される。従って、該スキージングの
速度は、マスク2の開口に充填されたペースト8の印刷
面30aへのタッキング(粘着)が十分に促進されるよ
うな速度に設定することが望ましい。
【0087】次に、上記印刷モード切換スイッチによっ
て、上記コンタクトオフ印刷モードが選択された場合に
ついて説明する。コンタクトオフ印刷モードが選択され
ると、まず、前記コンタクト印刷モードの場合と同様
に、上記取付部材移動手段50A,50Bの昇降用ボー
ルネジ52A,52Bの回転により、各移動体53A,
53Bが下降して、図7(a)に示したように、上記マ
スク取付部材保持アーム41A,41Bに保持された印
刷マスク10の各マスク取付部材1A,1Bが、印刷マ
スク10のマスク2の下面が、ウエハー30の印刷面3
0aに接触する前記第1の保持位置まで下降される。
【0088】次いで、上述のように、マスク2の下面が
ウエハー30の印刷面30aに接触した状態で、上記ス
キージ7が下降し、該スキージ7によって、マスク2が
ウエハー30の印刷面30a側へ押圧されて印刷面30
aにマスク2の下面が接触しながら、マスク2上に補給
されたペースト8がスキージングされる。また、スキー
ジ7によるペースト8のスキージング動作に追従して、
上記取付部材移動手段50Aの昇降用ボールネジ52A
の回転により、一方の移動体53Aのみが徐々に上昇さ
れる。これにより、図9(a)に示すように、前記マス
ク取付部材保持アーム41Aによって保持された印刷開
始側のマスク取付部材1Aのみが上昇して、スキージン
グを終えた部分のマスク2が、ウエハー30の印刷面3
0aから離間した位置に離間される。
【0089】なお、上記マスク取付部材保持アーム41
Aによって保持された印刷開始側のマスク取付部材1A
が上昇するときに、印刷マスク10のマスク2に対して
撓みが生じたりテンションが付与されないようにするた
めに、該取付部材移動手段50Aの進退用ボールネジ5
1Aが適宜回転して、移動体53AがX軸方向に沿って
個別に制御移動される。これにより、図9(b)に示す
ように、マスク取付部材保持アーム41Aによって保持
された印刷開始側のマスク取付部材1Aのみが、マスク
2に撓みを生じさせたりマスク2に対してテンションを
付与したりしない位置に移動される。これにより、マス
ク2に形成された印刷パターンが、ウエハー30の印刷
面30aにコンタクトオフ印刷される。
【0090】ところで、前記オフコンタクト印刷モード
では、ペースト8のスキージング速度によって、マスク
2の版離れ速度を、ペースト8の抜け性が良好となるよ
うな速度にコントロールすることができるが、ウエハー
30の印刷面30aに対してマスク2の版面2gの一部
のみが接触し、スキージング方向の下流側が離間した状
態で、ペースト8のスキージングが行われるため、この
スキージング工程のペースト充填時におけるペースト滲
み出しの原因である隙間の発生を防止することが難し
い。
【0091】これに対し、上記コンタクトオフ印刷モー
ドでは、図9(b)から明らかなように、スキージ7と
マスク2との接点を境として、右側のマスク部分では上
記コンタクト印刷が行われ、左側のマスク部分では上記
オフコンタクト印刷が行われる。
【0092】従って、このコンタクトオフ印刷モードに
おいては、前記コンタクト印刷モードと同様に、上記マ
スク2の版面2gとウエハー30の印刷面30aとが接
触したままの状態、つまり、ウエハー30とマスク2と
がコンタクトしたままの状態で、スキージングによりペ
ースト8の充填が行われるので、このスキージング工程
のペースト充填時におけるペースト滲み出しの原因であ
る隙間の発生を防止することができる。
【0093】また、このコンタクトオフ印刷モードで
は、ペースト8がスキージングされると同時に、該ペー
スト8のスキージングを終えた部分のマスク2の版面2
gがウエハー30の印刷面30aから離間されるので、
前記オフコンタクト印刷モードと同様に、スキージング
速度によって、マスク2の版離れ速度を、ペースト2の
抜け性が良好となるような速度にコントロールすること
ができる。
【0094】更に、このコンタクトオフ印刷モードで
は、上記スキージング工程と上記版離れ工程とが同時に
実行されるので、印刷工程を少なくすることができ、印
刷に要する時間を短縮できる。また、ウエハー30の印
刷面30aとマスク2の版面2gとの版離れ速度や版離
れタイミングをバラツキなく最適に保つことができるよ
うにコントロールすることによって、ウエハーの印刷面
30aに対してペースト8を確実に粘着(タッキング)
させることができるので、マスク2の各開口2aからの
ペースト8の抜け性が良好になる。従って、このコンタ
クトオフ印刷モードでは、コンタクト印刷モードのメリ
ットとオフコンタクト印刷モードのメリットとを併せ持
った品質の高い印刷を行うことができる。
【0095】図19に、上記スキージングにより、マス
ク2の開口2aにペースト8が充填されるメカニズムを
示す。図19において、マスク2に当接したスキージ7
が矢印方向に移動すると、マスク2上に補給されたペー
スト8が、スキージ7に押されるようにして同方向に移
動される。このペースト8の移動により、スキージ7の
移動方向下流側のマスク2の開口2aのエッジ2cによ
って該ペースト8が削られることにより、ペースト8が
マスク2の開口2aに掻き落とされるようにして充填さ
れる。
【0096】このスキージング工程においては、スキー
ジ7によるペースト8のスキージング速度が、マスク2
の開口2aへのペースト8の充填状態の良否に影響を及
ぼすことが知られている。すなわち、該スキージング速
度があまり遅かったり速かったりすると、開口2aに掻
き落とされるペースト量が多くなってマスク2の版面2
g側の開口周縁部にペースト8が滲み出したり、開口2
aに掻き落とされるペースト量が少なくなってマスク2
の開口2aへのペースト8の充填量が不充分になること
がある。従って、ペースト8のスキージング工程におい
ては、マスク2の開口2aのエッジ2cによってペース
ト8が確実に削られるようなスキージング速度となるよ
うに、スキージ7の移動速度を設定しておくことが望ま
しい。
【0097】図20に、上記印刷版10の印刷面30a
からの離間時においてマスク2の開口2aに充填された
ペースト8が被印刷体としてのウエハー30の印刷面3
0aに転移されるメカニズムを示す。図20において、
マスク2の開口2aに充填されたペースト8が、マスク
2の版面2gと印刷面30aとの接触により、該印刷面
30aに粘着(タッキング)される。この後、該印刷面
30aと該版面2gとが離間されることにより、ペース
ト8がマスク2の開口2aから抜け出して印刷面30a
側に転移される。
【0098】ここで、マスク2の開口2aに充填された
ペースト8の抜け性の良否、つまり、ペースト8がマス
ク2の開口2aからスムーズに抜け出すか否かは、ペー
スト8の印刷面30aに粘着(タッキング)する粘着力
(タッキング力)と、マスク2の開口2aの内壁面の物
理的な凹凸によるペースト8の抜け阻止力、及び、マス
ク2の開口2aの内壁面に対するペースト8の粘着によ
るペースト8の抜け阻止力(ズリ応力)との力関係によ
って決定される。なお、該ズリ応力は、マスク2の開口
2aの内壁面に対するペースト8の滑り速度の2乗に比
例することが知られている。
【0099】従って、この印刷版10の印刷面30aか
らの版離れ工程においては、マスク2の開口2aに充填
されたペースト8の抜け性を向上させるために、被印刷
体としてのウエハー30の印刷面30aとマスク2の版
面2gとが離間する速度(版離れ速度)を、マスク2の
開口2aの内壁面に対するペースト8の粘着によるペー
スト8のズリ応力をできるだけ小さくできるような速度
に設定しておくことが望ましい。なお、上記スキージ7
の適切な移動速度は、使用されるペースト8の粘度やス
キージ7の材質等によって、また、上記印刷版10と印
刷面30aと適切な版離れ速度は、使用されるペースト
8の粘度やマスク2の材質等によって異なった速度とな
る。
【0100】ところで、上述のように、上記コンタクト
オフ印刷モードでは、コンタクト印刷モードのメリット
とオフコンタクト印刷モードのメリットとを併せ持った
品質の高い印刷を行うことができるが、上記スキージン
グ工程と上記版離れ工程とが同時に実行されるため、ペ
ースト8のスキージング速度によってマスク2の版離れ
速度が決定される。しかし、図19及び図20を参照し
て説明したように、ペースト8の充填に最適なスキージ
ング速度と、マスク2の最適な版離れ速度とは、必ずし
も一定の相関関係を有した速度にならない場合がある。
このため、このような場合には、ペースト8の充填に適
した速度でスキージングを行うとマスク2の版離れ速度
が不適切になってペースト8の抜け性が悪化したり、ペ
ースト8の版抜けに適した速度でスキージングを行うと
ペースト8の充填性が悪化したりすることになる。
【0101】このような問題を解決するための印刷方法
を以下に示す。この印刷方法における印刷工程は、図2
2(a)に示すペースト分配工程と、図22(b)に示
すスキージング工程と、図22(c)に示す版離れ工程
とからなっている。
【0102】図22(a)に示すペースト分配工程にお
いては、まず、例えば、被印刷体としてのウエハー30
の印刷面30aに、マスク2の版面2gが当接するよう
に、印刷マスク10のマスク取付部材1A,1Bを保持
する。次いで、このように保持されたマスク2の版面2
gと反対側の面(ここでは上面)上に、印刷に必要な所
定量のペースト8を補給する。その後、ゴム板等で構成
された分配ブレード60を、該マスク2の上面に沿って
移動させる。これにより、マスク2の上面上に補給され
たペースト8が、ほぼ一様な厚みにならされてマスク2
上に分配される。
【0103】図22(b)に示すスキージング工程にお
いては、板状のウレタンブレードなどからなるスキージ
70を上記マスク2の上面に当接させ、この状態で、該
スキージ70を、マスク2の一端側から他端側に向けて
移動させる。これにより、上記ペースト分配工程におい
てマスク2上に分配されたペースト8が、スキージ70
によってスキージングされて、該マスク2に形成された
開口2aに充填される。そして、マスク2の開口2aに
充填されたペースト8が、該開口2aを通してウエハー
30の印刷面30aに密着して粘着(タッキング)され
る。このスキージング工程におけるスキージ70の移動
速度は、スキージ速度制御手段100によってコントロ
ールされる。このスキージ速度制御手段100は、例え
ば、スキージ70を所定の移動方に沿って往復移動させ
るスキージ駆動機構としてのボールネジやタイミングベ
ルトを駆動する駆動モータ(不図示)の回転数を制御し
て、該スキージ7の移動速度を変化させることができる
ように構成されている。
【0104】図22(c)に示す版離れ工程において
は、まず、マスク2の版面2gを被印刷体としてのウエ
ハー30の印刷面30a側に押し付けるためのブレード
状の部材からなる押し付け部材80を、該マスク2の一
端側(ここでは左端側)の上面に当接させる。次いで、
印刷マスク10の一端側(左端側)のマスク取付部材1
Aを上昇させるとともに、マスク2の一端側から他端側
に向けて押し付け部材80を所定の速度で移動する。こ
れにより、押し付け部材80により押し付けられた部位
を境として、押し付け部材80の移動方向上流側領域の
マスク2の版面2gが、押し付け部材80の移動に伴っ
て印刷面30aから順次離間される。また、押し付け部
材80により押し付けられた部位を境として、押し付け
部材80の移動方向下流側領域のマスク2の版面2g
は、ウエハー30の印刷面30aに対して接触した姿勢
が維持される。この結果、上記スキージング工程におい
てマスク2の開口2aに充填されてウエハー30の印刷
面30aに粘着(タッキング)された状態のペースト8
が、該ペースト8の粘着力(タッキング力)によりマス
ク2の開口2aから抜け出して、ウエハー30の印刷面
30a側に転移される。この版離れ工程における押し付
け部材80移動速度は、版離れ速度制御手段200によ
ってコントロールされる。この版離れ速度制御手段20
0は、例えば、押し付け部材80を所定の移動方に移動
させる押し付け部材駆動機構としてのボールネジやタイ
ミングベルトを駆動する駆動モータ(不図示)の回転数
を制御して、該押し付け部材80の移動速度を変化させ
ることができるように構成されている。
【0105】そこで、この印刷方法においては、スキー
ジ70の移動速度が、マスク2の開口2aへのペースト
8の充填に最適な速度となるように、上記スキージ速度
制御手段100によりスキージ70の移動速度を変化さ
せる。これにより、マスク2の開口2aのエッジ2cに
よってペースト8が効率よく削られるようになって、該
マスク2の開口2aに適切な量のペースト8が十分に充
填されるようになる。
【0106】一方、上記版離れ工程においては、マスク
2の開口2aに充填されたペースト8の抜け性を向上さ
せるために、該マスク2の開口2aの内壁面に対するペ
ースト8の粘着によるペースト8のズリ応力ができるだ
け小さくなるように、ウエハー30の印刷面30aから
のマスク2の版面2gの版離れ速度を設定する。このウ
エハー30の印刷面30aからのマスク2の版面2gの
版離れ速度は、押し付け部材80の移動速度を変化させ
ることによって、適切な速度に設定することが可能とな
る。すなわち、図22(c)において、押し付け部材8
0の移動速度が変化すると、ウエハー30の印刷面30
aとマスク2の版面2gとの版離れ時における版面2g
の離間領域(該押し付け部材80により押し付けられた
部位を境とする該押し付け部材80の移動方向上流側の
領域)と、版面2gの接触領域(該押し付け部材80に
より押し付けられた部位を境とする該押し付け部材80
の移動方向下流側の領域)との境界部位(図22(c)
のP点)の移動する速度が変化する。そして、このP点
の移動する速度をコントロールすることによって、ウエ
ハー30の印刷面30aからマスク2の版面2gが離間
する速度(上記版離れ速度)が変化する。
【0107】そこで、この印刷方法においては、マスク
2の開口2aの内壁面の物理的な凹凸によるペースト8
の抜け阻止力、及び、マスク2の開口2aの内壁面に対
するペースト8の粘着によるペースト8の抜け阻止力
(ズリ応力)との和よりも、ペースト8が印刷面30a
に粘着(タッキング)する粘着力(タッキング力)が大
きくなるように、上記版離れ速度制御手段200により
押し付け部材80の移動速度を変化させて、ウエハー3
0の印刷面30aからのマスク2の版面2gの版離れ速
度を制御する。ここで、上記版離れ速度制御手段200
は、少なくともマスク2の印刷パターンが形成されてい
る領域で、上記版離れ速度が適正な速度になるように、
押し付け部材80の移動速度を変化させる。これによ
り、マスク2の版面2gがウエハー30の印刷面30a
から急激に離間されることがなくなり、印刷面30aへ
のペースト8の粘着力(タッキング力)が、マスク2の
開口2aに充填されたペースト8の抜け阻止力に打ち勝
って、ペースト8のマスク2の開口2aからの抜け性が
向上される。
【0108】ここで、上記マスク2の版面2gの離間領
域と接触領域との境界部位(P点)の移動する速度は、
一定の速度に設定することが好ましい。すなわち、該P
点の移動する速度を、一定の速度に設定することによ
り、ウエハー30の印刷面30aとマスク2の版面2g
とが急速に離間されることがなくなり、マスク2にスキ
ージングされたペースト8の抜け性の悪化を解消するこ
とができる。また、該P点の移動する速度は、マスク2
に形成された開口2aの開口率に応じて設定することが
好ましい。すなわち、該P点の移動する速度を、マスク
2に形成された開口2aの開口率に応じて設定すること
により、マスク2に形成された開口2aの開口率の違い
による抜け性への影響を少なくすることができる。
【0109】一方、図22(a)に示すペースト分配工
程で用いられる分配ブレード60と、図22(b)に示
すスキージング工程で用いられるスキージ70と、図2
2(c)に示す版離れ工程で用いられる押し付け部材8
0とは、それぞれ共通した動作を有している。そこで、
この印刷方法においては、例えば、図23に示すよう
に、所定の角度分ずつ回転可能に構成され、且つ、上記
マスク2の上面に沿って往復移動自在に構成されたブレ
ード支軸90に、上記分配ブレード60、スキージ7
0、及び、押し付け部材80を配設し、各工程毎に該ブ
レード支軸90を所定の角度分ずつ回転して、分配ブレ
ード60、スキージ70及び押し付け部材80を、各工
程に応じた部位に臨ませるように構成してもよい。ま
た、これらの分配ブレード60、スキージ70及び押し
付け部材80としては、1個のブレード部材を、各工程
に応じて3通りに機能させるように構成したものであっ
てもよい。更に、上記マスク2上へのペースト8の分配
と、及び、該マスク2の開口2aへのペースト8の充填
とを、上記スキージング工程において一括して行える場
合、例えば、マスク2上に補給するペースト8の必要量
が比較的少ない場合などには、上記ペースト分配工程は
省略してもよい。
【0110】また、上記押し付け部材80としてのブレ
ード状部材は、上記マスク取付部材1A,1Bに取り付
けられている側のマスク2の2つの辺とほぼ直交する方
向に、移動されるように構成されていることが望まし
い。これにより、押し付け部材80としてのブレード状
部材が、上記マスク取付部材1A,1Bに取り付けられ
ている側のマスク2の2つの辺とほぼ直交する方向に移
動されるので、該ブレード状部材の移動によるマスク2
の位置ズレがなくなり、品質の高い印刷が行えるように
なる。
【0111】また、上記版離れ工程で用いられる押し付
け部材80は、図22(c)に示したようなブレード状
の部材である必要はなく、上記マスク2の版面2gをウ
エハー30の印刷面30a側に押し付けることができる
部材であればどのようなものであってもよい。従って、
この押し付け部材80としては、例えば、図24に示す
ように、上記マスク2の上面に当接して回転するローラ
80Aであってもよい。このように、押し付け部材80
としてローラ80Aを用いた場合には、該押し付け部材
80をブレード状の部材で構成した場合のようにマスク
2の上面が押し付け部材80によって摺擦されることが
なくなるので、マスク2の摺擦によるダメージを解消す
ることができる。
【0112】また、上記押し付け部材80としては、例
えば、図25に示すように、上記マスク2の両側縁部に
沿って所定のピッチでほぼ平行に穿たれたスプロケット
孔2dに嵌合して回転移動する一対のスプロケット80
Bであってもよい。このように、押し付け部材80とし
て一対のスプロケット80Bを用いた場合には、該押し
付け部材80をブレード状の部材や上記ローラ80Aで
構成した場合のように、マスク2の印刷パターン形成領
域に押し付け部材80が当接することがないので、押し
付け部材80の当接によるマスク2のダメージを解消す
ることができる。
【0113】更に、上記押し付け部材80としては、例
えば、図26に示すように、上記マスク2の両側縁部に
沿ってほぼ平行に貼付された一対の帯状のガイド板2f
の内側面に係合して回転移動する一対のコロ80Cであ
ってもよい。このように、押し付け部材80として一対
のコロ80Cを用いた場合には、該一対のコロ80Cが
マスク2の印刷パターン形成領域に当接することがな
く、該押し付け部材80の該マスク2への当接によるダ
メージを解消することができる。
【0114】なお、前記印刷装置においては、図6に示
したように、図示しない載置盤上にセットされた被印刷
体としてのウエハー30に対して印刷マスク10を昇降
させて、該ウエハー30の印刷面30aとマスク2の版
面とを接離させるように構成されているが、上記載置盤
を昇降自在に構成し、該印刷マスク10に対してウエハ
ー30を接離させるようにしてもよい。これにより、前
記昇降用ボールネジ52A,52Bのうちの少なくとも
一方を省略することができる。また、この印刷装置にお
いては、例えば、図27(a)乃至(d)に示すよう
に、1つのブレード部材21を左右に往復移動させるこ
とにより、図22(a)に示したペースト分配工程(図
27(a))と、図22(b)に示したスキージング工
程(図27(b))と、図22(c)に示した版離れ工
程上記上記スキージング工程(図27(c)、(d))
を実行するようにしてもよい。また、この場合には、図
27(b)に示すように、上記ブレード部材300を右
端側から左端側に復帰移動させる際に、上記取付部材移
動手段50Bの昇降用ボールネジ52Bを、上記下降時
とは反対の方向に回転し、移動体53Bが上昇させて、
上記マスク取付部材保持アーム41Bに保持された印刷
マスク10Bの一方のマスク取付部材1Bを、前記第2
の保持位置まで上昇させながら、上記版離れ工程を実行
することが好ましい。これにより、該ブレード部材30
0を一往復させるだけで上記スキージング工程と上記版
離れ工程とを実行させることができるので、印刷速度を
向上させることができる。
【0115】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、シート
版取付部材としてのマスク取付枠に上記シート版材とし
てのマスク材を取り付ける際に、該マスク材にテンショ
ンを付与する必要がないので、マスク取付枠に該マスク
材をテンショナーを使用せずに容易に取り付けることが
でき、安価な印刷版材(印刷マスク材)の量産が可能に
なるという優れた効果がある。
【0116】特に、請求項2の発明によれば、補強部材
によって、マスク取付部材としてのマスク取付枠に取り
付けられていない側のシート版材としてのマスク材の2
つの辺の機械的強度を向上できるという優れた効果があ
る。
【0117】請求項3及び4の発明によれば、シート版
取付部材としてのマスク取付枠にシート版としてのマス
クが取り付けられた状態で、該マスクにテンションが付
与されていないので、例えば、該マスクに開口率の高い
開口が形成されている場合や、該マスク取付枠にマスク
が取り付けられるときなどに、各開口間のリブが伸ばさ
れて各開口の寸法精度に狂いが生じたり、各開口の位置
ズレが生じたりするということがない。また、請求5の
印刷方法に適した印刷版(印刷マスク)として用いるこ
とができるという優れた効果がある。
【0118】特に、請求項4の発明によれば、補強部材
によって、上記マスク取付部材に取り付けられていない
側の上記マスクの2つの辺の機械的強度が向上されるの
で、マスク取付部材に取り付けられていない側のマスク
の2つの辺が、印刷の繰り返しによって破損したり伸び
たりすることが少なくなり、印刷マスクとしての寿命を
延ばすことができるという優れた効果がある。
【0119】請求項5の発明によれば、マスクに形成さ
れた印刷パターンが被印刷体の印刷面に印刷される際
に、該マスクに形成された各開口間のリブが伸ばされて
各開口の寸法精度に狂いが生じたり、各開口の中心位置
に位置ズレが生じたりするということがなく、また、該
マスク自体にストレス(テンション)がかけられていな
いので、該印刷時に該マスクの各開口の形状や位置が経
時的に歪んだりズレたりすることが少なく、極めて高品
質な印刷を実現できるという優れた効果がある。
【0120】請求項6の発明によれば、コンタクト印刷
モードによる印刷、すなわち、上記マスクの版面と被印
刷体の印刷面とが接触したままの状態でペースト印刷が
行われるので、スキージング工程のペースト充填時にお
けるペースト滲み出しの原因である隙間の発生を防止す
ることができ、且つ、ペーストのスキージングをペース
トの充填に最適な速度で行うことができるという優れた
効果がある。
【0121】請求項7の発明によれば、オフコンタクト
印刷モードによる印刷、すなわち、上記被印刷体の印刷
面に対するマスクの接触位置が、スキージングより移動
しながら、該マスクの印刷を終えた版面が被印刷体の印
刷面から離間されてペースト印刷が行われるので、スキ
ージング速度によって、マスクの版離れ速度を、ペース
トの抜け性が良好となるような速度にコントロールする
ことができる。また、上記スキージング工程と上記版離
れ工程とを同時に実行して印刷工程を少なくすることが
でき、印刷に要する時間を短縮できるという優れた効果
がある。
【0122】請求項8の発明によれば、コンタクトオフ
印刷モードによる印刷、すなわち、上記コンタクト印刷
モードのように、上記マスクの版面と被印刷体の印刷面
とが接触したままの状態でペースト印刷が行われ、且
つ、上記オフコンタクト印刷モードのように、上記被印
刷体の印刷面に対するマスクの印刷を終えた版面が被印
刷体の印刷面から離間されるので、コンタクト印刷モー
ドのメリットとオフコンタクト印刷モードのメリットと
を併せ持った品質の高い印刷を行うことができるという
優れた効果がある。
【0123】請求項9の発明によれば、マスクに形成さ
れた印刷パターンを被印刷体に印刷面にコンタクト印刷
モードで印刷することができる印刷装置が提供されると
いう優れた効果がある。
【0124】また、請求項10の発明によれば、マスク
に形成された印刷パターンを被印刷体の印刷面にオフコ
ンタクト印刷モードで印刷することができる印刷装置が
提供されるという優れた効果がある。
【0125】請求項11の発明によれば、マスクに形成
された印刷パターンを被印刷体の印刷面にコンタクトオ
フ印刷モードで印刷することができる印刷装置が提供さ
れるという優れた効果がある。
【0126】請求項12の発明によれば、印刷モード選
択手段によって、コンタクト印刷モード、オフコンタク
ト印刷モード、コンタクトオフ印刷モードのうちの何れ
か1つの印刷モードを選択することができるので、印刷
マスク、マスク、被印刷体、ペースト等の種類や、該マ
スクに形成された印刷パターンの違いに応じて、最適な
印刷モードを選択することができるという優れた効果が
ある。
【0127】請求項13の発明によれば、最適なスキー
ジング速度でペーストをスキージングすることができ、
且つ、マスクの版面と被印刷体の印刷面とを、マスクに
形成された印刷パターンに応じた最適な版離れ速度で、
該マスクの一端側から徐々に離間させることができる。
従って、この印刷方法においては、ペーストの充填性及
び抜け性が極めて良好となり、品質の一層高い印刷をす
ることができるという優れた効果がある。
【0128】請求項14の発明によれば、被印刷体の印
刷面とマスクの版面とが安定した速度で離間されるよう
になり、マスクにスキージングされたペーストの抜け性
が向上されるという優れた効果がある。
【0129】請求項15の発明によれば、上記版面の離
間領域と接触領域との境界部位の移動する速度が、上記
マスクに形成された印刷パターンの開口率に応じて変化
されるので、該開口率の違いによるペーストの抜け性へ
の影響を少なくすることができるという優れた効果があ
る。
【0130】請求項16の発明によれば、ペーストがス
キージングされた後、マスクの版面と被印刷体の印刷面
とを、該マスクに形成された印刷パターンに応じた最適
な版離れ速度で、該マスクの一端側から徐々に離間させ
ることができる印刷装置が提供される。
【0131】請求項17の発明によれば、押し付け部材
としてのブレード状部材を摺動させることによって、被
印刷体の印刷面とマスクの版面とを、該シート版の一端
側から離間させることができる印刷装置が提供される。
【0132】請求項18の発明によれば、上記押し付け
部材としてのブレード状部材が、上記ペーストをスキー
ジングするためのスキージを兼ねているので、構成を簡
素化できるという優れた効果がある。
【0133】請求項19の発明によれば、上記押し付け
部材移動手段により、押し付け部材としてのブレード状
部材が、上記シート版取付部材に取り付けられている側
の上記マスクの2つの辺とほぼ直交する方向に移動され
るので、該ブレード状部材の移動によるマスクの位置ズ
レがなく、品質の高い印刷が行えるという優れた効果が
ある。
【0134】請求項20の発明によれば、ローラが回転
移動されることによって、被印刷体の印刷面とマスクの
版面とが、該マスクの一端側から離間されるので、上記
押し付け部材をブレード状の部材で構成した場合のよう
に、該マスクの版面と反対側の面が押し付け部材によっ
て摺擦されることがなくなるので、該マスクの摺擦によ
るダメージを解消することができるという優れた効果が
ある。
【0135】請求項21の発明によれば、一対のスプロ
ケットがマスクの両側縁部に沿って所定のピッチでほぼ
平行に穿たれたスプロケット孔に嵌合して回転移動され
ることによって、被印刷体の印刷面とマスクの版面と
が、該マスクの一端側から離間されるので、該押し付け
部材をブレード状の部材や上記ローラで構成した場合の
ように、マスクの印刷パターン形成領域に押し付け部材
が当接することがなく、押し付け部材の当接による該マ
スクのダメージを解消することができるという優れた効
果がある。
【0136】請求項22の発明によれば、一対のコロが
マスクの両側縁部に沿ってほぼ平行に貼付された一対の
帯状のガイド板の内側面に係合して回転移動されること
によって、被印刷体の印刷面とマスクの版面とが、該マ
スクの一端側から離間されるので、該一対のコロが印刷
版の印刷パターン形成領域に当接することがなく、該押
し付け部材の該マスクへの当接によるダメージを解消す
ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施形態に係る印刷マスクの外観を
示す概略斜視図。(b)は、該印刷マスクの概略側面
図。
【図2】他の実施形態に係る印刷マスクの外観を示す概
略斜視図。
【図3】更に他の実施形態に係る印刷マスクの外観を示
す概略斜視図。
【図4】更に他の実施形態に係る印刷マスクの外観を示
す概略斜視図。
【図5】図3又は図4に示した印刷マスクの他の実施態
様を示す概略断面図。
【図6】上記印刷マスクを用いる印刷装置の要部のみを
示す概略斜視図。
【図7】(a),(b)は、上記印刷マスクを用いてコ
ンタクト印刷を行う例を示す概略側面図。
【図8】(a),(b)は、上記印刷マスクを用いてオ
フコンタクト印刷を行う例を示す概略側面図。
【図9】(a),(b)は、上記印刷マスクを用いてコ
ンタクトオフ印刷を行う例を示す概略側面図。
【図10】(a)、(b)、(c)は、従来の方法によ
り印刷マスクが製造される過程を模式的に示す概略工程
図。
【図11】上記従来の方法により製造された印刷マスク
の概略斜視図。
【図12】上記従来の方法により製造された印刷マスク
に付与されているテンションの状態を説明するための該
印刷用マスクの概略平面図。
【図13】従来の印刷マスクの他の製造方法に用いられ
る角形テンショナーの概略斜視図。
【図14】従来の印刷マスクの更に他の製造方法を説明
するための概略平面図。
【図15】従来の印刷マスクの他の製造方法に用いられ
る丸形テンショナーの概略斜視図。
【図16】上記丸形テンショナーにより製造された印刷
マスクを用いてウエハーにバンプを形成する例を示す概
略斜視図。
【図17】従来の印刷マスクの不具合について説明する
ための該印刷マスクの部分拡大平面図。
【図18】従来の印刷マスクの不具合を解消するための
従来の方法について説明するための模式図及びグラフ。
【図19】スキージング工程においてペーストが充填さ
れるメカニズムを説明するための概略断面図。
【図20】版離れ工程においてペーストが抜けるメカニ
ズムを説明するための概略断面図。
【図21】従来の印刷装置の版離れ工程におけるシート
版の挙動を説明するための概略断面図。
【図22】(a)は、ペースト分配工程を示す概略図。
(b)は、スキージング工程を示す概略図。(c)は、
版離れ工程を示す概略図。
【図23】上記ペースト分配工程で用いられる分配ブレ
ードと、上記スキージング工程で用いられるスキージ、
上記版離れ工程で用いられる押し付け部材とを、1個の
ブレード支軸に取り付けた構成を示す概略側面図。
【図24】上記押し付け部材の他の例を示す概略側面
図。
【図25】上記押し付け部材の更に他の例を示す概略斜
視図。
【図26】上記押し付け部材の更に他の例を示す概略斜
視図。
【図27】(a)乃至(d)は、上記印刷装置の他の印
刷工程を説明するための概略工程図。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D マスク取付部材 1a、1b マスク取付部材の取付穴 2 マスク 2A マスク材 2a マスクの開口 2b マスクのリブ 2c マスクのエッジ 2d マスクのスプロケット孔 2f ガイド板 2g マスクの版面 5 接着剤 6 補強部材 7 スキージ 8 ペースト 10 印刷マスク 10A,10B,10C,10D 印刷マスク材 30 ウエハー 30a ウエハーの印刷面 41A,41B マスク取付部材保持アーム 41a,41b 保持穴 42 保持部材 50A,50B 取付部材移動手段 51A,51B 進退用ボールネジ 52A,52B 昇降用ボールネジ 53A,53B 移動体 60 分配ブレード 70 スキージ 80 押し付け部材 80A ローラ 80B スプロケット 80C コロ 90 ブレード支軸 100 スキージ速度制御手段 200 版離れ速度制御手段 300 ブレード部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/12 610 H05K 3/12 610P 3/34 505 3/34 505D Fターム(参考) 2C035 AA06 FB37 FC05 FD02 FE01 FE02 FE04 FF02 2H113 AA01 AA02 AA05 BA10 BB07 BB09 BB22 CA17 FA50 2H114 AB03 AB08 AB17 EA03 EA08 GA11 5E319 BB05 CD29 GG09 5E343 BB72 DD03 FF03 FF12 GG08

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペーストを被印刷体に印刷するための印刷
    パターンが形成されるシート版材が、シート版取付部材
    に取り付けられた構成の印刷版材であって、 上記シート版取付部材に対して、上記シート版材の対向
    する2つの辺のみが、該シート版材にテンションを付与
    しないように取り付けられていることを特徴とする印刷
    版材。
  2. 【請求項2】請求項1の印刷版材において、 上記シート版取付部材に取り付けられていない側の上記
    シート版材の2つの辺に、可撓性を有する帯状の補強部
    材が設けられていることを特徴とする印刷版材。
  3. 【請求項3】ペーストを被印刷体に印刷するための印刷
    パターンが形成されたシート版が、シート版取付部材に
    取り付けられた構成の印刷版であって、 上記シート版取付部材に対して、上記シート版の対向す
    る2つの辺のみが、該シート版にテンションを付与しな
    いように取り付けられていることを特徴とする印刷版。
  4. 【請求項4】請求項3の印刷版において、 上記シート版取付部材に取り付けられていない側の上記
    シート版の2つの辺に、可撓性を有する帯状の補強部材
    が設けられていることを特徴とする印刷版。
  5. 【請求項5】上記シート版に補給されたペーストをスキ
    ージングして、該シート版に形成された印刷パターンを
    被印刷体の印刷面に印刷する請求項3又は4記載の印刷
    版を用いた印刷方法であって、 該ペーストのスキージング時に、該シート版を撓ませず
    且つ伸張させない状態に上記シート版取付部材を保持し
    て、該シート版に形成された印刷パターンを被印刷体の
    印刷面に印刷することを特徴とする印刷方法。
  6. 【請求項6】請求項5の印刷方法において、 上記被印刷体の印刷面と上記シート版の版面とを接触さ
    せた状態で、該シート版に補給されたペーストをスキー
    ジングした後、該被印刷体の印刷面と該シート版の版面
    とを離間させて、該シート版に形成された印刷パターン
    を被印刷体の印刷面に印刷することを特徴とする印刷方
    法。
  7. 【請求項7】請求項5の印刷方法において、 上記被印刷体の印刷面に対して上記シート版の版面の一
    部のみがほぼ直線状に接触するように上記シート版取付
    け部材を保持し、被印刷体の印刷面に対する該シート版
    の版面の接触位置を移動させながらペーストをスキージ
    ングして、該シート版に形成された印刷パターンを被印
    刷体の印刷面に印刷することを特徴とする印刷方法。
  8. 【請求項8】請求項5の印刷方法において、 上記被印刷体の印刷面と上記シート版の版面とを接触さ
    せた状態で、該シート版の上記シート版取付け部材が取
    り付けられている一方の辺から他方の辺に向けて、該シ
    ート版に補給されたペーストをスキージングすると同時
    に、該ペーストのスキージングを終えた部分のシート版
    の版面を被印刷体の印刷面から離間させながら、該シー
    ト版に形成された印刷パターンを被印刷体の印刷面に印
    刷することを特徴とする印刷方法。
  9. 【請求項9】請求項3又は4記載の印刷版を用いて印刷
    を行う印刷装置であって、 上記シート版に補給されたペーストをスキージングし
    て、該シート版に開口された印刷パターンによって、ペ
    ーストを被印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、 上記シート版取付部材を保持する取付部材保持手段と、 該取付部材保持手段により、被印刷体の印刷面と該シー
    ト版の版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませず
    且つ伸張させないように、上記シート版取付部材を保持
    した状態で、上記スキージ手段によりペーストをスキー
    ジングして、該シート版に形成された印刷パターンを被
    印刷体の印刷面に印刷するモードを実行させる印刷モー
    ド制御手段とを有することを特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】請求項3又は4記載の印刷版を用いて印
    刷を行う印刷装置であって、 上記シート版に補給されたペーストをスキージングし
    て、該シート版に開口された印刷パターンによってペー
    ストを被印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、該
    シート版の対向する2つの辺が取り付けられている各辺
    のシート版取付部材を、個別に保持する取付部材保持手
    段と、該スキージ手段によるスキージング時に、該取付
    部材保持手段により個別に保持された少なくとも一方の
    辺のシート版取付部材を、該シート版を撓ませず且つ伸
    張させないように移動させる取付部材移動手段とを有
    し、 上記取付部材保持手段により、上記被印刷体の印刷面に
    対して上記シート版の版面の一部のみがほぼ直線状に接
    触するように、該シート版を撓ませず且つ伸張させず
    に、上記各辺のシート版取付部材を個別に保持した状態
    で、上記スキージ手段で、被印刷体の印刷面に対する該
    シート版の版面の接触位置を移動させながらペーストを
    スキージングして、該シート版に形成された印刷パター
    ンを被印刷体の印刷面に印刷するモードを実行させる印
    刷モード制御手段を有することを特徴とする印刷装置。
  11. 【請求項11】請求項3又は4記載の印刷版を用いて印
    刷を行う印刷装置であって、 上記シート版に補給されたペーストをスキージングし
    て、該シート版に開口された印刷パターンによってペー
    ストを被印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、該
    シート版の対向する2つの辺が取り付けられている各辺
    のシート版取付部材を、個別に保持する取付部材保持手
    段と、該スキージ手段によるスキージング時に、該取付
    部材保持手段により個別に保持された少なくとも一方の
    辺のシート版取付部材を、該シート版を撓ませず且つ伸
    張させないように移動させる取付部材移動手段とを有
    し、 上記取付部材保持手段により、被印刷体の印刷面と該シ
    ート版の版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませ
    ず且つ伸張させないように、上記各辺のシート版取付部
    材を保持した状態で、上記スキージ手段により、該シー
    ト版の上記シート版取付け部材が取り付けられている一
    方の辺から他方の辺に向けて、該シート版に補給された
    ペーストをスキージングすると同時に、該ペーストのス
    キージングを終えた部分のシート版の版面と被印刷体の
    印刷面とが離間するように、離間開始側のシート版取付
    部材を上記取付部材移動手段で移動させながら、該シー
    ト版に形成された印刷パターンを被印刷体の印刷面に印
    刷するモードを実行させる印刷モード制御手段を有する
    ことを特徴とする印刷装置。
  12. 【請求項12】請求項3又は4記載の印刷版を用いて印
    刷を行う印刷装置であって、 上記シート版に補給されたペーストをスキージングし
    て、該シート版に開口された印刷パターンによってペー
    ストを被印刷体の印刷面に印刷するスキージ手段と、該
    シート版の対向する2つの辺が取り付けられている各辺
    のシート版取付部材を、個別に保持する取付部材保持手
    段と、該スキージ手段によるスキージング時に、該取付
    部材保持手段により個別に保持された少なくとも一方の
    辺のシート版取付部材を、該シート版を撓ませず且つ伸
    張させないように移動させる取付部材移動手段とを有
    し、 上記取付部材保持手段により、被印刷体の印刷面と上記
    シート版の版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ま
    せず且つ伸張させないように、上記シート版取付部材を
    保持した状態で、上記スキージ手段によりペーストをス
    キージングして、該シート版に形成された印刷パターン
    を被印刷体の印刷面に印刷するモードを実行させる第1
    の印刷モード制御手段と、 上記取付部材保持手段により、上記被印刷体の印刷面に
    対して上記シート版の版面の一部のみがほぼ直線状に接
    触するように、該シート版を撓ませず且つ伸張させず
    に、上記各辺のシート版取付部材を個別に保持した状態
    で、上記スキージ手段で、被印刷体の印刷面に対する該
    シート版の版面の接触位置を移動させながらペーストを
    スキージングして、該シート版に形成された印刷パター
    ンを被印刷体の印刷面に印刷するモードを実行させる第
    2の印刷モード制御手段と、 上記取付部材保持手段により、被印刷体の印刷面と該シ
    ート版の版面とを接触させ、且つ、該シート版を撓ませ
    ず且つ伸張させないように、上記各辺のシート版取付部
    材を保持した状態で、上記スキージ手段により、該シー
    ト版の上記シート版取付け部材が取り付けられている一
    方の辺から他方の辺に向けて、該シート版に補給された
    ペーストをスキージングすると同時に、該ペーストのス
    キージングを終えた部分のシート版の版面と被印刷体の
    印刷面とが離間するように、離間開始側のシート版取付
    部材を上記取付部材移動手段で移動させながら、該シー
    ト版に形成された印刷パターンを被印刷体の印刷面に印
    刷するモードを実行させる第3の印刷モード制御手段
    と、 上記第1、第2、第3の各印刷モード制御手段により実
    行される各印刷モードのうちの何れか1つの印刷モード
    を選択する印刷モード選択手段とを有することを特徴と
    する印刷装置。
  13. 【請求項13】請求項6の印刷方法において、 上記被印刷体の印刷面と上記シート版の版面との離間時
    に、該シート版の一端側から該版面を離間させ、且つ、
    該離間動作による該版面の離間領域と接触領域との境界
    部位の移動する速度を、少なくとも該シート版の上記印
    刷パターンが形成されている領域で、シート版の版面に
    対するペーストの粘着力よりも被印刷体の印刷面に対す
    るペーストの粘着力が上回る速度に制御することを特徴
    とする印刷方法。
  14. 【請求項14】請求項13の印刷方法において、 上記版面の離間領域と接触領域との境界部位の移動する
    速度を、一定の速度に設定したことを特徴とする印刷方
    法。
  15. 【請求項15】請求項13の印刷方法において、 上記版面の離間領域と接触領域との境界部位の移動する
    速度を、上記シート版に形成された印刷パターンの開口
    率に応じて設定することを特徴とする印刷方法。
  16. 【請求項16】請求項13、14又は15の印刷方法を
    用いて被印刷体の印刷面に印刷パターンを印刷する印刷
    装置であって、 上記版面の離間領域と接触領域との境界部位の移動する
    速度を制御する版離れ速度制御手段は、該印刷面に対し
    て該版面が接触した姿勢を維持するように、該版面を該
    印刷面側に押し付けるための押し付け部材と、該版面の
    一端側から他端側に向けて、該押し付け部材を移動させ
    るための押し付け部材移動手段と、該移動手段による該
    押し付け部材の移動速度を制御する速度制御手段と、で
    構成されていることを特徴とする印刷装置。
  17. 【請求項17】請求項16の印刷装置において、 上記押し付け部材は、上記印刷版の版面と反対側の面に
    当接して摺動するブレード状部材で構成されていること
    を特徴とする印刷装置。
  18. 【請求項18】請求項17の印刷装置において、 上記押し付け部材としてのブレード状部材は、上記ペー
    ストをスキージングするためのスキージを兼ねているこ
    とを特徴とする印刷装置。
  19. 【請求項19】請求項18の印刷装置において、 上記押し付け部材としてのブレード状部材を移動させる
    ための押し付け部材移動手段は、上記シート版取付部材
    に取り付けられている側の上記シート版の2つの辺とほ
    ぼ直交する方向に、該ブレード状部材を移動させるよう
    に構成されていることを特徴とする印刷装置。
  20. 【請求項20】請求項16の印刷装置において、 上記押し付け部材は、上記シート版の版面と反対側の面
    に当接して回転移動するローラで構成されていることを
    特徴とする印刷装置。
  21. 【請求項21】請求項16の印刷装置において、 上記押し付け部材は、上記シート版の両側縁部に沿って
    所定のピッチでほぼ平行に穿たれたスプロケット孔に嵌
    合して回転移動する一対のスプロケットで構成されてい
    ることを特徴とする印刷装置。
  22. 【請求項22】請求項16の印刷装置において、 上記押し付け部材は、上記シート版の両側縁部に沿って
    ほぼ平行に貼付された一対の帯状のガイド板の内側面に
    係合して回転移動する一対のコロで構成されていること
    を特徴とする印刷装置。
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