JP2006051640A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ノズルの周縁部のインクの濡れを均一にし、吐出特性を安定させる。
【解決手段】 ワイパーブレード120でワイピングしても完全には拭き取られずに、若干拭き残しインク600Bが生じる。ザグリ200のザグリ壁面200Aには撥液膜210は形成されていない。このため、ザグリ壁面200Aは、撥液膜が形成されたノズル10の周縁部より、インクが付着しやすい。よって、ザグリ壁面200Aに拭き残しインク650が拭き残り、その他の場所には、拭き残しインク650が拭き残されない。つまり、ノズル10の周縁部に拭き残しインクが、拭き残されないように、ザグリ壁面200Aに積極的に拭き残しインク650を拭き残す構成となっている。したがって、偶然ノズル10の周縁部の拭き残しインクが残って濡れが不均一となり、吐出特性が安定せず、印字品位が低下することがない。
【選択図】 図8

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録ヘッドは、常に安定して高い印字品位を維持するため、インク滴の吐出特性(例えば、インク滴の吐出方向、インク滴径、インク滴速度等)が安定している必要がある。
しかし、インク滴をノズルから吐出した際に発生するサテライト滴等の微細なインクミストやゴミなどのノズルの周縁部への付着、ノズルからインクが溢れるオーバーシュート現象などによって、ノズルの周縁部のインクの濡れが不均一となると、インク滴の吐出特性は不安定になる。
したがって、ノズルの周縁部のインク濡れを均一にするために、インクを弾く撥液膜をノズル面に形成するとともに、定期的にノズル表面をワイパーでワイピングしてインクやゴミを除去している。しかし、ノズル面の撥液膜は、例えば、記録用紙の擦れやワイピング等による機械的な摩擦によって破壊されることがある。
よって、このような機械的な摩擦を防止するため、ノズルの周囲にザグリ(段差)を設ける構成が知られている。(例えば、特許文献1差参照)。
そして、このザグリの径はノズルの2倍から8倍であり、ザグリの深さ(段差)は50μm以下が良いとされている。(例えば、特許文献2差参照)。
また、ザグリの具体的な製造方法については、放電加工、フォトエッチング、ポンチによるプレス加工、レーザ加工などが用いられている。(例えば、特許文献3参照)。
あるいは、ノズルが形成されたプレートに、ザグリとなる孔をもつ金属プレートを積層して、ノズルの周囲にザグリ(段差)を形成する方法が開示されている。(例えば、特許文献4参照)。
特開平4−169238号公報 特開平4−176657号公報 特開平5−155027号公報 特開平4−234665号公報
しかし、例えば、図16(A)に示すように、ワイパーブレード520でワイピングしても完全には拭き取られずに、図16(B)に示すように、若干拭き残しインク550が生じる。この拭き残しインク550が、どこに拭き残されるかは、単純に確率の問題である。よって、図16(B)に示すように、偶然ノズル10の周縁部に拭き残しインク550Aが拭き残されることもある。そして、このようにノズル10の周縁部に拭き残しインク550Aがあると、ノズル10の周縁部のインクの濡れが不均一となり、インク滴の吐出特性(インク滴の吐出方向、インク滴径、インク滴の滴速度等)が安定せず、印字品位が低下する。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ノズルの周縁部のインクの濡れを均一にし、吐出特性が安定したインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、少なくとも前記ノズルの周縁部には、前記インクを弾く撥液膜が形成され、前記ザグリの壁面には前記撥液膜が形成されていない領域を有することを特徴としている。
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドは、インクを弾く撥液膜が少なくともノズルの周縁部に形成されている。よって、ノズルの周縁部のインク濡れが均一となるので、インクの吐出特性(例えば、インク滴の吐出方向、インク滴径、インク滴速度等)が安定する。また、ノズルの周囲にはザグリに形成されている。このため、例えば、記録用紙の擦れやワイパーによるワイピング等による機械的な摩擦によるノズル周縁部の撥液膜の破壊が防止される。
更に、ザグリの壁面には撥液膜が形成されていない領域を有する。この撥液膜液が形成されていない領域はインクが付着しやすい。このため、撥液膜が形成されたノズル周縁部より、ザグリの壁面はインクが付着しやすい。よって、例えば、ワイパーでワイピングしても、ザグリ壁面に拭き残しインクが貯まり、ノズルの周縁部には吹き残しインクは残らない。したがって、ノズル周縁部のインクの濡れが均一となり、吐出特性が安定する。
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1に記載の構成において、前記撥液膜が形成されていない領域は、前記ザグリの壁面の全周にわたって繋がって存在することを特徴としている。
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドは、ザグリの壁面の全周にわたって繋がって、撥液膜が形成されていない領域が存在する。換言すると、ノズルの周縁部の撥液膜から連続する撥液膜が形成されていない領域がザグリの壁面の全周にわたって存在している。よって、ザグリの壁面の全周にわたってインクが付着しやすい領域が存在するので、例えば、ワイパーでワイピングしても、ザグリの壁面の全周にわたって拭き残しインクが貯まるので、より効果的にノズルの周縁部に吹き残しインクを残さない。
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記ノズルと前記撥液膜が形成されたノズル面にザグリプレートが接合され、前記ザグリプレートに前記サグリとなるザグリ孔が形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドは、ノズルと撥液膜が形成されたノズル面にザグリプレートが接合され、ザグリプレートにサグリとなるザグリ孔が形成されている。したがって、ザグリの大きさや形状は、ザグリプレートの厚みやザグリ孔の加工形状によって、容易に管理できるので好適である。
請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項3に記載の構成において、前記ノズル面の前記ザグリプレートと接合する領域の前記撥液膜は部分的に除去され、該ノズル面が部分的に露出する非膜部を有していることを特徴としている。
請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドは、ノズル面のザグリプレートと接合する領域の撥液膜は部分的に除去され、ノズル面が部分的に露出する非膜部を有している。撥液膜上にはザグリプレートを接合にしくいが、非膜部を有しているのでノズル面とザグリプレートとを、例えば、接着剤や熱溶着などで容易に、かつ強固に接着できる。
請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項3に記載の構成において、前記ザグリプレートは、前記ノズル面との接合面に該ノズル面の前記撥液膜を貫通する複数の突起部を備えることを特徴としている。
請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドは、ザグリプレートはノズル面との接合面にノズル面の撥液膜を貫通する複数の突起部を備えている。よって、撥液膜上にはザグリプレートを接合にしくいが、突起部が撥液膜を貫通するのでノズル面とザグリプレートとを容易に、かつ強固に接合できる。
請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項3に記載の構成において、前記ザグリプレートと前記ノズル面とは接着剤で接合され、前記接着剤には前記ノズル面の前記撥液膜を貫通する粒子が混合されていることを特徴としている。
請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドは、ザグリプレートとノズル面とは接着剤で接合されている。撥液膜上にはザグリプレートを接着剤で接着しにくい。しかし、接着剤に混合されている粒子が撥液膜を貫通するので、ノズル面とザグリプレートとを容易に、かつ強固に接着できる。
請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の構成において、前記ノズル面と前記ザグリプレートとは、熱膨張率が略等しい材質であることを特徴としている。
請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドは、ノズル面とザグリプレートとは、熱膨張率が略等しい材質である。よって、ノズル面とザグリプレートとを接合後に温度が変化しても、ノズル面とザグリプレートとは同じように熱膨張する。したがって、熱膨張差による不具合、例えば、ノズル面の反りやウネリ、あるいはノズル面とザグリプレートとの接合不良などが防止される。
請求項8に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項7に記載の構成において、前記ノズル面と前記ザグリプレートとは、同材質であることを特徴としている。
請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドは、ノズル面とザグリプレートとは同材質であるので、熱膨張率が略等しい。よって、請求項7と同様の作用を奏す。
請求項9に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、前記ノズル面に前記ノズルを形成する第2工程と、ザグリプレートに撥液膜を形成する第3工程と、前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔を形成する第4工程と、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第5工程と、を備えることを特徴している。
請求項9に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、第1工程でノズルが形成されるノズル面にインクを弾く撥液膜を形成する。第2工程でノズル面にノズルを形成する。第3工程でザグリプレートに撥液膜を形成する。第4工程でザグリとなるザグリ孔を形成する。そして、第5工程でザグリプレートを、ノズル面に接合する。
このようにザグリプレートに撥液膜を形成後にザグリとなるザグリ孔を形成しているので、ザグリの壁面には撥液膜が形成されていない。よって、請求項1と同様の作用を奏す。また、ザグリの大きさや形状は、ザグリプレートの厚みやザグリ孔の加工形状によって容易に管理できる。
更に、撥液膜は凸凹がない(ノズルとザグリ孔が形成されていない)ノズル面とザグリプレートに形成するので、例えば、特開平4−169238号公報に記載されているような、ザグリを形成後に撥液膜を形成する方法と比較し、簡略で均一に形成する方法、例えば、スピンンコート法で、撥液膜を形成できるので、好適である。
請求項10に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、ザグリプレートに撥液膜を形成する第2工程と、前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔を形成する第3工程と、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第4工程と、前記ノズル面に前記ノズルを形成する第5工程と、を備えることを特徴としている。
請求項10に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、第1工程でノズルが形成されるノズル面にインクを弾く撥液膜を形成し、第2工程でザグリプレートに撥液膜を形成する。第3工程でザグリプレートにザグリとなるザグリ孔を形成する。第4程でザグリプレートをノズル面に接合する。そして、第5工程でノズル面にノズルを形成する。
このようにザグリプレートに撥液膜を形成後にザグリとなるザグリ孔を形成しているので、ザグリの壁面には撥液膜が形成されていない。よって、請求項9と同様の作用を奏す。
請求項11に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、前記ノズル面に前記ノズルを形成する第2工程と、ザグリプレートに撥液膜を形成する第3工程と、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第4工程と、前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔を形成する第5工程と、を備えることを特徴としている。
請求項11に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、第1工程でノズルが形成されるノズル面にインクを弾く撥液膜を形成し、第2工程でノズル面にノズルを形成する。第3工程でザグリプレートに撥液膜を形成する。第4工程でザグリプレートを前記ノズル面に接合する。第5工程でザグリプレートにザグリとなるザグリ孔を形成する。
このようにザグリプレートに撥液膜を形成後にザグリとなるザグリ孔を形成しているので、ザグリの壁面には撥液膜が形成されていない。よって、請求項9と同様の作用を奏す。
請求項12に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、ザグリプレートに撥液膜を形成する第2工程と、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第3工程と、前記ノズル面に前記ノズルと、前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔と、を形成する第4工程と、を備えることを特徴としている。
請求項12に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、第1工程でノズルが形成されるノズル面にインクを弾く撥液膜を形成し、第2工程でザグリプレートに撥液膜を形成する。第3工程でザグリプレートをノズル面に接合する。そして、第4工程で、ノズル面にノズルと、ザグリプレートにザグリとなるザグリ孔と、を形成する。
このようにザグリプレートに撥液膜を形成後にザグリとなるザグリ孔を形成しているので、ザグリの壁面には撥液膜が形成されていない。よって、請求項9と同様の作用を奏す。
請求項13に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の製造方法において、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する前記第3工程、前記第4工程、又は前記第5工程は、前記ノズル面の前記ザグリプレートと接合する領域の前記撥液膜を部分的に除去し、前記ノズル面が露出する非膜部を形成した後、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合することを特徴としている。
請求項13に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、ノズル面のザグリプレートと接合する領域の撥液膜を部分的に除去し、ノズル面が露出する非膜部を形成した後に、ザグリプレートをノズル面に接合している。よって、撥液膜上にはザグリプレートを接合にしくいが、非膜部を有しているのでノズル面とザグリプレートとを、例えば、接着剤や熱溶着などで容易に、かつ強固に接着できる。
請求項14に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、請求項13に記載の製造方法において、複数の突起部を有する工具を前記ノズル面に圧接し、前記突起部で前記撥液膜を部分的に破壊して除去し、前記非膜部を形成することを特徴としている。
請求項14に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、複数の突起部を有する工具を前記ノズル面に圧接し、突起部で撥液膜を部分的に破壊して除去し、ノズル面が露出する非膜部を形成した後にザグリプレートをノズル面に接合している。よって、請求項11と同様の作用を奏す。
請求項15に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の製造方法において、前記ザグリプレートは、前記ノズル面との接合面に該ノズル面の前記撥液膜を貫通する複数の突起部を備え、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する前記第3工程、前記第4工程、又は前記第5工程は、前記ザグリプレートを前記ノズル面に圧接し、前記突起部を前記撥液膜に部分的に貫通させ、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合することを特徴としている。
請求項15に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、ノズル面との接合面にノズル面の撥液膜を貫通する複数の突起部を備えたザグリプレートをノズル面に圧接し、突起部を撥液膜に部分的に貫通させ、ザグリプレートをノズル面に接合している。よって、撥液膜上にはザグリプレートを接合にしくいが、突起部が撥液膜を貫通するので、ノズル面とザグリプレートとを容易に、かつ強固に接合できる。
請求項16に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の製造方法において、前記ザグリプレートと前記ノズル面とは前記ノズル面の前記撥液膜を貫通する粒子が混合された接着剤で接合され、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する前記第3工程、前記第4工程、又は前記第5工程は、前記ザグリプレートと前記ノズル面との間に前記接着剤を塗付して前記ザグリプレートを前記ノズル面に圧接し、前記粒子を前記撥液膜に部分的に貫通させ、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合することを特徴としている。
請求項16に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、ザグリプレートとノズル面との間にノズル面の撥液膜を貫通する粒子が混合された接着剤を塗付し、ザグリプレートをノズル面に圧接し、粒子を撥液膜を部分的に貫通させ、ザグリプレートをノズル面に接合している。よって、撥液膜上にはザグリプレートを接着剤で接合にしくいが、接着剤の中の粒子が撥液膜を貫通するので、ノズル面とザグリプレートとを容易に、かつ強固に接合できる。
以上説明したように本発明によれば、ザグリの壁面には撥液膜が形成されていない領域を有するので、撥液膜が形成されたノズル周縁部より、インクが付着しやすい。よって、例えば、ワイパーでワイピングしても、ザグリの壁面に拭き残しインクが貯まり、ノズルの周縁部には吹き残しインクは残らない。したがって、ノズルの周縁部のインクの濡れが均一となり、吐出特性が安定する。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド112の構成の概要を説明する。
図1及び図2に示すようにインクジェット記録ヘッド112は、マトリックス状に配置されたインク滴を吐出するノズル10と菱形形状をした圧力室12と備え、ノズル10と圧力室12とはノズル連通路16で連通されている。
また、図示しないインク供給部から導入されたインクが充填される共通インク流路14を備えている。そして、共通インク流路14の開口部20と圧力室12とが、インク供給路18で連通されている。
圧力室12の上面には振動板34が接着され、振動板34の上面には、圧電素子36が接着され、圧電素子36の上面にはボール半田40を介して配線基板38が接合されている。
ノズル10は、平面視すると圧力室12の菱形形状の角部に位置し、インク供給路18はノズル10の位置と対角線上に反対の角部と連通している。
各ノズル10の周囲には、ザグリ200が形成されている。また、図2に示すように、ノズル面10Aとザグリ面200Bとには、撥液膜210が形成されている。ただし、図14に示すように、ザグリ200のザグリ壁面200Aには、撥液膜210は形成されていない。
なお、上述した図2と図14とを含め、以下の説明に用いる各図に描かれている撥液膜210の厚みは、判りやすくするため、実際の厚みより厚く描いている。また、図1と図7では、撥液膜210は省略してある。
つぎに、インクジェット記録ヘッド112の製造方法の概要を説明する。
図1と図2とに示すように、ノズル10が形成されるノズルプレート22と、ノズル連通路16と共通インク流路14となる孔が形成されたインクプールプレート24、26と、ノズル連通路16と共通インク流路14の開口部20となる孔が形成されたスループレート28と、インク供給路18となる孔が形成されたインク供給路プレート30と、圧力室12となる孔が形成された圧力室プレート32と、を順番に積層し接合する。
なお、ノズルプレート22の材質はポリイミドであり、インクプールプレート24、26、スループレート28、圧力室プレート32の材質はSUSである。また、圧力室12等になる各孔は、エッチング加工によって形成されている。
ノズルプレート22の表面(ノズル面10A)(図14参照)に撥液膜210を形成し、エキシマレーザでノズル10を開ける。ノズル10を形成後に圧力室プレート32に振動板34を接着し、振動板34の上面に各圧力室12に対応した圧電素子36を接着する。
さて一方、図4(A)に示すように、ザグリプレート220は、ノズルプレート22と同じポリイミドからなり、一方の面には、突起部220Aが形成されており、他方の面は平坦な面となっている。なお、突起部220Aは、例えば、予めメッキ法で硬質の金属薄膜(図示省略)を形成し、ローレット加工を行うことで形成することができる。図4(B)に示すように、ザグリプレート220の突起部220Aが形成されていない面に撥液膜210を形成する。そして、図4(C)に示すように、ノズル10より大きく、ザグリ200となるザグリ孔202と、共通インク流路14(図2参照)に対応する部分となるダンパー孔204と、をあける。なお、このように撥液膜210を形成後に、ザグリ孔202をあけたので、ザグリ壁面200Aには撥液膜210は形成されていない。また、ザグリ200の深さ、大きさ、形状などは、ザグリプレート220の厚みやザグリ孔202の加工形状によって、容易に管理できるので好適である。
なお、ノズル10及びザグリ孔202があけられていない平担な面に、撥液膜210を形成している。よって、スピンコート法などの簡略な方法で、均一の厚みの撥液膜210を形成できる。
さて、図5(A)と図5(B)とに示すように、ザグリプレート220に接着剤150(図5(C)参照)を塗布し、ザグリプレート220の突起部220Aが形成されている面をノズルプレート22に押圧し、接合する。なお、図5(C)に示すように、突起部220Aは、ノズルプレート22の撥液膜210を貫通してノズルプレート22に突き刺さる。したがって、接着剤で接合しにくい撥液膜210上であっても、ザグリプレート220を強固に接合できる。
そして、図2に示すように、圧電素子36毎にボール半田40を形成した配線基板38を圧電素子36と接合する。なお、圧電素子36の両面には電極層が形成されており圧電素子36と配線基板38とは電気的に接続されている。また、圧電素子36と振動板34とは導電性材にて接続されている。
さて、インクジェット記録ヘッド112は、駆動電圧が圧電素子36に印加されると、圧電素子36がたわみ変形して、圧力室12のインクを加圧し、ノズル10からインク滴が吐出する。このとき圧力室12に発生する圧力波は共通インク流路14まで伝播し、伝播した圧力波はクロストークなどの不具合を生じる原因となる。しかし、図2に示すように、共通インク流路14の底面を構成するノズルプレート22がダンパーとなって、伝播した圧力波を吸収する。したがって、クロストークなどの不具合が防止される。なお、ザグリプレート220には、共通インク流路14に対応する部分にダンパー孔204が形成されている。よって、共通インク流路14の底面はノズルプレート22が露出している。したがって、ザグリプレート220をノズルプレート22に接合しても、ダンパー効果が減少することはない。
また、前述したように、ノズルプレート22とザグリプレート220とは、同じポリイミドであるので熱膨張率が等しい。なお、撥液膜210やザグリプレート220の突起部220Aの形成側に形成した金属薄膜(図示省略)は、厚みが非常に薄いので、熱膨張に対する影響は殆どない。よって、接合後に温度が変化しても、ノズルプレート22とザグリプレート220とは等しく熱膨張する。したがって、熱膨張差による不具合、例えば、ノズル面10Aに反りやウネリが生じたり、あるいは、ノズルプレート22とザグリプレート220との接合面が剥離したり、接着強度が低下したりすることがない。
更に、ノズルプレート22とザグリプレート220ともに樹脂性であるので、撥液膜210にダメージを与えることなく、レーザ加工やプレス加工などによって、ノズル10及びザグリ孔200(ザグリ200)を容易に形成することができる。
つぎに第1の実施形態のインクジェット記録ヘッド112を備えたインクジェット記録装置102について説明する。
図6に示すように、インクジェット記録装置102はインクジェット記録ヘッド112を搭載するキャリッジ104、キャリッジ104を主走査方向Mに走査する為の主走査機構106、記録媒体としての記録用紙Pを副走査方向Sに走査する為の副走査機構108、及びメンテナンスステーション110等を含んで構成されている。
インクジェット記録ヘッド112は、ノズル10が形成されたノズル面10Aが記録用紙Pと対向するようにキャリッジ104上に搭載されており、主走査機構106によって主走査方向Mに移動されながら記録用紙Pに対してインク滴を吐出することにより、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。主走査方向Mへの1回の移動が終了すると、副走査機構108によって記録用紙Pが副走査方向Sに搬送され、再びキャリッジ104を主走査方向Mに移動させながら次のバンド領域BEを記録する。こうした動作を複数回繰り返すことにより、記録用紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
メンテナンスステーション110には、キャップ、ダミージェット受け、クリーニング機構130等を含んで構成されており、吸引回復動作、ダミージェット動作、クリニーニング動作等の各種メンテナンスを行う。
図7はクリーニング機構130の概略図である。なお、図7では、ノズル10及びザグリ200を10個しか描いていないが、実際には更に多くのノズル10及びザグリ200が形成されている。さて、クリーニング機構130にはブレードホルダー134に保持されたワイパーブレード120が、インクジェット記録ヘッド112に対向する形で配置されている。また、ブレードホルダー134及びワイパーブレード120は図示しない昇降機構によって、ワイパーブレード120とインクジェット記録ヘッド112の下面(本実施形態の場合はザグリプレート220とノズルプレート22)とがオーバーラップした位置と、この位置から退避した退避位置との間を移動するようになっている(図7の矢印Y方向)。
そして、図8に示すように、昇降機構がワイパーブレード120をインクジェット記録ヘッド112の下面とオーバーラップした位置へと移動させた状態で、ワイパーブレード120あるいはインクジェット記録ヘッド112のいずれか一方、または両方を主走査方向Mへと移動させ、インクジェット記録ヘッド112の下面(本実施形態の場合は撥液膜210が形成されたザグリプレート220及びノズルプレート22)を払拭してクリーニングする。なお、図8では、ワイパーブレード112を移動させた場合を示している。
つぎに、本実施形態の作用を説明する。
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド112は、ノズル10の周縁部にインクを弾く撥液膜210が形成されている。このため、ノズル10の周縁部のインクの濡れが均一となり、インクの吐出特性(例えば、インク滴の吐出方向、インク滴径、インク滴速度等)が安定する。
しかし、図8に示すように、インク滴をノズル10から吐出した際に発生するサテライト滴等の微細なインクミストなどの付着インク600がノズル10の周縁部へ付着(付着インク600A)し、ノズル10の周縁部のインクの濡れが不均一となると、インク滴の吐出特性が不安定になる。
このため、インクジェット記録装置102は、所定のタイミングでインクジェット記録ヘッド112をメンテナンスステーション110上に移動し、図8に示すように、ワイパーブレード120で、付着インク600をクリーニングする。
さて、このようなワイパーブレード120によるワイピングや、記録用紙Pの擦れ等による機械的な摩擦により、撥液膜210が破壊されることがある。しかし、ノズル10の周囲にザグリ200が形成されているので、ノズル10の周縁部には機械的なダメージを受けない。よって、ノズル10の周縁部の撥液膜210の破壊が防止される。したがって、長期にわたってノズル10の周縁部のインクの濡れが均一となり、インクの吐出特性が安定する。なお、ザグリプレート202の厚み、すなわちザグリ200の段差は、5μmから50μmの範囲となっている。これは、5μm未満であると機械的な摩擦からノズル10の周縁部も保護する作用が得られなくなり、また、50μmより大きいとザグリ200内のノズル10の周囲の付着インク600の除去ができないからである。
さて、ワイパーブレード120でワイピングしても完全には拭き取られずに、若干、インクが拭き残される。
図16(B)に示すように、従来のインクジェット記録ヘッドでは、拭き残しインク550が拭き残される場所は、単純に確率の問題である。よって、偶然ノズル10の周縁部に拭き残されることもある。そして、ノズル10の周縁部に拭き残しインク550Aがあると、ノズル10の周縁部のインクの濡れが不均一となり、吐出特性(インク滴の吐出方向、吐出特性インク滴径、インク滴の滴速度等)が安定せず、印字品位が低下する。
これに対し、本実施形態では、図14に示すように、ザグリ200のザグリ壁面200Aには撥液膜210は形成されていない。このため、ザグリ壁面200Aは、撥液膜が形成されたノズル10の周縁部より、インクが付着しやすい。よって、図8(B)に示すように、ザグリ壁面200Aに拭き残しインク650が拭き残り、その他の場所には、拭き残しインク650が拭き残されない。つまり、ノズル10の周縁部に拭き残しインクが、拭き残されないように、ザグリ壁面200Aに積極的に拭き残しインク650を拭き残す構成となっている。したがって、偶然ノズル10の周縁部の拭き残しインクが拭き残され、吐出特性が安定せず、印字品位が低下することがない。
なお、図17に示すように、従来のインクジェット記録ヘッドは、ザグリ500を形成後に撥液膜510を形成している。よって、図15に示すように、ザグリ壁面500Aにも撥液膜510が形成されている。これに対し、既に説明したように、本実施形態では、図3に示すように、撥液膜210を形成後にザグリ孔202(ザグリ200)をあけたザグリプレート220を、ノズル10と撥液膜210が形成されたノズルプレート22に接合したので、図14に示すように、ノズル10の周縁部には撥液膜210が形成されているが、ザグリ壁面200Aには撥液膜210は形成されていない。更に、図5(C)に示すように、ザグリプレート220の突起部220Aが、ノズルプレート22の撥液膜210を貫通してノズルプレート22に突き刺さっているので、接合しにくい撥液膜210上でも、ザグリプレート220を強固に接合できる。
つぎに、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図9(B)に示すように、ザグリプレート400は、両面とも平坦な面であり、一方の面に撥液膜210を形成する。そして、ザグリ200となるザグリ孔202と、共通インク流路14に対応する部分となるダンパー孔204とをあける。
図9(A)に示すように、ノズルプレート22の撥液膜210に、複数の突起部300Aを有する工具300を押圧し、突起部300Aをノズルプレート22の撥液膜210を貫通させてノズルプレート22に突き刺さしたのち、離間する。よって、図9(D)に示すように、ノズルプレート22の撥液膜210は部分的に破壊されて除去され、ノズル面10Aが露出する非膜部210Aが形成される。そして、図9(C)と図9(D)とに示すように、ザグリプレート400に接着剤150を塗布し、ザグリプレート400を接合する。なお、ノズル面10Aが露出した非膜部210Aが形成されているので、接着剤で接合しにくい撥液膜210上であっても、ザグリプレート400を強固に接合できる。
つぎに、本実施形態の作用を説明する。
第1の実施形態と同様に、図9(D)に示すように、ザグリ200のザグリ壁面200Aには撥液膜210が形成されていない。よって、図8に示すように、ザグリ壁面200Aに積極的に拭き残しインク650を拭き残す構成となっている。したがって、偶然ノズル10の周縁部の拭き残しインク650が拭き残され、吐出特性が安定せずに印字品位が低下することがない。
つぎに、第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
第2の実施形態と同様に、ザグリプレート400は、両面とも平坦な面であり、一方の面に撥液膜210を形成する。そして、ザグリ200となるザグリ孔202と、共通インク流路14に対応する部分となるダンパー孔204とをあける。(図9(B)を参考)。
そして、図10に示すように、ザグリプレート400に接着剤160を塗布し、ザグリプレート400をノズルプレート22に押圧し、接合する。なお、図10(B)に示すように、接着剤160中に粒子162が混合されており、ザグリプレート400を押圧することで、粒子162がノズルプレート22の撥液膜210を貫通し、ノズルプレート22に突き刺さる。したがって、接着剤で接合しにくい撥液膜210上であっても、ザグリプレート400を強固に接合できる。
つぎに、本実施形態の作用を説明する。
第1及び第2の実施形態と同様に、図10(A)に示すように、ザグリ200のザグリ壁面200Aには撥液膜210は形成されていない。よって、図8に示すように、ザグリ壁面200Aに積極的に拭き残しインク650を拭き残す構成となっている。したがって、偶然ノズル10の周縁部の拭き残しインク650が拭き残され、吐出特性が安定せずに印字品位が低下することがない。
なお、第1から第3の実施形態での撥液膜210とは、吐出するインクを弾く性質ものを指す。よって、インクの種類に応じた撥液膜210を形成する。例えば、水性インクの場合は水を弾く性質の撥液膜を、溶剤インクの場合は溶剤を弾く性質の撥液膜を、ワックスからなる固形インクの場合はワックスを弾く性質の撥液膜を、ノズル面に形成すれば良い。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、図3に示すように、ノズル10と撥液膜210とが形成されたノズルプレート22に、ザグリ孔202と撥液膜210とが形成されたザグリプレート210,400を接合したが、これに限定されない。例えば、図11に示すように、撥液膜が形成されたノズルプレートに、ザグリ孔と撥液膜が形成されたザグリレートを接合したのち、ノズルをあけてもよい。あるいは、図12に示すように、ノズルと撥液膜が形成されたノズルプレートに、撥液膜が形成されたザグリプレートを接合したのち、ザグリプレートにザグリを形成してもよい。また、図13に示すように、撥液膜が形成されたノズルプレートに撥液膜が形成されたザグリプレートを接合したのち、ノズルとザグリとを形成してもよい。
また、サグリ壁面には、撥液膜が一部分形成されていても良い。例えば、ザグリプレートに撥液膜を形成後にザグリ孔をインク吐出方向からプレス加工によって開口した場合、撥液膜が流動してザグリ壁面に一部被ってしまうことがあるが、このような場合も本発明は有効である。要は、ザグリ壁面に、撥液膜が形成されていない領域を有していれば良い。
また、ザグリプレートには撥液膜が形成されていなくても良い。
また、ザグリは、数ノズル共通としても良い。形状も円形以外、例えば、長方形や正方形、楕円形など任意の形状で良い。
また、上記実施の形態では、ノズル10、圧力室12、インク供給路18、ノズル連通路16は、それぞれ別々のプレートに形成され接合されていたが、これに限定されない。例えば、ノズル、圧力室、インク供給路、ノズル連通路を全て1枚のプレートに形成しても良い。あるいは、ノズルのみノズルプレートに形成し、圧力室、インク供給路、ノズル連通路とを別のプレートに形成してノズルプレートと接合しても良い。あるいは、その他の形態であっても良い。
また、例えば、上記実施の形態では圧電素子36は、1枚の圧電素子36のたわみ振動によって圧力室12を加圧したが、これに限定されない。例えば、圧電素子を積層する形態であっても良いし、縦振動タイプの圧電素子であっても良い。あるいは、その他形態の圧電素子であっても良い。
また、上記実施の形態では、アクチュエータは圧電素子36と振動板34とからなっているが、これに限定されない。例えば、圧力室内のインクを加熱し発泡させることで加圧する発熱抵抗体であっても良いし、静電力や磁力を利用したものであっても良い。あるいは、その他の形態のアクチュエータであっても良い。
また、上記実施の形態では、インクジェット記録ヘッド112はキャリッジ104によって搬送しながら記録を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、ノズルを記録媒体の全般にわたって配置したインクジェット記録ヘッドを用い、インクジェット記録ヘッドは固定して、記録媒体のみを搬送しながら記録を行っても良い。
また、本明細書におけるインクジェット記録とは、記録用紙上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりするなど、工業用的に用いられる液滴噴射装置全般に対して本発明を利用することが可能である。
(A)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面斜視図である。(B)は(A)のX部の拡大図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造において、ノズルプレートとザグリプレートとの接合工程の概要を示す工程図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのザグリプレートの製造工程を(A)から(C)に順番に示す図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのノズルプレートにザグリプレートを接合する工程を(A)から(B)に順番に示し、(C)は(B)のザグリ部分の拡大図である。 インクジェット記録装置の部分断面斜視図である。 インクジェット記録装置のクリーニング機構を模式的に示す斜視図である。 ワイパーブレードでワイピングする様子を(A)から(B)に模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのノズルプレートにザグリプレートを接合する工程を(A)から(C)に順番に示し、(D)は(C)のザグリ部分の拡大図である。 (A)は、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのザグリプレートとノズルプレートとの接合部分を模式的に示し、(B)は(A)のZ部分の拡大図である。 本発明に係るその他のノズルプレートとザグリプレートとの接合工程の概要を示す工程図である。 本発明に係るその他のノズルプレートとザグリプレートとの接合工程の概要を示す工程図である。 本発明に係るその他のノズルプレートとザグリプレートとの接合工程の概要を示す工程図である。 本発明に係るインクジェット記録ヘッドのザグリ壁面の拡大図である。 従来のインクジェット記録ヘッドのザグリ壁面の拡大図である。 従来のインクジェット記録ヘッドにおいて、ワイパーブレードでワイピングする様子を(A)から(B)に模式的に示す図である。 従来のインクジェット記録ヘッドにおいて、ノズルプレートとザグリプレートとの接合工程の概要を示す工程図である。
符号の説明
10 ノズル
10A ノズル面
112 インクジェット記録ヘッド
160 接着剤
162 粒子
200 ザグリ
202 ザグリ孔
200A ザグリ壁面(ザグリの壁面)
210 撥液膜
210A 非膜部
220 ザグリプレート
220A 突起部
400 ザグリプレート

Claims (16)

  1. インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    少なくとも前記ノズルの周縁部には、前記インクを弾く撥液膜が形成され、
    前記ザグリの壁面には前記撥液膜が形成されていない領域を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記撥液膜が形成されていない領域は、前記ザグリの壁面の全周にわたって繋がって存在することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記ノズルと前記撥液膜が形成されたノズル面にザグリプレートが接合され、前記ザグリプレートに前記サグリとなるザグリ孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記ノズル面の前記ザグリプレートと接合する領域の前記撥液膜は、部分的に除去され、該ノズル面が部分的に露出する非膜部を有していることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記ザグリプレートは、前記ノズル面との接合面に該ノズル面の前記撥液膜を貫通する複数の突起部を備えることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記ザグリプレートと前記ノズル面とは接着剤で接合され、前記接着剤には前記ノズル面の前記撥液膜を貫通する粒子が混合されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記ノズル面と前記ザグリプレートとは、熱膨張率が略等しい材質であることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記ノズル面と前記ザグリプレートとは、同材質であることを特徴とする請求項7項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、
    前記ノズル面に前記ノズルを形成する第2工程と、
    ザグリプレートに撥液膜を形成する第3工程と、
    前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔を形成する第4工程と、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第5工程と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、
    ザグリプレートに撥液膜を形成する第2工程と、
    前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔を形成する第3工程と、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第4工程と、
    前記ノズル面に前記ノズルを形成する第5工程と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  11. インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、
    前記ノズル面に前記ノズルを形成する第2工程と、
    ザグリプレートに撥液膜を形成する第3工程と、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第4工程と、
    前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔を形成する第5工程と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  12. インクを吐出するノズルと、前記ノズルの周囲に形成されたザグリと、を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記ノズルが形成されるノズル面に前記インクを弾く撥液膜を形成する第1工程と、
    ザグリプレートに撥液膜を形成する第2工程と、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する第3工程と、
    前記ノズル面に前記ノズルと、前記ザグリプレートに前記ザグリとなるザグリ孔と、を形成する第4工程と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  13. 前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する前記第3工程、前記第4工程、又は前記第5工程は、
    前記ノズル面の前記ザグリプレートと接合する領域の前記撥液膜を部分的に除去し、前記ノズル面が露出する非膜部を形成した後、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  14. 複数の突起部を有する工具を前記ノズル面に圧接し、前記突起部で前記撥液膜を部分的に破壊して除去し、前記非膜部を形成することを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  15. 前記ザグリプレートは、前記ノズル面との接合面に該ノズル面の前記撥液膜を貫通する複数の突起部を備え、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する前記第3工程、前記第4工程、又は前記第5工程は、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に圧接し、前記突起部を前記撥液膜に部分的に貫通させ、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  16. 前記ザグリプレートと前記ノズル面とは前記ノズル面の前記撥液膜を貫通する粒子が混合された接着剤で接合され、
    前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合する前記第3工程、前記第4工程、又は前記第5工程は、
    前記ザグリプレートと前記ノズル面との間に前記接着剤を塗付して前記ザグリプレートを前記ノズル面に圧接し、前記粒子を前記撥液膜に部分的に貫通させ、前記ザグリプレートを前記ノズル面に接合することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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