JP2006041221A - 熱電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱電素子を平面的に配列でき、簡易な構造で耐久性および信頼性の高い熱電変換装置を提供する。
【解決手段】 第1の列2aをなすように並べられた複数のP型熱電素子2と、第1の列2aと平行した第2の列3aをなすように並べられた複数のN型熱電素子3と、これらのP型熱電素子2およびN型熱電素子3を交互に電気的に直列に接続するために、第1の列2aおよび第2の列3aの間を渡りあるいは跨ぎ、対応する熱電素子の上側を接続する独立した複数の上側電極7および下側を接続する独立した複数の下側電極8と、電極7および8の両端を上下から挟みこんで接続するクリップ20および21を有する熱電変換ユニット1を提供する。独立した電極7および8により個々の熱電素子を挟みこんで固定できるので、他の熱電素子の熱変形に影響されることがなく、信頼性および耐久性の高い熱電変換ユニット1を提供できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、P型熱電素子およびN型熱電素子を電気的に直列に接続して熱交換を行う熱電変換装置に関するものである。
P型熱電素子およびN型熱電素子を電気的に直列に接続し、ペルチェ効果を用いて熱交換を行う熱電変換装置が知られており、冷蔵庫、スポットクーラなどの多種多様な機器で利用されている。このような熱電変換装置の一般的な構成の1つは、P型およびN型の熱電素子を2次元的に交互になるように配列し、それらを電極がパターニングされた絶縁基板により上下から挟み込んで電気的に直列に接続し、さらに、絶縁基板の外側に熱交換器を接合して熱交換を行うものである。
特開平5−63244号公報
絶縁基板で熱電素子が挟み込まれた構造の熱電変換装置は、熱交換器と熱電素子との間に絶縁基板が介在しているので、これら2枚の絶縁基板により熱伝達が阻害されてしまい、放熱効率および吸熱効率を向上することが難しく、熱交換効率が低いという問題がある。これに対し、特許文献1では、P型熱電素子およびN型熱電素子を物理的に直線的に配列し、N型熱電素子とP型熱電素子との間に電極板を挟むことにより電気的にも直列に接続されるようにしている。さらに、N型熱電素子とP型熱電素子との間の電極を放熱電極板として放熱プレートを延長し、P型熱電素子とN型熱電素子の間の電極を吸熱電極板として吸熱プレートを延長している。この電熱変換装置では、電極板が放熱プレートまたは吸熱プレートと一体になっているので、熱交換効率が高い。
しかしながら、この熱電変換装置の方式では、複数の熱電素子を直線的に配列するため、熱電素子の配列、熱交換用のフィンの配列に制限があり、それに応じて、熱交換を行う媒体の流れる方向も自由にならない。たとえば、多数の熱電素子を配置しようとしたときに、それらを直線的に配置するよりも2次元に平面的に配置した方がスペース効率あるいは充填効率は高く、熱電変換装置を小型化できるが、特許文献1の方式では難しい。また、特許文献1の方式は、吸熱側の媒体と、放熱側の媒体が平行して流れるような熱交換装置には対応できるが、直交する方向に流れるような熱交換装置には対応が難しい。さらに、多数の熱電素子が直線的に配置されるために、個々の熱電素子の熱膨張あるいは収縮が微少であったとしても、それが直線的に並んだ数だけ倍化されるので、熱応力を逃がすような構造が要求され、信頼性および耐久性の高い熱電変換装置およびそれを用いた熱交換装置を実現するためにはコストがかかる。
この点、2次元にマトリクス状あるいはアレイ状に複数の熱電素子を配置した熱交換装置であれば、フィンの方向は自由になるので、媒体の流れる方向に対しては自由に対応できる。また、複数の熱電素子が2次元に配置されるので、スペース効率が高く、熱膨張あるいは熱収縮は倍化されず、熱応力の発生は小さくなり、コンパクトで耐久性の高い熱交換器を提供できるはずである。しかしながら、多数の熱電素子を平面的に配置するので、個々の熱膨張/収縮が小さくなるといっても、熱電素子のサイズの公差あるいは熱膨張/収縮の個体差により電極との接触不良が発生しやすくなる。したがって、熱電素子に対して電極を強力に押し付ける必要があり、熱電素子が配置された面全体を覆う剛性の高い絶縁基板が必要になり、熱応力が緩和される構造にならない。また、絶縁基板を介して熱を交換するようなものは熱交換効率が低いことは上述した通りである。電極と放熱あるいは吸熱用のフィンとを一体にして絶縁基板を貫通するように取り付け、絶縁基板でマトリクス状に配置された複数の熱電素子を挟み込んで支持するような構成を採用することは可能である。しかしながら、この構成でも、熱電素子に対して電極を強い力で挟み込む必要があり、熱応力の発生を小さくすることは難しい。剛性の高い絶縁基板を省くことができないので、熱電変換ユニットをコンパクトで低コストなものにすることも難しい。
そこで、本発明においては、熱電素子を平面的に配置しながら、剛性の高い絶縁基板を省くことを可能とし、より簡易な構成で、さらに、熱応力の発生も抑制することができる熱電変換装置を提供することを目的としている。そして、数多くの熱電素子を配列したコンパクトな熱電変換装置であって、熱交換効率が高く、低コストで、さらに、熱媒体の流れる方向をフレキシブルに設定できる熱電変換装置およびそれを備えた熱交換装置を提供することを目的としている。
このため、本発明は、第1の列をなすように並べられた複数のP型熱電素子と、第1の列と平行した第2の列をなすように並べられた複数のN型熱電素子と、これらのP型熱電素子およびN型熱電素子を交互に電気的に直列に接続するために、第1の列および第2の列の間を渡り、対応するP型およびN型の熱電素子の上側を接続する独立した複数の上側電極および下側を接続する独立した複数の下側電極とを有する熱電変換装置を提供する。
本発明の熱電変換装置では、複数のP型熱電素子および複数のN型熱電素子を2列に並べて配置し、それらを交互に直列に接続するために、2列の間を渡る独立した上側電極により、対応するP型熱電素子およびN型熱電素子の上側を個別に、すなわちペアを成すように接続する。また、2列の間を渡る独立した下側電極により、対応するP型熱電素子およびN型熱電素子の下側を個別に、すなわちペアを成すように接続する。したがって、複数の上側電極および下側電極は、熱電素子が並んだ第1および第2の列を跨ぐように、梯子のステップのように、あるいは平行線が並んだハッチングのように配置される。
上側電極および下側電極として、P型熱電素子およびN型熱電素子を電気的に接続するプレート部と、このプレート部から上方または下方に延びた熱交換部とを設けた電極を用いると共に、上側電極のプレート部および下側電極のプレート部の両端を上下方向から挟み込むように支持する絶縁性の支持部材を用いることが望ましい。上側電極および下側電極のプレート部の両端を上下方向から挟み込むように絶縁性の支持部材により支持できる。これにより、それぞれの電極のプレート部の端で熱電素子を挟みこめるので、複数の熱電素子を電気的に接続できると共に、構造的にも連結できる。このため、列方向に並んだ熱電素子は、それぞれ独立して、異なる上側電極および下側電極により挟み込まれて支持され、個々の熱膨張/収縮の影響が他の熱電素子に及ぶことはない。したがって、熱応力の発生を最小限に止めることができる。また、電極を上下から挟み込む支持部材は、電極により無理なく熱電素子を挟み込む程度の圧力を発生させるものであれば良く、剛性のそれほど高くない簡易な構成のもので良い。たとえば、ゴムあるいはプラスチックの成形品を適用することができる。
さらに、上側電極および下側電極は、P型熱電素子およびN型熱電素子を電気的に接続するプレート部と、このプレート部から上方または下方に延びた熱交換部とを備えているので、上側電極および下側電極をそれらの端で支持部材により挟み込むことにより、媒体と熱交換する部分も一体となった熱電変換装置を形成できる。したがって、本発明の熱電変換装置は、熱電素子を平面的に配列しながら、それらを平面的に支持するための剛性の高い絶縁基板を必要としない。このため、より簡易な構成で、さらに、熱応力の発生も抑制された熱電変換装置を提供できる。そして、数多くの熱電素子を配列できるという平面あるいは2次元配置のメリットを活かしたコンパクトな熱電変換装置であって、熱交換効率が高く、低コストで、さらに、熱媒体の流れる方向をフレキシブルに設定できる熱電変換装置を提供できる。したがって、本発明の熱電変換装置と、隔離された領域、ダクトあるいはファンなどの、熱電変換装置に対して吸熱用の媒体および/または放熱用の媒体をそれぞれ供給する手段とを有する熱交換装置においては、熱媒体の流れる方向をフレキシブルに設定でき、熱交換装置全体をいっそうコンパクトにすることができる。
2列に並んだ熱電素子を、上側電極および下側電極をスケルトン、すなわち、骨組みとして接続した熱電変換装置は、上側電極および下側電極が剛体であっても、全体の構造的には剛体とはいえず、熱応力が発生してもそれにより影響を受けることは少なく、また、周囲に配置される構造部材や他の機器の熱膨張/収縮の影響も受け難い。したがって、本発明の熱電変換装置は、剛性を上げることにより熱膨張/収縮の影響による接触不良を防止し、耐久性および信頼性を向上しようとしている従来の装置と異なり、剛性をむしろ低下することにより熱膨張/収縮の影響を防止し、それによる接触不良および耐久性の低下を防止し、信頼性を向上しようとするものであると言うことができる。
電極の両端を上下から挟み込む支持部材により、列方向に隣接する上側電極および下側電極を連結するようにすれば、本発明の熱電変換装置の列方向の形状の安定性を向上できる。支持部材による列方向の連結の強度は、接触不良を防止したり、耐久性を向上させたりするためには不要であり、熱電変換装置の使いやすさを目的として設定することができる。電極から上下に延びている熱交換部の隙間が小さいような場合は、ある程度、列方向の形状が安定していないと熱交換部同士が接触して電気的にショートする可能性がある。
複数の上側電極および複数の下側電極の間の、第1の列および第2の列の間に、絶縁性の仕切り板を配置することによっても、列方向の形状の安定性を向上できる。この仕切り板の強度も、接触不良を防止したり、耐久性を向上させたりするためには不要であり、熱電変換装置の使いやすさを目的として設定することができる。また、本発明の熱電変換装置は、2列の熱電素子を電極によりスケルトン的に接続したものであり、電極間に隙間があるので、このままでは、吸熱側と放熱側を物理的に仕切れていない。仕切り板を電極間に設置することにより、吸熱側と放熱側とを仕切ることができ、熱媒体がショートカットすることを防止できる。
プレート部の上方または下方に延びた熱交換部を備えた上側電極および下側電極は、電極としての機能と熱交換部としての機能を兼ねているので、導電性および熱伝導性に優れていることが望ましく、そのような電極の一例は、銅製の電極である。熱交換部の一例は、プレート部の長手方向に延びる少なくとも一つのフィンを備えているものである。プレート部の長手方向の強度を向上できるので、熱電変換装置の全体形状を安定化させやすい。フィンの方向は、長手方向に限らず、垂直な方向にも斜めの方向にも設定することができ、熱媒体の流れ方向に合わせて自由に選択できる。
熱交換部が、複数の棒状部材を備えたピンタイプであると、フィンの向きを変えたりすることなく、熱媒体が流れる方向に対応できる。したがって、熱電変換装置の量産性をさらに向上でき、低コストで供給できる。また、熱電変換装置を利用する側も熱媒体の流れ方向を指定する必要がなくなるので、発注も容易になる。ピンタイプの熱交換部の一例は、複数のピンまたは複数の棒状部材のピッチが0.6mm程度であり、1つの棒状部材は、一辺が0.3mm程度の正方形の断面形状を備えたものである。
板材を、その断面が略Π字型あるいは略U字型になるように中心に対して両側を折り曲げて両側壁を形成したフィン部材であって、さらに、それらの両側壁は、垂直方向の切れ目により複数の略短冊状にカットされ、隣接する略短冊状の部分が互い違いに曲げられたフィン部材を、上側電極および/または下側電極とすることも有効である。このフィン部材の中央をプレート部とし、隣接する略短冊状の部分が互い違いに曲げられてピンタイプのようになった両側壁を熱交換部として利用し、ピンタイプとほぼ同様の効果を得ることができる。このタイプのフィン部材は、長手方向に延びた帯状の板材の両側に長手方向と直交する方向に切れ目を入れ、その板材をΠ字状あるいはU字状に折り曲げて両側壁を形成し、短冊状の部分を互い違いに曲げることにより製造できる。したがって、ピンタイプの熱交換部を備えた電極よりもはるかに低コストで製造することが可能である。
本発明においては、2列に並んだ熱電素子を、上側電極および下側電極をスケルトンとして電気的にも、機械的にも接続し、熱電変換装置を形成している。したがって、熱電変換装置全体の剛性は高くなく、むしろ熱電変換装置としては柔構造であり、個々の熱電素子あるいは電極などの熱変形が電気的な接続不良に繋がったり、材料の劣化に繋がる事態を未然に防止できる。したがって、熱電素子を平面的に配置するメリットを活かしながら、小型・低コストで、耐久性および信頼性が高く、さらに、熱媒体の流れ方向を自由に設定できる熱電変換装置を提供できる。
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に本発明に係る熱電変換ユニットおよびそれを備えた熱交換装置の概略を、斜視図を用いて示してある。この熱交換装置10は、ダクト50により供給された空気51を熱電変換ユニット1により冷却して出力する。したがって、熱電変換ユニット1は、ダクト50の内部を流れる空気51から吸熱し、その熱を外気52に放熱する。熱電変換ユニット1は、第1の列2aをなすように直線的に並べられた複数のP型熱電素子2と、第1の列と並列する第2の列3aを成すように直線的に並べられた複数のN型熱電素子3とを備えている。これら複数のP型およびN型の熱電素子2および3を交互に電気的に直列に接続し、電圧を印加することにより、N−P接続からP−N接続に熱を移動するペルチェ効果が得られる。したがって、これら熱電素子2および3が平行に配置された面を水平な面とすると、それに対して上方から下方に、あるいは下方から上方に熱を移動し、一方を吸熱側とし、他方を放熱側とすることができる。これら熱電素子2および3が平行に配置された面が垂直な面であれば、左右に熱を移動することができるが、本明細書において、上下方向は単に熱電素子が配列された面に対する方向を単に規定するだけであって、左右であってももちろん良い。
図2(a)に熱電変換装置1の展開した状態を斜視図により示してある。また、図2(b)に、上側電極および下側電極により、それぞれ電気的に対応するP型およびN型の熱電素子2および3のペアを接続する様子を示してある。熱電変換ユニット1は、第1の列2aをなすように並べられた複数のP型熱電素子2と、第1の列2aと平行した第2の列3aをなすように並べられた複数のN型熱電素子3と、これらのP型熱電素子2およびN型熱電素子3を交互に電気的に直列に接続するために、第1の列2aおよび第2の列3aの間を渡りあるいは跨ぎ、対応するP型およびN型の熱電素子の上側を接続する独立した複数の上側電極7および下側を接続する独立した複数の下側電極8とを有している。上側電極7は銅製で、熱電素子2および3を電気的に接続するプレート部11と、このプレート部11から上方に延びた熱交換部13とを備えている。また、下側電極8も銅製で、熱電素子2および3を電気的に接続するプレート部12と、このプレート部12から下方に延びた熱交換部14とを備えている。本例においては、上側に延びた熱交換部13が吸熱側となり、下側に延びた熱交換部14が放熱側となる。
さらに、熱電変換ユニット1は、それぞれの上側電極7のプレート部11および下側電極8のプレート部12の両端11tおよび12tを上下方向Hから挟むように支持する絶縁性のクリップ20および21を有している。この熱電変換ユニット1は、2列に2次元に配列された熱電素子2および3を上側および下側から上側電極7および下側電極8により挟み、それらの電極の両端をクリップ20および21により上下から挟み込むことにより、熱電素子2および3を電気的に交互に直列に接続することができ、また、熱電素子2および3を機械的に接続することができる。そして、電極7および8から上方および下方に延びた熱交換部13および14により吸熱側と放熱側を構成することができる。
この熱電変換ユニット1においては、P型熱電素子2とN型熱電素子3とが平面的にはシフトした千鳥状あるいはジグザグに配置されている。このため、上側電極7のプレート部11および下側電極8のプレート部12は、第1の列2aと第2の列3aとを跨ぐのに十分な長さを備えている共に、シフトした位置にある対応する熱電素子同士を接続するために折れ曲がった形状になっている。したがって、図3に示すように、上方からプレート部11および12の平面的な配置を見ると、上側電極7のプレート部11および下側電極8のプレート部12は反対方向に傾いて延びている。また、上側電極7および下側電極8の一方に注目すると、独立した電極プレート11または12が、微少な隙間を開けて第1の列2aおよび第2の列3aの間に平行に、ハッチングを描くように配置されている。なお、図3おいては、プレート部11および12の平面的な配置を明確にするために、上側電極7のプレート部11を一点鎖線、下側電極8のプレート部12を破線で示してある。
P型熱電素子2とN型熱電素子3とを平面的に半ピッチ程度シフトした配置にすることも可能であり、この場合は、上下の電極のプレート部11および12は、対称な形になる。一方、P型熱電素子2とN型熱電素子3とを同一位相でシフトしないように配置することも可能である。この場合は、P型熱電素子2とN型熱電素子3と交互に直列に接続するために、上下の電極のプレート部11および12の一方は直線的な形状になり、第1の列2aと第2の列3aと梯子のステップのように接続し、電極プレート11および12の他方は大きく折れ曲がった形状になる。
図4に断面で示すように、上側電極7においては、プレート部11から上方向に複数の棒状に伸びたピン15が突き出て熱交換部13を形成し、下側電極8においては、プレート部12から下方向に複数の棒状に伸びたピン16が突き出て熱交換部14を形成している。これらのピン15および16は、断面が一辺ほぼ0.3mmの正方形であり、プレート部11および12のほぼ全体にわたり0.6mmピッチで設けられている。これらのピン15および16は銅製であり、それぞれのプレート部11および12と一体に成形されている。したがって、電極7および8により、熱電素子2および3の吸熱側および放熱側の電気的な接続を形成すると共に、それらの接続に対し高い熱伝達効率により熱を入出力できるようになっている。
さらに、複数のピン15および16が突き出た熱交換部13および14においては、そこを流れる媒体に対する圧力損失などの抵抗の大きさは、基本的には媒体の流れる方向にほとんど依存しない。ピンの詳細な形状あるいはピンの配置密度などが方向に依存していれば、抵抗の大きさは、それらの影響を受ける可能性はあるが、プレートフィンなどの平面的な形状を備えたものに比較すれば、流れる方向に対する依存性はほとんどないと言える。さらに、媒体中に突き出た熱交換用の部材を、ピンあるいは棒状にして断面積を小さくすることにより、単位面積あたりの媒体との接触面積を増やすことが可能となり、プレートフィンと比較して熱交換効率をさらに向上することができる。したがって、ピンのように突き出た熱交換部を採用することにより、媒体の流れ方向または供給方向を自由に設定することができ、熱交換効率のさらに高い熱電変換ユニットを提供することができる。
上側電極7の両側11tおよび下側電極8の両側12tを上下に連結するクリップ20および21は、列方向(長手方向)Sに延びた断面がC字型の樹脂製の絶縁部材であり、上下の爪部22により上側電極7の端11tと下側電極8の端12tとを挟みこむことにより、上側電極7および下側電極8とを、熱電素子2または3を間に挟んだ状態で機械的に接続する。さらに、上側電極7および下側電極8と、熱電素子2または3とを電気的にも接続する。
この熱電変換ユニット1は、上側電極7および下側電極8を、列方向に独立した電極とし、それらを骨組みとして個々の熱電素子2および3を接続する構成にしている。したがって、クリップ20および21は、1つの上側電極7と、1つの下側電極8とで、1つの熱電素子2または3を挟んで固定するだけの機能を基本的には果たせば良い。周囲の熱電素子の熱変形量が異なったときに、その熱応力に抗して電極を熱電素子に接触させるような圧力は不要であり、最小限の力で電極7および8と熱電素子2または3とを電気的にも機械的にも接続できる。このため、電極および熱電素子に無用な応力を加える必要がなく、耐久性を確保でき、信頼性の高い熱電変換ユニット1を提供できる。また、クリップ20および21としては、プラスチックあるいはゴムなどの弾性を備えた樹脂製の部材を用いることができ、その弾性で電極7および8と熱電素子2または3とを接続することができる。したがって、クリップ20または21で電極7および8の間に挟みこんでいる熱電素子2または3が熱変形したときに、クリップ20または21の弾性の範囲でそれに追従することが可能であり、その点でも電極7および8と熱電素子2または3に熱的なストレスが発生するのを防止でき、耐久性と信頼性を向上することができる。
クリップ20および21は、電極毎に分割されたものであっても良く、独立した電極を主たる構造体とし、独立した電極同士を個々に両端で接続してジグザグな骨組みを採用した構造としてはもっとも柔軟性の高い構成である。本例の熱電変換ユニット1においては、列方向に延びたクリップ20および21を採用している。これにより、列方向に独立した複数の電極7および8の位置を列方向に整えることができるので、熱電変換ユニット1の全体形状を安定させることができる。したがって、隣接する電極の間で、熱交換部13および14を構成するピン15および16が接触して電気的にショートするような事態を未然に防止できる。また、弾性的な樹脂によるクリップ20および21を採用することにより、列を形成する熱電素子2または3のサイズの公差、熱膨張/収縮といった熱変形量の相違が列方向に隣接する他の熱電素子の取り付けに影響を与えないようにすることができる。
熱電変換ユニット1は、さらに、上側電極7および下側電極8の間の、第1の列2aおよび第2の列3aの間のスペースに、絶縁性の仕切り板18を配置している。この仕切り板18はさらに断熱性であることが望ましい。この熱電変換ユニット1においては、独立した上側電極7と下側電極8とが熱電素子2および3を機械的に接続する構造部材ともなる。複数の上側電極7の間、複数の下側電極8の間は、絶縁のためにスペースが空き、吸熱側の媒体と放熱側の媒体とが物理的に混合してしまう可能性があり、熱的に吸熱側と放熱側とを遮断することができない。電極同士の隙間に絶縁性の部材を配して隙間を埋めることも可能であるが、部材の点数が増加するので経済的には好ましくない。また、独立した電極同士を接続することになるので、熱電変換ユニット1の柔軟性を減らす方向になり、熱ストレスが発生する要因となるので、好ましい解決策とはいえない。
電極7および8の間に、仕切り板18を挿入することにより、吸熱側の熱交換部13と放熱側の熱交換部14とを熱的に遮断することができる。また、仕切り板18は1枚構成にすることができるので、経済的である。そして、電極7および8により仕切り板18を強固に挟みこむような構成にしなければ、電極7および8の相互の動きを仕切り板18が阻害することもなく、仕切り板18により熱ストレスが助長されるようなことは防止できる。電極7および8の間に仕切り板18を挿入することにより、電極7および8の動きがある程度の範囲に抑えられるので、熱電変換ユニット1の全体の形状は安定し、熱交換装置10に取り付けやすくなる。また、電極のピン15および16が傾いて接触してショートするような事態も防止できる。
図5はプレートタイプのフィン31により熱交換部13および14が構成された、異なる熱電変換装置1aを示している。この熱電変換装置1aでは、上側電極7および下側電極8は、短辺方向の断面がU字型になっており、プレート部11およびプレート部12の短辺方向の両縁からプレート状のフィン31が上側および下側に延びている。プレートタイプのフィン31は、媒体の流れる方向により圧力損失が著しくことなるので、媒体を流せる方向は限られてしまう。その一方で、電極の断面をU字型あるいはT字型などにして構造的な強度を向上することが可能であり、電極を薄くすることができる。このため、熱電変換ユニット1aはさらに軽量化することが可能となる。プレートフィン31を含めた電極7および8の形状は、図5に示したものに限定されない。電極の断面をT字型に限らず、Π字型にしたり、さらにフィンのピッチを狭くすることも可能である。
図6は、さらに異なる熱交換部13および14が構成された熱電変換装置1bを示している。この熱電変換装置1bの上側電極7および下側電極8は、板材を断面がほぼΠ字型またはU字型になるように折り曲げて垂直方向に延びた両脚あるいは両側壁部33を形成したフィン部材32から構成されている。このフィン部材32は、さらに、両側壁部33に垂直方向に複数の切れ目36が入っており、それらにより複数の略短冊状の部分35aおよび35bが形成され、それら略短冊状の部分35aおよび35bが互い違いの方向に曲げられている。本例においては、このフィン部材32の中央部分がプレート部11および12となり、短冊状の部分35aおよび35bにより構成される両側壁部33が熱交換部13および14となっている。
この熱交換部13および14は、短冊状部分35aおよび35bが互い違いに曲げられているので、短冊状の部分35aおよび35bは、それらの根元から先端に行くにつれて分かれており、1つ1つの短冊状の部分35aおよび35bが、上述したピンと同等の機能を果たす。したがって、熱媒体との接触面積も高く、さらに、ピンタイプと同様にエッジ部分も増えるので乱流化しやすく熱交換効率を向上できる。また、短冊状の部分35aおよび35bは、基本的にはフィン部材32の延びた方向に並ぶが、互い違いに曲げられて、短冊状の部分35aおよび35bの先端はランダムな配置に近くなっているので、ピンタイプと同様に、熱媒体の流れる方向にほとんど依存しない熱交換部となっている。
また、この熱電変換装置1bにおけるクリップ20には、列方向Sに配置された熱電素子2または3同士の間に挿入することにより、仕切り板18と共に上下方向の熱媒体の流れを防止するための突起24が設けられている。なお、図6においては、N型熱電素子3の側の取り付けられる一方のクリップのみを示し、P型熱電素子2の側に取り付けられるクリップは省略してある。
両側壁を短冊状にカットして互い違いに曲げるタイプのフィン部材は低コストで製造することができ、ピンタイプの熱交換部と同様の性能を得ることができる。図7(a)に示したフィン部材39は、フィンを構成する板を断面がΠ字状なるように曲げている点を除いて、上述したフィン部材32と同様の構成になっている。このようなフィン部材であっても図6に示したフィン部材32と同様に本発明の熱電変換装置に適用できる。このフィン部材39は、図7(b)に示したように、帯状の金属性のプレート40の幅方向(長手方向と直交する方向)の両側に幅方向に延びた切れ込み36を設ける。次に、図7(c)に示すように、プレート40の両側を、断面がΠ字型(逆Π字型)になるように曲げる。そして、電極として適当な長さにカットし、また、切れ込み36により分割された短冊状の部分35aおよび35bを互い違いの方向に曲げることにより、図7(a)に示すような電極および熱交換用のフィンとして優れた性能を備えた部材39を製造できる。したがって、ピンタイプと同等の性能を備えた電極を、より低コストで製造することができる。
なお、図6および図7(a)に示したフィン部材32および39においては、短冊状の部分35aおよび35bは、基の部分が徐々に傾くように曲げているが、基の部分をさらに大きく曲げて隣接する短冊状の部分をさらに離し、独立したピンタイプの状態に近くすることも可能である。
また、図1に示した熱電変換ユニット1の熱交換部を構成するピン15および16の形状およびピッチも上述したものに限定されない。また、本発明の熱電変換ユニットを採用可能な熱交換装置は様々であり、図1に示したものに限定されない。熱を伝達する媒体となる気体あるいは液体を熱交換部に供給する手段はダクトに限定されない。ファンで媒体を送り込んでも良いし、熱交換の対象となる気体あるいは液体が充満した領域に熱電変換ユニットの熱交換部を直に配置しても良い。また、電極は銅に限定されないが、熱伝導率と電気伝導率を考えると銅は1つの最適な素材である。
本発明に係る熱電変換装置を備えた熱交換装置の概略を示す斜視図である。 図2(a)は熱電変換装置を展開して示す斜視図、図2(b)は熱電素子のペアを電極により接続した様子を示す図である。 複数の熱電素子、複数の上側電極、および複数の下側電極の平面的な配置を示す図である。 熱電変換装置の上下方向の断面図である。 異なる熱電変換装置を示す斜視図である。 さらに異なり、断面が略U字型の電極を備えた熱電変換装置を示す斜視図である。 図7(a)は図6と異なる断面が略Π字型の電極を示す図であり、図7(b)はその電極用のフィン部材を製造する前段階を示す図であり、図7(c)はフィン部材を成形した状態を示す図である。
符号の説明
1、1a、1b 熱電変換装置
2 P型熱電素子
3 N型熱電素子
7 上側電極
8 下側電極
11、12 プレート部
11t、12t 電極の両端
13、14 熱交換部
15、16 ピン
20、21 クリップ
32、39 フィン部材

Claims (9)

  1. 第1の列をなすように並べられた複数のP型熱電素子と、
    前記第1の列と平行した第2の列をなすように並べられた複数のN型熱電素子と、
    これらのP型熱電素子およびN型熱電素子を交互に電気的に直列に接続するために、前記第1の列および第2の列の間を渡り、対応するP型およびN型の熱電素子の上側を接続する独立した複数の上側電極および下側を接続する独立した複数の下側電極とを有する熱電変換装置。
  2. 請求項1において、前記複数の上側電極および前記複数の下側電極のそれぞれは、前記P型熱電素子およびN型熱電素子を電気的に接続するプレート部と、このプレート部から上方または下方に延びた熱交換部とを備えており、
    さらに、前記上側電極のプレート部および下側電極のプレート部の両端を上下方向から挟み込むように支持する絶縁性の支持部材を有する熱電変換装置。
  3. 請求項2において、前記支持部材は、列方向に隣接する前記上側電極および下側電極を連結する熱電変換装置。
  4. 請求項1において、前記複数の上側電極および複数の下側電極の間の、前記第1の列および第2の列の間に配置された絶縁性の仕切り板をさらに有する熱電変換装置。
  5. 請求項1において、前記上側電極および下側電極は銅製である熱電変換装置。
  6. 請求項2において、前記熱交換部は、前記プレート部の長手方向に延びる少なくとも一つのフィンを具備する熱電変換装置。
  7. 請求項2において、前記熱交換部は、前記プレート部から上方または下方に突き出た複数の棒状部材を具備する熱電変換装置。
  8. 請求項2において、前記上側電極および下側電極の少なくともいずれかは、板材を、その断面が略Π字型あるいは略U字型になるように中心に対して両側を折り曲げて両側壁を形成したフィン部材であって、さらに、それらの両側壁は、垂直方向の切れ目により複数の略短冊状にカットされ、隣接する略短冊状の部分が互い違いに曲げられたフィン部材を備えており、そのフィン部材の中央が前記プレート部であり、前記両側壁が前記熱交換部である、熱電変換装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の熱電変換装置と、
    前記熱電変換装置に対して吸熱用の媒体および/または放熱用の媒体をそれぞれ供給する手段とを有する熱交換装置。
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