JP2006038816A - マイクロアレイ読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高感度化を実現できるマイクロアレイ読取装置、さらには検出時間を短縮し得るマイクロアレイ読取装置を提供する。
【解決手段】 プローブDNAが固定化されたマイクロアレイ基板70に対して、蛍光物質とターゲットDNAとを含む試料を接触させた場合の、プローブDNAとターゲットDNAとの特異的な相互作用を検出するためのマイクロアレイ読取装置100であって、レーザ光源11と、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAが固定されている表面にエバネッセント場を発生させるように、レーザ光源11によって照射される光をマイクロアレイ基板70に対して入射させる対物レンズ14と、エバネッセント場により励起された試料中に含まれる蛍光物質から出射される蛍光を検出するための光検出器17と、を備えるマイクロアレイ読取装置によれば、高感度化を達成でき、かつ検出時間を短縮できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロアレイを高感度かつ高速にて検出可能なマイクロアレイ読取装置に関するものである。
DNAマイクロアレイは、1995年に報告されて以来、細胞や組織中で働くmRNAを網羅的に検出できる方法として、細胞生物学や基礎医学分野だけでなく、創薬や医療応用等の多く分野において用いられるようになってきている。DNAマイクロアレイは、細胞の核内でどのような遺伝子が転写されているか、また転写されたmRNAが細胞内にどのくらい存在するのか等の情報をそれぞれの遺伝子について一度に大量に調べることができるため、トランスクリプトーム解析の主な研究方法として定着してきている。
mRNAを網羅的に検出することで、細胞中での遺伝子の役割を決定したり、発生の特定段階で働く遺伝子を検出したりすることができるだけでなく、生体各部位の細胞のトランスクリプトームやストレスに対する細胞応答、疾病と遺伝子との関係等についても調べることができる。このため、このマイクロアレイに関する技術は将来的にはさら多くの有益な情報をもたらすと考えられ、国内外で積極的に研究開発が行われている。
DNAマイクロアレイの原理を簡単に説明する。一般的なDNAマイクロアレイでは、各遺伝子のmRNAを検出するために各mRNAの塩基配列と相補的な配列を持つDNA(プローブDNAと呼ぶ)をあらかじめ基板上に固定しておき、細胞や組織試料から抽出したmRNAを逆転写して生成したcDNA(ターゲットDNAと呼ぶ)を基板上のプローブDNAへハイブリダイゼーションさせることで各遺伝子のmRNAを検出している。
ハイブリダイゼーションでは、熱処理して一本鎖にしたプローブDNAに対して、同じく一本鎖にしたターゲットDNAが相補的な配列を持っていれば安定に再結合(ハイブリダイズ)して、配列が異なっていれば結合が不安定になることを利用して、それぞれの配列のDNAが識別される。通常、プローブDNAは直径100〜200μm程度の円形のスポットとして基板上に固定されており、異なった塩基配列のプローブDNAを基板上にアレイ状に並べておいて、スポットの位置によってどの塩基配列のDNAがあったかを検出する。ターゲットDNAに蛍光色素を付けておけば、基板上の蛍光発光の強度からハイブリダイズしたターゲットDNAの量を計測できる。
しかし、DNAマイクロアレイが実際の医療診断の現場や農業試験場での検査、食品検査等において用いられるようになるには、さらなる検査時間の短縮と検出の高感度化、検査結果の再現性向上が求められている。このため、近年、本発明者らの研究グループによって、全く新しい概念のDNAマイクロアレイ検出方法が提唱されている。
例えば、非特許文献1には、ターゲットDNAがプローブDNAにハイブリダイズしていく過程を時系列観察して、ハイブリダイズ量の時間変化からそれぞれの塩基配列のDNAがどのくらいあったかを推定することにより、DNAマイクロアレイの読み取りを行うという概念が開示されている。
また、近年、DNAマイクロアレイ基板の近傍にエバネッセント場を発生させ、このエバネッセント場による照明で蛍光分子を励起して蛍光観察することでプローブDNAにハイブリダイズしたDNA量をリアルタイムで計測する技術が開発されている(例えば、非特許文献2参照)。図9に示すように、エバネッセント場501とは、ガラス基板500側から光を全反射角度以上の入射角で入射したときに生じる光の場のことで、ガラス基板500の表面近傍に100〜200nm程度の厚さで存在させることができる。エバネッセント場501による照明では、入射する光のエネルギーは全反射してガラス基板500側に戻っていくが、エバネッセント場501中に蛍光分子502が存在すると励起して蛍光発光させることができる。エバネッセント場501による照明で蛍光分子502を励起すると、ガラス基板500表面近傍に存在する蛍光分子502のみを蛍光励起することができるので、DNAマイクロアレイのハイブリダイゼーション過程で用いれば、プローブDNAにハイブリダイズした分子のみを選択的に蛍光励起して検出することができる。
また、エバネッセント場による照明で蛍光励起を行った場合、ターゲットDNAを流すために用いる溶液中に蛍光分子が存在しても殆ど励起光があたらず蛍光励起されないので、計測時のバックグラウンドが小さいというメリットがある。
春名かおり、杉浦忠男、佐藤哲大、田畑慶人、湊小太郎 共著、「DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーション過程のリアルタイム検出.」、生体医工学 41 (Suppl):148,2003 Carolin Peter er al., "Optical DNA-sensor chip for real-time detection of hybridization events" Fresenius J Anal Chem (2001) 371: 120-127
上述したように、従来のDNAマイクロアレイ技術に対して、さらなる検査時間の短縮と検出の高感度化、検査結果の再現性向上が求められている。特に、DNAマイクロアレイではハイブリダイゼーション過程を経て特定の配列を持つDNAを検出することになるが、このハイブリダイゼーションには約8時間〜16時間もの時間がかかり、検出にかかる作業開始から検出終了まで含めるとかなりの時間を必要としていた。これは医療分野での応用や、ハイスループットな解析を目的とする場合では、絶望的なまでの時間が掛かることを意味している。
そして、上記の問題を解決する一つの手段として、本発明者らの研究グループは、実時間観察型のDNAマイクロアレイ検出技術の概念を上記非特許文献1に開示している。
しかしながら、かかる非特許文献1には、実時間観測型DNAマイクロアレイの検出方法についての抽象的な概念は開示されているが、この非特許文献1が発行された段階では、その具体的な構成にまで具現化されていなかった。つまり、非特許文献1には、実時間観測型DNAマイクロアレイの検出方法について、実現可能な程度に開示されていない。
また、非特許文献2には、エバネッセント場を用いた実時間型のDNAマイクロアレイ読取装置が開示されているが、この装置も現実の使用に堪え得るものではないと考えられる。すなわち、非特許文献2に開示のDNAマイクロアレイ読取装置は、プリズムの表面にプローブDNAをスポットしており、一般的なDNAマイクロアレイ基板に対して汎用性に欠けるという問題点がある。また、本装置では、シャッターを動かすことにより光検出器(light detector)においてスポットにおける蛍光強度を検出しているが、この系ではイメージングを行うことができず、高精度のDNAマイクロアレイの検出を行うことができない。さらに、本装置には、走査機構については全く考慮されていないため、スキャニングしながら検出することができず、より多くのスポットを有するマイクロアレイに対応することができないという問題点がある。
したがって、現実の使用に堪え得るように、高感度化を実現できるマイクロアレイ読取装置、さらには検出時間を短縮し得るマイクロアレイ読取装置の開発が強く望まれていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高感度化を実現できるマイクロアレイ読取装置、さらには検出時間を短縮し得るマイクロアレイ読取装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、マイクロアレイの検出にかかる時間を短縮するために、まず、蛍光を励起する手段と蛍光を検出する手段とをマイクロアレイ基板に対して同じ側に配置することにより、より高精度化を実現することができることを見出した。また、ハイブリダイゼーション過程に着目し、ハイブリダイゼーション過程を実時間で観察することでハイブリダイゼーションが完全に終了するまで待たなくとも検査結果が得られるようになり、検出時間を短縮化できることを見出した。さらに、蛍光励起用のレーザ光を対物レンズの外側から照射することにより、視野角を拡大させることができ、一度に多量のスポットの検出を実現し、検出時間を短縮化できることを見出した。本発明者は、これらの新規な知見に基づき、本願発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下の発明(1)〜(14)を包含する。
(1)プローブ物質が固定化されたマイクロアレイ基板に対して、少なくとも蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、上記プローブ物質と上記ターゲット物質との特異的な相互作用を検出するためのマイクロアレイ読取装置であって、光を照射するための光照射手段と、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている表面にエバネッセント場を発生させるように、上記光照射手段によって照射される光を上記マイクロアレイ基板に対して入射させる光入射手段と、上記エバネッセント場により励起された試料中に含まれる蛍光物質から出射される蛍光を検出するための光検出手段と、を備え、上記光検出手段は、対物レンズとして機能する光学レンズを有しており、該光学レンズが上記光入射手段として機能するマイクロアレイ読取装置。
(2)プローブ物質が固定化されたマイクロアレイ基板に対して、少なくとも蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、上記プローブ物質と上記ターゲット物質との特異的な相互作用を検出するためのマイクロアレイ読取装置であって、光を照射するための光照射手段と、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている表面にエバネッセント場を発生させるように、上記光照射手段によって照射される光を上記マイクロアレイ基板に対して入射させる光入射手段と、上記エバネッセント場により励起された試料中に含まれる蛍光物質から出射される蛍光を検出するための光検出手段と、を備え、上記光検出手段は、対物レンズとして機能する光学レンズを有しており、上記光入射手段は、上記光照射手段からの光を、上記光学レンズを経由することなく、上記マイクロアレイ基板に対して入射させるものであるマイクロアレイ読取装置。
(3)上記光入射手段は、上記光照射手段によって照射される光を、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面において全反射される角度以上の入射角で入射させるものである(1)または(2)に記載のマイクロアレイ読取装置。
(4)上記光入射手段は、上記マイクロアレイ基板と上記光学レンズとの間に配置されている(2)に記載のマイクロアレイ読取装置。
(5)上記光入射手段は、上記光照射手段によって照射される光を反射させるための反射面を少なくとも1つ有するものであり、上記反射面は、該反射面による反射光が、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面において全反射される角度以上の入射角で入射されるように、設けられている(2)に記載のマイクロアレイ読取装置。
(6)上記光入射手段の屈折率は、上記マイクロアレイ基板の屈折率と略同じである(2)に記載のマイクロアレイ読取装置。
(7)上記光照射手段および光検出手段は、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面の裏面側に配置されている(1)〜(6)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(8)上記マイクロアレイ基板と光入射手段との間には、オイル層が設けられている(1)〜(7)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(9)さらに、上記マイクロアレイ基板上の上記ターゲット物質を含む試料の温度を調節するための温度調節手段を備える(1)〜(8)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(10)上記プローブ物質とターゲット物質との特異的な相互作用を、実時間にて検出するものである(1)〜(9)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(11)さらに、上記マイクロアレイ基板と上記光入射手段との相対位置を変更させるための位置変更手段を備える(1)〜(10)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(12)さらに、上記ターゲット物質がプローブ物質と相互作用していく過程を時系列観察することによって得られる検出データを用いて、上記プローブ物質と相互作用するターゲット物質の量を推定するための演算処理を行う演算処理手段を備える(1)〜(11)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(13)上記プローブ物質およびターゲット物質は、1本鎖のDNAである(1)〜(12)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(14)上記蛍光物質は、上記ターゲット物質と結合している(1)〜(13)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
(15)上記蛍光物質は、上記プローブ物質とターゲット物質とが相互作用している状態の物質に対して、特異的に結合するものである(1)〜(14)のいずれかに記載のマイクロアレイ読取装置。
なお、上記演算処理手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記演算処理手段をコンピュータにて実現させる演算処理手段の制御・演算プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明に係るマイクロアレイ読取装置によれば、マイクロアレイ基板上のプローブ物質と試料中に含まれるターゲット物質との結合を、より高精度に効率よく検出することができるという効果を奏する。さらに、本マイクロアレイ読取装置によれば、プリズム上にDNAをスポットしていない。このため、市販されている多くのマイクロアレイ基板に対して用いることができる。
また、光入射手段(例えば、高屈折率ブロック)によって、マイクロアレイ基板に対して対物レンズを経由せずに光を入射させるという構成により、視野角を大きくすることができるため、一度により多くのスポットを読み取ることができ、検出の時間を短縮させることができる。
加えて、温度調節手段を備えることにより、プローブDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーションを実時間にて検出することができるため、検出時間を短縮することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明すると以下の通りである。
<マイクロアレイ基板および検査対象>
まず、本発明に係るマイクロアレイ読取装置は、プローブ物質が固定化されたマイクロアレイ基板に対して、少なくとも蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、上記プローブ物質と上記ターゲット物質との特異的な相互作用を検出するためのものである。
このため、まず、読み取り対象となるマイクロアレイ基板およびマイクロアレイ基板を用いて検出する検出対象(試料)について説明する。なお、本明細書でいう文言「読み取り(読取)」とは、検出、測定、計測等と同義に用いられるものである。
本発明に用いられるマイクロアレイ基板は、ターゲット物質を含む試料と接触した際に、試料中に含まれる該ターゲット物質と特異的な相互作用(例えば、結合、ハイブリダイゼーション等)し、該ターゲット物質を検出するためのプローブ物質が固定されているものであればよく、例えば、プローブ物質の種類、数、量、スポットの大きさ等といった具体的な構成は特に限定されるものではない。しかし、一度に多量の試料を同時に計測するというマイクロアレイの特徴を最大限に生かすためにも、プローブ物質は複数種類であることが好ましい。
また、後述するように、マイクロアレイ基板上で発生した蛍光を、マイクロアレイ基板越しに蛍光を検出することになるため、マイクロアレイ基板は少なくとも光を透過させる材質から構成されている。例えば、マイクロアレイ基板としては、ガラス基板やポリカーボネート、PMMA等の樹脂からなるもの等の光透過率が高い材質から構成される基板を好適に用いることができるが、熱による屈折率の変化率を考慮すると、ガラス基板が最も好適である。なお、本発明に係るマイクロアレイ読取装置によれば、上述の条件を具備する従来公知のマイクロアレイ基板を読み取り対象とすることができ、適用範囲が広範であるという利点がある。
また、マイクロアレイ基板に固定されるプローブ物質としては、具体的には、例えば、核酸(ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドを含む)、ポリペプチド(タンパク質、オリゴペプチド、抗体を含む)、生体内低分子物質(ホルモン等)、環境ホルモン等の低分子物質を挙げることができる。また、ターゲット物質は、上記プローブ物質と相互作用するものであればよく、特に限定されるものではないが、プローブ物質と相互作用する関係上、核酸(ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドを含む)、ポリペプチド(タンパク質、オリゴペプチドを含む)、生体内低分子物質(ホルモン等)、環境ホルモン等の低分子物質等が好適である。なかでも、プローブ物質およびターゲット物質としては、特に、1本鎖のDNAが好適である。
また、後述するように、本発明に係るマイクロアレイ読取装置は、エバネッセント場を発生させ、該エバネッセント場により試料中に含まれる蛍光物質を励起させてプローブ物質とターゲット物質との相互作用を検出するものである。このため、マイクロアレイ基板70上を流通させる試料溶液には、蛍光物質が含まれていることが必要である。かかる蛍光物質は、ターゲット物質と結合させておくことが好ましいが、この手法に限られるものではなく、例えば、プローブ物質単独またはターゲット物質単独で存在している場合にはそれらの物質と結合しないが、プローブ物質とターゲット物質とが相互作用(例えば、結合、ハイブリダイズ等)している場合に、これらプローブ物質とターゲット物質とが相互作用している状態の物質に対して、特異的に結合する蛍光物質であってもよい。
例えば、プローブ物質およびターゲット物質として1本鎖のDNAを用いる場合であれば、蛍光性官能基(例えば、Cy3,Cy5等)をターゲットDNAの5’末端に結合させておくこと、またはターゲットDNAに取り込ませること等が可能であり、また、ターゲットDNAには蛍光物質を付加せずに、2本鎖を形成したDNAに特異的に付着して蛍光発光するインカレーター分子(例えば、POPO−3(Molecular Probes, Inc))を用いることができる。
また、検査対象となる試料溶液は、少なくとも上述のターゲット物質と蛍光物質とが含まれるものであればよく、その具体的な組成や濃度、pH等の諸条件については特に限定されるものではない。例えば、溶液のベースも水溶液であることが好ましいが、これに限定されず、有機溶媒等が含まれる溶液であってもよい。例えば、DNAやタンパク質等の生体高分子を検出対象とする場合は、その物質に合わせた緩衝液(バッファー)を好適に用いることができる。
さらに、検査対象となる試料溶液は、マイクロアレイ基板上のプローブ物質と接触するようになっていればよく、その際の具体的な構成や条件等は特に限定されるものではない。より好ましくは、検査対象となる試料溶液をマイクロアレイ基板上に流通または流動させることが好適である。
上述したように、本発明に係るマイクロアレイ読取装置の読み取る対象となるマイクロアレイ基板において、プローブ物質およびターゲット物質としては、1本鎖のDNAを用いることが好適である。このため、以下、プローブ物質およびターゲット物質として1本鎖のDNAを用いる場合、つまり、いわゆるDNAマイクロアレイの検出結果を読み取る場合を例に挙げて説明する。
<マイクロアレイ読取装置の構成>
本実施の形態では、倒立型顕微鏡をベースとして構成したマイクロアレイ読取装置であって、光入射手段として対物レンズを用いる場合のマイクロアレイ読取装置100について説明する。つまり、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置100は、倒立型顕微鏡をベースとした観察装置となっているため、エバネッセント場による照明は顕微鏡光学系が有する対物レンズを通して行い、顕微鏡光学系を通して蛍光検出できるように構成されている。ベースとして利用できる倒立型顕微鏡としては、例えば、ニコン製、TE−2000を挙げることができる。なお、本発明に係るマイクロアレイ読取装置は、倒立型顕微鏡をベースとして構成したものに限られるものではなく、本発明の構成を有し、本発明の効果を奏することができるものであれば、本発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。
図1は、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置100は、レーザ光源11、第1のレンズ12、反射面13、対物レンズ14、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16、光検出器17、温度調節部18、演算処理部19、位置変更部21を備えている。また、マイクロアレイ読取装置100は、マイクロアレイ基板70をその読み取りの対象とする。
レーザ光源11は、光を照射するための光照射手段として機能するものである。かかるレーザ光源11は、後述するように、マイクロアレイ基板70上にてエバネッセント場を発生させるための光を照射することができるものであればよく、その他の具体的な構成や条件等(例えば、照射する光の波長、強度、種類等)は特に限定されるものではない。例えば、蛍光励起用レーザとして、2ωNd:YAGレーザ(波長532nm)のレーザ光を照射するレーザ光源、LED、水銀ランプ等を好適に用いることができる。
第1のレンズ12は、レーザ光源11から照射されたレーザ光を集光し、反射面13に対して導くための光学レンズであればよく、その他の具体的な構成(例えば、材質、大きさ、厚み等)は特に限定されるものではない。反射面13は、第1のレンズ12からのレーザ光を対物レンズ14に対して反射させるものであればよく、従来公知の光学系機器に使用される反射手段を用いることができる。本実施の形態では、反射面13は、第1のレンズ12を経由して到達するレーザ光源11からのレーザ光を、顕微鏡光学系(例えば、対物レンズ14)の光軸と平行な光であって、該光軸から一定の距離オフセットされた光として、対物レンズ14に対して反射させるものである。
対物レンズ14は、マイクロアレイ基板70上において発生した蛍光を集めるための対物レンズとして機能する光学レンズである。さらに、本実施の形態において、対物レンズ14は、マイクロアレイ基板70におけるプローブ物質が固定されている表面においてエバネッセント場を発生させるように、レーザ光源11によって照射されるレーザ光をマイクロアレイ基板70に対して入射させる光入射手段としても機能する。かかる対物レンズ14も、上述の機能を実行できるものであればよく、その他の具体的な構成等は特に限定されるものではない。例えば、後述する実施例に示すように、対物レンズ14として、ニコン製、TIRF用対物、開口数NA=1.45の光学レンズを用いることができる。
また、対物レンズ14とマイクロアレイ基板70と間には、オイル層20が設けられている。オイル層20は、対物レンズ14の屈折率とマイクロアレイ基板70の屈折率とを整合させ、境界面上での反射を低減させるためのものである。オイル層20がない場合、対物レンズ14の上面にて光が全反射してしまい、マイクロアレイ基板70の表面においてエバネッセント場を発生させることができない。また、これは、マイクロアレイ基板70の板厚が異なる場合であっても、対物レンズ14からマイクロアレイ基板70に入射される光の入射位置を一定に調節し、マイクロアレイ基板70上に焦点を合わせる働きをするためのものである。
励起光カットフィルタ15は、短波長の光(励起光)をカット(除去)し、マイクロアレイ基板70上で発生した蛍光のみを透過させるための光学フィルタであればよく、従来公知のいわゆるSCフィルタと称されるものを好適に使用することができる。このフィルタを用いることにより、蛍光をより高精度に検出することができる。
結像レンズ16は、励起光カットフィルタ15を透過した光を、光検出器17において結像させるための光学レンズであり、従来公知の光学機器に用いられる結像レンズを好適に用いることができ、その具体的な構成(例えば、材質、大きさ、厚み等)は特に限定されるものではない。なお、これら対物レンズ14、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16は、ベースとした倒立顕微鏡において顕微鏡光学系(光学系機構)を構成している。
光検出器17は、結像レンズ16によって結像された光を検出するための光検出装置として機能するものであればよく、従来公知の光学機器に使用され得る光検出器を好適に利用することができる。例えば、後述する実施例に示すように、冷却CCDカメラ(浜松ホトニクス、ORCA−ER)を用いることができるが、これに限定されるものではない。なお、CCDカメラを用いる場合は、CCDカメラ17の動作を制御するCCD制御部や、CCDカメラによって検出された画像データを表示したり、加工したりするための演算装置(PC等)を備えていてもよい。なお、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置100では、上述の顕微鏡光学系(光学系機構)として機能する対物レンズ14、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16と、光検出装置として機能する光検出器17とを合わせて、光検出手段と称する。
温度調節部18は、後述するマイクロアレイ基板70上に存在する(より好ましくはマイクロアレイ基板70上を流通または流動して存在する)試料溶液の温度を調節するためのものであればよく、従来公知の温度調節手段を好適に用いることができる。例えば、セラミックヒータ(50×50mm)、熱電対温度センサー(TC)、ヒータ制御部から構成される温度調節手段を用いて、ヒータとTCとを、ヒータ制御部によりPID制御することによって、マイクロアレイ基板70上の試料の温度を最適に調節することができる。例えば、マイクロアレイ基板70がDNAマイクロアレイである場合、この温度調節部18は、後述するように、マイクロアレイ基板70上を流通する試料溶液の温度を、バイブリダイゼーションが行われるのに好適な温度(例えば、65℃)に保つことができる。このため、DNAマイクロアレイを検出する際には、マイクロアレイ読取装置100において、実時間でハイブリダイゼーション過程を評価するために必要な構成といえる。ただし、タンパク質を検出するためのマイクロアレイ(例えば、プロテインチップ等)の場合は、常温にて実時間で結合を検出できる場合もあるため、かならずしも温度調節部18が必要になるわけではない。
演算処理部19は、ターゲットDNAがプローブDNAにハイブリダイズしていく過程を時系列観察することによって得られる検出データを用いて、ハイブリダイズ量の時間変化からターゲットDNA(ターゲットDNAが複数種類の場合は、それぞれの塩基配列のDNA)がどのくらいあったかを推定するための演算処理を行うものである。なお、演算処理部19が行う演算処理についての詳細は後述する。
位置変更部21は、マイクロアレイ基板70と対物レンズ14との相対位置を変更させるための位置変更手段として機能するものである。かかる位置変更部21としては、従来公知の顕微鏡等の光学機器に用いられている移動ステージ等を好適に用いることができる。位置変更部21により、マイクロアレイ基板70上に設けられているDNAスポット(プローブDNAが多数固定化されている領域)が複数個存在している場合でも、マイクロアレイ基板70と対物レンズ14との相対位置を変更することにより、異なるDNAスポットにおけるハイブリダイゼーションを容易に検出することができる。また、位置変更部21は、1軸方向の走査が可能な機構であってもよいが、より好適には、2次元的な走査が可能な2軸方向の走査が可能な機構であることが好ましい。
なお、本実施の形態では、マイクロアレイ基板70を移動させて、対物レンズ14との相対位置を変更しているが、この方式に限定されるものではなく、例えば、マイクロアレイ基板70を固定しておき、対物レンズ14や結像レンズ15等の光学系機構および光検出器17の位置を移動させる方式であってもかまわない。
<ハイブリダイゼーション・セル>
図1に示すように、読み取り対象となるマイクロアレイ基板70は、マイクロアレイ読取装置100に対して、ハイブリダイゼーション・セル50としてセットされることになる。本実施の形態に係るハイブリダイゼーション・セル50は、上述の温度調節部18と組み合わせることによって、ハイブリダイゼーションを実時間観察するために温度調整機能を持つように構成されている。すなわち、リアルタイムにハイブリダイゼーションを検出するためには、(i) 温度調整が可能であること、(ii) セル内部にターゲットDNAを含む試料溶液を流通させることができて、かつ、その流量が調整可能であること、が好ましい。このため、かかるハイブリダイゼーション・セルを用いることが好ましい。以下に、ハイブリダイゼーション・セル50の具体的な構成について説明する。
図2(a)はハイブリダイゼーション・セルの構成の一例を上方から見た図であり、(b)は(a)におけるa−a’線に沿って切断した断面を示す図である。図2(b)に示すように、本実施の形態に係るハイブリダイゼーション・セル50は、マイクロアレイ基板70、スライドガラス71、スペーサ72、固定器具73を備えている。
ハイブリダイゼーション・セル50は、図2(b)中、上面がスライドガラス71、下面がマイクロアレイ基板70であり、マイクロアレイ基板70はカバーガラスとしても機能する。また、プローブDNAは、マイクロアレイ基板70の表面であって、スライドガラス71と向かい合う(対向する)面側に配置(固定化)してある。なお、プローブDNAは、図2(a)に示すように、DNAスポットの形式で配置されている。
カバーガラスとして機能する側にプローブDNAをスポッティングした理由は、後の処理において、エバネッセント場による照明によりプローブDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーションを検出する際、図2(b)に示すように、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAを固定化した表面とは反対側から、マイクロアレイ読取装置100によるレーザ光を入射するためである。つまり、図2(b)に示すように、マイクロアレイ読取装置100の対物レンズ14は、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAを固定化した表面とは反対の表面側から近接し、レーザ光を入射することになる。なお、マイクロアレイ基板70は、マイクロアレイ読取装置100における対物レンズ14に適合したカバーガラスを用いている。
マイクロアレイ基板70とスライドガラス71の間には所定の厚みのスペーサ72が挿入されている。なお、マイクロアレイ基板70とスライドガラス71との間隔は、ターゲットDNAを含む試料溶液を流通させることができる程度の間隔であればよく、その具体的な数値等は特に限定されるものではない。例えば、100μmの間隔をあければ、好適に試料溶液を流通させることができる。この場合、スペーサ72の厚みは100μmになる。また、スペーサ72の材質等も特に限定されるものではなく、公知のスペーサを好適に用いることができる。例えば、テフロン(登録商標)製のパッキンを用いることができる。
マイクロアレイ基板70とスライドガラス71の間には所定の厚みのスペーサ72を挿入して、さらに、固定器具73によって上下から押さえつけることでマイクロアレイ基板70とスライドガラス71の間を100μmの間隔を空けて保持させる。そして、この間隙に試料溶液を流す。この固定器具73としては、従来公知の固定器具を用いることができ、その具体的な構成は限定されるものではない。例えば、ステンレス製フレームを用いることができる。
また、スライドガラス71には、2つの穴74・74(例えば、直径1mm)が設けられている。図2(a)(b)に示すように、この一方の穴74を通して試料溶液をステンレスフレーム側から入れて、マイクロアレイ基板70の表面に固定化されているプローブDNAと接触させ、その後、もう一方の穴74から出すことによって、試料溶液をプローブDNA上に流通させることができるように構成されている。試料溶液は、不図示の試料搬送装置によってマイクロアレイ基板70とスライドガラス71の間隙部分に流通させることができる。試料搬送装置としては、例えば、ペリスタリックポンプを挙げることができ、このペリスタックポンプによって圧力を印加することにより、ハイブリダイゼーション・セル50中を流通させることができる。
さらに、固定器具73は、例えば、スライドガラス71側に温度調節部18を設けることができるように構成されている。例えば、スライドガラス71側にセラミックヒータを貼付し、マイクロアレイ基板70側に熱電対温度センサー(TC)を設置して温度を計測しつつ、ヒータ制御部でセラミックヒータをPID制御することにより、試料溶液の温度を一定に保つことができる。特に、ハイブリダイゼーション処理では、試料溶液の温度が、65℃に保たれた状態でハイブリダイゼーションを行えるようにすることが好ましい。
また、ハイブリダイゼーション・セル中に流通させる試料溶液として用いられるバッファー等の具体的な組成や濃度、温度等の諸条件は特に限定されるものではなく、従来公知のDNAマイクロアレイ実験に使用されるバッファーや条件等を好適に用いることができる。例えば、後述する実施例に示すように、TEバッファー(10mM Tris−HCl (pH 7.5)、1mM EDTAなど)やSSCバッファー(4×SSC、0.2%SDS、20×Denhart)等を好適に用いることができる。
<マイクロアレイ読取装置の動作説明>
次いで、上述したマイクロアレイ基板70を備えるハイブリダイゼーション・セル50を用いて、ハイブリダイゼーション過程の時系列観察を行う場合を例に挙げて、マイクロアレイ読取装置100の動作について説明する。
本実施の形態に係るハイブリダイゼーション実験では、まず、所定のcDNAがプローブDNAとしてスポットされているマイクロアレイ基板70上に対して、このcDNAに相補的な配列を有するターゲットDNA(蛍光性官能基が結合している)を含む試料溶液を接触させるべく、ハイブリダイゼーション・セル50中に流通させる。次に、マイクロアレイ読取装置100によって、マイクロアレイ基板70上のプローブDNA(DNAスポット)にターゲットDNAがハイブリダイズしているか否かを検出する。具体的には以下のように行う。
まず、図1に示すように、レーザ光源11からレーザ光を照射する。照射されたレーザ光は、第1のレンズ12によって集光され、続いて反射面13によって反射される。反射面13は、第1のレンズ12を経由して到達するレーザ光源11からのレーザ光を、顕微鏡光学系(例えば、対物レンズ14)の光軸と平行な光であって、該光軸から一定の距離オフセットされた光として、対物レンズ14に対して反射する。
反射面13によって反射されたレーザ光は、対物レンズ14の光軸からオフセットした方向より、対物レンズ14に対して入射する。そして、対物レンズ14に入射した光は、対物レンズ14の働きにより、対物レンズ14の出口において、平行光線でありながら、マイクロアレイ基板70に対して大きな入射角を持って入射する光となり、DNAスポット(プローブDNAが固定されている部分)の照明を行う。つまり、対物レンズ14は、レーザ光を、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAが固定されている面において全反射される角度以上の入射角で入射させる光入射手段として機能するものといえる。
具体的には、ターゲットDNAを含む試料溶液は、水溶液であり、マイクロアレイ基板70はガラス基板として説明すると、水の屈折率は1.33であり、屈折率1.5のガラスに比べて屈折率が低い。このため、図3に示すように、対物レンズ14によって、マイクロアレイ基板70へのレーザ光の入射角θを、水とガラスの境界面での全反射角θ(62°)よりも大きくなるように調整して入射させることにより、レーザ光はマイクロアレイ基板70におけるプローブDNA80が固定化されている表面70aの下面側で全反射する。そしてこのとき、マイクロアレイ基板70の表面70aの上面側に薄くエバネッセント場60が発生することになる。
図3に示すように、マイクロアレイ基板70の表面70aに発生したエバネッセント場60は、マイクロアレイ基板70の表面70aから、波長程度の領域(約100〜200nm程度の領域)までしか存在していない。このため、1本鎖のプローブDNA80と特異的にハイブリダイズしたターゲットDNA81が有する蛍光性官能基81aのみを蛍光励起させ、遊離のターゲットDNA82が有する蛍光性官能基82aを励起させることはない。このため、DNAマイクロアレイのハイブリダイゼーション過程において、プローブDNA80にハイブリダイズしたターゲットDNA81のみを選択的に検出することができる。
すなわち、本実施の形態では、全反射条件でマイクロアレイ基板70側におけるプローブDNAを固定化した表面70aの裏面側から光を入射したときに生じるエバネッセント場60を、ターゲットDNAに付加してある蛍光物質を励起させるのに用いる。エバネッセント場60は、マイクロアレイ基板70から波長程度の厚さの領域に局在する光の場であるため、全反射条件でレーザ光を入射した場合、入射した光はマイクロアレイ基板70の表面70aの下面側で全反射してマイクロアレイ基板70内に戻っていくが、マイクロアレイ基板70の表面70aから波長程度の厚さの領域に蛍光物質が存在すると、蛍光物質で光吸収が起こり蛍光発光させることができる。また、マイクロアレイ基板70の表面70aから極近傍にしか光の場が存在しないので、マイクロアレイ基板70に固定されたプローブDNAとハイブリダイズしたターゲットDNAが有する蛍光物質のみを蛍光励起して発光させることができる。
発生した蛍光は、対物レンズ14で集めて、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16といった顕微鏡光学系の機構を通して再び結像させ、光検出器17によって検出する。特に、本実施の形態では、温度調節部18を用いて、試料溶液の温度が65℃にて一定に保ち温度安定化した状態でターゲットDNAを含む試料溶液を流通させ、マイクロアレイ基板70と接触させている。このため、蛍光像の時間変化を観察することにより、実時間でハイブリダイゼーション過程を評価できる。
すなわち、入射する光によってエバネッセント場を発生させてマイクロアレイを観測するとターゲットDNAが基板上のプローブDNAにハイブリダイズして固定化されるにしたがって基板表面から発光する蛍光強度が増加するので、蛍光強度を検出することでターゲットDNAの増加をモニターすることができる。したがって、マイクロアレイ読取装置100によれば、ハイブリダイゼーションにかかる時間を短縮することができるため、従来の装置に比べて、大幅に検出時間を短縮化できる。
また、図1に示すように、マイクロアレイ読取装置100では、光照射手段として機能するレーザ光源11や、光学系機構として機能する対物レンズ14、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16、および光検出装置として機能する光検出器17は、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAが固定されている面70aの裏面側に配置されている。これは、光照射手段であるレーザ光源11や光入射手段である対物レンズ14は、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAが固定されている面70aにエバネッセント場を発生させるために、マイクロアレイ基板70の表面70aの裏面側からレーザ光を入射させる必要があるため、このように配置することが好ましいためである。
また、マイクロアレイ基板70の表面70a近傍で蛍光発光が起きた場合、発光した蛍光のエネルギーの多くは、試料溶液中ではなく、高屈折率のマイクロアレイ基板70側に放射される。このため、マイクロアレイ基板70側に放射される光を効率よく検出するためには、蛍光を検出するための光学系機構や光検出器17をマイクロアレイ基板70の表面70aの裏面側に設けることが好ましいためである。
さらに、マイクロアレイ基板70側に蛍光励起のための入射光学系と観察のための光学系を設ける構成にすることにより、スライドガラス71におけるマイクロアレイ基板70と対向する面と反対側の面をフリーな状態とすることができる。そして、このフリーとなったスライドガラス71の面には、ハイブリダイゼーションやタンパク質チップ等に対して重要な温度コントロールを行うための温度調節部18や金属ブロックなどの不透明な素材でできたものを設置することができる。
また、マイクロアレイ読取装置100には、位置変更部21が設けられている。このため、必要に応じて、位置変更部21によりマイクロアレイ基板70と対物レンズ14等との相対位置を適宜変更させて、検出動作を行うことにより、スキャニングしながら検出することができ、より多くのスポットを有するマイクロアレイに対応することも可能である。
さらに、本実施の形態においてマイクロアレイ読取装置100では、ターゲットDNAがプローブDNAにハイブリダイズしてマイクロアレイ基板70表面に固定されていく様子を実時間で観察する。このときのマイクロアレイ基板70表面へ固定されたターゲットDNAの分子数Xは、下記数式(1)に示すように増加していくと予測される。
X=C(1−exp(−t/α)) ・・・(1)
ここで、Cは、検体中に含まれるターゲットDNAの分子数であり、マイクロアレイ基板70の検出により求めたい値である。αは、ハイブリダイゼーション反応が起こるときの反応速度と脱離速度の比から決まる定数である。従来のDNAマイクロアレイ読取装置による検出では、ハイブリダイゼーション後に全ての遺伝子に対して読み取りをすることから、αの影響を排除するためにtの値を十分に長く取ってDNAの分子数に関する係数Cを計測する必要があった。このため、αに対して十分長い時間を掛けてハイブリダイゼーションを行う必要があった。例えば、従来のDNAマイクロアレイ読取装置では、ハイブリダイゼーション処理だけでも、約8〜12時間以上を要しており、検出処理全体ではさらなる時間を要していた。
これに対して、実時間観察が可能な本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置100では、ハイブリダイゼーションが進んでいく過程を観察・検出する。このため、演算処理部19が、ハイブリダイゼーションの時系列変化について得られたデータを用いて、ハイブリダイズ量を上記数式(1)にフィッティングさせることにより、それぞれのスポットでのαの値とCの値とを求めることができる。具体的には、演算処理部19は、まず、画像処理により抽出した各スポット(DNAスポット)に対して蛍光強度を積分し、そのスポットに対するハイブリダイズ量Xrとする。そして、このハイブリダイズ量Xrと式(1)中の分子数Xとの2乗誤差(Xr−X)が最小になるように、Cおよびαを決定する。Cとαを決定するには、例えば最急降下法を用いることができる。
このため、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置100によれば、必ずしもハイブリダイゼーションが終了するまで待つ必要はなく、ハイブリダイゼーションが進行する途中で最終的な量を推定できるようになる。
また、この方法のメリットは、従来型のDNAマイクロアレイ基板では、基板上に固定しておくターゲットDNAの量がプローブDNAの全量よりも多い場合、途中でプローブDNAが不足してしまうという問題点があったが、実時間観察型であれば立ち上がり部分での立ち上がり速度より分子数を推定可能になるため、このような問題点を回避することができる。このため、DNAスポットが小さくハイブリダイゼーション途中でプローブDNAが不足する場合でも、ターゲットDNAの濃度を正確に計測でき、小さなスポットのDNAマイクロアレイでも計測可能になる。
したがって、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置によれば、ターゲットDNAがプローブDNAにハイブリダイズしていく過程を時系列観察して、ハイブリダイズ量の時間変化からそれぞれの塩基配列のDNAがどのくらいあったかを推定することができる。このため、ハイブリダイゼーションに掛かる時間を短縮して検査時間を短縮することができる。さらに、エバネッセント場を発生させるための光学系機構と、蛍光を検出するための光学系機構とを同一の側に配置することにより、検出感度を向上させることもできる。
また、マイクロアレイ読取装置100は、プリズム基板上にDNAを直接スポットしておらず、光入射手段として機能する部材とマイクロアレイ基板とは別々の構成となっている。このため、マイクロアレイ基板70を交換すれば、様々なタイプのマイクロアレイ基板に対して利用可能であり、汎用性に優れている。さらに、マイクロアレイ読取装置100では、イメージングを行うことも可能であり、高精度のDNAマイクロアレイの検出を行うことができる。
なお、上述の説明では、蛍光性官能基を結合させたターゲットDNAを含む試料を用いているが、例えば、2本鎖DNAに対して特異的に結合する蛍光物質を含む試料を用いることもできる。この場合、図4に示すように、プローブDNA(1本鎖)80が固定されているマイクロアレイ基板70の表面70a上に、ターゲットDNA(1本鎖)82と蛍光物質83とを含む試料溶液を流通させる。マイクロアレイ基板70の表面70a上に固定されたプローブDNA80に検体のターゲットDNA82がハイブリダイズすることで2本鎖DNA81が形成される。
ここで蛍光物質83は、2本鎖DNAに特異的に結合するものであるため、マイクロアレイ基板70の表面70aにおいてハイブリダイズによって生じた2本鎖DNA81に付着する。このとき、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNA80が固定化されている表面70aの上面側に薄くエバネッセント場60が発生しているため、2本鎖DNA81に付着している蛍光物質84のみがエバネッセント場60によって蛍光励起され発光する。一方、遊離の蛍光物質83は、エバネッセント場60によって励起されない。
このように、エバネッセント場60を用いた照明によって、蛍光物質84を励起することでマイクロアレイ基板70の表面70a近傍の蛍光物質84のみを選択的に励起できる。そして、蛍光強度の時間変化をハイブリダイズ量の変化として計測し、理論曲線にフィッティングすることで最終的なハイブリダイズ量を予想することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の一実施形態について図5および図6に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本実施の形態において、上記実施形態1における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、前記実施の形態1との相違点について説明するものとする。
本実施の形態においても、プローブ物質およびターゲット物質として1本鎖のDNAを用いる場合、つまり、いわゆるDNAマイクロアレイを計測する場合を例に挙げて説明する。
本実施の形態では、倒立型顕微鏡をベースとして構成したマイクロアレイ読取装置であって、対物レンズを経由させることなく、マイクロアレイ基板70に対して光を入射する光入射手段を備えるマイクロアレイ読取装置200について説明する。つまり、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置200は、エバネッセント場による照明は顕微鏡対物レンズを通さずに行う点を除いて、実施形態1に示したマイクロアレイ読取装置100とほぼ同様の構成となっており、蛍光検出は顕微鏡光学系を通して行うように構成されている。なお、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置200において、ベースとして利用できる倒立型顕微鏡としては、例えば、実施形態1と同様に、ニコン製、TE−2000を挙げることができる。
図5は、本実施の形態に係るマイクロアレイ読取装置200の構成を模式的に示す図である。図6は、図5に示す構成の一部を上下反対にして模式的に示した斜視図である。これら図5および図6に示すように、マイクロアレイ読取装置200は、レーザ光源11、第1のレンズ12、反射面13、対物レンズ14、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16、光検出器17、温度調節部18、演算処理部19、位置変更部21、光入射部30、光吸収部32を備えている。また、マイクロアレイ読取装置200は、マイクロアレイ基板70をその読み取りの対象とする。
本実施の形態では、対物レンズ14は、顕微鏡光学系における対物レンズの機能のみを有し、実施形態1のように光入射手段として機能するものではない。
光入射部30は、レーザ光源11から照射され反射面13を経由してくる光を反射させるための反射面31を有する。本実施の形態では、反射面31は、レーザ光源11から反射面13を経由してくる光、つまり顕微鏡光学系(例えば、対物レンズ14)の光軸と平行な光であって、該光軸から一定の距離オフセットされた光を、マイクロアレイ基板70におけるプローブ物質が固定されている面において全反射される角度以上の入射角でマイクロアレイ基板70に対して入射させる角度に設定されている。
すなわち、反射面31を有する光入射部30は、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAが固定されている表面にエバネッセント場を発生させるように、レーザ光源11によって照射されるレーザ光をマイクロアレイ基板70に対して入射させる光入射手段であって、レーザ光源11からのレーザ光を、対物レンズ14を経由させることなく(対物レンズ14の外部を通過させて)、マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面において全反射される角度以上の入射角で、マイクロアレイ基板70に対して入射させるように構成されている。
つまり、本実施形態では、対物レンズ14を経由させずに、マイクロアレイ基板70に対して光を入射して、エバネッセント場を発生させる点が、実施形態1と大きく異なる特徴点である。実施形態1に示したように、マイクロアレイ基板70の表面上にエバネッセント場を発生させるための光の入射を、対物レンズ14によって(対物レンズ14を経由して)行う場合、視野角が小さくなり、一度に多くのDNAスポットを検出することができないという問題点がある。
しかし、本実施の形態に示すように、マイクロアレイ基板70の表面上にエバネッセント場を発生させるための光の入射を、対物レンズ14の外部から、対物レンズ14を経由させずに行う場合、より視野角が大きくなり、一度に多くのDNAスポットを検出することができる。具体的には、実施形態1のように、対物レンズ14を経由してマイクロアレイ基板70に対して光を入射する場合、視野角は約150μm×150μm程度であるが、本実施の形態のように、対物レンズ14を経由しないでマイクロアレイ基板70に対して光を入射する場合、視野角は約1mm(1000μm)×1mm(1000μm)程度となり、大幅に視野角が広がる。
また、光入射部30は、マイクロアレイ基板70と対物レンズ14との間に配置されていることが好ましい。また、光入射部30が対物レンズ14と接していることがより好適である。これは、光入射部30が対物レンズ14と接していることにより、対物レンズ14の開口数を大きくすることができるためである。これにより、微弱な蛍光を効率よく対物レンズ14で取得することが可能になる。また、マイクロアレイ基板70近傍に存在する蛍光物質からの発光はマイクロアレイ基板70中を全反射角以上の大きな角度で進行する光として放射されるものが多く存在するが、このような蛍光も取得できるようになる。また、マイクロアレイ基板70と光入射部30との間にはオイル層20が設けられている。かかるオイル層20は、上述の実施形態1におけるオイル層20と同様の機能を有するものであるため、ここでは、その説明を省略する。
光入射部30の屈折率は、マイクロアレイ基板70の屈折率と略同じであることが好ましい。光入射部30とマイクロアレイ基板70との屈折率を合わせることにより、光の入射角度の調整・制御がより一層精度良く行うことができ、かつ境界面での反射を抑えることができるためである。このため、光入射部30は、マイクロアレイ基板70と同様に、光透過率の高い材質であるガラス基板や、ポリカーボネート、PMMAといった樹脂から構成されていることが好ましいが、温度を変化させた場合の屈折率変化の少なさから、ガラス基板がより好適である。
また、マイクロアレイ読取装置200は、光吸収部32を備えている。光吸収部32は、マイクロアレイ基板70の表面にて全反射した光を吸収するためのビームトラップとして機能するものである。かかる光吸収部32としては、従来公知のビームトラップ装置を好適に用いることができる。例えば、シグマ光機製ビームディフューザーBD−40を用いることができる。
次いで、上述したマイクロアレイ読取装置200の動作について説明する。まず、図5、図6に示すように、レーザ光源11からレーザ光を照射する。照射されたレーザ光は、第1のレンズ12によって集光され、続いて反射面13によって反射される。反射面13は、第1のレンズ12を経由して到達するレーザ光源11からのレーザ光を、顕微鏡光学系(例えば、対物レンズ14)の光軸と平行な光であって、該光軸から一定の距離オフセットされた光として、光入射部30が有する反射面31に対して反射する。
反射面13によって反射されたレーザ光は、対物レンズ14の外部を通って(対物レンズ14を通らずに)、光入射部30に対して入射する。光入射部30に入射した光は、反射面31によって反射され、光入射部30内部を通って、マイクロアレイ基板70に対して入射する。ここで、光入射部30に入射した光は、光入射部30の働きにより、光入射部30の出口においても、平行光線でありながら、マイクロアレイ基板70に対して大きな入射角を持って入射する光となり、DNAスポットの照明を行う。
つまり、光入射部30は、レーザ光を、マイクロアレイ基板70におけるプローブDNAが固定されている面において全反射される角度以上の入射角で、マイクロアレイ基板70に対して入射させる光入射手段として機能するものといえる。なお、光入射部30の屈折率とマイクロアレイ基板70の屈折率とは略同じであるため、マイクロアレイ基板70に対する入射光の入射角度は、反射面31によって反射された角度からほとんど変化しない。
そして、このとき、マイクロアレイ基板70の表面の上面側に薄くエバネッセント場が発生する。なお、エバネッセント場によって、プローブDNAとターゲットDNAとがハイブリダイズしたか否かを検出する機構については、実施形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
発生した蛍光は、対物レンズ14で集めて、励起光カットフィルタ15、結像レンズ16といった顕微鏡光学系の機構を通して再び結像させ、光検出器17によって検出する。また、本実施の形態でも、温度調節部18を用いて、試料溶液の温度が65℃にて一定に保ち温度安定化した状態で、ターゲットDNAを含む試料溶液を流通させ、マイクロアレイ基板70と接触させている。このため、蛍光像の時間変化を観察することにより、実時間でハイブリダイゼーション過程を評価できる。
したがって、マイクロアレイ読取装置200によれば、ハイブリダイゼーション処理にかかる時間を短縮させることができるため、従来の装置に比べて、大幅に検出時間を短縮化できる。さらに、視野角が大きいため、一度に多くのDNAスポットを観察でき、さらなる検出時間の短縮化および高精度な検出が可能となる。
なお、本明細書では、もっぱらDNAマイクロアレイ基板の読み取りを例に挙げて説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、本発明は、DNAのみならずタンパク質や生体内小分子、環境ホルモン等の分子を検出する計測技術としても利用可能である。このため、当業者が、本願出願当時の技術水準に基づいて、DNAマイクロアレイの読み取り技術を、タンパク質またはその他の物質の検出技術に適用できる範囲についても、十分に本願発明の技術範囲に含まれることを念のため付言しておく。
最後に、演算処理部19は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、演算処理部19は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである演算処理部19の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記演算処理部19に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、演算処理部19を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を具体化した実施例として、上述の実施形態1に示すマイクロアレイ読取装置100を用いて、DNA分子のハイブリダイゼーション過程の時系列観察を行った結果を示す。本実施例では、一般的なDNAマイクロアレイ実験で汎用される遺伝子relAの検出に用いられるcDNAを用いてハイブリダイゼーション実験を行った。relAは、細胞質から核へ移行し、標的遺伝子の発現誘導を行う転写因子NFκBの活性化と不活性化に重要な遺伝子(長さ2.2kbp)で、免疫反応や発生分化に関与する細胞において幅広く発現していることが知られている。ハイブリダイゼーション実験では、このcDNAをプローブDNAとしてカバーガラス基板にスポットしておき、そこに同じcDNAをターゲットDNAとしてフローセル(ハイブリダイゼーション・セル)中を流して検出した。
本実施例では、ハイブリダイゼーション・セルは倒立型顕微鏡(ニコン製、TE−2000)の試料ステージに設置しておき、エバネッセント場による照明は対物レンズ(ニコン製、TIRF様態物、NA=1.45)側から行った。発生した蛍光は対物レンズで集めて顕微鏡光学系を通して再び結像し、冷却CCDカメラ(浜松ホトニクス、ORCA−ER)にて検出した。
ターゲットDNAをハイブリダイゼーションさせて検出する実験を行った。作製したDNAマイクロアレイを98℃のウォーターバスにつけて熱変性させて一本鎖にした後、NaBr水溶液に浸してブロッキング処理をして乾燥させて実験に使用した。ハイブリダイゼーション・セル中に流すターゲットDNAは、無染色の状態でTEバッファーに分散させ、蛍光プローブを混合して濃度調整した後、98℃で5分間熱変性させて一本鎖状態にして用いた。用いた蛍光プローブは、POPO−3(Molecular Probes, Inc.)で、2本鎖DNAが選択的に検出できることを事前に評価してある。ハイブリダイゼーション・セルを65℃に昇温して温度安定化した状態でターゲットDNAを含む溶液を流して、蛍光像の時間変化を観察した。
その結果を図7(a)〜(d)に示す。(a)はt=0、(b)はt=1(min)、(c)はt=5(min)、(d)はt=20(min)の結果を示す図である。プローブDNAをスポットした部分に明るい蛍光が観察され、その部分でハイブリダイゼーションが起こっていることがわかる。
また、対象実験(コントロール)として、POPO−3を混合して同様に調整したターゲットDNA溶液を熱変性させない状態(2本鎖状態)でハイブリダイゼーション・セルに流して実験を行った。2本鎖状態ではプローブDNAにハイブリダイズしないので、プローブDNAのスポットでは検出されないと考えられる。
その観察結果を図7(e)〜(h)に示す。(e)はt=0、(f)はt=1(min)、(g)はt=5(min)、(h)はt=20(min)の結果を示す図である。初期に少し明るくなっているが、その後ほぼ一定の明るさになっている。
図7の結果から、それぞれのスポットの蛍光強度(スポット内の平均値)の変化をプロットした結果を図8に示す。なお、グラフ中、“Hybridization”で示すものが1本鎖DNAをハイブリダイズした場合の結果を示し、“Control”で示すものが対照実験の結果を示す。
図8に示すように、ターゲットDNAがフローセル内を流れるにつれて、スポット内の蛍光強度が増加していくが、あるところから強度が頭打ちになっている。これは上述の数式(1)で予測されるようにターゲットDNA量が減少するにつれて強度変化が頭打ちになることに対応している。
また、グラフではステップ的に蛍光強度が増加する現象が見られるが、これはハイブリダイゼーション・セル中のDNA溶液が脈動したためとDNA溶液の濃度が時間的にバラついたためと考えている。初期の段階でバッファーを押しのけてDNA溶液が流れていくので、この段階でDNA溶液の濃度にバラつきが発生したこともステップが生じた原因と推測している。なお、本実施例における実験では、開始から50分まで観測を続けたが、はじめの約10分程度でハイブリダイゼーション過程が安定していることを確認した。
本実施例にも示すように、実時間観察型のDNAマイクロアレイ読取装置を用いることにより、ハイブリダイゼーション過程を観察できるようになり、従来型のDNAマイクロアレイ読取装置に比べて、検出時間が大幅に短縮できることがわかった。本発明に係るマイクロアレイ読取装置では、ハイブリダイゼーション処理に掛かる時間を短縮できることが特徴である。現状では15分程度のハイブリダイゼーション時間で計測が行えるようになる。さらに、ハイブリダイゼーション時のフローの安定化や、溶液濃度のバラツキの抑制、ハイブリダイゼーションの高効率化など技術的課題をクリアすることで、より完成度を高めることができると考える。
以上のように、本発明によれば、検出時間を大幅に短縮することができ、さらに高精度化も達成できるため、基礎研究といった学術的な利用だけでなく、医療現場や農業試験場等で用いられるフィールドユース可能なマイクロアレイ読取装置を提供することができるため、医療業、食品産業、製薬産業、および環境といった広範な分野において産業上の利用可能性がある。
本発明に係る実施の一形態のマイクロアレイ読取装置の構成を模式的に示す図である。 (a)は本発明に係る実施の一形態のハイブリダイゼーション・セルの構成の一例を上方から見た図であり、(b)は(a)におけるa−a’線に沿って切断した断面を示す図である。 本発明に係る実施の一形態のマイクロアレイ基板に対して光を入射した場合の状態を模式的に説明する図である。 本発明に係る実施の他の一形態のマイクロアレイ基板に対して光を入射した場合の状態を模式的に説明する図である。 本発明に係る実施の他の一形態のマイクロアレイ読取装置の構成を模式的に示す図である。 図5に示すマイクロアレイ読取装置の構成の一部を上下反対にして模式的に示した斜視図である。 本発明に係る実施例におけるハイブリダイゼーション実験の結果を示す図であり、(a)〜(d)は本実施例に係るマイクロアレイ読取装置を用いた場合の結果を示し、(e)〜(h)は対照実験の結果を示す図である。 図7の結果をグラフ化したものを示す図である。 ガラス基板に光を入射してエバネッセント場を発生させる現象を模式的に説明する図である。
符号の説明
11 レーザ光源(光照射手段)
14 対物レンズ(光学レンズ、光入射手段)
17 光検出器(光検出手段)
18 温度調節部(温度調節手段)
19 演算処理部(演算処理手段)
20 オイル層
21 位置変更部(位置変更手段)
30 光入射部(光入射手段)
31 反射面
70 マイクロアレイ基板
100、200 マイクロアレイ読取装置

Claims (15)

  1. プローブ物質が固定化されたマイクロアレイ基板に対して、少なくとも蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、上記プローブ物質と上記ターゲット物質との特異的な相互作用を検出するためのマイクロアレイ読取装置であって、
    光を照射するための光照射手段と、
    上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている表面にエバネッセント場を発生させるように、上記光照射手段によって照射される光を上記マイクロアレイ基板に対して入射させる光入射手段と、
    上記エバネッセント場により励起された試料中に含まれる蛍光物質から出射される蛍光を検出するための光検出手段と、を備え、
    上記光検出手段は、対物レンズとして機能する光学レンズを有しており、該光学レンズが上記光入射手段として機能することを特徴とするマイクロアレイ読取装置。
  2. プローブ物質が固定化されたマイクロアレイ基板に対して、少なくとも蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、上記プローブ物質と上記ターゲット物質との特異的な相互作用を検出するためのマイクロアレイ読取装置であって、
    光を照射するための光照射手段と、
    上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている表面にエバネッセント場を発生させるように、上記光照射手段によって照射される光を上記マイクロアレイ基板に対して入射させる光入射手段と、
    上記エバネッセント場により励起された試料中に含まれる蛍光物質から出射される蛍光を検出するための光検出手段と、を備え、
    上記光検出手段は、対物レンズとして機能する光学レンズを有しており、
    上記光入射手段は、上記光照射手段からの光を、上記光学レンズを経由することなく、上記マイクロアレイ基板に対して入射させるものであることを特徴とするマイクロアレイ読取装置。
  3. 上記光入射手段は、上記光照射手段によって照射される光を、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面において全反射される角度以上の入射角で入射させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロアレイ読取装置。
  4. 上記光入射手段は、上記マイクロアレイ基板と上記光学レンズとの間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロアレイ読取装置。
  5. 上記光入射手段は、上記光照射手段によって照射される光を反射させるための反射面を少なくとも1つ有するものであり、
    上記反射面は、該反射面による反射光が、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面において全反射される角度以上の入射角で入射されるように、設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロアレイ読取装置。
  6. 上記光入射手段の屈折率は、上記マイクロアレイ基板の屈折率と略同じであることを特徴とする請求項2に記載のマイクロアレイ読取装置。
  7. 上記光照射手段および光検出手段は、上記マイクロアレイ基板におけるプローブ物質が固定されている面の裏面側に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  8. 上記マイクロアレイ基板と光入射手段との間には、オイル層が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  9. さらに、上記マイクロアレイ基板上の上記ターゲット物質を含む試料の温度を調節するための温度調節手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  10. 上記プローブ物質とターゲット物質との特異的な相互作用を、実時間にて検出するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  11. さらに、上記マイクロアレイ基板と上記光入射手段との相対位置を変更させるための位置変更手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  12. さらに、上記ターゲット物質がプローブ物質と相互作用していく過程を時系列観察することによって得られる検出データを用いて、上記プローブ物質と相互作用するターゲット物質の量を推定するための演算処理を行う演算処理手段を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  13. 上記プローブ物質およびターゲット物質は、1本鎖のDNAであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  14. 上記蛍光物質は、上記ターゲット物質と結合していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
  15. 上記蛍光物質は、上記プローブ物質とターゲット物質とが相互作用している状態の物質に対して、特異的に結合するものであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のマイクロアレイ読取装置。
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