JPH102860A - 微小物質検鏡装置 - Google Patents

微小物質検鏡装置

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JPH102860A
JPH102860A JP8155514A JP15551496A JPH102860A JP H102860 A JPH102860 A JP H102860A JP 8155514 A JP8155514 A JP 8155514A JP 15551496 A JP15551496 A JP 15551496A JP H102860 A JPH102860 A JP H102860A
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JP
Japan
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fluorescence
laser beam
evanescent
prism
mirror
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JP8155514A
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Yoshiaki Hayashi
美明 林
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、観察対象の蛍光を長時間持続する
ことができる微小物質検鏡装置を提供する。 【解決手段】レーザ発振器21とプリズム18との間に
スリット241を形成した円板ディスク242を設け、
この円板ディスク242を回転することにより、プリズ
ム18内の全反射面に照射されるレーザ光を断続させ、
ディシュ16内側底面でのエバネッセント励起を断続し
て発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エバネッセント波
による蛍光を利用して微小物質の検鏡を行う微小物質検
鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、蛋白質やATP(アデノ
シン3リン酸)などの1分子を観察する目的で、エバネ
ッセント波による蛋白質やATPの分子ごとの発蛍光を
観測する蛍光観察が用いられている。
【0003】この場合、これら蛋白質やATPなどの試
料は、その試料粒子を蛍光ビーズに結合させてガラス基
板により挟むか、ガラス基板上に固定して2次元(平面
的)に分布した状態を実現し、この状態でエバネッセン
ト波を励起し、蛍光が試料から発せられることを利用し
て、試料粒子の特異性を強調させる蛍光観察を行うよう
にしている。
【0004】ここで、試料粒子が結合される蛍光ビーズ
は、試料粒子と同等のサイズで、数nmから数10nm
のものが用いられる。また、エバネッセント照明は、レ
ーザ光を例えばプリズム内で全反射させると反射面の反
対側に励起される、いわゆるしみだし光を利用したもの
で、入射光の強さや入射角によってエバネッセントの場
の強さを決定しているが、ここでは基板面上から試料粒
子の高さに相当する領域にのみ蛍光励起能力を得られる
ようにしている。
【0005】ところで、このような微小物質検鏡に用い
られる蛍光観察では、蛍光剤の褪色があり、観察可能な
時間には限界がある。この時間は、蛍光剤の量、励起光
の強さ、観察に用いる顕微鏡の明るさによって決まる
が、特に観察対象である試料粒子のサイズが大きけれ
ば、それだけ多くの蛍光剤で染色することができるの
で、発蛍光も明るく長時間持続できることにもなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに試料粒子のサイズが極めて小さいものの場合は、試
料粒子に対する蛍光剤の量は極めて少なく、褪色によっ
て短時間のうちに観察対象の蛍光が失われてしまう。
【0007】このような場合、観察対象を他のものに変
更し、場合によっては合焦も取り直して観察を続けるよ
うにしているが、これら観察場所の変更や合焦などの準
備をする間にも、励起光の下では、他の観察対象につい
ても蛍光剤の褪色も進んでいるため、安定した蛍光観察
が得られないという問題があった。
【0008】一方、例えば、筋肉収縮の基本単位の一つ
であるアクトミオシン系の機構では、ミオシン(蛋白分
子)のアクチンフィラメントを動かすエネルギーがAT
Pの加水分解によるものとして、このATPの消費量を
観測することが行われているが、この観測において、ミ
オシン分子をcy5 で染色したような場合、1個のミオシ
ン分子を蛍光観察できる時間は、せいぜい60秒程度と
されており、これではATP消費量の観測には不十分
で、従来よりさらに長く蛍光を発し続ける方法の開発が
望まれている。本発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、観察対象の蛍光を長時間持続することができる微
小物質検鏡装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
エバネッセント波の照射による蛍光を利用して微小物質
の検鏡を行う微小物質検鏡装置において、前記微小物質
の存在場でのエバネッセント波の励起を断続的に行うよ
うにしている。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載にお
いて、エバネッセント波の断続的な励起の時間間隔を可
変可能にしている。この結果、請求項1記載の発明によ
れば、蛍光寿命の短い1分子程度の観察対象でも、その
蛍光を長時間持続することができる。また、請求項2記
載の発明によれば、観察対象に応じて蛍光の持続時間を
任意に変えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従い説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の微小物質検鏡装
置を正立型顕微鏡に適用した例を示している。図におい
て、11は正立型顕微鏡のステージで、このステージ1
1には、エバネッセント照明装置12を設けている。こ
の照明装置12は、枠体13を有し、この枠体13をス
テージ11に対しガイド14により紙面と垂直方向に移
動可能にしている。
【0012】このエバネッセント照明装置12の枠体1
3は、その上面をステージ11面と面一にしていて、後
述する対物レンズ15に対向する部分に透穴131を形
成している。
【0013】そして、この透穴131上にディシュ16
を載置している。このディシュ16には、蛋白質やAT
Pなどの試料粒子が内側底面に固定または浮遊する水溶
液17を収容している。この場合、蛋白質やATPなど
の試料粒子は、1個ごとにcy3 やcy5 などの蛍光剤で標
識されている。
【0014】このディシュ16は、ステージ11のクレ
ンメル34に保持され、図示左右方向に移動できるよう
にしている。なお、ディシュ16の代わりに試料粒子を
スライドガラスとカバーガラスで挟むようにしたものを
用いてもよい。
【0015】照明装置12の枠体13内で、透穴131
に対応する位置にエバネッセント照明用のプリズム18
を保持している。この場合、プリズム18とディシュ1
6との間には、マッチングオイル19を介在させてい
る。このマッチングオイル19は、プリズム18に入射
される後述するレーザ光の全反射をプリズム18の上面
またはディシュ16の外側底面で発生させずに、ディシ
ュ16の内側底面でのみ発生するようにするためのもの
である。
【0016】また、エバネッセント照明装置12の枠体
13内には、支持台20上に半導体レーザ発振器21を
設けている。この半導体レーザ発振器21は、所定のレ
ーザ光を発振するもので、このレーザ発振器21より出
力されたレーザ光をレンズ22を通しミラー23で偏向
させてプリズム18に入射するようにしている。この場
合、ディシュ16がガラス製で、その屈折率Nd=1.42 、
水溶液17の屈折率naq=1.33とすれば、ディシュ16の
底面に対しプリズム18を介して与えられるレーザ光の
入射角度をθ=20度以下とすれば、全反射を起こすこ
とが可能となり、これによって、ディシュ16の内側底
面付近にエバネッセント場を生成してエバネッセント照
明をするようにしている。
【0017】なお、エバネッセント照明装置12の枠体
13内部のプリズム18から出たレーザ光が当たる部分
には、表面処理層35を形成していて、レーザ光が乱反
射により迷光にならないようにしている。
【0018】レンズ22とミラー23の間のレーザ光路
には、プリズム18に入射されるレーザ光を断続するた
めの断続手段24を設けている。この断続手段24は、
図2(a)(b)に示すように円周方向に等間隔に複数
(図示例では2個)のスリット241を形成した導電性
の円板ディスク242を軸244により支持台245に
回転自在に支持している。この場合、軸244は、先端
を尖らせたハブ243により支持台245に支持してい
て、円板ディスク242に摩擦抵抗の少ない滑らかな回
転が得られるようになっている。また、円板ディスク2
42には、図2(c)に示すようにディスク242面を
挟むようにコ字形の電磁石246、247を配置し、こ
れら電磁石246、247より円板ディスク242面を
垂直に透過する磁束により生ずるディスク242面の渦
電流により円板ディスク242に対する回転駆動力を得
るようにしている。
【0019】そして、このような断続手段24は、レン
ズ22とミラー23の間のレーザ光路に円板ディスク2
42を配置し、円板ディスク242の回転にともなうレ
ーザ光路へのスリット241の挿脱動作により、プリズ
ム18より全反射面に照射されるレーザ光を断続させ、
ディシュ16内側底面でのエバネッセント場励起を断続
して発生させるようにしている。つまり、ディシュ16
内側底面でのエバネッセント励起光を断続して発生させ
ることにより、単位時間当たりの励起強度を小さくでき
るようにしている。ちなみに、スリット241により9
0%の時間をカットし、10%の時間のみレーザ光を通
過させれば、連続した場合に比べて、励起強度は1/1
0になる。
【0020】図3は、レーザ発振器21および断続手段
24の制御回路を示している。この場合、レーザ発振器
21には、コントローラ25を接続している。このコン
トローラ25は、電源251とレーザドライバ252を
有していて、このレーザドライバ252によりレーザ発
振器21を起動してレーザ光を発生させるようにしてい
る。また、コントローラ25の電源251には、周波数
変調器26を接続し、この周波数変調器26に断続手段
24の電磁石246、247を接続している。
【0021】この周波数変調器26は、操作部27の操
作に応じて出力の周波数を可変できるようにしたもの
で、この時の出力周波数により円板ディスク242面を
透過する磁束の時間変化率を可変することで、渦電流に
よる円板ディスク242の回転数を可変できるようにし
て、レーザ光の断続周期を変えられるようにしている。
【0022】ここでは、周波数変調により円板ディスク
242の回転数を変えるようにしたが、電磁石246、
247に供給する電圧(電流)を可変することによって
円板ディスク242の回転数を変えることも可能であ
る。
【0023】図1に戻って、ディシュ16の水溶液17
に対応して液浸タイプの対物レンズ15を設けている。
この対物レンズ15は、ディシュ16の内側底面でのエ
バネッセント励起光による試料粒子の蛍光の状態を、透
過照明用光源30よりコンデンサレンズ31を通して与
えられる透過照明光により観察像として取り込み、さら
に鏡筒32を通して撮像部33に送り込み、試料粒子の
蛍光反応を観察できるようにしている。
【0024】この場合、対物レンズ15は、図示しない
レボルバに各種倍率のものが複数個設けられていて、所
望する倍率のものを選択できるようになっている。ま
た、対物レンズ15は、上下方向に駆動可能にして焦点
を可変し、ディシュ16の内側底面に合焦できるように
している。なお、合焦を得には、ステージ11を上下方
向に駆動してもよい。
【0025】しかして、このようにすれば、レーザ発振
器21とプリズム18との間にスリット241を形成し
た円板ディスク242を設け、この円板ディスク242
を回転することにより、プリズム18内の全反射面に照
射されるレーザ光を断続させ、ディシュ16内側底面で
のエバネッセント励起光を断続して発生させるようにし
たので、励起光の単位時間当たりの強度を小さくできる
ようになり、これにより、発光時間の短い1分子程度の
観察対象でも、その発蛍光を長時間持続することが可能
になって、長時間に渡っての試料観察を実現できる。
【0026】また、エバネッセント照明装置12の枠体
13は、ステージ11に対しガイド14により紙面と垂
直方向に移動可能になっており、さらにステージ11の
クレンメル34にディシュ16が保持され、図示左右方
向に移動できるようになっているので、枠体13の移動
によりレーザ光のプリズム18内での全反射位置を、対
物レンズ15の光軸を含む紙面と垂直な面に沿って存在
させるようにすれば、その後は、クレンメル34による
ディシュ16の左右の移動だけで試料を対物レンズ15
の光軸上に移動できるようになり、試料の観察位置であ
る対物レンズ15の光軸上への位置出しを簡単にでき
る。
【0027】なお、上述では、スリット241を有する
円板ディスク242を回転させるようにしたが、スリッ
ト241をレーザ光の光路上に固定し、ミラー23の反
射面を照射角度が変わるように動かすようにしてもよい
(揺動運動)。この場合、ミラー23の揺動運動は、揺
動運動機構を用いて自動的に行うようになる。また、ミ
ラー23の代わりに複数のミラーを外周面に配置したポ
リゴンミラーを用い、各ミラー面が図示のミラー23と
等価になるようにポリゴンミラーの回転軸を紙面に垂直
にして回転させても同様な効果が得られる。さらに、ス
リット241を有する円板ディスク242の回転に代わ
るものとしては、液晶シャッタも考えられる。液晶シャ
ッタでは、レーザ光を通過する時間と遮断する時間の比
を変化できるので、単位時間の蛍光強度を制御して蛍光
持続時間を可変できる。 (第2の実施の形態)図4は、第2の実施の形態の概略
構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付し
ている。
【0028】この場合、レンズ22とミラー23の間の
レーザ光路に、AOD(Acoustic Optic
al Device)41上に圧電体42を接着してな
る走査手段40を設け、圧電体42を振動させて超音波
を発生させ、AOD41の超音波の場の中でスポット状
レーザ光の光路を曲げるようにすることで、プリズム1
8に入射されるレーザ光を走査するようにしている。
【0029】この場合、圧電体42による超音波の強さ
を制御可能とすれば、レーザ光の走査幅を変えることが
できるので、プリズム18に入射されるレーザ光の断続
周期を変えることができる。また、AOD41上の圧電
体42に対し直角方向に他の圧電体を接着させ、この他
の圧電体からも超音波を発生させてレーザ光を走査さ
せ、圧電体42との走査を組み合わせて行うようにすれ
ば、2次元のラスター走査を行うこともできる。
【0030】このようにしても、プリズム18へのレー
ザ光を断続させ、ディシュ16内側底面でのエバネッセ
ント励起光を断続して発生させるようにできるので、エ
バネッセント光の単位時間当たりの励起を短くして蛍光
の褪色を少なくすることができる。また、AOD41を
使用することでレーザ光の走査を、2次元走査で100
回/秒程度の速さで行うことが可能になるので、試料の
蛍光の高速な変化や高速の移動にも追随することができ
る。
【0031】従って、このようにしても第1の実施の形
態と同様な効果を期待でき、例えばビデオレート速度の
画像形成でも長時間に渡って観察を行うことができる。
また、AOD40自身の振動が少ないので、このような
AOD40を用いた断続手段40が試料の近くに配置さ
れても、試料への振動の影響を少なくすことができる。
【0032】以上、実施の形態について述べたが、本発
明中には以下の発明も含まれる。 (1)エバネッセント波の励起光をスリットを通して断
続させるようにしている。
【0033】このようにすれば、蛍光寿命の短い1分子
程度の観察対象でも、その発蛍光を長時間持続すること
ができる。 (2)(1)において、スリットは、円板ディスクに設
けられ、該円板ディスクを回転することで励起光を断続
するようにしている。
【0034】このようにすれば、安価な構成にして励起
光を断続できる。 (3)エバネッセント波の励起光をミラーの反射角度を
変えることで断続させるようにしている。
【0035】このようにすれば、安価な構成にして励起
光を断続できる。 (4)(3)において、ミラーの反射角度の変更は、揺
動運動機構を用いて自動的に行うようにしている。
【0036】このようにすれば、安価な構成にして励起
光を断続できる。 (5)(3)において、ミラーはポリゴンミラーで、該
ポリゴンミラーを回転駆動するようにしている。
【0037】このようにすれば、ミラーの回転機構を簡
単にできる。 (6)エバネッセント波の励起光をスポット光の偏向断
続により断続させるようにしている。
【0038】このようにすれば、蛍光寿命の短い1分子
程度の観察対象でも、その発蛍光を長時間持続すること
ができる。 (7)(6)において、スポット光の偏向走査にAOD
を用いるようにしている。このようにすれば、試料への
振動の影響を少なくできる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、蛍
光寿命の短い1分子程度の観察対象でも、その発蛍光を
長時間持続することができる。また、観察対象に応じて
発蛍光の持続時間を任意に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態に用いられる断続手段の概略
構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態に用いられる制御部の概略構
成を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す
図。
【符号の説明】
11…ステージ、 12…エバネッセント照明装置、 13…枠体、 131…透穴、 14…ガイド、 15…対物レンズ、 16…ディシュ、 17…水溶液、 18…プリズム、 19…マッチングオイル、 20…支持台、 21…半導体レーザ発振器、 22…レンズ、 23…ミラー、 24…断続手段、 241…スリット、 242…円板ディスク、 243…ハブ、 244…軸、 245…支持台、 246、247…電磁石、 25…コントローラ、 251…電源、 252…レーザドライバ、 26…周波数変調器、 27…操作部、 30…透過照明用光源、 31…コンデンサレンズ、 32…鏡筒、 33…撮像部、 34…クレンメル、 35…表面処理層、 40…走査手段、 41…AOD、 42…圧電体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エバネッセント波による蛍光を利用して
    微小物質の検鏡を行う微小物質検鏡装置において、 エバネッセント波の励起を断続的に行うことを特徴とす
    る微小物質検鏡装置。
  2. 【請求項2】 エバネッセント波の断続的な励起の時間
    間隔を可変可能にしたことを特徴とする請求項1記載の
    微小物質検査装置。
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