JP2004156911A - 表面プラズモン蛍光顕微鏡、および表面プラズモンにより励起された蛍光を測定する方法 - Google Patents

表面プラズモン蛍光顕微鏡、および表面プラズモンにより励起された蛍光を測定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、表面プラズモンにより増強された蛍光を受光するように受光部品を構成することにより、強い蛍光強度で視認できる表面プラズモン蛍光顕微鏡、および表面プラズモンにより励起された蛍光を測定する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、一方の表面に試料を密着させることができる金属薄膜と、金属薄膜の他方の表面に密着し、試料よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体と、励起光を照射する光源とを備え、励起光により励起された第1の表面プラズモンが、試料を蛍光発光させ、この蛍光により励起された第2の表面プラズモンが、試料に依存する蛍光放射角度においてピーク強度を有するように蛍光を増強し、第2のプラズモンにより増強された蛍光を受光する受光部品をさらに備える。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面プラズモンにより励起された蛍光を測定するシステムおよびその方法に関し、とりわけ表面プラズモン蛍光顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の表面プラズモン顕微鏡によれば、クレッチマン配置を用いて表面プラズモンを励起し、イメージセンサで受光した反射光から表面プラズモン共鳴角を検出し、こうして得られた表面プラズモン共鳴角より、試料の屈折率を理論的に計算して求めている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、表面プラズモン共鳴角と蛍光を同時に検出して、被検体の特性を高精度に検出する従来の装置によれば、被検体の蛍光は、金属薄膜を含む平面に対して法線方向に配置された受光手段(集光レンズおよび光ファイバ)を用いて検出している(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2609953号公報(図1)
【特許文献2】
特開2000−62255号公報(図1ないし図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
試料に含まれる試料分子は、一般に、所定の波長λを有するレーザ光などのコヒーレント励起光が照射されると、試料分子に固有のより長い波長λ(λ>λ)を有する蛍光を等方的に発光する。しかしながら、こうした蛍光の光強度は、照射される励起光に比して非常に小さいために、励起光から蛍光を高い精度で弁別して検出することは非常に困難であると考えられてきた。
【0006】
ところが、本発明者の鋭意研究の結果、詳細後述するように、励起光により励起された第1の表面プラズモンが試料を蛍光発光させ、この蛍光により第2のプラズモンが励起され、さらに第2のプラズモンが試料に依存する蛍光放射角度においてピーク強度を有するように蛍光を増強できることを突き止めた。
【0007】
しかるに、本発明は、第2の表面プラズモンにより増強された蛍光を受光するように、CCDエリアセンサなどの受光部品を構成することにより、強い蛍光強度で視認できる表面プラズモン蛍光顕微鏡、および表面プラズモンにより励起された蛍光を測定する方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、蛍光のピーク強度を与える蛍光放射角度を精度よく測定することにより、試料の屈折率を正確に測定できる表面プラズモン蛍光顕微鏡、および測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、ピーク強度を有する蛍光をスペクトル分析することにより、試料分子を特定できる表面プラズモン蛍光顕微鏡、およびその方法を提供することを目的とする。
【0010】
また本発明によれば、赤外域光の超短パルスレーザから照射される少なくとも2つのフォトンを用いて、紫外域における蛍光を励起することにより、DNAや蛋白質を効率よく蛍光励起することができる。
【0011】
さらに本発明によれば、マイクロレンズアレイを用いて、複数のスポットにおける蛍光を同時に測定することにより、試料を走査させることなく、迅速に蛍光を測定することができる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明によれば、一方の表面に試料を密着させることができる金属薄膜と、金属薄膜の他方の表面に密着し、試料よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体と、励起光を照射する光源とを備え、励起光により励起された第1の表面プラズモンが、試料を蛍光発光させ、この蛍光により励起された第2の表面プラズモンが、試料に依存する蛍光放射角度においてピーク強度を有するように蛍光を増強し、第2のプラズモンにより増強された蛍光を受光する受光部品をさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、励起光を金属薄膜上の焦点に集光させる光学部品をさらに備える。
【0014】
請求項3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、光学部品と受光部品の間の光路上に配置され、励起光が金属薄膜で反射された反射光を遮光する着脱可能な反射光カットフィルタをさらに備える。
【0015】
請求項4に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、受光部品は、2次元マトリックスセンサであって、反射光カットフィルタが反射光を遮光するとき、2次元マトリックスセンサのセンサ座標と、各センサ座標において受光した蛍光の強度とを関連付けて記憶する第1のメモリ部品を備える。
【0016】
請求項5に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、すべてのセンサ座標における蛍光の強度を積算して、積算蛍光強度を求めるための蛍光強度演算部と、励起光の焦点を金属薄膜上において走査させるために、高屈折率媒体に固定された試料ステージと、試料ステージのステージ座標と、各ステージ座標の積算蛍光強度とを関連付けて記憶する第2のメモリ部品とをさらに備える。
【0017】
請求項6に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡によれば、ピーク強度を有する蛍光が、センサ座標において、蛍光放射角度に依存する輝環半径を有する円周上に結像するように、光学部品を構成し、この輝環半径から、試料の屈折率を計算する屈折率演算部をさらに有する。
【0018】
請求項7に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、受光部品は、2次元マトリックスセンサであって、反射光カットフィルタが反射光を遮光しないとき、2次元マトリックスセンサのセンサ座標と、各センサ座標において受光した反射光の強度とを関連付けて記憶する第1のメモリ部品をさらに備える。
【0019】
請求項8に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、極小強度を有する反射光が、センサ座標において、反射角度に依存する暗環半径を有する円周上に結像するように、光学部品を構成し、この暗環半径から、試料の屈折率を計算する屈折率演算部をさらに有する。
【0020】
請求項9に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、第1または第2のメモリ部品に記憶された情報を元に、2次元画像を表示する画像表示部を有する。
【0021】
請求項10に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、ピーク強度を有する蛍光のスペクトル分布を測定するスペクトルアナライザをさらに有する。
【0022】
請求項11に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、標本に対する標本スペクトル分布と、試料に対する測定スペクトル分布を比較して、試料を特定する試料同定部を有する。
【0023】
請求項12に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、励起光源は、近赤外域の波長を有する励起光を照射する超短パルスレーザである。
【0024】
請求項13に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、励起光を構成する少なくとも2つのフォトンの光エネルギを同時に試料に吸収させて、励起光よりも短波長の蛍光を励起する。
【0025】
請求項14に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、励起光の波長が約600nmないし約1000nmである。
【0026】
請求項15に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、光学部品は、複数の微小凸レンズを有するマイクロレンズアレイを含む。
【0027】
請求項16に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、光源と光学部品の間の光路上に配置され、励起光を光学部品へ、光学部品からの光を受光部品へ案内するハーフミラーまたはダイクロイックミラーをさらに備える。
【0028】
請求項17に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、光源と光学部品の間の光路の外側に配置され、光学部品からの光を受光部品へ案内するミラーをさらに有する。
【0029】
請求項18に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、励起光はコヒーレント光である。
【0030】
請求項19に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、金属薄膜は、銀薄膜と金薄膜の積層体であって、金薄膜上に試料を密着させ、銀薄膜上に高屈折率媒体を密着させる。
【0031】
請求項20に記載の本発明によれば、表面プラズモンにより励起された蛍光を測定する方法であって、一方の表面に試料を密着させることができる金属薄膜と、金属薄膜の他方の表面に密着し、試料よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体とを含むターゲットを準備するステップと、励起光をターゲットに照射するステップと、励起光により励起された第1の表面プラズモンにより、試料を蛍光発光させるステップと、この蛍光により励起された第2のプラズモンにより、試料に依存する蛍光放射角度においてピーク強度を有するように蛍光を増強させるステップと、第2のプラズモンにより増強された蛍光を受光するステップとを有することを特徴とする測定方法を提供することができる。
【0032】
請求項21に記載の測定方法は、励起光を金属薄膜上の焦点に集光させるステップを有する。
【0033】
請求項22に記載の測定方法は、反射光を遮光して、蛍光だけを受光するステップを有する。
【0034】
請求項23に記載の測定方法において、蛍光を受光するステップは、2次元マトリックスセンサを用いて受光し、2次元マトリックスセンサのセンサ座標と、各センサ座標において受光した蛍光の強度とを関連付けて第1のメモリ部品に記憶するステップをさらに有する。
【0035】
請求項24に記載の測定方法は、すべてのセンサ座標における蛍光の強度を積算して、積算蛍光強度を得るステップと、励起光の焦点を金属薄膜上において走査させるステップと、試料ステージのステージ座標と、各ステージ座標の積算蛍光強度とを関連付けて第2のメモリ部品に記憶するステップとをさらに有する。
【0036】
請求項25に記載の測定方法は、第1または第2のメモリ部品に記憶された情報を元に、2次元画像を表示するステップを有する。
【0037】
請求項26に記載の測定方法は、ピーク強度を有する蛍光を、センサ座標において、蛍光放射角度に依存する輝環半径を有する円周上に結像させるステップと、この輝環半径から、試料の屈折率を計算するステップとをさらに有する。
【0038】
請求項27に記載の測定方法は、輝環が楕円である場合、その輝環が楕円形状を有するとき、その扁平方向から試料分子の配向方向を計算するステップをさらに有する。
【0039】
請求項28に記載の測定方法は、ピーク強度を有する蛍光のスペクトル分布を測定するステップをさらに有する。
【0040】
請求項29に記載の測定方法は、標本に対する標本スペクトル分布と、試料に対する測定スペクトル分布を比較して、試料を特定するステップを有する。
【0041】
請求項30に記載の測定方法において、励起光は、近赤外域の波長を有する超短パルスレーザ光である。
【0042】
請求項31に記載の測定方法は、励起光よりも短波長の蛍光が励起されるように、励起光を構成する少なくとも2つのフォトンの光エネルギを同時に試料に吸収させるステップを有する。
【0043】
請求項32に記載の測定方法において、励起光の波長が約600nmないし約1000nmである。
【0044】
請求項33に記載の測定方法は、励起光を金属薄膜上の複数の焦点に集光させるステップを有する。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態を説明する。以下の実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「上側」、「右側」または「左側」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。
【0046】
実施形態1.
図1ないし図3を参照しながら、本発明に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態1について以下詳細に説明する。図1において、実施形態1の表面プラズモン蛍光顕微鏡1は、概略、波長λを有するコヒーレント光(以下、単に「励起光」という。)を照射するHe−Neレーザなどの励起光源10と、励起光が照射されるターゲット20と、ターゲット20を平行移動させるためのX−Yステージ30(「試料ステージ」ともいう。)と、ターゲット20からの光を受光する受光部品40と、パーソナルコンピュータ50(以下、単に「PC」という。)を備える。受光部品40は、光電子増倍管や、光強度を電気信号に変換できる任意の半導体素子を用いて構成することができるが、好適には、ある程度の領域に亙って受光できるCCDエリアセンサが用いられる。
【0047】
PC50は、試料ステージ30および受光部品40と無線または有線にて通信し、試料ステージ30を平行移動させるパルスモータ(図示せず)を駆動するとともに、受光部品40が受光した光の強度を電気信号として受信し、この光強度を試料ステージ30の各ステージ座標に関連付けるように記憶して、付属のモニタに画像表示することができる。
【0048】
実施形態1のターゲット20は、表面プラズモンを励起するためのクレッチマン配置を有する。すなわち、このターゲット20は、高い屈折率(例えば約1.74)を有する高屈折率プリズム22、これに蒸着された金属薄膜24(膜厚dは、例えば、約50nm)、および金属薄膜24に密着させた誘電体材料である試料26からなる3層構造体を有する。なお、試料26の厚みが有限の場合は、空気を含めた4層構造となる。
【0049】
図1において、励起光源10から照射された励起光は、通常、高屈折率プリズム22を介して金属薄膜24に入射した後、同じ反射角度でプリズム側に反射する。励起光は、図1の紙面に平行な方向に振動するp偏光成分と、垂直な方向に振動するs偏光成分を有する。金属薄膜24で反射する光を、以下、単に「反射光」という。励起光源10および受光部品40は、手動またはPC50による自動制御にて、励起光が照射された金属薄膜24表面上の点を中心とする円周上を走査させることができる。
【0050】
励起光が全反射するように金属薄膜24に入射した場合に、金属薄膜24付近で生じる現象を微視的に見ると、図1に示すように、金属薄膜24の微小近傍において(dspは波長程度の距離で、例えば、約1μm)、いわゆるエバネッセント波(近接場)が形成される。エバネッセント波は、金属薄膜24から遠ざかる方向には指数関数的に減衰し、空間中を伝播しないが、金属薄膜24に平行な方向には伝播し、その波数は真空中における光波の波数よりも大きい。
【0051】
一方、励起光のp偏光により、金属薄膜24内の自由電子が縦振動し、縦波として金属薄膜24を伝播する。この縦波の波数は、真空中(空気中)を伝播する光波よりも大きい。そして、エバネッセント波の波数が自由電子の縦波の波数と一致するように入射角θspが設定されたとき、自由電子がエバネッセント場と共鳴して、表面プラズモンが励起される。そして入射角θspを有するp偏光の光エネルギの多くが金属薄膜24に吸収されて、表面プラズモンを形成するため、同じ角度θspで反射する反射光だけが暗くなる(その強度が実質的に減衰する)。このように反射光の強度が減衰して極小となり、表面プラズモンが形成されるときの角度θspを共鳴角といい、この状態を表面プラズモン共鳴状態という。こうして表面プラズモン共鳴状態にあるエバネッセント場は、図2に示すように、金属薄膜24と試料26の間の界面において、励起光の数百倍の強度をもつ極めて強い特異的な(不連続な)電磁場を有し、試料26の厚み方向に向かうに従って指数関数的に減衰し、波長程度の近傍領域dspにおいては、上記界面の電磁場の1/e倍の電磁場を有する。この現象を表面プラズモンの電場増強作用といい、dspを「浸み出し長」または「浸入長」という。このように、表面プラズモン共鳴状態にあるエバネッセント場とは、金属薄膜24と試料26の界面にまとわりついた局在的で、格段に増強された電磁場である。
【0052】
ところで、DNAや蛋白質などの試料26内には、一般に、数ナノメートルの大きさを有する極めて微小な試料分子27が含まれており、この試料分子27は、上述の表面プラズモン共鳴状態にあるエバネッセント場に存在するとき(近傍領域dsp内に存在するとき)、格段に増強された励起光の数百倍の電磁場を受けて強く蛍光励起される。このように、非常に強力な電磁場で蛍光励起されるため、試料分子27は、必ずしも蛍光特性の強い分子(以下、「蛍光分子」という。)である必要はなく、あるいは本来試料中に存在しない蛍光分子を注入して、試料分子27を染色しなくてもよい。すなわち、本発明の表面プラズモンによる強い電磁場を用いて、試料26内に含まれる任意の試料分子27を蛍光発光させることができ、蛍光分子による染色に起因する試料の測定精度の低下を防止することができる。
【0053】
こうして励起された蛍光は、上述のように、極めて微小な試料分子27を発光中心とする点発光であるので、大きな空間周波数(波数)を有し、比較的に広範な波数を含む。このとき、波数が2π/λ(λ:空間中を伝播するときの蛍光波長)である蛍光だけが空間中を伝播できるが、それより大きい波数を有する多くの蛍光は、空間中を伝播することができず、上述の励起光により形成されたエバネッセント場とは異なる別の(第2の)エバネッセント場を形成する。この第2のエバネッセント場は、同様に、試料分子27の近傍に局在し、試料分子27から離れるに従って指数関数的に減衰する電場強度分布を有する。そして、金属薄膜24の自由電子の縦波の波数と、第2のエバネッセント場の波数が一致するとき、第2のエバネッセント場と金属薄膜24の自由電子が共鳴し、上述の表面プラズモンとは異なる第2の表面プラズモンが励起される。このとき、第2の表面プラズモンの電場増強作用により、第2の表面プラズモンの波数と一致する波数を有するp偏光成分の蛍光だけが著しく増強される。
【0054】
その結果、第2の表面プラズモンにより増強されたp偏光成分の蛍光は、高屈折率プリズム22を介して、所定の蛍光放射角度θflで放射される。したがって、この現象を巨視的に見ると、ターゲット20から放射される蛍光は、蛍光放射角度θflにおいてピーク強度を有するように放射される。このように第2の表面プラズモンにより増強された蛍光のピーク強度は、表面プラズモンにより増強されることなく等方的に放射される蛍光の光強度に比して、数十ないし数百倍強い。
【0055】
励起光を用いて第1の表面プラズモンを形成するとき、励起光の光エネルギが第1の表面プラズモンに内在されるエネルギに変換されるために、反射角度θspで反射する反射光の強度が極小となるプロセスに対して、励起された蛍光を用いて第2の表面プラズモンを形成するとき、第2の表面プラズモンに内在されるエネルギが光エネルギに変換されるために、蛍光放射角度θflで放射される蛍光がピーク値を有するように増強されるプロセスは、互いに表裏一体のプロセスであるといえる。
【0056】
蛍光放射角度θflで放射する蛍光が増強されるプロセスを検証するための実験を以下のように行った。励起光源10としてアルゴンレーザ(波長λ=約514.5nm)、金属薄膜24として銀薄膜(膜厚d=約50nm)、試料26としてローダミン6G水溶液を用い、高屈折率プリズム(屈折率n=約1.73)を入射角θsp(=約56.9°)で銀薄膜24に照射して、上述の第1および第2のプラズモンを励起した。このとき、励起光が照射された銀薄膜24の表面上の点を中心とする円周上に受光部品40を走査させて、試料分子27からの蛍光強度の角度依存性をプロットした。このとき、反射光カットフィルタ42をターゲット20と受光部品40の間に挿入して、反射光を遮光し、受光部品40は、蛍光だけを受光するように構成した。こうして図3(a)に示すグラフを得、蛍光放射角度θfl(=約55.9°)でピーク強度を有する蛍光が確認された。さらに、反射光カットフィルタ42と受光部品40の間に偏光板(図示せず)を配置して、ピーク強度を有する蛍光のp偏光成分およびs偏光成分の角度依存性をプロットとしたところ、それぞれ図3(b)および(c)を得た。これらのグラフから明らかなように、蛍光のp偏光成分はピーク強度を有する一方、蛍光のs偏光成分はピーク強度を有さない。これは、表面プラズモンによってp偏光の蛍光だけが増強されたことを裏付けている。
【0057】
本発明に係る実施形態1の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、受光部品40は、上述の蛍光放射角度θflで放射されるピーク強度を有する蛍光を検出できるような位置に配置される。
【0058】
PC50は、X−Yステージ30のステップモータを駆動して、X−Yステージ30を移動させ、蛍光のピーク強度の電気信号と、これを受信したときのステージ座標とを関連付けてメモリ部品(図示せず)に記憶し、これらの情報を元に、各ステージ座標における蛍光強度をモニタ表示する。こうして、表面プラズモンにより増強された蛍光を利用して、試料26の顕微鏡画像を得ることができる。なお、X−Yステージ30の移動量を小さくするほど、拡大率の大きい蛍光画像を得ることができる。
【0059】
以上のように、本発明に係る実施形態1の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、受光部品40が、第2の表面プラズモンにより増強された蛍光を検出できるような位置(蛍光放射角度θfl)に配置されるので、表面プラズモンにより励起されない蛍光に比べて数十ないし数百倍強い蛍光を検出でき、高精度の蛍光顕微鏡画像を実現することができる。
【0060】
なお、反射光カットフィルタ42は、取り外しできる(着脱可能である)ように構成してもよい。すなわち、反射光カットフィルタ42を取り外したとき、受光部品40は、反射光を含むターゲット20から放射されるすべての光を受光し、取り付けたとき、反射光だけを遮光して蛍光だけを受光する。反射光カットフィルタ42は、反射光とほぼ同じ波長帯域を有する光だけを遮光する光バンドパスフィルタであってもよいが、当業者ならば容易に理解されるような他の遮光フィルタであってもよい。
【0061】
本発明に係る実施形態1の表面プラズモン蛍光顕微鏡は、反射光が遮光されないとき、反射光の極小強度を受光部品40により検出して、表面プラズモン共鳴状態における共鳴角θspを検出することができる。同様に、表面プラズモンの波数は、金属薄膜24の屈折率および膜厚と、試料26の屈折率に依存して変化するので、励起光の波長λ、金属薄膜24の屈折率および膜厚が既知であるとき、試料26の屈折率をPC50により算出することが可能となる。
【0062】
実施形態2.
図4ないし図8を参照しながら、本発明に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態2について以下詳細に説明する。図4において、実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡2は、概略、励起光を照射するHe−Neレーザなどの励起光源10と、励起光を拡大するビーム・エクスパンダ12と、拡大された励起光を集光させる対物レンズ60(開口率は、例えば1.3)と、励起光が照射されるターゲット20と、ターゲット20を平行移動させる試料ステージ30と、ターゲット20からの光を受光するCCDエリアセンサなどの受光部品40とを備える。
【0063】
また、この表面プラズモン蛍光顕微鏡2は、励起光源10からの励起光を透過し、ターゲット20からの光を反射するハーフミラー70と、受光部品40上に結像させる集光レンズ72とを有する。さらに任意であるが、ビーム・エクスパンダ12とハーフミラー70の間の光路上に、拡大された励起光をターゲット20へ案内するためのミラー74を設けてもよい。この表面プラズモン蛍光顕微鏡2は、実施形態1と同様、任意の無線または有線技術を用いて、試料ステージ30および受光部品40と通信できるPC50を有する。
【0064】
実施形態2のターゲット20は、図4において、試料ステージ30に固定されたカバーガラス23と、その上側表面に密着または蒸着された金属薄膜24と、金属薄膜24の上側表面に密着させた試料26とを有する。また、カバーガラス23と対物レンズ60の間において、高い屈折率(例えば、約1.5)を有するマッチングオイル62が配置されている。なお、金属薄膜は、例えば、約50nmの膜厚を有する銀薄膜または金薄膜であってもよいが、好適には、銀薄膜(例えば、約44nm厚)と金薄膜(例えば、約5nm厚)の積層体であり、銀薄膜側にカバーガラス23、金薄膜側に試料26が密着している。
【0065】
このように構成された表面プラズモン蛍光顕微鏡2において、励起光源10から照射された励起光は、ビーム・エクスパンダ12により拡大され、ミラー74で反射し、ハーフミラー70を透過して、対物レンズ60へ入射する。対物レンズ60に入射した励起光は、金属薄膜24上に焦点を結ぶように集光される。したがって、励起光は、入射角が0°からθに至るあらゆる角度で、金属薄膜24上の焦点に照射される。実施形態1と同様、励起光のp偏光により金属薄膜24内の自由電子が縦振動し、この縦波振動の波数がエバネッセント波の波数と一致するような共鳴角θspを有するp偏光成分の励起光が金属薄膜24に吸収されて、第1の表面プラズモンが形成されるとき、同じ角度θspで反射する反射光だけが暗くなる。その結果、ターゲット20から反射された反射光をCCDエリアセンサ40上に結像させると、図5(a)に示すように、(細かくハッチングを付した)真っ暗な背景において、円形の明るい領域の内側に暗いリング状の領域を有する像44(これを「暗環」という。)を得る。ただし、図5(a)のように、暗環44の暗いリング状の領域を完全に連続的にするためには、四分の一波長板(図示せず)を光路上に配置して、励起光を直線偏光から円偏光またはランダム偏光にしておく必要がある。また受光部品40は、その各センサ座標における光強度を電気信号に変換して、PC50へ送信する。
【0066】
PC50は、各センサ座標とその反射光強度を関連付けて、図6のブロック図で示す第1メモリ80に記憶する。共鳴角θspは、図5(a)に示す暗環44の半径R(以下、「暗環半径」という。)と対応しているので、屈折率演算部81は、センサ座標上の暗環44の暗環半径Rを計算して共鳴角θspを求め、さらに試料の屈折率を求めることができる。こうして得られた各センサ座標とその反射光強度に関する情報、または共鳴角θspと試料の屈折率に関する情報が、表示制御部82を介して、ディスプレイ装置などのPC表示部83に画像表示される。
【0067】
実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡2は、実施形態1と同様、ハーフミラー70と集光レンズ72の間に着脱可能に配置された反射光カットフィルタ42を有する。反射光カットフィルタ42を挿入した状態で反射光を遮光したとき、受光部品40はターゲット20からの蛍光だけを検出する。このとき、受光部品40のセンサ座標上に、図5(b)に示すように、(同様に細かくハッチングを付した)真っ暗な背景において、(粗くハッチングを付した)円形の薄暗い領域の内側にリング状の明るい領域46(これを「輝環」という。)が結像される。この輝環46の半径R(以下、「輝環半径」という。)は、著しく増強された蛍光が放射される蛍光放射角度θflに依存する。なお、実施形態2においては、反射光を遮光して、蛍光だけを受光部品40へ案内するために、反射光カットフィルタ42とハーフミラー70を用いたが、択一的には、反射光の波長を含む波長域の光を透過し、蛍光の波長を含む波長域の光を反射するダイクロイックミラーを用いてもよい。
【0068】
PC50は、同様に、各センサ座標とその蛍光強度を関連付けて、図6のブロック図で示す第1メモリ80に記憶し、屈折率演算部81により、センサ座標上の輝環46の輝環半径Rを計算して、蛍光放射角度θflを求め、さらに試料の屈折率を求めることができる。こうして得られた各センサ座標とその蛍光強度に関する情報、または蛍光放射角度θflと試料の屈折率に関する情報が、表示制御部82を介してPC表示部83に画像表示される。以上のように、本発明の表面プラズモン蛍光顕微鏡によれば、共鳴角θspおよび蛍光放射角度θflの両方から試料の屈折率を求めることができるので、より精度の高い屈折率測定が可能となる。
【0069】
さらにPC50は、図6に示す蛍光強度演算部84において、適当なソフトウェアプログラムを用いて、第1メモリ80に格納された蛍光強度をすべてのセンサ座標において積算する(足し合わせる)ことにより、励起光が照射される金属薄膜24上の焦点における積算蛍光強度を求める。次に、PC50は、ステージ駆動部86を用いて、試料ステージを微小変位させ、励起光が照射される金属薄膜24上の焦点を移動させて、同様に、蛍光強度演算部84を用いて、移動させた焦点における積算蛍光強度を求める。これを反復して行い、試料ステージ30上の各ステージ座標における積算蛍光強度を走査する。
【0070】
PC50は、各ステージ座標とその積算蛍光強度を関連付けて、図6に示す第2メモリ85に記憶するとともに、表示制御部82を介してPC表示部83に画像表示する。各ステージ座標を細分化することにより、拡大率の大きい蛍光画像を得ることができる。
【0071】
このように、本発明に係る実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡において、受光部品40が、第2の表面プラズモンにより増強された蛍光を検出できるので、表面プラズモンにより励起されない蛍光に比べて数十ないし数百倍強い蛍光を検出し、精度の高い蛍光画像を得ることができる。
【0072】
ところで、多くの分子は、一般に、非対称性の構造を有するので、光の照射方向により屈折率が異なり、つまり光学的な異方性を有する。液体や固体中に分散した分子はランダムに動き回るため、巨視的には等方性を有する物質のように振舞うが、結晶状態や液晶状態もしくは特異的な吸着作用などにより一定方向に整列・配向された分子は、分子本来が有する異方性を顕著に現す。このように異方性分子を一定方向に配向した試料26について、本発明の表面プラズモン蛍光顕微鏡を用いて画像形成すると、光の照射方向により、屈折率が変わるので、金属薄膜24上に生じる表面プラズモンの波数が変化し、ひいては第1の表面プラズモンを励起する励起光の共鳴角θspおよび第2の表面プラズモンにより増強放射される蛍光の蛍光放射角度θflが変化する。したがって、実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡2において、励起光は対物レンズ60を介して光軸の周りの360度方向から入射されるが、試料26が異方性を有するとき、受光部品40のセンサ座標上に結像される暗環44および輝環46は、真円ではなく、楕円形状を有する。換言すると、暗環44および輝環46が楕円として検出されたとき、扁平率および扁平方向を計測し、これらの情報から試料分子27の配向方向および異方性の度合いを検出することができる。
【0073】
(変形例)
図7に示す実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡の変形例2’において、CCDエリアセンサ40と置換可能なスペクトルアナライザ48を設けてもよい。すなわち、増強された蛍光を検出した後に、ピーク強度を与えるセンサ座標上に、受光部品40の代わりにスペクトルアナライザ48(もしくはスペクトルアナライザ48に接続された光ファイバ)を配置する。表面プラズモンにより増強された蛍光は、一般に、レーザ光よりも比較的に幅広で、試料分子27に依存するスペクトル分布を有することが知られている。
【0074】
PC50は、図6に示すアナライザ駆動部89によりスペクトルアナライザ48を駆動して、検出すべき試料分子27に関して、例えば、図8(a)に示すようなスペクトル分布を得る。一方PC50は、検出する可能性のある既知の試料分子27に関するスペクトル分布を事前にサンプリングして、例えば、図8(b)および(c)に示すような標準スペクトル分布を標準スペクトルメモリ88に記憶している。したがって、この変形例によるPC50は、試料同定部87において、検出すべき試料分子27のスペクトル分布と、標準スペクトルメモリ88に格納された標準スペクトル分布を比較することにより、試料分子27を特定することができる。具体的には、検出された試料分子27は、図8(c)の標本スペクトル分布と類似するスペクトル分布を有するとき、試料分子27は標本Bであると同定できる。
【0075】
このように、この変形例に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡2’によれば、増強された蛍光のスペクトル分布を検出することにより、試料26内の試料分子27を精度よく特定することができる。
【0076】
実施形態3.
本発明に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態3について以下詳細に説明する。実施形態3の表面プラズモン蛍光顕微鏡3は、励起光源として近赤外域発光の超短パルスレーザを用いること以外、実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡2と同様の構造を有するので、重複する部分に関する詳細な説明を省略する。
【0077】
表面プラズモン蛍光顕微鏡3の近赤外域発光の超短パルスレーザは、約600nmないし約1000nmの波長を有するレーザ光を、フェムト秒(10−15秒)オーダの極めて短い時間に照射するパルスレーザである。
【0078】
試料分子27を蛍光励起するとき、通常、照射された1つのフォトン(励起光)の光エネルギ(E=hν:hはプランク定数、νは振動数)を用いて蛍光励起するが、紫色の蛍光を励起するためには、同様に紫色の(あるいはそれより短い波長の)励起光が必要となる。ところが、紫外域などの短波長光を金属薄膜24に照射した場合、金属中の自由電子が短波長光の波数と一致するように振動できないため(追従できないため)、表面プラズモンが形成されない。したがって、表面プラズモンを効率よく励起するためには、近赤外域の長波長光を利用することが望ましい。このように、蛍光励起するためのエネルギを1つのフォトンの光エネルギで供給する手法を一光子蛍光励起法という。
【0079】
これに対し、複数のフォトンを同時に試料分子27に照射することにより、複数のフォトンエネルギを用いて、1つのフォトンエネルギで励起される蛍光波長より短波長の蛍光を励起する多光子蛍光励起法が考案されている。具体的には、800nmの波長を有する2つのフォトンを同時に試料分子27に照射して、フォトン2つ分の光エネルギ(E=2×h×800−1)を用いて、400nmの紫外域の蛍光(E=1×h×400−1)を励起する。
【0080】
DNAや蛋白質に含まれる試料分子27は、紫外域において、より高効率で蛍光励起されることが知られている。したがって、実施形態3の表面プラズモン蛍光顕微鏡3によれば、多光子蛍光励起法を採用し、表面プラズモンの形成を阻害することなく、紫外域の蛍光を効率よく励起することができる。こうして、この表面プラズモン蛍光顕微鏡3は、さらに高強度の蛍光を検出して、より鮮明な蛍光画像を得ることができる。
【0081】
実施形態4.
図9および図10を参照しながら、本発明に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態4について以下詳細に説明する。図9において、実施形態4の表面プラズモン蛍光顕微鏡4は、対物レンズ60の代わりにマイクロレンズアレイ64を用いた点以外、実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡2と同様の構成を有するので、重複する部分に関する詳細な説明を省略する。
【0082】
図9に示すように、実施形態4の表面プラズモン蛍光顕微鏡4のマイクロレンズアレイ64は、複数のマイクロレンズ66を有し、各マイクロレンズ66が励起光を金属薄膜24上の異なる焦点に集光するように配置されている。図9においては、3つのマイクロレンズ66を図示したが、これに限定されることなく、任意のマイクロレンズ66を設けてもよい。一例として、5行×5列のマトリックス状に配置された25個のマイクロレンズ66を有するマイクロレンズアレイ64の平面図を図10に示す。
【0083】
図10に示すマイクロレンズアレイ64を用いることにより、試料ステージ30を移動(走査)させることなく、25ポイントのステージ座標における蛍光を同時に検出することができる。したがって、実施形態4の表面プラズモン蛍光顕微鏡4によれば、蛍光を検出して、試料全体の蛍光画像を得るのに必要な時間を実質的に低減することができる。
【0084】
実施形態5.
図11を参照しながら、本発明に係る表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態5について以下詳細に説明する。実施形態5の表面プラズモン蛍光顕微鏡5は、ハーフミラーを用いることなく、図10に示すように、励起光源10からの励起光が対物レンズ60の左側半分の領域に入射されるようにミラー76を配置し、かつ対物レンズ60の右側半分の領域から出射される光が受光部品40へ案内されるように別のミラー78を配置する点以外、実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡2と同様の構成を有するので、重複する部分に関する詳細な説明を省略する。
【0085】
上述のように、図11に示す実施形態5の表面プラズモン蛍光顕微鏡5において、励起光は、対物レンズ60の左側半分の領域にのみ入射され、反射光および蛍光は、対物レンズ60の右側半分の領域からのみ出射される。このとき、集光レンズ72からの蛍光を受光部品へ案内するミラーは、励起光を遮光しないように、励起光源10と対物レンズ60の間の光路の外側に配置されている。このようにハーフミラー70を用いないので、励起光がハーフミラー70で反射されることなく、反射光および蛍光がハーフミラー70を透過することもないので、より強い励起光をターゲット20に照射し、受光部品40は、より強い反射光および蛍光を受光することができる。また、受光部品40に結像する暗環44および輝環46は、完全な一円形状ではなく、半円形状を有するが、受光面積を小さくできるので、システム全体を小型化できる。こうして、表面プラズモン蛍光顕微鏡の実施形態5によれば、より高強度の蛍光を受光して、より高精度の蛍光画像を形成することができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明の表面プラズモン蛍光顕微鏡によれば、受光部品は、第2の表面プラズモンにより増強され、蛍光放射角度で放射されるピーク強度を有する蛍光を検出するように構成されているので、表面プラズモンにより励起されない蛍光に比べて数十ないし数百倍強い蛍光を検出して、精度の高い蛍光画像を得ることができる。
【0087】
また、共鳴角および蛍光放射角度の両方から試料の屈折率を求めることができるので、より精度の高い屈折率測定が可能となる。
【0088】
表面プラズモンにより励起された強い励起光のスペクトル分布を測定することにより、試料に含まれる試料分子を精度よく特定することができる。
【0089】
さらに、多光子蛍光励起法を採用し、表面プラズモンの形成を阻害することなく、紫外域の蛍光を効率よく励起することができる。こうして、さらに高強度の紫外域の蛍光を検出して、より鮮明な蛍光画像を得ることができる。
【0090】
また、マイクロレンズアレイを用いることにより、試料ステージ移動させることなく、複数のステージ座標における蛍光を同時に検出できるので、試料全体の蛍光画像を得るのに必要な時間を実質的に低減することができる。
【0091】
ハーフミラーを用いないので、励起光がハーフミラーで反射されることなく、反射光および蛍光がハーフミラーを透過することなく、より強い励起光をターゲットに照射し、受光部品はより強い反射光および蛍光を受光することができる。こうして、より高精度の蛍光画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る実施形態1の表面プラズモン蛍光顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図2】図2は、表面プラズモンが共鳴状態にあるときのエバネッセント場の電磁波強度を示すグラフである。
【図3】図3(a)は、表面プラズモンにより増強された蛍光の放射角度依存性を示すグラフであり、図3(b)および図3(c)は、それぞれ、この蛍光のp偏光およびs偏光の放射角度依存性を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明に係る実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図5】図5(a)および(b)は、それぞれ、センサ座標上に結像されたリング状の暗い領域と明るい領域を示す。
【図6】図6は、実施形態2の表面プラズモン蛍光顕微鏡のブロック図である。
【図7】図7は、実施形態2の変形例による表面プラズモン蛍光顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図8】図8(a)は、試料に対する測定スペクトル分布を示し、図8(b)および(c)は、検出する可能性のある標本に対する標本スペクトル分布を示す。
【図9】図9は、実施形態4の表面プラズモン蛍光顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図10】図10は、5行×5列のマトリックス状に配置されたマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイの平面図である。
【図11】図11は、実施形態5の表面プラズモン蛍光顕微鏡の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5…表面プラズモン蛍光顕微鏡、10…励起光源、12…ビーム・エクスパンダ、20…ターゲット、22…高屈折率プリズム、23…カバーガラス、24…金属薄膜、26…試料、27…試料分子、30…X−Yステージ、40…受光部品、42…反射光カットフィルタ、44…暗環、46輝環、48…スペクトルアナライザ、50…パーソナルコンピュータ、60…対物レンズ、62…マッチングオイル、64…マイクロレンズアレイ、66…マイクロレンズ、70…ハーフミラー、72…集光レンズ、74…ミラー、80…第1メモリ、81…屈折率演算部、82…表示制御部、83…PC表示部、84…蛍光強度演算部、85…第2メモリ、86…ステージ駆動部、87…試料同定部、88…標準スペクトルメモリ、89…アナライザ駆動部。

Claims (33)

  1. 表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    一方の表面に試料を密着させることができる金属薄膜と、
    金属薄膜の他方の表面に密着し、試料よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体と、
    励起光を照射する光源とを備え、
    励起光により励起された第1の表面プラズモンが、試料を蛍光発光させ、
    この蛍光により励起された第2の表面プラズモンが、試料に依存する蛍光放射角度においてピーク強度を有するように蛍光を増強し、
    第2のプラズモンにより増強された蛍光を受光する受光部品をさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    励起光を金属薄膜上の焦点に集光させる光学部品をさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  3. 請求項1または2に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    光学部品と受光部品の間の光路上に配置され、励起光が金属薄膜で反射された反射光を遮光する着脱可能な反射光カットフィルタをさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  4. 請求項3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    受光部品は、2次元マトリックスセンサであって、
    反射光カットフィルタが反射光を遮光するとき、2次元マトリックスセンサのセンサ座標と、各センサ座標において受光した蛍光の強度とを関連付けて記憶する第1のメモリ部品を備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  5. 請求項4に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    すべてのセンサ座標における蛍光の強度を積算して、積算蛍光強度を求めるための蛍光強度演算部と、
    励起光の焦点を金属薄膜上において走査させるために、高屈折率媒体に固定された試料ステージと、
    試料ステージのステージ座標と、各ステージ座標の積算蛍光強度とを関連付けて記憶する第2のメモリ部品とをさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  6. 請求項3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    ピーク強度を有する蛍光が、センサ座標において、蛍光放射角度に依存する輝環半径を有する円周上に結像するように、光学部品を構成し、
    この輝環半径から、試料の屈折率を計算する屈折率演算部をさらに有することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  7. 請求項3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    受光部品は、2次元マトリックスセンサであって、
    反射光カットフィルタが反射光を遮光しないとき、2次元マトリックスセンサのセンサ座標と、各センサ座標において受光した反射光の強度とを関連付けて記憶する第1のメモリ部品をさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  8. 請求項7に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    極小強度を有する反射光が、センサ座標において、反射角度に依存する暗環半径を有する円周上に結像するように、光学部品を構成し、
    この暗環半径から、試料の屈折率を計算する屈折率演算部をさらに有することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  9. 請求項4、5または7に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    第1または第2のメモリ部品に記憶された情報を元に、2次元画像を表示する画像表示部を有することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  10. 請求項1ないし3のいずれか一に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    ピーク強度を有する蛍光のスペクトル分布を測定するスペクトルアナライザをさらに有することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  11. 請求項10に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    標本に対する標本スペクトル分布と、試料に対する測定スペクトル分布を比較して、試料を特定する試料同定部を有することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  12. 請求項1ないし3のいずれか一に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    励起光源は、近赤外域の波長を有する励起光を照射する超短パルスレーザであることを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  13. 請求項1ないし3のいずれか一に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    励起光を構成する少なくとも2つのフォトンの光エネルギを同時に試料に吸収させて、励起光よりも短波長の蛍光を励起することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  14. 請求項12または13に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    励起光の波長が約600nmないし約1000nmであることを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  15. 請求項2または3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    光学部品は、複数の微小凸レンズを有するマイクロレンズアレイを含むことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  16. 請求項2または3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    光源と光学部品の間の光路上に配置され、励起光を光学部品へ、光学部品からの光を受光部品へ案内するハーフミラーまたはダイクロイックミラーをさらに備えたことを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  17. 請求項2または3に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    光源と光学部品の間の光路の外側に配置され、光学部品からの光を受光部品へ案内するミラーをさらに有することを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  18. 請求項1ないし3のいずれか一に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    励起光はコヒーレント光であることを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  19. 請求項1ないし3のいずれか一に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    金属薄膜は、銀薄膜と金薄膜の積層体であって、
    金薄膜上に試料を密着させ、銀薄膜上に高屈折率媒体を密着させることを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  20. 表面プラズモンにより励起された蛍光を測定する方法であって、
    一方の表面に試料を密着させることができる金属薄膜と、金属薄膜の他方の表面に密着し、試料よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体とを含むターゲットを準備するステップと、
    励起光をターゲットに照射するステップと、
    励起光により励起された第1の表面プラズモンにより、試料を蛍光発光させるステップと、
    この蛍光により励起された第2のプラズモンにより、試料に依存する蛍光放射角度においてピーク強度を有するように蛍光を増強させるステップと、
    第2のプラズモンにより増強された蛍光を受光するステップとを有することを特徴とする測定方法。
  21. 請求項20に記載の測定方法であって、
    励起光を金属薄膜上の焦点に集光させるステップを有することを特徴とする測定方法。
  22. 請求項20または21に記載の測定方法であって、
    反射光を遮光して、蛍光だけを受光するステップを有することを特徴とする測定方法。
  23. 請求項22に記載の測定方法であって、
    蛍光を受光するステップは、2次元マトリックスセンサを用いて受光し、
    2次元マトリックスセンサのセンサ座標と、各センサ座標において受光した蛍光の強度とを関連付けて第1のメモリ部品に記憶するステップをさらに有することを特徴とする測定方法。
  24. 請求項23に記載の測定方法であって、
    すべてのセンサ座標における蛍光の強度を積算して、積算蛍光強度を得るステップと、
    励起光の焦点を金属薄膜上において走査させるステップと、
    試料ステージのステージ座標と、各ステージ座標の積算蛍光強度とを関連付けて第2のメモリ部品に記憶するステップとをさらに有することを特徴とする測定方法。
  25. 請求項23または24に記載の測定方法であって、
    第1または第2のメモリ部品に記憶された情報を元に、2次元画像を表示するステップを有することを特徴とする測定方法。
  26. 請求項21または22に記載の測定方法であって、
    ピーク強度を有する蛍光を、センサ座標において、蛍光放射角度に依存する輝環半径を有する円周上に結像させるステップと、
    この輝環半径から、試料の屈折率を計算するステップとをさらに有することを特徴とする測定方法。
  27. 請求項26に記載の測定方法であって、
    輝環が楕円形状を有するとき、その扁平方向から試料分子の配向方向を計算するステップをさらに有することを特徴とする測定方法。
  28. 請求項20ないし22のいずれか一に記載の測定方法であって、
    ピーク強度を有する蛍光のスペクトル分布を測定するステップをさらに有することを特徴とする測定方法。
  29. 請求項28に記載の測定方法であって、
    標本に対する標本スペクトル分布と、試料に対する測定スペクトル分布を比較して、試料を特定するステップを有することを特徴とする測定方法。
  30. 請求項20ないし22のいずれか一に記載の測定方法であって、
    励起光は、近赤外域の波長を有する超短パルスレーザ光であることを特徴とする測定方法。
  31. 請求項20ないし22のいずれか一に記載の測定方法であって、
    励起光よりも短波長の蛍光が励起されるように、励起光を構成する少なくとも2つのフォトンの光エネルギを同時に試料に吸収させるステップを有することを特徴とする測定方法。
  32. 請求項30または31に記載の測定方法であって、
    励起光の波長が約600nmないし約1000nmであることを特徴とする表面プラズモン蛍光顕微鏡。
  33. 請求項20ないし22のいずれか一に記載の表面プラズモン蛍光顕微鏡であって、
    励起光を金属薄膜上の複数の焦点に集光させるステップを有することを特徴とする測定方法。
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