JP6913966B2 - センサチップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法 - Google Patents

センサチップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、導波モードの励起により目的物質等から発せられる蛍光等を検出可能なセンサチップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法に関する。
溶液中に存在する微小物質を検出するセンサとして、導波モードセンサが用いられている。
前記導波モードセンサにおいて前記目的物質の検出を担う検出板としては、光透過性基板上に金属材料や半導体材料で形成される第1の層と誘電体材料で形成される第2の層とがこの順で積層されたものが用いられる。
このような検出板に対し、裏面側(前記光透過性基板側)から全反射条件を満たしつつ特定の入射角度で前記光を照射すると、特定波長の光が前記検出板内を伝搬する導波モード(光導波モード、導波路モード、光導波路モードなどとも呼ばれる)と結合し、前記導波モードが励起される。
前記導波モードセンサとしては、先ず、前記検出板に照射される前記光の反射光を検出する構成が挙げられる。この構成では、前記導波モードが励起される特定の入射角度において前記反射光の強度が変化すること、また、前記導波モードが励起される前記入射角度が前記検出板の表面近傍の誘電率によって変化することを利用して前記目的物質の検出を行う。即ち、前記検出板の表面に前記目的物質が吸着したり接近して前記誘電率に変化が生じると、前記反射光の強度を変化させる前記入射角度に変化をもたらすことから、前記目的物質を前記反射光の特性変化として検出することができる。
その後、前記検出板上の前記目的物質又は前記目的物質と結合する蛍光標識から発せられる蛍光を検出する構成も開発されている。この構成では、前記導波モードが励起された際に前記検出板の表面近傍に生じる増強電場を利用して前記目的物質の検出を行う。即ち、前記増強電場により励起された前記目的物質等から発せられる蛍光を検出することでバックグラウンド光が少ない蛍光観察を行うことができる(例えば、非特許文献1,2参照)。
更に、蛍光観察を行う構成としては、外力支援近接場照明バイオセンサ(EFA-NIバイオセンサ;External Force-Assisted Near-field Illumination biosensor)も提案されている。前記外力支援近接場照明バイオセンサでは、前記目的物質と結合する磁性粒子を用い、磁場印加部(例えば、磁石)による磁場の印加前後の様子を比較観察することで、前記磁場印加前における光信号のうち、ノイズ信号を排除した検出を行う。即ち、前記磁性粒子と結合した前記目的物質が前記磁場の印加により移動するのに対し、前記検出板表面のキズ等により生ずるノイズは、前記磁場の印加により移動しないことから、移動する光信号に着目した検出を行うことで、前記ノイズ信号を排除した蛍光観察を行うことができる(例えば、非特許文献3参照)。
これら蛍光観察を行うタイプの導波モードセンサは、溶液中に存在する微小物質、特にDNA、RNA、タンパク質、ウイルス、細菌等の生体関連物質を前記目的物質として検出することに有効である。
ところで、前記検出板における前記第1の層としては、前記導波モードの励起に好適な膜として加熱処理を行って形成することが有効である。例えば、前記第1の層をスパッタリング等の方法で形成する際や形成後に数百度程度の温度で加熱すると、膜内の欠陥が除去されるとともに均質な膜として得られ易い。材料によっては結晶化が促進され、透明度の高い膜の形成も可能となる。
また、前記第2の層としても、前記導波モードの励起に好適な膜として加熱処理を行って形成することが有効である。例えば、前記第2の層をスパッタリング等の方法で形成する際や形成後に数百度程度の温度で加熱すると、膜内の欠陥が除去されるとともに均質な膜として得られ易い。前記第2の層の形成方法として、前記第1の層を1,000℃近くの高温で熱酸化して前記第2の層を得る方法も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、前記検出板における前記光透過性基板は、前記第1の層及び前記第2の層が形成される基板であるところ、前記光透過性基板をプラスチック材料で形成すると、数百度の加熱に対する耐熱性を持たないため、前記第1の層及び前記第2の層に対する前記加熱処理を行うことができず、延いては、前記導波モードの励起に好適な前記第1の層及び前記第2の層を得ることができない問題がある。
また、前記光透過性基板を前記プラスチック材料で形成すると、前記検出板の耐薬品性が損なわれる問題がある。前記目的物質として特に前記生体関連物質を検出する場合、前記検出板の表面(前記第2の層側の面)に前記目的物質と結合可能な表面修飾分子(シラン誘導体、チオール誘導体等)を付着させる表面処理が行われる。前記表面修飾を行う方法としては、例えば、前記表面修飾分子を溶解させた溶液を前記検出板の表面に塗工する方法や前記表面修飾分子を溶解させた溶液の蒸気雰囲気下に前記検出板を置く方法が挙げられる。一部の前記表面修飾分子は、溶解させるためにトルエン等のプラスチック材料に対する溶解力の高い有機溶媒が必要であるが、このような有機溶媒が前記プラスチック材料で形成される前記光透過性基板に付着したり吸着すると前記光透過性基板が溶解してしまうことがある。このため、前記光透過性基板をプラスチック材料で形成すると、使用可能な前記表面修飾分子が前記有機溶媒を用いないタイプの前記表面修飾分子に限られることとなる。
前記検出板の前記耐熱性及び前記耐薬品性の問題は、ガラス材料により前記光透過性基板を形成することで解決することができる。
しかし、前記光透過性基板を前記ガラス材料により形成する場合、次のような問題を生じさせる。
前記検出板は、前記導波モードを励起させるための光を導入させるため、光学プリズム上に取付けられ、前記検出板と前記光学プリズムとでセンサチップを構成する。前記光学プリズムがない状態で前記検出板に光を入射させると、前記検出板での全反射条件が得られにくく、前記導波モードを励起させることが困難となる。
ここで、前記光学プリズムとしては、前記光透過性基板と同じ屈折率であることが求められ、前記光透過性基板を前記ガラス材料により形成する場合、前記光学プリズムも同一の前記ガラス材料で形成することが有効とされる(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記ガラス材料で形成された前記光学プリズム、つまり、ガラスプリズムは、プラスチック材料で形成された前記光学プリズム、つまり、プラスチックプリズムと比べて非常に高価である問題がある。
前記生体関連物質の検出を行う場合には、前記センサチップを検出ごとに使い捨てることが多いが、前記センサチップを構成する前記ガラスプリズムが高価であることから、検出ごとに使い捨てる場合、検出の費用が嵩むこととなる。
こうした問題を解決するため、使用済みの前記検出板から前記ガラスプリズムを取外し、未使用の前記検出板に取付けることも考えられる。
しかしながら、こうしたガラスプリズムの取外し及び取付けには手間がかかるうえ、取付けの状態によりセンサ信号に変化が生じることから、測定結果にバラつきが生じる原因となる。
そのため、使い捨てを前提としつつ、前記センサチップをより安価に製造することが求められることとなるが、前記光学プリズムとして前記プラスチックプリズムを用いると、前記光学プリズムと前記光透過性基板とで同じ屈折率を得ることが困難となる。
したがって、前記耐熱性及び前記耐薬品性と、安価な製造性とを両立させる前記センサチップが存在していないのが現状である。
特許第5424229号公報 特許第5885350号公報
M. Fujimaki et al. Optics Express, Vol. 23 (2015) pp.10925 - 10937 K. Nomura et al. J. Appl. Phys. Vol. 113, (2013) pp.143103-1-143103-6 M. Yasuura and M. Fujimaki, Sci. Rep. Vol. 6, pp. 39241-1-39241-7 (2016)
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、耐熱性及び耐薬品性と、安価な製造性とを両立させ、かつ、導波モードを励起可能なセンサチップ並びに前記センサチップを用いた目的物質検出装置及び目的物質検出方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、次の知見を得た。
前記検出板の耐熱性及び耐薬品性の問題と、前記センサチップの安価な製造性の問題とは、前記光透過性基板を前記ガラス材料で形成し、かつ、前記光学プリズムとして前記プラスチックプリズムを用いることで同時に解決される。
しかしながら、このような構成の前記センサチップでは、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで異なる屈折率を有することとなり、前記目的物質の検出に用いることができるか不明となる。
今、従来技術において、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで同じ屈折率とされる理由について検討してみる。
前記導波モードセンサは、前記反射光の特性変化を検出するタイプを出発点として開発されたものである。
前記反射光の特性変化を検出するタイプでは、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで異なる屈折率であると、これらの間に光学的な界面が生じることで、この界面における入射光の不要な反射、つまり多重反射が生じ、延いては、前記多重反射に起因するファブリペロー共振が生じる。前記ファブリペロー共振が生じると、前記反射光の反射スペクトル上にスパイク状のノイズが多数発生することとなり、延いては、前記ノイズに起因する反射率変化が非常に大きくなることから、前記目的物質の検出が困難となる。
したがって、前記反射光の特性変化を検出するタイプでは、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで同じ屈折率が設定されることとなる。
また、その後に開発された前記蛍光観察を行うタイプでは、前記目的物質の検出原理が前記導波モードの励起を利用する点で共通するうえ、前記導波モードを励起させるための前記検出板の各構成層の材料の選択、厚みの設定、入射角度の設定といった光学系の各種設定に時間と労力とを要することから、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで屈折率が同じとされる前記反射光の特性変化を検出するタイプにおける設定をテンプレートとして研究が進められ、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで同じ屈折率とする設定が常態化されている。
しかし、前記蛍光観察を行うタイプでは、前記反射光を利用した測定を行わないことから前記反射光を利用することに起因する制約を受けない可能性がある。
そこで、前記光透過性基板と前記光学プリズムとで異なる屈折率である場合に、果たして前記導波モードの励起による前記増強電場が形成可能であるかが問題となるが、本発明者らは、前記光透過性基板及び前記光学プリズムの屈折率を揃えられない想定外の実験において、前記光透過性基板及び前記光学プリズムの屈折率が異なる場合であっても、前記導波モードの励起による前記増強電場が形成されていることを偶然、発見した。
本発明者らは、この発見を研究の端緒として、更なる検討を重ね、前記光透過性基板及び前記光学プリズムの屈折率が異なる場合であっても、前記導波モードの励起による前記増強電場が形成可能であることの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 軟化点が600℃以上のガラス材料で形成される光透過性基板と、前記光透過性基板上に金属材料、半導体材料及び第1の誘電体材料のいずれかで形成される第1の層と第2の誘電体材料で形成される第2の層とがこの順で積層されて構成される導波モード励起層とが配され、前記光透過性基板側から全反射条件で光が照射されたときに前記導波モード励起層上に増強電場が形成可能とされる検出板と、前記検出板の前記光透過性基板側の面に対し光学的に密着させて配され、熱可塑性プラスチック材料で形成されるとともに屈折率が前記光透過性基板と異なる光学プリズムと、を有し、前記光学プリズムの屈折率が前記光透過性基板の屈折率よりも高いことを特徴とするセンサチップ。
<2> 光透過性基板の屈折率が1.450〜1.550である前記<1>に記載のセンサチップ。
<3> ガラス材料がシリカガラスである前記<1>から<2>のいずれかに記載のセンサチップ。
<4> 光学プリズムの屈折率が1.470〜1.650である前記<1>から<3>のいずれかに記載のセンサチップ。
<5> 光学プリズムの屈折率が光透過性基板の屈折率よりも0.020以上高い前記<1>から<4>のいずれかに記載のセンサチップ。
<6> 熱可塑性プラスチック材料がポリメタクリル酸メチル、環状オレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及び環状オレフィンコポリマーのいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載のセンサチップ。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のセンサチップと、光学プリズムを介して検出板に対し光透過性基板側から全反射条件で光が照射可能とされる光照射部と、検出板の導波モード励起層側の面上に配され、前記導波モード励起層上に導入される液体試料中の目的物質の存在に起因して生ずる被検出光が検出可能とされる光検出部と、を有することを特徴とする目的物質検出装置。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のセンサチップを用いて目的物質の検出を行う目的物質検出方法であって、導波モード励起層上に液体試料を導入する液体試料導入工程と、光学プリズムを介して検出板に対し光透過性基板側から全反射条件で光を照射する光照射工程と、前記光照射工程に基づき前記液体試料中の前記目的物質の存在に起因して生ずる被検出光を検出する光検出工程と、を含むことを特徴とする目的物質検出方法。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、耐熱性及び耐薬品性と、安価な製造性とを両立させ、かつ、導波モードを励起可能なセンサチップ並びに前記センサチップを用いた目的物質検出装置及び目的物質検出方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るセンサチップの概略構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る目的物質検出装置の概略構成を示す説明図である。 シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(5)である。 シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(6)である。 使用する光の波長が400nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 使用する光の波長が400nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 使用する光の波長が400nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 使用する光の波長が400nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 使用する光の波長が700nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 使用する光の波長が700nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 使用する光の波長が700nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 使用する光の波長が700nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(5)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(5)である。 シミュレーション例4におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 シミュレーション例4におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 シミュレーション例4におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 シミュレーション例5におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 シミュレーション例5におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 シミュレーション例5におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 シミュレーション例5におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 シミュレーション例6におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 シミュレーション例6におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 シミュレーション例6におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 シミュレーション例6におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 シミュレーション例7におけるシミュレーション結果を示す図(1)である。 シミュレーション例7におけるシミュレーション結果を示す図(2)である。 シミュレーション例7におけるシミュレーション結果を示す図(3)である。 シミュレーション例7におけるシミュレーション結果を示す図(4)である。 参考例1に係る目的物質検出装置を用いて取得された電場強度スペクトルを示す図である。
(センサチップ)
本発明のセンサチップは、検出板と、光学プリズムとを有する。
<検出板>
前記検出板は、光透過性基板と導波モード励起層とが配され、前記光透過性基板側から全反射条件で光が照射されたときに前記導波モード励起層上に増強電場が形成可能とされる。
前記増強電場は、前記導波モード励起層に前記導波モードが励起された際に、前記導波モード励起層の表面近傍、つまり、前記検出板の前記光透過性基板が配される側と反対側の面の近傍のみに生じる電場であり、前記導波モード励起層の表面から遠ざかるにつれて急激に減衰する性質を有する。
前記センサチップでは、前記増強電場により前記導波モード励起層の表面上に導入される液体試料中の目的物質の存在に起因して生ずる被検出光を検出可能とする。
−光透過性基板−
前記光透過性基板は、軟化点が600℃以上のガラス材料で形成される基板である。
前記軟化点が600℃以上であることで、前記導波モード励起層の形成時における加熱処理に対する耐熱性が得られる。前記軟化点としては、高い程好ましく、特に制限はないが、前記光透過性基板の製造コスト及び入手し易さの観点から、高純度シリカガラスの軟化点である約1,700℃程度を上限とすることが好ましい。
また、前記光透過性基板が前記ガラス材料で形成されることで耐薬品性が得られる。
なお、本明細書において、「軟化点」とは、JIS−R3103−1に準じてファイバーエロンゲーション法により測定される軟化点を示す。
また、本明細書において、「耐薬品性」とは、トルエン及びエタノールのいずれかを侵食液として、前記侵食液に厚さ0.8mm〜1.2mmの試験板を48時間浸漬させたとき、前記試験板の外観に変化がないこと及び前記試験板の質量低下が1%以下であることのいずれかを示す。
また、本明細書において、「光透過性」とは、可視光透過率が0.5%以上であることを示す。
前記光透過性基板の屈折率としては、前記光学プリズムの屈折率と異なる屈折率であれば、特に制限はないが、一般に屈折率の高いガラスに比べて屈折率の低いガラスの方が高い耐熱性が得られることから、1.450〜1.550が好ましい。
また、前記透過性基板の形成材料である前記ガラス材料としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、前記光透過性基板の製造コスト及び入手し易さの観点に加え、好適な屈折率を満足する前記光透過性基板が得られる観点から、シリカガラスが好ましい。前記シリカガラスとしては、二酸化珪素(SiO)を単一成分として形成されるシリカガラスそのもののほか、溶融石英ガラスのような不純物を含むシリカガラス、ホウ素シリカガラス、フッ素添加シリカガラス、ゲルマニウム添加シリカガラスなどのシリカガラスに添加剤を添加したガラスを含み、例えば、BK7ガラスやパイレックスガラス(登録商標)などを含む。
なお、本明細書において、「屈折率」とは前記導波モードの励起に用いる光の波長における屈折率を示す。
−導波モード励起層−
前記導波モード励起層は、前記光透過性基板上に第1の層と第2の層とがこの順で積層されて構成され、前記導波モードが励起可能とされる層である。
前記導波モードは、前記検出板に対して前記光透過性基板側から全反射条件で光を照射することで励起される。
−−第1の層−−
前記第1の層は、金属材料、半導体材料及び第1の誘電体材料で形成される。
前記金属材料としては、特に制限はなく、例えば、金、銀、銅等の金属材料が挙げられる。
前記半導体材料としては、特に制限はなく、Si、Ge、SiGe等の公知の半導体材料又は化合物半導体材料が挙げられるが、中でも、3.000以上の高い屈折率が得られ易いSi、Geが好ましい。
前記第1の誘電体材料としては、特に制限はなく、例えば、TiO、Ta等の公知の光透過性の誘電体材料が挙げられるが、中でも、2.500以上の高い屈折率が得られ易く、消衰係数が低い(光透過性が高い)TiOが好ましい。
また、前記第1の層の厚みとしては、構成材料及び照射する光の波長によって最適値が決定されるとともに、この値は、フレネルの式を用いた計算から算出可能であることが知られている。一般に、近紫外から近赤外域の波長帯の光を使用する場合、前記第1の厚みは、数nm〜数百nmとなる。
なお、前記第1の層の形成方法としては、特に制限はなく、形成材料に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法等の公知の方法が挙げることができるが、更に、前記第1の層に対し加熱処理を行うことで、層の均質化や結晶化を行うことが好ましい。
−−第2の層−−
前記第2の層は、第2の誘電体材料で形成される。
前記第2の誘電体材料としては、特に制限はなく、例えば、シリカガラス等のガラス材料、TiO等の酸化物、AlN等の窒化物、MgF、CaF等のフッ化物が挙げられるが、中でも、屈折率が1.450〜1.550程度の低い屈折率が得られ易く、消衰係数が低いシリカガラスが好ましい。前記シリカガラスとしては、二酸化珪素(SiO)を単一成分として形成されるシリカガラスそのもののほか、ホウ素シリカガラス、フッ素添加シリカガラス、ゲルマニウム添加シリカガラスなどのシリカガラスに添加剤を添加したガラスを含む。
また、前記第2の層の厚みとしては、前記第1の層と同様に構成材料及び照射する光の波長によって最適値が決定されるとともに、この値は、フレネルの式を用いた計算から算出可能であることが知られている。一般に前記第2の層の厚みは、数十nm〜数μmとなる。
なお、前記第2の層の形成方法としては、特に制限はなく、形成材料に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法等の公知の方法が挙げることができるが、更に、前記第2の層に対し加熱処理を行うことで、層の均質化を行う方法が好ましい。また、前記第1の層が半導体で形成されている場合、前記第1の層の熱酸化により前記第2の層を形成することもできる。
前記導波モード励起層の前記第2の層上には、前記目的物質の検出対象とされる前記液体試料が導入される。したがって、前記第2の層としては、特に制限はないが、前記目的物質等と結合可能な表面修飾分子を付着させる表面処理が施されることが好ましい。
前記表面処理の実施方法としては、特に制限はなく、前記表面修飾分子を溶解させた溶液を前記第2の層の表面に塗工する方法や前記表面修飾分子を溶解させた溶液の蒸気雰囲気下に前記検出板を置く方法が挙げられる。
ここで、前記光透過性基板は、耐薬品性を有する材料である前記ガラス材料で形成されるため、前記溶液の溶媒種としてトルエン等のプラスチック材料に対する溶解力の高い有機溶媒も用いることができる。
また、前記表面修飾分子としては、前記溶媒種の広い選択性に基づき、特に制限はなく用いることができ、例えば、シラン誘導体、チオール誘導体等を挙げることができる。
<光学プリズム>
前記光学プリズムは、前記検出板の前記光透過性基板側の面に対し光学的に密着させて配され、熱可塑性プラスチック材料で形成されるとともに屈折率が前記光透過性基板と異なるものとして構成される。
前記光学プリズムは、前記熱可塑性プラスチック材料で形成されるため、ガラス材料で形成されるガラスプリズムよりも安価に入手することができる。
前記光学プリズムの屈折率としては、特に制限はなく、前記光透過性基板の屈折率に対し低くても高くてもよいが、前記光透過性基板の屈折率よりも高いことが好ましい。
即ち、前記光透過性基板と前記光学プリズムの屈折率が同一の場合、前記光透過性基板と前記光学プリズムの屈折率を高くすると好適な前記増強電場が得られることが知られているが、互いに屈折率が異なる前記光透過性基板及び前記光学プリズムで構成される前記センサチップについての研究を進める中で、前記光学プリズムの屈折率を高くすると、前記光透過性基板の屈折率が低くても、好適な前記増強電場が得られることが新たに判明した。
ここで、好適な前記増強電場とは、電場増強度スペクトルにおいてピーク高さが高くなり、かつ、ピークの半値幅が小さくなること、即ち、狭帯域化することを言う。前記電場増強度スペクトルが狭帯域化することは、蛍光等の測定における励起光のスペクトルが狭帯域化することに相当する。
一般に蛍光測定においては、光検出器側に光学フィルタ等を置いて蛍光シグナルと前記励起光とを分離して測定することから、前記励起光の波長帯域が蛍光の測定波長帯域と重ならないようにする必要がある。そのため、ランプやLED等の波長帯域の広い光源を用いる場合、前記光源側に光学フィルタ等を置いて前記励起光を狭帯域化させる必要がある。
前記電場増強度スペクトルが狭帯域化されると、前記光源側の前記光学フィルタ等を用いずとも、波長帯域を重ねずに前記蛍光シグナルと前記励起光とを分離して測定することが容易となる。
特に、前記光学プリズムの屈折率が前記光透過性基板の屈折率よりも0.020以上高いと、より一層、前記電場増強度スペクトルを狭帯域化させることができる。ただし、例えば前記光透過性基板として波長500nmにおける屈折率1.462である合成石英ガラス基板を用い、前記光学プリズムとして底角35度の台形プリズムを用い、波長500nmの前記励起光を入射する場合、前記光透過性基板の屈折率に対する前記光学プリズムの屈折率の高さが0.103を超える、つまり前記光学プリズムの屈折率が1.565を超えると、前記光透過性基板と前記光学プリズムとの界面で全反射を生じ、前記導波モードを励起することが不可能となる。このように、前記光透過性基板の屈折率に対する前記光学プリズムの屈折率の高さは、前記励起光の入射角によって定まる全反射条件を考慮した上で定める必要がある。
なお、前記光学プリズムの具体的な屈折率としては、1.470〜1.650であることが好ましい。前記屈折率が1.470未満であると、前記光透過性基板の屈折率よりも高くする条件が得られにくく、前記屈折率が1.650を超えると、前記光透過性基板及び前記光学プリズムの形成材料の選択の幅を狭め、製造コストが嵩む要因となり、また、前記導波モードの励起条件の選択の幅を狭めることとなる。
また、前記熱可塑性プラスチック材料、つまり、前記光学プリズムの形成材料としては、特に制限はないが、前記光学プリズムの製造コスト及び入手し易さの観点に加え、好適な屈折率を満足する前記光学プリズムが得られる観点から、ポリメタクリル酸メチル、環状オレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、環状オレフィンコポリマーが好ましい。
前記光学プリズムの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三角形プリズム、台形プリズム、半円柱プリズム、半球プリズムが挙げられる。
また、前記検出板に前記光学プリズムを密着させる方法としては、特に制限はないが、前記検出板と前記光学プリズムとの間に屈折率調節オイル、屈折率調節ポリマーシートや光学的接着材を配することで、双方が光学的に連続となるように密着させることが好ましい。
前記検出板の前記導波モード励起層側の面、つまり、前記センサチップの表面には、前記目的物質の検出対象とされる液体試料が導入される。前記液体試料を前記センサチップの表面上に保持させる方法としては、例えば、前記液体試料を前記センサチップの表面上に滴下した後、カバーガラス等で覆うことが挙げられる。
また、前記液体試料を確実に保持させるため、前記センサチップの表面上に液体試料槽を形成してもよい。前記液体試料槽としては、特に制限はないが、簡易な構成とする観点から、前記センサチップ表面領域の全体又は一部を囲むように前記センサチップの表面上に立設され、前記表面を底とした前記液体試料槽の構成部とされる側壁部が配されることで、構成されることが好ましい。
なお、前記側壁部の形成材料としては、特に制限はなく、公知のガラス材料、樹脂材料等を挙げることができ、前記側壁部の形成方法としても、材料に応じた公知の方法を挙げることができる。
前記センサチップの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るセンサチップの概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、センサチップ1は、光透過性基板2と光透過性基板2上に金属材料、半導体材料及び第1の誘電体材料のいずれかで形成される第1の層3と第2の誘電体材料で形成される第2の層4とがこの順で積層されて構成される導波モード励起層とが配され、光透過性基板2側から全反射条件で光が照射されたときに前記導波モード励起層上に増強電場が形成可能とされる検出板5と、検出板5の光透過性基板2側の面に対し光学的に密着させて配される光学プリズム6とを有する。
ここで、光透過性基板2は、軟化点が600℃以上のガラス材料で形成され、耐熱性及び耐薬品性を持つ。また、光学プリズム6は、熱可塑性プラスチック材料で形成され、ガラスプリズムよりも安価に製造することができる。
このようにセンサチップ1では、光透過性基板2と光学プリズム6とが異なる材料で形成され、異なる屈折率を有するように構成されるが、光学プリズム6を介して光透過性基板2側から全反射条件で光が照射されると、前記導波モード励起層上に前記増強電場が形成可能である。更には、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くして構成すると、より好適な前記増強電場が得られる。
したがって、センサチップ1によれば、耐熱性及び耐薬品性と、安価な製造性とを両立させ、かつ、前記導波モードを励起させることができ、延いては、前記増強電場による前記目的物質の検出を行うことができる。
(目的物質検出装置)
本発明の目的物質検出装置は、本発明の前記センサチップと、光照射部と、光検出部とを有し、必要に応じて、磁場印加部を有する。
前記目的物質検出装置では、前記センサチップにおける前記導波モードの励起に伴う前記増強電場により、前記目的物質又は前記目的物質を標識化する前記標識物質を蛍光発光させるか又は散乱光を発生させ、これら蛍光又は散乱光を被検出光として前記目的物質を検出する。
前記標識物質としては、特に制限はなく、前記目的物質と特異的に吸着ないし結合して前記目的物質を標識化する蛍光標識物質や光散乱物質が挙げられる。
前記蛍光標識物質としては、例えば、蛍光色素、量子ドット、蛍光染色剤等の公知の蛍光物質を用いることができる。
また、前記光散乱物質としては、例えば、ナノ粒子、ポリスチレンビーズや金ナノ粒子などの公知の光散乱物質を用いることができる。
なお、前記目的物質と前記標識物質との結合方法としては、特に制限はなく、物理吸着、抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合、キレート結合、アミノ結合などの公知の結合方法を適用することができる。
<光照射部>
前記光照射部は、前記光学プリズムを介して前記検出板に対し前記光透過性基板側から全反射条件で光が照射可能とされる部である。
前記光照射部の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のランプ、LED、レーザー等が挙げられる。
本発明では、前記光学プリズムを介して前記検出板に対し全反射条件で光を照射することで前記センサチップの表面上に前記増強電場を形成し、前記増強電場によって前記目的物質等から前記被検出光を発生させる。
そのため、前記光照射部に求められる役割としては、前記光学プリズムを介して前記検出板に対し全反射条件で光を照射することのみであり、このような役割を担うものであれば光源の選択に制限がない。
ランプ、LED等の放射光源を用いる場合には、前記センサチップの表面側からの照射光の漏れ出しを避けるため、放射される光のうち前記検出板に照射される全ての方位における光が全反射条件を満たすことが好ましい。こうしたことから、放射光源を用いる場合には、照射光の照射方向を特定の方位に規制するコリメートレンズ等の案内部を用いてもよい。
また、前記光検出部で検出される被検出光が蛍光である場合、蛍光を励起可能な波長を持つ単色光源を用いるか、又は、ランプ、LED等の広い波長帯域を持つ光源からの光をバンドパスフィルタ等の光学フィルタを透過させて単色化し、蛍光を励起可能な波長のみを取り出した後に前記センサチップに照射することが好ましい。
<光検出部>
前記光検出部は、前記検出板の前記導波モード励起層側の面上に配され、前記導波モード励起層上に導入される前記液体試料中の前記目的物質の存在に起因して生ずる前記被検出光が検出可能とされる部である。
前記光検出部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のフォトダイオード、光電子増倍管等の光検出器を用いることができる。
光信号の情報を2次元画像情報として取得することができると、光点として現れる前記2次元画像情報における光信号の位置情報、前記2次元画像から把握されるサイズ情報、前記光点における光信号強度の増減情報を時系列で観察することにより、その光点が、目的物質等によるものであるか否かの情報が得られる。
このような2次元画像情報の取得を可能とするには、前記光検出部として撮像デバイスを選択すればよい。前記撮像デバイスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等のイメージセンサを用いることができる。
<磁場印加部>
前記磁場印加部は、第1の磁場印加部及び第2の磁場印加部の少なくともいずれかで形成される。
前記目的物質検出装置では、前記磁場印加部から印加される磁場を外力とした外力支援近接場照明バイオセンサを構成することができる。
前記磁場印加部を持つ場合、前記目的物質と結合する前記磁性粒子を用いて前記目的物質を検出する。前記磁性粒子としては、特に制限はなく、公知の磁気ビーズ等を用いることができ、また、前記目的物質と前記磁性粒子との結合方法としては、特に制限はなく、物質に応じて、物理吸着、抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合、キレート結合、アミノ結合などの公知の結合方法を適用することができる。
<第1の磁場印加部>
前記第1の磁場印加部は、前記導波モード励起層上に導入される前記液体試料に含まれる前記磁性粒子を前記導波モード励起層の表面と平行な方向又は前記導波モード励起層の表面から遠ざける方向に移動させる第1磁場を印加可能とされる部である。
前記磁性粒子とともに結合体を構成する前記目的物質(及び前記標識物質)は、前記増強電場内においてのみ光信号を発生する。また、前記増強電場の電場強度は、前記導波モード励起層の表面から遠ざかるにつれて減衰する。そのため、遠ざけ磁場の印加によって前記結合体が前記導波モード励起層の表面から遠ざけられると光信号が減衰し、更に、前記結合体が、前記増強電場の電場強度がゼロとみなせる程度までの距離以上に前記導波モード励起層の表面から遠ざけられると、前記結合体の光信号が消滅することとなる。また、前記光検出部に撮像デバイスを用い、2次元画像情報を取得できる場合には、前記第1の磁場の印加によって表面上で変動した前記結合体の発する光信号は、前記光信号の変動として経時的に計測することが可能となる。前記目的物質検出装置では、このような光信号の減衰(消滅を含む)又は変動(減衰、消滅を伴い得る)を検知して、前記目的物質を検知する。
前記第1の磁場印加部としては、磁場の印加により前記結合体を移動させることが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の電磁石及び永久磁石のいずれか1つ以上を用いることができる。
<第2の磁場印加部>
前記第2の磁場印加部は、前記光学プリズムの前記検出板が取付けられる側と反対側の位置に配されるとともに前記導波モード励起層の表面上に導入された前記液体試料中の前記磁性粒子を前記導波モード励起層の表面上に引き寄せる第2磁場を印加可能とされる部である。
前記第2の磁場印加部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の電磁石及び永久磁石を用いて構成することができる。
このような前記第2の磁場印加部を有すると、前記液体試料中を浮遊する前記結合体を前記導波モード励起層の表面に引き寄せることができ、短時間で前記目的物質の検出を行うことができる。
また、前記第2の磁場印加部としては、前記第2磁場を印加させた状態で前記磁性粒子を前記導波モード励起層の表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向に移動可能とされる部であることが好ましい。
このような前記第2の磁場印加部としては、例えば、スライド部材上に前記電磁石又は前記永久磁石を保持し、前記検出板における前記光照射部からの前記光が照射される領域の近傍に前記電磁石又は前記永久磁石を位置させる初期状態と、前記導波モード励起層の表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向に向けて前記電磁石又は前記永久磁石を移動させた状態との間で移動制御させることで構成することができる。なお、前記電磁石を用いる場合、前記移動制御中、連続的或いは断続的に励磁させた状態とする。また、前記移動制御中に励磁の強度を変化させてもよい。
前記第2の磁場印加部が前記第2磁場を印加させた状態で前記磁性粒子を前記導波モード励起層の表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向に移動可能とされる部であると、ノイズ信号を排除することができる。
即ち、前記磁性粒子と結合した前記目的物質(及び前記標識物質)が前記第2の磁場印加部の移動に追従して移動するのに対し、前記導波モード励起層の表面のキズ等により生ずるノイズ信号は、前記第2の磁場印加部の移動に追従して移動しないことから、移動する光信号に着目した検出を行うことで、前記ノイズ信号を排除することができる。
(目的物質検出方法)
本発明の目的物質検出方法は、本発明の前記センサチップを用いて前記目的物質の検出を行う方法であり、液体試料導入工程と、光照射工程と、光検出工程と、必要に応じて、結合体移動工程とを含む。
<液体試料導入工程>
前記液体試料導入工程は、前記導波モード励起層上に前記液体試料を導入する工程である。
前記液体試料工程の実施方法としては、特に制限はなく、前記導波モード励起層の表面上に滴下された前記液体試料をカバーガラスで覆い、保持することや、前記センサチップに前記液体試料槽が形成される場合には、前記液体試料槽内に前記液体試料を導入することが挙げられる。
<光照射工程>
前記光照射工程は、前記光学プリズムを介して前記検出板に対し前記光透過性基板側から全反射条件で光を照射する工程である。
前記光照射工程は、本発明の前記目的物質検出装置における前記光照射部により実施することができる。
<光検出工程>
前記光検出工程は、前記光照射工程に基づき前記液体試料中の前記目的物質の存在に起因して生ずる前記被検出光を検出する工程である。
前記光検出工程は、本発明の前記目的物質検出装置における前記光検出部により実施することができる。
<結合体移動工程>
前記結合体移動工程は、前記導波モード励起層の表面上に導入される前記液体試料に含まれる前記目的物質と前記磁性粒子との前記結合体を第1磁場の印加により前記導波モード励起層の表面と平行な方向又は前記導波モード励起層の表面から遠ざける方向に移動させる第1結合体移動工程、及び、前記光学プリズムの前記検出板が取付けられる側と反対側の位置に配される磁場印加部からの第2磁場の印加により前記液体試料中の前記結合体を前記導波モード励起層の表面上に引き寄せる第2結合体移動工程のいずれかで実施される工程である。
前記第2結合体移動工程としては、更に、前記第2磁場を印加した状態で前記磁場印加部を前記導波モード励起層の表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向に移動させ、前記磁場印加部の移動に追従させて前記結合体を移動させる工程であることが好ましい。
前記結合体移動工程は、本発明の前記目的物質検出装置における前記磁場印加部により実施することができる。
本発明の前記目的物質装置及び前記目的物質検出方法の例を図2を参照しつつ、具体的に説明する。なお、図2は、本発明の一実施形態に係る目的物質検出装置の概略構成を示す説明図である。
図2に示すように、目的物質検出装置100は、センサチップ1と、光照射部101と、光検出部102とを有する。
センサチップ1の構成及び効果は、図1を用いて説明した事項と同様であるため、説明を省略する。
光照射部101は、光学プリズム6を介して検出板5に対し光透過性基板2側から全反射条件で光を照射可能に構成される。
光検出部102は、検出板5の前記導波モード励起層側の面上に配され、前記導波モード励起層上に導入される前記液体試料(不図視)中の前記目的物質の存在に起因して生ずる前記被検出光が検出可能に構成される
このような目的物質検出装置100を用いた前記目的物質検出方法としては、先ずセンサチップ1の表面上に前記液体試料を導入する(液体試料導入工程)。
次いで、光照射部101を用いて光学プリズム6を介して検出板5に対し光透過性基板2側から全反射条件で光を照射する(光照射工程)。即ち、全反射条件での光照射に基づき、前記導波モード励起層に前記導波モードを励起させ、前記導波モード励起層上に前記増強電場を発生させる。
最後に、光検出部102により、液体試料中の前記目的物質の存在に起因して生ずる前記被検出光を検出する(光検出工程)。即ち、前記増強電場に基づいて生じる前記目的物質等からの蛍光や散乱光を前記被検出光として光検出部102で検出する。
以上により、目的物質検出装置100及び前記目的物質検出方法では、前記目的物質の検出を行うことができる。
(シミュレーション)
本発明の効果を確認するため、次のようにシミュレーション試験を行った。
本シミュレーションでは、前記センサチップの前記増強電場を計算により求めるとともに、前記導波モードの励起状態を確認する。
(シミュレーション例1)
本シミュレーションの対象となるモデルは、図2に示す目的物質検出装置の構成に準じたものとする。以下では、図2における符号を用いた説明とする。
先ず、光透過性基板2を厚みが0.73mmの合成石英ガラス基板(SiO基板)とし、前記導波モード励起層の第1の層3を厚みが33nmの単結晶シリコン層(Si層)とし、第2の層4を厚みが400nmの熱酸化シリコン層(SiO層)とした検出板5を想定する。
この検出板5を台形の光学プリズム6上に取付けたセンサチップ1を想定する。なお、ここでは、光学プリズム6の屈折率nprismを1.400,1.420,1.461,1.500,1.540,1.600に変化させてこれらの比較検討を行う。
また、検出板5の表面(第2の層4)上には、水が置かれている状態を想定する。
光学系としては、水平方向(光透過性基板2と光学プリズム6との接合面の面内方向と平行な方向)から波長が540nmの光を光学プリズム6の傾斜面に照射することとし、また、光学プリズム6の底角(図2中の「φ」参照)を20°〜70°の範囲で変化させることで検出板5に対する入射角度(図2中の「θ」参照)を変化させることとした。
前記増強電場の計算方法としては、下記参考文献1に従い、フレネルの式を転送行列法を用いて解き、電場強度分布を求めることで行った。また、電場強度の値は、光学プリズム6の傾斜面に入射する直前の光の強度を1としたときの検出板5の表面における電場増強度を相対的に表している。
参考文献1:M. Born and E. Wolf, Principles of Optics: Electromagnetic Theory of Propagation, Interference and Diffraction of Light, 6th ed., Chap. 1 (1980).
以上のモデルをシミュレーション例1としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図3(a)〜(f)に示す。なお、図3(a)〜(f)は、シミュレーション例1におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(6)である。
図3(a)〜(f)に示すように、全てのケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
即ち、図3(c)に示す光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じ値(1.461)である場合に加え、両者の屈折率が異なる場合も前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される(図3(a),(b),(d),(e),(f)参照)。
また、図3(a)〜(b)に示すように、光学プリズム6の屈折率が光透過性基板2の屈折率よりも低い場合には、前記電場強度の最大値が、図3(c)に示す光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合に比べ小さい値となっている一方で、図3(d)〜(f)に示すように、光学プリズム6の屈折率が光透過性基板2の屈折率よりも高い場合には、前記電場強度の最大値が、図3(c)に示す光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合に比べ大きい値となっている。
即ち、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られることが確認される。
(シミュレーション例2)
次に、センサチップ1における前記導波モードの励起と使用する光の波長(前記導波モードの励起波長λ)との関係を検討する。
ここでは、シミュレーション例1における使用する光の波長(540nm)を400nm,500nm,600nm,700nmに変化させてシミュレーションを行う。
また、光学プリズム6の底角(図2中の「φ」参照)を32°で固定し、この底角の条件で最も大きな前記電場強度が得られる最適条件として、第1の層3及び第2の層4の各厚みを変更する。前記最適条件を構成する第1の層3及び第2の層4の各厚みは、使用する光の波長(400nm,500nm,600nm,700nm)及び光学プリズム6の形成材料(SiO;合成石英ガラス,PMMA;ポリメタクリル酸メチル,COP;環状オレフィンポリマー,PS;ポリスチレン)ごとに異なり、使用する光の波長が400nmであるときの第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)を下記表1に示し、使用する光の波長が500nmであるときの第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)を下記表2に示し、使用する光の波長が600nmであるときの第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)を下記表3に示し、使用する光の波長が700nmであるときの第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)を下記表4に示す。
なお、これら以外の条件は、シミュレーション例1の条件に従う。
以上のモデルをシミュレーション例2としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)、図6(a)〜(d)、図7(a)〜(d)に示す。
なお、図4(a)〜(d)が、使用する光の波長が400nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)であり、図5(a)〜(d)が、使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)であり、図6(a)〜(d)が、使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)であり、図7(a)〜(d)が、使用する光の波長が700nmであるときのシミュレーション例2におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)である。
また、シミュレーションの数値結果を下記表1〜4に併せて示す。
なお、表1〜4中の「Peak」は、前記電場強度の最大値を示す。
Figure 0006913966
Figure 0006913966
Figure 0006913966
Figure 0006913966
これらのシミュレーション結果に示すように、シミュレーション例2では、シミュレーション例1と同様に、図4(a)〜(d)及び表1に示すケース(使用する光の波長:400nm)、図5(a)〜(d)及び表2に示すケース(使用する光の波長:500nm)、図6(a)〜(d)及び表3に示すケース(使用する光の波長:600nm)、図7(a)〜(d)及び表4に示すケース(使用する光の波長:700nm)の全てのケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
また、シミュレーション例2では、シミュレーション例1と同様に、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られる傾向が確認される(図4(a)〜(d)及び表1、図5(a)〜(d)及び表2、図6(a)〜(d)及び表3、並びに、図7(a)〜(d)及び表4参照)。
ただし、図4(a),(d)及び表1の「n=1.470」,「n=1.629」の各欄についての比較から理解されるように光学プリズム6の形成材料をPS(ポリスチレン)としたときは、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、前記電場強度の最大値が小さい結果となっている。
したがって、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも前記電場強度を高める波長(500nm,600nm,700nm)が存在する一方で、前記電場強度が低くなる波長(400nm)も存在することに留意する必要がある。
また、前記ピーク波形の半値幅は、光学プリズム6の屈折率が高くなるにつれて狭くなる(使用する光の波長の波長帯が狭帯域化される)ことが確認される(図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)、図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)参照)。
LEDや白色光源などの波長帯域に幅のある光源で前記導波モードを励起する場合は、前記電場強度のピーク波形の半値幅よりも、光源スペクトルの半値幅の方が大きくなることが想定される。
一般に蛍光測定においては、ランプやLED等の波長帯域の広い光源を用いる場合、前記光源側に光学フィルタ等を置いて前記励起光を狭帯域化させ、波長帯域を重ねずに前記蛍光シグナルと前記励起光とを分離して測定する必要がある。
前記電場増強度スペクトルが狭帯域化される結果、前記光源側の前記光学フィルタ等を用いずとも、波長帯域を重ねずに前記蛍光シグナルと前記励起光とを分離して測定することが容易となる。
そのため、光透過性基板2を合成石英ガラス基板とするセンサチップ1に対し、前記波長帯域に幅のある光源を用いて前記導波モードを励起させる場合、光学プリズム6の屈折率が光透過性基板2の屈折率よりも高いことが好ましい。つまり、光学プリズム6の形成材料がPMMA(ポリメタクリル酸メチル),COP(環状オレフィンポリマー),PS(ポリスチレン)であることが好ましい。
狭帯域の光源(例えば、レーザー光源)で前記導波モードを励起する場合は、前記電場強度のピーク波形の半値幅よりも光源スペクトルのピーク波形の半値幅の方が小さく、前記導波モードの励起により得られる前記電場強度の最大値は、前記電場強度のピーク波形のピーク高さで決まる。
この最大値は、先に説明の通り、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも大きな値が得られる傾向にある。
したがって、前記狭帯域の光源を用いる場合にも、光学プリズム6の屈折率が光透過性基板2の屈折率よりも高いことが好ましい。
(シミュレーション例3)
次に、シミュレーション例2における光透過性基板2の条件である厚みが0.73mmの合成石英ガラス基板(SiO基板)を、厚みが0.73mmのBK7ガラス基板に変更し、シミュレーション例2における合成石英ガラス基板(SiO基板)のシミュレーション結果との比較を行う。
使用する光の波長は、500nm及び600nmとし、第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)は、下記表5,6に示す通りである。また、光学プリズム6の形成材料としては、SiO(合成石英ガラス),PMMA(ポリメタクリル酸メチル),COP(環状オレフィンポリマー),PS(ポリスチレン)のほか、光透過性基板2と同一の屈折率である場合を検討するため、BK7ガラスを加えている。
これら以外の条件は、シミュレーション例2に従う。
なお、表5が使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション内容を示し、表6が使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション内容を示す。
以上のモデルをシミュレーション例3としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図8(a)〜(e)、図9(a)〜(e)に示す。
なお、図8(a)〜(e)が、使用する光の波長が500nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(5)であり、図9(a)〜(e)が、使用する光の波長が600nmであるときのシミュレーション例3におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(5)である。
また、シミュレーションの数値結果を下記表5,6に併せて示す。
なお、表5,6中の「Peak」は、表1〜4におけるものと同義である。
Figure 0006913966
Figure 0006913966
これらのシミュレーション結果に示すように、シミュレーション例3では、シミュレーション例2と同様に、図8(a)〜(e)及び表5に示すケース(使用する光の波長:500nm)、図9(a)〜(e)及び表6に示すケース(使用する光の波長:600nm)の全てのケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
また、シミュレーション例3では、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られる(図8(a)〜(e)及び表5並びに図9(a)〜(e)及び表6参照)。
また、前記ピーク波形の半値幅は、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率が高くなるにつれて狭くなる(使用する光の波長の波長帯が狭帯域化される)ことが確認される(図8(a)〜(e)及び図9(a)〜(e)参照)。
(シミュレーション例4)
次に、シミュレーション例2における光学系の条件である光学プリズム6の底角を、32°から38°に変更し、シミュレーション例2におけるシミュレーション結果との比較を行う。
使用する光の波長は、500nmとし、第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)は、下記表7に示す通りである。
これら以外の条件は、シミュレーション例2に従う。
以上のモデルをシミュレーション例4としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図10(a)〜(c)に示す。なお、図10(a)〜(c)は、シミュレーション例4におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(3)である。
また、シミュレーションの数値結果を下記表7に併せて示す。
なお、表7中の「Peak」は、表1〜4におけるものと同義である。
Figure 0006913966
これらのシミュレーション結果に示すように、シミュレーション例4では、図10(a)〜(c)及び表7に示すケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
また、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られる(図10(a)〜(c)及び表7参照)。
しかしながら、光学プリズム6の形成材料をPS(ポリスチレン)とする場合、前記電場増強分布が求まらなかった。これは、シミュレーション例4の条件では、光学プリズム6の屈折率が高くなった結果、光学プリズム6と光透過性基板2との界面で全反射を生じるようになったためと考えられる。
また、前記ピーク波形の半値幅は、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率が高くなるにつれて狭くなる(使用する光の波長の波長帯が狭帯域化される)ことが確認される(図10(a)〜(c)参照)。
(シミュレーション例5)
次に、シミュレーション例2における第1の層3の条件である単結晶シリコン層(Si層)を、酸化チタン層(TiO層)に変更し、シミュレーション例2における単結晶シリコン層(Si層)のシミュレーション結果との比較を行う。
使用する光の波長は、500nmとし、第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)は、下記表8に示す通りである。
これら以外の条件は、シミュレーション例2に従う。
以上のモデルをシミュレーション例5としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図11(a)〜(d)に示す。なお、図11(a)〜(d)は、シミュレーション例5におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)である。
また、シミュレーションの数値結果を下記表8に併せて示す。
なお、表8中の「Peak」は、表1〜4におけるものと同義である。
Figure 0006913966
これらのシミュレーション結果に示すように、シミュレーション例5では、図11(a)〜(d)及び表8に示すケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
また、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られる(図11(a)〜(d)及び表8参照)。
また、前記ピーク波形の半値幅は、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率が高くなるにつれて狭くなる(使用する光の波長の波長帯が狭帯域化される)ことが確認される(図11(a)〜(d)及び表8参照)。
(シミュレーション例6)
次に、シミュレーション例2における第1の層3の条件である単結晶シリコン層(Si層)を、金層(Au層)に変更し、シミュレーション例2における単結晶シリコン層(Si層)のシミュレーション結果との比較を行う。
使用する光の波長は、600nmとし、第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)は、下記表9に示す通りである。
これら以外の条件は、シミュレーション例2に従う。
以上のモデルをシミュレーション例6としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図12(a)〜(d)に示す。なお、図12(a)〜(d)は、シミュレーション例6におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)である。
また、シミュレーションの数値結果を下記表9に併せて示す。
なお、表9中の「Peak」は、表1〜4におけるものと同義である。
Figure 0006913966
これらのシミュレーション結果に示すように、シミュレーション例6では、図12(a)〜(d)及び表9に示すケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
また、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られる(図12(a)〜(d)及び表9参照)。
また、前記ピーク波形の半値幅は、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率が高くなるにつれて狭くなる(使用する光の波長の波長帯が狭帯域化される)ことが確認される(図12(a)〜(d)及び表9参照)。
(シミュレーション例7)
次に、シミュレーション例2における第2の層4の条件である熱酸化シリコン層(SiO層)を、BK7ガラス層に変更し、シミュレーション例2における熱酸化シリコン層(SiO層)のシミュレーション結果との比較を行う。
使用する光の波長は、500nmとし、第1の層3及び第2の層4の各厚み(t)は、下記表10に示す通りである。
これら以外の条件は、シミュレーション例2に従う。
以上のモデルをシミュレーション例7としてシミュレーション試験を行った。シミュレーション結果を図13(a)〜(d)に示す。なお、図13(a)〜(d)は、シミュレーション例7におけるシミュレーション結果を示す図(1)〜(4)である。
また、シミュレーションの数値結果を下記表10に併せて示す。
なお、表10中の「Peak」は、表1〜4におけるものと同義である。
Figure 0006913966
これらのシミュレーション結果に示すように、シミュレーション例7では、図13(a)〜(d)及び表10に示すケースで前記導波モードの励起に起因する前記電場強度のピークが確認される。
また、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで、光学プリズム6の屈折率と光透過性基板2の屈折率とが同じである場合よりも、より大きな前記電場強度の最大値を得られる(図13(a)〜(d)及び表10参照)。
また、前記ピーク波形の半値幅は、シミュレーション例2と同様に、光学プリズム6の屈折率が高くなるにつれて狭くなる(使用する光の波長の波長帯が狭帯域化される)ことが確認される(図13(a)〜(d)及び表10参照)。
シミュレーション例1〜7に示したように、光学プリズム6の屈折率を光透過性基板2の屈折率よりも高くすることで好適な前記増強電場を得ることができる。しかし、単に光学プリズム6の材料に屈折率の高い材料を用いるのみによってこの好適な前記増強電場を得られるわけではない。これらのシミュレーション結果が示すように、光学プリズム6の屈折率に合わせて、光学プリズム6の底角、検出板5に対する光の入射角度、第1の層3及び第2の層4の各厚みを最適化することが肝要である。即ち、これらの最適化を行わない場合、好適な前記増強電場は得られないことに注意する必要がある。
(参考例1)
前記シミュレーションで確認した、屈折率の異なるプリズム上での導波モード励起が実際に生じることを検証するとともに、前記シミュレーション結果の信頼性を確認するため、次のように参考例1に係る目的物質検出装置を作製のうえ、導波モード励起試験を行った。
参考例1に係る目的物質検出装置は、図2に示す目的物質検出装置の構成に準じたものとした。以下では、図2における符号を用いた説明とする。
先ず、光透過性基板2を厚みが0.73mmの合成石英ガラス基板(SiO基板)とし、前記導波モード励起層の第1の層3を厚みが33nmの単結晶シリコン層(Si層)とし、第2の層4を厚みが390nmの熱酸化シリコン層(SiO層)とした検出板5を用意した。
次に、この検出板5を台形の光学プリズム6上に取付けたセンサチップ1を用意した。光学プリズム6としては、光透過性基板2であるSiO基板と屈折率が異なる、BK7プリズムを用いた。プリズムの底角は32°とした。検出板5と光学プリズム6の接合にはSiO用のマッチングオイルを用いた。
本発明では、光学プリズム6として、熱可塑性プラスチック材料で形成されるものを用いるが、ここでは、前記熱可塑性プラスチック材料をプリズムに成形する金型が高額であるため、BK7ガラスで形成された前記BK7プリズムで代用し、構成された目的物質検出装置を参考例1とする。
しかしながら、一旦前記金型を作製すれば、射出成型により前記熱可塑性プラスチック材料を用いて安価に光学プリズム6を製造することができる。
また、製造コストにこそ影響が生じるものの、導波モードの励起に関与する光学特性として前記BK7プリズムと同様の光透過性及び屈折率を持つ光学プリズム6を、前記熱可塑性プラスチック材料で形成することができるため、前記熱可塑性プラスチック材料で形成された光学プリズムを前記BK7プリズムで代用しても、導波モード励起に影響が生じない。つまり、以下に述べる導波モード励起試験の試験結果は、前記熱可塑性プラスチック材料で形成された光学プリズムを用いた場合にも当て嵌まる。
光学系としては、白色LEDから発された白色光を、光ファイバ及びコリメータレンズを介して平行光とし、偏光板を通してs偏光とした後、水平方向(光透過性基板2と光学プリズム6との接合面の面内方向と平行な方向)から光学プリズム6の傾斜面に照射する構成とした。
センサチップ1上には、シリカコロイド水溶液を置き、センサチップ1の表面近傍に励起された導波モードをシリカコロイドにより散乱させ、散乱光として検出可能とした。
検出系としては、発生した前記散乱光を、倍率5倍の光学顕微鏡用対物レンズを介して分光器に導くように構成した。前記分光器により前記散乱光の電場強度スペクトルが取得される。
−試験結果−
参考例1に係る目的物質検出装置を用いて取得した電場強度スペクトルを図14に示す。なお、図示される電場強度スペクトルは、波長600nmの電場強度ピークのピーク値を用いて正規化されている。
図14に示されるように、波長440nm付近、500nm付近及び600nm付近にそれぞれ電場強度ピークが確認される。
これらのピークのうち、波長440nm付近及び600nm付近の電場強度ピークは、光源である前記白色LEDのスペクトルに由来するものである。
一方、波長500nm付近の電場強度ピークは、前記白色LEDのスペクトルと無関係であることから、導波モード励起に由来するものと見ることができる。
したがって、光透過性基板2と光学プリズム6とで屈折率が異なる場合においても、導波モードの励起が可能であると結論付けられる。
−シミュレーション試験の信頼性−
前述のシミュレーション例と同様の設定方法により、参考例1に係る目的物質検出装置と同じ構成の参考シミュレーションに係る目的物質検出装置を設定した。
この参考シミュレーションに係る目的物質装置に対し、参考例1に係る目的物質検出装置に対する前記導波モード試験の試験条件に合わせて検出板5の表面(第2の層4)上に水が置かれている状態を想定し、かつ、励起光としてs偏光を用いることを想定して、前述のシミュレーション例と同様のシミュレーションを行うと、波長503nmに電場増強ピークを生じる結果が得られた。
この参考シミュレーションに係る目的物質検出装置で得られる電場増強ピーク(波長503nm)は、参考例1に係る目的物質検出装置を用いて得られた電場増強ピーク(波長500nm付近、図14参照)と正に合致することから、参考シミュレーションのシミュレーション結果が極めて高い信頼性を持つこと、延いては、前述のシミュレーション例のシミュレーション結果が極めて高い信頼性を持つことの裏付けとなる。
1 センサチップ
2 光透過性基板
3 第1の層
4 第2の層
5 検出板
6 光学プリズム
100 目的物質検出装置
101 光照射部
102 光検出部
θ 入射角度
φ 底角

Claims (8)

  1. 軟化点が600℃以上のガラス材料で形成される光透過性基板と、前記光透過性基板上に金属材料、半導体材料及び第1の誘電体材料のいずれかで形成される第1の層と第2の誘電体材料で形成される第2の層とがこの順で積層されて構成される導波モード励起層とが配され、前記光透過性基板側から全反射条件で光が照射されたときに前記導波モード励起層上に増強電場が形成可能とされる検出板と、
    前記検出板の前記光透過性基板側の面に対し光学的に密着させて配され、熱可塑性プラスチック材料で形成されるとともに屈折率が前記光透過性基板と異なる光学プリズムと、を有し、
    前記光学プリズムの屈折率が前記光透過性基板の屈折率よりも高いことを特徴とするセンサチップ。
  2. 光透過性基板の屈折率が1.450〜1.550である請求項1に記載のセンサチップ。
  3. ガラス材料がシリカガラスである請求項1から2のいずれかに記載のセンサチップ。
  4. 光学プリズムの屈折率が1.470〜1.650である請求項1から3のいずれかに記載のセンサチップ。
  5. 光学プリズムの屈折率が光透過性基板の屈折率よりも0.020以上高い請求項1からのいずれかに記載のセンサチップ。
  6. 熱可塑性プラスチック材料がポリメタクリル酸メチル、環状オレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル及び環状オレフィンコポリマーのいずれかである請求項1から5のいずれかに記載のセンサチップ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のセンサチップと、
    光学プリズムを介して検出板に対し光透過性基板側から全反射条件で光が照射可能とされる光照射部と、
    検出板の導波モード励起層側の面上に配され、前記導波モード励起層上に導入される液体試料中の目的物質の存在に起因して生ずる被検出光が検出可能とされる光検出部と、
    を有することを特徴とする目的物質検出装置。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載のセンサチップを用いて目的物質の検出を行う目的物質検出方法であって、
    導波モード励起層上に液体試料を導入する液体試料導入工程と、
    光学プリズムを介して検出板に対し光透過性基板側から全反射条件で光を照射する光照射工程と、
    前記光照射工程に基づき前記液体試料中の前記目的物質の存在に起因して生ずる被検出光を検出する光検出工程と、
    を含むことを特徴とする目的物質検出方法。
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