JP6703729B2 - 近接場増強チップ及び標的物質検出装置 - Google Patents

近接場増強チップ及び標的物質検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6703729B2
JP6703729B2 JP2016070376A JP2016070376A JP6703729B2 JP 6703729 B2 JP6703729 B2 JP 6703729B2 JP 2016070376 A JP2016070376 A JP 2016070376A JP 2016070376 A JP2016070376 A JP 2016070376A JP 6703729 B2 JP6703729 B2 JP 6703729B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
chip
field
target substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016070376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017181356A (ja
Inventor
雅人 安浦
雅人 安浦
藤巻 真
真 藤巻
耕治 上野
耕治 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2016070376A priority Critical patent/JP6703729B2/ja
Publication of JP2017181356A publication Critical patent/JP2017181356A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6703729B2 publication Critical patent/JP6703729B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、光の全反射に伴って発生する近接場を増強させる近接場増強チップ及び前記近接場を利用して標的物質を検出する標的物質検出装置に関する。
近年、DNA、たんぱく質、糖鎖等を検出するバイオセンサ及び金属イオン、有機分子等を検出する化学物質検出センサとして、導波モードを利用した導波モードセンサが用いられている(特許文献1、非特許文献1,2参照)。
前記導波モードセンサの構造例を図1に示す。なお、図1は、導波モードセンサの構造例を示す説明図である。
図1に示すように導波モードセンサ100は、SiO基板101上にSi単結晶層102とSiO層103とがこの順で積層された検出チップ110と、検出チップ110におけるSiO基板101側に屈折率調整オイル(図示せず)を介して密接される光学プリズム120と、検出チップ110に対して全反射条件で光を照射する光源130と、検出チップ110で全反射された反射光を検出する分光器等の検出器140とを有する。
光源130からの照射光が検出チップ110に対して、特定の入射角で入射されるとき、Si単結晶層102及びSiO層103内を伝搬光が伝搬する導波モードが励起される。この入射角付近では、他の入射角と前記反射光の強度が大きく異なる状態となる。また、前記導波モードの励起条件は、SiO層103表面における複素屈折率の変化に敏感であり、標的物質の吸着等によって複素屈折率に変化が生ずると、先の入射角付近における前記反射光の反射特性の変動となって現れる。
このとき、前記標的物質の吸着等を、単色光入射時の特定の入射角度における急激な反射光強度の減少或いは白色光入射時の特定波長における急激な反射光強度の減少を示すディップの位置や深さを検出器140で捉えることで、SiO層103表面における標的物質の吸着等を検出することができる。
しかしながら、導波モードセンサ100で用いられるSi単結晶層102は、スパッタリング法、蒸着法等の積層体を形成する際の簡便な手法によりSiO基板上に積層させることができないため、Si単結晶層102を用いた検出チップ110の製造が容易ではなく、製造コストが嵩む問題がある。
ところで、本発明者らは、前記検出チップに全反射条件で光を照射した際に前記検出チップの表面近傍に生じる近接場の電界強度を強める(電場の増強を行う)ことで、前記検出チップ表面上の標的物質等から発せられる蛍光や散乱光等の光を高感度で検出することを検討している。
即ち、導波モードセンサ100のように前記ディップの位置や深さを測定して前記標的物質の吸着等を検出する場合、必然的に前記標的物質が吸着等する前後における前記ディップの位置や深さを測定して比較することとなるが、夾雑物やノイズによって、前記標的物質が吸着等する前後の前記ディップ同士の比較が困難となる場合がある。
検出チップ表面上の標的物質等から発せられる光を検知するセンサの例として、図1に示すSi単結晶層102に代えて金薄膜を配し、SiO層103に代えてフッ素樹脂層を配し、更に、前記フッ素樹脂層上に硫化亜鉛含有SiO層(ZnS−SiO層)を配した三層積層構造の検出チップを用いたセンサが提案されている(非特許文献3参照)。この提案によれば、前記検出チップ内での電場を増強し、検出チップ表面上の標的物質等から発せられる光の強度を高め、検出感度を向上させることができる。
しかしながら、先の提案では、金薄膜とガラスや樹脂との密着性が悪く、チップの長期安定性が得られないという問題がある。
金薄膜の代わりに銀薄膜を用いることも提案されている(非特許文献4参照)。
しかしながら、金を銀に変更しても、密着性の問題は解決されず、安定性の高いチップは得られない。
これらの密着性の問題は、金や銀の層と、ガラスや樹脂の層との間に接着層を別途形成すれば解決できるが、そうすると形成する層の数が増え、製造が著しく煩雑になってしまう。また、前記接着層によって、電場増強の度合いが低くなってしまうという問題も発生する。
なお、前記三層積層構造の検出チップとして、図1に示す導波モードセンサ100において、SiO層103上に更に導電層としてのITO層が積層されたものが知られている(非特許文献5、6参照)が、この検出チップは、被検体となるメッキ液や鉛による汚染の検査対象となる水に対して電流を流す目的で前記ITO層を配したものであり、前記検出チップ最表層上における電場の増強を目的としたものではない。また、前記導電層は、消光現象を引き起こすため、前記検出チップ表面上の前記標的物質等から発せられる光を弱めることとなる。
特開2009− 85714号公報
M. Fujimaki et al. Optics Express 16, 6408 (2008) M. Fujimaki et al. Optics Express 23, 10925 (2015) S. Hayashi et al. Applied Physics Express 8, 022201 (2015) S. Hayashi et al. Applied Physics Letters 108, 05101 (2016) 水野 盛悟他,「導波モードセンサを利用したメッキ初期過程での金属粒子形状の観察」,第60回応用物理学会春季学術講演会講演予稿集,(2013) 山下 幸太他,「導波モードセンサを利用した水中の微量な鉛イオンの選択的検出」,第60回応用物理学会春季学術講演会講演予稿集,(2013)
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、チップ表面上に発生する近接場の電界強度を強め、かつ、安定で製造し易い近接場増強チップ及び前記近接場増強チップを用いた標的物質検出装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 光透過性基板上に、微結晶を含む多結晶Si、アモルファスSi及びこれらの混合物のいずれかを含むSi含有層と、光透過性ガラス層と、前記光透過性ガラス層の形成材料と異なる組成の形成材料で形成される光透過性絶縁体層とがこの順で積層され、前記光透過性ガラス層の屈折率をnとし、前記光透過性絶縁体層の屈折率をnとしたとき、次式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする近接場増強チップ。
<2> Si含有層の屈折率をnとし、消衰係数をkとしたとき、前記nが3より大きく5未満であり、前記kが0.2未満である前記<1>に記載の近接場増強チップ。
<3> Si含有層が、Siに対し10モル%〜30モル%のGeを更に含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の近接場増強チップ。
<4> 光透過性ガラス層が、SiOを含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の近接場増強チップ。
<5> 光透過性絶縁体層の厚みが、30nm〜300nmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の近接場増強チップ。
<6> 光透過性絶縁体層が、クラウンガラス、フリントガラス及びSi含有金属酸化物のいずれかを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の近接場増強チップ。
<7> Si含有金属酸化物が、SiOと金属酸化物との混合材料である前記<6>に記載の近接場増強チップ。
<8> 光透過性絶縁体層が、xを0より大きく0.7以下の数値としたSiO2−xを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の近接場増強チップ。
<9> 光透過性絶縁体層側の面を表面とし光透過性基板側の面を裏面として前記表面上に被検体が導入される前記<1>から<8>のいずれかに記載の近接場増強チップと、前記近接場増強チップの前記裏面側から光を照射し前記表面にて全反射させる条件で前記光を照射可能とされる光照射部と、前記近接場増強チップの前記表面側に配され、前記光の照射に伴い前記表面上に発生する近接場によって前記被検体中の標的物質及び前記標的物質を標識化する標識物質のいずれかから発せられる検出光を検出可能とされる検出部と、を有することを特徴とする標的物質検出装置。
<10> 検出部が、被検体が配される近接場増強チップ表面上の領域を検出領域とし、検出光を含む前記検出領域の様子を2次元画像として取得可能とされる前記<9>に記載の標的物質検出装置。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、チップ表面上に発生する近接場の電界強度を強め、かつ、安定で製造し易い近接場増強チップ及び前記近接場増強チップを用いた標的物質検出装置を提供することができる。
導波モードセンサの構造例を示す説明図である。 近接場増強チップの表面における電場増強度Aと、Si含有層の屈折率nと、Si含有層の消衰係数kとの関係を示す図である。 屈折率nの各屈折率における最大の電場増強度Aと、厚みdが±5%変化した際の電場増強度Aの最大減衰幅との関係を示す。 標的物質検出装置の一実施形態を説明するための説明図である。 実施例に係る近接場増強チップ上のポリスチレンビーズの散乱光観察像を示す図である。 比較例に係るチップ上のポリスチレンビーズの散乱光観察像を示す図である。
(近接場増強チップ)
本発明の近接場増強チップは、光透過性基板上に、Si含有層と、光透過性ガラス層と、光透過性絶縁体層とがこの順で積層され、前記光透過性ガラス層の屈折率をnとし、前記光透過性絶縁体層の屈折率をnとしたとき、次式(1)及び(2)を満たすように構成される。
なお、本明細書において、「光透過性」とは、可視光透過率が0.5%以上であることを示す。
また、「屈折率」及び「消衰係数」とは、エリプソメトリー法で測定するナトリウム原子の輝線スペクトルであるd線(波長589nm)における屈折率及び消衰係数を示す。
<光透過性基板>
前記光透過性基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のガラス基板、樹脂基板等が挙げられる。
<Si含有層>
前記Si含有層は、微結晶を含む多結晶Si、アモルファスSi及びこれらの混合物のいずれかを含む層である。前記Si含有層、前記光透過性ガラス層及び前記光透過性絶縁体層により、前記近接場増強チップ内で導波モードが励起され、前記近接場増強チップにおける前記光透過性絶縁体層側の面である表面近傍に近接場の形成が可能とされる。
前記微結晶を含む多結晶Si、アモルファスSi及びこれらの混合物のいずれかを含む層は、前記光透過性基板上にスパッタリング法、蒸着法等によって容易に成膜することができ、延いては、前記近接場増強チップを容易に製造することが可能となる。
なお、前記微結晶とは、結晶粒の最大粒径が大きくとも30nmである単結晶の粒子を意味する。
前記Si含有層の屈折率nとしては、特に制限はないが、3より大きく5未満であることが好ましい。また、前記Si含有層の消衰係数kとしては、特に制限はないが、0.2未満であることが好ましい。
前記Si含有層の屈折率nが高い値であると、チップの表面近傍に形成される前記近接場の電界強度を強めることができる。また、前記Si含有層の消衰係数kが低い値であると、チップの表面近傍に形成される前記近接場の電界強度を強めることができる。
高い屈折率かつ低い消衰係数が得られるSi層としては、単結晶Si層が好適であるが、前記近接場増強チップでは、製造し易さを優先して、前記Si含有層の構成とする。
一方、前記近接場増強チップでは、前記近接場の電界強度を強めるため、前記光透過性ガラス層上に前記光透過性絶縁体層が積層された構造とする。
前記Si含有層としては、特に制限はないが、Siに対し10モル%〜30モル%のGeを更に含むことが好ましい。この点について、図2を参照しつつ説明する。なお、図2は、前記近接場増強チップの表面における電場増強度Aと、前記Si含有層の前記屈折率nと、前記Si含有層の消衰係数kとの関係を示す図である。また、図2の計算は、屈折率1.458、消衰係数0、厚さ0.75mmのSiO光透過性基板と、厚さ50nmのSi含有層と、屈折率1.466、消衰係数0、厚さ230nmのSiO光透過性ガラス層と、屈折率1.673、消衰係数0の光透過性絶縁体層とで構成される近接場増強チップを想定している。なお、前記Si含有層の前記屈折率nは、2から5の間の変数として、また、前記Si含有層の消衰係数kは、0から0.2の間の変数として計算を行った。また、前記光透過性絶縁体層の厚さとしては、前記屈折率n及び前記消衰係数kの変数を設定する都度、前記電場増強度Aが最も高くなるように最適化した値を用いた。
図2に示すように、前記屈折率nが2<n<4の範囲にあるとき、前記近接場増強チップ表面における電界強度の増強の程度を示す前記電場増強度Aは、前記屈折率nが大きい程高く、前記消衰係数kが小さい程高い関係にある。また、前記消衰係数kが等しいとき、前記屈折率nが3<n<5の範囲であれば、前記屈折率nが2<n<3の範囲よりも高い前記電場増強度Aを示す。
即ち、前記近接場増強チップ表面における電界強度を強めるためには、前記屈折率nを3より大きく5未満の範囲とし、前記消衰係数kを小さくする方が有利である。
ここで、前記Si含有層では、Geを加えると高い前記屈折率nが得られ易い一方で、前記消衰係数kが大きくなることから、Geの含有量を好適化する必要があるが、Siに対し10モル%〜30モル%の含有率でGeを含むSiGe層とすると、Si単独の層とするよりも、大きな電場増強度Aが得られる。
特に、Siに対し10モル%〜30モル%のGeを含み、前記Si含有層における前記屈折率nを3より大きくかつ前記消衰係数kを0.2未満とすると、前記Si含有層が前記単結晶Si層よりも屈折率が小さいことによる前記近接場の電界強度への影響を低減させることができる。また、Geを含む前記Si含有層としては、先の通り、前記光透過性基板上にスパッタリング法、蒸着法等によって容易に成膜することができる。
なお、前記Si含有層の厚みとしては、特に制限はなく、10nm〜300nmとすることができる。
<光透過性ガラス層>
前記光透過性ガラス層は、前記式(2)に示すように、その屈折率nが前記光透過性絶縁体層の屈折率nよりも小さい層とされる。
即ち、前記近接場増強チップでは、前記光透過性ガラス層の屈折率nを前記光透過性絶縁体層の屈折率nよりも小さくすることで、前記近接場増強チップの表面側の層を構成する前記光透過性絶縁体層における伝搬光(導波モード)の電界強度を大きくし、前記近接場増強チップの表面近傍に形成される前記近接場の電界強度を強め、延いては、前記近接場における前記標的物質の検出感度を向上させることとしている。
また、前記光透過性ガラス層は、前記式(1)に示すように、その屈折率nが1.4〜1.6の層とされる。
即ち、前記光透過性ガラス層は、先の通り、前記光透過性絶縁体層よりも屈折率が小さい必要があるところ、前記式(2)に示すように前記光透過性絶縁体層の屈折率nが1.8未満とされることから、前記光透過性ガラス層及び前記光透過性絶縁体層における各屈折率の設定幅及びこれら層の形成材料選択性を考慮して前記屈折率nが1.4〜1.6とされる。
前記光透過性ガラス層としては、この屈折率特性を有し、光透過性を有する層であれば特に制限はないが、SiOを含むことが好ましい。前記光透過性ガラス層がSiOで形成されると、前記Si含有層を酸化処理することや酸素供給下でスパッタリングするだけで、前記屈折率特性を有し、光透過性を有する層として容易に製造することができる。
なお、前記光透過性ガラス層の厚みとしては、特に制限はないが、100nm〜1,000nmが好ましい。
<光透過性絶縁体層>
前記光透過性絶縁体層は、前記式(2)に示すように、その屈折率nが前記光透過性ガラス層の屈折率nよりも大きい層とされる。
即ち、前記近接場増強チップでは、前記光透過性絶縁体層の屈折率nを前記光透過性ガラス層の屈折率nよりも大きくすることで、前記近接場増強チップの表面側の層を構成する前記光透過性絶縁体層における伝搬光(導波モード)の電界強度を大きくし、前記近接場増強チップの表面近傍に形成される前記近接場の電界強度を強め、延いては、前記近接場における前記標的物質の検出感度を向上させることとしている。
また、前記光透過性絶縁体層は、前記式(2)に示すように、その屈折率nが1.8未満の層とされる。
前記近接場増強チップの表面近傍で電界強度が強められた前記近接場を得るための前記光透過性絶縁体層の厚みは、前記屈折率nが大きい程薄くなる。製造プロセス上、前記屈折率nは、1.8未満である必要があり、このときの前記光透過性絶縁体層の厚みとしては、30nm〜300nmとすることができ、前記光透過性絶縁体層を既存の成膜装置を用いて容易に形成することができる。
また、前記光透過性絶縁体層の前記屈折率nは、前記近接場増強チップの表面近傍で電界強度が強められた前記近接場を得る観点からも1.8未満であることが好適である。
この点を計算例とともに説明する。
計算では、プリズム及び前記光透過性基板をSiOで構成して前記屈折率を1.458、消衰係数を0とし、前記Si含有層をSiに対し15モル%のGeを含む厚みが50nmのSiGe層で構成して前記屈折率nを4.052、前記消衰係数kを0.061とし、前記光透過性ガラス層を厚みが230nmのSiO層で構成して前記屈折率nを1.466、消衰係数kを0とし、前記光透過性絶縁体層に前記屈折率nが1.5≦n≦1.85、消衰係数k=0の材料を使用し、前記光透過性絶縁体層の厚みdを各屈折率における最適値となるように調整する条件で、前記光透過性絶縁体層の各屈折率における波長589.3nmの光照射に伴う電場増強度Aを計算した。
図3に、前記屈折率nの各屈折率における最大の電場増強度Aと、厚みdが各屈折率における最適値から±5%変化した際の電場増強度Aの最大減衰幅との関係を示す。電場増強度Aは、屈折率nが1.7になるまでは増大するが、1.7を超えるとそれ以上は増大しない。これに対し、前記dが最適な厚みから±5%変化した際の電場増強度Aの前記最大減衰幅は、前記屈折率nが大きくなるにつれて増大する傾向にある。特に、前記屈折率nが1.8以上であると、前記最大減衰幅が60を超えており、n<1.8の条件を満たすことが好適であることを示している。
また、前記光透過性絶縁体層は、絶縁体により形成される。即ち、前記絶縁体により形成されることで、表面における消光現象を抑制し、前記近接場増強チップを用いた前記標的物質等の蛍光観察を好適に行うことが可能とされる。
前記光透過性絶縁体層としては、前記特徴を有するものであれば特に制限はなく、公知のクラウンガラス、フリントガラス、ジルコン(ZrSiO)等のSi含有金属酸化物、及びSiOとITO等の金属酸化物との混合材料(SiO−ITO等)等のSi含有金属酸化物が挙げられる。ITO(酸化インジウムスズ)は、導電性を持つ金属酸化物であるが、このようにSiOと混合することによって絶縁体として製膜することができる。また、製造し易さ及び価格の観点からは、前記クラウンガラス、前記フリントガラス、前記Si含有金属酸化物を好適に用いることができる。
また、前記光透過性絶縁体層としては、xを0より大きく0.7以下の数値としたSiO2−x(酸素欠乏型のSiO)を含むように形成されることが好ましい。前記光透過性絶縁体層が前記SiO2−xで形成されると、前記Si含有層または前記光透過性ガラス層をスパッタリング装置で成膜した場合に、前記スパッタリング装置の酸素供給量を変化させるだけで、前記Si含有層または前記光透過性ガラス層と同一のターゲットを用いて前記光透過性絶縁体層を成膜することができ、延いては、ターゲットを変更することなく前記近接場増強チップを容易に製造することができる。
なお、前記光透過性絶縁体層としては、前記近接場増強チップの最表層を構成し、表面側に被検体が導入されるため、メトキシオリゴエチレングリコール−シラン化合物自己組織化単分子膜等といった夾雑物の吸着等を抑制する表面処理を行ってもよい。
また、前記光透過性絶縁体層の表面上に前記被検体が導入されるため、前記近接場増強チップとしては、液状の前記被検体を前記光透過性絶縁体層の表面板とで挟み、前記被検体の液層を前記表面上に保持するように配されるカバーガラス等の光透過性部材が配されてもよい。
また、前記光透過性絶縁体層の表面に前記被検体が接するように公知の液体セル、公知の液体流路が配されてもよい。
(標的物質検出装置)
本発明の標的物質検出装置は、近接場増強チップと、光照射部と、検出部とを有する。
<近接場増強チップ>
前記近接場増強チップは、本発明の前記近接場増強チップにより構成され、前記光透過性絶縁体層側の面を表面とし前記光透過性基板側の面を裏面として前記表面上に被検体が導入されるように配される。
即ち、前記近接場増強チップは、前記表面上に強力な前記近接場を発生させることから、前記近接場を利用する前記標的物質検出装置に特に適した構成とされる。
前記被検体としては、前記標的物質の有無等が検証されるものが挙げられる。
前記標的物質としては、前記近接場における近接場光を受けて散乱光及び蛍光のいずれかの検出光を発するものが挙げられる。
前記散乱光を生じさせるものとしては、例えば、液体の試料及び試薬を混合させたときにゲル化を生じる前記試料中の物質が挙げられ、より具体的には、エンドトキシン、β−D−グルカン、フィブリン等が挙げられる。なお、前記試料としては、例えば、血液製剤やヒト血液等が挙げられる。また、前記試薬としては、例えば、リムルス試薬、トロンビン試薬等が挙げられる。
前記蛍光を生じさせるものとしては、例えば、蛍光タンパク質等が挙げられる。
また、前記標的物質が前記散乱光、前記蛍光を生じにくい物質である場合には、当該物質と特異的に吸着ないし結合して前記標的物質を標識化する標識物質を用いてもよい。
前記特異的に吸着ないし結合させる原理としては、公知の抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合等が挙げられる。
前記標識物質としては、例えば、蛍光色素、量子ドット、蛍光染色剤等の公知の蛍光物質、ポリスチレンビーズ、金ナノ粒子、磁気ビーズ等の公知のナノ粒子を用いることができる。
なお、前記標的物質及び前記標識物質としては、前記近接場により前記検出光を発するものであれば、何ら制限されることはない。
<光照射部>
前記光照射部は、前記近接場増強チップの前記裏面側から光を照射し、前記表面にて全反射させる条件で前記光を照射可能とされる。
前記光照射部の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のランプ、LED、レーザー等が挙げられる。即ち、前記標的物質検出装置においては、前記近接場増強チップの前記裏面側から前記全反射条件で前記光を照射することで前記表面近傍に形成される前記近接場が前記検出光を発生させることを検出原理とするため、前記光照射部に求められる役割としては、前記近接場増強チップの前記裏面側から前記全反射条件で前記光を照射することのみであり、このような役割を担うものであれば前記光源の選択に制限がない。
なお、前記ランプ、LED等の放射光源を用いる場合には、前記近接場増強チップの表面側からの照射光の漏れ出しを避けるため、放射される光のうち前記近接場増強チップの前記裏面側に照射される全ての方位における光が前記全反射条件を満たす必要がある。こうしたことから、前記放射光源を用いる場合には、照射光の照射方向を特定の方位に規制するコリメートレンズ等の案内部を用いてもよい。
また、前記光照射部としては、前記光源から照射される前記光を公知のプリズムを介して前記近接場増強チップに照射することとしてもよい。
前記プリズムとしては、前記検出チップと屈折率調整オイルや光学用接着剤等により光学的に貼り合せて用いることができる。また、前記光透過性基板の形成材料と同じ形成材料が選択される場合には、前記近接場増強チップにおける前記光透過性基板と前記プリズムとが一体成型されたものを用いることもできる。
<検出部>
前記検出部は、前記近接場増強チップの前記表面側に配され、前記光の照射に伴い前記表面上に発生する近接場によって前記被検体中の前記標的物質及び前記標的物質を標識化する前記標識物質のいずれかから発せられる前記検出光を検出可能とされる。
即ち、図1に示した導波モードセンサ100のように前記ディップの位置や深さを測定して前記標的物質の吸着等を検出する場合、必然的に前記標的物質が吸着等する前後における前記ディップの位置や深さを測定して比較することとなるが、夾雑物やノイズによって、前記標的物質が吸着等する前後の前記ディップ同士の比較が困難となる場合があるため、前記標的物質検出装置では、前記ディップの測定に代えて、前記近接場増強チップに全反射条件で光を照射した際に前記近接場増強チップの表面近傍に生じる前記近接場の電界強度を強めることで、前記近接場増強チップ表面上の前記標的物質等から発せられる前記検出光の強度を高め、前記近接場増強チップの前記表面側に配された前記検出部で感度良く検出することとしている。
前記検出部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のフォトダイオード、光電子増倍管等を用いて前記検出光の光信号を取得して前記標的物質の有無を検出してもよい。また、光信号を取得する際には、近接場増強チップ表面上の領域からの前記光信号を積分して、その領域内に存在する前記標的物質の含有量を定量してもよい。また、光信号を一定時間積算してバックグラウンドノイズとの差を鮮明にすることも有効である。
また、前記検出部としては、前記被検体が配される前記近接場増強チップ表面上の領域を検出領域とし、公知のCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等のイメージセンサを用いて前記検出光を含む前記検出領域の様子を2次元画像として取得してもよい。このような検出部を有すると、前記検出部から連続的又は断続的に取得される前記2次元画像を観察することにより、光点として現れる前記標的物質の粒子1つ1つの位置情報及びサイズ情報を含む前記標的物質の情報をリアルタイムかつ高感度に検出することができる。
以上に説明した、前記標的物質検出装置の一実施形態を図4を参照しつつ説明する。なお、図4は、標的物質検出装置の一実施形態を説明するための説明図である。
図4に示すように標的物質検出装置1は、近接場増強チップ10と、プリズム20を介して光源30からの光を近接場増強チップ10に対し全反射条件で近接場増強チップ10の裏面側から光を照射する光照射部と、近接場増強チップ10の表面側に配され、前記光の照射に伴い前記表面上に発生する近接場によって被検体6から発せられる検出光を検出する検出部50とを有する。
ここで、近接場増強チップ10は、光透過性基板2上にSi含有層3と、光透過性ガラス層4と、光透過性絶縁体層5とがこの順で配され、光透過性ガラス層4及び光透過性絶縁体層5は、光透過性ガラス層4の屈折率をnとし、光透過性絶縁体層5の屈折率をnとしたとき、次式(1)及び(2)を満たすように構成されている。また、近接場増強チップ10は、被検体6を光透過性絶縁体層5とで挟む状態で保持するカバーガラス7を有する。
このように構成される標的物質検出装置1では、光源30からプリズム20を介して近接場増強チップ10の裏面側から光を照射し、表面にて全反射させる条件で光を照射すると、光透過性ガラス層4及び光透過性絶縁体層5内に導波モードが励起され、近接場増強チップ10の表面近傍に前記近接場が形成される。この時、被検体6中の前記標的物質ないし前記標識物質からは前記近接場における励起光を受けて散乱光や蛍光が発せられ、これらの光が検出光として検出部50で検出されることとなる。
したがって、標的物質検出装置1では、図1に示した導波モードセンサ100のように測定された前記ディップの位置や深さを前記標的物質の検出前後で比較することなく、前記標識物質等から発せられる検出光を検出部50で検出することで前記標的物質等を感度良く検出することができる。
また、近接場増強チップ10では、チップの表面近傍に強力な近接場が形成されるように構成されるため、前記標的物質等をより一層高感度で検出することができる。
(シミュレーション結果)
図4に示す標的物質検出装置1の構成にしたがって、シミュレーションに必要な標的物質検出装置を次のように設定した。
先ず、近接場増強チップ10では、光透過性基板2をSiO層で構成して屈折率を1.458、消衰係数を0とし、Si含有層3をSiに対し15モル%のGeを含む厚みが45nmのSiGe層で構成して前記屈折率nを4.052、前記消衰係数kを0.061とし、光透過性ガラス層4を厚みが280nmのSiO層で構成して前記屈折率nを1.466、消衰係数kを0とし、光透過性絶縁体層5を厚みが30nmのSiO−ITO混成層で構成して前記屈折率nを1.673、消衰係数kを0とするように構成した。
また、光源30としては、各波長の単色光源を用い、近接場増強チップ10の裏面に照射される光の入射角度は、近接場増強チップ10の厚み方向に対して69.2°傾斜する角度として設定した。なお、この光学系の全反射条件を律する最小の角度であり、近接場増強チップ10の厚み方向に対する傾斜角として表される臨界角は、66.1°である。
このシミュレーションに係る標的物質検出装置において、近接場増強チップ10表面における近接場の電界強度の増強度を計算した。
その結果、近接場増強チップ10では、入射光強度を1倍として、620nmの単色光に対し、最表面で126倍の電場増強を示した。
一方、シミュレーションに係る標的物質検出装置において、近接場増強チップ10から光透過性絶縁体層5を取り除いた条件に変更して同様の計算を行うと、500nmの単色光に対し、最表面で33倍の電場増強を示すに過ぎない結果となった。
なお、両シミュレーション結果において、前記単色光の波長が異なるのは、光透過性絶縁体層5を取り除いたことにより同じ入射角度で導波モードが励起される波長が変化したためである。
(実施例)
図4に示す標的物質検出装置1の構成にしたがって、実験による近接場増強チップ10表面での電場増強度の評価に必要な標的物質検出装置を次のように製造した。
先ず、実施例に係る近接場増強チップ10は、光透過性基板2を厚み0.5mmのSiO層で構成して屈折率を1.458、消衰係数を0とし、Si含有層3をSiに対し15モル%のGeを含む厚みが57.5nmのSiGe層で構成して前記屈折率nを4.052、前記消衰係数kを0.061と推定し、光透過性ガラス層4を厚みが290nmのSiO層で構成して前記屈折率nを1.466、前記消衰係数kを0とし、光透過性絶縁体層5を厚みが41nmのSiO−ITO混成層で構成して前記屈折率nを1.673、消衰係数kを0とし、光透過性基板2にスパッタリング装置で、これらSi含有層3、光透過性ガラス層4、光透過性絶縁体層5を積層する形で製造した。なお、光透過性絶縁体層5のSiO−ITO混成層の電気抵抗値を、株式会社カスタム製デジタルマルチメータCDM−2000Dで1cm程度の距離を空けてテストリードを表面に接触させて測定したところ、30MΩ以上のオーバーレンジを示し、SiO−ITO混成層は、絶縁性であることを確認した。
また、光源30としては、波長精度±1nm、半値幅10nm、照射波長領域300〜1,100nmの波長可変光源(SM−10YN、分光計器株式会社)を用い、出射端にコリメートレンズを装着した600μmコア径の光ファイバを用い、S偏光が近接場増強チップ10に入射するように偏光フィルタを介してプリズム20へ単色光を導入した。近接場増強チップ10の裏面から照射される光の入射角度は、近接場増強チップ10の厚み方向に対して69.2°傾斜する角度として設定した。なお、この光学系の全反射条件を律する最小の角度であり、近接場増強チップ10の厚み方向に対する傾斜角として表される臨界角は、66.1°である。以上により、実施例に係る標的物質検出装置を製造した。
(比較例)
また、光透過性絶縁体層5を設けないこと以外は、実施例と同様にして、比較例に係るチップ及び標的物質検出装置を製造した。
この実験に係る標的物質検出装置において、実施例に係る近接場増強チップ10及び比較例に係るチップの各表面における近接場の電界強度の増強度をシミュレーションで計算した。
その結果、実施例に係る近接場増強チップ10では、入射光強度を1倍として、698nmの単色光に対し、最表面で126倍の電場増強を示した。これに対し、比較例に係るチップでは、入射光強度を1倍として、545nmの単色光に対し、最表面で19.5倍の電場増強を示した。即ち、2つのチップの電場増強能力には6倍以上の差が存在する。
次に、1.5μm径のポリスチレンビーズを含む水10μLを、実施例に係る近接場増強チップ10及び比較例に係るチップの各表面に滴下し、カバーガラスをかけ、10倍の対物レンズを装着した顕微鏡装置を用いてBITRAN社製冷却CMOSカメラ(検出部50)による撮像を行った。
図5に698nmの単色光照射時の実施例に係る近接場増強チップ10の散乱光観察結果を、図6に545nmの単色光照射時の比較例に係るチップの散乱光観察結果を示す。なお、前記冷却CMOSカメラは、12ビット階調(0−4095)のモノクロ撮像で、露光時間100ms、ゲイン0%で撮像している。
図5において、撮像範囲内で最も高い輝度の散乱光強度は、3,897であった。また、図6において、撮像範囲内で最も高い輝度の散乱光強度は、865であった。前記冷却CMOSカメラのカタログ上の分光感度特性は、545nmに対して698nmの受光感度が0.62倍程度である。また、各波長の単色光源の偏光フィルタ通過後のThorlabs社製パワーメータで測定した出力は、545nmで70.2μW、698nmで35.6μWであった。即ち、同じ強度の入射光に対する散乱光強度は、実施例に係る近接場増強チップ10の方が比較例に係るチップよりも約14.3倍高い計算となる。
なお、前記シミュレーションでの計算結果以上に、実施例に係る近接場増強チップ10では高い電場増強能力が得られているが、これは、ポリスチレンビーズの大きさや形状、チップの製造誤差、計算で用いたパラメータと実際のチップにおけるパラメータの違い等の影響であると考えられる。
1 標的物質検出装置
2 光透過性基板
3 Si含有層
4 光透過性ガラス層
5 光透過性絶縁体層
6 被検体
7 カバーガラス
10 近接場増強チップ
20,120 プリズム
30,130 光源
50 検出部
100 導波モードセンサ
101 SiO基板
102 Si単結晶層
103 SiO
110 検出チップ
140 光検出器

Claims (10)

  1. 光透過性基板上に、微結晶を含む多結晶Si、アモルファスSi及びこれらの混合物のいずれかを含むSi含有層と、光透過性ガラス層と、前記光透過性ガラス層の形成材料と異なる組成の形成材料で形成される光透過性絶縁体層とがこの順で積層され、前記光透過性ガラス層の屈折率をnとし、前記光透過性絶縁体層の屈折率をnとしたとき、次式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする近接場増強チップ。
  2. Si含有層の屈折率をnとし、消衰係数をkとしたとき、前記nが3より大きく5未満であり、前記kが0.2未満である請求項1に記載の近接場増強チップ。
  3. Si含有層が、Siに対し10モル%〜30モル%のGeを更に含む請求項1から2のいずれかに記載の近接場増強チップ。
  4. 光透過性ガラス層が、SiOを含む請求項1から3のいずれかに記載の近接場増強チップ。
  5. 光透過性絶縁体層の厚みが、30nm〜300nmである請求項1から4のいずれかに記載の近接場増強チップ。
  6. 光透過性絶縁体層が、クラウンガラス、フリントガラス及びSi含有金属酸化物のいずれかを含む請求項1から5のいずれかに記載の近接場増強チップ。
  7. Si含有金属酸化物が、SiOと金属酸化物との混合材料である請求項6に記載の近接場増強チップ。
  8. 光透過性絶縁体層が、xを0より大きく0.7以下の数値としたSiO2−xを含む請求項1から5のいずれかに記載の近接場増強チップ。
  9. 光透過性絶縁体層側の面を表面とし光透過性基板側の面を裏面として前記表面上に被検体が導入される請求項1から8のいずれかに記載の近接場増強チップと、
    前記近接場増強チップの前記裏面側から光を照射し前記表面にて全反射させる条件で前記光を照射可能とされる光照射部と、前記近接場増強チップの前記表面側に配され、前記光の照射に伴い前記表面上に発生する近接場によって前記被検体中の標的物質及び前記標的物質を標識化する標識物質のいずれかから発せられる検出光を検出可能とされる検出部と、
    を有することを特徴とする標的物質検出装置。
  10. 検出部が、被検体が配される近接場増強チップ表面上の領域を検出領域とし、検出光を含む前記検出領域の様子を2次元画像として取得可能とされる請求項9に記載の標的物質検出装置。
JP2016070376A 2016-03-31 2016-03-31 近接場増強チップ及び標的物質検出装置 Active JP6703729B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070376A JP6703729B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 近接場増強チップ及び標的物質検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070376A JP6703729B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 近接場増強チップ及び標的物質検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017181356A JP2017181356A (ja) 2017-10-05
JP6703729B2 true JP6703729B2 (ja) 2020-06-03

Family

ID=60004465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016070376A Active JP6703729B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 近接場増強チップ及び標的物質検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6703729B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7104911B2 (ja) * 2018-01-31 2022-07-22 国立研究開発法人産業技術総合研究所 標的物質検出方法及び導波モードセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017181356A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4993308B2 (ja) 蛍光検出方法および蛍光検出装置
CA2943254C (en) Bioassay system and method for detecting analytes in body fluids
US8937721B2 (en) Sensing device
US20090187350A1 (en) Biosensing apparatus and system
KR101229991B1 (ko) 광섬유 기반 lspr 및 sers신호의 동시 측정 센서 시스템
JP2011158369A (ja) バイオチップ、抗原抗体反応検出用キット、及び抗原抗体反応の検出方法
JP5450993B2 (ja) 検出方法、検出用試料セルおよび検出用キット
US20110312103A1 (en) Sample detection sensor and sample detection method
US20110301066A1 (en) Adhesion layer enhancement of plasmonic fluorescence
JP5130517B2 (ja) 光導波路型dnaセンサおよびdna検出方法
EP2060904A1 (en) Plasmon grating biosensor
EP2372343A1 (en) Gas sensor, method for optically measuring the presence of a gas using the gas sensor and gas sensing system
JP5315381B2 (ja) 蛍光検出装置、蛍光検出用の試料セルおよび蛍光検出方法
Fujimaki et al. Parallel-incidence-type waveguide-mode sensor with spectral-readout setup
JP6703729B2 (ja) 近接場増強チップ及び標的物質検出装置
JP7172693B2 (ja) 電気測定型表面プラズモン共鳴センサ、電気測定型表面プラズモン共鳴センサチップ、及び表面プラズモンポラリトン変化検出方法
JP5891990B2 (ja) 光学式検体検出装置
WO2014007134A1 (ja) センサーチップ
GB2570909A (en) Biomarker detection apparatus
JP2009192259A (ja) センシング装置
US20110085172A1 (en) Visualized plasmon resonance biodetector
JP6913966B2 (ja) センサチップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法
Välimäki et al. A novel platform for highly surface-sensitive fluorescent measurements applying simultaneous total internal reflection excitation and super critical angle detection
JP5038030B2 (ja) センシング方法およびセンシング装置
JP6936987B2 (ja) 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6703729

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250