JP6664741B2 - 光学的測定方法及び測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光の全反射に伴って生成される近接場を利用して、液体中に存在する標的物質を光学的に検出する光学的測定方法及び測定装置に関する。
近年、溶液中に存在する微小物質、特にDNA、RNA、タンパク質、ウイルス、細菌等の生体関連物質を検出・定量する測定装置が開発されている。該装置として、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)センサ、導波モードセンサ、リング共振器センサなどが挙げられる。
表面プラズモン共鳴センサは、クレッチマン配置と呼ばれる光学配置を用いて、プリズムに接したガラス表面上の金薄膜層とガラス表面との界面での入射光の全反射によって、金薄膜上に表面プラズモン共鳴を励起し、金薄膜表面に増強電場を形成することを特徴とする。表面プラズモン共鳴の励起条件の変化を検知することにより、増強電場内における屈折率変化を高感度に検出する。抗原抗体反応等を用いて増強電場内に標的物質を捕捉することにより、標的物質をリアルタイムに高精度で検出・定量することができる(非特許文献1参照)。
導波モードセンサは、表面プラズモン共鳴センサと同様のクレッチマン配置を用いる。検出板は透明基板上に半導体層及び光透過性誘電体材料で構成される導波路層がこの順番で積層され、導波路層と液体試料との界面、及び半導体層と透明基板との界面での入射光の多重反射によって、導波路層内に導波モードを励起し、導波路層表面に増強電場を形成することを特徴とする。導波モードの励起条件の変化を検知することにより、増強電場内における屈折率変化を高感度に検出する。導波モードセンサは、表面プラズモン共鳴センサに比べ、小型で高感度の測定装置を構築できる(特許文献1、2参照)。
リング共振器センサは、半導体プロセスを用いてSi等の半導体基板上に微細導波路を形成し、リング型の共振器への光の閉じ込めを利用する。リング共振器の共振条件は共振器表面近傍の屈折率変化により敏感に変化することから、リング共振の共振条件の変化を検知することにより、共振器表面近傍の屈折率変化を高感度に検出する。リング共振器は微小な構造であることから、極微量の試料による検出において特に有効である(非特許文献2参照)。
光の全反射によって電場増強を生じさせ、増強電場を得る方法としては、例えば、非特許文献3乃至8記載されているような公知のものがある。
非特許文献3では、クレッチマン配置を用いて表面プラズモン共鳴を発生させ、増強電場を得る方法が開示されている。非特許文献4では、クレッチマン配置におけるプリズムにドーブプリズムを用いて光を入射して表面プラズモン共鳴を発生させ、増強電場を得る方法が開示されている。非特許文献5及び非特許文献6では、レゾナントミラーを用いた増強電場を得る方法が開示されている。非特許文献7では、プリズム上に金属層と透明な誘電体層をこの順で積層して、リーキーモードセンサーと呼ばれる構造を形成し、プリズムを介して光を照射して、前記誘電体層表面で増強電場を得る方法が開示されている。文献8では、プリズム上に金属層を形成し、その上に屈折率の異なる2種類の透明な誘電体層をそれぞれ1層ずつ積層して、リーキーモードセンサー構造よりもさらに強い増強電場を得る方法が開示されている。
さらに、特許文献3、4では、流路に表面プラズモン共鳴を発生させるプリズム形状が付与され、流路の底面または側面に表面プラズモン共鳴を発生させ、増強電場を得る方法が開示されている。
本願に関連した先行技術文献調査によれば、標的物質の検出面への吸着または近接を促進し、短時間での測定を実現するために、磁性粒子を標識に用いた方法が知られている(特許文献5、6)。特許文献5、6は、磁性標識と光応答性標識物質と標的物質との結合体を、磁場を印加することにより局所領域に引き寄せ、この局所領域を含む所定領域にのみ励起光を照射することにより、標的物質と磁性標識との結合体を形成していない光応答性標識の信号を排除した検出を行う技術である。
国際公開2007/029414号公報 国際公開2012/098758号公報 特開2013−24606号公報 特開2010−145408号公報 特開2011−33454号公報 特開2005−77338号公報
D. R. Shankaran et al., Sensors and Actuators B, Vol. 121 (2007), pp. 158−177 A. Ksendzov and Y. Lin, Optics Letters, Vol. 30 (2005), pp. 3344−3346 C. Nylander et al., Sensors and Actuators, Vol. 3 (1982/83), pp. 79−88 O. R. Bolduc et al., Talanta, Vol. 77 (2009), pp. 16801687 R. Cush et al., Biosensors and Bioelectronics, Vol. 8 (1993), pp. 347−353 P. E. Buckle et al., Biosensors and Bioelectronics, Vol. 8 (1993), pp. 355−363 R. P. Podgorsek et al., Sensors and Actuators B, Vol. 38−39 (1997), pp. 349−352 S. Hayashi et al., Applied Physics Express, Vol. 8 (2015), p. 022201
従来の、近接場を用いて標的物質を検出する方法において、磁性粒子による標的物質の検出面への濃縮を用いる手法では、非特異的に検出面に吸着してしまう標識物質や磁性粒子による光信号がノイズとなり、検出感度の低下が生じていた。このように、標識物質や磁性粒子によるノイズに起因する検出感度の劣化が問題であった。また、検出板の表面の汚れやキズによる散乱光、夾雑物の検出板の表面への非特異吸着などもノイズの原因となり、検出感度低下を生じていた。
また、磁性粒子を用いて、標的物質の検出板表面への濃縮を促進しても、同時に、検出板表面に未結合の磁性粒子も濃縮してしまい、その結果ノイズ源も増えてしまう結果となっていた。
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、本発明は、近接場を用いて標的物質を光学的に測定する方法及び装置において、検出板の表面に非特異的に吸着してしまう標識物質や磁性粒子によるノイズ、前記表面の汚れやキズによるノイズ、夾雑物の前記表面への非特異吸着によるノイズの影響を排除し、より高感度かつ高速に標的物質の検出が可能となる光学的測定方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有するものである。
(1)近接場の形成された検出板の表面上の標的物質を含む結合体を、前記近接場を発生させる照射光の反射光信号を用いて検出する標的物質の光学的測定方法であって、前記結合体は少なくとも前記標的物質と磁性粒子の結合によって形成され、前記結合体を前記表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1の磁場の印加によって生じる前記反射光信号の変化を計測して、前記標的物質を検出することを特徴とする、光学的測定方法。
(2)前記反射光信号の変化は、前記第1の磁場の印加により前記結合体が前記表面に平行な方向に移動する、または前記表面から遠ざかることによることを特徴とする前記(1)記載の光学的測定方法。
(3)前記結合体が重力沈降によって、前記表面付近に沈降した後に、前記結合体を前記第1の磁場の印加により移動させることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光学的測定方法。
(4)前記結合体を引き寄せ磁場の印加により前記表面付近に引き寄せた後に、前記結合体を前記第1の磁場の印加により移動させることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の光学的測定方法。
(5)前記引き寄せ磁場の印加と、前記第1の磁場の印加を、交互に複数回行うことを特徴とする前記(4)記載の光学的測定方法。
(6)前記結合体は、前記標的物質に、前記近接場に対する光吸収若しくは光散乱を生じる標識物質、または前記標的物質が含まれている溶媒よりも高屈折率の標識物質のうちの少なくともいずれかが結合していることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1項記載の光学的測定方法。
(7)前記結合体は、前記標的物質に、重り物質が結合していることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか1項記載の光学的測定方法。
(8)前記表面には、前記結合体の吸着を抑制する化学的な処理が施されていることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれか1項記載の光学的測定方法。
(9)裏面側から全反射条件で照射される光により表面上に近接場を形成可能な検出板を備え、かつ、標的物質を含む液体の試料及び前記標的物質と結合体を形成する磁性粒子を前記検出板の前記表面上に保持可能な液体保持部と、前記全反射条件で前記検出板の前記裏面側から光を照射する光照射部と、前記検出板で反射した反射光を検出する光検出部と、前記結合体を前記表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1の磁場を印加する第1の磁場印加部とを備えることを特徴とする、光学的測定装置。
(10)前記結合体を前記表面に引き寄せる磁場を印加する引き寄せ磁場印加部を備えることを特徴とする前記(9)に記載の光学的測定装置。
(11)前記検出板が、裏面から表面に向けて、光透過性基板、表面プラズモン共鳴を発生する金属層の順で積層された積層構造を備えることを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の光学的測定装置。
(12)前記検出板が、裏面から表面に向けて、光透過性基板、金属層又は半導体層、光透過性誘電材料で形成される誘電体層の順で積層された積層構造を備えることを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の光学的測定装置。
(13)前記表面は、前記結合体の吸着を抑制する表面であることを特徴とする前記(9)乃至(12)のいずれか1項記載の光学的測定装置。
本発明によれば、検出板の表面に非特異的に吸着してしまう標識物質や磁性粒子によるノイズ、前記表面の汚れやキズによるノイズ、夾雑物の前記表面への非特異吸着によるノイズ等と、標的物質を含む結合体による光信号とを明確に区別することができるようになり、検出感度が格段に向上する。また、第1の磁場印加による外力により、前記結合体を移動させることができるので、検出時間の短時間化が図れる。
本発明の第1の磁場の印加と共に、その前段階として引き寄せ磁場を印加する場合や、引き寄せ磁場と第1の磁場印加を交互に印加する場合は、より高感度で、より高速な検出が可能となる。
本発明の実施形態の基本的な、磁場印加手段を備える光学的測定装置を示す模式図である。 本発明の実施形態における、磁場印加手段を備える光学的測定装置の変形例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態における、引き寄せ磁場印加または重力沈降時の作用を説明する図である。 本発明の第1の実施形態における、遠ざけ磁場印加時の作用を説明する図である。 本発明の第2の実施形態における、引き寄せ磁場印加または重力沈降時の作用を説明する図である。 本発明の第2の実施形態における、遠ざけ磁場印加時の作用を説明する図である。 本発明の第3の実施形態における、引き寄せ磁場印加または重力沈降時の作用を説明する図である。 本発明の第3の実施形態における、弱い遠ざけ磁場印加時の作用を説明する図である。 本発明の第3の実施形態における、強い遠ざけ磁場印加時の作用を説明する図である。 本発明の実施形態の説明における、光学的測定装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態の説明における、導波モードを利用した場合の反射光信号を説明する図である。 本発明の実施形態の説明における、実験例1で取得された反射光信号の変化を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明者は、検出板の表面における近接場を用いて微小物質を光学的に検出する技術において、微小物質を操作するための磁性粒子を利用する技術に着目して鋭意研究開発を行い、磁性粒子と結合した標的物質を近接場外または検出領域外に移動させることによって生じる「反射光信号の変化」を検知することによって標的物質を検出する、という新たな発想を得るに到ったものである。
本発明の光学的測定方法では、近接場の形成された検出板の表面上の標的物質を含む結合体を、前記近接場を発生させる照射光の反射光信号を用いて検出する、標的物質の光学的測定方法において、結合体として、少なくとも前記標的物質と磁性粒子の結合体を用い、結合体を前記表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1の磁場を印加し、該磁場の印加によって生じる前記反射光信号の変化を計測して、前記標的物質を検出する。前記反射光信号としては、単一あるいは複数の波長における光強度を用いる。あるいは、一定の波長範囲におけるスペクトル形状を用いてもよい。
本発明の光学的測定装置は、液体保持部と、光照射部と、光検出部と、結合体を検出板表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1の磁場を印加する第1の磁場印加部とを有する。
(液体保持部)
前記液体保持部は、検出板が配され、かつ、導入される標的物質を含む液体の試料及び前記試料に添加され、前記標的物質と結合して結合体を形成する磁性粒子を前記検出板の表面上に保持するものである。
試料としては、例えば、血液、唾液、尿、薬品、環境水、上下水、などが挙げられる。標的物質としては、例えば、DNA、RNA、タンパク質、ウイルス、菌、汚染物質、などが挙げられ、試料は、溶媒中にこれらの標的物質を含有している。試料は、液体であれば光学的測定装置における測定の対象となりうるものであればよく、例示したものに限定されない。また、標的物質は、試料に含まれてその存在が検知可能であり、または含有量を測定できるものであれば、特に限定はされない。
検出板は、試料が表面上に導入されるとともに裏面側から全反射条件で照射される光により前記表面上に近接場を形成可能であればよい。検出板の構成としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、単層で構成されてもよく、電場増強を目的とした積層体で構成してもよい。検出板の全反射面を構成する面としては、全反射が生じるように光学的に平坦な面であることが好ましい。
検出板を単層で構成する場合、単層の表面を全反射面として照射光を全反射させると、表面近傍にエバネッセント場が生じることとなる。このような現象は、照射される光が前記単層を透過する程度に光透過性を有する材料であれば、材料に依存することなく一般に生じる現象であるため、前記単層の形成材料としては、特に制限はなく、公知の光透過性を有する検出板形成材料から適宜選択することができる。
検出板を積層体で構成する場合、積層体としては特に制限はなく、例えば特許文献2乃至5及び非特許文献2乃至8に記載されるような、電場増強を目的とした公知の検出板を採用することができる。
検出板を、裏面から表面に向けて、光透過性基板と表面プラズモン共鳴を発生する金属層とが、この順で積層されるように構成すると、検出板裏面側から照射される光によって金属層表面に表面プラズモン共鳴が励起され、検出板の表面近傍に増強電場が得られ、その結果、標的物質を含む結合体による反射光信号が増幅され、より一層感度を向上させることができる。表面プラズモン共鳴を励起するための積層体の構造や形成材料は、特に制限はなく、例えば非特許文献3又は4に記載されているような公知のものが適応可能である。
検出板を、裏面から表面に向けて、光透過性基板と、金属材料又は半導体材料で形成される金属層又は半導体層と、光透過性誘電材料で形成される誘電体層とが、この順で積層されるように構成すると、検出板裏面側から照射される光によって前記誘電体層内に導波モードが励起され、検出板の表面近傍に増強電場が得られ、その結果、標的物質を含む結合体による反射光信号が増幅され、より一層感度を向上させることができる。
導波モードを励起するための積層体の構造や形成材料は、特に制限はなく、例えば非特許文献2に記載されているような公知のものが適応可能である。
なお、本明細書において「近接場」とは、エバネッセント場及び増強電場のいずれかを示す。これらエバネッセント場及び増強電場は、いずれも検出板の表面近傍のみに形成され、検出板表面から遠ざかるにつれて急激に減衰する性質を有する。
光透過性基板の形成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ガラスやプラスチック等、公知の光透過性誘電体から適宜選択することができる。
液体保持部の構成としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、検出板そのもので構成されてもよく、また、試料を、カバーガラス等と検出板とで挟み、試料の液層を検出板表面上に保持する構成でもよい。また、液体保持部の構成としては、公知の液体セル、公知の液体流路を検出板の表面上に配して構成されてもよい。
また、液体保持部の構成としては、試料の導入部が形成されるとともに検出板と検出板の被覆部とで少なくとも検出板表面上の近接場形成領域を含む空間を画成する中空部で構成される。このような中空部を有する構成とすると、導入部から中空部内に試料を引き込むように導入し易く、また、中空部の容量設定に伴い試料の量を安定して導入させることが可能となる。
なお、液体保持部としては、試料を保持する領域を複数分画して設けることでマルチチャンネル化させてもよい。
(光照射部)
光照射部は、全反射条件で検出板の裏面側から光を照射可能とされる。
光照射部の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のランプ、LED、レーザー等が挙げられる。本発明では、検出板の裏面側から全反射条件で光を照射することで表面近傍に形成される近接場が、標的物質を含む結合体と相互作用し、その結果、反射光信号を発生させることを検出原理とする。そのため光照射部に求められる役割としては、検出板の裏面側から全反射条件で光を照射することのみであり、このような役割を担うものであれば光源の選択に制限がない。単色光源、あるいは白色光源のいずれも使用可能である。
ランプ、LED等の放射光源を用いる場合には、検出板の表面側からの照射光の漏れ出しを避け、反射光信号を効率的に取得するため、放射される光のうち検出板の裏面側に照射される全ての方位における光が全反射条件を満たすことが好ましい。こうしたことから、放射光源を用いる場合には、照射光の照射方向を特定の方位に規制するコリメートレンズ等の案内部を用いてもよい。
ここで、検出板が表面と裏面とが平行な板である場合、裏面側から照射された光は、表面上に液体が存在すると全反射されない。よって、このような場合には、検出板の裏面部分に回折格子を形成することにより、回折格子に特定の角度で光を照射したときに、光が回折格子で回折されて検出板内に導入されるとともに、検出板内に導入された光が全反射条件で表面に照射されて表面近傍に近接場が形成されるように、検出板を構成してもよい。または、表面と裏面とが平行にならないように形成してもよい。或いは、光源から照射される光を公知のプリズムを介して検出板の裏面に照射することとしてもよい。プリズムは、検出板の裏面に屈折率調整オイル又は光学用接着剤等により光学的に貼り合せて用いることができる。また、プリズムの形成材料として、光透過性基板又は単層の検出板の形成材料と同じ形成材料が選択される場合には、検出板とプリズムとが一体成型されたものを用いることもできる。また、特許文献3、4で開示されているような、液体流路に対してプリズムとして働く構造を付与したものを用いることもできる。
(光検出部)
光検出部は、検出板の表面上の領域を検出領域とし照射した光により発生した増強電場と標的物質を含む結合体との相互作用が反映された反射光を、検出可能とするように、反射光の光路上に配される。光検出部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のフォトダイオード、光電子増倍管、CMOSイメージセンサ、分光器等の光検出器を用いることができる。
(第1の磁場印加部)
第1の磁場印加部は、検出板の表面から、標的物質と磁性粒子との結合体を遠ざける遠ざけ磁場、または、表面近傍で表面に平行に移動させる方向に磁力を作用させる平行移動用磁場を、印加可能である。結合体は、近接場内においてのみ、近接場との相互作用による反射光信号を発生する。また、近接場の電場強度は検出板の表面から遠ざかるにつれて減衰する。その為、遠ざけ磁場の印加によって結合体が表面から遠ざけられると相互作用が弱まり、さらに、結合体が、近接場の電場強度がゼロとみなせる程度までの距離以上に表面から遠ざけられると、結合体との相互作用による反射光信号が消失することとなる。本発明では、このような反射光信号の変化を検出して、標的物質を検出する。第1の磁場印加部は、結合体を検出板の表面から遠ざける、または表面近傍で移動させることができる磁場の発生が可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の電磁石及び永久磁石のいずれか1つ以上を用いることができる。なお、第1の磁場が印加される方向も、前記結合体を前記検出板の前記表面から遠ざける、または前記表面近傍で平行に移動させることが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができる。第1の磁場の強さは、一定値であってもよいし、可変としてもよい。磁場の強さを変化する方法としては、例えば、電磁石においては該電磁石に流す電流量を変化させる、永久磁石においては該永久磁石と検出板との距離を変化させる、といった方法が挙げられる。
(磁性粒子)
磁性粒子は、標的物質と結合して結合体を形成し、第1の磁場による磁力によって、標的物質を検出板の表面から遠ざける、または表面近傍で移動させる作用を持つ。磁性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば公知の磁性酸化鉄ナノ粒子などを用いることができる。
磁性粒子と標的物質との結合は、物理的又は化学的にこの両者を結合させる手法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物理吸着、抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合、キレート結合、アミノ結合などを用いることができる。物理吸着では、例えば水素結合などの静電的な結合力を利用して、磁性粒子と標的物質とを結合させる。
物理吸着では、特段、磁性粒子に何か処理を施す必要がないため、簡単に実施することができるという利点がある。しかし、磁性粒子は、標的物質のみと特異的に吸着するのではないため、一般に選択性が低い。つまり、磁性粒子は試料中に含まれる標的物質以外の夾雑物とも結合する恐れがあり、夾雑物が標的物質と同様の光信号を発する場合、区別ができなくなるという欠点がある。
一方、抗原−抗体反応などの特異性の高い反応を用いて磁性粒子と標的物質とを結合させると、磁性粒子は、標的物質のみと選択的に結合することから、夾雑物と標的物質とを区別して検出できるという利点がある。但し、この場合には、例えば、標的物質がウイルスなどの抗原の場合、そのウイルスに対する抗体を事前に磁性粒子に結合させておく必要がある。
(標識物質)
本発明では、標的物質に、近接場に対する光吸収若しくは光散乱を生じる標識物質、または溶媒よりも高屈折率の標識物質を結合させて用いてもよい。標識物質は、標的物質そのものによる反射光信号が微弱で検出が困難な場合に特に有効であり、標的物質に代わって、大きな反射光信号を生じる役目を果たす。光吸収または光散乱を生じる標識物質は、標識物質により反射光強度を減少させることで、反射光信号を増幅する。試料の溶媒よりも高屈折率の標識物質は、共鳴による増強電場を発生させる検出板を用いる場合に、標識物質により共鳴波長や共鳴角の変化を生じさせることで、反射光信号を増幅する。標識物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。光吸収または光散乱を生じる標識物質としては、例えば公知の色素分子、蛍光物質、ナノ粒子などを用いることができる。蛍光物質としては、例えば公知の蛍光色素や量子ドットなどが挙げられる。ナノ粒子としては、例えば公知のポリスチレンビーズや金ナノ粒子などが挙げられる。溶媒よりも高屈折率の標識物質としては、例えば公知のナノ粒子などを用いることができ、ポリスチレンビーズやシリコンナノ粒子などが挙げられる。
標識物質と標的物質との結合は、物理的又は化学的にこの両者を結合させる手法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物理吸着、抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合、キレート結合、アミノ結合などを用いることができる。また、標識物質に色素を用いた場合、前記標的物質の前記色素による染色も、前記標識物質と前記標的物質とを結合させる有効な手段である。
物理吸着では、例えば水素結合などの静電的な結合力を利用して、標識物質と標的物質とを結合させる。物理吸着では、特段、標識物質に何か処理を施す必要がないため、簡単に実施することができるという利点がある。しかし、標識物質は、標的物質のみと特異的に吸着するのではないため、一般に選択性が低い。つまり、標識物質は試料中に含まれる標的物質以外の夾雑物とも結合する恐れがあり、夾雑物が光信号を発し、ノイズとなる可能性がある。
一方、抗原−抗体反応などの特異性の高い反応を用いて標識物質と標的物質とを結合さると、標識物質は、標的物質のみと選択的に結合することから、夾雑物と標的物質とを区別して検出できるという利点がある。但し、この場合には、例えば、標的物質がウイルスなどの抗原の場合、そのウイルスに対する抗体を事前に標識物質に結合させておく必要がある。
磁性粒子及び標識物質の両方を標的物質に結合して検出に供する場合、これらの結合のいずれか一方は、標的物質との特異的な反応による結合であることが好ましい。なぜなら、両方の結合がいずれも非特異的に生じるものである場合、磁性粒子及び標識物質の両方が試料中に含まれる夾雑物と同時に結合する可能性があり、その為、標的物質と夾雑物とを見分けることができなくなってしまう恐れがあるからである。
磁性粒子が、光吸収や光散乱を示す場合、または溶媒よりも高屈折率である場合は、磁性粒子に標識物質として役割も兼ねさせると、標識物質を結合させる手順を省略でき、好ましい。この場合、磁性粒子と標的物質との結合は、この両者間で特異的な結合であることが好ましい。なぜなら、両者間の結合が非特異的に生じるものである場合、磁性粒子が試料中に含まれる夾雑物とも結合し、尚且つ反射光信号の変化を生じることとなってしまい、よって、標的物質と夾雑物とを見分けることができなくなってしまう恐れがあるからである。
(検出板表面への引き寄せ磁場、又は重力沈降)
本発明では、近接場を用いて検出板の表面上の標的物質を含む結合体による反射光信号の変化を検出して標的物質を検出するに際し、前記結合体を前記表面から遠ざける方向、または前記表面近傍で平行に移動させる方向の第1の磁場の印加によって生じる反射光信号の変化を計測して、標的物質を検出する。つまり、結合体が、第1の磁場によって、検出板の表面から遠ざかることまたは表面近傍で平行に移動することを以て、前記結合体の検出を行う。この検出機構においては、結合体は、第1の磁場が印加される前には、近接場が発生している領域内に存在していなくてはならない。
一般にDNAやタンパク質、ウイルスなどの微小物質は溶液中に均一に分散している。一方、近接場が発生している領域は、検出板の表面から数100nmから数μm程度離れた位置までであるため、液体保持部に導入される試料の厚みがこの領域より厚いと、第1の磁場の印加を実施する前に、近接場内に存在する結合体の数は、導入された試料中に含まれる結合体の総数の極一部に限定されてしまう。その為、第1の磁場の印加を実施する前に、結合体をなるべく多く、近接場が発生している領域内に入れるべく、検出板の表面に近づけておくことが好ましい。このように結合体を検出板の表面に近づけるために、本発明では、重力沈降による結合体の沈降、及び引き寄せ磁場の印加による結合体の検出板の表面への引き寄せのいずれか1つ以上を利用する。
検出板の表面を液体保持部の底面として光学的測定装置を構成する場合、結合体が重力沈降を示す程度に十分に重い場合、一定時間を置くと、結合体は検出板の表面に重力沈降によって引き寄せられる。その為、液体保持部に試料を注入し、一定時間が経過した後に第1の磁場を印加することによって、より多くの結合体が検出に関与することとなり、より大きな「反射光信号の変化」が観測される。よって、より高感度に標的物質を検知することができることになる。ここで、前記一定時間は、結合体の大きさや重さに依存するために特定の値に決定することは困難であるが、迅速な検出を実現可能とする観点からは、1時間以内とすることが好ましい。
結合体が軽い場合、重力沈降に時間が掛かってしまうことがある。そのような場合には、結合体に、重りとなる重り物質を結合させ、重力沈降速度を速めることも好ましい。重り物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば公知の金ナノ粒子などを用いることができる。結合体と重り物質との結合は、物理的又は化学的にこの両者を結合させる手法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物理吸着、抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合、キレート結合、アミノ結合などを用いることができる。
光学的測定装置は、検出板の表面に結合体を引き寄せる方向に磁力が働く、引き寄せ磁場を印加可能な引き寄せ磁場印加部をさらに備えることも有効である。この場合、引き寄せ磁場印加部によって、結合体を構成する磁性粒子が検出板の表面に引き寄せられることを利用するため、新たに結合体に、結合体を検出板の表面に近づける為の物質を結合させる必要がないため、好ましい。引き寄せ磁場を印加した後に、遠ざけ磁場等の第1の磁場を印加することによって、より多くの前記結合体が検出に関与することとなり、より大きな「反射光信号の変化」が観測されることとなる。
引き寄せ磁場の印加及び前記第1の磁場の印加は、交互に繰り返して複数回行うこと(以下、「交互磁場印加」という。)としてもよい。交互磁場印加によって、結合体が、近接場が発生している領域から出たり入ったりすることを繰り返すことから、反射光信号の変化が繰り返し観測される。よって、検出の精度を向上することができる。さらには、交互磁場印加を周期的に実施し、その周波数に対して公知のロックイン増幅器を適用することによって、信号を増幅することも可能であり、感度向上を図ることができる。
(試料の混合)
光学的測定装置による標的物質の測定に際して、試料には磁性粒子が添加される。また、必要に応じて標識物質及び重り物質が添加される。一般に、磁性粒子、標識物質及び重り物質は、溶液中に分散されて保管されているか、粉末状で保管されており、使用時に試料と混合される。混合の方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)試料を液体保持部に注入した後に磁性粒子、標識物質及び重り物質を混合する方法、(2)磁性粒子、標識物質及び重り物質を液体保持部に注入した後に試料を液体保持部に注入する方法、(3)試料と磁性粒子、標識物質及び重り物質とを混合(以下、「事前混合」という。)した後に液体保持部に注入する方法、などの手法を用いることができる。事前混合を採用した場合、磁性粒子を容器越しに磁石で集めながら、容器内を洗浄することによって、容易に磁性粒子及び結合体以外の物質を取り除くことができると共に、結合体の濃縮を行うことができる。その結果、より高精度で高感度な検出が実施可能となり好ましい。
(検出板の表面処理)
検出板の表面には、結合体を構成する標的物質、磁性粒子、標識物質及び重り物質の吸着を抑制する化学的な表面処理を施しておいてもよい。前記表面処理により、結合体が、検出板の表面に捕捉されることなく、遠ざけ磁場等の第1の磁場印加により検出板の表面から遠ざかる、または表面近傍で移動することが容易となるので好ましい。表面処理の方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タンパク質などの吸着を抑制する各種ブロッキング法を用いることができる。ブロッキング法の例としては、ポリエチレングリコールを用いる手法、エタノールアミンを用いる方法、スキムミルクを用いる方法などが挙げられる。表面処理によって結合体の検出板表面への吸着を抑制すれば、安定した正確な検出が可能となる。
光学的測定装置及び光学的測定方法の例を図面を参照しつつ、より詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態で用いる光学的測定装置の基本例である。光学的測定装置1は、検出板2と、光源4と、光検出部7と、第1の磁場印加部8とで構成される。標的物質を含む試料、磁性粒子、標識物質、重り物質の混合溶液3(必ずしも標識物質、重り物質を含むものではない)は、検出板2表面上に保持するように配される。光源4(「光照射部」ともいう。)は、検出板2の裏面に光学的に貼り合せたプリズム10を介して全反射条件で検出板2の裏面側から入射光5を照射するように配される。光検出部7は、入射光5が検出板2の表面で全反射した反射光6の光路上に配され、表面上の領域を検出領域とし、入射光5の照射に伴い発生した増強電場と標的物質を含む結合体との相互作用が反映された反射光6を検出する。第1の磁場印加部8は、検出板2の表面から結合体を遠ざける方向、または前記表面近傍で平行移動させる方向の、遠ざけ磁場又は平行移動用磁場を印加する。検出板2で液体保持部が構成される。図1に示す光学的測定装置1では、全反射条件で検出板2の裏面側から入射光5を照射する目的で、プリズム10を配する構成としているが、同じ目的から裏面に回折格子が形成された検出板を用いることにより、プリズム10に代えることもできる。
本発明の実施形態では、第1の磁場印加部8によって、結合体を検出板の表面から遠ざけ又は表面近傍で平行移動させることによって生じる反射光6の変化を検知することにより、標的物質の検出を行う。ここで、標的物質の検出とは、標的物質の有無の確認、定量測定、実時間観察等をいう。
図1では、検出板2は、混合溶液3の下方となるように記載されているが、これは、検出板2が混合溶液3の上方、または側方になるように配置されてもよい。しかし重力沈降を用いた結合体の検出板の表面への引き寄せを利用する場合には、検出板2は混合溶液3の下方に配置される必要がある。一方、検出板2を混合溶液3の上方や側方に配置した場合は、重力沈降による標的物質以外の物質の非特異的な検出板表面への吸着を低減することができる。この場合、混合溶液3が重力により検出板2から脱離することを防ぐため、検出板2とカバーガラスなどを組み合わせた液体保持機構を用いることが好ましい。
図2は、本発明の実施形態で用いる光学的測定装置の変形例を示す。図2の光学的測定装置1は、結合体を検出板2の表面に引き寄せるための引き寄せ磁場印加部9を設けたものであり、その他の構成は図1と同様である。光学的測定装置1では、引き寄せ磁場の印加によって検出板2の表面付近に結合体を引き寄せた後に、第1の磁場の印加を行う。引き寄せ磁場によって短時間に多くの結合体が、検出板2の表面付近に引き寄せられるため、その後の遠ざけ磁場等の第1の磁場の印加によって、より大きな「反射光信号の変化」が観測され、より高感度に標的物質を検知することができる。結合体が重力沈降しにくい場合や、検出に掛かる時間を大幅に短縮したい場合や、検出板2を混合溶液3の上方や側方に配置した場合に特に有効である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を、図3及び4を参照して説明する。本実施形態では、磁性粒子が反射光信号の変化を生じ、磁性粒子同士が標的物質を介して凝集塊を形成する場合について説明する。試料中の標的物質には、1つ以上の磁性粒子が結合可能である。図3及び図4では、抗体付き磁性粒子には複数の抗体が結合し、抗体付き磁性粒子と抗原との結合によって凝集塊が形成される場合を、図示したものである。図3及び図4では、図示しないが全反射条件で検出板2の裏面側から照射された光が形成する近接場が、検出板表面に発生している。結合体は、図1または図2に記載の装置を用いて検出される。また、図3及び4では、磁性粒子の例として抗体付き磁性粒子16で説明し、標的物質の例として抗原15で説明する。
図3は、重力沈降及び引き寄せ磁場の印加の片方又は両方が作用して結合体が検出板2の表面に引き寄せられている状況を説明する図である。この時、図3に示すように、結合体を形成しなかった抗体付き磁性粒子16単体も、検出板2の表面に引き寄せられる。図4は、遠ざけ磁場を印加した後の状況を説明する図である。図3の状態で引き寄せ磁場が印加されている場合は、該引き寄せ磁場の印加を中止した後、遠ざけ磁場を印加する。ここで、遠ざけ磁場の強さは可変とし、遠ざけ磁場は段階的に磁場の強度を増加させながら印加する。
磁性粒子は、粒子径が大きい程、磁場の強さに対する移動速度が大きい。磁性粒子の凝集塊は、直径の大きい磁性粒子とみなすことができる。したがって、図4のように、磁性粒子の凝集塊は、単体の磁性粒子よりも小さい遠ざけ磁場で検出板2の表面から遠ざかる。
検出板2の表面に、平行移動用磁場を印加する場合については、図示しないが、結合体及び抗体付き磁性粒子16単体は、前記平行移動用磁場によって検出板2の表面近傍で表面に平行に移動させることができる。
図3に示される状況下では、検出板2表面上で近接場内の抗体付き磁性粒子16による光散乱などの効果により、第1の反射光信号が生じる。次に検出板2の表面に対して遠ざけ磁場又は平行移動用磁場を印加して、結合体が検出板2の表面から遠ざかるか、または前記表面近傍で移動することにより、近接場外または検出領域外に運び出されると、前記結合体の影響が消失した、第2の反射光信号が生じる。前記第1の反射光信号から第2の反射光信号への反射光信号の変化を検出することによって、抗原15を検知することができる。
反射光信号の変化を観測する手法としては、特定の検出波長における反射光の強度変化を観測する手法が挙げられる。この場合、光検出器としてはフォトダイオードや光電子増倍管、CMOSイメージセンサなどを用いることができる。遠ざけ磁場又は平行移動用磁場を印加しながら、経時的に前記特定の検出波長における反射光の強度変化を取得して、その経時変化を測定する方法などを用いることができる。
また、反射光信号の変化を観測する手法としては、反射光のスペクトルを測定しておき、スペクトル形状の変化を観測する手法でもよい。この場合、光検出器としては分光器等を用いることができる。例えば、共鳴による増強電場を発生させる検出板を用いる場合に、反射スペクトル上の共鳴波長において反射率のディップが観測される。遠ざけ磁場又は平行移動用磁場の印加によって結合体が近接場外または検出領域外に運び出されると、共鳴条件が変化する。反射スペクトルのディップの位置あるいは深さの変化を観測することによって、標的物質を検出することができる。なお、ここで、ディップとは、基線に対する下に凸な数値変化をいう。具体的には例を示して後述する。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を、図5及び6を参照して説明する。本実施形態では、磁性粒子および標的物質による反射光信号が微弱であるか、または反射光信号を生じない場合に、有効な方法である。本実施形態では、標識物質が生じる反射光信号を検知して、試料中の標的物質を検知する。本実施形態では、標的物質を磁性粒子と標識物質とで挟み込んで、所謂サンドイッチ構造をとる場合を例に説明を行う。なお、標識物質が色素であって、標的物質自体に反射光信号を生じる機能を付与する場合については、説明を省略するが、同様である。
図5及び図6は、標的物質1つに対して1つの磁性粒子と1つの標識物質が結合して結合体を形成している場合について図示したものである。磁性粒子と標識物質はそれぞれ複数個標的物質と結合して結合体を形成してもよい。図5及び図6では図示しないが、全反射条件で検出板2の裏面側から照射された光が形成する近接場が、検出板表面に発生している。結合体は、図1または図2に記載の装置を用いて検出される。また、図5及び6では、磁性粒子の例として、抗体付き磁性粒子16で説明し、標識物質の例として、抗体付き標識粒子17で説明し、標的物質の例として抗原15で説明する。
図5は、重力沈降及び引き寄せ磁場の印加の片方又は両方が作用して、磁性粒子と標的物質の結合体が検出板2の表面に引き寄せられている状況を説明する図である。この時、図5に示すように、結合体を形成しなかった抗体付き磁性粒子16単体も、検出板2の表面に引き寄せられる。図6は、遠ざけ磁場を印加した後の状況を説明する図である。図5の状態で引き寄せ磁場が印加されている場合は、該引き寄せ磁場の印加を中止した後、遠ざけ磁場を印加する。遠ざけ磁場の強さは、磁性粒子を移動させるのに十分な一定値としてもよいし、可変としてもよい。図6のように、結合体及び抗体付き磁性粒子16単体は、遠ざけ磁場によって検出板2の表面から遠ざかる。
検出板2の表面に、平行移動用磁場を印加する場合については、図示しないが、結合体及び抗体付き磁性粒子16単体は、前記平行移動用磁場によって検出板2の表面近傍で表面に平行に移動させることができる。
図5に示される状況下では、検出板2表面上で近接場内の結合体及び抗体付き標識粒子17単体により第1の反射光信号が発生する。次に、図6に示すように、検出板2の表面に対して遠ざけ磁場又は平行移動用磁場を印加すると、結合体及び抗体付き磁性粒子16単体は検出板2の表面から遠ざかるか、または前記表面近傍で移動することにより近接場外または検出領域外に運び出されるので、その結果、前記結合体の影響が消失した、第2の反射光信号が発生する。前記第1の反射光信号から第2の反射光信号への反射光信号の変化を検出することによって、抗原15を検知することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を、図7、8及び9を参照して説明する。本実施形態では、試料中で、標的物質に磁性粒子と重り粒子を結合させる場合について説明する。標的物質を磁性粒子と重り粒子とで挟み込んで、サンドイッチ構造をとる場合を例に説明を行う。本実施形態では、磁性粒子が反射光信号を生じる場合について説明するが、磁性粒子に加え、重り粒子が反射光信号を生じてもよい。
図7、8及び9では、標的物質1つに対して1つの磁性粒子と1つの重り物質が結合して結合体を形成している場合について図示したものである。磁性粒子と標識物質はそれぞれ複数個標的物質と結合して結合体を形成してもよい。図7、8及び9では、図示しないが、全反射条件で検出板2の裏面側から照射された光が形成する近接場が、検出板2表面に発生している。結合体は、図1または図2に記載の装置を用いて検出される。また、図7、8及び9では、磁性粒子の例として、抗体付き磁性粒子16で説明し、重り物質の例として、抗体付き重り粒子18で説明し、標的物質の例として抗原15で説明する。
図7は、重力沈降及び引き寄せ磁場の印加の片方又は両方が作用して結合体が検出板2の表面に引き寄せられている状況を説明する図である。この時、図7に示すように、未結合の前記抗体付き磁性粒子16単体も、検出板2の表面に引き寄せられる。またこの時、未結合の前記抗体付き重り粒子18単体も、重力沈降や検出板2の表面との非特異吸着によって検出板2の表面近傍に存在している可能性がある。図7の状態で、引き寄せ磁場が印加されている場合は、該引き寄せ磁場の印加を中止した後、遠ざけ磁場を印加する。遠ざけ磁場の強さは可変とし、遠ざけ磁場は段階的に磁場の強度を増加させながら印加する。このとき、抗体付き重り粒子18が結合した結合体は、未結合の抗体付き磁性粒子16単体に比べて重いため、未結合の抗体付き磁性粒子16単体よりも強い遠ざけ磁場を印加しなければ移動しない。
図8は、弱い遠ざけ磁場が印加された状況を説明する図である。図8のように、遠ざけ磁場の強さを増大させていくと、はじめに未結合の抗体付き磁性粒子16単体が遠ざけ磁場によって検出板2の表面から遠ざかる。一方、結合体及び抗体付き重り粒子18単体は、そのまま検出板2の表面近傍に残り、移動しない。
図9は、強い遠ざけ磁場が印加された状況を説明する図である。図8の状態から遠ざけ磁場の強さをさらに増大させると、結合体が遠ざけ磁場によって検出板2の表面から遠ざかる。
検出板2の表面に、平行移動用磁場を印加する場合については、図示しないが、結合体及び抗体付き磁性粒子16単体は、前記平行移動用磁場によって検出板2の表面近傍で表面に平行に移動させることができる。平行移動の場合も、結合体は、未結合の磁性粒子単体よりも強い磁場を印加しなければ移動しない。
図7に示される状況下では、検出板2表面上で近接場内の結合体及び抗体付き磁性粒子16単体により、第1の反射光信号が発生する。次に、図8に示すように、検出板2の表面に対して弱い遠ざけ磁場を印加すると、抗体付き磁性粒子16単体が検出板2の表面から遠ざかるか、または前記表面近傍で移動することにより近接場外または検出領域外に運び出されるので、抗体付き磁性粒子16単体の影響が消失した第2の反射光信号が発生する。さらに、図9に示すように、検出板2の表面に対して強い遠ざけ磁場を印加すると、結合体が検出板2の表面から遠ざかるか、または前記表面近傍で移動することにより近接場外または検出領域外に運び出されるので、結合体の影響が消失した第3の反射光信号が発生する。よって、前記第2の反射光信号から第3の反射光信号への反射光信号の変化を検出することによって、抗原15を検知することができる。
第1、第2及び第3の実施形態で、引き寄せ磁場の印加がなされている場合は、引き寄せ磁場の印加を中止した後に、遠ざけ磁場又は平行移動用磁場を印加した。しかし、遠ざけ磁場及び平行移動用磁場が、引き寄せ磁場が印加されている状態でも、磁性粒子と結合している標的物質の結合体を検出板2の表面から遠ざける、または移動させることが可能であれば、引き寄せ磁場は印加したままでも良い。例えば、これは、遠ざけ磁場や平行移動用磁場を引き寄せ磁場よりも十分に強くすることにより、可能である。
(測定原理の検証)
本発明の第1、第2、第3の実施形態における測定原理の検証の為の実験例1について以下述べる。本実験例1では、図2に記載の光学的測定装置1を用い、具体的には図10に示す構成で装置を構築した。図10の光学的測定装置は、光源の白色LED24と、コリメートレンズと偏光フィルタ25と、プリズム26と、検出板としての導波モード検出板22と、光検出部の分光器27と、遠ざけ磁場印加部28と、引き寄せ磁場印加部29とで構成される。測定試料23を搭載する導波モード検出板22は、導波モードによる増強電場を形成可能な検出板であり、光透過性基板のSiO2層の上に、Si層、SiO2層をこの順番で積層した積層構造を有する。
本実験例1では、導波モード検出板22として、光透過性基板のSiO2層の厚みが0.75mm、Si層の厚みが36nm、SiO2層の厚みが365nmで構成される検出板を用いた。また、検出板の表面には、メトキシオリゴエチレングリコール−シラン化合物により自己組織化単分子膜を形成し、結合体や夾雑物の吸着を抑制する表面処理を行った。
本実験例1では、導波モード検出板22の裏面にはSiO2ガラス製のプリズム26を光学的に密着させて配し、光源の白色LED24からの白色光を、S偏光が検出板に入射するように、偏光フィルタを介してプリズム26へ入射した。プリズム26には底角38°の平行台形プリズムを用い、プリズム底面と平行に白色光を入射した。この条件で光を照射すると、検出板上に水が置かれている場合は波長530nm付近において、導波モード検出板22を構成するSiO2層中に導波モードが励起され、検出板の表面に増強電場が形成される。
図11に、検出板表面上に水のみを載せたときのスペクトルを示す。図11に示すように反射光のスペクトル上に導波モード励起に伴う反射率のディップが生じた。増強電場内の屈折率が変化を生じる物体が入ると、導波モードの共鳴条件が変化し、このディップ位置の移動が観測される。増強電場内で光散乱または光吸収を生じる物体が入ると、このディップの深さの増大、つまりディップが深くなる現象が観測される。一方、増強電場内に入っていた屈折率変化を生じる物体や光散乱または光吸収を生じる物体が全て増強電場外で出ると、ディップは元の位置及び形状に戻る。このようなディップ位置やディップ深さの変化、すなわちスペクトル形状の変化を観測することで、検出板表面の増強電場内への物質の出入りを高感度に検知することができる。
図10に示すように、本実験例1では、第1の磁場印加部8に相当する遠ざけ磁場印加部28としては、重力方向に移動する一軸ステージ上に固定されたネオジム磁石を用いた。遠ざけ磁場印加部28は、検出板の直上に配され、一軸ステージの移動により磁石と検出板との距離を変化させることにより、印加する磁場の強さを変化させた。また、引き寄せ磁場印加部29は、スライダ上に固定されたネオジム磁石を用いた。引き寄せ磁場印加部29は、プリズム26の直下に配され、スライダの出し入れにより引き寄せ磁場印加の有無を切り替えた。
本実験例1では、磁性粒子として1μm径の酸化鉄磁性粒子(GEヘルスケア社)を用いた。本実験例1は、磁性粒子が反射光信号を生じる場合を想定し、磁性粒子に対して引き寄せ磁場あるいは遠ざけ磁場を印加しながら反射光信号を観測した。なお、本実験例1では、実際に、標的物質と磁性粒子等との結合体を用いて実施したわけではないが、特に磁性粒子に着目して反射光信号の変化を観察することにより、結合体を用いた場合においても、本発明が有効であることがわかるので、磁性粒子のみで実施した。反射光信号としては、スペクトル上のディップ深さを用い、ディップ底点における反射率の値の経時変化を計測した。溶媒を水とした濃度5mg/mLの前記酸化鉄磁性粒子の分散液30μLを導波モード検出板22上に滴下し、保持した。分散液の滴下後、1分間磁場を印加せずに静置した。その後、引き寄せ磁場を1分間印加し、さらに引き寄せ磁場の印加を中止すると同時に遠ざけ磁場を印加した。
観測された反射光信号の変化を図12に示す。図12は、分散液の滴下直後から、2秒毎に取得したディップ底点の反射率の値である。反射率の値が小さいほどディップが深いことを示す。図中(1)は磁場印加なし、(2)は引き寄せ磁場印加、(3)は遠ざけ磁場印加を示す。まず、導入からはじめの1分間は磁場を印加せずに静置したものである((1)参照)が、時間経過に伴う反射光信号の変化として反射率の減少が見られた。これは、磁性粒子の重力沈降により、検出板表面の増強電場内に存在する磁性粒子の数が増加し、磁性粒子の光散乱の効果により反射率が減少したものと考えられる。その後、引き寄せ磁場の印加時((2)参照)には、重力沈降と比較してより急峻な反射光信号の変化として反射率の減少が見られた。その減少は約25秒で飽和し、変化が見られなくなった。これは、引き寄せ磁場によって磁性粒子が検出板に向かって素早く移動し、約25秒ですべての磁性粒子が検出板表面に捕集されたことを示す。さらにその後、遠ざけ磁場の印加時((3)参照)には、急峻な反射光信号の変化として反射率の増加が見られ、その増加は約25秒で飽和し、変化が見られなくなった。これは、遠ざけ磁場によって磁性粒子が検出板から離れる方向に素早く移動し、約25秒ですべての磁性粒子が検出板表面の増強電場外に運び出されたことを示す。
本実験例1で示すように、引き寄せ磁場および遠ざけ磁場の印加により、検出板表面の増強電場内に磁性粒子を素早く出し入れすることができ、その磁性粒子の出入りを反射光信号の変化により検知することができる。したがって、磁性粒子に抗体等を修飾する手法は既に公知の方法で実施できるので、標的物質と少なくとも磁性粒子との結合体を形成し、本発明の光学的測定方法や光学的測定装置を用いれば、結合体の検出において、誤検知を抑制しかつ高速に実施することができる。
なお、上記実施の形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明の光学的検出装置及び方法は、DNA、RNA、タンパク質、ウイルス、細菌等の生体関連物質を初めとして、微小物質の検出・定量に広く適用でき産業上有用である。
1 光学的測定装置
2 検出板
3 混合溶液
4 光照射部
5 入射光
6 反射光
7 光検出部
8 第1の磁場印加部
9、29 引き寄せ磁場印加部
10、26 プリズム
15 抗原
16 抗体付き磁性粒子
17 抗体付き標識粒子
18 抗体付き重り粒子
22 導波モード検出板
23 測定試料
24 白色LED
25 コリメートレンズと偏光フィルタ
27 分光器
28 遠ざけ磁場印加部

Claims (13)

  1. 近接場の形成された検出板の表面上の標的物質を含む結合体を、前記近接場を発生させる照射光の反射光信号を用いて検出する標的物質の光学的測定方法であって、
    前記結合体は少なくとも前記標的物質と磁性粒子の結合によって形成され、前記結合体を前記表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1の磁場の印加によって生じる前記反射光信号の変化を計測して、前記標的物質を検出することを特徴とする、光学的測定方法。
  2. 前記反射光信号の変化は、前記第1の磁場の印加により前記結合体が前記表面に平行な方向に移動する、または前記表面から遠ざかることによることを特徴とする請求項1記載の光学的測定方法。
  3. 前記結合体が重力沈降によって、前記表面付近に沈降した後に、前記結合体を前記第1の磁場の印加により移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学的測定方法。
  4. 前記結合体を引き寄せ磁場の印加により前記表面付近に引き寄せた後に、前記結合体を前記第1の磁場の印加により移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の光学的測定方法。
  5. 前記引き寄せ磁場の印加と、前記第1の磁場の印加を、交互に複数回行うことを特徴とする請求項4記載の光学的測定方法。
  6. 前記結合体は、前記標的物質に、前記近接場に対する光吸収若しくは光散乱を生じる標識物質、または前記標的物質が含まれている溶媒よりも高屈折率の標識物質のうちの少なくともいずれかが結合していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の光学的測定方法。
  7. 前記結合体は、前記標的物質に、重り物質が結合していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の光学的測定方法。
  8. 前記表面には、前記結合体の吸着を抑制する化学的な処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の光学的測定方法。
  9. 裏面側から全反射条件で照射される光により表面上に近接場を形成可能な検出板を備え、かつ、標的物質を含む液体の試料及び前記標的物質と結合体を形成する磁性粒子を前記検出板の前記表面上に保持可能な液体保持部と、
    前記全反射条件で前記検出板の前記裏面側から光を照射する光照射部と、
    前記検出板で反射した反射光を検出する光検出部と、
    前記結合体を前記表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1の磁場を印加する第1の磁場印加部とを
    備えることを特徴とする、光学的測定装置。
  10. 前記結合体を前記表面に引き寄せる磁場を印加する引き寄せ磁場印加部を備えることを特徴とする請求項9に記載の光学的測定装置。
  11. 前記検出板が、裏面から表面に向けて、光透過性基板、表面プラズモン共鳴を発生する金属層の順で積層された積層構造を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の光学的測定装置。
  12. 前記検出板が、裏面から表面に向けて、光透過性基板、金属層又は半導体層、光透過性誘電材料で形成される誘電体層の順で積層された積層構造を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の光学的測定装置。
  13. 前記表面は、前記結合体の吸着を抑制する表面であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項記載の光学的測定装置。

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