JP4517946B2 - 時間分解分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、雰囲気媒体の存在下での試料表面の経時変化を分析する分光分析装置、及び摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析する分光分析装置に関する。
材料の表面分析、特に分光分析のために多くの装置が考案されている。このような分光分析装置では一般に、光源から光を照射し、試料表面で散乱する光又は試料表面からの蛍光を測定することによって、その表面の状態を分析している。このような分析装置としては、特許文献1〜5に示すような装置を挙げることができる。
特許文献1は、DNAチップ解析のための時間分解蛍光分析装置であり、パルスレーザーをマイクロ秒単位のタイミングで制御しながら照射して、このレーザーによって発生する遅延蛍光を分析することを開示している。特許文献2は、ナノ秒以下の時間分解能を有するDNA解析のための2次元時間分解分光物質検出方法を開示しており、ここではパルス状の紫外光を励起光として用いて蛍光を発生させ、検知対象物質を検知している。
特許文献3は、探針を試料に対して固定することができる試料台であって、探針を移動させる駆動部から脱着可能な試料台を開示しており、ここではこの駆動機構が圧電素子(ピエゾ素子)等を有することを開示している。特許文献4及び5は、ピエゾ素子を用いた微小移動装置を光学的分析装置での位置決めのために用いることを開示している。
特開2002−286639号公報 特開2004−294105号公報 特開2004−226183号公報 特開2004−257844号公報 特開2003−108228号公報
従来の分光分析装置では一般に、分析される試料のみを試料台上に配置して分析している。しかしながら、特定の雰囲気媒体中における試料の表面の性質を分析すること、例えば雰囲気媒体中の成分の作用による試料表面の経時変化を分析することが有益な場合がある。このような場合、従来の分光分析装置では、試料表面上に雰囲気媒体を存在させたままで分析を行うこと、雰囲気媒体を除去してから試料表面の分析を行うこと等が考慮される。
しかしながら、試料表面上に雰囲気媒体、特に液体媒体を存在させたままで光学的分析を行う場合、光源からの光の一部が雰囲気媒体によって吸収、散乱等されて、試料表面の評価が困難になることがある。また、試料表面上の雰囲気媒体の厚さが、光学的な分析を防げないほど薄い場合には、試料表面上で雰囲気媒体が不足し、雰囲気媒体による試料表面への作用が十分に行なわれないことがある。
雰囲気媒体を除去してから試料表面の分析を行う場合、雰囲気媒体を除去する追加の操作が必要になるだけでなく、試料表面の経時変化を連続的に分析することができない。
よって本発明では、十分な量の雰囲気媒体の存在下においても試料表面の状態を分析できる分光分析装置を提供する。
また、ブレーキバッドとブレーキディスクのような摩擦を受ける材料の開発では、摩擦を受けている2つの材料の間の界面の特性を分析することが重要である。しかしながら、従来の分光分析装置では、摩擦されている材料の間の界面の特性を分析することは困難であった。
よって本発明では、摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析できる分光分析装置を提供する。
十分な量の雰囲気媒体の存在下においても試料表面の状態を分析できる本発明の分光分析装置は、分析する試料を配置するための試料台;試料台上の試料に対して光を照射して散乱光又は蛍光を発生させる、光源;試料と光源との間に配置されて、光源からの光が透過するようにされている、窓材;試料と窓材との間に満たされる雰囲気媒体を保持する、雰囲気媒体保持部;試料と窓材との間隔を変動させる、駆動機構;並びに試料の表面で発生する散乱光又は蛍光を受け取る、検知部を有する。ここで、駆動機構は、試料と窓材との間隔を、複数回の連続的な分析の分析と分析の間に変動させ、それによって試料上の雰囲気媒体の厚さが小さくなったときに、検知部によって試料の表面の状態を分析する
本発明のこの分光分析装置によれば、駆動機構によって試料と窓材との間隔を大きくして、試料上の雰囲気媒体の厚さが大きくなるようにしたときには、試料表面が十分な量の雰囲気媒体と接触するので、試料の表面と雰囲気媒体との間の反応又は雰囲気媒体の作用による試料表面の変質等が可能になる。また、駆動機構によって、試料と窓材との間隔を小さくして、試料上の雰囲気媒体の厚さが小さくなるようにしたときには、雰囲気媒体による光源からの光の吸収、散乱等が比較的少ないので、雰囲気媒体による妨害を受けない試料表面の分析が可能になる。
この本発明の分光分析装置の1つの態様では、試料の表面での反応を励起する反応励起光を試料の表面に照射する反応励起光源を更に有し、この反応励起光源は、検知器によって散乱光又は蛍光を検知するときには照射を行わない。
本発明のこの態様によれば、反応励起光が存在する場合の試料表面での反応を、反応励起光による妨害を受けずに、検知器によって検知することができる。
摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析できる本発明の分光分析装置は、第1の試料を保持する試料台;試料台に保持されている第1の試料と接触するようにして、薄膜状の第2の試料を保持する、窓材;試料台に対して窓材を水平に移動させて、第1の試料と第2の試料とを摩擦する、駆動機構;窓材を通して第2の試料の背面から、第1の試料と第2の試料との界面に対して光を照射して、散乱光又は蛍光を発生させる、光源;並びに第1の試料と第2の試料との界面で発生する散乱光又は蛍光を受け取る、検知部を有する。
本発明のこの分光分析装置によれば、薄膜状の第2の試料の厚さが十分に薄い場合又は摩擦によって十分に薄くなった場合に、特に薄膜状の第2の試料の近傍に表面プラズモンが励起されるようにして、摩擦されている第1の材料と第2の材料との界面の状態を分析することができる。
以下では本発明を図に示した実施形態に基づいて具体的に説明するが、これらの図は本発明の分光分析装置の概略を示す図であり、本発明はこれらの図で示される実施形態に限定されるものではない。
(雰囲気媒体の存在下での試料表面の状態を分析する分光分析装置)
雰囲気媒体の存在下においても試料表面の状態を分析することができる本発明の分光分析装置は、図1に示すようなものであってよい。ここで図1の(a)及び(b)はそれぞれこの分光分析装置の横断面図及び上面図である。この図1で示す分光分析装置10は、分析する試料11を配置するための試料台16;試料台16上の試料11に対して光15aを照射して散乱光又は蛍光15bを発生させる、光源15;試料11と光源15との間に配置されて、光源15からの光15aが透過するようにされている、窓材12;試料11と窓材12との間に満たされる雰囲気媒体13を保持する、雰囲気媒体保持部16;試料11と窓材12との間隔を分析の間に変動させる、駆動機構14;並びに試料11の表面で発生する散乱光又は蛍光15bを受け取る、検知部18を有する。
分析される試料11は、光源15からの光15aを受けて発生する散乱光又は蛍光15bによってその表面の状態を分析できる任意の試料、特に固体試料である。
雰囲気媒体13は、分析される試料11の表面と作用させることを意図した任意の気体又は液体媒体でよい。本発明の分光分析装置10では、分析時に窓材12と試料11の表面との間に存在する雰囲気媒体13の厚さを小さくできるので、光源15からの光に対する透過性が低い媒体、特に液体媒体を、この雰囲気媒体13として使用することもできる。
従って本発明のこの分光分析装置10で分析される試料11と雰囲気媒体13との組み合わせとしては、装飾等のための塗膜と塩水等の腐食性の液体との組み合わせを用いて、塗膜の劣化の経時変化を観察することができる。また、固体触媒とこの触媒による触媒反応を受ける化合物を含有する気体又は液体である雰囲気媒体との組み合わせを用いて、触媒表面の状態の経時変化を観察すること、電極材料と電解液との組み合わせを用いて、電極材料表面の状態の経時変化を観察すること等もできる。
窓材12は、光源15からの光を透過させることができる任意の材料で作ることができる。またこの窓材12は、使用する雰囲気媒体13による劣化を実質的に受けないことが好ましい。従って例えば、窓材12は、石英、サファイア等で作ることができる。
尚、本発明の分光分析装置では、表面プラズモンを利用して試料11の表面の分析を高感度で行うこともできる。この場合には、金、銀、銅、アルミニウム等の金属の薄膜を窓材12又は窓材12の半球状又は台形状部分等に蒸着させ、駆動機構14によってこの薄膜を試料11に実質的に接触させ、臨界角以上の角度で光源15からこの薄膜に対して光15aを入射させて、エバネッセント光を発生させる。このエバネッセント光は、強い電場強度を有し、従って試料11での蛍光、ラマン散乱光等の発生を増強させることができる。
駆動機構14としては、試料11と窓材12との間の間隔を分析の間に変動させることができる任意の機構を用いることができ、従って窓材12を移動させるものに限定されず、試料11を保持している試料台16を移動させるものであってもよい。図1で示されている駆動機構14は、ピエゾ素子14aと、図示されていない導線によって制御装置に接続されている電極14bとを有する。ピエゾ素子14aを有するこの駆動機構では、電極14bによってピエゾ素子14aに電圧を印加することによって、ピエゾ素子14aを伸縮させる。この駆動機構14は、試料11と窓材12との間隔を変動させることができるようにして窓材12を保持している。但し、本発明の分光分析装置で使用できる駆動機構14はピエゾ素子を有するものに限定されず、例えば微小な移動を可能にするリニアモーター等の任意の他の機構を用いることもできる。
駆動機構14は、意図する測定に応じて任意の周期で試料11と窓材12との間隔を変動させることができ、例えば0.01Hz〜1000kHz、特に10Hz〜1000kHz、より特に10kHz〜500kHzの周期で、試料11と窓材との間隔を変動させることができる。また、駆動機構14は、試料11と窓材12との間の距離を意図する測定に応じて変動させることができ、例えば試料11と窓材12との間隔が最も大きいときの距離を10,000nm以上、特に5,000nm以上、より特に1,000nm以上とし、試料11と窓材12との間隔が最も小さいときの距離を100nm以下、特に50nm以下、より特に10nm以下とすることができる。
光源15は、試料11の上部に配置されており、支持部材17aの開口部17a′を通して光15aを試料11に照射して、散乱光又は蛍光15bを発生させる。本発明の分光分析装置10で用いることができる光源15としては、紫外光レーザー、可視光レーザー又は赤外光レーザー等のレーザーを発生させるレーザー発生装置を用いることができる。
図1で示される分光分析装置10では、番号16で示されるように、雰囲気媒体保持部は試料台と一体に形成されており、液体である雰囲気媒体13を保持している。しかしながら、図4に示す本発明の分光分析装置40でのように、テフロン(登録商標)製OリングのようなOリング46を、試料11の表面と窓材12との間に雰囲気媒体13を保持するための雰囲気媒体保持部として用いることもできる。このようにしてOリングを用いる場合、このOリングは、試料11と窓材12との間隔を変化させるのに十分な弾性を有さなければならない。また、Oリングを用いる場合、試料11と窓材12との間隔を小さくしたときに雰囲気媒体13が逃げることを可能にするために、図示していない液だめを緩衝容器として用いることが好ましい。
これらの雰囲気媒体保持部16、駆動機構14等は、支持部材17a及び17bによってその位置を固定されている。
検知部18は、光15aを試料11に照射することによって発生するラマン散乱光のような散乱光又は蛍光15bを受け取って対応する信号を出力する任意の装置である。本発明の分光分析装置10では、この検知部から出力した電気信号に基づいて試料11について分析を行う。
図1に示す分析装置10の使用においては、始めに、図1に示すようにして試料11と窓材12との間に十分な量の雰囲気媒体13が存在するようにして、雰囲気媒体13による試料11の処理又は雰囲気媒体13と試料11との間の反応が進行するようにする。その後、所定の時間が経過して処理又は反応が進行した後で、駆動機構14によって窓材12を試料11に近づけて、図2で示すように、試料11上の雰囲気媒体13の厚さを小さくし、又は試料11上に雰囲気媒体13が実質的に存在しないようにする。このようにして雰囲気媒体13が分析を防害しないようにした状態で、レーザー発生装置15から光15aを試料11に照射する。この光15aによって発生させた散乱光又は蛍光15bを検知部18で受け取って分析することによって、試料11の表面の状態を分析する。
この分析は複数回にわたって連続的に行うことができ、例えば駆動機構14によって窓材12を周期的に動かして、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが小さくなったときに試料11の表面の状態を分析することもできる。
また、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが大きくなったときに雰囲気媒体13からの散乱光又は蛍光が分析可能である場合、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが小さくなったときに試料11の表面の状態を分析し、且つ試料11上の雰囲気媒体13の厚さが大きくなったときに雰囲気媒体13の状態を分析することもできる。この場合、例えば図3に示すように、10マイクロ秒(100kHz)の周期で駆動機構14によって窓材12を周期的に動かして、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが2,000nm〜20nmの範囲で変動するようにする。このようにして窓材12を周期的に動かしながら、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが最大(2,000nm)のときに100ピコ秒にわたって雰囲気媒体13の分析を行い、且つ試料11上の雰囲気媒体13の厚さが最小(20nm)のときに100ピコ秒にわたって試料11の表面の分析を行うことができる。
電池反応が行なわれているときの電極表面の状態を分析するために本発明のこの分光分析装置を使用する場合、図5で示す分光分析装置50でのようにして、試料として電極材料51aを用い、窓材12の表面にこの電極材料51aと対になる電極材料51bを配置し、且つ雰囲気媒体13として電池反応のための電解液を用いることができる。ここでは、電極材料51a及び51bが、抵抗を介して電気的に接続されており、電池反応が可能なようにされている。
また、本発明のこの分光分析装置は、紫外光、赤外光、可視光等の反応励起光が存在する場合の、雰囲気媒体の存在下における試料表面の状態を分析するために使用することもできる。この場合、分析の間に常に反応励起光を照射しておくこともできるが、分析を行うときには反応励起光が試料に照射されないようにし、それによって反応励起光による防害がないようにして分析を行うこともできる。これは例えば、図6に示す分光分析装置60でのように、駆動機構14と同期して光路を開閉するシャッター(しぼり)68をによって反応励起光69が断続的に試料11に照射されるようにしている反応励起光源を用いることによって達成できる。
ここで使用できるシャッター68は、例えば図7に示すようなものであり、反応励起光69を透過させる透過性材料によって作られた部分68aと、反応励起光を遮断する不透過性材料によって作られた部分68bとを有し、回転することによって光路を開閉するものであってよい。この場合には、反応励起光による妨害を受けずに、レーザー15aによってもたらされる散乱光又は蛍光15bを観察することができる。
図6で示すような分析装置操作60の使用においては、例えば図8に示すように、10マイクロ秒の周期で駆動機構14によって窓材12を周期的に動かして、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが2,000nm〜20nmの範囲で変動するようにする。またこれと同時に、この駆動機構14と同期させてシャッター68によって光路を開閉して、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが最大及び最小である期間を含む2.5マイクロ秒の期間にわたって、反応励起光69が遮断されるようにする。このような操作を行いながら、試料11上の雰囲気媒体13の厚さが最大で且つ反応励起光69が照射されていない100ピコ秒の期間にわたって雰囲気媒体13の分析を行い、また試料11上の雰囲気媒体13の厚さが最小で且つ反応励起光69が照射されていない100ピコ秒の期間にわたって試料11の表面の分析を行うことができる。
(摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析する分光分析装置)
摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析する本発明の分光分析装置は、図9に示すような装置であってよい。ここで図9の(a)及び(b)はそれぞれこの分光分析装置の横断面図及び上面図である。この図9で示す分光分析装置100は、第1の試料101を保持する試料台106;試料台106に保持されている第1の試料101と接触するようにして薄膜状の第2の試料103を保持する、窓材102;試料台106に対して窓材102を水平に移動させて、第1の試料101と第2の試料103とを摩擦する、駆動機構104;窓材102を通して第2の試料103の背面から、第1の試料101と第2の試料103との界面に対して光105aを照射して散乱光又は蛍光105bを発生させる、光源105;並びに第1の試料101と第2の試料103との界面で発生する散乱光又は蛍光105bを受け取る、検知部108を有する。
第1の試料101及び第2の試料103は、互いに摩擦されているときのそれらの界面の性質を分析することが意図される任意の材料として選択できる。従ってこの材料としては、自動車等のためのブレーキバッド及びブレーキディスクとして使用される材料の組み合わせ等の使用時に接触して摩擦される材料の組み合わせを選択することができる。また、第1の試料101と第2の試料103との間に、潤滑用オイルのような潤滑剤を存在させることもできる。
第2の試料103は、窓材102の側から光を照射したときに第1の試料101と第2の試料103との間の界面の性質の分析を可能にするのに十分に薄くなければならない。この第2の試料103が金属である場合、窓材102に対して金属材料を被覆することによってこの第2の試料103を得ることができる。この金属皮膜の厚さとしては、20nm〜30nmの厚さを選択することができる。尚、この薄膜状の第2の試料103は、第1の試料101との摩擦によって、これらの試料の間の界面の特性が可能な程度まで薄くすることもできる。
第2の試料103の厚さが十分に薄い場合、表面プラズモンを利用して第1の試料101と第2の試料103との間の界面の性質を高感度で分析することもできる。この場合には、金、銀、銅、アルミニウム等の金属の薄膜を窓材102又は窓材102の半球状、台形状等の部分102aに蒸着させて第2の試料103とし、駆動機構104によって第1の材料101と第2の試料103とを摩擦し、臨界角以上の角度で光源105からこの薄膜に対して光105aを入射させて、エバネッセント光を発生させる。このエバネッセント光は、強い電場強度を有し、従って第1の材料101と第2の試料103との界面での蛍光、ラマン散乱光等の発生を増強させることができる。
窓材102及び102aは、光源105からの光を透過させることができる任意の材料で作ることができる。従ってこの窓材102は、石英、サファイア等で作ることができる。またここでは、窓材102は、固定部材109を介して、支持部材107aに固定されている。
駆動機構104としては、試料台106上の第1の試料101を、窓材102上の第2の試料103に対して相対的に水平に移動させて、第1の試料101と第2の試料103とを摩擦する任意の機構を用いることができる。従って駆動機構104は、第2の試料103を保持している窓材102を移動させるものであってもよい。
図9で示されている駆動機構104は、ピエゾ素子104aと、図示されていない導線によって制御装置に接続されている電極104bとを有する。ピエゾ素子104aを有するこの駆動機構104では、電極104bによってピエゾ素子104aに電圧を印加することによって、ピエゾ素子14aを伸縮させることができる。またこの図9で示されている2つの駆動機構104は、支持部材107cによってそれぞれその位置を固定されており、試料台106の両側の駆動機構104が交互に伸縮することによって、試料台106を水平に振動させるようにされている。尚、本発明の分光分析装置で使用できる駆動機構104はピエゾ素子を有するものに限定されず、例えば微小な移動を可能にするリニアモーター等の任意の他の機構を用いることもできる。
駆動機構104は、意図する測定に応じて任意の周期で第1の試料101と第2の試料103とを摩擦することができ、例えば0.01Hz〜1000kHz、特に10Hz〜1000kHz、より特に10kHz〜500kHzの周期で、第1の試料101と第2の試料103とを摩擦することができる。また、駆動機構104は、意図する測定に応じて任意の振れ幅で第1の試料101と第2の試料103とを摩擦することができ、例えば1μm〜20μm、特に5μm〜15μmの振れ幅で、第1の試料101と第2の試料103とを摩擦することができる。更に、第2の試料を第1の試料に対して押し当てる圧力も、意図する測定に応じて任意の設定できる。
光源105は、第2の試料103の上部に配置されており、光105aによって、支持部材107aの開口部107a′を通して第2の試料103の背面を照射し、散乱光又は蛍光105bを発生させるようにされている。本発明の分光分析装置で用いることができる光源105としては、紫外光レーザー、可視光レーザー又は赤外光レーザー等のレーザーを発生させるレーザー発生装置を用いることができる。
ここで発生する散乱光又は蛍光105bは、第2の試料103の厚さが大きい場合には、実質的に第2の試料103の性質を表す。しかしながら、第2の試料103が十分に薄い場合、又は第2の試料103と第1の試料101との間の摩擦によって第2の試料103が十分に薄くなった場合、ここで得られる散乱光又は蛍光105bは、第2の試料103と第1の試料101との界面の性質を表すようになる。
試料台106は、第1の試料101を保持するための機械的な保持具を有することもできるが、試料台106と第1の試料101との間の摩擦によって第1の試料101を保持することもできる。また、試料台106と第1の試料101との間に接着剤を適用して、第1の試料101を保持することもできる。
検知部108は、光105aを第1の試料101と第2の試料103との界面に照射することによって発生するラマン散乱光のような散乱光又は蛍光105bを受け取って対応する電気信号を発生させる任意の装置である。本発明の分光分析装置100では、この検知部108で発生させた電気信号に基づいて、これらの試料間の界面の状態について分析を行う。
図9に示す分析装置100の使用においては例えば、駆動機構104によって第2の試料103を第1の試料101に対して水平に振動させ、第2の試料103と第1の試料101との間で摩擦を発生させる。この間に常に光105aを第2の試料103の背面に照射して得られる散乱光又は蛍光を分析することができる。また、駆動機構104によって第2の試料103を第1の試料101に対して水平に振動させたときに発生する摩擦力を測定し、関心のある摩擦が発生する位置についてのみ、散乱光又は蛍光105bを分析することもできる。具体的には例えば図10で示されるように、10μmの振れ幅及び10マイクロ秒の周期で摩擦を行い、始めに図10(b)で示される摩擦力に関する測定を行う。その後で、関心のある摩擦が発生する位置、すなわちここでは大きな摩擦力が発生する位置(+1.25μm〜+1.75μm)について、散乱光又は蛍光105bを分析することができる。
雰囲気媒体の存在下において試料表面の経時変化を分析する本発明の分光分析装置の1つの態様の概略断面図及び上面図である。 図1に示す本発明の分光分析装置の動作を示す概略断面図である。 図1に示す本発明の分光分析装置の制御タイミングを表すグラフである。 雰囲気媒体の存在下において試料表面の経時変化を分析する本発明の分光分析装置の他の態様の概略断面図である。 雰囲気媒体の存在下において試料表面の経時変化を分析する本発明の分光分析装置の更に他の態様の概略断面図である。 雰囲気媒体の存在下において試料表面の経時変化を分析する本発明の分光分析装置の更に他の態様の概略断面図である。 図6に示す本発明の分光分析装置で使用できるシャッターを表す上面図である。 図7に示す本発明の分光分析装置の制御タイミングを表すグラフである。 摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析する本発明の分光分析装置の1つの態様の概略断面図である。 図9に示す本発明の分光分析装置の制御タイミングを表すグラフである。
符号の説明
10、40、50、60 雰囲気媒体の存在下において試料表面の経時変化を分析する本発明の分光分析装置
11 分析される試料
12、102 窓材
13 雰囲気媒体
14、104 駆動機構
15、105 光源
16 雰囲気媒体保持部及び試料台
17a、17b、107a、107b、107c 支持部材
17a’、107a’ 支持部材17a、107aの開口部
18、108 検知部
100 摩擦されている2つの材料の間の界面の状態を分析する本発明の分光分析装置
101 第1の試料
103 薄膜状の第2の試料
106 試料台

Claims (4)

  1. 分析する試料を配置するための試料台、
    前記試料台上の試料に対して光を照射して散乱光又は蛍光を発生させる、光源、
    前記試料と前記光源との間に配置されて、前記光源からの光が透過するようにされている、窓材、
    前記試料と前記窓材との間に満たされる雰囲気媒体を保持する、雰囲気媒体保持部、
    前記試料と前記窓材との間隔を変動させる、駆動機構、並びに
    前記試料の表面で発生する散乱光又は蛍光を受け取る、検知部、
    を有し、且つ前記駆動機構が、前記試料と前記窓材との間隔を、複数回の連続的な分析の分析と分析の間に変動させ、それによって前記試料上の前記雰囲気媒体の厚さが小さくなったときに、前記検知部によって前記試料の表面の状態を分析する、分光分析装置。
  2. 前記試料の表面での反応を励起する反応励起光を前記試料の表面に照射する反応励起光源を更に有し、この反応励起光源が、前記検知器によって散乱光又は蛍光を検知するときには照射を行わない、請求項1に記載の分光分析装置。
  3. 前記駆動機構が、0.01Hz〜1000kHzの周期で前記試料と前記窓材との間隔を変動させる、請求項1又は2に記載の分光分析装置。
  4. 前記駆動機構が、前記試料と前記窓材との間隔が最も大きいときの距離が1,000nm以上であり、且つ前記試料と前記窓材との間隔が最も小さいときの距離が100nm以下であるようにして、前記試料と前記窓材との間隔を変動させる、請求項1〜3のいずれかに記載の分光分析装置。
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