JP2006032818A - コイル装置および巻線方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 巻線乱れを抑えることが可能なコイル装置および巻線方法を提供すること。
【解決手段】 断面が円形となる巻線30と、この巻線30が巻回されると共に2つの鍔部22,23および巻軸21で囲まれる巻枠部24と、を具備するコイル装置10であり、巻軸21のうち少なくとも一方の鍔部22が設けられている端部には、該巻軸21の他の部分よりも巻軸21の径方向中心側に向かって凹んでいる位置決め凹部25が設けられている。この位置決め凹部25には、巻線30の巻回開始部分であるスタートワイヤ300aが位置する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、コイル装置および巻線方法に関する。
インダクタ、トランスおよびフィルタ等のコイル装置においては、例えばドラム型コア、またはボビン等に巻線を巻回するための巻枠部が設けられている。巻枠部は、巻軸と、この巻軸の両端側に位置する2つの鍔部とで囲まれる部分である。この巻枠部には、例えば巻線機を用いて、順次巻線が巻回される。ここで、巻枠部の外周面に接触する巻線の第1層の巻回開始部位(スタートワイヤが位置する部位)は、いずれか一方の鍔部に接触することが多い。また、巻線の巻回が終了した後には、コアにドラム型コア、またはボビン等を挿入し、その他の工程を経ることにより、コイル装置が製作される。
なお、巻線の巻回に関する従来技術としては、特許文献1および特許文献2に開示されているものがある。
特開平11−150900号公報(要約、図16他参照) 特開平7−7897号公報(段落番号0039、0040、図3参照)
ところで、図10に示すように、巻枠部1の外周面に、巻線2が隙間なく接触する場合、巻枠部1の幅寸法は、巻線2の整数倍となる(この状態を、整列巻きという。)。この場合、巻線2が積み重ねられても、巻線状態が規則的となり、巻き崩れが生じ難い。しかしながら、巻枠部1の幅寸法は、巻線2の直径の整数倍に一致しないことが多い。特に、近年においては、コイル装置の小型化が進展しており、巻線2の微細化、および巻枠部1を備える出ドラム型コアやボビン等の小型化とが相俟って、巻枠部1の幅寸法を、巻線2の直径の整数倍に一致させることは困難である。そのため、図11に示すように、巻枠部1に巻回される巻線2のスタートワイヤ2aと、鍔部としての上フランジ部3または下フランジ部4との間に、隙間が形成されることが多い。
また、図12に示すように、巻枠部1には、上フランジ部3または下フランジ部4と、巻軸5との間に、巻線2の直径に対して無視できない大きさの曲面(以下、Rという。)が存在することが多い。このRが存在する場合、該Rに巻線2が差し掛かる場合が多いため、Rに差し掛かった巻線2が巻軸5から離間する等の位置ずれが生じる。それにより、Rが存在する場合には、巻枠部1の幅寸法を、巻線2の直径の整数倍に一致させることは、特に困難となっている。
かかる隙間が形成される状況において、巻枠部1に巻線2を巻回させると、第2層、第3層…と巻線2を重ねるに従って、いわゆる巻き崩れ(巻線乱れ)が生じる。また、現状においては、上述の隙間は、製造されるコイル装置毎に異なり、一定の値に管理することが難しい。そのため、巻線2のスタート位置が定まらず、製品毎に巻線状態が異なるコイル装置が製造されることになる。
また、上述の巻き崩れ(巻線乱れ)が生じると、規則的な整列巻きと比較して、隣接する巻線2の間の隙間が増えるため、巻枠部1における巻線2の占積率を向上させることが難しい。また、コイル装置毎に巻線状態が異なると、それぞれのコイル装置において特性が少しずつ異なり、性能の均質化が図れないと共に、コイル装置において精度の良い特性を得ることが困難である、という問題も生じる。
ここで、特許文献1には、巻枠部の鍔部と内壁面の境界部分に大きな傾斜部を設け、この傾斜部を利用して、巻線のスタート位置の位置決めを行っている。しかしながら、この構成では、大きな傾斜部の存在により、巻線数を多くすることが難しくなる、という問題が生じる。すなわち、大きな傾斜部が存在する分だけ、巻線数が少なくなる。また、特許文献2には、案内部材を巻枠部に取り付けて、この案内部材によってスタートワイヤの位置決めを行っている。しかしながら、この構成では、別途の案内部材を用意しなければならず、工程数が増えると共にコストが掛かるものとなっている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、工程数およびコストを掛けずに、巻線乱れを抑えることが可能なコイル装置および巻線方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、断面が円形となる巻線と、この巻線が巻回されると共に2つの鍔部および巻軸で囲まれる巻枠部と、を具備するコイル装置において、巻軸のうち少なくとも一方の鍔部が設けられている端部には、位置決め凹部が設けられていて、この位置決め凹部は巻軸の他の部分よりも該巻軸の径方向中心側に向かって凹んでいると共に、この位置決め凹部に巻線の巻回開始部分であるスタートワイヤが位置するものである。
このように構成した場合には、スタートワイヤが位置決め凹部に位置することにより、該スタートワイヤの位置決めを確実に行うことが可能となる。それにより、巻線の第1層に巻き崩れが生じるのを防ぐことが可能となる。特に、位置決め凹部の存在により、従来の巻枠部に存在しているRによる影響を除外することが可能となる。それにより、巻線の巻回に際して、スタートワイヤにおける位置決めを確実に行うことができる。また、位置決め凹部の存在により、巻軸の径方向中心に向かうと共に、位置決め凹部に隣接する鍔部に向かうテンションを受け止め易くなる。それによっても、スタートワイヤにおける位置決めを一層確実に行うことが可能となる。また、別途の部材を用意しなくても、巻線乱れ(巻き崩れ)を防止することが可能となるため、工程数およびコストを余分に掛けずに済む。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、位置決め凹部と、該位置決め凹部が存在する側の鍔部との間の部位には、傾斜部が設けられていて、この傾斜部は2つの鍔部のうち近接する鍔部に向かうにつれて巻軸から離れる向きに向かって傾斜し、この傾斜部の存在により、巻線の第2層は、巻線の第1層よりも近接する鍔部に向かって突出しかつ該鍔部に対して接触するものである。
このように構成した場合には、傾斜部の存在により、スタートワイヤの位置決めを一層確実に行うことが可能となる。また、巻線の第2層の位置決めをも一層確実に行うことができ、巻線が巻枠部に巻回された場合における巻き崩れを一層確実に防止することが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、位置決め凹部は、該位置決め凹部に近接する側の鍔部に向かうにつれて、巻軸の内径側に向かうテーパ形状に設けられているものである。このように構成した場合には、巻線を位置決め凹部に位置させても、該巻線に位置ずれが生じるのを良好に防止することが可能となる。すなわち、巻線の位置決めを一層確実に行うことが可能となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、位置決め凹部は、巻線の断面の円形状よりも、曲率の小さな円弧状の断面を有する窪みから構成されているものである。このように構成した場合には、巻線を位置決め凹部に位置させると、巻線がずれ難く、該巻線に位置ずれが生じ難くなる。すなわち、巻線の位置決めを一層確実に行うことが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、位置決め凹部は、巻線の断面の円形状の直径よりも、断面の幅の狭い窪みから構成されているものである。このように構成した場合には、巻線を位置決め凹部に位置させると、巻線がずれ難く、該巻線に位置ずれが生じ難くなる。すなわち、巻線の位置決めを一層確実に行うことが可能となる。
また、他の発明は、巻枠部は、ドラム型コアに設けられているものである。このように構成した場合には、ドラム型コアにおいて、巻線のスタートワイヤの位置決めを、一層確実に行うことが可能となる。また、ボビン等に巻線を巻回する場合と比較して、寸法の低減を図ることができる。
さらに、他の発明は、断面が円形となる巻線を、断面が円形となる巻線を、巻軸と2つの鍔部とで囲まれる巻枠部に巻回させる巻線方法において、位置決め凹部に巻線のスタートワイヤを位置させ、スタートワイヤの位置決めを行う位置決め工程と、位置決め工程の後に、巻軸の外周面に沿って、該巻軸の中心側かつスタートワイヤが位置する鍔部側に向けてテンションを付与しながら、巻線を巻軸の外周面に順次巻回させる第1層巻回工程と、第1層巻回工程の後に、巻軸の中心側かつスタートワイヤが位置する鍔部とは逆側に向けてテンションを付与しながら、巻線の第2層以降の巻回を順次行う積層巻回工程と、を具備するものである。
このように構成した場合には、第1層巻回工程では、位置決め凹部に巻線を位置させて、該巻線の位置決めを行うことができ、その後、第1層巻回工程において、巻軸の径方向中心側かつスタートワイヤ側に向けてテンションを付与しながら、巻線を巻回することにより、第1層においては、巻線を隙間なく巻回させることができる。また、積層巻回工程においては、今度は巻軸の中心側かつスタートワイヤとは逆側に向けてテンションを付与しながら、第2層以降の巻線の巻回を行うことにより、第2層以降においても、巻線を隙間なく巻回させることができる。このため、隣り合う巻線の間に隙間が形成されるのを防ぐことができ、巻き崩れが生じる場合と比較して巻線の占積率を高めることが可能となる。また、位置決め凹部にスタートワイヤを位置させることにより、従来の巻枠部に存在しているRによる影響を除外することが可能となる。そのため、巻線の巻回に際して、スタートワイヤにおける位置決めを確実に行うことができる。
本発明によると、工程数およびコストを掛けずに、巻線乱れを抑えることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る、コイル装置としてのインダクタについて、図1から図5に基づいて説明する。図1は、インダクタ10の構成を示す斜視図であり、インダクタ10の一部を切り欠いて、該インダクタ10の内部構成を示す図である。また、図2は、インダクタ10の平面図である。
なお、以下の説明においては、上方側(上端側)とは、後述する上フランジ部22が存在する側を指し、下方側(下端側)とは、後述する下フランジ部23が存在する側を指すものとする。また、図1および図2においては、後述する延出部47には、巻線30の端末31が図辞されていないが、この延出部47には、巻線30の端末31が絡げられた状態で存在している。
図1および図2に示すように、インダクタ10は、面実装タイプのインダクタであり、ドラム型コア20と、銅製の巻線30(図1、図3〜図5参照)と、非導電性部材のケース体40と、端子部材50とを有している。
ドラム型コア20は、ケース体40の内部に配置される。図1に示すように、ドラム型コア20は、巻軸21と、巻軸21の上下方向両端に形成されると共に鍔部に対応する上フランジ部22及び下フランジ部23とを有している。
また、巻軸21の外周面21aには、巻線30が巻回される。巻線30は、その断面の直径が約0.035mmの極細線が用いられる。
また、巻軸21と上フランジ部22および下フランジ部23とで囲まれる部分は、巻枠部24となっている。この巻枠部24には、巻線30が巻回されるが、かかる巻枠部24のうち、上フランジ部22および下フランジ部23と、巻軸21の外周面21aとの境界部分には、従来のようなRが存在しない。すなわち、図3および図4等に示すように、巻軸21のうち、上フランジ部22および下フランジ部23の少なくとも一方が存在する側の端部(本実施の形態では、上フランジ部22が存在する側の端部)には、位置決め凹部25が設けられている。位置決め凹部25は、上フランジ部22に向かうにつれて、外周面21aよりも巻軸21の径方向中心側に向かって進行するように、外周面21aに対して傾斜角度θ(図4参照)だけ窪ませた部分である。
なお、上述のθの値は、5度〜15度の範囲であれば、位置決め凹部25は、位置決めとして良好に機能することが可能である。また、図3および図4に示す位置決め凹部25は、巻線30の円形断面の直径に対して、1.2〜2倍となる範囲内の長さ寸法を有していれば、位置決めとして良好に機能することが可能である。
なお、この位置決め凹部25のうち、上フランジ部22との境界部分には、従来のように巻線30の直径に対して大きなRが存在しないようにしている。このため、位置決め凹部25の斜面と上フランジ部22の壁面とは、互いにそのままの角度で交差しているか、または巻線30の位置決めに影響を与えない程度の大きさのRが存在する構成となっている。
また、図1および図2に示すように、ドラム型コア20の外周側には、例えば樹脂といった、非導電性部材を材質とするケース体40が設けられている。ケース体40は、巻線30の外周側および下フランジ部23の外周を覆うように、ドラム型コア20の外側に配置されている。このケース体40は、上述のドラム型コア20と同様に、その外観が略リング状の部材である。そのため、ケース体40には、該リング状を構成する孔部41が、その中央部に設けられている。孔部41には、ドラム型コア20が、その下フランジ部23側から嵌め込まれる。
また、ケース体40には、当該ケース体40の径方向外側に突出する延出部47が設けられている。延出部47は、本実施の形態では、ケース体40の外方に向かって突出している。また、延出部47は、ドラム型コア20の高さ方向(図1における上下方向)において、端子部材50の絡げ端子53と重なる位置に配置される。
また、本実施の形態では、ケース体40の上端面には、上フランジ部22の裏面が載置される載置部40bが設けられている。また、ケース体40のうち、ケース外周小面42aおよび円弧面43の上方側には、係合突起49a,49bがそれぞれ設けられている。係合突起49a,49bは、載置部40bよりも上方側に向かって突出している。また、係合突起49a,49bは、上フランジ部22の外周面に係合する。載置部40bに上フランジ部22が載置された状態で、係合突起49a,49bがドラム型コア20の外周面に係合することにより、ドラム型コア20の位置決めが為される。
なお、上フランジ部22の裏面がケース体40の載置部40bに載置される構成とはせずに、上フランジ部22が孔部41の内壁面と対向する構成としても良い。また、上フランジ部22の裏面と載置部40bの間に接着剤を介在させることにより、両者の接合が為される。
また、ケース体40の図1における下面に形成された取付凹部46には、端子部材50が取付固定される。端子部材50は、板状の金属部材をプレスによって打ち抜かれて形成される部品である。
端子部材50は、平面端子51と、外周端子52と、絡げ端子53とを有している。このうち、平面端子51は、ケース体40の下面に接着固定される接着面を裏面とする部分である。この平面端子51は、インダクタ10の下面側に配置され、当該インダクタ10が基板(図示省略)に面実装される際の、基板のランドとの接触部となる。平面端子51は、リフロー半田によって、基板のランドに電気的に接続されると共に固定される。
以上のような構成を有するインダクタ10において、巻線30を巻枠部24に巻回する巻回方法について、以下に説明する。
巻回に際して、巻線30のうち第1層300のスタートワイヤ(第1巻き部分)300aは、上述した位置決め凹部25に位置させる。この場合、巻線30に対して巻軸21の中心側かつ上フランジ部22側に向かうテンションを与えるようにすると、位置決め凹部25に巻線30が良好に入り込む状態となる。
かかる向きのテンション付与を維持しながら、第1層300の第2巻き部分300b、第3巻き部分300c・・・と、順次巻線30を外周面21aに接触させつつ、巻回する(図3参照)。かかる第1層300の巻回は、巻線30が下フランジ部23に到達するまで行われる。巻線30が下フランジ部23に到達したら、次に、第2層301の巻回を開始する。この場合、巻線30に対するテンション付与の向きを、巻軸21の中心側かつ下フランジ部23側に切り替えて、第2層301の巻回を行う。なお、この第2層301の巻回終了後、順次第3層302、第4層303・・・と、同様の手法にて巻回を行う。
ここで、第1層300では、巻線30は、右ネジ方向または左ネジ方向に巻回されるが、第2層301では、これとは逆の左ネジ方向または右ネジ方向に巻回される。この場合でも、テンション付与の向きを切り替えることと相俟って、第1層300、第2層301のそれぞれの隣り合う巻線30同士の間に隙間が形成されない。そのため、さらに巻線30を積層する場合においても、巻き崩れが生じ難い状態となっている。
また、図5に示すように、巻線30と下フランジ部23との間に、所定の隙間Lが形成される場合がある。この場合であっても、巻線30に対して上フランジ部22に向けたテンションを付与しながら巻回することにより、隣り合う巻線30との間では隙間が生じない。また、第2層301においては、今度は下フランジ部23側に向かうテンションを付与しながら、巻線30を巻回する。それにより、第2層301においても、隣り合う巻線30との間で隙間が生じない状態となる。
以上のようにして、最外周の層まで巻回を行うことで、巻線30の巻枠部24への巻回が終了する。この後に、巻線30の端末31を、ドラム型コア20とケース体40の間から引き出す。ここで、巻線30の端末31は、図1に示すように、上下方向に重ねて配置された延出部47および絡げ端子53の両方の外側から巻き付けられる。
このような構成のインダクタ10によれば、スタートワイヤ300aが位置決め凹部25に位置することにより、該スタートワイヤ300aの位置決めを確実に行うことが可能となる。このように、スタートワイヤ300aの位置決めが為されることにより、該スタートワイヤ300aと上フランジ部22との間に余分な隙間が形成されるのが防止される。このように、余分な隙間が形成されるのが防止されるため、第1層300に積み重ねられる第2層301、第3層302等に巻き崩れが生じるのを防ぐことが可能となる。
特に、位置決め凹部25の存在により、従来の巻枠部に存在しているRによる影響を除外することが可能となる。それにより、巻線30の巻回に際して、スタートワイヤ300aにおける位置決めを確実に行うことができる。また、位置決め凹部25の存在により、巻軸21の径方向中心に向かい、かつ該位置決め凹部25に隣接する上フランジ部22に向かうテンションを受け止め易くなる。それによっても、スタートワイヤ300aにおける位置決めを一層確実に行うことが可能となる。さらに、位置決め凹部25が存在することにより、スタートワイヤ300aの位置決めは、弱いテンションが付与される状況下でも確実に行うことが可能となる。また、従来の案内部材のような、別途の部材を用意しなくても、巻線乱れ(巻き崩れ)を防止することが可能となるため、工程数およびコストを余分に掛けずに済む。
また、上述の実施の形態では、位置決め凹部25で位置決めを行う場合、上フランジ部22に向かうようにテンションを付与している。そのため、第1層300における隣り合う巻線30同士の間には、隙間が形成されるのを防ぐことが可能となる。また、第2層301においては、第1層300とは逆に、下フランジ部23に向かうようにテンションを付与しながら巻線30を巻回しているため、第2層301においても、隣り合う巻線30同士の間には、隙間が形成されるのを防ぐことができる。
ここで、上述の実施の形態では、第1層300等の奇数層と、第2層301等の偶数層との間では、互いに付与するテンションの向きが逆向きとなっている。そのため、奇数層と偶数層のそれぞれにおいて、隣り合う巻線30同士の間に隙間が形成されない。そのため、巻線30を巻回して多数層積層された状態としても、巻き崩れが生じ難くなる。また、巻き崩れが生じ難くなることにより、巻線30を規則的に巻回することが可能となる。それにより、巻き崩れが生じている場合と比較して、巻枠部24における巻線30の占積率を高めることが可能となる。すなわち、テンション付与の向きを奇数層と偶数層とで変えることにより、結果として占積率を最大化することが可能となる。
さらに、上述の実施の形態では、位置決め凹部25は、上フランジ部22に向かうにつれて、巻軸21の内径側に向かうテーパ形状に設けられている。そのため、スタートワイヤ300aを位置決め凹部25に位置させた場合に、該スタートワイヤ300aに位置ずれが生じるのを良好に防止することが可能となる。すなわち、スタートワイヤ300aの位置決めを一層確実に行うことが可能となる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態においては、上フランジ部22側に、位置決め凹部25を設けた構成について説明している。しかしながら、位置決め凹部25は、上フランジ部22側に設けられる構成には限られず、下フランジ部23側に設けるようにしても良く、上フランジ部22と下フランジ部23との両方に設けるようにしても良い。
また、上述の実施の形態においては、外周面21aと上フランジ部22との間には、位置決め凹部25のみが存在する構成となっている。しかしながら、図6および図7に示すように、位置決め凹部25の他に、別途傾斜部26を設けるようにしても良い。すなわち、位置決め凹部25と、該位置決め凹部25に近接すると共に鍔部に対応する上フランジ部22または下フランジ部23のうちの少なくとも一方の間の部位に、近接する鍔部に向かうにつれて、巻軸21の外径側に向かって傾斜する傾斜部26を設けるようにしても良い。
この傾斜部26は、図6および図7に示すように、上フランジ部22に対して傾斜角度αを為している。この傾斜角度αの概略の値は、図6および図7においては、30度+θとなっている。しかしながら、傾斜角度αの値は、30度+θに限られるものではなく、種々の値を取ることが可能となっている。なお、その他の構成は、上述した第1の実施の形態におけるインダクタ10と、同様の構成となっている。
このような構成を採用した場合、位置決め凹部25に加えて、さらに傾斜部26が設けられることにより、スタートワイヤ300aの位置決めが一層良好に為される。特に、第1層300の端部に位置する巻線30(スタートワイヤ300aを含む)の外周側かつ端部側にも、第2層301の巻線30が位置する。そのため、該巻線30が位置する分だけ隙間が低減される。また、スタートワイヤ300a等の第1層301の端部に位置する巻線30には、2つの巻線30と接触するため、安定的となり、位置ずれが生じ難くなり、付与するテンションを軽減することも可能となる。
また、上述の実施の形態では、外周面21aに対して傾斜角度θだけ傾斜している位置決め凹部25について説明している。しかしながら、位置決め凹部の形状は、傾斜角度θだけ傾斜している部分には限られず、図8および図9に示すような形状であっても良い。図8に示す形状では、位置決め凹部25aは、断面が略円弧形状を為す形状に形成されている。この位置決め凹部25aにおける円弧は、巻線30の円形断面よりも小さな曲率を有している。そのため、該位置決め凹部25aにおいて巻線30のスタートワイヤ300aを良好に受け止め、位置決めすることが可能となっている。
また、図9に示す形状では、位置決め凹部25bは、断面形状が略矩形状に設けられていると共に、該断面の幅寸法が巻線30の円形断面の直径よりも小さい形状に設けられている。そのため、この位置決め凹部25bにおいても、巻線30のスタートワイヤ300aを良好に受け止め、位置決めすることが可能となっている。
さらに、上述の実施の形態では、巻枠部24は、ドラム型コア20に設けられている場合について説明している。しかしながら、巻枠部24は、ドラム型コア20に設けられる場合には限られない。巻枠部は、例えば樹脂等を材質とするボビンに設けられる構成を採用しても良い。また、上述の実施の形態では、ケース体40は、非導電性部材の材質から構成されている。しかしながら、ケース体40は、非導電性部材には限られず、ドラム型コア20と同様の磁性材等、別途の材質から構成されるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、本発明を、コイル装置としてのインダクタ10に適用した場合について説明している。しかしながら、本発明は、インダクタ10には限られず、アンテナ、トランス、フィルタ、モータ等、巻線30を巻回して用いる種々のコイル装置に本発明を適用することが可能である。
また、上述の実施の形態では、上フランジ部22および下フランジ部23の2つの鍔部を有する構成に本発明を適用している。しかしながら、2つの鍔部を備える構成には限られず、3つまたはそれ以上の鍔部を有していても良い。なお、3つ以上の鍔部を有している場合であっても、2つの鍔部によって1つの巻枠部が形成される状態となる。
本発明のコイル装置は、電気機器の分野において利用することができる。
本発明の一実施の形態に係るインダクタの構成を示す斜視図であり、インダクタを一部切断して内部構成を示す図である。 図1のインダクタの全体構成を示す平面図である。 図1のインダクタにおいて、巻枠部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 図1のインダクタにおいて、位置決め凹部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 図1のインダクタにおいて、巻線と下フランジ部との間に隙間が存在する状態を示すと共に、巻枠部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 本発明の変形例に係り、位置決め凹部に加えて傾斜部が設けられた巻枠部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 本発明の変形例に係り、図6の位置決め凹部および傾斜部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 本発明の変形例に係り、側断面形状が略円弧形状に形成されている位置決め凹部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 本発明の変形例に係り、側断面形状が略矩形状に形成されている位置決め凹部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 従来のインダクタにおいて、巻線が整列巻きとなっている巻枠部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 従来のインダクタにおいて、上フランジ部または下フランジ部と巻線との間に隙間が存在する状態の巻枠部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。 従来のインダクタにおいて、上フランジ部または下フランジ部と巻線との間にRが存在する状態の巻枠部付近の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。
符号の説明
10…インダクタ(コイル装置に対応)
20…ドラム型コア
21…巻軸
21a…外周面
22…上フランジ部(鍔部に対応)
23…下フランジ部(鍔部に対応)
24…巻枠部
25…位置決め凹部
26…傾斜部
30…巻線
300…第1層
300a…スタートワイヤ
301…第2層
40…ケース体
47…延出部
49a,49b…係合突起
50…端子部材
53…絡げ端子

Claims (7)

  1. 断面が円形となる巻線と、この巻線が巻回されると共に2つの鍔部および巻軸で囲まれる巻枠部と、を具備するコイル装置において、
    上記巻軸のうち少なくとも一方の上記鍔部が設けられている端部には、位置決め凹部が設けられていて、
    この位置決め凹部は上記巻軸の他の部分よりも該巻軸の径方向中心側に向かって凹んでいると共に、
    この位置決め凹部に上記巻線の巻回開始部分であるスタートワイヤが位置する、
    ことを特徴とするコイル装置。
  2. 前記位置決め凹部と、該位置決め凹部が存在する側の前記鍔部との間の部位には、傾斜部が設けられていて、
    この傾斜部は2つの前記鍔部のうち近接する前記鍔部に向かうにつれて前記巻軸から離れる向きに向かって傾斜し、
    この傾斜部の存在により、前記巻線の第2層は、前記巻線の第1層よりも近接する前記鍔部に向かって突出しかつ該鍔部に対して接触する、
    ことを特徴とすることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
  3. 前記位置決め凹部は、該位置決め凹部に近接する前記鍔部に向かうにつれて、前記巻軸の内径側に向かうテーパ形状に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のコイル装置。
  4. 前記位置決め凹部は、前記巻線の断面の円形状よりも、曲率の小さな円弧状の断面を有する窪みから構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のコイル装置。
  5. 前記位置決め凹部は、前記巻線の断面の円形状の直径よりも、断面の幅の狭い窪みから構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のコイル装置。
  6. 前記巻枠部は、ドラム型コアに設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコイル装置。
  7. 断面が円形となる巻線を、巻軸と2つの鍔部とで囲まれる巻枠部に巻回させる巻線方法において、
    位置決め凹部に巻線のスタートワイヤを位置させ、スタートワイヤの位置決めを行う位置決め工程と、
    上記位置決め工程の後に、巻軸の外周面に沿って、該巻軸の中心側かつ上記スタートワイヤが位置する上記鍔部側に向けてテンションを付与しながら、上記巻線を上記巻軸の外周面に順次巻回させる第1層巻回工程と、
    上記第1層巻回工程の後に、上記巻軸の中心側かつ上記スタートワイヤが位置する上記鍔部とは逆側に向けてテンションを付与しながら、上記巻線の第2層以降の巻回を順次行う積層巻回工程と、
    を具備することを特徴とする巻線方法。
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