JP2006028637A - 銀微粒子コロイド分散液、銀膜形成用塗布液とその製造方法、及び銀膜 - Google Patents

銀微粒子コロイド分散液、銀膜形成用塗布液とその製造方法、及び銀膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のCarey−Lea法に比べ、平均粒径が大きく且つ分散安定性に優れた銀微粒子コロイド分散液と、クラックがなく厚膜化が可能な銀膜の形成に適した銀膜形成用塗布液、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に硝酸銀水溶液を反応させ、得られた銀微粒子凝集体を含む反応液を0〜100℃で放置して粒成長した銀微粒子の凝集体を得る。この粒成長した銀微粒子の凝集体を濾過し、得られた銀微粒子凝集体のケーキに純水を加え、銀微粒子の平均粒径が20〜200nmの銀微粒子コロイド分散液を得る。この銀微粒子コロイド分散液を濃縮・洗浄し、更にジメチルスルホキシドを含む有機溶媒を加えることにより銀膜形成用塗布液が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材上に銀導電膜を形成するための銀膜形成用塗布液等の製造に用いられる銀微粒子コロイド分散液、特に粒径の大きい銀微粒子コロイド分散液と、その銀微粒子コロイド分散液を用いて製造される銀膜形成用塗布液及びその製造方法、並びに銀膜形成用塗布液を用いて得られる銀膜に関するものである。
従来から、銀を含む貴金属微粒子を溶媒に分散させたコロイド分散液は、コンピュータディスプレイの漏洩電磁波防止に用いられる透明導電層形成塗布液(特開平11−329071号公報、特開2000−268639号公報)や、抗菌コーティング形成塗布液(特開平4−321628号公報)等として用いられている。例えば、前者の用途では、透明導電膜形成塗布液を陰極線管(CRT)の前面ガラス(前面板)にスピンコート法等で塗布し、乾燥した後、200℃程度の温度で焼成して透明導電層を形成している。
また、高濃度の銀微粒子コロイド分散液(ペースト)を、スクリーン印刷などを用いて印刷し、200℃程度の温度で焼成して銀導電層を得る方法も提案されている(特開2002−334618号公報)。しかし、この用途で用いられる銀微粒子コロイド分散液は、銀を減圧下のガス中で蒸発・凝縮させ、分散剤を含んだ溶剤中に回収するガス中蒸発法を用いて製造されていたため、非常に生産性が悪く、従って得られる銀微粒子コロイド分散液も非常に高価であった。また、この銀微粒子コロイド分散液の場合、分散安定性を高めるため、銀微粒子の表面に強く結合する分散剤が含まれているので、塗布(印刷)・乾燥した後に、200℃程度の高温加熱処理を施して分散剤を分解除去する必要があり、好ましいとは言えなかった。
一方、分散剤を含まない銀微粒子コロイド分散液をより簡単に製造する方法として、Carey−Lea法[Am. J. Sci.,37、38、47(1889)]がある。Carey−Lea法では、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合して反応させ、得られた銀微粒子凝集体を濾過・洗浄した後、そのケーキに純水を加えることにより、比較的高濃度な銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.1〜10重量%)が得られる。尚、本発明者らは、この銀微粒子コロイド分散液を用いて銀膜形成用塗布液を得る方法の一つについて、既にPCT/JP2004/006053号に提案している。
上記Carey−Lea法で得られる銀微粒子は、粒径2〜15nmの微細なナノコロイド粒子である。また、実際の製造過程において、一般に行なわれているバッチ式による場合、片方の原料水溶液が入った容器に他方の原料水溶液を一気に加えると液の混合状態が不均一となりやすく、生成する銀微粒子の粒径制御が困難であるため、一部に粗大粒子が生じやすい。例えば、通常の粒径5〜15nm程度の銀微粒子に、粒径30nm程度の粗大粒子が混入することがあり、特に処理液量が多い場合に顕著である。
そこで、製造過程での原料水溶液同士の混合・反応を均一にして、粒度分布が狭い銀微粒子コロイド分散液を効率良く得るために、最近では、スタティックミキサー等を用いて原料水溶液の混合・反応状態を一定に保ちながら連続的に銀微粒子を生成させる方法(特開2004−18891号公報)や、原料水溶液を別々のノズルからそれぞれ吐出させて混合する方法(特開2004−68072号公報)も提案されている。
これらの方法によれば、例えば、小さい粒径では2〜7nmの範囲で、あるいは大きい粒径では10〜15nmの範囲で、それぞれ粒度分布の幅の狭い銀微粒子コロイド分散液を得ることが可能である。しかしながら、これらCarey−Lea法を用いた従来の方法においては、その反応条件を変えたとしても、平均粒径が20nmを超える均一な銀微粒子を含む銀微粒子コロイド分散液を得ることはできなかった。
以上の様に、従来のCarey−Lea法を用いた方法では、平均粒径が20nmを超える均一な銀微粒子を含む銀微粒子コロイド分散液を得ることはできず、従って、その銀微粒子コロイド分散液から得られる前述の銀膜形成用塗布液においても同様に、平均粒径が20nmを超える均一な銀微粒子を含むものは得られていなかった。
ところで、最近では、銀導電膜を形成する場合に、その膜厚を厚くして、低抵抗膜化することが要望されている。しかしながら、従来の平均粒径が小さい銀微粒子からなる銀膜形成用塗布液を用いた場合には、膜厚を例えば数μmまで厚膜化した場合、膜焼成時にクラックが発生してしまい、膜の導電性や密着力が大幅に劣化するという問題があった。
この問題を克服するためには、膜焼成時の収縮を抑制する必要があり、具体的には、銀微粒子の平均粒径を少なくとも20nm程度以上にすることが必要である。しかしながら、従来のCarey−Lea法では、上述のごとく平均粒径が20nmを超える銀微粒子コロイド分散液を得ることは困難であった。従ってまた、平均粒径が20nmを超える銀微粒子が分散した銀膜形成用塗布液を、安価に且つ簡便な方法で得ることも困難であった。
特開平11−329071号公報 特開2000−268639号公報 特開平4−321628号公報 特開2002−334618号公報 特開2004−18891号公報 特開2004−68072号公報 Am. J. Sci.,37(1889) Am. J. Sci.,38(1889) Am. J. Sci.,47(1889)
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、従来のCarey−Lea法による銀微粒子コロイド分散液と比べて平均粒径が大きく、且つ極めて安価で、分散安定性に優れる銀微粒子コロイド分散液と、その銀微粒子コロイド分散液を用いて製造される銀膜形成用塗布液、及びその製造方法、並びにその銀膜形成用塗布液を用いて形成される銀膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明が提供する銀微粒子コロイド分散液の製造方法であって、その請求項1に係る発明は、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を反応させて銀微粒子凝集体を生成させる反応工程と、得られた銀微粒子凝集体を含む反応液を放置して粒成長した銀微粒子の凝集体を得る熟成工程と、該粒成長した銀微粒子の凝集体を濾過して銀微粒子凝集体のケーキを得る濾過工程と、該ケーキに純水を加えて銀微粒子コロイド分散液を得る分散工程とを備えることを特徴とする。
本発明が提供する銀微粒子コロイド分散液の製造方法であって、その請求項2に係る発明は、上記請求項1の製造方法における前記熟成工程において、銀微粒子凝集体を含む反応液を0〜100℃の温度で放置することを特徴とする。また、その請求項3に係る発明は、上記請求項2の製造方法における前記熟成工程において、銀微粒子凝集体を含む反応液を40〜100℃の温度で放置することを特徴とする。
更に、本発明が提供する銀微粒子コロイド分散液の製造方法であって、その請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3の銀微粒子コロイド分散液の製造方法において、前記銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする。
また、本発明が提供する銀微粒子コロイド分散液であって、その請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4の銀微粒子コロイド分散液の製造方法で得られた銀微粒子コロイド分散液であって、銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする。
本発明が提供する銀膜形成用塗布液の製造方法であって、その請求項6に係る発明は、上記請求項5の銀微粒子コロイド分散液を濃縮・洗浄して銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液を得る濃縮・洗浄工程と、この銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に有機溶媒を加える溶媒配合工程とを備えることを特徴とする。
本発明が提供する銀膜形成用塗布液の製造方法であって、その請求項7に係る発明は、上記請求項6の銀膜形成用塗布液の製造方法において、前記有機溶媒が少なくともジメチルスルホキシドを含むことを特徴とする。その請求項8に係る発明は、上記請求項6又は7の銀膜形成用塗布液の製造方法において、前記濃縮・洗浄工程で銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液から銀微粒子を除去した溶媒部分の電気伝導度を500μS/cm以下とすることを特徴とする。
また、本発明が提供する銀膜形成用塗布液の製造方法であって、その請求項9に係る発明は、上記請求項6〜8の銀膜形成用塗布液の製造方法において、前記銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする。また、その請求項10に係る発明は、上記請求項6〜9の銀膜形成用塗布液の製造方法において、前記銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の濃度が10〜70重量%であることを特徴とする。
本発明が提供する銀膜形成用塗布液であって、その請求項11に係る発明は、上記請求項6〜10のいずれかの方法により製造された銀膜形成用塗布液であって、銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする。
本発明が提供する銀膜形成用塗布液であって、その請求項12に係る発明は、上記請求項11の銀膜形成用塗布液において、前記銀膜形成用塗布液中の有機溶媒が少なくともジメチルスルホキシドを含むことを特徴とする。また、その請求項13に係る発明は、上記請求項11又は12の銀膜形成用塗布液において、前記銀微粒子の濃度が10〜70重量%であることを特徴とする。
本発明が提供する銀膜であって、その請求項14に係る発明は、上記請求項11〜13のいずれかの銀膜形成用塗布液を用いて形成されたものであることを特徴とする。また、その請求項15に係る発明は、上記請求項14の銀膜において、前記銀膜が導電性を有することを特徴とする。
本発明によれば、Carey−Lea法を用いた簡単な方法により、従来の銀微粒子コロイド分散液と比べて、銀微粒子の平均粒径が20〜200nmと大きく且つその粒度分布が小さく、分散安定性に優れた銀微粒子コロイド分散液と、その銀微粒子コロイド分散液を用いて製造される銀膜形成用塗布液を、安価に提供することができる。
また、本発明の銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は、含まれる銀微粒子の平均粒径が20〜200nmと大きいため、銀膜形成用塗布液を用いた塗布法により成膜可能な膜厚の範囲が広がり、膜厚や焼成温度等で膜抵抗値等を制御することが可能となることから、銀導電膜として広範な用途に展開することができる。例えば、バーコーティング、スクリーン印刷等を用いて塗布印刷し、焼成して得られる銀導電膜について、膜焼成時の収縮を抑制してクラックの発生を防止することができ、厚膜化の要請を達成することが可能となる。
本発明方法では、まず、反応工程において、公知のCarey−Lea法[Am. J. Sci.,37、38、47(1889)参照]を用いて、粒径の小さい銀微粒子の凝集体を比較的高濃度に含む反応液を得る。即ち、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合して銀微粒子を生成させる。この銀微粒子の生成反応は、下記化学式1のように表される。
[化1]
Ag +Fe2+ → Ag+Fe3+
上記化学式1を含む一連の反応は、各原料水溶液の混合後1〜2秒以内に起きる。また、生成した銀微粒子は、共存するクエン酸イオンの保護作用を受けると同時に、高濃度の鉄イオン、ナトリウムイオン等により急速に凝集するため、クエン酸イオンで保護された銀微粒子の凝集体が形成される。尚、このとき生成する銀微粒子の粒径は、通常の2〜15nm程度である。
尚、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合する方法としては、バッチ式であっても連続式であってもよい。例えば、スタティックミキサー(機械的可動部分が存在しない混合装置)等を用いて、混合・反応状態を一定に保ちながら、連続的に銀微粒子を生成させることも可能である。
次に、熟成工程において、上記反応工程で得られた銀微粒子凝集体を含む反応液を放置する。この放置・熟成によって、粒状に粒成長した銀微粒子の凝集体が得られ、最終的に銀微粒子コロイド分散液としたときの銀微粒子の平均粒径を20nm以上とすることができる。尚、平均粒径が200nmを超えると、銀微粒子が沈降を起こすため好ましくない。また、この熟成工程では、反応液をそのままの状態で放置することが好ましいが、例えば連続的に生成させた反応液などは容器に移して放置することも可能である。
上記銀微粒子凝集体を含む反応液の放置条件、即ち銀微粒子の熟成(粒成長)条件としては、放置温度を0〜100℃とすることが好ましく、40〜100℃とすることが更に好ましい。放置時間は放置温度に依存し、数分〜数ヶ月、好ましくは数十分〜数日の範囲である。放置温度と放置時間の設定によって最終的な銀微粒子の平均粒径が決められ、放置温度が高いほど又は放置時間が長いほど、銀微粒子の平均粒径は大きくなる。特に放置温度を40〜100℃とすることにより、平均粒径30nmを越える銀微粒子が24時間以内の放置時間で得られるため、生産効率の点で特に好ましい。また、上澄み液を除いたり、クエン酸塩を加えたりして、反応液中のイオン量を変えることによっても、銀微粒子の粒径を制御することができる。
上記銀微粒子凝集体を含む反応液の放置により銀微粒子が粒成長する理由は明らかではないが、反応液中に過剰のクエン酸等のイオンが共存しているためと思われる。例えば、熟成を行う前の上記反応液を濾過して銀微粒子凝集体のケーキとした後、純水を加えて銀微粒子を純水中に再分散させた銀微粒子コロイド分散液では、放置・熟成を行っても均一に粒成長した銀微粒子は得られない。この場合には、特定の銀微粒子が成長し始めると、その銀微粒子だけが成長し、その他の銀微粒子は少しずつ小さくなる現象(オストワルド成長)が起こるため、粒径2〜15nm程度の粒状の銀微粒子に混じって、六角又は三角の板状をなす粗大な銀微粒子が生じることになり、銀微粒子を均一に成長させることができない。
上記熟成工程で粒成長した銀微粒子の凝集体は、次の濾過工程において濾過され、銀微粒子凝集体のケーキとされる。銀微粒子凝集体の濾過には、メンブレンフィルター濾過、遠心分離、フィルタープレス等の常用の方法を用いることができる。また、この濾過工程においては、銀微粒子が洗い出されない程度の少量の純水でケーキの洗浄を行うことも可能である。
その後、分散工程において、上記銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えることにより、銀微粒子コロイド分散液が得られる。銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えると、液中の鉄イオンとナトリウムの濃度が大幅に低下するため、凝集要因がなくなり、クエン酸イオンで保護された銀微粒子は液中に再分散して、銀微粒子のコロイド分散液となるのである。このようなコロイドの製造方法は、一般的に洗い出し法と呼ばれている。
上記した本発明の製造方法により得られる銀微粒子コロイド分散液は、従来よりも銀微粒子の平均粒径が大きく、好ましくは20〜200nmであり、更に好ましくは30nmを超え200nm以下である。しかも、簡単な方法で安価に製造できるうえ、分散剤などの不純物が少なく、分散安定性にも優れている。尚、本発明における粒径とは、透過電子顕微鏡(TEM)で観察される銀微粒子の粒径である。
次に、上記銀微粒子コロイド分散液を用いて、本発明の銀膜形成用塗布液を製造する方法について説明する。まず、上記銀微粒子コロイド分散液(銀微粒子濃度:0.1〜10重量%)を、濃縮・洗浄工程において濃縮及び洗浄することにより、水の溶媒中に銀微粒子が高濃度に分散した銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液とする。銀微粒子コロイド分散液の濃縮処理は、減圧エバポレーター、限外濾過等の常用の方法で行うことができる。また、洗浄処理としては、透析、電気透析、イオン交換、限外濾過等の方法を用いて行うことができるが、中でも限外濾過法は濃縮処理と洗浄処理を同時に行うことが可能であるため、好ましい方法である。
得られる銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液においては、洗浄処理により溶媒中の電解質濃度が低下するため、銀微粒子の分散安定性が向上する。この分散安定性の向上は、電解質濃度が高い場合には一般にコロイドは電解質で凝集してしまうが、電解質濃度が低いと凝集が妨げられるからである。銀微粒子の分散安定性を実用レベルまで高めるためには、濃縮・洗浄工程において、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液から銀微粒子を除去した溶媒部分の電気伝導度が500μS(ジーメンス)/cm以下、好ましくは200μS/cm以下となるまで、電解質濃度を低下させることが好ましい。
上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液は、そのままでも印刷・塗布が可能であるが、溶媒が水系であるため、プラスチック等の基材の種類によっては成膜工程においてハジキ等の塗布欠陥を生じる場合がある。そこで、次の溶媒配合工程において、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に有機溶媒を加えることにより、本発明の銀膜形成用塗布液とする。この銀膜形成用塗布液の塗布性は、有機溶媒の添加により大幅に改善されている。
尚、電解質濃度の低下により銀微粒子の分散安定性が向上するのは、有機溶媒が配合された銀膜形成用塗布液においても同様である。従って、上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に有機溶媒を加えて銀微粒子コロイド分散濃縮液を得る溶媒配合工程において、例えば、更にイオン交換樹脂を添加する等の洗浄工程を付加し、電解質濃度を低下させることもできる。
上記有機溶媒としては、少なくともジメチルスルホキシドを含む有機溶媒を用いることが好ましい。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、銀微粒子に作用して、銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の安定性を向上させる効果があるからである。また、ジメチルスルホキシドの配合量は、銀微粒子100重量部に対し0.5〜300重量部の範囲が好ましく、2〜50重量部の範囲が更に好ましい。上記ジメチルスルホキシドの配合量が0.5重量部未満ではジメチルスルホキシドの添加効果が認められず、また300重量部を超えても銀微粒子の安定性に更なる向上は見られず、逆に印刷・塗布後の乾燥時間が長くなるだけである。
ジメチルスルホキシド以外の有機溶媒としては、上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液との相溶性、基材に対する溶解性、成膜条件等を考慮して、適宜選定することができる。例えば、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記濃縮・洗浄工程及び溶媒配合工程により得られる銀膜形成用塗布液は、その銀微粒子の濃度を10〜70重量%の範囲とすることが好ましく、15〜60重量%の範囲が更に好ましい。銀微粒子の濃度が10重量%未満では1回の印刷で十分な厚さの膜を得ることが困難であるが、10重量%以上になると十分な厚さの膜を形成することができ、特に15重量%以上とすることで優れた低抵抗の銀導電膜を印刷法で安定して形成することができる。逆に銀微粒子の濃度が70重量%を超えると、銀膜形成用塗布液における銀微粒子の分散安定性が悪化し、凝集しやすくなるため好ましくない。
このようにして得られる本発明の銀膜形成用塗布液は、平均粒径20nm以上の銀微粒子が水及び有機溶媒中に分散され、且つこの銀微粒子が印刷法に適用し得る高濃度で含まれ、不純物含有量が少なく、分散安定性に優れている。また、この銀膜形成用塗布液は、分散安定性に優れるだけでなく、膜厚を厚くしても膜焼成時の収縮が抑制され、クラックの発生を防止できる。そのため、例えば厚さが数μmで、且つ優れた導電性を有する銀膜を形成することが可能となる。
銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の平均粒径は、20〜200nmの範囲が好ましく、30nmを超え200nm以下であることが更に好ましい。銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の平均粒径が20nm未満では、厚さ数μm以上の銀膜でクラックの発生を抑制できない。逆に、平均粒径が200nmを超えると、銀微粒子が銀膜形成用塗布液中で沈降し易くなり、更には銀膜形成用塗布液の印刷及び乾燥後の加熱処理において銀微粒子同士の焼結が進み難くなるため、低抵抗の導電膜を得ることが難しくなる。また、銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は均一性にも優れ、例えば、平均粒径±20nmの銀微粒子が全体の90%以上を占めることが好ましい。
銀膜形成用塗布液による銀膜の形成は、塗布法により簡単に形成することができる。即ち、銀膜形成用塗布液を基材上に塗布した後、通常は60〜250℃又はそれ以上の数百℃の温度で加熱処理し、塗布液の乾燥及び銀微粒子の焼結を行うことにより、銀膜を形成することができる。本発明の銀膜形成用塗布液は、バインダーなどの添加成分を加えなければ60℃程度の加熱処理によっても低抵抗の銀導電膜を得ることが可能であるが、加熱温度は適用する基材の耐熱性を考慮して決めればよいため、特に限定されない。
銀膜形成用塗布液を塗布する基材は、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)等のプラスチックからなるフィルム又は板、あるいはガラス板等を用いることができる。また、銀膜形成用塗布液を基材上に印刷・塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、ワイヤーバーコーティング法、ドクターブレードコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法等の各種方式が適用可能である。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本文中の「%」は「重量%」を示し、「部」は「重量部」を示している。
[実施例1]
23.1%硫酸鉄(FeSO・7HO)水溶液208gと37.5%クエン酸ナトリウム(C(OH)(COONa)・2HO)水溶液256gの混合液に、9.1%硝酸銀(AgNO)水溶液176gを混合・反応させ、銀微粒子凝集体を含む反応液を得た。尚、硫酸鉄水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液及び硝酸銀水溶液の液温は、それぞれ20℃と10℃に設定した。
得られた反応液を容器に入れたまま、5℃の冷蔵庫中に6ヶ月間放置した。この熟成工程を経た反応液から銀微粒子凝集体を遠心分離機で濾過し、銀微粒子凝集体のケーキを得た。このケーキに純水を加えて洗い出しを行い、銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.94%)1050gを得た。
得られた銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子は、その平均粒径が60nmであり、粒径40〜80nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める均一な粒度分布のものであった。尚、銀微粒子の粒径測定は、銀微粒子コロイド分散液の透過電子顕微鏡(TEM)観察によって行った。
[実施例2]
上記実施例1と同様にして、銀微粒子凝集体を含む反応液を得た。得られた反応液を容器に入れたまま、65℃のインキュベータ中に16時間放置した。この熟成工程を経た反応液から銀微粒子凝集体を遠心分離機で濾過し、得られた銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えて洗い出しを行い、銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.96%)1050gを得た。
得られた銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子は、その平均粒径が50nmであり、粒径35〜65nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める均一な粒度分布のものであった。
[実施例3]
上記実施例2で得られた銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.96%)を、限外濾過により濃縮・洗浄することによって、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液(Ag:65%、残部:水)を得た。この銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液中の溶媒である水の電気伝導度は、限外濾過の濾液を測定して得た値で、200μS/cmであった。
上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に、有機溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)、1−ブタノール(NBA)、ジアセトンアルコール(DAA)、及びエタノール(EA)を加え、銀膜形成用塗布液(Ag:40%、DMSO:2.5%、HO:21.5%、EA:21.0%、NBA:5%、DAA:10%)を得た。得られた銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は、その平均粒径が50nmであり、粒径35〜65nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める均一な粒度分布のものであった。また、銀膜形成用塗布液の粘度は5mPa・sであった。
次に、上記銀膜形成用塗布液を、基材であるPETフィルム(帝人(株)製、テトロン HLEW、厚さ:100μm、プライマー処理品)上に、線径1.0mmのワイヤーバーで塗布した後、大気中にて70℃×3分間−130℃×60分間の加熱処理を施すことにより銀導電膜を得た。
得られた銀導電膜は、膜厚が3.0μmであり、表面抵抗値は0.08Ω/□(比抵抗値に換算すると24.0μΩ・cm)であった。また、走査電子顕微鏡観察の結果、銀導電膜にはクラック(亀裂)が生じていないことが確認された。銀導電膜と基材フィルムの密着力は、クロスカットセロテープ剥離試験法(JIS
K 5400)で評価したところ、100/100(剥離なし)と良好であった。
尚、銀微粒子コロイド分散濃縮液の粘度は、山一電機(株)製の振動式粘度計VM−100−Lを用いて測定した。また、銀導電膜の表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用いて測定した。銀導電膜の膜厚は、膜断面の透過電子顕微鏡(TEM)観察によって行った。
[実施例4]
上記実施例3の銀膜形成用塗布液を用い、同様に基材に塗布した後、大気中にて80℃×180分間の加熱処理を施した以外は実施例3と同様にして、銀導電膜を形成した。この銀導電膜の膜厚は3.0μmであり、表面抵抗値は0.09Ω/□(比抵抗値に換算すると27μΩ・cm)であった。
尚、走査電子顕微鏡(TEM)観察の結果、銀導電膜にはクラック(亀裂)が生じていないことが確認された。また、銀導電膜と基材フィルムの密着力は、クロスカットセロテープ剥離試験法(JIS
K 5400)で評価したところ、100/100(剥離なし)と良好であった。
[実施例5]
上記実施例3の銀膜形成用塗布液を用い、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS、厚さ:50μm)の光沢面上に、線径1.0mmのワイヤーバーで塗布し、大気中にて70℃×3分間−220℃×60分間の加熱処理を施した以外は実施例3と同様にして、銀導電膜を形成した。
この銀導電膜は、膜厚が3.2μmであり、表面抵抗値は0.04Ω/□(比抵抗値に換算すると12.8μΩ・cm)であった。尚、TEM観察の結果、銀導電膜にはクラック(亀裂)が生じていないことが確認された。また、銀導電膜と基材フィルムの密着力は、クロスカットセロテープ剥離試験法(JIS
K 5400)で評価したところ、100/100(剥離なし)と良好であった。
[実施例6]
上記実施例3の銀膜形成用塗布液を用い、ポリイミドフィルム(東レデュポン(株)製、カプトンH、厚さ:25μm)の光沢面上に、線径1.0mmのワイヤーバーで塗布し、大気中にて70℃×3分間−220℃×60分間の加熱処理を施した以外は実施例3と同様にして、銀導電膜を形成した。
この銀導電膜は、膜厚が3.1μmであり、表面抵抗値は0.04Ω/□(比抵抗値に換算すると12.4μΩ・cm)であった。尚、TEM観察の結果、銀導電膜にはクラック(亀裂)が生じていないことが確認された。また、銀導電膜と基材フィルムの密着力は、クロスカットセロテープ剥離試験法(JIS
K 5400)で評価したところ、100/100(剥離なし)と良好であった。
[比較例1]
23.1%硫酸鉄(FeSO・7HO)水溶液208gと37.5%クエン酸ナトリウム(C(OH)(COONa)・2HO)水溶液256gの混合液に、9.1%硝酸銀(AgNO)水溶液176gを混合・反応させ、銀微粒子凝集体を含む反応液を得た。尚、硫酸鉄水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液及び硝酸銀水溶液の液温は、それぞれ20℃と10℃に設定した。
得られた反応液は、放置による熟成工程を経ることなく、銀微粒子凝集体を遠心分離機で濾過し、銀微粒子凝集体のケーキを得た。その後、このケーキに純水を加えて洗い出しを行い、銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.75%)1050gを得た。この銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子は、粒径2〜10nmの粒状の銀微粒子からなり、その平均粒径は7nmであった。
[比較例2]
上記比較例1で得た銀微粒子コロイド分散液を、25℃のインキュベータに入れて2ヶ月間放置した。その後、銀微粒子コロイド分散液を透過電子顕微鏡観察すると、粒径2〜10nm程度の粒状の銀微粒子に混じって、粒径20〜150nmの三角又は六角の板状の粗大銀微粒子が生じていた。
[比較例3]
上記比較例1で得た銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.75%)を、限外濾過により濃縮・洗浄することによって、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液(Ag:40%、残部:水)を得た。この銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液中の溶媒である水の電気伝導度は、限外濾過の濾液を測定して得た値で、190μS/cmであった。
上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1−ブタノール(NBA)、ジアセトンアルコール(DAA)、及びエタノール(EA)を加え、銀膜形成用塗布液(Ag:10%、DMSO:2.5%、HO:15%、EA:48.5%、NBA:8%、DAA:16%)を得た。得られた銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は、粒径2〜10nmの粒状の銀微粒子からなり、その平均粒径は7nmであった。また、銀膜形成用塗布液の粘度は、4mPa・sであった。
次に、上記銀膜形成用塗布液を、上記実施例3と同様に、PETフィルム(厚さ:100μm、プライマー処理品)上に、線径1.0mmのワイヤーバーで塗布し、大気中にて70℃×3分間−130℃×60分間の加熱処理を施すことにより、銀導電膜を形成した。
この銀導電膜は、膜厚は0.8μmであったが、銀導電膜の全面にクラック(亀裂)が生じていることが目視で観察され、表面抵抗値は1×10Ω/□以上であった。また、銀導電膜と基材フィルムの密着力は、クロスカットセロテープ剥離試験法(JIS
K 5400)で評価したところ、0/100であり全て剥離した。
上記実施例1〜2と比較例1の結果から、Carey−Lea法を用いた従来方法による比較例1では銀微粒子の平均粒径が7nmであるのに対し、本発明方法の各実施例では平均粒径が30nmを超える粒状の銀微粒子が分散した銀微粒子コロイド分散液が極めて簡単に得られることが分る。また、比較例2では、反応液を放置・熟成せず、コロイド分散液としてから放置・熟成したため、通常の粒径2〜10nm程度の粒状銀微粒子に混じって、オストワルド成長した粒径20〜150の三角又は六角の板状をなす粗大な銀微粒子が生じている。
また、上記の実施例3〜6と比較例3の結果から、従来方法による平均粒径が7nmの銀微粒子からなる銀膜形成用塗布液を用いた比較例3の銀導電膜では、膜厚が0.8μmと薄くても膜全面にクラック(亀裂)が生じたのに対し、本発明による各実施例では平均粒径が30nmを超える粒状の銀微粒子が分散した銀膜形成用塗布液を用いているため、膜厚が3.0〜3.2μmと厚くなっても膜にクラック(亀裂)が生じず、導電性の優れた銀導電膜が得られることが分る。
また、上記実施例4の結果から、本発明の銀膜形成用塗布液の場合、塗布後の加熱処理温度が80℃と低くても、表面抵抗値が0.09Ω/□という優れた導電性の銀導電膜が得られることが分る。


Claims (15)

  1. 硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を反応させて銀微粒子凝集体を生成させる反応工程と、得られた銀微粒子凝集体を含む反応液を放置して粒成長した銀微粒子の凝集体を得る熟成工程と、該粒成長した銀微粒子の凝集体を濾過して銀微粒子凝集体のケーキを得る濾過工程と、該ケーキに純水を加えて銀微粒子コロイド分散液を得る分散工程とを備えることを特徴とする銀微粒子コロイド分散液の製造方法。
  2. 前記熟成工程において、銀微粒子凝集体を含む反応液を0〜100℃の温度で放置することを特徴とする、請求項1に記載の銀微粒子コロイド分散液の製造方法。
  3. 前記熟成工程において、銀微粒子凝集体を含む反応液を40〜100℃の温度で放置することを特徴とする、請求項2に記載の銀微粒子コロイド分散液の製造方法。
  4. 前記銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の銀微粒子コロイド分散液の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた銀微粒子コロイド分散液であって、銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする銀微粒子コロイド分散液。
  6. 請求項5の銀微粒子コロイド分散液を濃縮・洗浄して銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液を得る濃縮・洗浄工程と、この銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に有機溶媒を加える溶媒配合工程とを備えることを特徴とする銀膜形成用塗布液の製造方法。
  7. 前記有機溶媒が少なくともジメチルスルホキシドを含むことを特徴とする、請求項6に記載の銀膜形成用塗布液の製造方法。
  8. 前記濃縮・洗浄工程において、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液から銀微粒子を除去した溶媒部分の電気伝導度を500μS/cm以下とすることを特徴とする、請求項6又は7に記載の銀膜形成用塗布液の製造方法。
  9. 前記銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の銀膜形成用塗布液の製造方法。
  10. 前記銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の濃度が10〜70重量%であることを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の銀膜形成用塗布液の製造方法。
  11. 請求項6〜10のいずれかの方法により製造された銀膜形成用塗布液であって、銀微粒子の平均粒径が20〜200nmであることを特徴とする銀膜形成用塗布液。
  12. 前記銀膜形成用塗布液中の有機溶媒が少なくともジメチルスルホキシドを含むことを特徴とする、請求項11に記載の銀膜形成用塗布液。
  13. 前記銀微粒子の濃度が10〜70重量%であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の銀膜形成用塗布液。
  14. 請求項11〜13のいずれかの銀膜形成用塗布液を用いて形成されたものであることを特徴とする銀膜。
  15. 前記銀膜が導電性を有することを特徴とする、請求項14に記載の銀膜。


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