JP2009269935A - 金色系金属光沢を有する銀膜 - Google Patents

金色系金属光沢を有する銀膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 銀微粒子を主成分とする塗布液を基材上に塗布・乾燥して得られる金属光沢を有する銀膜において、従来の銀色系の金属光沢に代えて、金色系の金属光沢を有する銀膜を提供する。
【解決手段】 溶剤中に分散している粒状の銀微粒子の平均粒径を20〜100nmの範囲に制御した銀膜形成用塗布液を用い、この銀膜形成用塗布液を室温で基材上に塗布・乾燥することで、金色系金属光沢を有する銀膜が得られる。銀膜の金属光沢は、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)において、L値が40以上、a値が正の値、b値が10以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶剤中に粒状の銀微粒子が均一に分散した銀膜形成用塗布液を用いて基材上に形成した銀膜、特に金色系の金属光沢を有する銀膜に関する。
従来から、銀微粒子を溶媒に分散させた銀膜形成用塗布液が、コンピュータディスプレイの漏洩電磁波防止に用いられる透明導電層形成用の塗布液(特開平11−329071号公報、特開2000−268639号公報参照)や、抗菌コーティング形成用の塗布液(特開平4−321628号公報参照)等として用いられている。
また、銀膜形成用塗布液の別の用途として、インクジェット印刷等により金属光沢を有する文字や図形等を紙面上に印刷する方法(特開2005−120226号公報参照)が提案されている。この方法によれば、銀の高い可視光線反射率を活かして、従来の黒、シアン、マゼンダ、イエローの加色による印刷物では実現できなかった銀色系の金属光沢感に優れる印刷が可能になっている。
ここで、上記銀膜形成用塗布液の製造方法には、(A)銀を減圧下のガス中で蒸発・凝縮させて、分散剤を含む溶剤中に回収するガス中蒸発法等の乾式法と、(B)銀塩の水溶液に分散剤等の存在下で還元剤を添加して銀微粒子コロイド分散液を得た後、洗浄・濃縮・調合等の工程を経て調整する湿式法とが用いられている。一般に、(A)の乾式法は生産性が悪く、得られる銀微粒子コロイド分散液も非常に高価になるため、(B)の湿式法が好んで用いられている。
上記湿式法において銀膜形成用塗布液の調整に用いられる銀微粒子コロイド分散液を製造する代表的な方法には、カレー・リー法(Carey−Lea法;Am. J. Sci.,37(1889)、Am. J. Sci.,38(1889)、Am. J. Sci.,47(1889)参照)がある。
この方法では、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合して反応させ、得られた銀微粒子凝集体を濾過・洗浄した後、そのケーキに純水を加えることにより、平均粒径が5〜10nm程度で、比較的高濃度(Ag:0.1〜10重量%)の銀微粒子コロイド分散液が得られる。この銀微粒子コロイド分散液を用い、洗浄・濃縮・調合等の工程を経て、最終的に銀微粒子の平均粒径が5〜10nm程度の銀膜形成用塗布液を得ることができる。
しかし、実際の製造過程において一般に行なわれているバッチ方式では、片方の原料水溶液、例えば硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液が入った容器に、他方の原料水溶液、例えば硝酸銀水溶液を一気に加えて反応させるため、液の混合状態が不均一となりやすい。そのため、生成する銀微粒子の粒径制御が困難となり、例えば、通常の粒径5〜15nm程度の銀微粒子に、粒径30nm程度の粗大な銀粒子が混入してしまうことがある。この傾向は、特に処理液量が多い場合に顕著であった。
そこで、上記2種の原料水溶液同士の混合・反応を均一にして、粒度分布の狭い銀微粒子コロイド分散液が効率良く得られるようにするため、スタティックミキサー等を用いて原料水溶液の混合・反応状態を一定に保ちながら、連続的に銀微粒子を生成させる方法(特開2004−18891号公報参照)や、原料水溶液を別々のノズルからそれぞれ吐出させて混合する方法(特開2004−68072号公報参照)等が提案されている。これら方法を採用することにより、例えば、小さい粒径では2〜7nmの範囲で、大きい粒径では10〜15nmの範囲で、それぞれ粒度分布の狭い銀微粒子コロイド液を得ることができる。
また、上記Carey−Lea法を用いて得られる銀微粒子が分散した銀膜形成用塗布液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルムに塗布・加熱して、銀導電膜を形成する方法(国際公開第2004/096470号パンフレット参照)が既に提案されている。このパンフレットには、実施例として、粒径2〜8nmの銀微粒子が分散した銀膜形成用塗布液をPETフィルムに塗布し、大気中にて150℃程度に加熱処理して銀導電膜を得たことが記載されている。得られた銀導電膜の反射プロファイルからすると、この銀導電膜は金色系の金属光沢を有しているものと考えられる。
更に、平均粒径が20〜200nmと通常よりも大きな銀微粒子が分散した銀膜形成用塗布液や、その銀膜形成用塗布液をPETフィルムやポリイミドフィルム上に塗布して80℃〜220℃に加熱することによって形成される銀導電膜も提案されている(特開2006−028637号公報参照)。
しかしながら、上記した従来の技術においては、銀膜形成用塗布液をPET等のプラスチックフィルムの基材上に印刷した後、100℃程度又はそれ以上の温度で加熱処理を施すことによって金色系の金属光沢を有する銀膜を得る方法はあるものの、加熱処理を行わず、室温において塗布・乾燥するだけの方法で金色系の金属光沢を有する銀膜を得ることはできなかった。
即ち、上記特開2005−120226号公報に記載の方法のように、銀膜形成用塗布液をインクジェット印刷等で紙媒体等の基材上に室温にて塗布・乾燥することにより、銀色系の金属光沢を有する印刷物(銀膜)を得ることは可能である。しかし、銀膜形成用塗布液を室温で塗布・乾燥するだけで、金色系の金属光沢を有する銀膜を得る方法は知られていなかった。そのため、銀微粒子以外の微粒子が種々試みられているものの、いまだ室温にて金色系の金属光沢を有する膜の形成に適したものは得られていない現状であった。
特開平11−329071号公報 特開2000−268639号公報 特開平4−321628号公報 特開2005−120226号公報 特開2004−18891号公報 特開2004−68072号公報 国際公開第2004/096470号パンフレット 特開2006−28637号公報 Am. J. Sci.,37(1889) Am. J. Sci.,38(1889) Am. J. Sci.,47(1889)
本発明は、上記した従来の事情に鑑みてなされたものであり、溶剤中に粒状の銀微粒子が均一に分散した銀膜形成用塗布液を用いて、加熱することなく室温で基材上に形成することができ、従来の銀色系の金属光沢ではなく、金色系の金属光沢を有する銀膜を提供することを目的とする。
発明者等は、上記目的を達成するため、金属光沢を有する銀膜の製造条件と金属光沢色について詳細に調査したところ、銀膜形成用塗布液中に分散している粒状の銀微粒子の平均粒径を20〜100nmの範囲に制御することで、金色系金属光沢を有する銀膜が室温で形成できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明が提供する銀膜は、溶剤中に粒状の銀微粒子が均一に分散した銀膜形成用塗布液を基材上に室温で塗布・乾燥して得られる銀膜であって、該銀微粒子の平均粒径が20〜100nmであり、得られる銀膜が金色系金属光沢を有することを特徴とする。
上記本発明の銀膜においては、前記銀微粒子の表面が、下記化学式2で表されるカルボキシル基を有しているオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていることが好ましい。
Figure 2009269935
また、上記本発明の銀膜においては、前記化学式2で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤中のカルボキシル基は、全カルボキシル基のうちの33〜80%がアルカリ金属で中和されていることが好ましい。
上記本発明の銀膜において、前記銀微粒子は、カレー・リー(Carey−Lea)法で製造された銀微粒子であることが好ましい。また、前記銀膜形成用塗布液の塗布方法は、インクジェット印刷法であることが好ましい。更に、前記基材は、紙媒体であることが好ましい。
上記本発明の銀膜においては、前記銀膜の金属光沢が、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)において、L値が40以上、a値が正の値、b値が10以上であることを特徴とする。
本発明によれば、溶剤中に粒状の銀微粒子が均一に分散した銀膜形成用塗布液を、室温で基材上に塗布・乾燥するだけで、銀色系の金属光沢ではなく、金色系の金属光沢を有する銀膜を提供することができる。従って、例えば、インクジェット印刷法等により紙媒体等の基材上に銀膜を形成することによって、加熱することなく、室温で金色系金属光沢を有する銀膜を得ることができる。
本発明の金色系金属光沢を有する銀膜は、溶剤中に粒状の銀微粒子が均一に分散した銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の平均粒径を20〜100nmの範囲内に制御ことにより、その銀膜形成用塗布液を紙媒体等の基材上に室温で塗布・乾燥して形成することができる。
上記銀膜形成用塗布液中の粒状の銀微粒子の平均粒径は、20〜100nmとすることが重要であり、好ましくは30〜80nmとする。銀微粒子の平均粒子径が100nmを超えると塗布液中で沈降が起こり易く、例えばインクジェット印刷時のノズル詰まりの原因となりうる。また、平均粒径が大きすぎると印刷面の凹凸の原因となり、良好な金属光沢が得られない場合がある。平均粒径が20nm未満であると、室温で形成した銀膜は銀色系の金属光沢を示し、金色系の金属光沢は得られない。
上記銀膜形成用塗布液の基材への塗布方法としては、特に限定されるものではなく、いかなる方法であっても良いが、例えばインクジェット印刷などの印刷法を用いることが好ましい。その際、銀膜形成用塗布液の塗布及び乾燥を室温で行うことができ、特に加熱処理を行うことなく、金色系金属光沢を有する銀膜を得ることができる。
本発明の金色系金属光沢を有する銀膜の形成に用いる銀膜形成用塗布液は、溶剤中に分散している粒状の銀微粒子の平均粒径が20〜100nmであり、通常のCarey−Lea法で得られる銀微粒子に比べて平均粒径が大きい。この平均粒径20〜100nmの粒状の銀微粒子が分散した銀膜形成用塗布液の製造方法としては、例えば、前記した特開2006−028637号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
即ち、本発明の金色系金属光沢を有する銀膜の形成に用いる銀膜形成用塗布液を製造するには、まず反応工程において、公知のCarey−Lea法を用いて、粒径の小さい銀微粒子の凝集体を比較的高濃度に含む反応液を得る。具体的には、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合することにより、銀微粒子を生成させる。この銀微粒子の生成反応は、下記化学式3のように表される。
Figure 2009269935
上記化学式3による銀微粒子の生成反応は、各原料水溶液の混合後1〜2秒以内に起きる。また、生成した銀微粒子は、共存するクエン酸イオンの保護作用を受けると同時に、高濃度の鉄イオンとナトリウムイオン等の存在により急速に凝集するため、クエン酸イオンで保護された銀微粒子の凝集体が形成される。尚、このとき生成する粒状の銀微粒子の平均粒径は、通常5〜10nm程度と小さいものである。
上記の硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合する方法は、バッチ式であっても連続式であってもよい。例えば、スタティックミキサー(機械的可動部分が存在しない混合装置)等を用いて、混合・反応状態を一定に保ちながら、連続的に銀微粒子を生成させることも可能である。
次に、熟成工程において、上記反応工程で得られた銀微粒子凝集体を含む反応液を放置・熟成する。この放置・熟成によって、粒状に粒成長した銀微粒子の凝集体が得られ、粒状の銀微粒子の平均粒径を20nm以上とすることができる。この熟成工程では、反応液をそのままの状態で放置することが好ましいが、例えば連続的に生成させた反応液などは容器に移して放置することも可能である。尚、本発明においては、粒状の銀微粒子の平均粒径が100nmを超えると金色系金属光沢の銀膜を得ることは難しくなるため、平均粒径が100nmを超えないように放置・熟成条件を制御することが必要である。
上記銀微粒子凝集体を含む反応液の放置・熟成条件としては、放置温度を0〜100℃とすることが好ましく、40〜100℃とすることが更に好ましい。放置時間は放置温度に依存し、数分〜数ヶ月の範囲、好ましくは数十分〜数日の範囲である。放置温度と放置時間の設定によって最終的な銀微粒子の平均粒径が決まり、放置温度が高いほど又は放置時間が長いほど、銀微粒子の平均粒径は大きくなる。特に放置温度を40〜100℃とすることにより、平均粒径30〜100nmの銀微粒子が24時間以内の放置時間で得られるため、生産効率の点で特に好ましい。また、上澄み液を除いたり、クエン酸塩を加えたりして、反応液中のイオン量を変えることによっても、銀微粒子の平均粒径を制御することが可能である。
上記銀微粒子凝集体を含む反応液の放置により銀微粒子が粒状に粒成長する理由は明らかではないが、反応液中に過剰のクエン酸等のイオンが共存しているためと思われる。例えば、熟成を行う前の上記反応液を濾過して銀微粒子凝集体のケーキとし、これに純水を加えて銀微粒子を純水中に再分散させた銀微粒子コロイド分散液では、その後に放置・熟成を行っても均一に粒成長した粒状の銀微粒子は得られない。この場合には、特定の銀微粒子が成長し始めると、その銀微粒子だけが成長し、その他の銀微粒子は少しずつ小さくなる現象(オストワルド成長)が起こるため、粒径2〜15nm程度の粒状の銀微粒子に混じって、六角又は三角の板状をなす粗大な銀微粒子が生じることになり、銀微粒子を均一に成長させることができない。
上記熟成工程で粒成長した銀微粒子の凝集体は、次の濾過工程において濾過され、銀微粒子凝集体のケーキとされる。銀微粒子凝集体の濾過には、メンブレンフィルター濾過、遠心分離、フィルタープレス等の常用の方法を用いることができる。また、この濾過工程においては、銀微粒子が洗い出されない程度の少量の純水でケーキの洗浄を行うことも可能である。
その後、分散工程において、上記銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えることにより、銀微粒子コロイド分散液が得られる。銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えると、液中の鉄イオンとナトリウムイオンの濃度が大幅に低下するため、凝集要因がなくなり、クエン酸イオンで保護された銀微粒子が液中に再分散して、銀微粒子のコロイド分散液となるのである。このようなコロイドの製造方法は、一般的に洗い出し法と呼ばれている。
上記方法により得られる銀微粒子コロイド分散液では、従来よりも銀微粒子の平均粒径が大きく、具体的には20〜100nmの範囲に制御でき、更に好ましくは30nm〜80nmとすることができる。尚、本発明における粒状の銀微粒子の粒径は、透過電子顕微鏡(TEM)で観察される銀微粒子の粒径を測定して求めたものである。このようにして得られた銀微粒子コロイド分散液は、簡単な方法で安価に製造できるうえ、不純物が少なく、分散安定性にも優れている。
次に、上記銀微粒子コロイド分散液から、本発明で用いる銀膜形成用塗布液を製造する。まず、銀微粒子コロイド分散液(銀微粒子濃度:0.1〜10重量%程度)を、濃縮・洗浄工程において濃縮及び洗浄することにより、水の溶媒中に銀微粒子が高濃度に分散した銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液とする。銀微粒子コロイド分散液の濃縮処理は、減圧エバポレーター、限外濾過等の常用の方法で行うことができる。また、洗浄処理としては、透析、電気透析、イオン交換、限外濾過等の方法を用いて行うことができるが、中でも限外濾過法は濃縮処理と洗浄処理を同時に行うことが可能であるため好ましい方法である。
得られる銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液においては、洗浄処理により溶媒中の電解質濃度が低下するため、銀微粒子の分散安定性が向上する。この分散安定性の向上は、電解質濃度が高い場合には一般的にコロイドは電解質で凝集してしまうが、電解質濃度が低いと凝集が妨げられるからである。銀微粒子の分散安定性を実用レベルまで高めるためには、濃縮・洗浄工程において、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液から銀微粒子を除去した溶媒部分の電気伝導度が500μS(ジーメンス)/cm以下、好ましくは200μS/cm以下となるまで、電解質濃度を低下させることが好ましい。
上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液は、そのままでも印刷・塗布が可能であるため、銀膜形成用塗布液として用いることも可能である。しかし、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液は溶媒が水系であるため、プラスチック等の基材の種類によっては成膜工程においてハジキ等の塗布欠陥を生じる場合がある。そこで、次の溶媒配合工程において、銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に有機溶媒を加えることにより、銀膜形成用塗布液とすることが望ましい。この銀膜形成用塗布液の塗布性は、有機溶媒の添加により大幅に改善されている。
尚、電解質濃度の低下により銀微粒子の分散安定性が向上するのは、水に有機溶媒が配合された銀膜形成用塗布液においても同様である。従って、上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に有機溶媒を加える溶媒配合工程の前に、例えばイオン交換樹脂を添加する等の洗浄工程を付加して、銀膜形成用塗布液の電解質濃度をより一層低下させることもできる。
上記溶媒配合工程で用いる有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシドを含む有機溶媒を用いることが好ましい。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、銀微粒子に作用して、銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の安定性を向上させる効果がある。また、ジメチルスルホキシドの配合量は、銀微粒子100重量部に対し0.5〜300重量部の範囲が好ましく、2〜50重量部の範囲が更に好ましい。ジメチルスルホキシドの配合量が0.5重量部未満では添加効果が認められず、また300重量部を超えても銀微粒子の安定性に更なる向上は見られず、逆に印刷・塗布後の乾燥時間が長くなるだけである。
ジメチルスルホキシド以外の有機溶媒としては、上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液との相溶性、基材に対する溶解性、成膜条件等を考慮して、適宜選定することができる。例えば、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶剤;アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体;トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体;ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ミネラルスピリッツ、ターピネオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記濃縮・洗浄工程及び溶媒配合工程により得られる銀膜形成用塗布液は、その銀微粒子の濃度を1〜20重量%の範囲とすることが好ましく、2〜10重量%の範囲が更に好ましい。銀微粒子の濃度が1重量%未満では1回の印刷で十分な厚さの膜を得ることが困難であるが、1重量%以上になると十分な厚さの膜を形成することができ、特に2重量%以上とすることで優れた金属光沢を有する銀膜を印刷法で安定して形成することができる。逆に銀微粒子の濃度が20重量%を超えると、銀膜形成用塗布液における銀微粒子の分散安定性の悪化やインクジェット印刷における吐出性の悪化(ノズル詰まり等)が生じやすくなるため好ましくない。
このようにして得られた本発明で用いられる銀膜形成用塗布液は、平均粒径20〜100nmの粒状の銀微粒子が溶剤(水及び有機溶媒)中に均一に分散され、且つこの銀微粒子が印刷法に適用し得る適正な濃度で含まれており、不純物含有量が少なく、分散安定性に優れている。ちなみに、水系インクジェット印刷法に用いる銀膜形成用塗布液では、例えば、水、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの混合溶剤組成が一般に用いられている。
上記銀膜形成用塗布液による金属光沢を有する銀膜は、塗布法により室温で簡単に形成することができる。即ち、銀膜形成用塗布液を紙媒体等の基材上にインクジェット印刷法等によって室温で塗布・乾燥することにより、銀膜を形成することができる。尚、室温で塗布・乾燥するとは、銀膜形成用塗布液や基材、塗膜あるいは雰囲気を加熱することなく塗布・乾燥を行うことを意味する。
ところで、例えばインクジェット印刷により金属光沢印刷物を得る場合、用いる銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は、インクジェット印刷時のノズル詰まりを防止し、且つ数ヶ月という長期間の保管でも分散安定性を維持する必要があり、また、印刷後の(自然)乾燥で金属光沢膜となる必要がある。好ましくは、上記した特開2005−120226号公報に記載されているように、印刷物の硫化等による劣化防止(変色防止)のために、例えばメルカプトベンゾチアゾール又はそのナトリウム塩等のメルカプト基含有化合物を銀膜形成用塗布液に添加することもできる。
また、銀膜形成用塗布液には、高分子分散剤を添加しておくことが好ましい。高分子分散剤は、銀微粒子表面を保護して、分散安定性を高める働きがある。更に、特に上記メルカプト基含有化合物を添加する場合には、高分子分散剤によりメルカプト基に対する安定性を上げる効果も得られる。
添加する高分子分散剤としては、下記化学式4で表されるカルボキシル基を有しているオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤が最適であり、分子中のカルボキシル基が一部アルカリ金属で中和されたものがよい。好ましくは、上記高分子分散剤中のカルボキシル基において、総カルボキシル基のうちの33〜80%がアルカリ金属で中和されていることが望ましい。上記範囲外であると、銀膜形成用塗布液において銀微粒子の安定性が低下し、銀微粒子の凝集が生じ易くなる場合がある。
Figure 2009269935
上記オレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤としては、花王(株)製のデモールEPや、日本油脂(株)製のポリスターOM等が市販されている。添加する高分子分散剤溶液のアルカリ金属量(pH)を調整するために、高分子分散剤溶液のイオン交換を行うこともできる。また、高分子分散剤の添加量は、分散剤の分子量にもよるが、一般的には銀の重量に対して1/5から1/50、好ましくは1/10〜1/20とする。高分子分散剤が1/5より多いと、銀膜形成用塗布液を用いて得られる塗膜の金属光沢が出にくく、1/50未満では分散安定化の効果が少ない。
尚、上記オレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤やメルカプト基含有化合物を添加する場合には、有機溶媒を加える前の上記銀微粒子コロイド濃縮洗浄分散液に高分子分散剤を添加し、次にメルカプト基含有化合物を加えた後、上述のごとく水、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の溶剤で更に希釈するにより、銀膜形成用塗布液を調製することができる。
銀膜形成用塗布液を塗布する基材は、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、紙あるいは紙の表面にアルミナをコートした光沢紙、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)等のプラスチックからなるフィルム又は板、あるいはガラス板等を用いることができる。インクジェット印刷を行う場合の紙媒体としては、紙又は紙の表面にアルミナをコートした光沢紙が好ましい。
また、銀膜形成用塗布液を基材上に塗布する方法としては、上記インクジェット印刷以外にも、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、ワイヤーバーコーティング法、ドクターブレードコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法等の各種方式が適用可能である。
本発明の金色系金属光沢を有する銀膜の金属光沢(反射)は、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)において、L値が40以上、a値が正の値、b値が10以上の範囲内であることが好ましい。この範囲のL表色系色指数を有していれば、好適な金色系金属光沢を有する銀膜となっている。尚、上記L表色系色指数は、例えば、日本電色工業(株)製の簡易型分光色差計を用いて測定することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」は「重量%」を示し、「部」は「重量部」を示している。
[実施例1]
23.1%硫酸鉄(FeSO・7HO)水溶液208gと、37.5%クエン酸ナトリウム(C(OH)(COONa)・2HO)水溶液256gの混合液に、9.1%硝酸銀(AgNO)水溶液176gを混合して反応させ、銀微粒子凝集体を含む反応液を得た。尚、硫酸鉄水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液の液温は20℃に、及び硝酸銀水溶液の液温は10℃に設定した。
得られた反応液を容器に入れたまま、65℃のインキュベータ中に16時間放置して熟成した。この放置熟成後の反応液から銀微粒子凝集体を遠心分離機で濾過し、銀微粒子凝集体のケーキを回収した。このケーキに純水を加えて洗い出しを行い、銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.96%)を得た。
得られた銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子は、その平均粒径が約50nmであり、粒径35〜65nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める均一な粒度分布のものであった。尚、銀微粒子の粒径測定は、銀微粒子コロイド分散液の透過電子顕微鏡(TEM)観察によって行った。
一方、オレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤として、イソブチレン・マレイン酸共重合物のナトリウム塩の10%水溶液をカチオンイオン交換樹脂で処理することによって、カルボキシル基(COOH)の水素の一部がナトリウムで置換された高分子分散剤(重量平均分子量[Mw]=6500、COOH/COONa=20/80)の水溶液を作製した。尚、ナトリウムの置換量は液のナトリウム分析値から求めた。
上記銀微粒子コロイド分散液を限外濾過により濃縮・洗浄することによって、銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:25%、HO:残部)を得た。この銀微粒子コロイド洗浄濃縮液に、上記高分子分散剤の水溶液と水を加えて、高分子分散剤で保護された銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:20%、高分子分散剤:2%、HO:残部)を得た。
上記高分子分散剤で保護された銀微粒子コロイド洗浄濃縮液に、グリセリン、エチレングリコールモノブチルエーテル、水、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩を加え、銀膜形成用塗布液(Ag:2%、高分子分散剤:0.2%、グリセリン:10%、エチレングリコールモノブチルエーテル:10%、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩:0.04%、HO:残部)を作製した。
得られた銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は、前記した銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子と変わらず、平均粒径が約50nmであり、粒径35〜65nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める均一な粒度分布のものであった。この銀膜形成用塗布液の粘度(23℃)は約3mPa・sであった。尚、銀膜形成用塗布液の粘度は、山一電機(株)製の振動式粘度計VM−100−Lを用いて測定した。
この銀膜形成用塗布液をインクカートリッジに詰め、家庭用インクジェットプリンター(キャノン(株)製、PIXUS560i)を用いて、インクジェット印刷用光沢紙に室温で印字することにより、金色系金属光沢を有する銀膜(印字)が得られた。インクジェット印刷による印字はノズルが詰まることはなく実施でき、3ヶ月以上経過した銀膜形成用塗布液でも問題なく行うことができた。
得られた実施例1に係る銀膜の金属光沢(反射)は、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)で、L値=63.7、a値=6.1、b値=18.3であった。尚、L表色系色指数は、日本電色工業(株)製の簡易型分光色差計NF333を用いて測定した。得られた金色系金属光沢を有する銀膜を指先で軽く擦った後、銀膜の傷を目視観察して密着力を評価したところ良好であった。また、この印字された光沢紙を大気中に2週間放置したが、大きな変色はなく、金色系金属光沢が維持されていた。
[実施例2]
上記実施例1の上記銀微粒子コロイド洗浄濃縮液に、グリセリン、エチレングリコールモノブチルエーテル、水、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩を添加して、銀膜形成用塗布液(Ag:3%、高分子分散剤:0.3%、グリセリン:10%、エチレングリコールモノブチルエーテル:10%、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩:0.06%、HO:残部)を作製した。
この銀膜形成用塗布液を用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例2に係る金色系金属光沢を有する銀膜(印字)を形成した。インクジェット印刷による印字はノズルが詰まることはなく実施でき、3ヶ月以上経過した銀膜形成用塗布液でも問題なく行うことができた。尚、上記銀膜形成用塗布液の粘度(23℃)は、約3mPa・sであった。
得られた実施例2に係る銀膜の金属光沢(反射)は、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)で、L値=66.5、a値=6.0、b値=20.9であった。また、このインクジェット印刷により印字された光沢紙を大気中に2週間放置したが、大きな変色はなく、金色系金属光沢感が維持されていた。
[比較例1]
上記実施例1と同様に銀微粒子コロイド分散液を製造したが、銀微粒子凝集体を含む反応液の放置熟成工程を行わず、反応液から銀微粒子凝集体を遠心分離機で濾過して銀微粒子凝集体のケーキを得た。このケーキに純水を加えて洗い出しを行い、銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.85%)を得た。
得られた銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子は、その平均粒径が約7.5nmであり、粒径5〜10nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める粒度分布のものであった。上記銀微粒子コロイド分散液を、限外濾過により濃縮・洗浄することによって、銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:25%、HO:残部)を得た。
この銀微粒子コロイド洗浄濃縮液を用いた以外は上記実施例1と同様にして、高分子分散剤で保護された銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:20%、高分子分散剤:2%、HO:残部)を作製し、更に銀膜形成用塗布液(Ag:2%、高分子分散剤:0.2%、グリセリン:10%、エチレングリコールモノブチルエーテル:10%、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩:0.25%、HO:残部)を作製した。
得られた銀膜形成用塗布液中の銀微粒子は、銀微粒子コロイド分散液中の銀微粒子と変わらず、その平均粒径が約7.5nmであり、粒径5〜10nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める均一な粒度分布のものであった。
この銀膜形成用塗布液を用いた以外は上記実施例1と同様にして、比較例1に係る金属光沢を有する銀膜(印字)を得た。インクジェット印刷による印字はノズルが詰まることはなく実施でき、3ヶ月以上経過した銀膜形成用塗布液でも問題なく行うことができた。尚、上記銀膜形成用塗布液の粘度(23℃)は、約3mPa・sであった。
得られた比較例1に係わる銀膜の金属光沢(反射)は、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)で、L値=62.4、a値=−5.7、b値=6.2であり、銀色系の金属光沢であった。尚、このインクジェット印刷により印字された光沢紙を大気中に2週間放置したが、大きな変色はなく、銀色系の金属光沢感が維持されていた。
上記した実施例1、実施例2及び比較例1で得られた各銀膜について、それぞれの反射プロファイルを図1に示す。尚、反射プロファイルは、(株)日立製作所製の分光光度計U−4000を用いて測定した。
図1の反射プロファイルと、上記した実施例1及び2と比較例1の各銀膜の反射(L表色系色指数)から分るように、銀膜形成用塗布液を室温で基材上に塗布・乾燥して得られる銀膜の金属光沢は、銀膜形成用塗布液中の銀微粒子の平均粒径が20〜100nmの範囲内であれば金色系の金属光沢が得られるが、平均粒径が20〜100nmの範囲から外れると銀色系となることが明らかである。
本発明の金色系金属光沢を有する銀膜(実施例1、実施例2)、及び従来の銀色系金属光沢を有する銀膜(比較例1)の各反射プロファイルを示すグラフである。

Claims (7)

  1. 溶剤中に粒状の銀微粒子が均一に分散した銀膜形成用塗布液を基材上に室温で塗布・乾燥して得られる銀膜であって、該銀微粒子の平均粒径が20〜100nmであり、得られる銀膜が金色系金属光沢を有することを特徴とする銀膜。
  2. 前記銀微粒子の表面が、下記化学式1で表されるカルボキシル基を有しているオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていることを特徴とする、請求項1に記載の銀膜。
    Figure 2009269935
  3. 前記高分子分散剤中のカルボキシル基は、全カルボキシル基のうちの33〜80%がアルカリ金属で中和されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の銀膜。
  4. 前記銀微粒子が、カレー・リー(Carey−Lea)法で製造された銀微粒子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の銀膜。
  5. 前記銀膜形成用塗布液の塗布方法が、インクジェット印刷法であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の銀膜。
  6. 前記基材が紙媒体であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の銀膜。
  7. 前記銀膜の金属光沢が、L表色系色指数(標準光源D65、視野角10度)において、L値が40以上、a値が正の値、b値が10以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の銀膜。
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