JP5377483B2 - 微小金属粒子含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

微小金属粒子含有組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低温での焼成でも良好な導電性を示す金属含有組成物及びその製造方法に関する。
近年、ナノメーターサイズの微小金属粒子(金属ナノ粒子)が様々な分野で利用されてきている。例えば、導電材料の分野においては、金属ナノ粒子を含有する導電ペーストを用いて、インクジェット等の印刷技術によって微細な電気配線を描写することや、ナノメーターサイズの粒子に特有の低温で焼結する特性を生かして紙などの耐熱性の低い基材への導電膜の形成を可能にすることなどが試みられており、これらの目的にとって好適な特性を持ったペーストに対する要求が強くなっている。
上記の目的を達成するため、金属ナノ粒子に求められる特性としては、第一にペースト分散媒への分散性が良好であり、該ペーストを塗布後に熱処理する工程において、耐熱性の低い基板でも耐えられる200℃程度の低温での熱処理によって焼結し良好な導電性を示すことが挙げられる。また、第二に分散液組成物やインク組成物を作製する際のハンドリング性が良好であることや、これらの組成物を構成する様々な組成や製造方法に対応が可能となることから、金属ナノ粒子が乾燥した粉体状態で安定に存在し、必要に応じ種々の溶媒に再分散が可能であることが挙げられる。また、この第二の目的とする特性から、金属ナノ粒子製造においては産業的な視点より、反応終了後の反応液からフィルタープレス等の従来から使用されている装置で、容易に且つ短時間で金属ナノ粒子を反応溶媒と分離できることが望ましいといえる。
これらを達成すべく様々な方法によって金属ナノ粒子の作製が試みられているが、前記第一の目的特性を達成する手段として、金属ナノ粒子の表面が反応中や反応後に互いに融着することを抑制させることを目的とし、有機物質を金属ナノ粒子表面に付着させることが一般的には行われている。その際には比較的分子量の大きいものを表面に付着させることで、個々の粒子の独立性を担保することが広くなされている。しかし、高分子量であるが故に分散液を基板上で塗布後融着させようとすると、周囲を被覆する有機物質を揮散させる過程で、基板を高温で且つ長時間で加熱させる必要があり、比較的ガラス転移点の低い、いわゆる耐熱性の弱いような物質を基板に採用することを難しくすることが問題としてあげられ、かような問題を解決するためにはできるだけ低い温度で、且つ短時間の焼成で焼結するような粒子の提供が必要である。
かような課題を解決するために、特許文献1においては、低温で気化する分子を保護剤として用いることによって、150℃の低温で熱処理した場合でも6.8〜9.5μΩ・cmなどの比較的良好な体積抵抗値を示す金属膜を提供することに成功している。しかし、バルク銀の抵抗値である1.6μΩ・cmと比較するとまだ抵抗値が高いものであった。
また、開示されている粒子製造法により提供される粒子は、固液分離を遠心分離によって行う必要があり、結果として分離回収に多大な時間を必要とするため、産業的見地からすれば簡便、且つ短時間で固液分離できる製造法が望まれる。
上記のような簡便且つ短時間での固液分離を達成する手段としては、特許文献2が挙げられる。これに開示されている方法によると、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合することで銀ナノ粒子を作製できるとされている。より具体的には、反応時において、原料に由来する高濃度の鉄イオン、ナトリウムイオンなどにより生成した銀ナノ粒子が急速に凝集するため、クエン酸イオンで保護された銀ナノ粒子の凝集体が形成される。このように反応後に粒子表面が保護された状態で凝集体となるため、フィルタープレス等の常用されている固液分離手段によって反応溶媒と分離することができ、またこの凝集体のケーキに純水を加えることによって、液中の鉄イオンとナトリウムの濃度が低下することから、凝集要因がなくなり銀ナノ粒子に再分散することができるとある。
しかしながら、粉体中からナトリウム等の不純物を完全に近い状態で取り除くことは非常に困難であり、この方法で作製できるインクには金属ナノ粒子表面などに不純物がなお残留していると考えられる。これらの不純物イオンが、インクの構成次第では焼成後の金属膜の導電性に悪影響を及ぼす可能性が考えられる。また、繰り返し洗浄すればより不純物濃度を低くすることも可能であると考えられるが、凝集要因が少ない状態での洗浄、濾別作業となるため、凝集体が形成されにくくなるものと考えられ、洗浄後に濾別する際に長時間のデカンテーションや遠心分離等の煩雑且つ長時間の作業が必要となり、産業的に不向きであると考えられる。
特開2007−95510号公報 特開2006−28637号公報
本発明は以上のような従来の問題に鑑みて想到されたものであり、その目的は、反応液からの金属成分の分離が容易であるとともに、従来では高温による加熱処理で得られていたものと同等な焼結状態を低温での加熱処理で得られる金属含有組成物、およびそのような金属含有組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、金属粒子の表面を構成する有機成分を特定のものとすることにより、低温の加熱処理であっても十分な導電性を示すとともに、分離回収能力に優れた粒子が得られることを見いだした。それらは、水とアンモニア水と分子量200以下の有機物と還元剤を混合した還元液に、金属塩水溶液を反応させてから濾過・洗浄する製造方法により、得ることが可能である。
すなわち、本発明の金属含有組成物は、水とアンモニア水とヘキサン酸と還元剤を混合し還元液を調液する還元液調液工程と、前記還元液に、金属塩水溶液を添加し反応させる反応工程と、前記反応工程で得られた生成物を濾過し水で洗浄する濾過・洗浄工程によって生成され、平均粒子径が100nm未満の微小金属粒子を含む金属含有組成物であって、前記金属含有組成物を大気中150℃で60分間加熱した後の真密度をρ150とし、前記金属含有組成物を大気中200℃で60分間加熱した後の真密度をρ200とし、前記ρ200と前記ρ150との比(ρ200/ρ150)を真密度比ρとした際に、前記ρが1.10以下であることを特徴とする。
また、本発明の金属含有組成物の好適形態は、前記微小金属粒子のバルク状態の密度をρとした際に、前記ρ150との比(ρ150/ρ)および/または前記ρ200との比(ρ200/ρ)が0.8以上となることを特徴とする。
また、本発明の金属含有組成物の他の好適形態は、前記微小金属粒子の表面には、分子量200以下の有機物が付着していることを特徴とする。
また、本発明の金属含有組成物の製造方法は、水とアンモニア水と分子量200以下の有機物と還元剤を混合し還元液を調液する還元液調液工程と、前記還元液に、金属塩水溶液を添加し反応させる反応工程と、前記反応工程で得られた生成物を濾過し水で洗浄する濾過・洗浄工程とを有することを特徴とする。
本発明の金属含有組成物は、微小金属粒子を含み、150℃と200℃のそれぞれの加熱処理後の真密度にほとんど差のない組成物構成となるので、高温加熱処理と同等な焼結状態を低温加熱処理であっても簡便に得られるようになる。
また、本発明の金属含有組成物の製造方法は、水とアンモニア水と分子量200以下の有機物と還元剤を混合した還元液に、金属塩水溶液を反応させてから濾過・洗浄するような簡便な作業工程で構成することができる。
真密度比と体積抵抗との関係を示す図である。 バルク状態の密度の比と体積抵抗との関係を示す図である。 濾過・洗浄した後、乾燥させた本発明の金属含有組成物のSEM写真である。 図3の乾燥粉末を溶媒に再分散させて撮影したTEM像である。 実施例1の銀粉を大気中150℃で60分間焼成した実施例2(150)の表面SEM写真である。 実施例1の銀粉を大気中200℃で60分間焼成した実施例2(200)の表面SEM写真である。 実施例1の銀粉を大気中100℃で60分間乾燥した後、150℃で30分間焼成した実施例3(150)の表面SEM写真である。 比較例1の銀粉を大気中150℃で60分間焼成した比較例2(150)の表面のSEM像である。 比較例1の銀粉を大気中200℃で60分間焼成した比較例2(200)の表面のSEM像である。
以下、本発明の金属含有組成物について詳細に説明する。なお、本発明における金属含有組成物に含まれる微小金属粒子は、ナノオーダの微小金属粒子である。従って本発明の金属含有組成物を金属ナノ粒子含有組成物とも呼ぶ。また、金属ナノ粒子含有組成物は、金属ナノ粒子からなる粉末や金属ナノ粒子が分散した分散液等をも含む。
また、本発明において凝集とは粒子同士の表面が接触することなく、単に接近して2個以上の粒子の集合体となっている状態のことをいい、凝結とは粒子同士が合体して元々2個以上の粒子であったものが1つの粒子となっていることをいう。
本発明の金属ナノ粒子含有組成物は、大気中150℃で60分間加熱した後の真密度をρ150とし、大気中200℃で60分間加熱した後の真密度をρ200としたとき、(1)式で表される真密度比ρが1.10以下という性質を有する。
ρ=ρ200/ρ150・・・(1)
真密度比ρは、その値が1.00に近づく程、温度差による焼結性に変化が少ないことを意味する。すなわち、200℃における真密度の絶対値がバルクの金属に近いような値を示していれば、低温であってもより高温での焼結挙動を同じ挙動が低温でも生じていることになるので、換言すれば低温焼結性が優れることを意味することになる。逆に真密度比ρが1.10を越える場合は、150℃熱処理後のρ150の値と200℃熱処理後のρ200の値の差が大きいことを意味し、200℃における真密度がバルクの金属の示す値に近いような場合、比較的高温と低温における焼結性には差が生じ、翻ってこのような金属ナノ粒子含有組成物は低温焼結性が劣ることを意味する。したがって、真密度比ρの値は、好ましくは1.05以下であり、さらに好ましくは1.02以下がよい。
また、本発明はρ150及びρ200と、金属含有組成物に含まれる微小金属粒子のバルク状態の密度ρとのそれぞれの割合(ρ150/ρ)及び(ρ200/ρ)が0.80以上であることを特徴とする。この比は、加熱後の金属がどれくらい純粋な金属に近づいているかを示す指標であり、該温度において表面に付着している有機成分が容易に脱離し、残存物が純粋な金属により構成されている度合いを表すので、理想的には1である。ここでバルク状態の密度とは、微小金属粒子を構成する金属元素が常温で安定に存在する状態での1cmあたりの重量をいう。金属元素としては、金、銀又は銅、及びこれらを任意に組み合わせたものを含む単体物、化合物のいずれか一方又は双方を使用できる。
150℃、200℃での熱処理後の真密度とバルク状態の金属の密度の割合は1.00に近づく程、低温熱処理時に被覆分子がより多く除去されていることを示す。従って、この場合は金属ナノ粒子表面には余分なものがなく、接触する面積が多くなることから、低温での焼結(結合)部分が多くなって、低温でも優れた導電性を示す結果が得られるものと思われる。
この割合が0.80未満である場合、有機成分が金属ナノ粒子の表面に残存することで、脱離できていない可能性があることを意味し、金属ナノ粒子表面が露出している面積が小さいことから、粒子低温での焼結(結合)性が劣り、導電性に劣る可能性がある。これらの割合は、好ましくは0.90以上であり、さらに好ましくは0.95以上がよい。このような値を示すときには、焼成した際に、真密度がバルク状態の密度に近くなれば、バルク状態の金属に匹敵する導電性を得ることができる。
また、金属ナノ粒子の表面には、金属との親和性のある基を有する有機物が配設されていることが好ましい。例としては保護剤として機能する直鎖脂肪酸が挙げられる。また、焼成時の蒸散しやすさという観点から分子量が200以下のものが好ましい。より好ましくは150以下であることが良い。
さらに、本発明に従う金属ナノ粒子と従来の多くの金属ナノ粒子との異なる点は、粒子の分離の容易さがある。従来よく知られている金属ナノ粒子の合成方法においては、合成直後の形態が反応溶媒中に金属ナノ粒子が分散した状態となっていた。このため、従来は長時間のデカンテーションや、遠心分離などといった煩雑、もしくは長時間を要する方法で固液分離を行ってきたため、産業的に問題のあるものであった。
これに対して、本発明の金属ナノ粒子含有組成物は、金属微粒子表面に存在する有機物の構成を適宜調整することで、製造時に金属ナノ粒子同士が凝集した状態で存在するため、従来ミクロンオーダーの粒子の回収に用いられてきた、ろ紙やフィルタープレスなどといった既存の設備を用いて分離を行うことができるようになる。さらに本発明で得られる金属ナノ粒子含有組成物は、乾燥状態においても安定に存在できるため、かさばることが少なく、輸送や保管の面でも大変優位である。
このメカニズムとしては、現時点で明らかではないが、金属ナノ粒子が疎水性であることに由来すると推察できる。例えば、保護剤として親水性のCOOH基と疎水性のC鎖を有するヘキサン酸を使用すると、粒子表面側に向かってCOOが、外側(反応中で言えば水側)に向かって疎水性のC鎖が位置するように存在していると考えられる。このときに反応溶媒として水を用いる場合には、疎水性の粒子同士が集合して粗大な凝集体となり、フィルタープレス等の固液分離が容易になる。
また、本発明の金属ナノ粒子含有組成物は、固液分離された乾燥粉状態では粒子同士が凝集した状態で安定に存在しており、適当な分散媒に再分散させた際には再度分散することが可能である。その機構については明らかではないが、保護剤として機能する金属ナノ粒子表面の有機物の多重吸着の影響によって反応後の凝集、分散媒への再分散を可能にしていることが考えられる。
次に、本発明の導電性ペーストについて説明する。本発明の導電性ペーストは、上述の金属ナノ粒子含有組成物を必要に応じて分散媒で濃縮または希釈してなる。これにより低温熱処理で種々の基板材料上への電気配線や導電膜の作製が可能となる。
かかる分散媒としては、極性溶媒を選択することが好ましく、例としては水、アルコール、ポリオール、グリコールエーテル、1−メチルピロリジノン、ピリジン、ターピネオール、テキサノール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。
次に、本発明の金属ナノ粒子含有組成物の製造方法について説明する。本発明の金属ナノ粒子含有組成物の製造方法では、還元液の調液工程、銀反応工程、濾過・洗浄工程を行い、上述の金属ナノ粒子含有組成物を得る。
代表的には、原料液及び還元液を調整する調液工程、温度を上昇させる昇温工程、原料液を還元液に添加し反応を進行させる反応工程、液中の金属粒子(特に銀粒子)を成長させる熟成工程、濾過・水洗によって余分な有機物質を除去する濾過・洗浄工程、及び乾燥により液中の水分を除去する乾燥工程を行うことにより製造できる。
還元液調液工程で用いる還元液には、水とアンモニア水と保護剤として機能する有機物と還元剤とを含める。かかる有機物の分子量は200以下とする。アンモニア水は、水中に酸を溶解させるための安定化剤として作用させるためである。ここで、前記保護剤として機能する有機物は、粒子表面に親和性のある基を有するものが好ましく、例としては直鎖脂肪酸が挙げられる。また、焼成時の蒸散しやすさという観点から好ましくは分子量が150以下であることが良い。
また、前記還元剤は、金属にまで還元可能なものであればよい。ヒドラジン水和物、ヒドラジン、水素化ホウ素アルカリ塩(NaBHなど)、リチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)、アスコルビン酸、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンなどから適宜選択して使用することができる。
反応工程では、この還元液に金属塩水溶液を前記還元液に添加して反応させる。かかる反応工程では、反応槽中を40℃から80℃の範囲に昇温して反応させるのがよい。このとき、反応槽に添加する金属塩水溶液は、反応槽と同じ温度にしておくとより好ましい。なお、反応槽中が40℃未満であれば、金属の過飽和度が上昇し、核発生が促進されるため、微粒が多くなりやすい。80℃超では、核発生は抑制されるが、粒子成長、粒子凝集が促進されやすい。
また、反応工程では、溶液内の均一反応を実現する観点から、添加すべき金属塩水溶液を一挙に添加することが好ましい。一挙に添加しないと溶液内が不均一系になり、核発生と粒子凝集が同時並行的に起こるようになり、結果的に粒度分布の大きな、不均一な金属粒子が得られることがある。したがって、ここでいう「一挙に添加する」とは、還元剤や保護剤の濃度若しくはpH、温度といった反応要因が、金属塩水溶液の添加時期によって実質的に変化しない態様であれば、特に限定されるものではない。
濾過・洗浄工程では、反応工程で得られた生成物を水で洗浄する。また、かかる濾過・水洗工程は、その方法は特に制限されるものではないが、産業的な視点から遠心分離やデカンテーションよりも、濾布に反応液を通液させて固液分離する方法が好ましく、装置としてはフィルタープレスなどが使用できる。
以上説明した金属ナノ粒子含有組成物の製造方法では、反応槽として、攪拌の均一性が得られる形状及び構造のものを使用するのがよい。これは、金属ナノ粒子は還元反応によって得られるが、得ようとしている粒子のサイズが非常に小さいため、局所的な濃度やpHの分布が粒度分布に大きく影響することに由来する。
続いて、本発明の微小銀粒子の製造方法の一実施形態について、反応の流れに沿って各製造工程を説明する。また、反応は窒素などの不活性ガス雰囲気下で行い、かつ溶液中の溶存酸素を除くため、窒素の通気処理を行うことが好ましい。
<調液工程>
反応の原液を調整する本工程では、原料液として液を二種類用意する。一方は還元性を有する物質を溶解させた液I(後には還元液と称する)であり、もう一方は原料である金属塩(特に銀塩)が溶解された液II(後には原料液と称する)である。還元液は、上述の還元剤を純水に溶解させるとともに、保護剤およびアンモニア水をそれぞれ添加し、均一になるまで混合することによって得る。また、原料液は金属塩の結晶を純水に溶解させることによって得られる。
<昇温工程>
液をおのおの準備した後に、ウオーターバスもしくはヒーターを用いて液を昇温し、反応温度まで上昇させる。このとき、還元液と反応液を同様に加熱しておけば、反応時において反応の不均一が防止される効果があり、粒子の均一性を保つことができるので好ましい。このときに昇温させる目的の温度(後の反応温度)は、40〜80℃の範囲である。
<反応工程>
液がともに目的温度まで上昇すれば、還元液と原料液を混合する。添加は突沸に注意した上で、一度に行うことが反応の均一性の面から好ましい。
<熟成工程>
反応液を混合した後、10〜30分程度攪拌を続け、反応を完結させる。このときの反応は、サンプリングした反応液に対し、ヒドラジンを滴下することにより、未還元の反応が生じるかどうか確認することによって、終点を判断する。
<濾過・洗浄工程>
得られたスラリーはフィルタープレスを用いて固液分離を行い、得られたケーキに対して洗浄を行う。洗浄工程終了の判断としては、洗浄液である純水と同等の電気伝導度となるまで洗浄を行うのが好ましい。
<乾燥工程>
洗浄後のケーキを、真空中で40℃で12時間乾燥させることで、乾燥した金属粒子凝集体が得られる。
以下実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
(1)金属ナノ粒子含有組成物の作製
反応槽には24L反応槽を使用した。攪拌の均一性を担保するため、壁面内側には等間隔に邪魔板を配置した。また攪拌のために、タービン羽根を2枚備えた攪拌棒を反応槽の中心に設置した。反応槽には温度をモニターするための温度計を設置した。また溶液に下部より窒素を供給できるようにノズルを配設した。
まず、反応槽に水16851gを入れ、残存酸素を除くため反応槽下部から窒素を5000mL/分の流量で600秒間流した。その後、窒素を反応槽上部から5000mL/分の流量で供給し、反応槽中を窒素雰囲気とした。
攪拌棒の回転速度が338rpmになるように調整した。そして反応槽内の溶液温度が60℃になるように温度調整を行なった。
アンモニア水(アンモニアとして30%含有する)33.9gを反応槽に投入した後、液を均一にするために1分間攪拌した。
次に保護剤としてヘキサン酸(和光純薬工業株式会社製特級試薬)218.3g(銀に対して1.98当量にあたる)を添加し、保護剤を溶解するため4分間攪拌した。その後、還元剤として50%のヒドラジン水和物(大塚化学株式会社製)水溶液を114.5g添加し、これを還元液とした。
別の容器に硝酸銀結晶(和光純薬工業株式会社製特級試薬)162gを水438gに溶解した硝酸銀水溶液を用意し、これを原料液とした。なお、硝酸銀水溶液は反応槽内の溶液と同じ60℃に温度調整を行なった。
その後、原料液を還元液に一挙添加により加え、還元反応を行った。攪拌は連続して行い、その状態のまま10分間熟成させた。その後、攪拌を止め、吸引濾過によって固液分離し、洗浄工程、乾燥工程を経て、銀ナノ粒子を含む粉末を得た。
(2)粉末の焼成
上記で得られた粉末を角形の灰分測定用灰皿上に約2mmの厚みで敷き詰め、加熱炉(ヤマト科学製マッフル炉FO310)内で、大気中150℃、200℃でそれぞれ60分間焼成した。これらを区別するために、150℃で焼成したサンプルを実施例1(150)とし、200℃で焼成したサンプルを実施例1(200)とする。実施例1は焼成した粉末である。
(3)真密度の測定
前記焼成工程で得られた粉末を、Quantachrome社製ULTRAPYCNOMETER1000を用いて真密度を測定した。また、この測定で得られた値を用いて前記ρ、(ρ200/ρ)及び(ρ150/ρ)の値を算出した。なお、ρは公知の文献から引用した。
(実施例2)
(1)ペーストの作製、塗布及び焼成
実施例1の(1)で得られた銀粉末6.0gとターピネオール4.0gを混練することで銀濃度60質量%の銀ペーストを作製した。ここで得られた銀ペーストをスライドガラス上にアプリケーターを用いて塗布膜とした。また、該塗布膜を大気中加熱炉内で150℃、200℃でそれぞれ60分間焼成した。実施例2も同じく150℃で焼成したものを実施例2(150)、200℃で焼成したものを実施例2(200)と表す。実施例2は共にペーストを焼成した膜である。
(2)体積抵抗測定
前記(1)で得られた焼成膜の体積抵抗を三菱化学株式会社製ロレスタ(登録商標)を用いて測定した。
(実施例3)
(1)ペーストの作製、塗布及び焼成
実施例1の(1)で得られた銀粉末5.0gとターピネオール5.0gを混練することで銀濃度50質量%の銀ペーストを作製した。この銀ペーストをスライドガラス上にアプリケーターを用いて塗布膜とした。該塗布膜を大気中100℃で60分間乾燥させ、塗布膜中の溶媒を蒸発させた後、大気中150℃で30分間焼成を行った。
実施例3も同じく150℃で焼成したものを実施例3(150)、実施例3は共にペーストを焼成した膜である。
(2)体積抵抗測定
前記(1)で得られた焼成膜の体積抵抗を実施例2の(2)と同様にして測定した。
(比較例1)
オレイルアミンに被覆された銀粉を作製した。まず、50mgの酢酸銀を2.0gのオレイルアミン中に溶解し、その溶液を還流している50mlのヘキサン中に注入した。2日間その状態で保持した。反応後の状態を見ると、反応溶媒中に微粒子が分散しており、吸引濾過による固液分離は不可能であったため、遠心分離を実施して反応溶媒を除去した。その後、メタノールを用いて2回洗浄した後乾燥させて乾燥粉を得た。比較例1として得られた銀粉は実施例とは製造方法が異なる粉である。得られた銀粉について、実施例1と同様に(2)〜(3)の操作を行った。実施例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1の銀ナノ粉末を用いて、実施例2の操作を行った。まとめると、実施例1は本発明の金属含有組成物自体を焼成して得た銀粉であり、実施例2は実施例1をペースト化して膜にしたものを焼成した膜であり、実施例3は実施例2の焼成条件を変更した膜である。また比較例1は実施例1と製造方法の異なる金属含有組成物自体を焼成して得た銀粉であり、比較例2は比較例1をペースト化して膜にしたものを焼成した膜である。なお、BET法による比表面積の測定はユアサアイオニクス製の4S−U2を用いて行った。また、TAP密度の測定は、特開2007−263860号公報に記載されている測定法を用いて行った。
粉末中に存在している不純物量として実施例1及び比較例1の焼成前及び焼成後の粉末中のN,O,Cを測定した。また、実施例3の焼成後の膜に残存するC量を測定した。N、Oは、酸素窒素同時分析装置(LECO製,TC−436型)を用い、不活性ガス中融解−赤外線吸収法にて測定した。また、Cは、炭素・硫黄分析装置(堀場製作所製,EMIA−220V)を用い、燃焼法にて測定した。
なお、金属ナノ粒子含有組成物に含有されるC量は、150℃で60分間焼成する前後の減少割合(焼成後のC量/焼成前のC量)にして、0.30未満であることが好ましく、より好ましくは0.20未満、更に好ましくは0.15未満である。C量の減少割合が0.30以上である場合、焼成によりCの除去率が低いことにより焼成膜の導電率が悪くなってしまうことが考えられる。また、C量は少ないほど焼成膜の銀純度が増加するので、C量の焼成前後の減少割合率も低いほど好ましい。これより、焼成前後のC量の減少割合の下限を規定することはできない。なお、Cの質量%とは、粉全体の質量に対するCの質量の割合をいう。
実施例及び比較例で得られた結果を表1と2及び図1〜2に示した。また、実施例2、実施例3及び比較例2の焼成膜表面のSEM画像を図3〜9に示した。
Figure 0005377483
Figure 0005377483
表1は、実施例1および比較例1の粉末状態における焼成温度、焼成時間、BET、TAP密度、N、O、Cの質量比、真密度および真密度比ρと、ρ150/ρ、ρ200/ρの値である。また、実施例3の焼成膜における焼成温度、焼成時間、焼成後のCの質量%も示している。また、表2は実施例2、実施例3及び比較例2における焼成温度、焼成時間と体積抵抗率の値である。また、表1においてCの質量比に括弧付で示した値は、150℃および200℃で60分間焼成する前後の減少割合(焼成後のC量/焼成前のC量)である。
図3は、濾過・洗浄した後、乾燥させた本発明の金属含有組成物のSEM写真である。図中矢印が600nmである。明らかにナノメータサイズと観察できる微小粒子が塊になっている。これから本発明の金属含有組成物は、極微小なナノメーターサイズの1次粒子の集合体となっていることが分かる。また、図4は図3の乾燥粉末を溶媒に再分散させて撮影したTEM像である。矢印の間が50nmである。ここから求めた1次粒子径は14nmであり、乾燥粉末状態ではこの1次粒子が凝集して集合体として存在していることが分かる。
次に図1を参照する。図1は金属含有組成物の真密度比ρとそれを用いたペーストを膜にしたものを焼成した場合の体積抵抗の関係を示すグラフである。三角は比較例1の銀粉を大気中200℃で60分間焼成したサンプル(比較例2)であり、四角は実施例1の銀粉を大気中200℃で60分間焼成したサンプル(実施例2(200))、菱形は実施例を大気中150℃で60分間焼成したもの(実施例2(150))である。また、丸は実施例1の銀粉を大気中100℃で60分間乾燥させた後、大気中150℃で30分間焼成したもの(実施例3)である。四角、丸および菱形は実施例1の金属含有組成物を用いた焼成膜(実施例2および実施例3)の体積抵抗であるので、真密度比ρは、同じ1.01の値である。
これに対して比較例では、比較例1の金属含有組成物の真密度比が1.15であり、そのペーストを塗布し、200℃60分間焼成して作成した焼成膜(比較例2)の体積抵抗は、実施例の大気中150℃で焼成した場合(実施例2または3)より高い。すなわち、比較例は、真密度比ρも、体積抵抗も実施例より高かった。また、実施例2と実施例3を比較すると実施例2(大気中150℃で60分間焼成した場合)よりも、実施例3(大気中100℃で60分間乾燥した後、大気中150℃で30分間焼成した場合)のほうが体積抵抗が良好な結果となった。150℃での焼成時間は実施例3のほうが短時間であるため、100℃で60分間乾燥させている間にもある程度の粒子焼結が進んでいると考えられる。この結果からも本発明の金属含有組成物が低温焼結性に優れていることが分かる。
この体積抵抗値の違いは、低温焼結性の違いに起因していることが焼成膜の観察から知ることができた。図5、図6および図7を参照する。図5は実施例1の粉を使ったペーストを膜にして、大気中150℃で60分間焼成した場合(実施例2(150))の表面SEM写真であり、図6は実施例1の粉を使ったペーストを膜にして、大気中200℃で60分間焼成した場合(実施例2(200))の表面SEM写真である。図5および図6中の矢印は600nmを示す。そして図7は実施例1の粉を使用したペーストを塗布しを大気中100℃で60分間乾燥させた後、大気中150℃で30分間焼成した場合(実施例3)の表面SEM写真である。図7中の矢印は300nmを示す。写真中の塊は数百nm程度の塊になっており、焼成膜がサブミクロンサイズの粒塊の焼結から構成されていることが分かった。
それに対して、図8は比較例1の粉を使用したペーストを塗布しを大気中150℃で60分間(比較例2(150))、また図9は大気中200℃で60分間焼成した焼成膜(比較例2(200))表面のSEM像である。矢印は600nmである。写真中の塊は数十nm程度の大きさになっており、焼成後にもナノメーターサイズの粒子が多く見受けられる。このことから比較例においては、200℃の焼成であっても焼結が進んでいないことが分った。以上のことから、本発明の金属ナノ粒子含有組成物のようにρ値が低いものは、低温焼結性に優れていることが分かった。
次に図2を参照する。図2は、横軸がバルク状態の密度ρMと実施例1の金属含有組成物のρ150若しくはρ200との比であり、縦軸は体積抵抗である。図1の場合と同じで、三角は比較例1の銀粉を大気中200℃で60分間焼成した場合(比較例2(200))であり、四角は実施例1の銀粉を大気中200℃で60分間焼成した場合(比較例1(200))であり、菱形は実施例1の銀粉を大気中150℃で60分間焼成した場合(実施例2(150))である。
実施例を大気中200℃で60分間焼成したサンプル(四角)は、バルク状態の密度との比が1.00に近く、また体積抵抗も最も小さかった。実施例を大気中150℃で60分間焼成したサンプル(菱形)は、バルク状態の密度との比は、200℃で焼成した場合ほどではないが、0.98程度であった。体積抵抗は、200℃での焼成の場合より高くなった。一方、比較例は、バルク状態の密度との比が0.87程度であり、体積抵抗も実施例を150℃で焼成した場合(菱形)より高かった。
以上のようにバルク状態の密度との比が1.00に近いということは、金属含有組成物の焼成物がよりバルクの銀に近づいていることを示している。これは、金属表面に付着していた保護剤が蒸散し、低温でも金属粒子同士の焼結が進行したことがわかる。
以上のことから、本発明の金属ナノ粒子含有組成物は、低温での焼結性に優れており、結果として低温焼成でも抵抗値の低い焼結膜を得ることができる。
本発明の金属ナノ粒子含有組成物は、低温焼結性に優れており紙やPETなどの基板に印刷することにより、低抵抗な回路配線を作製することができる。また、本発明に係る金属粒子は、FPD・太陽電池・有機EL用の電極形成、RFIDの配線形成、また微細なトレンチ、ビアホールコンタクトホールなどの埋め込みなどの配線、車や船の塗装用色材、医療、診断、バイオテクノロジー分野での生化学物質を吸着させるキャリア、抗菌作用を利用した抗菌塗料、触媒、低温焼結性及び導電性に優れることから、はんだの代用として導電性接着剤、樹脂との混合により導電性ペーストやそれを用いたフレキシブルプリント回路、高屈曲性シールド、コンデンサ等と言った各用途に利用できる。

Claims (6)

  1. 水とアンモニア水とヘキサン酸と還元剤を混合し還元液を調液する還元液調液工程と、
    前記還元液に、金属塩水溶液を添加し反応させる反応工程と、
    前記反応工程で得られた生成物を濾過し水で洗浄する濾過・洗浄工程によって生成され、
    平均粒子径が100nm未満の微小金属粒子を含む金属含有組成物であって、
    前記金属含有組成物を150℃で60分間加熱した後の真密度をρ150とし、
    前記金属含有組成物を200℃で60分間加熱した後の真密度をρ200とし、
    前記ρ200と前記ρ150との比(ρ200/ρ150)を真密度比ρとした際に、
    前記ρが1.10以下である金属含有組成物。
  2. 前記微小金属粒子のバルク状態の密度をρとした際に、
    前記ρ150と前記ρとの比(ρ150/ρ)および/または前記ρ200と前記ρとの比(ρ200/ρ)が0.8以上である請求の範囲第1項に記載された金属含有組成物。
  3. 前記微小金属粒子の表面には、ヘキサン酸が付着している請求の範囲第1項または2項の何れかの請求の範囲に記載された金属含有組成物。
  4. 前記微小金属粒子は、金、銀、銅のうち少なくとも1種を含む、化合物および/または単体物である請求の範囲第1項乃至3項の何れか1の請求の範囲に記載された金属含有組成物。
  5. 請求の範囲第1項乃至4項の何れか1の請求の範囲に記載された金属含有組成物を含む導電性ペースト。
  6. 請求の範囲第1項乃至4項の何れか1の請求の範囲に記載された金属含有組成物を焼成した金属膜。
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