JP2006028392A - インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 重合性官能基を有する微粒子を含有し、該微粒子としては無機化合物のものが挙げられ、また透明であることが好ましい。また該前記重合性官能基が1つ以上の二重結合を有するものであってもよい。重合性官能基を有する微粒子を含有することにより、高重合速度・低PII値・低粘度を満たす事ができた。また、低粘度化する為の希釈溶剤の必要もなくなった。
【選択図】 なし
Description
また、紫外線硬化の重合速度は、一般的に、使用するモノマーの分子量が低いほど高い傾向にある。
また、低いPIIでおよび重合速度を向上させる策として多官能モノマーの使用も有利であるが、高粘度化してしまう。
高粘度のインク組成物を低粘度化する為には揮発性の高い(常温で揮発する)有機溶剤(VOC)を多く使用せざるを得ず、環境面から見ても好ましいものではなかった。
したがって、本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、硬化(重合)速度が高く、低粘度、低毒性である、紫外線硬化型のインク組成物を提供することを目的とする。
即ち本発明は、以下の通りである。
(1)重合性官能基を有する微粒子を含有するインク組成物。
(2)前記微粒子が無機化合物である前記(1)のインク組成物。
(3)前記微粒子が透明である前記(1)または(2)のインク組成物。
(4)前記重合性官能基が1つ以上の二重結合を有する前記(1)のインク組成物。
本発明のインク組成物に含有される、重合性官能基を有する微粒子とは、本発明の作用効果を奏するものであれば、特に限定されないが、一般的に体質顔料と称されるもので、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化カルシウム等の無機化合物が例示され、特に、シリカ、アルミナ等の透明なものも好適に使用できる。
また、該微粒子が有する重合性官能基としては、特に限定されず、アクリロイル基、メタクリロイル基等が例示され、さらに、1つ以上の二重結合を有する重合性官能基とすることも可能である。
該微粒子の大きさとしては、特に限定されないが、粒径が10〜100nmのものが好ましい。
モノマーとしては、単官能モノマー、二官能モノマー、三官能以上の多官能モノマーの何れも用いることができるが、何れのモノマーも、PII値が2以下であることが好ましい。
また、インク組成物の低粘度化の観点から、二官能モノマー及び多官能モノマーの使用量は極力少ない方が好ましい。
本発明のインク組成物に使用できるオリゴマーとは、中程度の大きさの相対分子質量をもつ分子で、相対分子質量の小さい分子から実質的あるいは概念的に得られる単位の少数回、一般的には約2〜20回程度の繰返しで構成された構造をもつものをいう。また本発明において用いられるオリゴマーは、光重合性プレポリマー、ベースリジンまたはアクリルオリゴマーと呼ばれるものでもある。
本発明において用いられるオリゴマーは、例えば骨格を構成する分子構造により、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート等が挙げられ、好ましくは、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレートである。
本発明に用いられるオリゴマーは、分子量が5,000〜20,000程度の範囲のもの、好ましくは500〜10,000程度の範囲のものが使用される。
また、本発明のインク組成物を有色インクとする場合には、前述の重合性官能基を有する微粒子として透明又は白色のものを使用し、必要な色剤を添加する。
この場合に使用される色剤は、染料、顔料のいずれであってもよいが、インク組成物の不溶化あるいは増粘等の作用によって、インク組成物中の着色成分の浸透を抑制する場合には、インク中に溶解している染料よりも分散している顔料の方が有利である。
使用される顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5%、好ましくは0.1〜3%である。
また、本発明のインク組成物は、粘度が、25℃で100mPa・s以下であることが、使用上好ましい。
本発明のインク組成物を用いるインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を記録媒体付着させた後に、紫外線光を照射する。照射された紫外線光によって光重合開始剤がラジカル等を生じ、これによって、モノマー(オリゴマーを含む場合はオリゴマーも)が重合反応を開始してインク組成物が記録媒体に固着する。これにより、金属やプラスチック等の水性媒体を浸透することが不可能な媒体表面にも鮮明でかつ膜強度、耐薬剤性に優れた印字を行うことができるものと考えられる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
また、本発明のインク組成物を用いるインクジェック記録方法では、紫外線光照射と同時またはその後に加熱してもよい。
加熱は、記録媒体に熱源を接触させて加熱する方法、赤外線やマイクロウェーブ(2,450Mhz程度に極大波長を持つ電磁波)などを照射し、または熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触させずに加熱する方法などが挙げられる。
1.重合性微粒子の製法
シリカゾルIPA−ST(日産化学工業(株)製、シリカ濃度30wt%のイソプロピルアルコール(以下IPAと略す)分散液)88.1重量部を200ml容量の三角フラスコに加え、シラン化合物サイラエースS710(チッソ(株)製)7.9重量部を添加した。マグネティックスターラーで攪拌しながら0.05mol/リットル濃度の塩酸を4重量部添加し、室温で24時間攪拌しながら反応を行った。その結果、重合性微粒子1を含むIPA分散液Aを得た。
(1)インク組成物1(実施例1)の調製
容量800mlの丸底フラスコにMedol−10 70重量部、上記分散液A 100重量部を加え、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを留去し、重合性微粒子1を30wt%含むモノマー溶液Bを得た。
容量100mlの褐色サンプル瓶に、このモノマー溶液Bを20g加え、Medol−10 61g、ビスコート#360 14g、Irgacure1800 5gを添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明なインク組成物1を調製した。このインク組成物1の組成と粘度は下記の通りである。
容量100mlの褐色サンプル瓶に、このモノマー溶液Bを33.3g加え、Medol−10 51.7g、ビスコート#360 10g、Irgacure1800 5gを添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明なインク組成物2を調製した。このインク組成物2の組成と粘度は下記の通りである。
(3)インク組成物3(比較例1)の調製
容量100mlの褐色サンプル瓶に、Medol−10 75g、ビスコート#360 20g、Irgacure1800 5gを添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明なインク組成物3を調製した。このインク組成物3の組成と粘度は下記の通りである。
容量800mLの丸底フラスコにMedol−10 70重量部、前述のシリカゾルIPA−ST 100重量部を加え、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを留去し、重合性官能基を持たないシリカ微粒子を30wt%含むモノマー溶液Cを得た。
容量100mlの褐色サンプル瓶に、このモノマー溶液Cを20g加え、Medol−10 61g、ビスコート#360 14g、Irgacure1800 5gを添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明なインク組成物4を調製した。このインク組成物4の組成と粘度は下記の通りである。
Medol−10(大阪有機化学工業(株)製) 75重量部
ビスコート#360(大阪有機化学工業(株)製) 14重量部
Irgacure1800(チバスペシャリティケミカルズ(株)) 5重量部
重合性微粒子1 6重量部
粘度 11.5(mPa・s)
Medol−10(大阪有機化学工業(株)製) 75重量部
ビスコート#360(大阪有機化学工業(株)製) 10重量部
Irgacure1800(チバスペシャリティケミカルズ(株)) 5重量部
重合性微粒子1 10重量部
粘度 12.0(mPa・s)
Medol−10(大阪有機化学工業(株)製) 75重量部
ビスコート#360(大阪有機化学工業(株)製) 20重量部
Irgacure1800(チバスペシャリティケミカルズ(株)) 5重量部
粘度 11.0(mPa・s)
Medol−10(大阪有機化学工業(株)製) 75重量部
ビスコート#360(大阪有機化学工業(株)製) 14重量部
Irgacure1800(チバスペシャリティケミカルズ(株)) 5重量部
シリカ微粒子2 6重量部
粘度 11.7(mPa・s)
上記インク組成物をガラス基板上に滴下し、365nm波長の紫外線、照射強度17mW/cm2、照射時間6秒、積算光量102mJ/cm2の硬化条件にて処理を行った後、以下の硬化性の目視評価を実施した。
○:完全に硬化する
△:ほとんど硬化するが完全ではない
×:一部だけ硬化する。
上記方法で硬化処理を行った試料に対して、JIS K5400(鉛筆引っ掻き試験手書き法)に規定される方法によって、硬度評価を行った。
硬化実験および鉛筆硬度試験の結果を下記表2に示す。
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタPM−G900を利用し、上記例のインク組成物を用いて常温・常圧下にて、記録媒体にOHPフィルムを(富士ゼロックス(株)製、XEROX FILM<枠なし>)用いてベタパターン印刷を実施して、排紙口に設置した紫外線照射装置により、積算光量90mJ/cm2になるような硬化条件で印字及び硬化処理を同時に行った。この場合も同様に硬化性を目視評価した。結果を下記表3に示す。
Claims (4)
- 重合性官能基を有する微粒子を含有するインク組成物。
- 前記微粒子が無機化合物である請求項1記載のインク組成物。
- 前記微粒子が透明である請求項1または2記載のインク組成物。
- 前記重合性官能基が1つ以上の二重結合を有する請求項1記載のインク組成物。
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